JP2714958B2 - 製鋼所ダストから無結合剤団塊を製造する方法 - Google Patents

製鋼所ダストから無結合剤団塊を製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属鉄を含有した微粒の製鋼所ダストから無
結合剤団塊（bindemittellosen Briketts）を製造する
際に、製鋼所ダストを加熱し、高温状態のまま製団ロー
ルプレス（Walzenbrikettierpresse）で団塊とし、高温
団塊を空冷するようにした方法に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
製鋼際に例えば、転炉及びアーク炉の排ガスからダス
トを除くための電気集塵機に極めて微粒のダストが捕集
され、このダストはFe2O3、FeO及び金属鉄を多量に含有
する。CaOとMgOの含量は大きく変動し、３〜30％の範囲
になることがなる。
電気集塵機に捕集される微粒ダストは約60％が0.045m
mより小さく、その比表面積は7,000〜9,300cm2/gと大き
いので、比重が約5g/cm3程度で1t/m3という低い嵩密度
となり、含有される金属鉄及びFeOは約130℃以上で酸素
又は酸素含有ガスと極めて反応し易くなる。鉄の総含量
が60〜75％場合、FeO含量は通常15〜25％であり、金属
鉄の含量は約24％にも達する。
蒸発冷却器で捕集されるダストにおけるCaOとMgOの含
量は電気集塵機の場合と同様に変動する。このダストの
粒子はかなり大きく、0.045〜1mmが約90％に達する。嵩
密度は約3t/m3程度、比重は約6g/cm3程度である。鉄の
総含量は約80〜93％、FeO含量は約２〜10％、金属鉄の
含量は約70〜88％である。約350℃で金属鉄も含有FeOも
環境からの酸素により酸化される。
このダストの被酸化傾向は非常に大きいので、環境か
ら酸素を供給すると酸化が起こり、その際、排ガスの含
有CO2もCO2分解により酸化が起こる。ダスト温度を650
℃にした実験により、酸素、CO及びススへのCO2の分解
により酸化が確認され、これは約9.4％のFeがFeOに酸化
することに相当する。
これらの性質のために、このダストは未処理状態では
貯蔵と再利用が不可能である。
西ドイツ国特許第3,233,203号明細書からこのダスト
を製団することは公知であり、その際、ダストは製団前
に200℃より高い温度で酸化性ガスを吹き付けられ、金
属鉄の一部の酸化によりダストの温度が450〜650℃に高
められる。製団は製団ロールプレスにより6kN/cmロール
幅より大きいロール力で行われる。高温団塊は空気流中
で100℃以下の温度に冷却される。金属鉄の再酸化が必
要であるため、多量のエネルギーを消費して既に行われ
た還元の仕事量が無駄となる。
本発明の課題は、このようなダストを再酸化を起こさ
せないで製団し、これによって経済的な方法でかつ金属
鉄、FeO、CaO及びMgOの含量が変動する場合でも一定の
品質をもった団塊を得ることである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するため、本発明に従えば、金属鉄含
量が15％より多い製鋼所ダストを間接加熱ロータリーキ
ルン内で金属鉄に対して不活性な雰囲気下で500℃より
高い温度に加熱し、加熱ダストを製団ロールプレスによ
り不活性雰囲気下、60〜150kN/cmロール幅のロール力で
製団して高温団塊を製造し、製団中に製造された高温団
塊と微粉とを不活性雰囲気下で分離し、団塊を130℃未
満の温度に空冷し、微粉はロータリーキルンへ再循環さ
れる。一種類のダスト又は数種類のダストの混合物を用
いることができるが、結合剤に類似した作用をする金属
鉄をこれらのダストが15％より多く含んでいなければ、
製団を行うことができない。ロータリーキルンは加熱炉
内で熱媒としての高温ガスにより外部から所望温度に加
熱される。ダストはロータリーキルンの装入端から装入
され、キルン内を通り、キルンの他方端から所望温度と
なって排出される。その温度は500〜850℃の間であり、
ダストの種類によって決まる。その最適温度は実験によ
り得られるが、500℃より高くなければ、ダストに含ま
れている金属鉄が結合剤に類似した作用をしない。不活
性ガス、好ましくは窒素は、ロータリーキルンへその装
入端から導入され、他方端から排出される。ロータリー
キルンは空気の侵入に対して封止されている。高温ダス
トは空気を遮断して、好ましくは密閉シュート系内を通
って、製団ロールプレスに送られる。この製団ロールプ
レスのロール力が60〜150kN/cmロール幅の範囲でなけれ
ば、結合剤を含んでいないダストを製団することができ
ない。製団ロールプレスを出た材料は篩別手段に送ら
れ、そこで微粉は分離され、ロータリーキルンへ戻され
る。系全体は不活性雰囲気下にある。高温団塊は、例え
ばエプロンコンベヤで移送される間に、この団塊に吹き
付けられる空気により急冷される。このときに団塊が13
0℃未満の温度まで冷却されなければ、環境からの酸素
によって団塊が再酸化されて、既に行われた還元の仕事
量が無駄になる。
好適態様によれば、ロータリーキルンから排出された
加熱不活性ガスはロータリーキルンへ再循環される。こ
れにより不活性ガスは再利用され、その熱量もロータリ
ーキルンへ再び導入される。
別の好適態様によれば、ロータリーキルンを加熱する
燃料ガス及び燃焼空気の少なくとも一方は熱交換器内で
排出煙道ガスにより予備加熱される。これにより加熱に
必要なエネルギー量が簡単に低減される。
〔実施例〕
本発明を図面と実施例により詳細に説明する。
ビン１から電気集塵機ダストが、ビン２から蒸発冷却
