JP2714240B2 - インクジェット用インク、かかるインクを用いたインクジェット記録方法及び記録機器 - Google Patents

インクジェット用インク、かかるインクを用いたインクジェット記録方法及び記録機器

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JP2714240B2
JP2714240B2 JP23027190A JP23027190A JP2714240B2 JP 2714240 B2 JP2714240 B2 JP 2714240B2 JP 23027190 A JP23027190 A JP 23027190A JP 23027190 A JP23027190 A JP 23027190A JP 2714240 B2 JP2714240 B2 JP 2714240B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は印字物の濃度及び高温下の吐出安定性を改善
した顔料インクに関し、更に記録ヘツドのオリフイスか
ら熱エネルギーの作用によってインクを吐出、飛翔させ
て記録を行なうインクジエツト記録方法、かかるインク
を収納したインクジエツトカートリツジ及びかかるイン
クジエツトカートリツジを備えたインクジエツト記録装
置に関する。
〔従来の技術〕
インクジエツト記録方式は、記録時の騒音の発生が少
なく、高集積のヘツドを使用することにより、高解像の
記録画像が高速で得られるという利点を有している。
このようなインクジエツト記録方式では、インクとし
て各種の水溶性染料を水または、水と有機溶剤との混合
液に溶解させたものが使用されているが、水溶性染料を
用いた場合には、これらの水溶性染料は本来耐光性が劣
るため、記録画像の耐光性が問題になる問題が多く、ま
たインクが水溶性であるため、記録画像の耐水性が問題
となる場合が多い。すなわち記録画像に雨、汗、あるい
は飲食用の水がかかったりした場合、記録画像がにじん
だり、消失したりすることがある。
一方、ボールペンなどの染料を用いた文房具において
も同様の問題があり、耐光性、耐水性の問題を解決する
ために種々の文房具用水性顔料インクの提案がなされて
いる。
水性顔料インク実用化のため、分散安定性、ペン先で
のインクの固定防止、ボールペンのボールの摩耗防止を
検討している例として特開昭58−80368号公報、特開昭6
1−200182号公報、特開昭61−247774号公報、特開昭61
−272278号公報、特開昭62−568号公報、特開昭62−101
671号公報、特開昭62−101672号公報があげられ、最近
では水性顔料インクを用いたボールペンや、マーカーが
商品として市場にでるようになってきた。
又、特開昭64−6074号公報及び特開昭64−31881号公
報には、pH5.0以下のカーボンブラックを用いた水性顔
料インクが開示されている。
〔発明が解決しようとしている問題点〕
しかしながら、従来の文房具用水性顔料インクを記録
ヘツドのオリフイスから記録液を飛翔させて記録を行う
方式のインクジエツト記録装置に使用した場合、吐出安
定性に著しい障害を起こし、印字不良を発生するという
欠点があった。
特に、熱エネルギーを付与して液滴を吐出させて記録
を行うインクジエツト方式においては、従来の顔料イン
クを使用する場合、インクにパルスを印加するとその熱
により薄膜抵抗体上に堆積物ができ、インクの発泡が不
完全になるために吐出の乱れや不吐出が発生したり、薄
膜抵抗体上に堆積物が発生していなくても発泡が不完全
で液滴の吐出が印加パルスに応答できないで不吐出が発
生する場合がある。
つまり、インクをノズル先端から安定に吐出させるた
めには、インクが薄膜抵抗体上で所望の体積で発泡し、
さらに所望の時間で発泡と消泡を繰り返すことができる
性能をも有していなければならないが、従来の文房具用
インクではそれらの性能を満足していないため、インク
ジエツト記憶装置に充満し記録を行わせると上記のよう
な種々の不都合なことが起こる。
また、従来提案されているようなカーボンブラツクを
使用した顔料インクをインクジエツト記録に使用した場
合、普通紙へ印字したときの印字物の堅牢性は染料イン
クを用いたものに比べて格段に改良されることは前述し
た通りだが、その後の研究によりインクジエツト記録の
特徴の一つである印字物の濃度が染料インクを用いて印
字したものより劣るという不都合が生じ、印字濃度をあ
げるために顔料濃度を高くすると吐出安定性に著しい障
害を起こすという欠点があった。
一般に印刷インクは本発明で使用するインクジエツト
記録装置に比べ、非常に高濃度のインクでも使用できる
ため印字濃度は、比較的容易に上げることができる。ま
た、塗布するインク層の厚みを厚くすることによっても
濃い濃度が得られるが、インクジエツト記録、特に高密
度記録を行う場合にはノズルの大きさは非常に小さいも
のとなり、吐出されるインク量も限定される。さらに前
述したようにインク中の顔料濃度を増すと、長期保存中
に沈殿物が発生したり、ノズル先端で乾燥によりインク
が固化し不吐出が発生するという好ましからざる事態が
発生してしまう。さらに従来の水性顔料インクの中に
は、比較的短時間での吐出性に優れるものの、記録ヘツ
ドの駆動条件を変えたり、長時間にわたって連続吐出を
行った場合に吐出が不安定になり、ついには吐出しなく
なるという問題を生じている。
そこで本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を
解消し、印字物の堅牢性に優れることはもちろんのこ
と、印字物の濃度が高いとりわけインクジェット用途に
適したインクを提供することにある。
又本発明の目的は印字物の濃度が高く、高温下での駆
動条件の変動や長時間の連続使用でも安定した吐出を行
なうことが可能で、長期保存性に優れたとりわけインク
ジェット用途に適したインク及びこれを用いたとりわけ
インクジェット用途に適したインクジエツト記録方法、
かかるインクを収納したインクジエツトカートリツジ、
かかるカートリツジを備えたインクジエツト記録装置を
提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。
即ち本発明は、第一に、水性液媒体中に、揮発分が3.
