JP2711227B2 - コンクリート製品の製造方法、コンクリート埋設物および設定具 - Google Patents

コンクリート製品の製造方法、コンクリート埋設物および設定具

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JP2711227B2 JP6301865A JP30186594A JP2711227B2 JP 2711227 B2 JP2711227 B2 JP 2711227B2 JP 6301865 A JP6301865 A JP 6301865A JP 30186594 A JP30186594 A JP 30186594A JP 2711227 B2 JP2711227 B2 JP 2711227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インサートなどの埋設
されたコンクリート製品の製造方法、およびインサー
ト、インサート保持具、スリーブ、プラグなどのコンク
リート埋設物、さらに、コンクリート埋設物を型枠に設
定するのに好適な設定具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電線を地中に埋設する際に用いられるハ
ンドホールや、ガス、水道などを共通して埋設する共同
溝などのコンクリート製のボックスはインサートを予め
埋設しておくことが多い。このインサートは、ボックス
を搬送するためや、ケーブルラックやパイプラックの設
置などのために使用される。
【0003】このようなコンクリート製のボックスは、
鉄板などで構成された耐久性の型枠を用いて工場で量産
される。図32に示すように、従来は、インサート1を
設定する場所に型枠3を貫通する穴を開け、この穴に型
枠3の外側からボルト5を挿入し、インサート1の内側
に用意されている雌ねじを用いて固定している。その
後、この型枠3にコンクリート4を流し込み、インサー
トの埋設されたコンクリート製品を製造する。
【0004】図33に示すように、外型枠3の多くは台
盤6に対し旋回できるように取り付けられており、脱型
する際は外型枠3を外側に旋回させる。内型枠7も型枠
の内側に旋回するスペースのある場合は、脱型を容易に
行うために台盤6に対し旋回できるようになっている。
従来は、外型枠3を旋回させて取り外す前に、インサー
ト1を外型枠に止めてあるボルト5を抜き取る必要があ
る。このため、インサート1を型枠3に設定するための
ボルト5を着脱する作業を、コンクリート2次製品を製
造するたびに繰り返さなければならない。さらに、型枠
が大型になると型枠の外側と内側を同時に操作できない
ので、ボルト5を用いてインサート1を設定するために
複数の作業員が必要となる。また、型枠の内側に、内型
枠を旋回させるスペースがあっても、ボルトの操作に十
分なスペースが確保できることは稀であり、ボルトを用
いてインサートを設定するのは困難である。
【0005】図34に示すインサートを取り付ける治具
10は、インサート1の中に挿入される中空でプラスチ
ック製のボス11と、型枠3に用意された穴8を通って
このボス11を設定する通しボルト12と、型枠3の外
側に装着された防振用のゴム製のワッシャー13と、こ
のワッシャー13を適当な圧力で型枠3に押しつけるワ
ッシャーカバー14と、さらに、これらを固定するナッ
ト15とを備えている。
【0006】プラスチック製のボス11は、インサート
1を着脱し易いように滑らかで先端に向かって若干細く
なっている。脱型するときは、型枠が旋回してボス11
がインサート1に対し傾くと、中空のボス11の側が変
形し、インサート1から外れるようになっている。従っ
て、図35に示すように、型枠3を旋回させて脱型する
場合は、所定の旋回半径以上の箇所であればインサート
の周囲のコンクリート表面にこば欠けを起こさずに脱型
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この取付器具10は、
ボス11やワッシャー13がプラスチックなどで構成さ
れているため、耐油性あるいは耐熱性は高くなく、鉄板
などで構成された耐久性の型枠と比較すると寿命が短
い。従って、この取付器具10は、コンクリート製品の
製造過程において消耗品として取り扱われ、複雑な機構
を備えているので高価である。また、交換するたびにワ
ッシャーカバー14と型枠3との隙間L0を適正に保つ
ため、取付器具10を取り替える度にこの隙間を調整し
なければならない。
【0008】取付器具10のボス11も含め、従来のボ
スは長く、インサートとの接触面積を確保することによ
って、コンクリートを注入するときや、その後の締め固
め時の衝撃を受けてもインサートが外れないようにして
いる。このため、ボスへインサートを設定する際は、ハ
ンマーなどによって大きな力を与える必要がある。その
ために広い作業スペースを必要とし、型枠の内部の作業
スペースが狭いとボスにインサートを嵌めにくく、設定
するために時間がかかる。嵌めかたが不十分だと、コン
クリート製品の成形中にインサートが外れてしまうこと
もある。
【0009】このように、インサートの埋設されたコン
クリート製品を製造するには手間がかかり、その際、イ
ンサートの脱落を防ぐために十分注意して作業をする必
要がある。さらに、上記のような取付器具10を採用す
ると、製造コストへの影響も無視できず、さらに、イン
サートの設定できる箇所は、型枠の旋回半径によって限
定される。このため、型枠の旋回半径の小さい箇所にイ
ンサートを設定する場合は、従来と同様にボルトを用い
る必要があり、これらを抜き差しする作業はなくならな
い。
【0010】そこで、本発明は、狭い作業スペースでも
簡単に、また確実に型枠に設定でき、そのためにかかる
時間や作業員の労力を軽減できるコンクリート埋設物、
およびその設定具を提供することを目的としている。さ
らに、寿命が長く、簡素な設定具と、これに設定するコ
ンクリート埋設物を提供することにより、設定具のメン
テナンスや交換、さらに、調整などの作業を不要とし、
製造コストを低減可能とすることも目的としている。ま
た、コンクリート製品を製造する型枠の旋回半径が小さ
い箇所にもボルトの抜き差しを行わずに簡単に設定で
き、さらに、設定具を外さなくてもコンクリート製品の
表面にこば欠けを起こさずに、そのまま脱型できるコン
クリート埋設物および設定具を提供することも目的とし
てる。また、型枠内に注入されたコンクリートが内部に
漏れ込まないコンクリート埋設物および設定具を提供す
ることも本発明の目的の1つである。
【0011】
【課題を解決するための手段】型枠の内面にボスなどの
設定用の治具を取り付けるなどの手段によって設けられ
た突起物に対し、インサートあるいはインサート保持具
などの本体を有するコンクリート埋設物を差し込んで型
枠に設定する場合、型枠に設けた突起物が低ければ、コ
ンクリート埋設物を挿入する距離は短いので設定は簡単
となる。従って、狭い作業スペースでも作業を行える。
また、脱型するときに型枠を旋回しても、コンクリート
製品内に埋め込まれたコンクリート埋設物と干渉する部
分は少なくなるので、旋回半径の小さい箇所にコンクリ
ート埋設物を設定してもコンクリート製品の表面にこば
欠けを起こさずに脱型できる。
【0012】しかし、型枠に設ける突起物が短いと、コ
ンクリート埋設物が突起物と当たる面積は少なくなるの
で、付着力は小さくなる。そこで、本発明においては、
短い突起物に対し確実にコンクリート埋設物を設定でき
るように、突起物およびコンクリート埋設物に突起や凹
みなどを設けて、これらが相互が噛み合うようにしてい
る。
【0013】このため、本発明のコンクリート製品の製
造方法においては、型枠に取り付けられた略円盤状の設
定具に埋設物を設定する際に、設定具の外周面の少なく
とも1部と埋設物の略円筒状の取付部の少なくとも1部
とを噛み合わせ、埋設物の設定された型枠を用いてコン
クリート製品を成形し、成形されたコンクリート製品を
埋設物と共に脱型することを特徴としている。埋設物で
あるコンクリート埋設物の本体の少なくとも一方の端に
取付部を設け、この取付部に設定具となる突起物と噛み
合う部分を設けることにより、この噛み合う部分を低い
突起物に対応して取付部の先端近傍に配置できる。
方、設定するための突起物は、略円盤状で外周がコンク
リート埋設物の少なくとも1部と噛み合う形状をしたボ
ス本体をボルトなどによって型枠の内面に取り付けるこ
とにより構成できる。噛み合う形状としては、ディスク
状のボス本体の外周や、コンクリート埋設物の取付部の
内面の少なくとも1部に突起や凹みを設けたり、あるい
は、これらを外側や内側に拡張させても良い。これらの
突起や凹みは、1筋の連続したものに限らず断続的な山
や溝で形成しても良く、また、複数の凹や凸で形成して
も良い。あるいは、ある範囲内に突起や凹みが分散して
いるものであっても良い。ボスの外周面に突き出た部分
を設ける場合は、この突き出た部分の型枠の側に角張っ
た部分を形成しておくことも有効である。突き出た部分
の型枠の側に丸みを帯びていない角張った部分を設けて
も、この部分はコンクリート埋設物を挿入するときは障
害とならない。そして、コンクリート埋設物を一端嵌め
込むと、角張った部分が樹脂製の取付部に当たり、その
部分に切れ込んだ状態あるいはこれに近い状態になるの
で、コンクリート埋設物が外れにくくなる。
【0014】このようなボスを用いた設定具の構造はシ
ンプルであり、プラスチックなどの樹脂や、金属で成形
しても、耐久性に優れている。さらに、埋設物の取付部
と噛み合う部分を設けてあるので、付着強度は十分に取
れ、噛み合う部分の接続する感覚によって取付部の挿入
度合いも判るので、埋設物を確実に型枠に設定できるメ
リットもある。
【0015】また、ボス本体はボス本体より小径の取付
ロッドを用いて型枠に取り付けできるので、型枠に開け
る穴も小さくて済む。取付ロッドに予め雄ねじを設けて
おけば、型枠の反対側からナットを用いてボスを固定で
きる。そして、本発明のボス本体は薄くても埋設物をし
っかりと設定できるので旋回半径の小さな箇所に適して
いる。また、さらに旋回半径の小さな箇所にも設置でき
るように、弾性ワッシャーなどを用いてボス本体が型枠
に対して変動できるようにしても良い。
【0016】また、コンクリート埋設物の取付部を樹脂
で構成することにより、噛み合う部分を備えたボス本体
に挿入し易くなり、一端挿入すると取付部がボス本体と
噛み合って抜けにくくなる。一方、脱型するときに取付
部とボス本体とのなす角度が変わると樹脂製の取付部は
変形し、ボス本体も短いので脱型するときに型枠を旋回
する力によってコンクリート埋設物はボス本体から外れ
る。この際、ボス本体が短く、コンクリート製品の表面
との干渉は少ないので、型枠の旋回半径の比較的小さな
箇所にコンクリート埋設物を設定してもコンクリート表
面のこば欠けは起きない。
【0017】コンクリート表面のこば欠けを防止するに