ダストが発出され、コンベヤ管路３（密閉連続スクレー
パコンベヤ、バケットコンベヤ）に供給される。コンベ
ヤ管路３には。管路４と管路５から窒素が供給される。
ダストはコンベヤ管路３からスクリュコンベヤに装入さ
れ、そこから加熱路８内のロータリーキルン７に装入さ
れる。加熱路８の環状空間９に管路10から空気が、管路
11から燃料ガスが導入され、環状空間９内で燃焼され
る。排ガスは環状空間９から管路12を経て排出され、熱
交換機13、14内を通り、そこで空気と燃料ガスが予備加
熱される。ロータリーキルン７には管路15から窒素が導
入される。この窒素はロータリーキルン７から管路16を
経て排出され、再循環される。加熱ダストはロータリー
キルン７から密閉シュート系17に排出され、スクリュー
コンベヤ18に装入される。ここからダストは製団ロール
プレス19に入る。製団ロールプレス19を出た材料は篩別
手段20に入り、ここから高温団塊は管路21を経てエプロ
ンコンベヤ22に送られ、微粉は管路23を経てコンベヤ管
路24に装入される。窒素が管路25から篩別手段20へ、ま
た管路26からコンベヤ管路24へ供給される。エプロンコ
ンベヤ上で団塊に管路27から空気が吹き付けられる。冷
却された団塊はビン28に供給され、そこから搬送され
る。高温ダストは製団ロールプレス19を迂回して管路29
からコンベヤ管路24に、したがってロータリーキルン７
へ再循環させることができる。ダストは管路30を経て系
から排除することができる。
系全体は、簡単化のために線で示した部分でも互いに
気密に結合されている。
実験例 ロータリーキルンは内径0.62m、長さ4.5mであり、６
個のバーナーで加熱した。ダストは窒素雰囲気下で加熱
した。処理量は0.25t/hであった。
電気集塵機ダスト60％と蒸発冷却ダスト40％との混合
物及び両ダストがそれぞれ50％の混合物を用いた。実験
１では加熱温度を680℃とし、実験２では600℃とした。
ダストの組成は次の通りであった。
化学組成 電気集塵機ダスト 蒸発冷却ダスト Fe合計 72.0 ％ 92.3 ％ Fe金属 21.7 ％ 88.8 ％ FeO 24.4 ％ 2.1 ％ CaO 3.0 ％ 4.5 ％ MgO 0.26％ 0.05％ SiO2 1.5 ％ 0.5 ％ Al2O3 0.17％ 0.1 ％ Ｐ 0.07％ 0.04％ Mn 0.62％ 0.16％ Zn2 1.2 ％ 0.08％ Pb 0.17％ 0.05％ 粒度分布 電気集塵機ダスト 蒸発冷却ダスト ＋1mm − 8.0％ 0.2−1mm 4.8％ 70.9％ 0.045−0.2mm 36.2％ 19.7％ −0.045mm 59.0％ 1.4％ 比表面積 7743cm2/g 実験 １ ２ 電気集塵機ダスト部分（％） 60 50 蒸発冷却ダスト部分（％） 40 50 製団温度（℃） 650 550 プレス供給材料の嵩密度（kg/cm3） 1.66 1.91 製団力（KN/cmロール幅） 125 125 生産量（kg団塊/h） 9051 10860 団塊重量（kg/団塊） 117.8 116.9 団塊比重（g/cm3） 4.57 4.64 圧縮強度、冷時（N/団塊） 5685 5845 Fe合計 80.3％ 82.2％ Fe金属 48.0％ 54.8％ FeO 15.4％ 13.0％ 〔発明の効果〕 本発明の利点は、ダストを再酸化させることなく団塊
に形成することができ、その際、ダストの組成が変動し
ても極めて良好な性質を有する団塊が得られることであ
る。CaOとMgOの含量の大きな変動に伴うダストの流動挙
動とは無関係にロータリーキルン内での加熱が一定の充
填度を可能にし、したがって、均一な排出量及び均一な
温度が確実に得られる。良好な密閉が得られるため、不
活性化のための窒素は少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
第１図はダストを製団するプラントの概略図である。 なお図面に用いた符号において、 ７……ロータリーキルン 19……製団ロールプレス 20……篩別手段 27……空気管路 である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】金属鉄を含有した微粒の製鋼所ダストから
    無結合剤団塊を製造する際に、製鋼所ダストを加熱し、
    高温状態のまま製団ロールプレスで団塊とし、高温団塊
    を空冷するようにした方法において、 金属鉄含量が15％より多い製鋼所ダストを間接加熱ロー
    タリーキルン内で金属鉄に対して不活性な雰囲気下で50
    0℃より高い温度に加熱し、加熱ダストを製団ロールプ
    レスにより不活性雰囲気下、60〜150kN/cmロール幅のロ
    ール力で製団して高温団塊を製造し、製団中に製造され
    た高温団塊と微粉とを不活性雰囲気下で分離し、団塊を
    130℃未満の温度に空冷し、微粉をロータリーキルンへ
    再循環させることを特徴とする方法。
  2. 【請求項２】加熱不活性ガスをロータリーキルンから排
    出させてロータリーキルンへ再循環させることを特徴と
    する請求項１記載の方法。
  3. 【請求項３】燃料ガス及び燃焼空気をロータリーキルン
    に導入し、ロータリーキルンを加熱する燃料ガス及び燃
    焼空気の少なくとも一方を熱交換器内でロータリーキル
    ンからの排出煙道ガスにより予備加熱することを特徴と
    する請求項１記載の方法。
  4. 【請求項４】不活性ガスが窒素であることを特徴とする
    請求項２記載の方法。
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