5〜8重量%の範囲にある酸性カーボンブラックと、重
量平均分子量が3000〜30000の範囲にある水溶性樹脂と
を含み、前記酸性カーボンブラックと前記水溶性樹脂と
の含有比率が重量比で3:1〜10:1の範囲にあることを特
徴とするインクジェット用インクであり、第二に、かか
るインクに記録信号に応じた熱エネルギーを付与してオ
リフィスから吐出させ、かかる吐出インクを被記録材に
付与して記録を行うことを特徴とするインクジェット記
録方法であり、第三には、前記第一発明のインクを収納
する容器、かかるインクを吐出するオリフィスを有する
ヘッド部を備えたことを特徴とするインクジェットカー
トリッジであり、第四には、かかるインクジェットカー
トリッジを具備し、かかるカートリッジから吐出したイ
ンクを被記録材に付与して記録を行うことを特徴とする
インクジェット記録装置である。
〔好ましい態様〕
本発明者らは、カーボンブラツクを使用した水性顔料
インクにおいて、インクジエツト記録により普通紙への
印字物の濃度をあげ且つインクの分散安定性を高める方
法を鋭意検討したところ、とりわけ、 1)カーボンブラツクとして揮発分が3.5〜8重量%の
範囲にある酸性カーボンブラツクを用いること、 2)カーボンブラツクの分散剤として含有される水溶性
樹脂の重量平均分子量を3000〜30000の範囲とすること によって、印字物濃度が高く、しかも分散安定性が良好
なインクを作成できることを見い出し本発明に至った。
まず本発明において、酸性カーボンブラツクとは、そ
の表面に酸性基を有するカーボンブラツクを意味し、そ
の中でもとりわけpHが5以下のカーボンブラツクで揮発
分が3.5重量%〜8重量%のカーボンブラツクを用いる
ことが好ましい。
すなわち、とりわけpHが5以下のカーボンブラツクを
用いて本発明のインクを調整し、印字物を作成すると、
染料インクを用いた場合に比べて同等あるいはそれ以上
の高い印字濃度が得られる。
カーボンブラツクのpHが5以下であるとインクジエツ
ト記録物の印字濃度が高くなる理由は定かでないが、推
測するところではんこのようなカーボンブラツクではpH
を左右する表面酸性基が多く存在するため顔料粒子自体
のインク溶媒への親和性が上がり、このために微分散が
可能になり、その結果印字濃度が上がると思われる。
ここで、本発明で言うカーボンブラツクのpHとは、以
下の測定法によって得られる値を意味する。
即ち、カーボンブラツク試料1〜10gをビーカーに量
り採り、試料1gにつき10mlの割合で水を加え、時計皿で
覆い、15分間煮沸する(試料をぬれやすくするため、エ
タノール数滴を加えてもよい)。煮沸後室温まで冷却
し、傾斜法又は遠心分離法によって上澄み液を除去し
て、泥状物を残す。この泥状物中にガラス電極pH計の電
極を入れ、JISZ8802(pH測定法)によってpHを測定す
る。この場合、電極の挿入位置により測定値が変化する
ことがあるから、ビーカーを動かして電極の位置を変え
て電極面の泥状面が十分に接触するように注意して量
り、pH値が一定になったときの値を読む。
又、とりわけ揮発分が3.5重量%〜8重量%の範囲、
より好ましくは4.5〜6.0の範囲のカーボンブラツクを用
いて本発明のインクを調整し、印字物を作成すると染料
インクを用いた場合に比べて同等、あるいはそれ以上の
高い印字濃度が得られる。
カーボンブラツクの揮発分が3.5重量%以上であると
インクジエツト記録物の印字濃度が高くなる理由は定か
でないが、推測するところでは、このようなカーボンブ
ラツクでは表面酸性基が多く存在するため、顔料粒子自
体のインク溶媒への親和性が上がり、そのために微分散
が可能になり、その結果、印字濃度が上がると思われ
る。
更に、熱エネルギーを付与して液滴を吐出させるイン
クジエツト方式にあっては、揮発分が8重量%を超える
カーボンブラツクでインクを作成し、インクジエツト記
録装置で吐出させると印字不良発生率が高くなり易いの
で、揮発分が3.5〜8.5重量%の範囲にあるカーボンブラ
ツクを用いることが特に望ましい。
これは、揮発成分が余り多いとヒーター上での堆積物
の原因となるためであると考えられる。
ここで、本発明で言うカーボンブラツクの揮発分とは
以下の測定方法によって得られる値を意味する。
即ちカーボンブラツクの乾燥試料を白金るつぼ又はそ
れと同形、同容量の落としふた付き磁器るつぼにふた下
2mmを超えない程度まで打振して詰め、その質量を量
る。これにふたをして電気炉に入れ、950±25℃で正確
に7分間加熱した後取出し、デジケーター中で室温にな
るまで放冷して加熱後の質量を量り、次の式によって揮
発分を算出する。
ここに、V :揮発分(%) WD:乾燥試料の質量(g) WR:加熱後の試料の質量(g) このような酸性カーボンブラックは例えばMA7,MA8,#
2200B(以上三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア
製)、REGAL400R、MOGUL L(キヤボツト製)、Color
Black FW1,Color Black FW18,Color Black S17
0,Color Black S150,Printex U(デグサ社製)等の
市販品が使用でき、さらには本目的のために新たに製造
されたものでも使用可能である。
酸性カーボンブラツクの製造方法は、カーボンブラツ
クは一般にチヤンネルブラツク法、フアーネスブラツク
法を用いて行われる。チヤンネルブラツク法は天然ガ
ス、タウンガスや炭化水素を原料として部分燃焼させて
冷たい面に衝突させる。フアーネスブラツク法は天然ガ
スや石油留分を原料として高温雰囲気に保たれ密閉式反
応炉中に原料を噴霧し、熱分解する。
さらに、これらのカーボンブラツクを硝酸等で酸化処
