JP4058574B2 - 2軸ガスタービンエンジンの回転系の異常検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2軸ガスタービンエンジンの回転系の異常検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に示すように、一般にガスタービンエンジンは、高圧圧縮機2、燃焼器3及び高圧タービン4,等を備え、高圧タービン4により高圧圧縮機2を駆動し、圧縮機2により圧縮された空気により燃焼器3で燃料を燃焼させ、燃焼器3により生成された高温の燃焼ガスにより高圧タービン4を駆動するようになっている。また、2軸のガスタービンエンジン(図の例ではターボファンエンジン)の場合、更に、高圧タービン4の排気ガスにより駆動される低圧タービン5と、この低圧タービン5により駆動されるファン1を備えている。以下、高圧タービン4により駆動される回転系を「高圧回転系」、低圧タービン5で駆動される回転系を「低圧回転系」と呼ぶ。
【0003】
図3は、アナログ信号の計測回路(A)と周波数信号の計測回路(B)の模式図である。
図3(A)に示す計測回路は、例えば熱電対による温度計測回路であり、信号源に位置する熱電対6で発生した起電力を増幅器7で増幅して出力する。なお、この図で6a,6bは熱電対を構成する金属線(又は補償導線)、7a,7bは抵抗であり、金属線6aには抵抗7aを介して定電圧VCCが付加され、金属線6bは抵抗7bを介してGNDに接地されている。この場合、出力信号は、直流電圧Vとなる。
【0004】
図3(B)に示す計測回路は、図2に示した回転系の回転速度計測に用いられる。この図で、8は回転系に取り付けられた回転磁性体、8aは磁石、9aはコイルであり、回転磁性体8の回転によりコイル9a内の磁界が周期的に変化し、これを増幅器9で増幅して出力する。この場合、出力信号は交流電圧Vとなる。この交流電圧をデジタルカウンタ等で処理して、回転系の回転速度を計測することができる。なお、この方式の回転センサはマグネティクピックアップ型回転数センサと呼ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図3(A)の計測回路では、出力信号が直流電圧Vであり、回路が正常な場合には、出力電圧はある所定の範囲を示し、熱電対6や金属線又は補償導線7a,7bが断線した場合には、出力電圧は過大な値を示したり、或いはOとなる。従って、出力電圧の検出のみで、計測回路の異常を容易に検出することができる。
【0006】
これに対して、図3(B)の計測回路では、出力信号は交流電圧であり、これを処理した出力は回転速度或いは回転速度に対応した周波数である。この場合、回転系が停止すると出力信号(或いは回転速度、周波数)は0と検出されるが、断線等が生じた場合でも同様に出力信号が0となる。従って、かかるマグネティックピックアップ型センサでは、停止状態とリード線等の断線が区別できない問題点があった。
従って、従来の2軸ガスタービンエンジンの回転数センサでは、その異常を検出するために、計測機器側に特殊な電気回路と定電流源を必要とし、ハードウェアが複雑かつ高価となり、信頼性が乏しい問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、2軸ガスタービンエンジンの高圧回転系と低圧回転系の異常を、複雑な機器を用いることなく、確実に検出することができる異常検出方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は、2軸ガスタービンエンジンの低圧回転系と高圧回転系は、機械的には直接連結されていないが、実際の運転状態では常に連動しており、これを異常検出の1種のクライテリア(判断基準)として用いることができることに着眼した。本発明はかかる新規の知見に基づくものである。
【0009】
すなわち、本発明によれば、2軸ガスタービンエンジンの低圧回転系の回転速度αと高圧回転系の回転速度βとの関係β=f(α)を予め設定し、計測された低圧回転系または高圧回転系の回転速度が前記関係から大きく外れる場合に、その回転系を異常と検出する、2軸ガスタービンエンジンの回転系の異常検出方法が提供される。
【0010】
