JP2716093B2

JP2716093B2 - 医療用ベッド

Info

Publication number: JP2716093B2
Application number: JP1228322A
Authority: JP
Inventors: 健純土肥; 登四郎藤元; 隆之辻
Original assignee: France Bed Co Ltd
Current assignee: France Bed Co Ltd
Priority date: 1989-09-05
Filing date: 1989-09-05
Publication date: 1998-02-18
Anticipated expiration: 2013-02-18
Also published as: JPH0392158A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、ベッド上で患者を横臥状態のまま移動させ
ることのできる医療用ベッドに関するものである。

〔従来の技術〕病人や寝たきり障害者などの患者をベッドから抱き上
げる場合、介助人は、腰を傷めないように一旦ベッドの
側方に自らの手で患者を引き寄せる必要がある。また、
患者の衣類を着せ替えたり、ベッドのシーツを交換する
場合にも、患者を介助人の手で移動させなければならな
い。さらに、床擦れを防止するために、介助人は一定時
間毎に患者を移動させてその向きを変えてやる必要があ
る。しかしながら、これらの動作は、介助人とりわけ年
配の女性にとっては非常に骨の折れるものであり、従来
より、人手によらず患者を簡単に移動できる装置が久し
く切望されていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、上記した点に鑑み、ベッド上で患者を人手
によらず簡単に移動することのできる医療用ベッドを提
供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明は、マットレスの
内部に複数の人体支持部材を設け、該複数の人体支持部
材を連結部材で結合し、該連結部材に対して昇降手段と
水平移動手段とを設けて、該人体支持部材を蠕動可能と
して成る構造を基本とする。

そして、前記複数の人体支持部材を交互に別々の連結
部材で結合し、夫々の連結部材に対して昇降手段と水平
移動手段とを設けて成る構造も有効である。

〔作用〕

連結部材で結合された人体支持部材は、昇降手段と水
平移動手段とにより蠕動運動を行って患者を移動させ
る。ここで、複数の人体支持部材を交互に別々の連結部
材で結合して、夫々の人体支持部材を交互に蠕動させれ
ば、よりスムーズな移動が可能となる。

〔実施例〕

第１図は、本発明に係る医療用ベッドの一実施例を示
す一部切欠斜視図である。

該医療用ベッド１は、マットレス２…の内部に複数の
人体支持部材3,3aを相互に間隔を開けて設け、該複数の
人体支持部材3,3aを交互に別々の連結部材4,4aで結合
し、夫々の連結部材4,4aに対して昇降手段5,5aと水平移
動手段6,6a,7,7aとを設けて、夫々の人体支持部材4,4a
を任意方向に交互に蠕動可能として成ることを特徴とす
るものである。

すなわち、該医療用ベッド１の枠体８の内側には、断
面逆凹形状の柱状弾性マットレス２…を複数横置きに配
列してあり、該柱状マットレス２は、後述する昇降手段
5,5aによって支持され、該枠体８に対して上下方向移動
可能に接している。さらに、該複数の柱状マットレス２
…の内側に形成した逆凹状溝９には、剛性の人体支持部
材3,3aを嵌め込んである。該人体支持部材3,3aの夫々の
長さL₁は、該柱状マットレス２の長さＬよりも短く設定
してあり、それによって該人体支持部材3,3aのベッド横
方向イへの移動量L₂を確保しており、また、該人体支持
部材3,3aのベッド長手（縦）方向ロへの移動は、隣接す
る人体支持部材3,3aの間のマットレス２を圧縮して行わ
れる。尚、これら縦横イ，ロへの移動は、後述する水平
移動手段6,6a,7,7aにより行われる。

該複数の人体支持部材3,3aは、第２図にその概略図を
示すように、交互に別々（一対）の長方形リンク状連結
部材4,4aによって結合され、該連結部材4,4aとの交差部
には夫々逃げ溝10,10aを設けて、夫々の連結部材4,4aを
該逃げ溝10,10a内で上下左右に変位可能としている。