理を行い所望の酸性度を得る。
本発明で使用するカーボンブラツクの量は重量比で3
−20重量%の範囲で用いる事が望ましい。
更に本発明では、カーボンブラツクを分散するために
使用する水溶性樹脂(分散樹脂)の重量平均分子量は30
00から30000、さらに好ましくは5000から15000の範囲で
なければならないことをも見い出した。
即ち、インクジエツト記録装置は50μm以下の吐出口
からインクを吐出させるものであり、顔料インクのよう
な分散系を用いる場合、その粘性、分散体の粒子径は吐
出特性に大きな影響を与え、安定な吐出を行うために
は、粘性、分散体の粒子系はできるだけ小さくすること
が望ましい。
高分子分散樹脂は一般に、平均分子量が高くなると、
同一量を水溶液に溶解させたときの粘度が高くなる。ま
た、分散樹脂はカーボンブラツクを分散させたときにカ
ーボンブラツクの周囲に吸着しカーボンブラツクを立体
障害により安定に分散させる役割を有しているため、分
散樹脂の分子量が大きくなるということは吸着層が厚く
なり分散体の粒子径が大きくなる事を意味している。
特に、酸性を示すカーボンブラツクは表面に多くの酸
性基を有しているために本発明に用いられる分散樹脂に
付加されているカルボキシル基とは反発する関係にあ
り、その粒子径はさらに広がる傾向にある。
つまり、本発明のインクジエツト用インクの如く、酸
性カーボンブラツクを使用する場合には、分散樹脂の平
均分子量を小さいものにしてインクの粘性、分散体の粒
子径を小さくしなけば吐出安定性が得られず、しかも前
述のように分散樹脂はカーボンブラツクの周囲に吸着し
立体障害の働きをしなくてはならないために平均分子量
が小さ過ぎては長期保存における分散安定性が悪くなっ
てしまう。
本発明のインクにカーボンブラツクの分散剤として含
有される水溶性樹脂は、アミンを溶解させた水溶液に可
溶で重量平均分子量が3000から30000であるものならど
んなものでも使用可能で、スチレン−アクリル酸共重合
体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン
−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、
スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン
−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレ
ン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン
酸共重合体、あるいはこれらの塩等が挙げられる。分散
樹脂の重量平均分子量の測定方法としては、種々の方法
が上げられるが、GPC(ゲルパーミエーシヨンクロマト
グラフイ)等で測定するのが一般的である。尚、前記水
溶性樹脂は、インク全重量に対して、0.1〜5重量%の
範囲で含有される事が好ましい。
更に本発明のインクは、好ましくはインク全体が中性
又はアルカリ性に調整されていることが、前記水溶性樹
脂の溶解性を向上させ、一層の長期保存性に優れたイン
クとすることができるので望ましい。ただしこの場合、
インクジエツト記録装置に使われている種々の部材の腐
食の原因となる場合があるので好ましくは7〜10のpH範
囲とされるのが好ましい。
pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリ
ウム、水酸化リチウムン、水酸化カリウム等のアルカリ
金属の水酸物等の無機アルアリ剤等があげられる。
以上の如きカーボンブラツク及び水溶性樹脂は水溶性
液媒体中に分散又は溶解される。
本発明のインクに於いて好適な水性液媒体は水及び水
溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオ
ンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオ
ン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例
えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、アミノメチルプロパノール等の有機
アミン類、メチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、tert−ブルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の炭素数1−4のアルキルアルコー
ル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケト
ンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエテール類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘ
キサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2−
6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセ
リン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)
エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(ま
たはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキ
ルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン等があげられる。