は、取付部の外側をコンクリートの侵入しない圧縮可能
な領域によって覆うことも有効である。脱型時に取付部
とボス本体のなす角度が変わると、ボス本体に押し上げ
られた樹脂製の取付部はその周囲にある圧縮可能な領域
の内部で変形する。このため、脱型するときにボス本体
はコンクリート製品の表面と全く干渉しない。従って、
短いボス本体を採用してもコンクリート埋設物との干渉
が問題となるような旋回半径の小さな箇所においても、
コンクリート埋設物を設定できる。そして、設定された
コンクリート埋設物は、設定具を取り外さなくてもスム
ーズに外れ、ボス本体とコンクリート製品の表面とは干
渉しないので、こば欠けなどの問題も生じない。
【0018】コンクリート埋設物の本体から延びた略筒
状の外殻の内側に略筒状の内殻を延ばすことによって、
外殻と内殻との間の空間を形成でき、この空間をコンク
リートの侵入しない圧縮可能な領域として使用できる。
また、内殻の回りをゴムやスポンジ、あるいは段ボール
などの弾性帯で覆って、弾性帯を圧縮可能な領域として
も良い。あるいは、外殻から内側に複数の突き出た部分
を形成し、この突き出た部分によって取付部を構成する
と、外殻の内側のスペースを圧縮可能な領域として利用
できる。
【0019】外殻には、埋設物としての強度はもちろ
ん、型枠の内面と接触する面積を確保することによって
コンクリートの侵入を防止し、また、埋設物を型枠に対
して所定の角度に保持し、さらに、コンクリート製品の
表面に埋設物の輪郭を明瞭に描いたりする機能を持たせ
られる。これによって、内殻や外殻から突き出た部分に
構成された取付部は、ボス本体に嵌めやすく、また、抜
けにくく、さらに脱型し易くするために適した設計が可
能となる。例えば、内殻は埋設物としての強度は不要な
ので壁厚を薄くできる。これによって、樹脂の弾性を活
かして、コンクリート埋設物をボス本体に向かって押し
たときに嵌めやすく、一方、一端嵌めるとボス本体に密
着し、噛み合いを強化し、接触面積を大きくすることに
よって外れにくくなる。
【0020】さらに、外殻の内側に取付部があると、コ
ンクリートを注入するときの圧力や、締め固め時の振動
などが直接取付部に伝わらないので、コンクリート埋設
物は脱落しにくくなる。このように外装部と取付部とい
う2重の構造を採用することにより、様々な効果を得ら
れる。
【0021】上記の2重の構造を採用した場合、外装部
の先端が厚くてもコンクリート埋設物の設定・脱型を行
えるので、先端の厚い外装部によりコンクリートの侵入
を防止できる。すなわち、外装部の先端を厚くしたり、
フランジ状の形状として、型枠との接触面積を大きくす
ることが望ましい。さらに、外装部の先端を、取付部の
先端より前方、すなわち、型枠の内面に近づくようにし
ておけば、取付部の先端より先に外装部の先端が型枠の
内面に当たり密着するので、コンクリート埋設物内部へ
のコンクリートの侵入を確実に防止できる。
【0022】これに対し、取付部が厚いと変形し難いの
で、ボスにはめ込む際にハンマーなどで打ち込む必要が
ある。一方、取付部を嵌め込み易くするためにボスの側
を単にテーパー状にしておくと、厚い取付部の復元力に
よって逆に外れ易い。従って、本発明のように2重にす
れば取付部は嵌め込み易くなり、その一方で外れ難くも
なる。また、取付部を噛み合わせるようにしておけば、
一端嵌め込んだ取付部は容易には外れないので、ボスの
側は取付部が嵌め込みやすいようにテーパー状に先端を
細くすることも有効である。
【0023】取付部に噛み合う部分を設けるときは、取
付部の噛み合う部分と外装部の先端との距離を、ボス本
体の噛み合う部分と型枠内面との距離より短くしておく
ことが望ましい。これにより、取付部がボス本体と噛み
合うと、外装部の先端は型枠の内面に押しつけられるこ
とになり、確実にコンクリートの侵入を防止できる。
【0024】ボス本体の噛み合う位置や、コンクリート
埋設物の噛み合う位置には製品個々に誤差があるが、上
記2つの距離に差を持たせることによって、製品誤差を
吸収できる。さらに、上外装部の先端が必ず型枠の内面
に接するので、コンクリートの注入中にコンクリート埋
設物が回転したり、ぐらつくことはなく、埋設物の脱落
の予防にもなる。外装部を設けないときは取付部の先端
と噛み合う部分の距離を、ボス本体の噛み合う部分と型
枠内面との距離より短くすることが有効である。
【0025】また、薄いボスに、インサート、インサー
ト保持具、伸長可能なスリーブ、あるいはプラグといっ
た埋設物を確実に設定する方法としては、ボスの外周面
の少なくとも1部に雄ねじ状の部分を形成し、これに埋
設物の取付部の内側に設けた樹脂製で略平らな部分をね
じ込んでも良い。取付部の樹脂製の部分に、ボスの雄ね
じ状の部分によって新たに切り込みが作られるので、振
動などが加わっても回転し難くい。このような方法で
も、埋設物をたたき込むような動作は不要なので、埋設
物を容易に設定でき、設定された埋設物がコンクリート
の打設中に外れることもない。もちろん、ボスは薄くで
良いので、脱型も容易である。脱型時には、雌ねじ状に
成形された樹脂製の部分に強い引っ張り、あるいは剥離
する力が働くので、樹脂製の部分が容易に変形したり、
あるいは破壊される。外筒部を備えた2重構造の埋設物
にも適用できる。ボス本体に設けるねじは、設定する埋
設物の大きさにもよるが、通常のインサートであれば2
〜5山あれば十分である。また、埋設物側には、設定当
初に、取付部がねじ込み易いように1山程度の雌ねじを
設けておいても良い。
【0026】ボス本体に噛み合う部分として設けた雄ね
じ状の部分を一部欠いておけば、その欠いた部分で樹脂
製の部分の形状は復帰するので、さらに逆回転しにく
く、コンクリートの打設中に取り外れ難くなる。また、
ボス本体の少なくとも一部をカットしておいても同様で
ある。ボス本体の一部をカットした場合は、その部分が
型枠の旋回する方向に合致していれば、埋設物の取付部
との干渉も防止できるのでスムーズな脱型作業を行え
る。
【0027】また、型枠に取付穴を開けて埋設物を取り
付け、この埋設物と共にコンクリート製品を脱形するこ
とも可能である。取付穴の少なくとも1部を雌ねじ状に
成形し、埋設物から突出した樹脂製で略平らな外周面を
備えた筒状の部分を取付穴へねじ込めば良い。取付穴に
用意してある雌ねじ状の部分によってねじが切られるの
で、安定して設定でき、埋設物から突出した取付部の長
さは短くてすむ。従って、このような埋設物も型枠に容
易に設定でき、取付部の長さが短くてよいので型枠を旋
回して脱型する際にも障害とならない。コンクリートを
打設した後、取付部が変形し易いように外装部を設けて
おくことが有効なことは上述した通りである。
【0028】
【実施例】
〔実施例1〕図1に本発明の実施例1のコンクリート埋
設物を示してある。図2に示すように本例のコンクリー
ト埋設物はインサート1の先端を嵌め込んで型枠に設定
するためのインサート保持具40である。本例のインサ
ート保持具40は両端が開いた略円筒状で、一方の端は
円筒状のインサートを挿入可能な保持側41であり、他
方の端は型枠に設定するための設定側30である。設定
側30と保持側41は、インサート保持具40の内部に
突き出た停止部42によって分離してあり、保持側41
に挿入したインサート1が設定側30に届かないように
してある。さらに、保持側41の内面には等間隔に長手
方向へ延びた4本の凸部43を設けてあり、インサート
1の外径が多少変わっても、インサートの先端を確実に
保持側41に嵌め込めるようになっている。インサート
1の外径は、同じ内径のインサートであってもメーカー
によって異なったり、あるいは、製造誤差の範囲で多少
変動するからである。インサート保持具40は、ポリプ
ロピレンや、強化ポリエチレン、ABSなどの樹脂によ
り一体成形されており、用途によってはガラス繊維など
を入れて強度を高められる。これらの素材は、程度は異
なるとしても弾性のある素材であり、保持側41の内面
に若干突き出た凸部43によりインサートの外径の相違
を吸収できる。さらに、保持側41の外周には等間隔に
長手方向に延びた4本のリブ44を形成してあり、これ
らのリブ44が外側に広がった保持側41の縁45とつ
ながって保持側41の強度を高めている。
【0029】インサート保持具40の設定側30は、保
持側41の外側と連続してインサート保持具40の外側
を構成する円筒状の外筒部35と、インサート保持具4
0の内側に形成された停止部42と連続して成形された
円筒状で外筒部35より小径の内筒部31を備えてお
り、これら内筒部31と外筒部35との間に隙間34を
設けてある。外筒部35は、保持側41と殆ど同じ壁厚
で形成されており、内筒部31は外筒部35と比べ壁厚
は薄くなっている。また、内筒部31の型枠60側を向
いた先端32は、外筒部35の先端36より後退した位
置、すなわち型枠60から離れた位置にある。本例のイ
ンサート保持具40では、内筒部31の内側が取付部3
9となっており、この取付部39を型枠60に取り付け
られたボス50に嵌め込んでインサート保持具40を型
枠60に設定する。そのため、内筒部31の内側には、
先端32の近傍に溝33を設けてある。
【0030】本例のボス50は、インサート1をインサ
ート保持具40を介して型枠に設定するための設定具で
あり、金属製で厚みの薄い円盤状のボス本体51と、そ
の一方の端から延びたボルト55を備えている。ボルト
55はボス本体51より小径であり、型枠60に予め設
けてある小径の穴61を通してナット59でボス本体5
1を型枠60の内面62に固定できる。本例では、ボス
本体51とボルト55を一体として形成してあるが、ボ
ス本体51に穴を開けてそこにボルトを通したり、ボス
本体51に雌ねじを切って型枠へ取り付けてももちろん
良い。ボス本体51より小径のボルト55を用いると、
型枠の設ける穴61は小さくて済むので、ボス本体51
を外しても穴を塞がなくとも良い。また、穴が小さいの
で、これらを開ける際に型枠に歪みが発生したり、型枠
の精度が劣化することもない。従って、インサートの要
否に応じて、様々な位置に簡単にインサートを埋設で
き、顧客の要求に柔軟に対応したコンクリート製品を供
給できる。
【0031】ボス本体51の外周に沿って1筋の突起5
2を設けてあり、この突起52がインサート保持具40
の内筒部31の溝33と噛み合うようになっている。こ
の突起52は、ボス本体51の縁53の近くに設けてあ
り、その位置は、ボス50を型枠60に取り付けた際
に、ボス本体の突起52と型枠の内面62との距離L1
が、インサート保持具40の内筒部の溝33と外筒部の
先端36との距離L2より若干短くなる位置である。ボ
ス側の距離L1をインサート保持具側の距離L2より短
くしておくことにより、ボス50にインサート保持具4
0を設定し、インサート保持具40の溝33がボス50
の突起52と噛み合ったときに、これらの距離の差によ
って外筒部の先端36が型枠の内面62に押しつけられ
