JP2714578B2 - 高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルム及びその製造法 - Google Patents
高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルム及びその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィ
ルムの製造法に関するものである。
ルムの製造法に関するものである。
[従来の技術] ポリビニルアルコールフィルム(以下、PVAフィルム
と略す)は、高分子フィルムの中で最も高い酸素バリア
ー性を有しているので、食品包装用ラミネートフィルム
として広く使用されているが、従来のPVAフィルムに
は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の他のフ
ィルムに比べると機械的強度及び耐熱耐水性に劣ること
が知られていた。
と略す)は、高分子フィルムの中で最も高い酸素バリア
ー性を有しているので、食品包装用ラミネートフィルム
として広く使用されているが、従来のPVAフィルムに
は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の他のフ
ィルムに比べると機械的強度及び耐熱耐水性に劣ること
が知られていた。
このような欠点を改良するための方法として、特開昭
52−136278号公報には、水を可塑剤として溶融押出した
PVAフィルムの逐次二軸延伸法により、引張り強度21Kg/
mm2、弾性率680Kg/mm2の広幅薄膜で寸法安定性の良好な
フィルムが得られるとする製造法が開示されており、
又、特開昭61−283526号公報には、溶媒として水を用い
ずにジメチルスルホキシド100%、或は、グリセリン100
%を用いた乾湿式法にてPVAフィルム作成した後、同時
二軸延伸をすることにより、重合度3,500のもので引張
り強度45乃至47Kg/mm2、弾性率320乃至350Kg/mm2、重合
度9,600のもので引張り強度56乃至57Kg/mm2、弾性率530
乃至550Kg/mm2の高強度・高弾性率PVAフィルムが得られ
るとする製造法が開示されている。
52−136278号公報には、水を可塑剤として溶融押出した
PVAフィルムの逐次二軸延伸法により、引張り強度21Kg/
mm2、弾性率680Kg/mm2の広幅薄膜で寸法安定性の良好な
フィルムが得られるとする製造法が開示されており、
又、特開昭61−283526号公報には、溶媒として水を用い
ずにジメチルスルホキシド100%、或は、グリセリン100
%を用いた乾湿式法にてPVAフィルム作成した後、同時
二軸延伸をすることにより、重合度3,500のもので引張
り強度45乃至47Kg/mm2、弾性率320乃至350Kg/mm2、重合
度9,600のもので引張り強度56乃至57Kg/mm2、弾性率530
乃至550Kg/mm2の高強度・高弾性率PVAフィルムが得られ
るとする製造法が開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] 然しながら、特開昭52−136278号公報に開示された方
法では、得られるPVAフィルムの機械的強度が未だ低
く、又、特開昭61−283526号公報に記載された方法で
は、機械的強度の面ではかなり改善されてはいるもの
の、引張り強度が50Kg/mm2以上のフィルムを得るために
は重合度が9,600以上という高重合度のPVAを使用しなけ
ればならず、このような高重合度のPVAは、現在の合成
技術をもってしては通常のアゾビス系開始剤を用いるラ
ジカル重合法で得ることは不可能であり、紫外線や放射
線を用いる特殊な重合方法によらなければならないた
め、前記重合度が9,600もの高重合度PVAは当然の結果と
してコストが高くなり、一般の工業用或は食品用として
利用することはできないという難点があった。
法では、得られるPVAフィルムの機械的強度が未だ低
く、又、特開昭61−283526号公報に記載された方法で
は、機械的強度の面ではかなり改善されてはいるもの
の、引張り強度が50Kg/mm2以上のフィルムを得るために
は重合度が9,600以上という高重合度のPVAを使用しなけ
ればならず、このような高重合度のPVAは、現在の合成
技術をもってしては通常のアゾビス系開始剤を用いるラ
ジカル重合法で得ることは不可能であり、紫外線や放射