これら多くの水溶性有機溶剤の中でも有機アミン類は
必須節分として本発明のインク中に、好ましくはインク
全体の0.001〜10重量%含有される。
又、有機アミン類以外の上記水溶性有機溶剤について
は所望に応じて適宜選択され適量が含有されるが、中で
もジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチ
レングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
吐出の安定性をえるためにはエタノール、あるいは、
イソプロピルアルコールを3%以上添加することが効果
的であることを見いだした。これはエタノール、イソプ
ロピルアルコール溶剤を添加することによってインクの
薄膜抵抗体上での発砲をより安定に行うことができるか
らと考えられる。しかし、エタノール、イソプロピルア
コール溶剤を過剰に加えると印字物の印字品位が損なわ
れるという欠点が生じるため、エタノール、イソプロピ
ルアルコール溶剤の適切な濃度は3〜10%であることが
わかった。さらにエタノール、イソプロピルアルコール
溶剤の効果として、分散液にこれら溶剤を添加すること
により、分散時における泡の発生を押え、効果的な分散
が行えることが挙げられる。
本発明のインク中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、
一般にはインク全重量の3〜50重量%の範囲であり、使
用する水はインク全重量の10〜90重量%の範囲である。
又、本発明のインクは上記の成分の他に必要に応じて
所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、
消泡剤、防腐剤などを添加することができ、さらに市販
の水溶性染料などを添加することも可能である。
界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸
エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキル
アリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンア
ルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤があり、こ
れらの1種または2種以上を適宜選択して使用でき。そ
の使用量は分散剤により異なるが、インク全量に体して
0.01から5重量%が望ましい。
この際、インクの表面張力は30dyne/cm以上になるよ
うに活性剤の添加する量を決定する事が好ましい。なぜ
ならインクの表面張力がこれより小さい値を示す事は、
本発明のような記録方式においてはノズル先端のぬれに
より印字より等好ましくない事態を引き起こしてしまう
からである。
一般にインクジエツト用インクに要求される性能とし
ては前記したインクの粘度、表面張力、pH等の物性が挙
げられるが、水性顔料インクのような分散系ではこれら
の物性を満足していても、とりわけ熱エネルギーを付与
して液滴を吐出させて記録を行うインクジエツト方式に
おいては、インクの発砲が不安定となる場合がある。
そこで本発明者らは水性顔料インクで熱的に安定で、
さらに最適な発泡が可能なインクの性能を鋭意研究した
結果、好ましくはインクにおいてカーボンブラツクと水
溶性樹脂の比率が3:1から10:1(重量比)、より好まし
くは10:3〜10:1の範囲であると抵抗体上においてインク
がどの様な駆動条件でも正確に発砲し、さらには長期に
わたっても薄膜抵抗体上に堆積物を発生いないことを見
いだした。
つまり、カーボンブラツクに対して多量に余剰の水溶
性樹脂がインク中に存在すると、薄膜抵抗体上において
所定の熱エネルギーを与えてもインクが発砲しなかった
り、パルス印加時の熱によってこれらの余剰の水溶性樹
脂が不溶物となり薄膜抵抗体上に堆積してしまい、不吐
出や印字の乱れを引き起こす原因となっていた。
さらに、最適な発泡が可能なインクの性能を鋭意研究
した結果、インク中に溶解している水溶性樹脂の量をイ
ンク全重量の2%以下、好ましくは1%以下とすること
である。
溶解している水溶性樹脂とは、インク中において顔料
に吸着していないで液媒体中に溶解した状態の樹脂を指
す。
さらに、分散液中のカーボンブラツクと水溶性樹脂の
総量は10%以上であることが好ましい。その理由として
は、分散液中に一定濃度以上のカーボンブラツクと水溶
性樹脂が存在しないと分散を効率的に行い最適な分散状
態を得ることができないからである。
以上述べた本発明のインクの作成方法としては、前述
のカーボンブラツクを分散剤を所定量のアミン類又は塩
基を加えてアルカリ性にした水溶液中に混合した後、後
述する手段を用いて分散処理したものを分散液として、
この分散液に前述した水溶性溶剤や水等を添加し、前述
のpH調整剤を用いてインクのpHを7以上の範囲になるよ
うに調整しインクとする。また、この分散液中に必要に
応じて水溶性溶剤、消泡剤等を添加してもよく、分散液
そのものをインクとしてもよい。更に、必要に応じて遠
心分離処理を行ってもよい。
とりわけ未吸着樹脂量を2%以下にするためには、作
成方法において、樹脂、アミンあるいは塩基及び水を含
む水溶液を60℃以上、30分間以上撹拌して樹脂を予め完
全に溶解させることが必要である。
又、樹脂を溶解させるアミンあるいは塩基の量を、樹
脂の酸価から計算によって求めたアミンあるいは塩基量
の1.2倍以上添加することが必要である。このアミンあ
るいは塩基の量は以下の式によって求められる。
更に顔料を含む水溶液を分散処理する全にプレミキシ
ングを30分間以上行うことも又必要である。
このプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善
し、顔料表面への樹脂の吸着を促進するものである。
分散液に添加させるアミン類としては、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、アミノメチルプロパノール、アンモニア等の有機ア
ミンが好ましい。
又分散液に添加される塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属
塩の水和物などの無機アルカリ剤が好ましい。
一方、本発明に使用する分散機は、一般に使用される
分散機なら如何なるものでも良いが、たとえばボールミ
ル、ロールミル、サンドミルなどが挙げられる。
その中でも高速型のサンドミルが好ましく、たとえば
スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジ
テータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、
コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
本発明において所望の粒度分布を有する顔料を得る方
法としては、分散機の粉砕メデイアのサイズを小さくす
る、粉砕メデイアの充填率を大きくする、また処理時間
を長くする、吐出速度を遅くする、粉砕後フイルターや
遠心分離機分等で分級するなどの手法が用いられる。ま
たはそれらの手法の組合せが挙げられる。
尚、本発明に係る未吸着樹脂の量を測定する方法とし
ては、超遠心機等を用いて顔料分と顔料に吸着された樹
脂分を沈殿させ、この上澄み液に含有される残存樹脂量
をTOC(Total Organic Carbon、全有機炭素計)や、重
量法(上澄みを蒸発乾固させ、樹脂量を測定する方法)
などが好適に用いられる。
本発明のインクは、熱エネルギーの作用により液滴を
吐出させて記録を行うインクジエツト記録方式にとりわ
け好適に用いられるが、一般に筆記具用としても使用で
きることは言うまでもない。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録装
置としては、記録ヘツドの室内のインクに記録信号に対
応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を
発生させる装置が挙げられる。
その主要部であるヘツド構成例を第1図(a)、第1
図(b)、第2図に示す。
ヘツド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミ
クス、又はプラスチツク板等と感熱記録に用いられる発
熱ヘツド15(図では薄膜ヘツドが示されているが、これ
に限定されるものではない)とを接着して得られる。発
熱ヘツド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、ア
ルミニウム電極17−1,17−2、ニクロム等で形成される
発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い
基板20より成っている。
インク21は吐出オリフイス(微細孔)22まで来てお
り、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
今、電極17−1,17−2に電気信号が加わると、発熱ヘ
ツド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接し
ているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス
23が突出し、インク21が吐出し、オリフイス22より記録
小滴24となり、被記録体25に向って飛翔する。第2図に
は第1図(a)に示すヘツドを多数並べたマルチヘツド
の外観図を示す。該マルチヘツドはマルチ溝26を有する
ガラス板27と、第1図(a)に説明したものと同様な発
熱ヘツド28を接着してつくられてる。
なお第1図(a)は、インク流路に沿ったヘツド13の
断面図であり、第1図(b)は第1図(a)のA−B線
での切断面である。
第3図にかかるヘツドを組込んだインクジエツト記録
装置の一例を示す。
第3図において、61はワイピング部材としてのブレー
ドであり、その一端はブレード保持部材によって保持さ
れて固定端となるカンチレバーの形態をなす。ブレード
61は記録ヘツドによる記録領域に隣接した位置に配設さ
れ、また本例の場合、記録ヘツドの移動経路中に突出し
た形態で保持される。62はキヤツプであり、ブレード61
に隣接するホームポジシヨンに配設され、記録ヘッドの
移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接しキヤ
ツピングを行う構成を具える。さらに63はブレード61に
隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と
同様、記録ヘツドの移動経路中に突出した形態で保持さ
れる。上記ブレード61、キヤツプ62、吸収体63によって
吐出回復部64が構成され、ブレード61および吸収体63に
よってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われ
る。
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した
吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を
行う記録ヘツド、66は記録ヘツド65を搭載して記録ヘツ
ド65の移動を行うためのキヤリツジである。キヤリツジ