る。本例のインサート保持具40では、内筒部の先端3
2は外筒部の先端36より後退した位置にあるので、外
筒部の先端36が内筒部の先端32より先に型枠の内面
62に当たり、これらの距離の差による力は全て外筒部
の先端36にかかる。一方、その反作用で、溝33と突
起52は相互に押しつけられる。
【0032】この結果、型枠の内面62に多少の凹凸が
あっても、外筒部の先端36が内面62に圧迫されるこ
とによって先端36と内面62との間に隙間は発生しな
い。
【0033】このため、コンクリートを型枠に注入して
もコンクリートののろが外筒部35から内部に侵入せ
ず、外筒部31と内筒部35の隙間34にコンクリート
は入らない状態に保たれる。一方、外筒部の先端36が
型枠の表面62に押しつけられると、溝33と突起52
も相互に押しつけられることになり、先端36と表面6
2、および溝33と突起52の両方の間に摩擦力が働
く。これらの摩擦力によって、コンクリートの注入時
や、締め固める時の振動ではインサート保持具40は空
回りせず、これらのときにインサート保持具40が型枠
から脱落することはない。特に、近年、工場にて締め固
めのために用いられるテーブルバイブレータでは、従来
のようなボルトを用いて設定すると、インサートが回転
して抜け落ちることがあるが、本例のインサート保持具
ではその心配はない。このように、コンクリートの注入
からコンクリート製品の完成までの間、インサート保持
具を型枠から引っ張る方向にはあまり大きな力は働か
ず、これらの上部から働く剪断力や、振動による上下左
右に揺れや回転が緩みの原因となると考えられるが、本
例のインサート保持具のように空回りを防止すると、こ
れらの原因による緩みを防げる。なお、これらの距離L
1と距離L2との差は0.2〜0.5mm程度で良い。
【0034】さらに、上記のような距離の差を設けるこ
とにより、ボス本体やインサート保持具の固体差を吸収
できる。すなわち、これらの距離L1およびL2の差に
よって、溝33と突起52の径や高さあるいは深さに多
少の誤差があっても噛み合った溝33と突起52との間
に相互に摩擦力が働くので、ボス50にインサート保持
具40を十分な付着力をもって装着できる。この際、取
付部39、すなわち、内筒部31の内面全体がボス本体
51に密着しなくても良いことはもちろんである。従っ
て、内筒部31やボス本体51の製造誤差をそれほど厳
重に管理しなくとも良いので、これらの製造コストの低
減も図れる。
【0035】このように、ボス本体の突起52とインサ
ート保持具の溝33を噛み合わせてインサート保持具4
0を設定するので、ボス本体51と内筒部31との接触
面積が少なくても確実にインサート保持具40を型枠6
0に設定できる。従って、本例のボス本体51のように
薄く、型枠の内面62から突き出た高さが低いものであ
っても十分強固にインサート保持具を設定できる。ボス
本体51が薄ければ、ボス本体51を取り付けたまま型
枠を旋回させてもコンクリート製品の表面との干渉は少
なく、脱型するときの障害とならない。さらに、インサ
ート保持具40の設定側30が短くなり、インサート保
持具40全体も短くなるので、製造コストの低減も図れ
る。
【0036】また、内筒部31がボス本体51に完全に
密着しなくても十分な付着力が得られるので、ボス本体
の外径に対し内筒部31の内径を若干大きくしても良
い。内径の大きなインサート保持具であれば、装着する
のに大きな力は不要であり、作業は容易に行え、例え
ば、作業員が手で嵌め込むことも可能である。また、ボ
ス本体51に差し込む距離も短くて済むので、狭いスペ
ースでも短時間で作業を行える。このため、ハンマーな
どを振り回すスペースがとれないような箇所にも簡単に
インサート保持具を設定できる。ハンマーを用いてもも
ちろん良いが、その際でも強い力で何度もたたき込む必
要はない。さらに、突起52と溝33が噛み合った感触
や音などに基づきインサート保持具40の嵌まり具合も
判るので、簡単、かつ確実にインサート保持具40を型
枠60に設定できる。
【0037】本例のインサート保持具40は外筒部35
に対し壁厚の薄い内筒部31を採用しているので、さら
に簡単かつ確実に型枠に設定できる。すなわち、インサ
ート保持具40の強度は外筒部35にて確保できるので
内筒部31は薄くして、樹脂の弾力性に活かす構造を採
用できる。さらに、外筒部35と内筒部31との間には
隙間34があるので、内筒部31は変形し易い。外筒部
35は比較的硬度が高く変形し難いので、型枠の内面6
2と当たって所定の設置角を持ってインサートを保持
し、さらに、コンクリートののろの侵入を防止する機能
を果たす。これに対し、内筒部35は比較的柔軟性があ
るので、突起52を持ったボス50に嵌める際にも嵌め
やすく、一端突起52と溝33が噛み合うと外れにく
い。
【0038】図3(a)に、インサート保持具40を型
枠60に設定してコンクリートを注入した状態を示し、
図3(b)に脱型する状態を断面を用いて拡大して示し
てある。ボス50にインサート保持具40を装着する
と、突起52と内筒部31の溝33が噛み合い、インサ
ート保持具40は十分な付着力を持って型枠60に設定
される。この際、インサート保持具40の外筒部の先端
36は型枠の内面62に密着し、外筒部35から内側に
コンクリートが侵入するのを防止する。
【0039】本例のボス本体に設けてある突起52は略
半円形の断面であるが、この突起52のボス本体の縁5
3と反対側をボス本体の外周面に対し略垂直にカット5
4してある。このカットする位置によってインサート保
持具40が型枠に付着している強度に若干の変化がある
ことが確認されており、半円形をした突起52の最も高
い部分より若干型枠の内面62の側でカットすることに
よって高い付着強度が得られる。一方、突起52の縁5
3側はそのまま半円形の断面を保ち、さらに、ボス本体
51の縁53は角を落としてあるので、インサート保持
具40を差込み易い。
【0040】インサート保持具40が型枠60に設定さ
れた状態で、コンクリートが注入され、また、バイブレ
ーターなどによって振動が与えられても上述したように
十分な付着強度が得られているのでインサートが脱落し
たり、傾くことはない。さらに、コンクリートの注入時
や、振動時に、外筒部35に圧力や振動が加わっても、
ボス50と噛み合っている内筒部31には直接その力は
伝達されない。従って、これらの圧力によって外筒部3
5が変形したとしても内筒部31への影響はなく、ボス
50との噛み合いが緩むことはない。
【0041】図3(b)に型枠60を図面上の左側に旋
回させて脱型する様子を示してある。型枠60を旋回さ
せることによって、ボス50の中心軸とインサート保持
具40の中心軸が交差し、角度を持った状態となる。こ
のため、回転半径の小さな箇所にインサート保持具40
を設定すると、ボス本体51の縁53の動きによって、
内筒部31が隙間34の側へ押され変形する。この際、
内筒部31は隙間34の内部でのみ変形し、外筒部31
がボス本体51と干渉しないので、ボス本体51がコン
クリート製品4の表面に当たることはない。また、本例
の内筒部31は樹脂製であり、さらに壁厚が薄いのでボ
ス本体との干渉によって変形し易く、型枠を外す障害と
なったり、インサートの埋設状態に影響を与えることは
ない。従って、型枠の旋回半径の小さな箇所にインサー
ト保持具によってインサートを埋設しても、ボス50を
型枠60に取り付けたままの状態で通常の力で脱型で
き、コンクリートの表面にこば欠けは発生しない。すな
わち、ボスを用いてインサートを埋設したコンクリート
製品であっても、インサートの埋設されていないコンク
リート製品と同様のプロセスで脱型作業を行え、コンク
リート製品の品質は劣化せず、欠けやひびなどのないコ
ンクリート製品を提供できる。
【0042】さらに、本例のような半円形の断面の一部
をカットした突起52を採用すると、脱型した際にイン
サート保持具40の内筒部31の一部が溝33に沿って
筋状38に破断される現象が見られる。このことより、
本例のボスのように突起52の型枠の側に角張った部分
を設けておくと、この部分がインサート保持具40の樹
脂製の取付部と当たり、その部分に切れ込んだ状態とな
っていると考えられる。そして、このような状態、ある
いは、これに近い状態、すなわち、角張った部分が切り
込んでいなくても、角張った部分によって取付部が変形
しているなどの状態は、インサート保持具がボスに強固
に取り付けられた状態なので、型枠にコンクリートを流
し込んだり、バイブレータで振動を与えるなどの要因に
よるインサートの脱落を防止するには好適な状態であ
る。一方、本例のインサート保持具40は、樹脂製であ
り、インサート1と共にコンクリート製品に埋設された
まま使用されるので、インサート保持具40の一部が脱
型時に削り取られることは問題にならない。一部が削り
取られた樹脂製のインサート保持具であっても、インサ
ートの開口部に取り付けることによってインサートの錆
を防止でき、インサート保持具の外筒部によってインサ
ートの開口部の輪郭を明確に形成でき、また、縁欠けの
防止にもなる。
【0043】さらに、コンクリート製品毎に新しいもの
が埋設されるインサート保持具40の側にコンクリート
の詰まりが出やすい隙間34を設けてある。従って、外
筒部の先端36と型枠の内面62との微小な隙間からコ
ンクリートののろが入り込んでも隙間34に蓄積される
ことはない。このため、掃除などに手間をかけることな
く、確実な、また、安定した本発明の効果を期待でき
る。
【0044】さらに、インサート保持具を樹脂によって
成形することにより、適当な弾性を得て、安価に製造で
きるようにしている。その一方、インサート保持具を取
り付けるボスは、ボルト・ナットを用いて耐久性の型枠
に簡単に固定できる構成となっており、素材としてもプ
ラスチックはもちろん、耐久性の型枠と同じ金属も採用
できる。従って、本発明のボスは設定具として耐久性に
富み、一度型枠に取り付けておけば型枠と同様の寿命を
保持でき、面倒な調整などのメンテナンスも不要であ
る。また、複雑な機構は不要なので安価に提供できる。
【0045】このように、本例のインサート保持具とボ
スを用いれば、ハンマーを振るうスペースがないような
狭い場所や作業員1人でも、インサートの設定を楽に行
える。さらに、脱型作業もインサートを埋設していない
コンクリート製品と同様の工程で行える。従って、イン
サートの埋設される箇所が限定されないコンクリート製
品を少ない作業員で効率良く、安価に製造できる。
【0046】なお、本例では、外筒部と内筒部を備え、
さらに内筒部にボスと噛み合う部分を設けたインサート
保持具を例にとって説明してあるが、内筒部の内面がボ
ス本体と密着して設定されるものであっても内筒部の外
側に隙間を設けることにより、脱型するときのボスとコ
ンクリート製品との干渉を抑制できる。また、外筒部を
設けなくとも、ボスと噛み合う部分を備えたコンクリー
