JP2711062B2 - ガスタービン装置 - Google Patents

ガスタービン装置

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JP2711062B2
JP2711062B2 JP27674093A JP27674093A JP2711062B2 JP 2711062 B2 JP2711062 B2 JP 2711062B2 JP 27674093 A JP27674093 A JP 27674093A JP 27674093 A JP27674093 A JP 27674093A JP 2711062 B2 JP2711062 B2 JP 2711062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば発電装置に適用
するガスタービン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図3に示すガスタービン装置が公
知であり、円筒状のケーシング1内には、燃焼器2を挟
んで空気圧縮機3とタービン4とが同軸上に設けてあ
る。燃焼器2には、燃料流路5から燃料の供給を受けて
燃焼器2内に燃料を噴射する燃料噴射弁6が配設してあ
り、燃料流路5には、燃料制御弁7が設けてある(関連
発明:特開平3−213626号公報)。さらに、空気
圧縮機3の吸込部には、吸込温度検出器8が、空気圧縮
機3の回転翼の側部には、回転速度検出器9が設けてあ
り、タービン4の出口部の複数箇所に、出口温度検出器
10が設けてある。吸込温度検出器8および回転速度検
出器9のそれぞれからは、TIT演算器11を内蔵した
制御装置12に対して、検出吸込温度,検出回転速度を
示す信号が入力され、出口温度検出器10からは、平均
温度演算器13に対して、検出出口温度を示す信号が入
力されるようになっている。
【0003】そして、平均温度演算器13にて、複数箇
所で検出した出口温度から出口ガスの平均温度を算出し
て、この平均温度を示す信号を平均温度演算器13から
制御装置12に入力している。一方、制御装置12内の
TIT演算器11には、平均温度演算器13,吸込温度
検出器8、および回転速度検出器9からの信号に基づい
て、タービン4の入口部の温度を算出する演算式がプロ
グラムされており、TIT演算器11により上記各信号
に基づいて、高速度で上記入口温度が算出される。ま
た、制御装置12には、温度計14,15が設けてあ
り、温度計14により上記平均温度が、温度計15によ
り上記吸気温度が表示されるようになっている。さら
に、TIT演算器11によって、上記入口温度を一定に
するように、燃料制御弁7の開度を調節しつつ、ガスタ
ービン装置の起動が行われるようになっている。なお、
上記入口温度を求める演算式は、以下の通りである。 入口温度=出口ガス平均温度×入口温度の関数+入口温
度の関数+回転速度の関数
【0004】図4は、従来公知の他のガスタービン装置
を示し、図3に示すガスタービン装置とは、吸込温度検
出器8,回転速度検出器9,出口温度検出器10、およ
び温度計14,15に代えて入口温度検出器16を設け
た点を除き、他は実質的に同一であり、互いに共通する
部分については、同一番号を付して説明を省略する。本
装置では、平均温度演算器13にて、複数箇所で検出し
た入口温度から、その平均温度を算出して、この平均温
度を示す信号を平均温度演算器13から制御装置12に
入力している。そして、この平均温度が設定温度に近付
く方向に、燃料制御弁7の開度を調節しつつ、ガスター
ビン装置の起動が行われるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したガスタービン
装置では、タービン入口温度を一定に保って起動するた
め、タービン4の起動トルクが減少する場合に、タービ
ン4の起動ができない場合があるという問題が生じる。
なお、タービン4の起動トルクの減少は、例えば次の場
合に発生する。 1) 空気圧縮機3が汚れて空気吸込効率が低下した場
合 2) 起動時の吸込温度が高い場合 3) タービン4の回転翼が汚れた場合 4) 装置が長時間停止して、潤滑油,タービン4の本
体が冷えた場合
【0006】このような場合、タービン4は、円滑には
起動せず、5〜6回起動を試みて、やっと起動すること
になるが、タービン4にとって、何度も起動失敗を繰り
返すことは、耐熱性,耐久性の観点から好ましくないと
いう問題がある。一方、タービン4や空気圧縮機3の汚
れによる起動トルクの減少を定量的に予測するのは困難
で、また設置環境によっても汚れの程度が異なる。そこ
で、タービン起動用のモータをより容量の大きいものに
取り替えることにより、タービン4の起動を改善するこ
とが考えられるが、これに伴って減速機等もより大型の
ものに取り替える必要が生じ、この場合、装置のコスト
がアップするだけでなく、タービンの改造に必要なスペ
ースの確保ができない場合もある。
【0007】そして、タービン4の改善ができない場
合、いざという時にタービン4の起動ができず装置の信
頼性が著しく低下するという問題がある。図4に示すガ
スタービン装置についても同様の問題が生じる。本発明
は、斯る従来の問題点を課題としてなされたもので、タ
ービン起動用のモータ等を大型化することなく、タービ
ンの起動不良の改善を可能としたガスタービン装置を提
供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、円筒状のケーシング内に燃焼器を挟ん