66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キヤツリツジ66の
一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続
(不図示)している。これによりキヤリツジ66はガイド
軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘツド65による記
録領域およびその隣接した領域の移動が可能となる。
51は被記録材を挿入するめの給紙部、52は不図示のモ
ーターにより駆動される紙送りローラである。これら構
成によって記録ヘツドの吐出口面と対向する位置へ被記
録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53
を配した排紙部へ排紙される。
上記構成において、記録ヘツド65が記録終了等でホー
ムポジシヨンに戻る際、ヘツド回復部64のキヤツプ62は
記録ヘツド65の移動経路から退避しているが、ブレード
61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘツド
65の吐出口面からワイピングされる。なお、キヤツプ62
が記録ヘツド65の吐出面に当接してキヤツピングを行う
場合、キヤツプ62は記録ヘツドの移動経路中へ突出する
ように移動する。
記録ヘツド65がホームポジシヨンから記録開始位置へ
移動する場合、キヤツプ62およびブレード61は上述した
ワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、こ
の移動においても記録ヘツド65の吐出口面はワイピング
される。
上述した記録ヘツドのホームポジシヨンへの移動は記
録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘツドが記録
のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域
に隣接したホームポジシヨンへ移動し、この移動に伴っ
て上記ワイピングが行われる。
第4図はヘツドにインクを供給チユーブを介して供給
されるインクを収容したインクカートリツジ45の一例を
示す図である。ここで40は供給用インクを収納したイン
ク袋であり、その先端にはゴム製の栓45が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、イ
ンク袋40中のインクをヘツドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容するインク吸収体である。
本発明で使用されるインクジエツト記録装置として
は、上記の如きヘツドとインクカートリツジとが別体と
なったものに限らず、第5図に示す如きそれらが一体と
なったものも好適に用いられる。
第5図において、70はインクジエツトカートリツジで
あって、この中にはインクを含浸させたインク吸収体が
収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数
のオリフイスを有するヘツド部71からインク滴として吐
出される構成になっている。
72はカートリツジ内部を大気に連通させるための大気
連通口である。
このインクジエツトカートリツジ70は、第3図で示す
記録ヘツド65に代えて用いられるものであつて、キヤリ
ツジ66に対して着脱自在になっている。
〔効果〕
以上説明したように本発明のインクは、普通紙とりわ
け上質紙へ印字したときの印字物の堅牢性に優れること
はもちろんのこと、印字物の濃度が高く、高温下の駆動
条件の変動や長時間の使用でも常に安定した吐出を行う
ことが可能で、長期保存安定性にも優れるという効果を
有する。
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
〔実施例1〕 (顔料分散液の作成) スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体
(酸価60、重量平均分子量13000) 3部 モノエタノールアミン 2部 イオン交換水 71部 ジエチレングリコール 5部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラツ
ク(Color Black S170デグサ製)14部、イソプロピル
アルコール5部を加え、30分間プレミキシングをおこな
った後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機 サンドグラインター(五十嵐機械製) 粉砕メデイア ジルコニウムビーズ 1mm径 粉砕メデイアの充填率 50%(体積) 粉砕時間 3時間 さらに遠心分離処理12000rpm,20分間)をおこない、
粗大粒子を除去して分散液とした。
(インクの作成) 上記分散液 30部 ジエチレンアルコール 20部 イソプロピルアルコール 5部 イオン交換水 45部 上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで7以
上になるように調整し、インク(A)とした。
このインク中の顔料と樹脂の比率は重量比で14:3であ
った。
〔実施例2〕 (顔料分散液の作成) スチレン−マレイン酸ハーフエステル−無水マレイ
ン酸共重合体(酸価188、重量平均分子15000) 6部 トリエタノールアミン 4部 イオン交換水 58部 ジエチレングリコール 5部 上記成分を混合し、ウオーターバスて70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にい新たに試作さ
れたカーボンブラツクA 20部、エタノール7部を加