ト埋設物であれば、短いボス本体を用いて設定できるの
で、コンクリート製品との干渉は少ない。インサートを
埋設する位置が従来より小さな旋回半径、例えば20c
m程度までであれば、これらのタイプのコンクリート埋
設物を採用することにより簡単な脱型作業で済む。さら
に、本例のような外筒部と噛み合う部分の両方を備えた
インサート保持具であれば、さらに旋回半径の小さな場
所、例えば、台盤の近くなどにインサートを設定して
も、特別な作業なしにこば欠け等の問題なく脱型作業を
行い、品質の良いコンクリート製品を簡単に製造でき
る。
【0047】図4および図5に、本発明のインサート保
持具の異なった例を示してある。本例のインサート保持
具40も全体は略円筒状であり、その一方の端の保持側
41は内面が六角形となって、アンカー125を装着し
た六角の高ナット120をインサートとして保持できる
ようになっている。内部に突き出た停止部42を経てこ
の保持側41と繋がった設定側30は、インサート保持
具40の本体を兼ねた外筒部35と、この外筒部35か
らインサート保持具の内側に突出した4つの突出部80
によって構成されている。
【0048】図5に、本例のインサート保持具40を外
筒部35の先端側36から見た様子を示してある。4つ
の突出部80は、外筒部35の内側に略等間隔で配置さ
れており、この突出部80の先端32と停止部42に向
かって狭まった外筒部35の内面によって、後述するボ
ス本体の突起と合致した形状の凹み33が形成されてい
る。そして、これらの突出部80は外筒部の先端36よ
り後退した位置となるように形成されており、これらに
よって取付部39が構成される。
【0049】本例のボス50は上記の例と同様に薄い円
盤状のボス本体51を備え、このボス本体51に突起5
2を設けてある。本例の突起52は縁53から型枠60
の側に徐々に広がった円錐台状であり、ボス本体51の
厚み方向のほぼ中央でボス本体の外周に向かって略垂直
54に細くなっている。このボス50を型枠60に取り
付けると、この突起52と型枠の内面62との間に溝5
6が形成され、この溝56とインサート保持具の突出部
80が噛み合う。ボス本体に設けたこのような突起の類
型として、垂直な面54が逆勾配であり、突起52から
縁53に向かって傾いた面を備えた、いわゆる峰矢型の
ものがある。
【0050】本例のボス50にインサート保持具40を
取り付けると、外筒部35から内側に出た突出部80が
取付部となってボス50を四方から挟み込み、ボスの突
起52と型枠内面との間の溝56に突出部80が噛み合
ってインサート保持具40を型枠60に設定する。この
インサート保持具40においても、溝56と型枠の表面
62の距離は、突出部80と外筒部の先端36の距離よ
り短くなっているので、先端36は型枠の表面62を押
圧し、この部分からコンクリートが中に入ってくること
はない。これにより、外筒部の内側にはコンクリートの
侵入しない空間を保持でき、その空間に突出部80が突
き出ている状態となる。
【0051】本例の突出部80はその厚み、形状が、弾
性を持つようにデザインされ、さらにインサート保持具
が上記の例と同様に樹脂によって構成されているので、
ボスに嵌めやすく、抜け難くなっている。一方、脱型す
る際は、外筒部35によって突出部80の周囲には変形
可能な空間が設けられているので、突出部80はコンク
リートと干渉せずに変形し、ボス50はコンクリート製
品の表面と干渉することなく外れる。このため、上記の
例と同様に、旋回半径の小さな所にインサートを設定し
てもコンクリート製品を損傷することなく簡単に脱型で
きる。また、ボス50は先端に向かって細くなっている
ので、旋回した際の干渉も小さい。
【0052】なお、本例においては、4本の突出部80
を用いてボスを挟み込むようにしているが、突起の数は
4本に限らない。また、外筒35の内側には突出部の変
形できる空間があれば良いので、コンクリートの流れ込
みをさらに防止するために、外筒35の中にスポンジな
どを詰めておいても良い。
【0053】〔実施例2〕図6に本発明の実施例2のコ
ンクリート埋設物を示してある。本例のコンクリート埋
設物は、図7に示すようにコンクリート製品内に埋設さ
れる樹脂製のインサート20である。本例のインサート
20は、略円筒状で中空となった内側に雌ねじ部21の
形成された本体22を備え、この本体22の一方の端は
本体の外側まで広がった底壁23によって閉じられてい
る。さらに、底壁23の側には本体22から底壁23に
かけて補強し、コンクリート製品内におけるインサート
20の空回りを防止する複数のリブ24が設けられてい
る。インサート本体22の他方の端は、インサート20
を型枠60に設定するための設定側30である。本例の
設定側30には実施例1と同様に、本体22と繋がった
ほぼ円筒状の外筒部35と、この外筒部35の内側に延
びたほぼ円筒状の内筒部31を備えている。本例の内筒
部31には、内筒部の内側には周方向に沿って延びた1
筋の突起38を設けてあり、内筒部の内側が取付部39
となる。なお、以下に述べる各実施例において共通する
部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】本例のボス50は、厚みの薄いディスク状
で金属製のボス本体51を備え、ボス本体51は縁53
から型枠60に向かって全体が狭まった逆円錐台状であ
る。
【0055】そして、面積の狭い側に小径のボルト55
が付いており、型枠60に設けた穴61を通してナット
59で取付できるようになっている。本例では、ナット
59と型枠60の裏面63との間にスプリングワッシャ
ー58を挿入し、このスプリングワッシャー58が弾性
を持って変形できる状態までナット59を締め込んであ
る。
【0056】図8(a)に、本例のインサート20を型
枠に設置した状態を示し、図8(b)に脱型する状態を
示してある。ボス50にインサート20を設定すると、
ボス本体51の広がった縁53と内筒部31の突起38
が噛み合い、インサート20は十分な付着力を持って型
枠60に設定される。この際、インサート20の外筒部
の先端36は型枠の内面62に密着し、外筒部35を通
ってコンクリートが侵入するのを防止している。本例の
インサート20の設定側の構成は上記の実施例とほぼ同
じであり、先に述べたインサート保持具と同様に作業員
1人でも簡単、確実にインサート20を型枠60に装着
できる。また、インサート20は十分な付着強度を持っ
て設定されるので、上記の例と同様にボス本体との噛み
合いが緩みインサートが脱落したり、傾くことはない。
【0057】図8(b)に示したように、型枠60を図
面上の左側に旋回させて脱型するとボス50の中心軸と
インサート20の中心軸が交差し、ボス本体51の縁5
3が内筒部31を押し上げると、内筒部31が外筒部3
5との隙間34に変形する。
【0058】このため、ボス本体51とコンクリート製
品4とが直接当たることはない。従って、上記の例と同
様に型枠の旋回半径の小さな箇所にインサート20を設
定しても、ボス50を取り外すことなくスムーズな脱型
作業を行え、こば欠けのないコンクリート製品を製造で
きる。
【0059】さらに、本例のようにボス50をスプリン
グワッシャー58を介して型枠60に取り付け、このス
プリングワッシャー58が弾性を持った状態にしておく
と、型枠60を旋回させたときに、ボス50が揺れる。
このため、ボス本体50の中心軸とインサート20の中
心軸との傾きは小さくなり、こば欠けなどの脱型時の障
害がいっそう発生しにくい構成となっている。本例のよ
うに内筒部31の外側に隙間34を設けてあるタイプの
インサート20であれば、本例のような薄いボス本体を
有する設定具と併用することによって、スプリングワッ
シャー58を挿入しなくとも旋回半径の小さな領域にイ
ンサートを設定できる。しかし、設定部の外側に隙間の
ないインサートや、隙間を設けてあってもボス本体が長
い場合は、本図のようにスプリングワッシャーを利用す
ることが望ましい。これによって、さらに旋回半径の小
さな領域にまでインサートを設定し、簡単に障害なく脱
型できる範囲を広げられる。スプリングワッシャーは、
本例のように型枠の裏面側63に挿入する代わりに、型
枠の表面側62に挿入しても良い。ボス本体51自身を
貫通するボルトによって型枠に取り付ける場合は、縁5
3の側に挿入しても良い。これらの位置を併用して複数
のスプリングワッシャーを挿入してももちろん良い。
【0060】本例のインサートおよび設定具であれば、
スプリングワッシャーの有無にかかわらず、台盤の近く
などの型枠の旋回半径の小さな場所にインサートを設定
しても、インサートを埋設していないコンクリート製品
と同様の作業でコンクリート表面のこば欠け等の問題な
く脱型作業を行い、品質の良いコンクリート製品を簡単
に製造できる。
【0061】なお、本例も含め上記の例において、イン
サートなどのコンクリート埋設物とボス本体とが噛み合
う場所に1筋の突起や溝を設けてあるが、これらの突起
や溝は1筋に限らず、複数であってももちろん良い。
【0062】図9および図10に、本実施例の異なった
例を示してある。本例のインサート20は上記の例と略
同じ構成のインサートであり、設定側30に設けられた
内筒31には、その周方向に沿って延びた1筋の凹み3
3を設けてある。一方、ボス50は、実施例1に示した
ボスとほぼ同じ構成であり、外周面51に沿って1筋の
突起52を設けてある。そして、その突起52の一部を
カットしてある。このカットした部分53を図示するた
めに、その部分を図面上の横に向けてボス50を型枠6
0に取り付けてある。しかし、型枠60が図面の上下方
向に旋回するのであれば、カットした部分53を図面の
上下方向に設置した方が良い。これによって脱型時のボ
スの突起52の押し上げによる内筒31の変形量が少な
くなるので、インサートは外れ易くなる。従って、本例
とは異なり、外筒35を設けていないインサートなどに
は特に有効である。本例のインサートには外筒35と、
隙間34を設けてあるので、内筒31はボス50の軌跡
に従って柔軟に変形でき、また内筒31が変形してもこ
ば欠けなどの原因にはならないことは上記の実施例と同
様である。
【0063】このようなインサート20においても、実
施例1で説明したように、突起52と型枠の表面62と
の距離L1に対し、内筒31に設けてある凹み33と外
筒の先端36との距離L2を若干長くすることが有効で
ある。これにより、コンクリートののろの侵入を防止
し、また、インサート20の付着力の強化を図れるな
ど、上述したような様々なメリットを得られる。凹み3
3に限らず、インサート側に突起などが設けられている
場合も同様であり、ボスとインサートとに噛み合う部分
がある場合、これらが噛み合ったときにインサートの先
端が型枠に押しつけられるようにインサート側の寸法、
あるいは寸法精度を設計することが望ましい。
【0064】図10に示したように、インサート20は
ボス50に押し込んだり、ハンマーで軽く叩く程度で簡
