JP2711676B2 - 金属管の連続鋳造方法および装置 - Google Patents

金属管の連続鋳造方法および装置

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JP2711676B2 JP63138455A JP13845588A JP2711676B2 JP 2711676 B2 JP2711676 B2 JP 2711676B2 JP 63138455 A JP63138455 A JP 63138455A JP 13845588 A JP13845588 A JP 13845588A JP 2711676 B2 JP2711676 B2 JP 2711676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属管の連続鋳造方法および装置に関する。
[従来の技術] 金属管の連続鋳造方法にあっては、特開昭60−54255
号公報に記載される如く、溶湯保持炉の鋳込口に鋳型装
置を配設し、この鋳型装置において溶湯を冷却して鋳造
管を形成し、この鋳造管を引抜ローラー装置により引抜
き鋳造する。
ところで、金属管の連続鋳造においても、中実鋳片の
連続鋳造におけると同様に、凝固鋳片を連続して引抜く
と、凝固殻の弱い部分から破断を生じ、鋳型出口でブレ
ークアウトとなる。したがって、金属管の連続鋳造にお
いても、引抜きと停止を1サイクルとしてくり返す間欠
抜きを採用することが有用である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、金属管の連続鋳造に上記の間欠引抜き
を「単に」採用する場合には、引抜時に鋳型内に差し込
んで鋳型表面に生成される薄肉の初期凝固殻が次の引抜
時に破断するとともに、次の引抜時に新たに鋳型内に差
し込んで生成される凝固殻が上記初期凝固殻の破断部に
重なって鋳造管表面を形成することになる。このため、
鋳造管の表面(鋳肌)は凝固タイミングの異なる鋳肌が
交互に連なる2重肌となり、外観性状および疵深さの面
より好ましくない。
本発明は、鋳造管をその表面に2重肌を生じさせるこ
となく安定的に引抜き鋳造することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の本発明は、溶湯保持炉に収容した溶
湯を鋳型装置にて管状に凝固させて鋳造管を形成し、こ
の鋳造管を引抜装置により引抜く金属管の連続鋳造方法
において、上記鋳造管を引抜時間の間引抜き、この引抜
き後の押込時間の間管軸まわりの回転を加えながら押込
むことにより、引抜き時に生成する初期凝固殻を押込み
時の回転に伴う剪断力により破断し、かつ押込みにより
溶湯中に押込んで再溶解せしめ、この押込み後の待時間
の間停止することを、1サイクルとしてくり返すように
したものである。
請求項2に記載の本発明は、溶湯保持炉の鋳込口に配
設され、溶湯を管状に凝固させて鋳造管を形成する鋳型
装置と、鋳型装置にて形成された鋳造管を引抜く引抜ロ
ーラー装置とを有してなる金属管の連続鋳造装置におい
て、引抜ローラー装置のローラー軸線が引抜直角方向に
対してなす角度を調整できるローラー傾動装置と、上記
鋳造管を引抜時間の間引抜き、この引抜き後の押込時間
の間管軸まわりの回転を加えながら押込むことにより、
引抜き時に生成する初期凝固殻を押込み時の回転に伴う
剪断力により破断し、かつ押込みにより溶湯中に押込ん
で再溶解せしめ、この押込み後の待時間の間停止するこ
とを、1サイクルとしてくり返すように引抜き制御する
制御装置とを有してなり、制御装置は、上記押込過程に
際しローラー傾動装置を駆動制御し、鋳造管の回転量を
調整するように構成されるようにしたものである。
[作用] 第7図、第8図は本発明を原理的に説明するための図
であり、1は溶湯保持炉、2は鋳型装置(2Aは鋳型、2B
は中子、2Cは冷却部)、3は鋳造管、aは鋳造管3の回
転により剪断された初期凝固殻、bは高温溶湯中に押込
まれた初期凝固殻である。
すなわち、請求項1に記載の本発明によれば、引抜時
に鋳型装置2に差し込んで鋳型表面に生成される薄肉の
初期凝固殻は、その後の押込み時における鋳造管3の回
転(N)にともなう剪断力によりaの如く剪断され、か
つ鋳造管3の押込みによりbの如く高温溶湯中に押込ま
れてそこに再溶解せしめられる。したがって、間欠引抜
きがくり返される時、鋳型内に生成される凝固殻は破断
部をともなうことなく、かつ引抜停止過程における冷却
作用を受けて強固に凝固し、均一な鋳型が連続する鋳造
管表面を形成する。これにより、鋳造管をその表面に2
重肌を生じさせることなく安定的に引抜き鋳造すること
ができる。
また、請求項2に記載の本発明によれば、薄肉の初期
凝固殻を破断するに最適な鋳造管の回転量を適確に演算
した上で、上述の如くの押込み制御を行なうことにな
