JP2713922B2 - 文字認識装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、タブレット等の位置入力装置を介して任意
に手書き入力される文字を効率よく認識することができ
る文字認識装置に関する。 （従来の技術） 近年、タブレット等の位置入力装置を用いて文字パタ
ーンを手書き入力し、入力された文字パターンを構成す
るストローク情報と認識辞書とを照合して、入力文字を
オンライン的に認識処理する文字認識装置が注目されて
いる。 この装置によれば、鉛筆やペンを用いて用紙上に文字
を筆記する要領で簡易に文字情報を入力することができ
る。 ところで従来のこの種の装置では、位置入力装置の座
標入力面上に文字の筆記入力位置を規定する枠を設定
し、この枠内に文字を入力するようにして認識処理の簡
易化を図っているが、このようにして文字記入枠を設定
すると、任意の大きさの文字による自由な入力ができな
くなる。そこで文字記入枠を廃止し、位置入力装置の座
標入力面上に任意の大きさで自由に筆記入力された文字
を順次効率よく認識できる手法が提案されている。 この手法では、筆記入力された文字の大きさやその入
力位置等が不揃いになるため、たとえば文字パターンを
１文字ごとに切り出す処理、任意の大きさで入力された
文字パターンを所定の大きさに正規化する処理等を行っ
た後に文字認識処理を行っている。 しかしながら認識処理の前処理が多くなると、入力文
字に対する誤認識や認識不能の要因となり、認識精度や
認識効率の低下の原因になる。 たとえばひらがなの「し」、カタカナの「レ」、英文
字の「Ｌ」が誤認識される場合等である。 このため認識対象範囲を「ひらがな」、「英大文
字」、「英小文字」、「数字」、「記号」、「カタカ
ナ」、「漢字」等、個々に限定して認識させるという手
法も提案されている。 しかしながらこの手法を実際に使用すると、単語ある
いは１文字ごとに認識対象を限定しなければならないの
で、利用者に多大なる負担がかかる。 （発明が解決しようとする問題点） このように従来の文字認識装置においては、位置入力
装置の座標入力面上に、任意の大きさで自由に筆記入力
する文字の認識を可能とするために認識の前処理を行っ
ているので、文字個々の特徴点が失われ、似ている文字
に誤認識される場合が多いという問題があった。 本発明はこのような問題を解決するために成されたも
ので、類似性の高い文字を特に認識対象範囲（「ひらが
な」、「数字」等の区別）を限定することなく、簡易に
入力できる文字認識装置を提供することを目的としてい
る。 ［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明は、位置入力手段から入力される筆跡情報に基
づいて認識された文字の入力位置が、１つ前に入力され
た文字およびサイズから計算される領域内に属している
場合、または各第１候補の文字コードが一致している場
合には、得られた認識結果の候補順位を繰り上げて所定
の文字が簡易に入力できるようにしたものである。 本発明の文字認識装置は、座標入力面上で指示される
時系列的な位置情報を入力する位置入力手段と、この位
置情報により指示される手書き文字を所定の認識辞書と
照合し、認識結果としての文字候補の文字コードおよび
認識情報を出力する認識処理手段と、この認識処理手段
に対し再度入力された手書きの文字コードおよび付随す
る認識情報を先の位置情報に対応する文字候補の文字コ
ードおよび認識情報と比較し、互いが許容範囲内でほぼ
一致していると判定した場合、今回得られた認識結果の
文字候補の優先順位を繰り上げる認識結果処理手段とを
具備したものである。 （作 用） 本発明によれば、位置入力手段に対して自由に文字を
筆記入力しているとき、その入力文字の認識を失敗した
場合には、その文字に対する認識情報を保持する。そし
て再度同じ文字が入力された場合に得られた認識情報と
１つ前の時の認識情報とを比較し、その内容が許容範囲
内で一致していると判断された場合には、今回得られた
認識情報内の候補文字の優先順位を繰り上げて、１つ前
の文字の認識結果と異ならせて出力することができる。
したがって所望の文字を得るまで何度も同じ文字を筆記
する必要がなくなり、極めて使い易い文字認識装置を得
ることができる。 （実施例） 以下、本発明の実施例の詳細を図面に基づいて説明す
る。 第１図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。 本実施例装置は、基本的には文字が筆記入力され、そ
の筆記入力された文字パターンのストロークを示す位置
座標を順に入力するタブレット等の位置入力装置１と、