そして、該一対の連結部材4,4aの四角に対して、昇降
用エアシリンダ（合計８本）5,5aをベッド枠体８の底壁
11に起立固定している。該連結部材4,4aの四角には、ピ
ローボール12を取り付けてあり、該昇降用シリンダ5,5a
のピストンロッド13の先端に固定した滑走板14に対して
該ピローボール12を載置し、連結部材4,4aを縦横方向に
移動可能としてある。そして、該連結部材4,4aを縦横方
向イ，ロに移動するために、ベッド枠体８の底壁11に水
平移動用エアシリンダ6,6a,7,7aを縦横各２本ずつ即ち
縦移動用シリンダ6,6aと横移動用シリンダ7,7aとを水平
に固定し、該縦移動用シリンダ6,6aを連結部材4,4aの横
辺ｙに、また、横移動用シリンダ7,7aを該連結部材4,4a
の縦辺ｘに、夫々二股状の摺接杆15を介して直交方向に
連結してある。すなわち、夫々の連結部材4,4aに対し、
該摺接杆15の二股部15aを嵌合し、水平移動用シリンダ
6,6a,7,7aのピストンロッド16の先端に該摺接杆15の基
部15bを固定すると共に、該水平移動用シリンダ6,6a,7,
7aの固定を兼ねた収容ケース17の溝部17aに該摺接杆15
の基部15bをスライド自在に嵌合している。ここで、連
結部材4,4aは摺接杆15の二股部15aに対して上下方向ハ
及び該連結部材4,4aの軸方向に摺接自在となっている。

そして、前記昇降用シリンダ5,5aを駆動することによ
り、該連結部材4,4aは摺接杆15の二股部15aをスライド
して上あるいは下方向に移動する。ここで、一対の連結
部材4,4aは、夫々別々のシリンダ5,5aによって交互に駆
動され、該連結部材4,4aに結合した人体支持部材3,3a
は、柱状マットレス２を交互に上昇あるいは下降させ
る。さらに、水平移動用シリンダ6,6a,7,7aのうちの縦
移動用シリンダ6,6aを伸長あるいは圧縮することによ
り、連結部材4,4aの横辺ｙに嵌合した摺接杆15は、収容
ケース17の溝部17aをスライドして、連結部材4,4aをベ
ッド１の縦方向ロ（前あるいは後方向）に駆動する。こ
こで一対の連結部材4,4aは夫々別々の縦移動用シリンダ
6,6aにより別々（交互）に駆動され、人体支持部材3,3a
は、隣接する人体支持部材3,3a間のマットレス２を圧縮
して移動する。また、横移動用シリンダ7,7aを駆動した
場合も同様に、連結部材4,4aの縦辺ｘに嵌合した摺接杆
15は、収容ケース17の溝部17aをスライドして、連結部
材4,4aをベッド１の横方向イ（右あるいは左方向）に駆
動する。この場合も、一対の連結部材4,4aは夫々別々の
横移動用シリンダ7,7aにより別々（交互）に駆動され、
人体支持部材3,3aは、柱状マットレス２の両端の余肉部
L₂を圧縮して移動する。

第３図（ａ）〜（ｌ）は、患者をベッドの縦方向に移
動する場合の作用説明図である。

（ａ）は、本実施例の医療用ベッド１に患者Ｍを寝か
せた状態を示す。図で、２は、柱状マットレス、3,3a
は、人体支持部材を示し、該人体支持部材3,3aは夫々柱
状マットレス２の中央に位置している。

（ｂ）は、第１図で示した一方の昇降用シリンダ５を
圧縮することにより、一方の連結部材４を下降させ、該
連結部材４に結合した人体支持部材３と柱状マットレス
２とを矢印ハ方向に一体的に下降させた状態を示す。こ
こで、患者Ｍは、他方の連結部材4aに連結した人体支持
部材3a及びそのマットレス２によって支持されている。

（ｃ）は、（ｂ）で患者Ｍを支持した側の連結部材3a
を一方の縦移動用シリンダ6aにより所望の方向（図では
矢印ロ方向）に駆動して、人体支持部材3aを柱状マット
レス２の内部で移動した状態を示すものであり、患者Ｍ
は、該人体支持部材3aによって矢印ロ方向に移動する。

（ｄ）は、他方の縦移動用シリンダ６により、下降し
ている側の人体支持部材３を所望する方向とは反対の方
向ロ′に幅寄せした状態を示す。すなわち、後述する
（ｇ）での移動に対する変位量を最大限確保するための
動作である。