で同軸上に空気圧縮機とタービンとを備えるとともに、
上記空気圧縮機の吸込温度を検出する吸込温度検出器,
上記空気圧縮機の回転羽根の回転速度を検出する回転速
度検出器,上記タービンの出口温度を検出する複数の出
口温度検出器,この複数の出口温度検出器からの検出温
度信号から平均出口温度を算出する平均温度演算器、お
よび上記吸込温度検出器,回転速度検出器、および平均
温度演算器からの信号を入力する制御装置を備え、この
制御装置に、入力された上記各信号に基づき、上記ター
ビンの入口温度を算出させ、上記燃焼器に燃料を供給す
る燃料流路に設けた燃料制御弁の開度を、上記入口温度
が設定温度に近付く方向に調整させるガスタービン装置
において、上記平均温度演算器から上記制御装置に平均
出口温度を示す信号を送る2線の間に直列に並べた抵抗
器と、起動時のみオンの状態になる外部接点を含む配線
を施して形成した。
【0009】また、第2発明は、円筒状のケーシング内
に燃焼器を挟んで同軸上に空気圧縮機とタービンとを備
えるとともに、上記タービンの入口温度を検出する複数
の入口温度検出器,この複数の入口温度検出器からの検
出温度信号から平均入口温度を算出する平均温度演算
器、およびこの平均温度演算器からの信号を入力する制
御装置を備え、この制御装置に、上記燃焼器に燃料を供
給する燃料流路に設けた燃料制御弁の開度を、入力され
た上記信号が示す入口温度が設定温度に近付く方向に調
整させるガスタービン装置において、上記平均温度演算
器から上記制御装置に平均入口温度を示す信号を送る2
線の間に直列に並べた抵抗器と、起動時のみオンの状態
になる外部接点を含む配線を施して形成した
【0010】
【作用】第1発明のように構成することにより、起動時
には、制御装置に入力される信号が示す平均出口温度
が、検出出口温度の平均値よりも低くなる結果、制御装
置にて算出される入口温度も実際の入口温度よりも低く
なる。また、第2発明のように構成することにより、起
動時には、制御装置に入力される信号が示す平均入口温
度が、検出入口温度の平均値よりも低くなる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面にしたがって
説明する。図1は、第1発明に係るガスタービン装置を
示し、図3に示すガスタービン装置と共通する部分につ
いては、互いに同一番号を付して説明を省略する。本実
施例では、平均温度演算器13から制御装置12に信号
を送るクロメル線21,アルメル線22間に直列に並べ
た抵抗器23,外部接点24を含む配線が施してある。
また、各温度検出器には熱電対を使用している。
【0012】外部接点24は、ガスタービン装置の起動
開始から起動完了までの間のみオンとなるようになって
おり、抵抗器23は起動中のみ働き、起動が完了する
と、外部接点24がオフとなり、図3に示す装置と同一
の回路となる。したがって、起動中は、平均温度演算器
13からTIT演算器11に入る出口温度信号(mV)
は平均温度演算器13の出力端子部における温度信号よ
りも低下する。この出口温度信号(mV)が低下する
と、算出されたタービン4の入口温度も低下する。TI
T演算器11は、上記入口温度を一定にするように、即
ち設定温度にするように燃料制御弁7の開度を調節する
ため、上記入口温度が低下すると、これを設定温度に戻
そうと燃料制御弁7の開度を増大させ、燃焼器2への燃
料の供給量を増加させる。燃料の供給量が増加すると、
TIT演算器11にて算出されたタービン4の入口温度
は設定値に戻り、タービン4のトルクも上昇する。この
ように、起動時に人為的に出口温度信号を低下させ、起
動トルクを上昇させて、円滑に起動するようになってい
る。
【0013】図2は、第2発明に係るガスタービン装置
を示し、図4に示すガスタービン装置と共通する部分に
ついては、互いに同一番号を付して説明を省略する。本
実施例では、平均温度演算器13から制御装置12に信
号を送るクロメル線31,アルメル線32間に直列に並
べた抵抗器23,外部接点24を含む配線が施してあ
る。また第1発明と同様に、各温度検出器には熱電対を
使用している。外部接点24は、第1発明の場合と同様
に作動する。そして、平均温度演算器13から制御装置
12に入力される信号が示す平均入口温度を実際に検出
された入口温度の平均値よりも低くなるようにしてあ
る。第1発明の場合と同様に、上記入口温度が低下する
と、これを設定温度に戻そうと燃料制御弁7の開度を増
大させ、燃焼器2への燃料の供給量を増加させるように
なっている。
【0014】燃料の供給量が増加すると、TIT演算器
11にて算出されたタービン4の入口温度は設定値に戻
り、タービン4のトルクも上昇する。このように、起動
時に人為的に出口温度信号を低下させ、起動トルクを上
昇させて、円滑に起動するようになっている。したがっ
て、第1発明,第2発明においても、起動を改善するた
めに、起動用モータ,減速機等の容量を増大させ、スペ
ースの確保する必要はなく、容易に装置の耐熱性,耐久
性,信頼性を向上させ得るようになっている。
【0015】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、第1発
明によれば、円筒状のケーシング内に燃焼器を挟んで同
軸上に空気圧縮機とタービンとを備えるとともに、上記
空気圧縮機の吸込温度を検出する吸込温度検出器,上記
空気圧縮機の回転羽根の回転速度を検出する回転速度検
出器,上記タービンの出口温度を検出する複数の出口温
度検出器,この複数の出口温度検出器からの検出温度信