え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件
で分散処理を行った。
分散機 パールミル(アシザワ製) 粉砕メデイア ガラスビーズ 1mm径 粉砕メデイアの充填率 50%(体積) 吐出速度 100ml/min さらに遠心分離処理(12000rpm,20分間)をおこな
い、粗大粒子を除去して分散液とした。
(インクの作成) 上記分散液 30部 ジエチレングリコール 15部 エチレングリコール 5部 エタノール 5部 イオン交換水 45部 上記成分を混合し、pHをトリエタノールアミンで7以
下になるように調整し、インク(B)とした。このイン
ク中の顔料と樹脂の比率は重量比で10:3であった。
〔実施例3〕 (顔料分散液の作成) スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体
(酸価80、重量平均分子量6700) 5部 アミノメチルプロパノール 2部 イオン交換水 61部 ジエチレングリコール 5部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブッラ
ツク(COLOR BLACK FW1,デグツサ製)20部、エタノー
ル7部を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、
下記の条件で分散処理を行った。
分散機 パールミル(アシザワ製) 粉砕メデイア ガラスビーズ 1mm径 粉砕メデイアの充填率 50%(体積) 吐出速度 100ml/min さらに遠心分離処理(12000rpm,20分間)をおこな
い、粗大粒子を除去して分散液とした。
(インクの作成) 上記分散液 50部 グリセリン 15部 エチレングリコール 5部 エタノール 5部 イオン交換水 25部 上記成分を混合し、pHが7以上になるように、アミノ
メチルプロパノールで調整し、インク(C)を得た。こ
のインク中の顔料と樹脂の比率は重量比で4:1であっ
た。
〔実施例4〕 (顔料分散液の作成) スチレン−マレイン酸ハーフエステル−無水マレイ
ン酸共重合体(酸価188、重量平均分子量15000) 5部 トリエタノールアミン 3部 イオン交換水 67部 エチレングリコール 5部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶解にカーボンブラツ
ク(MOGUL L、キヤボツト製)15部、エタノール5部
を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記の
条件で分散処理を行った。
分散機 サンドグラインダー(五十嵐機械製) 粉砕メデイア ジルコニウムビーズ 1mm径 粉砕メデイアの充填率 50%(体積) 粉砕時間 3時間 さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこな
い、粗大粒子を除去して分散液とした。
(インクの作成) 上記分散液 35部 チオジグリコール 15部 エチレングリコール 5部 エタノール 4部 イオン交換水 41部 上記成分を混合し、モノエタノールアミンを添加しpH
が7以上になるように調整した後、1時間撹拌しインク
(D)を得た。このインク中の顔料と樹脂の比率は、重
量比で3:1であった。
〔実施例5〕 実施例1の分散液に含有されるカーボンブラツクを新
たに作成したカーボンブラツクBに変えて同様の処方で
インク(E)を得た。
このインク中の顔料と樹脂の比率は重量比で14:3であ
った。
(比較例1) 実施例1の分散液に含有されるカーボンブラツクをRE
GAL660R(キヤボツト製)に変えて同様の処方でインク
(F)を得た。このインク中の顔料と樹脂の比率は重量
比で14:3であった。
(比較例2) 実施例1の分散液において、スチレン−アクリル酸−
アクリル酸ブチル共重合体を14部、モリエタノールアミ
ンを9.3部、イオン交換水を52.7部にした以外は実施例
1と同様の処方にてインク(G)を得た。
このインクにおける顔料と樹脂の比率は重量比で1:1
であった。
(比較例3) 実施例3の分散液に含有される水溶性樹脂をスチレン
−アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体(重量平均分
子量2800、酸価115)に変えて同様の処方でインク
(H)を得た。このインク中の顔料と樹脂の比率は重量
比で10:3であった。
(比較例4) 実施例2の分散液に含有されるカーボンブラツクをス
ペシヤルブラツク(special black)6(デグサ製)に
変えて同様の処方でインク(I)を得た。このインク中
の顔料と樹脂の比率は重量比で10:3であった。
(比較例5) 実施例4の分散液に含有されるカーボンブラツクをRE
VEN 1040(コンロンビア製)に変えて同様の処方でイ
ンク(J)を得た。このインク中の顔料と樹脂の比率は
重量比で3:1であった。
(比較例6) 実施例1の分散液に含有されるカーボンブラツクを#
2400B(三菱化成製)に変えて同様の処方でインク
(K)を得た。このインク中の顔料と樹脂の比率は、重
量比で14:3であった。
(比較例7) 実施例1の分散液に含有される分散樹脂を1部に、モ
ノエタノールアミンを1部に、イオン交換水を74部に変
えて同様の処方でインク(L)を得た。
このインク中の顔料と樹脂の比率は重量比で15:1であ
った。
上記の記録液(A)〜(L)をそれぞれ用いて、発熱
素子を備えたオンデマンド型マルチ記録ヘツドを有する
インクジエツト記録装置(BJ−130,キヤノン製)を用い
て下記の試験を行った。
T1;駆動条件と吐出安定性 駆動電圧25V,30Vに設定し、各々の電圧で周波数2KHz,