（ｅ）は、（ｄ）で移動させた人体支持部材３を上昇
させ、患者Ｍを全てのマットレス２で支えた状態を示
す。

（ｆ）は、他方の昇降用シリンダ5aを圧縮方向に作動
させ、他方の連結部材4aを下降させることにより、
（ｅ）で上昇した人体支持部材３に隣接する側の人体支
持部材3aを下降させて、患者を人体支持部材３で支えた
状態を示す。

（ｇ）は、患者を支えた人体支持部材３を他方の縦移
動用シリンダ６によって矢印ロ方向に駆動することによ
り、患者Ｍをさらに移動させた状態を示す。

（ｈ）は、下降している側の人体支持部材3aを（ｄ）
と同様に反対方向ロ′に移動させた状態を示す。

（ｉ）は、（ｈ）で移動した側の人体支持部材3aを上
昇させ、全てのマットレス２で患者Ｍを支えた状態を示
す。

（ｊ）は、（ｉ）で上昇させた人体支持部材3aに隣接
する側の人体支持部材３を（ｂ）と同様に下降させた状
態を示す。

（ｋ）は、（ｊ）で患者Ｍを支えている側の人体支持
部材3aを矢印ロ方向に駆動して、患者Ｍをさらに移動し
た状態を示す。

（ｌ）は、下降している側の人体支持部材３を反対方
向ロ′に幅寄せした状態である。すなわち、（ｌ）は、
（ｄ）と同一の状態であり、（ｌ）からは（ｄ）〜
（ｌ）の動作（蠕動運動）を繰り返すことによって、さ
らに患者Ｍを移動させることができる。

尚、第３図の作用は、昇降用シリンダ5,5aと縦移動用
シリンダ6,6aとを用いて、患者Ｍをベッド１の縦方向ロ
に移動するものであったが、昇降用シリンダ5,5aと横移
動用シリンダ7,7aとを用いることにより、人体支持部材
3,3aをベッド１の横方向イに蠕動させ、患者Ｍを横方向
イに移動することもできる。また、縦駆動用シリンダ6,
6aと横駆動用シリンダ7,7aとを同時に作動させれば、患
者Ｍを斜め方向に移動することができる。さらに、各四
本の昇降用シリンダ5,5aのうちの各二本を作動して、連
結部材4,4aの一方の縦辺ｘあるいは横辺ｙを持ち上げる
ことにより、マットレス２を傾斜させて、患者Ｍの移動
や寝返りをし易くすることもできる。

また、上記実施例は、一対の連結部材4,4aを用いて、
複数の人体支持部材3,3aを交互に駆動して患者Ｍをスム
ーズかつ迅速に移動するものであるが、一本の連結部材
を用いて患者を移動することも可能であり、その場合に
は、シリンダ等の数も半分で済み、構造が簡単になりコ
ストも安くなる。

〔発明の効果〕

以上の如くに、本発明によれば、ベッド上で病人や寝
たきり障害者等を人手によらず簡単に移動することがで
きるから、患者の衣類の着せ替えやシーツ交換を能率良
く行うことができると共に、患者の床擦れ防止を図るこ
とができ、介助人の負担を大幅に軽減させるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部切欠斜視図、第２図は本発明における人体支持部材と連結部材の構造
を示す斜視図、第３図（ａ）〜（ｌ）は本発明の作用説明図である。１……医療用ベッド、２……柱状マットレス、3,3a……
人体支持部材、4,4a……連結部材、5,5a……昇降用シリ
ンダ、6,6a……縦移動用シリンダ、7,7a……横移動用シ
リンダ。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】マットレスの内部に複数の人体支持部材を
設け、該複数の人体支持部材を連結部材で結合し、該連
結部材に対して昇降手段と水平移動手段とを設けて、該
人体支持部材を蠕動可能として成ることを特徴とする医
療用ベッド。
【請求項２】前記複数の人体支持部材を交互に別々の連
結部材で結合し、夫々の連結部材に対して昇降手段と水
平移動手段とを設けて成る請求項（１）記載の医療用ベ
ッド。