線を用いる特殊な重合方法によらなければならないた
め、前記重合度が9,600もの高重合度PVAは当然の結果と
してコストが高くなり、一般の工業用或は食品用として
利用することはできないという難点があった。
本発明は上述した従来技術の難点を解消することを目
的としてなされたものである。
的としてなされたものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明が採用した構成は、
引張り強度が85Kg/mm2以上で且つ弾性率が3,000Kg/mm2
以上であることを特徴とする高強度・高弾性率PVAフィ
ルムであり、又、この高強度・高弾性率PVAフィルム
は、例えば水対有機溶媒の重量比が90:10乃至10:90であ
る水と有機溶媒との混合溶液に溶解したPVAをスリット
状口金に通し乾湿式法にてゲル状フィルムを吐出させた
後、脱溶媒及び乾燥して得られるフィルムをゾーン延伸
することを特徴とする本発明の高強度・高弾性率PVAフ
ィルムの製造法により得られるものである。
引張り強度が85Kg/mm2以上で且つ弾性率が3,000Kg/mm2
以上であることを特徴とする高強度・高弾性率PVAフィ
ルムであり、又、この高強度・高弾性率PVAフィルム
は、例えば水対有機溶媒の重量比が90:10乃至10:90であ
る水と有機溶媒との混合溶液に溶解したPVAをスリット
状口金に通し乾湿式法にてゲル状フィルムを吐出させた
後、脱溶媒及び乾燥して得られるフィルムをゾーン延伸
することを特徴とする本発明の高強度・高弾性率PVAフ
ィルムの製造法により得られるものである。
即ち本発明の発明者等は、既に所定割合で混合した水
と有機溶媒との混合溶液を用いてゲルフィルム化を行な
い、次いで延伸することにより、高強度・高弾性率PVA
フィルムが得られるという知験を得ているが、今回この
方法において、延伸法をゾーン延伸法にして、更に高強
度・高弾性率のPVAフィルムを得るために研究を重ねた
結果、本発明の完成に至ったものである。
と有機溶媒との混合溶液を用いてゲルフィルム化を行な
い、次いで延伸することにより、高強度・高弾性率PVA
フィルムが得られるという知験を得ているが、今回この
方法において、延伸法をゾーン延伸法にして、更に高強
度・高弾性率のPVAフィルムを得るために研究を重ねた
結果、本発明の完成に至ったものである。
[作用] 本発明のPVAフィルムは機械的性質及び熱的性質に優
れたものであり、このような高強度・高弾性率のPVAフ
ィルムが得られる理由は、水と有機溶媒との混合溶液に
PVAを100乃至160℃の高温で完全に溶解させると、PVA溶
液は系全体で均一状態となるが、低温の凝固浴中或は低
温の空気中に吐出されると、分子運動が制御されつつ高
分子間で二次結合が生成して微小な結晶核が形成され、
その微小な結晶核のためにゲル状となる。このゲル状フ
ィルムを脱溶媒、乾燥した後、ゾーン延伸すると、通常
の熱延伸に比べ、局所的に加熱されることから、非常に
熱効率が良く、ほぼ均一に融点近くの温度で加熱できる
ということと、加えて、延伸する際の張力通常の2〜3
倍かけることができるといったことから、分子鎖の配向
が非常に容易におこり、更に伸びきり鎖結晶が形成され
るという点から、高強度・高弾性率のフィルムが得られ
ると考えられる。
れたものであり、このような高強度・高弾性率のPVAフ
ィルムが得られる理由は、水と有機溶媒との混合溶液に
PVAを100乃至160℃の高温で完全に溶解させると、PVA溶
液は系全体で均一状態となるが、低温の凝固浴中或は低
温の空気中に吐出されると、分子運動が制御されつつ高
分子間で二次結合が生成して微小な結晶核が形成され、
その微小な結晶核のためにゲル状となる。このゲル状フ
ィルムを脱溶媒、乾燥した後、ゾーン延伸すると、通常
の熱延伸に比べ、局所的に加熱されることから、非常に
熱効率が良く、ほぼ均一に融点近くの温度で加熱できる
ということと、加えて、延伸する際の張力通常の2〜3
倍かけることができるといったことから、分子鎖の配向
が非常に容易におこり、更に伸びきり鎖結晶が形成され
るという点から、高強度・高弾性率のフィルムが得られ
ると考えられる。
従来の方法による水100%或は有機溶媒100%用いたフ
ィルムの製造法では、ゲル状態の構造、即ち三次元網目
構造の形成が不十分なために超延伸することが不可能で
あったが、前述したように本発明製造法では、水と有機
溶媒とを適当な割合で混合した溶液を用いるため、その