り、2重肌の発生を確実に防止できる。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例を示す制御系統図、第2図
は鋳型装置を示す断面図、第3図は鋳型装置を示す端面
図、第4図は本発明の間欠引抜き動作を示す模式図、第
5図はローラー傾動状態を示す模式図、第6図は本発明
の間欠引抜き動作を示す速度線図、第7図は本発明を原
理的に示す断面図、第8図は第7図の端面図である。
連続鋳造装置10は、第1図に示す如く、溶湯保持炉11
の側面下部に形成した鋳込口12に鋳型装置13を付帯して
配設している。連続鋳造装置10は、鋳型装置13により溶
湯を冷却して鋳造管14を形成し、これを引抜き鋳造す
る。
連続鋳造装置10は、鋳型装置13の出側にて鋳造管14を
支持するガイドローラー15を備えるとともに、鋳造管14
を引抜くための引抜ローラー装置16を備える。引抜ロー
ラー装置16は、ピンチローラー17と押えローラー18とか
らなる。なお、引抜ローラー装置16は、油圧ポンプ16A
にて駆動される油圧モーター16Bを有し、この油圧モー
ター16Bにてピンチローラー17を駆動し、結果として鋳
造管14に引抜力を付与することとしている。
鋳型装置13は、第2図、第3図に示す如く、黒鉛から
なる鋳型19と同じく黒鉛からなる中子20とにより構成さ
れている。
鋳型19は、中空状をなし、溶湯流入側端部に中子保持
内径部21を備えるとともに、中子保持内径部21を除く略
全長にわたる鋳型中心軸まわりに管外面成形内径部22を
備える。
中子20は、鋳型19に装入され、溶湯流入側端部に鋳型
19の中子保持内径部21に嵌着されるフランジ部23を備え
るとともに、フランジ部23を除く略全長にわたる鋳型中
心軸まわりに設けられて鋳型19の管外面成形内径部22と
の間に管成形通路25を形成する管内面成形外径部24を備
える。また中子20は、フランジ部23における鋳型中心軸
まわりの複数位置(この実施例では4位置)のそれぞれ
に上記管成形通路25に連通する溶湯注入通路26を備え
る。各溶湯注入通路26の通路断面形状は円弧状である。
なお、隣接する溶湯注入通路26に挟まれる継なぎ部27の
厚みgは強度上許される限り小とし、各溶湯注入通路26
の通路面積をより大とすることが好ましい。
すなわち、鋳型装置13は、鋳型19の中小保持内径部21
に中子20のフランジ部23を嵌着固定し、前記溶湯注入通
路26と管成形通路25とをストレート状に連通する。第2
図の28は鋳型19と中子20との固定ピンである。
なお、鋳型装置13は、具体的には、鋳型19の溶湯流出
側端部に銅ライナー29を介して銅製の水冷ジャケット体
30を嵌着するとともに、鋳型19の溶湯流入側端部にレン
ガからなるインサートリング31、32を嵌着し、また水冷
ジャケット体30とインサートリング31の間に鉄板33を嵌
着することとしている。これにより、鋳型装置13は、水
冷ジャケット体30の部分を溶湯を凝固形成させるための
冷却部、インサートリング31の部分を非冷却部、インサ
ートリング32の部分を保持炉11の炉壁11Aへの装着部と
している。
また、この実施例の連続鋳造装置10は、鋳型装置13に
流入した溶湯が過冷却することのないように、分子20の
溶湯流入側端部に孔状のぬすみ20Aを設けるとともに、
鋳型装置13の端部を炉内へ突出させている。
しかして、連続鋳造装置10は、ローラー傾動装置41
と、制御装置42を有している。
ローラー傾動装置41は、第5図に示す如く、引抜ロー
ラー装置16のピンチローラー17の軸線が引抜直角方向に
対してなす角度θを調整する。図において、43はピンチ
ローラー17を支持する可動台、44は連結リンク、45は駆
動リンク、46は角度検出器である。
制御装置42は、第4図、第6図に示す如く鋳造管14
を、引抜時間(te)の間一定引抜速度(Ve)で引抜長
さPだけ引抜き、上記引抜き後の押込時間(tr)の
間、一定押込み速度(Vr)で管軸まわりの回転を加えな
がら押込み長さAだけ押込み、上記押込み後の待時間
(tw)の間停止すべく、引抜ローラー装置16の油圧ポン
プ駆動制御部47を制御する。なお、鋳造管14の引抜速度
は油圧モータ16Bの出力軸に連結される引抜速度検出器4
8を介して、制御装置42にフィードバックされる。
ここで、制御装置42は、上記押込過程に際しローラー
傾動装置41を駆動制御し、鋳造管14の回転量を調整す
る。
すなわち、ピンチローラー17の軸線を傾斜せしめられ
る引抜ローラー装置16は、その駆動トルクの引抜方向成
分により鋳造管14を引抜方向に移動し、その駆動トルク
の引抜方向に直角をなす成分により鋳造管14を回転せし
める。
次に、上記実施例の作用について説明する。
上記実施例によれば、引抜時に鋳型装置13に差し込ん