4KHzの2種の条件により、室温で印字を行い、印字を乱
れ、欠け、不吐出などを有無を観察し、吐出安定性を評
価した。
A;1文字目からきれいに吐出し、連続印字中、不吐
出、欠け、印字の乱れがまったくない。
B;文字部分はきれいに吐出するが、ベタ印字の部分で
数箇所の不吐出が発生した。
C;文字部分においても、数文字印字とされる不吐出が
発生し、文字の判読が不可能なくらい印字の乱れを生じ
る。
T2;印字物の光学濃度 印字物(NP−DK紙(上質紙)にBJ130プリンター キ
ヤノン製を用いて印字したもの)をマクベス濃度計(RD
918)を用いて測定。
T3;長期インク保存試験 各インクを40℃で4週間保存した後、保存瓶の底に付
着した沈殿物の量を目視にて観察する。
A:沈殿物が見られない。
B:瓶の底にわずかに沈殿物が見られるが、実用的には
問題がない程度。
C:沈殿物がはげしく生じている。
T4;長期吐出安定性試験 35℃において、100時間の連続印字試験を行い、印字
の乱れ、欠け、不吐出等の有無を観察し、長期の吐出安
定性を評価した。
○;100時間の試験中に印字の乱れ、欠け、不吐出がま
ったくない。
×;100時間の試験が完了する前に、印字の乱れが発生
し、さらに一部のノズルが不吐出となった。
TO;得られたインクを超高速冷却遠心機(ベツクマン
製)で55000rpm,5時間遠心処理し、顔料分と顔料に吸着
している樹脂分を沈降させた後、上澄み液を一定量採取
し、真空乾燥機にて(60℃,24時間)乾燥固化する。こ
の樹脂料の仕込インクに対する百分率を算出し残存樹脂
濃度とする。
尚、第1表には本実験に用いたカーボンブラツクの性
能について記載した。さらに、評価結果を第2表に示し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)はインクジエツト記録装置のヘツ
ド部の縦断面図及び横断面図である。 第2図は第1図に示したヘツドをマルチ化したヘツドの
外観斜視図である。 第3図はインクジエツト記録装置の一例を示す斜視図で
ある。 第4図はインクカートリツジの縦断面図である。 第5図はインクジエツトカートリツジの斜視図である。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性液媒体中に、揮発分が3.5〜8重量%
    の範囲にある酸性カーボンブラックと、重量平均分子量
    が3000〜30000の範囲にある水溶性樹脂とを含み、前記
    酸性カーボンブラックと前記水溶性樹脂との含有比率が
    重量比で3:1〜10:1の範囲にあることを特徴とするイン
    クジェット用インク。
  2. 【請求項2】前記酸性カーボンブラックのpH値が5以下
    である請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 【請求項3】前記水溶性樹脂の重量平均分子量が5000〜
    15000の範囲にある請求項1に記載のインクジェット用
    インク。
  4. 【請求項4】前記酸性カーボンブラックと前記水溶性樹
    脂との含有比率が重量比で10:3〜10:1の範囲にある請求
    項1に記載のインクジェット用インク。
  5. 【請求項5】前記酸性カーボンブラックの揮発分が4.5
    〜6重量%の範囲にある請求項1に記載のインクジェッ
    ト用インク。
  6. 【請求項6】前記水性液媒体中に溶解している前記水溶
    性樹脂の量がインク全重量の2%以下である請求項1に
    記載のインクジェット用インク。
  7. 【請求項7】前記水性液媒体中に溶解している前記水溶
    性樹脂の量がインク全重量の1%以下である請求項1に
    記載のインクジェット用インク。
  8. 【請求項8】前記水性液媒体として、水と水溶性有機溶
    剤とを含む請求項1に記載のインクジェット用インク。
  9. 【請求項9】前記水溶性有機溶剤として、多価アルコー
    ルと脂肪族一価アルコールとを含む請求項8に記載のイ
    ンクジェット用インク。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9の何れか一つに記載のイ
    ンクに記録信号に応じた熱エネルギーを付与してオリフ
    ィスから吐出させ、かかる吐出インクを被記録材に付与
    して記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  11. 【請求項11】オンデマンド方式でインク吐出を行う請
    求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】前記被記録材が普通紙である請求項10に
    記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】前記被記録材が上質紙である請求項10に
    記載のインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】請求項1乃至9の何れか一つに記載のイ
    ンクを収納する容器、かかるインクを吐出するオリフィ
    スを有するヘッド部を備えたことを特徴とするインクジ
    ェットカートリッジ。
  15. 【請求項15】請求項14に記載のインクジェットカート
    リッジを具備し、かかるカートリッジから吐出したイン
    クを被記録材に付与して記録を行うことを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
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