ゲル状態が特殊で、三次元網目が均一となり、その結
果、フィルム形成後のゾーン延伸が可能となり、伸びき
り鎖結晶が形成されて、更に分子鎖が高度に配向し、結
晶構造が緻密となった高結晶化度で高ラメラサイズの高
次構造が形成されるものと考えられる。
ィルムの製造法では、ゲル状態の構造、即ち三次元網目
構造の形成が不十分なために超延伸することが不可能で
あったが、前述したように本発明製造法では、水と有機
溶媒とを適当な割合で混合した溶液を用いるため、その
ゲル状態が特殊で、三次元網目が均一となり、その結
果、フィルム形成後のゾーン延伸が可能となり、伸びき
り鎖結晶が形成されて、更に分子鎖が高度に配向し、結
晶構造が緻密となった高結晶化度で高ラメラサイズの高
次構造が形成されるものと考えられる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用するPVAとしては、ケン化度が95
モル%以上、好ましくは97モル%以上であり、特に99モ
ル%以上のものであることが好ましく、これらより低い
ケン化度のもの、例えば85モル%以下では高強度・高弾
性率PVAフィルムを得ることは困難である。
モル%以上、好ましくは97モル%以上であり、特に99モ
ル%以上のものであることが好ましく、これらより低い
ケン化度のもの、例えば85モル%以下では高強度・高弾
性率PVAフィルムを得ることは困難である。
重合度は、粘度平均で2,400以上であれば良く、通常
市販されている2,400乃至5,000程度のものを使用するこ
とができる。
市販されている2,400乃至5,000程度のものを使用するこ
とができる。
尚、更に高強度・高弾性率並びに耐熱性を高める必要
のある場合には、PVAとして重合度6,000乃至20,000の高
重合度PVA或はシンジオタクト構造若しくはアイソタク
ト構造に富むPVAを使用することが好ましい。
のある場合には、PVAとして重合度6,000乃至20,000の高
重合度PVA或はシンジオタクト構造若しくはアイソタク
ト構造に富むPVAを使用することが好ましい。
本発明において用いられる有機溶媒としては、水と親
和性の良いものが好ましく、更には任意の割合で水と良
く混ざるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、i−プロピルアルコール、アミノエタノール、フ
ェノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドを好ましい
例としてあげることができ、とりわけ、PVAに対する溶
解度や溶液状態でのPVAの安定性、更には水との混合割
合や凝固点降下等の関係から、ジメチルスルホキシドが
好ましい。
和性の良いものが好ましく、更には任意の割合で水と良
く混ざるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、i−プロピルアルコール、アミノエタノール、フ
ェノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドを好ましい
例としてあげることができ、とりわけ、PVAに対する溶
解度や溶液状態でのPVAの安定性、更には水との混合割
合や凝固点降下等の関係から、ジメチルスルホキシドが
好ましい。
上記した有機溶媒と水との混合割合は、有機溶媒と水
との割合がゲル形成と密接な関係があるので、通常は水
対有機溶媒の比を重量比で90:10乃至10:90、好ましくは
70:30乃至10:90とする。尚、ジメチルスルホキシド100
%若しくははグリセリン100%のPVA溶液からもフィルム
形成は可能であるが、ゲルフィルム形成後の延伸を高倍
率で行なうことは不可能である。
との割合がゲル形成と密接な関係があるので、通常は水
対有機溶媒の比を重量比で90:10乃至10:90、好ましくは
70:30乃至10:90とする。尚、ジメチルスルホキシド100
%若しくははグリセリン100%のPVA溶液からもフィルム
形成は可能であるが、ゲルフィルム形成後の延伸を高倍
率で行なうことは不可能である。
本発明においては、まずPVA溶液を調製する。PVA溶液
の濃度としては、吐出温度や延伸倍率に応じて2乃至30
重量%の範囲内にすることが好ましく、このような濃厚
溶液の調製は、一般にはPVAを加熱溶解させることによ
り行なわれるが、単に撹拌下で加熱したり、或はオート
クレーブや電子レンジを利用することもできる。