単に型枠に装着できる。インサートとボスが噛み合うよ
うな形状は様々であり、例えば、ボス側に凹みを設け、
インサート側に突起を設けても良く、また、ボス側とイ
ンサート側の両方に突起を設けてかみ合わせても勿論良
い。また、凹みと凹みでもその端部の組み合わせにより
ボスとインサートが十分強固に固定できれば良い。ま
た、突起や凹みの形状も様々であり、1筋でも複数筋で
あっても良く、また、幾つかに分断されていても良い。
さらに、列になっていなくともボスや取付部に分布して
いても良い。あるいはインサートの内面や、ボスの外周
面に細かな凹凸を設けておいても良い。
【0065】図11および図12に、この実施例に係る
インサートの異なった例を示してある。本例のインサー
ト20はインサート本体22と外筒部35とを別々のパ
ーツとして製造し、型枠60に設定する際にこれらが組
み立てられるようにしてある。このため、外筒部35
は、その先端36と反対側の端に、内側を向いて延びた
上壁37を備えており、この上壁37の中心にインサー
ト20の外径と略等しい穴を開けてある。さらに、イン
サート本体22の設定側30の外周面には、外側に延び
た突起あるいはフランジ状のストッパー25を用意して
ある。このストッパー25は、インサート本体22の外
周面の全体にわたって形成しても良く、一定の間隔でイ
ンサート本体22の外周面に沿って形成しても良い。
【0066】本例のインサート20では、インサート本
体22が設定側30に延びて内筒部31が形成されてお
り、この内筒部31の内側に一筋の溝33が形成され、
取付部39となっている。内筒部31を備えたインサー
ト本体22と外筒部35は、これらが組み合った状態に
おいて、それぞれの先端の位置や先端と溝の位置などの
関係が上記の実施例と同様になる。従って、本例のイン
サート20も、作業員1人で簡単、確実に設定でき、型
枠に設定すると外筒部35の先端36が型枠60に密着
する。
【0067】本例のボス本体51の突起52は、ボス5
0の先端の縁53から徐々に外側に広がった山形であ
り、さらに、ボス本体の外周に沿って複数に分離してあ
る。このようなボスの突起52の形状に対応して、イン
サート20の内筒部31に設けた溝33の形状も山形に
してある。なお、突起52をカットした部分57は上記
の例と同様の理由で横に向けて図示してある。
【0068】このようなインサート20をボス50に設
定すると、内筒部31の溝33がボス50の突起52と
噛み合い、インサート本体22を型枠60に設定でき
る。そして、インサート本体22のストッパー25が外
筒部35の上壁37を押し、外筒部35の先端36は型
枠の表面62に押しつけられる。従って、上記の例を同
様に外筒部35と内筒部31との間に隙間34を形成で
き、この隙間34にはコンクリートが侵入しない。そこ
で、本例のインサートも、上記の実施例と同様に型枠6
0を旋回して脱型しても、インサート20は脱型の障害
にならず、こば欠けなどのトラブルも発生しない。ま
た、本例のボス50は先端に向かって細くなっているの
で、インサートを挿入し易い。一方、ボス50が旋回し
た際に内筒部31の先端32との干渉は少ないので抜け
やすい。従ってこば欠けなどのトラブルも防止しやす
く、旋回半径の小さな箇所にインサートを設定する際に
好適である。
【0069】〔実施例3〕図13および図14に、本発
明の実施例3として、インサート1を設定するためのプ
ラグ90を示してある。プラグ90はプラスチックなど
の樹脂によって成形されており、コンクリート製品に埋
設されるインサート1の開口2から挿入し、中空の内部
に用意された雌ねじ2aを用いて開口2に取り付けられ
るようになっている。このため、プラグ90の略中央か
ら一方の端に向かった表面には雄ねじ91を設けてあ
る。この雄ねじ91の部分は、インサート1の側に開い
た中空98となっている。なお、雄ねじ91に代わりに
凹凸などを設けてもインサート1に装着できる。
【0070】プラグ90の他方の端は設定側30であ
り、中空部98と仕切り壁92によって区切られた円筒
状の空間95が形成されている。仕切り壁92にはドラ
イバーなどの治具を嵌め込める溝93を設けてあり、後
述するようにインサートを使用する際にプラグ90を簡
単に取り除ける。円筒状の空間95の中に、仕切り壁9
2から円筒状の内筒部31が型枠60の方向に向かって
突き出ており、この内筒部31の外側に隙間34が確保
される。すなわち、プラグ90の設定側30が外筒部3
5となり、その中に内筒部31が形成されている状態と
なる。内筒部31の内面には溝33が形成されており、
この内面が取付部39となる。本例の溝33は複数に分
断されており、それぞれの溝は内筒部31の内面から若
干突き出るように形成されている。また、外筒部35と
なるプラグ90の外周面94は、型枠60からインサー
ト1に向かって円錐台状に狭くなっており、プラグ90
をインサート1から抜き出すときにコンクリート製品と
干渉しないようになっている。
【0071】本例のように設定側とインサート側とが中
空となったプラグは、インサートの内径とボス本体の径
の各々に合わせた設計が可能であり、プラグの壁厚も成
形時の歪みなどを考慮した適当な厚みに設計できる。ま
た、ボス本体の高さが低いので、仕切り壁92を比較的
コンクリート製品の表面に近い場所に形成でき、ドライ
バー用の溝93も使い易い。
【0072】本例のボス50は、薄いディスク状のボス
本体51を備えており、このボス本体の外周に沿って一
筋の突起52を形成してある。従って、型枠60にボス
50をナット59で取り付け、このボス50にプラグ9
0を嵌め込むと、ボス本体の突起52とプラグ90の溝
33が噛み合って上記の実施例と同様にインサート1を
設定するのに十分な付着力が得られる。この際、内筒部
31の先端32、外筒部35の先端36、さらに、溝3
3等の関係は上記の実施例と同様に設定されているの
で、外筒部の先端36が型枠の裏面62に密着し、隙間
34が確保される。そして、脱型する際は、プラグ90
の内筒部31が隙間34の内部で変形するので、ボス5
0とコンクリート製品との干渉はなく、ボス50を取り
外さなくともスムーズに脱型できる。
【0073】図14に、コンクリート製品に埋設された
インサート1を使用するためにプラグ90を取り除く様
子を示してある。上記のようにプラグ90を用いてイン
サート1を型枠に設定し脱型すると埋設されたインサー
ト1にプラグ90が付いた状態でコンクリート製品が製
造される。このままプラグ90が付いた状態でコンクリ
ート製品を保管し、現場へ輸送すれば、インサート1の
内部への雨水やゴミの侵入を防止できる。プラグ90を
取り除くときは、プラグ90の仕切り壁92に用意して
ある溝93に設定側30からドライバー96などの取り
外し用の治具を差し込める。
【0074】図15ないし図17に、本実施例の異なっ
た例を示してある。本例もコンクリート製品に埋設され
るインサート1の開口2から内部に挿入する筒状のプラ
グ90であって、その外面には雄ねじ91を形成してあ
る。この雄ねじは、凹凸などのインサート1を確実に保
持できるものであっても良い。本例のプラグ90は中空
を仕切る替わりにインサート1に挿入される一方の端を
側壁92によって塞いである。そして、この側壁92の
略中央にドライバー99の先端が嵌まる溝93を形成し
てある。この側壁92の反対側の端はボス50への設定
側30であって、プラグ90を構成する壁面が外筒35
となり、この外筒35から突出部80が内部に伸びてい
る。この突出部80の内壁81が取付部39となり、こ
の内壁81にはボス50の先端53と噛み合う凹み33
が用意されている。本例のプラグ90も外筒35の先端
36はフランジ状に広がっており、その周囲94はコン
クリートから抜き出し易いようにテーパー状になってい
る。
【0075】本例のボス本体51は金属製で、これを貫
通するボルト55によって型枠60に取り付けられてい
る。ボス本体51の形状は、型枠60の側から先端の縁
53に向かって広がった逆円錐台状であり、縁53がプ
ラグ90の内面に設けてある溝33と噛み合ってインサ
ートを型枠60に設定できるようになっている。ボルト
55は2つのスプリングワッシャー58を介して取り付
けられており、1つはボス本体51の先端の縁53側、
また、他の1つは実施例2と同様に型枠の裏面63に挿
入してある。これらのスプリングワッシャー58の外側
からナット59によってボス本体51は取り付けられて
おり、この際、複数のスプリングワッシャー58はそれ
ぞれ弾性がある状態でナット59により取り付けられて
いる。また、型枠60に用意してある穴61の径は、ボ
ルト55の径に対して若干大きくしてあり、脱型時にボ
ルト55の傾きが変わるようになっている。もちろん、
穴61は、プラグ90あるいはインサートの内径に比較
すると小さく、上記の例と同様にボス50を取り外して
もコンクリートが漏れださない程度、あるいはテープな
どによって簡単に塞げる程度の径の穴である。
【0076】本発明のボスのように高さを低くすること
によって、旋回半径の小さな箇所にもプラグ90を設定
できる。さらに、上記のようなボスが変位できるタイプ
とすれば、ボスとコンクリート製品との干渉をいっそう
抑制できるので、特に、外筒を備えていないようなプラ
グには好適である。
【0077】〔実施例4〕図18ないし図20に、本発
明のインサート保持具、および取付用ボスを用いてコン
クリート製品を製造する様子を示してある。
【0078】図18(a)に断面を用いて示してある埋
設物110は、インサート保持具であって型枠に面して
取付られる設定側30は円筒状に成形されている。一
方、インサートを保持する側115は、図18(b)に
保持部側から見た状態を示してあるように、断面が六角
形の筒状に成形されている。本例のインサート保持具1
10の設定側30は1重の筒体で成形されており、その
肉厚は先端36に向かって若干薄くなっている。また、
設定側30の内径は、保持部115の内寸法より若干小
さくしてあるので、設定側30と保持部115との境界
に段差111が設けられており、この段差111によっ
て挿入されたインサートが止まるようになっている。保
持部115の側には、外側に広がったフランジ部113
を設けてあり、保持部115の外周面からフランジ部1
13に向けて複数のリブ112を設けてある。フランジ
部113およびリブ112は、保持部115の強度を確
保すると共に、コンクリートに埋設された際に回転や引
っ張りなどによってインサート保持具110がコンクリ
ートから剥離しないようにしている。
【0079】図19に、本例のインサート保持具110
を用いてインサート120を設定する様子を示してあ
る。本例のインサート保持具110は六角形の保持部1
15を備えているので、市販されている6角の高ナット
をインサートとして使用することができる。このような
高ナット120をインサートとして用いれば、コンクリ