号から平均出口温度を算出する平均温度演算器、および
上記吸込温度検出器,回転速度検出器、および平均温度
演算器からの信号を入力する制御装置を備え、この制御
装置に、入力された上記各信号に基づき、上記タービン
の入口温度を算出させ、上記燃焼器に燃料を供給する燃
料流路に設けた燃料制御弁の開度を、上記入口温度が設
定温度に近付く方向に調整させるガスタービン装置にお
いて、上記平均温度演算器から上記制御装置に平均出口
温度を示す信号を送る2線の間に直列に並べた抵抗器
と、起動時のみオンの状態になる外部接点を含む配線を
施して形成してある。
【0016】また、第2発明によれば、円筒状のケーシ
ング内に燃焼器を挟んで同軸上に空気圧縮機とタービン
とを備えるとともに、上記タービンの入口温度を検出す
る複数の入口温度検出器,この複数の入口温度検出器か
らの検出温度信号から平均入口温度を算出する平均温度
演算器、およびこの平均温度演算器からの信号を入力す
る制御装置を備え、この制御装置に、上記燃焼器に燃料
を供給する燃料流路に設けた燃料制御弁の開度を、入力
された上記信号が示す入口温度が設定温度に近付く方向
に調整させるガスタービン装置において、上記平均温度
演算器から上記制御装置に平均入口温度を示す信号を送
る2線の間に直列に並べた抵抗器と、起動時のみオンの
状態になる外部接点を含む配線を施して形成してある。
【0017】このため、第1発明の場合は、起動時に
は、制御装置に入力される信号が示す平均出口温度が、
検出出口温度の平均値よりも低くなる結果、制御装置に
て算出される入口温度も実際の入口温度よりも低くな
り、第2発明の場合、起動時には、制御装置に入力され
る信号が示す平均入口温度が、検出入口温度の平均値よ
りも低くなり、この結果、起動を改善するために、起動
用モータ,減速機等の容量を増大させ、スペースの確保
する必要はなく、容易に装置の耐熱性,耐久性,信頼性
を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明に係るガスタービン装置の全体構成
を示す図である。
【図2】 第2発明に係るガスタービン装置の全体構成
を示す図である。
【図3】 従来のガスタービン装置の全体構成を示す図
である。
【図4】 従来の他のガスタービン装置の全体構成を示
す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 燃焼器 3 空気圧縮機 4 タービン 5 燃料流路 6 燃料噴射弁 7 燃料制御弁 8 吸込温度検出器 9 回転速度検出器 10 出口温度検出器 12 制御装置 13 平均温度演算器 16 入口温度検出器 23 抵抗器 24 外部接点

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のケーシング内に燃焼器を挟んで
    同軸上に空気圧縮機とタービンとを備えるとともに、上
    記空気圧縮機の吸込温度を検出する吸込温度検出器,上
    記空気圧縮機の回転羽根の回転速度を検出する回転速度
    検出器,上記タービンの出口温度を検出する複数の出口
    温度検出器,この複数の出口温度検出器からの検出温度
    信号から平均出口温度を算出する平均温度演算器、およ
    び上記吸込温度検出器,回転速度検出器、および平均温
    度演算器からの信号を入力する制御装置を備え、この制
    御装置に、入力された上記各信号に基づき、上記タービ
    ンの入口温度を算出させ、上記燃焼器に燃料を供給する
    燃料流路に設けた燃料制御弁の開度を、上記入口温度が
    設定温度に近付く方向に調整させるガスタービン装置に
    おいて、上記平均温度演算器から上記制御装置に平均出
    口温度を示す信号を送る2線の間に直列に並べた抵抗器
    と、起動時のみオンの状態になる外部接点を含む配線を
    施して形成したことを特徴とするガスタービン装置。
  2. 【請求項2】 円筒状のケーシング内に燃焼器を挟んで
    同軸上に空気圧縮機とタービンとを備えるとともに、上
    記タービンの入口温度を検出する複数の入口温度検出
    器,この複数の入口温度検出器からの検出温度信号から
    平均入口温度を算出する平均温度演算器、およびこの平
    均温度演算器からの信号を入力する制御装置を備え、こ
    の制御装置に、上記燃焼器に燃料を供給する燃料流路に
    設けた燃料制御弁の開度を、入力された上記信号が示す
    入口温度が設定温度に近付く方向に調整させるガスター
    ビン装置において、上記平均温度演算器から上記制御装
    置に平均入口温度を示す信号を送る2線の間に直列に並
    べた抵抗器と、起動時のみオンの状態になる外部接点を
    含む配線を施して形成したことを特徴とするガスタービ
    ン装置。
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JP2001329855A (ja) * 2000-05-19 2001-11-30 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガスタービンのタービン入口温度予測方法
KR102038555B1 (ko) * 2018-03-15 2019-10-30 두산중공업 주식회사 가스터빈 및 가스터빈의 제어방법

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