の濃度としては、吐出温度や延伸倍率に応じて2乃至30
重量%の範囲内にすることが好ましく、このような濃厚
溶液の調製は、一般にはPVAを加熱溶解させることによ
り行なわれるが、単に撹拌下で加熱したり、或はオート
クレーブや電子レンジを利用することもできる。
完全にPVAが溶解した溶液を吐出原液として紡糸する
のであるが、ゲル状フィルムの形成はスリット状の口金
を通して乾湿式法で行なう。口金付近の温度は60乃至90
℃の範囲で良く、吐出後直ちにアセトン、メタノール、
エタノール、ブタノール等の凝固浴中に押し出す。この
場合、凝固浴の温度が重要であり、吐出直後のPVA溶液
が短時間でゲル化する温度、即ち室温以下が好ましい
が、温度が低ければ低いほどゲルが形成され易いので、
0℃以下、とりわけ−20℃以下の温度で凝固させること
が好ましい。
のであるが、ゲル状フィルムの形成はスリット状の口金
を通して乾湿式法で行なう。口金付近の温度は60乃至90
℃の範囲で良く、吐出後直ちにアセトン、メタノール、
エタノール、ブタノール等の凝固浴中に押し出す。この
場合、凝固浴の温度が重要であり、吐出直後のPVA溶液
が短時間でゲル化する温度、即ち室温以下が好ましい
が、温度が低ければ低いほどゲルが形成され易いので、
0℃以下、とりわけ−20℃以下の温度で凝固させること
が好ましい。
そして、ゲル状フィルムを形成させた後、張力をかけ
ずにこの未延伸フィルムを巻き取り、空気中で乾燥さ
せ、その後に空気や不活性ガス雰囲気でのゾーン延伸に
付し、10倍から100倍までの超延伸を行なうのである。
ずにこの未延伸フィルムを巻き取り、空気中で乾燥さ
せ、その後に空気や不活性ガス雰囲気でのゾーン延伸に
付し、10倍から100倍までの超延伸を行なうのである。
以上のように、吐出後に脱溶媒、乾燥されたフィルム
を80乃至180℃の温度範囲、好ましくは120乃至160℃の
空気中でゾーン延伸した後、180乃至260℃で二段ゾーン
延伸、更に三段ゾーン延伸すると、超高強力超高弾性率
のPVAフィルムが得られるのであり、このように多段ゾ
ーン延伸処理は効果的である。尚、乾式法又は湿式法に
よっても目的とするフィルムを得ることができる。
を80乃至180℃の温度範囲、好ましくは120乃至160℃の
空気中でゾーン延伸した後、180乃至260℃で二段ゾーン
延伸、更に三段ゾーン延伸すると、超高強力超高弾性率
のPVAフィルムが得られるのであり、このように多段ゾ
ーン延伸処理は効果的である。尚、乾式法又は湿式法に
よっても目的とするフィルムを得ることができる。
本発明の特徴の一つは、ドープを調製する際に水と有
機溶媒との混合溶媒を用いることにあるが、高沸点の有
機溶媒の除去は困難であるので、例えばエタノールやア
セトン等の低沸点のものを更に混合した3成分系の溶媒
を用いることも好ましい。又、凝固浴をアルコールとジ
メチルスルホキサイドとの混合液や、アルコールに塩化
カルシウム等の無機物質を添加したものをしようするこ
とも、必要に応じ採用される手段である。
機溶媒との混合溶媒を用いることにあるが、高沸点の有
機溶媒の除去は困難であるので、例えばエタノールやア
セトン等の低沸点のものを更に混合した3成分系の溶媒
を用いることも好ましい。又、凝固浴をアルコールとジ
メチルスルホキサイドとの混合液や、アルコールに塩化
カルシウム等の無機物質を添加したものをしようするこ
とも、必要に応じ採用される手段である。
[実施例] 以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものでないことは勿
論である。
本発明は以下の実施例に限定されるものでないことは勿
論である。
実施例 重合度の異なる2種類の市販PVA(ケン過度99.6モル
%)に対し、表1に示す組成の溶媒をPVA濃度が10重量
%となるように加え、140℃で1時間加熱溶解すること
によりPVA溶液を調製し、吐出用原液とした。この原液
を、幅0.8mmのスリット状口金より吐出することによ
り、乾湿式法で未延伸フィルムを形成した。
%)に対し、表1に示す組成の溶媒をPVA濃度が10重量
%となるように加え、140℃で1時間加熱溶解すること
によりPVA溶液を調製し、吐出用原液とした。この原液
を、幅0.8mmのスリット状口金より吐出することによ
り、乾湿式法で未延伸フィルムを形成した。
即ち、60乃至90%℃の口金温度で、一旦空気中を経
て、その後直ちに−20℃のメタノール中に押し出し、未