ートの壁面に向いた開口部と反対側にアンカー125を
設定することが可能であり、市販されている金物を組み
合わせることによって安価に付着強度の高い埋設インサ
ートを埋め込める。
【0080】本例のインサート保持具110を設定でき
るように型枠60に固定されているボス(取付治具)5
0は、略円盤状であり、型枠60から突出した高さの低
い円筒形である。本例の取付治具50では、型枠側11
8の外径寸法より、先端119の外径寸法が若干大きく
成形されている。例えば、突出した高さL4が約5mm
程度のボス50においては、型枠側118の外径が略1
1mm、先端119の外径が略12mmに成形されてお
り、型枠側118から先端119に向かって幅L3(本
例では略1mm程度)だけ広がった形状になっている。
このようなボス50に取付部30の内径が略11mm程
度のインサート保持具110を差し込むと、本例のイン
サート保持具110は、ポリプロピレンなどの樹脂によ
って成形してあるので、取付部39となる設定側30の
内面は、ボス50の形状に従って変形する。特に本例の
インサート保持具110では、設定側30の肉厚を薄く
してあるので、作業員は作業スペースを確保できない狭
い場所であっても手で押し込みことができ、簡単に保持
具をボスに設定することができるようになっている。こ
の点からは、設定側30に変形し易い、強化繊維を含ま
ない、あるいは強化繊維の少ない弾性に富んだ素材を用
いることが好ましい。
【0081】図20に示してあるように、本例のインサ
ート保持具110がボス50に取り付けられると、イン
サート保持具110の設定側30の内面が若干である
が、ボス50の形状に従って凹み、その部分でインサー
ト保持具110とボス50が噛み合った状態となる。従
って、コンクリートを打設する際の衝撃や、バイブレー
タによって振動が与えられてもインサート保持具やイン
サートが型枠から外れることはない。そして、上記のよ
うな寸法のインサート保持具に対し、ボスの広がりは1
mm程度でも十分であり、この程度であれば、インサー
ト保持具をボスへ装着するのも極めて容易である。
【0082】このように、本例のインサート保持具は六
角ナットをインサートとして使用することができると共
に、本例のような薄く、若干先端に向かって広がったボ
スを用いてインサートを確実に固定できるようになって
いる。本例のような高さの低いボスであれば、型枠を旋
回して脱型する際にも支障にならないので、旋回半径の
小さな場所にもインサートを設定できる。
【0083】〔実施例5〕図21ないし図24に、本発
明の実施例5に係るインサート保持具、取付用ボス、お
よびこれらを用いてコンクリート製品を製造する様子を
示してある。
【0084】図21に断面を用いて示してある本例のイ
ンサート保持具40は、取付側30には筒体41の内周
面43と連続した内筒31が形成されており、この内筒
31の外側に隙間34を開けるために外筒35を設けて
ある。この内筒31の先端32は外筒35の先端36よ
り後退した位置にある。また、本例の内筒31の先端3
2の内側には若干内側に出た平面85を用意してあり、
後述するボスの雄ねじによってこの平面の部分に雌ねじ
を切れるようにしてある。本例のインサート保持具40
も、ポリプロピレンや、強化ポリエチレンなどの樹脂に
より一体成形されており、用途によってはガラス繊維な
どを入れて強度を高めることも可能である。
【0085】図22に本例のボスの側面を示してある。
本例のボス50は、金属製の幅の狭いディスク状であ
り、ボスの外周面51には雄ねじ78が切ってある。さ
らに、図22に示すようにこのボス50の本体の図面状
の上下の部分はカットしてあり、ボス50本体の上下に
略平行した平らな面79a、bを形成してある。さら
に、この面79a、bが型枠60の旋回する半径方向、
本例であれば図面の上下方向と略垂直となるようにボス
50を型枠60に取り付けてある。ボス50本体、特に
本体の上部をカットしておくと、上述したような脱型の
際にインサート保持具40との干渉を避けることができ
る。
【0086】図23に、ボス50へインサート保持具4
0を介してインサート1を設定し、コンクリートを流し
込んだ状態を示してある。ボス50の雄ねじ78に、イ
ンサート保持具40を回し込むと、取付部39に用意し
てある平面の部分85が雌ねじ状に切られ、この部分と
雄ねじ78が密着して強固にインサート保持具を型枠に
取付できる。従って、ボス50に用意するネジ山の数
は、ねじ径やインサートの径によって変わるが例えば2
〜4山あれば良く、数回インサート保持具40を回せば
インサートを型枠に設定でき、また、ボス50の高さも
低くてよい。
【0087】さらに、本例のボス50は上下の面をカッ
トしてある。そして、設定側30の内側の平面85には
その場で雌ねじを切るようにしてある。従って、カット
下部分にある平面85では、いったんボス50によって
ねじ切りされた部分も基の状態に復帰するので、インサ
ート保持具に振動などが加わっても回転しにくい構成と
なっている。
【0088】本例のインサート保持具40では、ボス5
0にねじ込むようにしてあるので、内筒31の側にそれ
ほどの柔軟性は要求されない。このため、上記の実施例
と比較し若干厚めに成形できる。一方、外筒35は、上
記の実施例と比較し若干薄肉の素材によって成形してあ
り、外筒35の先端36は、内筒31をボス50に設定
すると型枠の表面62に沿って外側に広がり型枠の表面
62に押しつけられ、シールの役目を果たすようになっ
ている。本例のボス50は上下がカットされているの
で、内筒31の内周全体と接触しないが、インサート保
持具40およびインサート1内部へのコンクリートの漏
れ込みは外筒35のシール機能によって防止できる。
【0089】図24に示すように、脱型する際にボス5
0は旋回する型枠に従って弧を描くが、本例のボス50
は上下を面79a、bでカットしてあるので、ボス50
の角がインサート保持具40の内筒31の上面に当たら
ずスムーズに外れる。また、ボス50の雄ねじ78と噛
み合っている取付部の平面85は樹脂製なので、脱型す
るときのような強い引っ張り力が働くと、設定時に切り
込まれた雌ねじ状の部分が変形したり、あるいは破壊さ
れる。また、設定具と噛み合う部分はインサート保持具
の先端、すなわち型枠側なので設定具とは先端で繋がっ
ており、設定具の先端が旋回するとすぐに外れる。従っ
て、インサート保持具40に切られた雌ねじ状の部分8
5が脱型時の障害になることはない。インサート保持具
40はコンクリート製品に埋め込まれたまま使用され、
再度ボスに取り付けることはないので、雌ねじ状の部分
85が変形あるいは壊れても問題はない。
【0090】このように、本例のインサート保持具40
およびボス50を用いるとインサートを簡単に型枠に設
置でき、脱型もインサートを埋設していないコンクリー
ト製品と同様に効率良く行える。ボス50自体は、実施
例1と同様に型枠60にボルトナットを用いて固定して
あるだけなので、複雑な機構ななく、素材も耐久性に富
んだ金属を採用できる。従って、本例のインサート保持
具40およびボス50を用いても、実施例1と同様に簡
単にインサートの設定およびコンクリート製品の脱型が
でき、旋回半径の小さな箇所にインサート保持具を取り
付けてもこば欠けなどの問題は発生しない。
【0091】また、ボス50に用意するねじ山の数は少
なくて済むので、ボス50は短くても十分な強度でイン
サート保持具を設定できる。ボス50が十分に低けれ
ば、ボス50の上下をカットしなくとも、ボス50はイ
ンサート保持具からすぐに外れるのでコンクリート製品
への影響は殆どない。また、上記のように上下をカット
したボスを用いると、いっそう旋回半径の小さな場所、
例えば、台盤の近くにも埋設物を設定できる。
【0092】〔実施例6〕図25および図26に、本発
明の実施例6の長さ調節のできるスリーブ100を埋設
する様子をしめしてある。本例のスリーブ100は筒状
の本体101と、この本体101の内面102と接触し
ながら伸び縮みできる筒状のスライド部103とを備え
ており、スライド部103の先端104はフランジ状に
広がって他の型枠69に当てることができる。また、本
体101の内部には、スライド部103が設定側30に
突出しないようにストッパー105を設けてある。
【0093】本例に示したボス50の構成や、設定側3
0の構成は上述した例と同様なので説明を省略する。本
例のスリーブ100では、スリーブ内部へのコンクリー
トの漏れ込みを防止するために設定側30にもフランジ
部106を設けてある。さらに、フランジ部106の外
周部107に型枠の表面62に柔軟に接触するパッド1
08を設けてあり、ボス50にインサート保持具40を
設定すれば、パッド108が型枠の表面62に密着し、
コンクリートの漏れ込みを防止できるようになってい
る。
【0094】図26にこのようなスリーブを埋設したコ
ンクリート製品の断面を示してある。本例のスリーブは
型枠に簡単に設置でき、所定の位置にコンクリート製品
を貫通する孔を簡単に用意できる。そして、上述したよ
うにスリーブを型枠に設定しても脱型の障害にもならな
い。従来は、コンクリートから引き出し易いように円錐
状に加工されたロッドを型枠にねじ止めし、コンクリー
トが完全に固まりきらないうちにロッドを引き抜いて貫
通する孔を形成することが多いが、本例のようなスリー
ブを用いれば大幅に工数を削減できる。また、スライド
部によってスリーブの長さを簡単に調整できるので、壁
厚の異なるコンクリート製品に対しても用意しておくス
リーブの種類は少なくて良い。さらに、上記のように簡
単に埋設できるので費用も安い。
【0095】なお、設定側の構造は本例に限らず、上述
した例、また、以下で説明するような例と同様のものを
採用してももちろん良い。
【0096】〔実施例7〕図27および図28に、本発
明の実施例7のインサート、およびボスを示してある。
本例のインサート20は、雌ねじ21の形成された中空
部を備えたインサート本体22を有し、設定側30の外
側にスポンジ70を帯状に巻いて外装としている。本例
では、設定側30の内面72が取付部39であり、樹脂
製の略平らな面に仕上げてある。この取付部39の先端
32より前方にスポンジ70の先端36は位置し、イン
サート20を型枠60に設定すると、スポンジ70が型
枠の内面62に押しつけられコンクリートののろがイン
サート20の内部に侵入しないようになっている。ま
た、スポンジ70中にもコンクリートは侵入しない。従
って、型枠を取り外すときは、インサートの先端32が
このスポンジ70を圧縮するように変形でき、ボスとコ
ンクリート製品との干渉が防止される。スポンジ70の
代わりに、ゴム、軟質塩ビ、厚紙などの弾性体や段ボー
ルなどを巻きつけてコンクリートが侵入しないインサー
トの先端が変形可能な領域を形成しても良い。
【0097】本例のボス50の外周面51には、雄ねじ
78を設けてある。さらに、図28に拡大して示すよう