この位置入力装置１を介して筆記入力された文字のスト
ロークを示す位置座標の系列からその入力文字を認識す
る制御装置２と、この制御装置２において認識された文
字情報等を表示する、たとえば液晶ディスプレイ等の表
示装置３を備えている。なお外部記憶装置４は、たとえ
ば制御装置２における文字認識処理に必要な認識辞書デ
ータ等を格納するものである。 ここで位置入力装置１と表示装置３とは同一寸法の同
じ座標面を持ち、特に位置入力装置１は、たとえば第２
図に示すように表示装置３上に重ね合わせて、制御装置
２と積層一体化される透明タブレットである。 そして表示装置３に表示された情報は、透明にされた
位置入力装置１を介して視認することができる。 なお制御装置２は後述するように、入力部2a、認識処
理部2b、表示制御部2C、位置データバッファ2d、辞書デ
ータバッファ2e、認識情報バッファ2f、出力バッファ2g
を具備している。 ここで先ず位置入力装置１について説明する。位置入
力装置１は、たとえば第３図に示すように静電型の透明
タブレットである。 第３図（ａ）に示すように、この静電型の透明タブレ
ットは、片面に複数本の帯状で透明電極1c、1dのそれぞ
れ所定の間隔で平行に配設してなる一対の透明ガラス板
1a、1dを前記透明電極1c、1dを互いに直交する向きに向
かい合せ、かつ図示しない絶縁保護膜を介して結合し、
タブレット面を形成している。 そして第３図（ｂ）に示すようにシフト・コントロー
ラ1eの制御を受けて動作するシフトレジスタ1f、1gによ
り透明電極1c、1dに順次所定の電圧を印加し、電圧印加
された透明電極1c、1dの交差点として前記タブレット面
の全域を走査している。 具体的には、一方の透明電極1cを順に選択して所定の
電圧を印加するとともに、透明電極1cの１つに所定の電
圧が印加されている期間、これに直交する他方の透明電
極1dの全てに順に所定電圧を印加している。 すなわち他方の透明電極1dの全てに順に所定の電圧を
印加して透明電極1dを走査する都度、所定の電圧を印加
する透明電極1cを順にずらすことによって、透明電極1
c、1dが構成するマトリックス平面（タブレット面）の
全域が順に走査される。 カウンタ1hはこのような走査に同期してカウント動作
するものであり、その計数値にて前記マトリックス平面
上の位置座標を表現するものとなっている。 そして、マトリックス平面（タブレット面）を指示す
るペン1iは、その指示位置において、前述した透明電極
1c、1dの走査によって印加される電圧を静電結合により
検出している。このペン1iにより検出される走査信号は
前置増幅器1jを介して増幅された後、フィルタ（FIL）1
kによりその雑音成分がフィルタリング除去され、指示
位置検出信号としてカウンタ1hに与えられる。 カウンタ1hはこの指示位置検出信号を受け、そのとき
の計数値をペン1iにて指示されたタブレット面上に指示
位置の情報として出力する。 このように構成された位置入力装置１によれば、ペン
1iによりタブレット面上のある位置を指示することによ
り、その指示位置において透明電極1c、1dを走査する走
査信号（印加電圧）がペン1iにより検出される。その走
査信号の検出時におけるカウンタ1hの計数値が、前記指
示位置に対応する位置座標の情報として検出され、ペン
1iによる指示位置のつながり、つまり指示された位置座
標のつながり（位置座標の系列）として入力される。 このようにして位置入力装置１を介し筆記入力された
文字パターンの情報すなわち位置座標の系列に従って、
後述するように表示装置３の同一位置座標が表示駆動さ
れる。この表示制御によって、前記タブレット面に筆記
入力された文字パターンがその筆記の軌跡として同時表
示され、あたかもペンを用いて紙面に文字を記載するご
とく、その文字情報の入力が行われる。 次にこのようにして位置入力装置１を介し筆記入力さ
れる文字情報を認識処理する制御装置２について、第６
図の流れ図に従って説明する。 制御装置２は、先ず必要な各種データバッファ等を初
期化し（ステップａ）、ペン1iがオン状態かどうかチェ
ックして（ステップｂ）、オフ状態の場合には再度ペン
オンチェックを実行する。ここでペン1iがオン状態であ
るならば、位置入力装置１を介して検出される指示位置
の座標データを位置データバッファ2dへ格納する（ステ
ップｃ）。そして再度ペン・オンチェックが行われ（ス
テップｄ）、入力された座標データが位置データバッフ
ァ2dへ格納される（ステップｅ）。 この座標データの格納はペン1iがオフされたとき、そ
の情報が文字の区切りデータとして位置データバッファ
2eへ取り込まれ（ステップｆ）、これによって１文字分