延乃のゲルフィルムを形成させた後、この未延伸フィル
ムを巻き取り、空気中にて乾燥させることにより、乾燥
ゲルフィルムを得たのである。
て、その後直ちに−20℃のメタノール中に押し出し、未
延乃のゲルフィルムを形成させた後、この未延伸フィル
ムを巻き取り、空気中にて乾燥させることにより、乾燥
ゲルフィルムを得たのである。
その後、空気中にて、150℃で一段ゾーン延伸、240℃
で二段ゾーン延伸、更に255℃で三段ゾーン延伸を行な
うことにより、2,500%以上の延伸フィルムを得た。
で二段ゾーン延伸、更に255℃で三段ゾーン延伸を行な
うことにより、2,500%以上の延伸フィルムを得た。
得られたフィルムについて次の測定条件下で引張り強
度及び弾性率を測定した。その結果を表1に併せて示
す。
度及び弾性率を測定した。その結果を表1に併せて示
す。
測定条件:株式会社東洋ボールドウイン製テンシロン
/UTM4−100を用い、引張り強度20mm/min、温度25℃、相
対湿度65%にて測定した。
/UTM4−100を用い、引張り強度20mm/min、温度25℃、相
対湿度65%にて測定した。
比較例 重合度の異なる2種類の市販PVA(ケン過度99.9モル
%)に対し、表2に示す組成の溶媒を、PVA濃度が、PVA
の重合度が2,400のときには12重量%、PVAの重合度が4,
600のときには8重量%となるように加え、140℃で1時
間加熱溶解することによりPVA溶液を調製し、吐出用原
液とした。この原液を実施例の場合と同様、幅0.8mmの
スリット状口金より吐出することにより、乾湿式法で未
延伸フィルムを形成した。
%)に対し、表2に示す組成の溶媒を、PVA濃度が、PVA
の重合度が2,400のときには12重量%、PVAの重合度が4,
600のときには8重量%となるように加え、140℃で1時
間加熱溶解することによりPVA溶液を調製し、吐出用原
液とした。この原液を実施例の場合と同様、幅0.8mmの
スリット状口金より吐出することにより、乾湿式法で未
延伸フィルムを形成した。
その後、空気中にて、80乃至120乃至120℃で一段逐次
二軸延伸、180乃至240℃で二段目の逐次二軸延伸を行な
うことにより、1,000%以上の延伸フィルムを得た。
二軸延伸、180乃至240℃で二段目の逐次二軸延伸を行な
うことにより、1,000%以上の延伸フィルムを得た。
得られたフィルムについて、実施例と同様にして引張
り強度及び弾性率を測定した。その結果を表2に併せて
示す。
り強度及び弾性率を測定した。その結果を表2に併せて
示す。
[発明の効果] 本発明は以上のとおりであり、本発明の高強度高弾性
率フィルムは、従来のPVA一軸又は二軸延伸フィルムに
くらべて優れた機械的性質と耐熱水性を有するものであ
るため、従来の用途である食品包装用のラミネートフィ
ルムは勿論、ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂板の成
形時の離型膜等の工業的用途、又、電子部包装や耐油性
或は耐溶媒性の容器等、更には各種の補強用フィルムと
して利用し得るものである。
率フィルムは、従来のPVA一軸又は二軸延伸フィルムに
くらべて優れた機械的性質と耐熱水性を有するものであ
るため、従来の用途である食品包装用のラミネートフィ
ルムは勿論、ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂板の成
形時の離型膜等の工業的用途、又、電子部包装や耐油性
或は耐溶媒性の容器等、更には各種の補強用フィルムと
して利用し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福山 英紀 東京都足立区西新井本町5―3―12 至 誠寮 (56)参考文献 特開 平1−93325(JP,A)
Claims (11)
- 【請求項1】引張り強度が85Kg/mm2以上で且つ弾性率が
3,000Kg/mm2以上であることを特徴とする高強度・高弾
性率ポリビニルアルコールフィルム。 - 【請求項2】水対有機溶媒の重量比が90:10乃至10:90で
ある水と有機溶媒との混合溶液に溶解したポリビニルア
ルコールをスリット状口金に通し乾湿式法にてゲル状フ
ィルムを吐出させた後、脱溶媒及び乾燥して得られるフ
ィルムをゾーン延伸することを特徴とする高強度・高弾
性率ポリビニルアルコールフィルムの製造法。 - 【請求項3】ポリビニルアルコールのケン化度が98モル