に、本例のボス50の雄ねじ78は、その一部をカット
してあり、ねじ山は連続しておらず、途切れた部分77
を設けてある。途切れた部分77からねじ山の始まる部
分75は、鋭角に切れており、平らな面となった取付部
30の内壁72を、このボスにねじ込めば雌ねじが自然
に切れるようになっている。一方、途切れた部分77に
よってねじ山の終わる部分76は、略直角に切ってあ
る。鋭角な部分75で内壁72に形成された雌ねじは、
ねじ山の途切れた部分77に来ると形状が復帰して自然
に狭まるので、インサート20が逆回転しようとする
と、ねじ山の直角に切った部分75が内壁72に当たっ
て動きが阻止される。このため、インサートに振動が伝
わっても回転、特にインサートの外れる方向である逆回
りを防止できる。逆回りを阻止できれば、ボス50に数
山程度しか雄ねじを形成しなくとも十分確実にインサー
トを設定できる。なお、インサート20の内周面72
に、1〜2山の雌ねじを形成しており、ボス50に取付
け易くすることも可能である。後の数山の雌ねじはボス
50の雄ねじに回し込むことにより自然に形成できる。
また、ボス50の雄ねじ78も、先端側に数山だけ形成
しておき、型枠60側は雄ねじ78を形成せず、インサ
ートが逆回りしても、インサートの雌ねじがスムーズに
は、ボス50の雄ねじ78に導かれないようにして逆回
転を防止することも可能である。
【0098】脱型する際は、樹脂製の内壁72に成形さ
れたねじは引き抜く力によって変形したり壊れたりする
ので邪魔にはならない。また、設定側30の外側にはス
ポンジ70によって設定側30が変形できる領域を確保
してあるので、ボス50の角がインサートと干渉して
も、インサートの先端32は容易に変形でき、こば欠け
も起こさずにスムーズな脱形が可能である。
【0099】また、外筒35を構成するスポンジが厚け
れば、コンクリートののろがインサート内部に流れ込み
難くので、スポンジがインサートの先端32からそれほ
ど突き出ていなくても良い。
【0100】〔実施例8〕図29ないし図31に、本発
明の実施例に係るインサートを用いてコンクリート製品
を製造する様子を示してある。
【0101】図29に本例のインサートの側面を示し、
内部の構造を破線を用いて示してある。本例のインサー
ト保持具20は、略筒型で、一方の端23は閉じて鍔を
設けてある。また、他方の端は開いており、この端が設
定側30である。設定側には、型枠60側に突き出た内
筒31を設けてあり、この内筒31の外側に隙間34を
設けるための外筒35を設けてある。本例のインサート
では外筒35の先端36が、内筒31の先端32から後
退した位置にある。内筒31は、インサート20の内周
面24から連続して伸びており、内筒31の外側も略平
面状にしあげてある。本例のインサート20は内筒や外
筒も含めABSや、ポリエチレンなどの樹脂により一体
成形されており、用途によってはガラス繊維などを入れ
て強度を高めてある。
【0102】図29に本例の型枠60の断面を示してあ
る。本例の型枠60は、インサート20を設定する場所
に予め内筒31の外径と略同じ内径の穴65を設けてあ
り、その内周面に雌ねじ66を切ってある。
【0103】図30に、型枠に設けた穴65へ、インサ
ート20を設定した状態を示してある。上述したよう
に、コンクリートを注入する際にかかる力や、締め固め
時の振動による力に対抗できるようにインサートを型枠
に保持するには、ねじ山が数個あれば良い。この程度の
ねじ山は、3.2〜4.5mmの鉄板を用いた型枠であ
っても形成でき、肉厚が不足する場合は鉄板を足しても
もちろん良い。本例のインサートの内筒31をねじ穴6
5に回し込むと、内筒31の樹脂製の外面にねじが切ら
れ、この切られた部分と穴に用意してあるねじが噛み合
って確実にインサートが型枠に設定される。この際、外
筒35の開口端36は型枠の表面62に押しつけられ、
コンクリートの侵入を阻止するシールの役目を果たす。
【0104】図31に示すように脱型する際は、型枠6
0が旋回すると穴61も弧を描くが、穴61に嵌め込ま
れている内筒31の部分は、ねじ山の数が少なくて良い
ので短い。従って、型枠をコンクリート製品4から引き
離される際に働く力により、樹脂製の内筒31に形成し
てある雄ねじ88は簡単に壊れ、内筒31が短いので穴
61との干渉も殆どなく型枠60を取り外せる。内筒3
1の周囲には外筒35により覆われた隙間34があるの
で、内筒31は穴61の動きに伴ってコンクリートに邪
魔されずに変形でき、旋回半径が小さい箇所でもこば欠
けを起こさずにスムーズな脱型を行える。なお、インサ
ートはコンクリート製品4に埋設されてしまうので、再
度型枠に設定されることはなく、インサート側の雄ねじ
88が壊れても全く問題とならない。
【0105】また、外筒の先端36により穴61はコン
クリートからシールされているので、内筒31と穴61
との接合部にコンクリートが流れ込み固定されてしまう
ような事態も防止できている。
【0106】このように、本例のインサート20を型枠
60に取り付ける方法でもインサートを簡単に型枠に設
置でき、脱型もインサートを埋設していないコンクリー
ト製品と同様に効率良く行える。耐久性の型枠60に雌
ねじを設けるだけで良いので、耐久性は低下せず、複雑
な機構も不要である。
【0107】なお、この方法により製造したコンクリー
ト製品では、インサートの周囲のコンクリートの表面か
ら内筒が多少突出しているが、その長さは短く、通常に
インサートを用いるには全く問題とならない。コンクリ
ートの表面から突出している部分を切ったり、削ったり
することも容易である。
【0108】なお、上記の実施例において本発明に係る
ボスやコンクリート埋設物の種々の例を示してあるが、
これらの組み合わせは自由であり、上記の実施例の組み
合わせに限定されるものではない。また、上記の実施例
で説明したボス、埋設物などの構成は、脱型時に型枠を
旋回して取り外すこと場合に好適であるが、型枠をコン
クリート表面と平行に取り外す場合であっても使用でき
ることはもちろんである。このような脱型を行う場合で
あっても、インサートを型枠に容易に設定でき、インサ
ートを設定していないコンクリート製品と同様の工程で
脱型できる。そして、ボスを交換したり、調整する手間
暇のかかる作業は不要である。
【0109】
【発明の効果】以上の実施例を用いて詳細に説明したよ
うに、本発明に係るコンクリート埋設物および設定具を
用いれば、脱型するときの型枠の旋回半径が小さな箇所
にもインサートなどのコンクリート埋設物を設定でき、
こば欠けなどのないコンクリート製品を安価に提供でき
る。
【0110】本発明のコンクリート埋設物を設定すると
きはハンマーを振り回すような広いスペースは必要とせ
ず、型枠の台盤に近い箇所にも埋設物を設定できるの
で、今後需要が増大していく工場プレハブ品に対し、埋
め込み場所を限定する必要はない。また、設定位置の変
更も容易なので、設計変更や、個々の製品に適した場所
への埋設などフレキシブルな対応が可能である。さら
に、作業員1人でもコンクリート埋設物の設定作業を効
率良く行え、脱型する際も埋設物のないコンクリート製
品と同様の手間と時間で済む。従って、付加価値の高い
コンクリート製品を安価に提供できる。
【0111】また、インサートなどの埋設物やボスの構
造はシンプルであり、特に、ボスは交換や調整が不要で
耐久性に富んでいるので、工場などにおいて耐久性の型
枠を用いてコンクリート製品を生産する際に好適であ
る。また、脱型するときに障害とならないように埋設物
を設定する製造方法、これに適した埋設物やボスの種々
の変形例を開示してあり、これらによって上記にて開示
したような種々の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のインサート保持具の概要を
示す斜視図である。
【図2】本発明のボスを用いて図1に示したインサート
保持具を型枠に設定する様子を一部断面を用いて示す展
開図である。
【図3】図3(a)は、図1に示したインサート保持具
を設定したところを拡大して示す断面図であり、図3
(b)は、脱型するところを拡大して示す断面図であ
る。
【図4】実施例1の異なった例のインサート保持具を用
いて六角ボルトのインサートを設定する様子を一部断面
を用いて示す展開図である。
【図5】図4に示すインサート保持具を設定側から見た
図である。
【図6】本発明の実施例2のインサートの概要を示す斜
視図である。
【図7】本発明のボスを用いて図6に示したインサート
を型枠に設定する様子を一部断面を用いて示す展開図で
ある。
【図8】図8(a)は、図6に示したインサートを設定
したところを拡大して示す断面図であり、図8(b)
は、脱型するところを拡大して示す断面図である。
【図9】本発明の実施例2のインサートの変形例を示す
断面図である。
【図10】図9に示したインサートを設定した様子を示
す断面図である。
【図11】本発明の実施例2のインサートの異なる変形
例を示す断面図である。
【図12】図11に示したインサートを設定した様子を
示す断面図である。
【図13】本発明の実施例3のプラグを示す断面図であ
る。
【図14】図13に示すプラグを製造後のコンクリート
製品から取り外す様子を示す図である。
【図15】本発明のプラグの変形例を示す断面図であ
る。
【図16】図15に示したプラグをコンクリート製品か
ら取り外す様子を示す断面図である。
【図17】図15に示したプラグを設定側から見た図で
ある。
【図18】本発明の実施例4に係るインサート保持具の
断面(a)および平面(b)を示す図である。
【図19】図18に示すインサート保持具を用いて高ナ
ットをインサートとして設定する様子を示す図である。
【図20】図18に示すインサート保持具を用いてコン
クリートに埋設された様子を示す断面図である。
【図21】本発明の実施例5に係るインサート保持具、
およびボスの概略を示す断面図、および側面図である。
【図22】図21に示すボスの表面の形状を示す正面図
である。
【図23】図21のインサート保持具を用いてコンクリ
ート製品にインサートを埋設した状態を示す断面図であ
る。
【図24】型枠を旋回させて取り外す様子を示す説明図
である。
【図25】本発明の実施例6に係るスリーブおよびボス
の概略を示す断面図であり、ボスは側面図で示してあ
る。
【図26】図25に示すスリーブが埋設された状態を示
す断面図である。
【図27】本発明の実施例7に係るボスおよびインサー
トの概要を示す説明図である。
【図28】図27に示すボスの雄ねじの構成を示す拡大
図である。
【図29】本発明の実施例8に係るインサートを型枠に
設定する概要を示す図である。
【図30】図29に示すインサートをコンクリート製品
に埋設した様子を示す断面図である。
【図31】型枠を旋回させて取り外す様子を示す説明図
である。
【図32】貫通ボルトを用いてインサートを型枠に設定
する従来の方法を説明する図面である。
【図33】図32でインサートの埋設されたコンクリー