の文字パターンを示す位置データの系列の全てが入力さ
れたことが確認されるまで、すなわちペンがオフされて
１文字の区切りが検出されるまで、繰り返し行われる
（ステップｇ）。 この際、位置データバッファ2dに格納された座標デー
タは同時に出力バッファ2gに転送され、前述したように
表示装置３において筆記パターンの情報として同時表示
される。 そして認識処理2bは１文字の座標データの系列が位置
データバッファ2dに求められていると、その座標データ
の系列を解析してその入力文字を認識する（ステップ
ｈ）。 この文字認識は、たとえば座標データの系列を各位置
座標データ間の距離からストロークの切れ目を判定して
筆記ストロークごとにその特徴を示す方向値の系列に変
換することにより行われる。 ここで前記方向値は、たとえば第４図に示すように８
つの向き（方向値）に量子化して与えられる。そして各
筆記ストロークを示す座標データの系列がどのような方
向値列で示されるかを求め、同一の向き（方向値）が連
続する場合には、それら方向値を１つの方向値で代表さ
せることにより、データ圧縮し、各筆記ストロークが示
す位置座標データの方向値列への変換が行われる。なお
ここではストロークの向きを８方向へ量子化して方向値
列への変換を行っている。 この処理によって、位置入力装置１を介して筆記入力
された文字パターンが、その筆記ストロークごとに方向
値列としてそれぞれ表現される。 そしてこのようにして求められた方向値列の情報と、
外部記憶装置４に格納された文字認識辞書とを照合して
その入力文字が認識される。 なお、この認識処理に供される文字認識辞書は、たと
えば第５図に示すように認識対象である文字が構成する
ストロークの特徴を方向値列で表現し、各文字を構成す
るストローク数ごとに分類して、各文字コードに対応付
けて構成される。 認識処理部2bはこのような文字認識情報を参照し、筆
記入力された文字ストロークの特徴に該当する文字コー
ドを認識結果として求めている。 この際、複数の認識候補が存在する場合には、これら
の認識候補文字と入力文字との相違度（文字パターンの
異なりの程度を示す類似度等）を同時に求めている。 このようにして、１文字分の筆記パターンを解析して
その文字認識が行われると、次に認識結果が次候補を持
つかどうかが判定される（ステップｉ）。すなわち入力
文字に対する認識候補がただ１つ求めれたか、あるいは
複数個求められたかが、判定される。 そして、認識候補が１つだけであった場合には、これ
を認識結果として確定し、表示制御部2cはその文字コー
ドに対応する文字パターンを表示装置３上の文字入力位
置に通常表示する。これと同時に認識情報バッファ2fに
登録されている内容があれば、それをクリアする（ステ
ップｊ）。 これに対して認識候補が複数個求められた場合には、
まず認識情報バッファ2fを参照し（ステップｋ）、既に
登録済みの文字コード情報等が存在するか否かを判定す
る（ステップｌ）。そして、もし存在する場合には、引
き続き登録済みの第１候補に対応する文字コードが現在
認識結果として得られた第１候補の文字コードと同じか
どうかを判決する（ステップｍ）。 そして、また同じであると判断された場合には、認識
情報バッファ2fに登録済の文字位置と、現在認識結果と
して得られた文字の入力位置が許容誤差範囲内（たとえ
ば認識情報バッファ2fに登録済の文字位置と文字サイズ
で囲まれた領域に、得られた文字の入力位置を含んでい
る場合）に入っているか否かを判定する（ステップ
ｎ）。 ここでステップｌからステップｎでNoと判定された場
合には、まず文字候補番号１に設定し、その時点で認識
情報バッファ2fに登録している内容を現在認識して得ら
れた結果と置換して更新する。具体的な登録内容は第８
図に示されるとおりである（ステップＱ）。 ステップｎの結果、許容誤差範囲内と判定されたなら
ば、まず現在登録している文字候補番号を＋１だけイン
クリメントして、現在登録済みの文字コードの次の候補
文字を選択するように設定する（ステップＰ）。そして
インクリメントした結果、登録文字候補が、登録文字数
（本実施例では４個：登録したときの候補文字数）を超
えたかどうかを判定する（ステップｑ）。 もしここで超えたと判断された場合には、文字候補番
号を“1"とし、登録文字の第１候補文字を選択するよう
に設定する（ステップｒ）。 ステップｑで超えなかった場合、あるいはステップｒ
が終了すると、現在の文字候補番号に対応する登録済み
の候補文字を認識情報バッファ2fより読出す（ステップ
Ｓ）。 そして引き続き認識情報バッファ2fに登録されている
文字候補番号を更新するために現在保持している文字候