%以上である請求項2記載の高強度・高弾性率ポリビニ
ルアルコールフィルムの製造法。 - 【請求項4】ポリビニルアルコールの重合度が2,400以
上である請求項2記載の高強度・高弾性率ポリビニルア
ルコールフィルムの製造法。 - 【請求項5】有機溶媒は水に親和性を有するものである
請求項2記載の高強度・高弾性率ポリビニルアルコール
フィルムの製造法。 - 【請求項6】有機溶媒がアセトン、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロ
ピルアルコール、アミノエタノール、フェノール、テト
ラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、グリセリン、
エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、ジメチルスルホキシドである請求項2記載の高強度
・高弾性率ポリビニルアルコールフィルムの製造法。 - 【請求項7】ポリビニルアルコール溶液のポリビニルア
ルコール濃度が2乃至30重量%である請求項2記載の高
強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルムの製造
法。 - 【請求項8】ゾーン延伸を複数回行なう請求項2記載の
高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルムの製造
法。 - 【請求項9】80乃至180℃の温度範囲でゾーン延伸した
後、180乃至260℃で更にゾーンに延伸する請求項2記載
の高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルムの製
造法。 - 【請求項10】水対有機溶媒の重量比が90:10乃至10:90
である水と有機溶媒との混合溶液に溶解したポリビニル
アルコールをスリット状口金に通して乾湿式法にてゲル
状フィルムを吐出させた後、脱溶媒及び乾燥して得られ
るフィルムをゾーン延伸して得られることを特徴とする
高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルム。 - 【請求項11】引張り強度が85Kg/mm2以上で且つ弾性率
が3,000Kg/mm2以上である請求項9記載の高強度・高弾
性率ポリビニルアルコールフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9043389A JP2714578B2 (ja) | 1989-04-10 | 1989-04-10 | 高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルム及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9043389A JP2714578B2 (ja) | 1989-04-10 | 1989-04-10 | 高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルム及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02266914A JPH02266914A (ja) | 1990-10-31 |
JP2714578B2 true JP2714578B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=13998476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9043389A Expired - Lifetime JP2714578B2 (ja) | 1989-04-10 | 1989-04-10 | 高強度・高弾性率ポリビニルアルコールフィルム及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2714578B2 (ja) |
-
1989
- 1989-04-10 JP JP9043389A patent/JP2714578B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02266914A (ja) | 1990-10-31 |
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