ト製品から型枠を外す様子を示す説明図である。
【図34】従来のボスを用いてインサートを型枠に設定
する従来の方法を説明する図面である。
【図35】図34でインサートの埋設されたコンクリー
ト製品から型枠を外す様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・インサート 2・・インサートの開口部 3・・型枠 4・・コンクリート製品 5・・ボルト 10・・インサートの設定具 20・・インサート 21・・インサート内部の雌ねじ 22・・インサート本体 23・・鍔 30・・設定側 31・・内筒 32・・取付部の先端 33・・凹み、溝 34・・隙間 35・・外筒 36・・外筒の先端 39・・取付部 40・・インサート保持具 41・・筒体 42・・突起 50・・ボス(取付治具) 51・・ボス本体 52・・突起 55・・ボルト 59・・ナット 60・・型枠 61・・型枠に用意されたボスを止める穴 62・・型枠の表面 63・・型枠の裏面 65・・型枠の用意されたインサートを止める穴 66・・穴に形成された雌ねじ 80・・突出部 90・・インサートを設定するためのプラグ 100・・スリーブ

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠に取り付けられた略円盤状の設定具
    に埋設物を設定する際に、前記設定具の外周面の少なく
    とも1部と前記埋設物の略円筒状の取付部の少なくとも
    1部とを噛み合わせ、前記埋設物の設定された前記型枠
    を用いてコンクリート製品を成形し、成形された前記コ
    ンクリート製品を前記埋設物と共に脱型することを特徴
    とするコンクリート製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記設定具の外周面
    の少なくとも1部に突起または凹みが形成されており、
    前記設定するときに、前記埋設物を前記型枠に向かって
    押圧することを特徴とするコンクリート製品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記設定具の外周面
    の少なくとも1部に雄ねじが形成されており、前記設定
    するときに、前記埋設物の樹脂製で略平らな前記取付部
    を前記設定具に対しねじ込むことを特徴とするコンクリ
    ート製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 型枠に予め開けてある取付穴に埋設物を
    取り付け、この埋設物と共にコンクリート製品を脱形す
    るコンクリート製品の製造方法であって、 前記取付穴の少なくとも1部は雌ねじ状に成形されてお
    り、前記埋設物から突出した樹脂製で略平らな外周面を
    備えた筒状の取付部を前記取付穴へねじ込んで前記埋設
    物を設定し、 コンクリートを前記型枠に注入してコンクリート製品を
    成形することを特徴とするコンクリート製品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 コンクリート製品と共に型枠から脱型さ
    れる本体を有し、この本体の前記型枠へ面する側に前記
    本体を前記型枠に対し着脱可能に取り付ける取付部が設
    けられており、さらに、 コンクリートの侵入しない圧縮可能な領域によって前記
    取付部の外側を被う外装部を有することを特徴とするコ
    ンクリート埋設物。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記取付部は、前記
    型枠の内面に用意された突起物の外側の少なくとも1部
    と当たり、前記本体を前記型枠に設定可能であることを
    特徴とするコンクリート埋設物。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記型枠の内面を向
    く前記外装部の先端の幅が、前記取付部の先端の幅より
    厚いことを特徴とするコンクリート埋設物。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、前記外装部
    の先端は、前記取付部の先端より前方にあることを特徴
    とするコンクリート埋設物。
  9. 【請求項9】 請求項5または6において、前記外装部
    は前記本体から延びた略筒状の外殻を備え、この外殻の
    内側に前記取付部を備えた略筒状の内殻が前記本体から
    延びていることを特徴とするコンクリート埋設物。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記内殻の壁厚
    は、前記外殻の壁厚より薄いことを特徴とするコンクリ
    ート埋設物。
  11. 【請求項11】 請求項5または6において、前記本体
    から延び前記取付部を備えた略筒状の内殻を有し、前記
    外装部は前記内殻の外周面を覆う弾性帯を備えているこ
    とを特徴とするコンクリート埋設物。
  12. 【請求項12】 請求項5または6において、前記外装
    部は前記本体から延びた略筒状の外殻を有し、この外殻
    から内側に向かって突き出た複数の部分によって前記取
    付部が構成されていることを特徴とするコンクリート埋
    設物。
  13. 【請求項13】 請求項6において、前記型枠の内面を
    向く前記取付部の先端近傍に前記突起物の外側の少なく
    とも1部と噛み合う部分が形成されていることを特徴と
    するコンクリート埋設物。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記突起物の前
    記噛み合う部分に対応する箇所と前記型枠の内面との距
    離に比べ、前記噛み合う部分と前記外装部の先端との距
    離が長いことを特徴とするコンクリート埋設物。
  15. 【請求項15】 請求項13において、前記噛み合う部
    分は、突起あるいは凹みの少なくともいずれかであるこ
    とを特徴とするコンクリート埋設物。
  16. 【請求項16】 請求項5または6において、前記取付
    部は樹脂によって形成されていることを特徴とするコン
    クリート埋設物。
  17. 【請求項17】 請求項13において、前記噛み合う部
    分は、前記突起物の外周面の少なくとも1部に形成され
    た雄ねじ状の部分によってねじが切られる樹脂製の壁面
    を備えていることを特徴とするコンクリート埋設物。
  18. 【請求項18】 コンクリート製品と共に型枠から脱型
    される本体と、前記本体の前記型枠へ面した側に突出し
    た取付部とを有する埋設物であって、 前記取付部は前記型枠に形成された取付穴に収まる内筒
    部を備え、この内筒部は前記取付穴の少なくとも1部に
    形成された雌ねじ状の部分によってねじが切られる樹脂
    製の壁面を備えていることを特徴とするコンクリート埋
    設物。
  19. 【請求項19】 請求項5において、前記取付部は前記
    型枠に形成された取付穴に収まる内筒部を備え、この内
    筒部は前記取付穴の少なくとも1部に形成された雌ねじ
    状の部分によってねじが切られる樹脂製の壁面を備えて
    いることを特徴とするコンクリート埋設物。
  20. 【請求項20】 請求項5または18において、前記本
    体は前記取付部と繋がった略筒状であって、前記コンク
    リート製品に埋設されるインサート部、前記コンクリー
    ト製品の内部にインサートと共に埋設されるインサート
    保持部、前記本体に対しスライドし前記コンクリート製
    品を貫通可能なスリーブ部、および、前記取付部の側か
    ら取り外し用の治具を差込可能な壁を備えたプラグ部の
    少なくともいずれかを有していることを特徴とするコン
    クリート埋設物。
  21. 【請求項21】 コンクリート製品と共に型枠から脱型
    される本体を有し、この本体の前記型枠へ面する側に前
    記本体を前記型枠に対し着脱可能に取り付ける取付部が
    設けられたコンクリート埋設物であって、前記本体から
    延びた略筒状で樹脂製の外殻と、この外殻の内側に前記
    本体から延びた略筒状で樹脂製の内殻とを有し、この内
    殻の内壁に前記取付部を構成する雌ねじが形成されてい
    ることを特徴とするコンクリート埋設物。
  22. 【請求項22】 コンクリート製品と共に脱型される略
    筒状の埋設物を型枠に設定するために前記型枠の内面に
    取り付けられる略円盤状のボス本体を有し、このボス本
    体の外周の少なくとも1部が前記埋設物の少なくとも1
    部と噛み合う形状となっていることを特徴とする設定
    具。
  23. 【請求項23】 請求項22において、前記ボス本体は
    金属製であることを特徴とする設定具。
  24. 【請求項24】 請求項22において、前記ボス本体の
    外周の少なくとも1部に、突起および凹みの少なくとも
    いずれかが形成されていることを特徴とする設定具。
  25. 【請求項25】 請求項22において、前記型枠の内面
    から離れた前記ボス本体の先端の少なくとも1部は、前
    記ボス本体から外に向かって張り出していることを特徴
    とする設定具。
  26. 【請求項26】 請求項22において、前記ボス本体の
    外周の少なくとも1部が突き出ており、この突き出た部
    分の前記型枠の側に角張った部分が形成されていること
    を特徴とする設定具。
  27. 【請求項27】 請求項22において、前記ボス本体の
    外周面に一部を欠いた雄ねじが形成されていることを特
    徴とする設定具。
  28. 【請求項28】 請求項22において、前記ボス本体の
    少なくとも一部をカットしてあることを特徴とする設定
    具。
  29. 【請求項29】 請求項22において、前記ボス本体の
    先端は細くなっていることを特徴とする設定具。
  30. 【請求項30】 請求項22において、前記ボス本体か
    ら前記型枠に向かって伸びた該ボス本体より小径の取付
    ロッドを有することを特徴とする設定具。
  31. 【請求項31】 請求項22において、前記ボス本体の
    先端、前記ボス本体と前記型枠との間、および前記ボス
    本体と対峙する前記型枠の裏面の少なくともいずれかの
    個所に弾性ワッシャーが設置されており、 この弾性ワッシャーを通して、前記ボス本体より小径の
    取付ロッドにより前記ボス本体が前記型枠に取り付けら
    れていることを特徴とする設定具。
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