で鋳型表面に生成される薄肉の初期凝固殻は、その後の
押込み時における鋳造管14の回転にともなう剪断力によ
り破断され、かつ鋳造管14の押込みにより高温溶湯中に
押込まれてそこに再溶解せしめられる。したがって、間
欠引抜きがくり返される時、鋳型内に生成される凝固殻
は破断部をともなうことなく、かつ引抜停止過程におけ
る冷却作用を受けて強固に凝固し、均一な鋳肌が連続す
る鋳造管表面を形成する。これにより、鋳造管14をその
表面に2重肌を生じさせることなく安定的に引抜き鋳造
することができる。
また、上記実施例によれば、制御装置42は薄肉の初期
凝固殻を破断するに最適な鋳造管14の回転量θを適確に
演算した上で、上述の如く押込み制御を行なうことにな
り、2重肌の発生を確実に防止できる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、鋳造管をその表面に2
重肌を生じさせることなく安定的に引抜き鋳造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す制御系統図、第2図は
鋳型装置を示す断面図、第3図は鋳型装置を示す端面
図、第4図は本発明の間欠引抜き動作を示す模式図、第
5図はローラー傾動状態を示す模式図、第6図は本発明
の間欠引抜き動作を示す速度線図、第7図は本発明を原
理的に示す断面図、第8図は第7図の端面図である。 10……連続鋳造装置、 11……溶湯保持炉、 12……鋳込口、 13……鋳型装置、 14……鋳造管、 16……引抜ローラー装置、 41……ローラー傾動装置、 42……制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 厚見 卓彌 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 糸山 誓司 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭60−54255(JP,A) 特開 昭58−202954(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶湯保持炉に収容した溶湯を鋳型装置にて
    管状に凝固させて鋳造管を形成し、この鋳造管を引抜装
    置により引抜く金属管の連続鋳造方法において、 上記鋳造管を引抜時間の間引抜き、この引抜き後の押込
    時間の間管軸まわりの回転を加えながら押込むことによ
    り、引抜き時に生成する初期凝固殻を押込み時の回転に
    伴う剪断力により破断し、かつ押込みにより溶湯中に押
    込んで再溶解せしめ、この押込み後の待時間の間停止す
    ることを、1サイクルとしてくり返すことを特徴とする
    金属管の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】溶湯保持炉の鋳込口に配設され、溶湯を管
    状に凝固させて鋳造管を形成する鋳型装置と、鋳型装置
    にて形成された鋳造管を引抜く引抜ローラー装置とを有
    してなる金属管の連続鋳造装置において、 引抜ローラー装置のローラー軸線が引抜直角方向に対し
    てなす角度を調整できるローラー傾動装置と、 上記鋳造管を引抜時間の間引抜き、この引抜き後の押込
    時間の間管軸まわりの回転を加えながら押込むことによ
    り、引抜き時に生成する初期凝固殻を押込み時の回転に
    伴う剪断力により破断し、かつ押込みにより溶湯中に押
    込んで再溶解せしめ、この押込み後の待時間の間停止す
    ることを、1サイクルとしてくり返すように引抜き制御
    する制御装置とを有してなり、 制御装置は、上記押込過程に際しローラー傾動装置を駆
    動制御し、鋳造管の回転量を調整するように構成される
    ことを特徴とする金属管の連続鋳造装置。
JP63138455A 1988-06-07 1988-06-07 金属管の連続鋳造方法および装置 Expired - Lifetime JP2711676B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE3206501C1 (de) * 1982-02-24 1983-04-07 Mannesmann AG, 4000 Düsseldorf Verfahren und Auszieheinrichtung zum Horizontalstranggiessen von Metall,insbesondere von Stahl
JPS6054255A (ja) * 1983-09-05 1985-03-28 Kawasaki Heavy Ind Ltd 水平連続鋳造装置

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