補番号と置換する（ステップｔ）。 ステップＱまたはステップｔが終了すると、現在保持
している文字候補番号に対応する文字コードを認識情報
バッファ2fより読出し、相当する文字パターンを表示制
御部2Cが表示装置３上の文字入力位置に表示する（ステ
ップｕ）。 ステップｊおよびステップｕが終了すると、再び文字
入力モードとして動作する。 第７図は本実施例装置における筆記方法を示した図で
ある。 まず（ａ）では「は」と書いたつもりが、（ｂ）のよ
うに「け」と認識されたとする。ここで（ｃ）のように
再度「は」と書くと、上述したように候補文字の順位が
変化するため、（ｄ）のように正しく「は」と認識でき
るようになる。 このように本実施例装置では、位置入力装置１を介し
て筆記入力された文字をリアルタイムに認識処理し、そ
の認識結果を表示しながら文字入力することに際し、入
力文字に対する認識候補が複数個求められた場合には、
その第１候補の文字を、次候補をもつ認識結果として、
他の認識結果とは区別して記憶する。従って認識結果と
して所望の文字が得られない場合には、再度同じ領域に
同じ文字を筆記入力することにより、候補文字の順位が
変化し、異なった認識結果を得ることができる。 ゆえに位置入力装置１を介する文字情報の入力、およ
び次候補文字の選択を、紙面上に書くイメージで非常に
簡易に効率良く行うことができ、操作性の大幅な向上を
図ることができる。 なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
ない。たとえば候補文字を表示する順番を、本実施例で
は相違度の低い方から行っているが、各相違度に大きな
差が生じない場合には、逆に相違度の高い方から行って
もよい。 また候補文字数を、本実施例では最大４個と定義して
いるが、相違度の差が大きく異ならない場合には４個以
上であってもよいし、逆に相違度の差が大きく異なる場
合には４個未満としてもよい。 またここではストロークの向きを８方向へ量子化して
方向値列への変換が行われるが、４方向の量子化あるい
は16方向への量子化であってもよい。さらに入力文字の
認識方式等についても従来より種々の提唱されている方
式をその仕様に応じ採用すれば良いものである。さらに
また位置入力装置１は感圧型のタブレットであっても良
いし、表示装置３はプラズマディスプレイあるいはEL等
のフラットパネルディスプレイによって構成されるもの
であってよい。 要するに本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変形して実施することができる。 ［発明の効果］ 以上説明したように本発明の文字認識装置によれば、
類似性の高い文字を特に認識対象範囲を限定することな
く、簡易に入力することができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例装置の構成を示すブロック
図、第２図は同実施例置の構造的特徴を示す図、第３図
は同実施例における位置入力装置の構成例を示す図、第
４図は筆記ストロークの向きを表現する図、第５図は同
実施例装置の認識辞書の構成例を示す図、第６図は文字
入力処理と次候補の選択の流れ示す図、第７図（ａ）〜
（ｄ）は入力文字と認識結果の文字の例をそれぞれ表示
した図、第８図は同実施例装置の認識情報バッファに格
納される登録候補文字の例を示す図である。 １……位置入力装置、２……制御装置、３……表示装
置、４……外部記憶装置。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．座標入力面上で指示される時系列的な位置情報を入
   力する位置入力手段と、 この位置情報により指示される手書き文字を所定の認識
   辞書と照合し、認識結果としての文字候補の文字コード
   および認識情報を出力する認識処理手段と、 この認識処理手段に対し再度入力された手書きの文字コ
   ードおよび付随する認識情報を先の位置情報に対応する
   文字候補の文字コードおよび認識情報と比較し、互いが
   許容範囲内でほぼ一致していると判定した場合、今回得
   られた認識結果の文字候補の優先順位を繰り上げる認識
   結果処理手段と を具備してなることを特徴とする文字認識装置。 ２．前記付随する認識情報は、入力文字の位置、入力文
   字のサイズ、認識結果において得られる各候補文字の類
   似度を含む特許請求の範囲第１項記載の文字認識装置。 ３．前記位置入力手段の座標入力面が透明にされ、この
   座標入力面が所定の表示手段の表示面に対し座標領域を
   等しくしつつ積層一体化されている特許請求の範囲第１
   項記載の文字認識装置。