上記本発明の方法によれば、2軸ガスタービンエンジンの低圧回転系と高圧回転系が、運転状態で常に連動しているので、その関係をβ=f(α)として予め設定しておけば、この関係から大きく外れる回転系を異常と検出するだけで、複雑な機器を用いることなく、ロータの固着やセンサ故障、リード線断線等の異常を確実に検出することができる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記関係に対して所定のしきい値Δα,Δβを設定し、一方の回転系を基準として他方の回転系を見たときに、その数値が前記しきい値Δα,Δβを超える遅い数値を示したときは、その他方の回転系を異常と検出する。この方法により、しきい値を設定するだけで、簡単なアルゴリズムで回転系の異常を確実に検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1において(A)は参考例の異常検出方法を模式的に示す図であり、(B)は、本発明の異常検出方法を模式的に示す図である。図1(A)は、スタータ(始動補助装置)によるエンジン始動時のNL(低圧系)とNH(高圧系)の回転数(回転速度)の傾向を示している。なお、この図において、横軸は始動開始からの経過時間、縦軸は上述したマグネティックピックアップ型センサで検出した回転速度である。
【0015】
図1(A)において、低圧系の回転開始時t1に高圧系回転速度がβ0であり、低圧系回転速度がα0のときに高圧系はそれ以上の高速で回転している特性を示している。このような特性の2軸ガスタービンエンジンにおいて、参考例の異常検出方法では、以下のアルゴリズムによりロータの固着やセンサ故障、リード線断線等の異常を検出する。
A.低圧系回転速度がα0以上であり、かつ高圧系回転速度がゼロと検出されたならば、高圧系の異常と検出する。
B.高圧系回転速度がβ0以上であり、かつ低圧系回転速度がゼロと検出されたならば、低圧系の異常と検出する。
【0016】
図1(A)から、t0からt1の間と、t0からt2の間は、停止状態かリードの断線かを区別できないが、それ以上経過した後には、上述の方法により、A.低圧系回転速度がα0以上のときに高圧系はそれ以上高速で回転しているので、それにもかかわらず、高圧系回転速度がゼロと検出されたならば、高圧系の異常として検出できる。また、B.高圧系回転速度がβ0以上のときに低圧系は回転を開始して高速回転しているので、それにもかかわらず、低圧系回転速度がゼロと検出されたならば、低圧系の異常として検出できる。
【0017】
図1(B)は、図1(A)の関係を基に、始動後十分に時間が経過した時の2軸の検出された回転速度の関係を示す図である。この図に示すように、2軸ガスタービンエンジンの低圧回転系の回転速度αと高圧回転系の回転速度βとの関係β=f(α)を設定することができる。また、前記関係に対して所定のしきい値Δα,Δβを設定することもできる。
【0018】
本発明の方法では、上記の関係を予め設定し、計測された低圧回転系または高圧回転系の回転速度がこの関係から大きく外れる場合に、その回転系を異常と検出する。特に、しきい値を設定した場合には、一方の回転系を基準として他方の回転系を見たときに、その数値が前記しきい値Δα,Δβを超える遅い数値を示したときは、その他方の回転系を異常と検出する。
【0019】
上記本発明の方法によれば、2軸ガスタービンエンジンの低圧回転系と高圧回転系が、運転状態で常に連動しているので、その関係をβ=f(α)として予め設定しておけば、この関係から大きく外れる回転系を異常と検出するだけで、複雑な機器を用いることなく、ロータの固着やセンサ故障、リード線断線等の異常を確実に検出することができる。また、前記関係に対して所定のしきい値Δα,Δβを設定し、一方の回転系を基準として他方の回転系を見たときに、その数値が前記しきい値Δα,Δβを超える遅い数値を示したときは、その他方の回転系を異常と検出することにより、しきい値を設定するだけで、簡単なアルゴリズムで各回転系の異常を確実に検出することができる。
【0020】
言い換えれば、2軸ガスタービンエンジンの回転体の特性により、NL=αrpmならばNH=βrpmなる関係を導き、これを1つのクライテリアとして相互に監視する。すなわちNL=αrpmでありながらNH=0rpmであれば、NH側のロータの固着か、NH側のセンサ故障か、リード断線が考えられ、少なくともNHの回転系に異常が発生したことを検出することができる。
また、NL,NHセンサを二重、三重に冗長化させて、判断ロジックを加えれば、より的を絞ることが可能である。
【0021】
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明の2軸ガスタービンエンジンの回転数センサの異常検出方法は、2軸ガスタービンエンジンの高圧回転系と低圧回転系の異常を、複雑な機器を用いることなく、確実に検出することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例及び本発明の異常検出方法を模式的に示す図である。
【図2】 2軸ガスタービンエンジンの構成図である。
【図3】 アナログ信号の計測回路(A)と周波数信号の計測回路(B)の模式図である。
【符号の説明】
1 ファン
2 高圧圧縮機
3 燃焼器
4 高圧タービン
5 低圧タービン
6 熱電対
6a,6b 金属線(又は補償導線)
7 増幅器
7a,7b 抵抗
8 回転磁性体
8a 磁石
9 増幅器
9a コイル
Claims (2)
- 2軸ガスタービンエンジンの低圧回転系の回転速度αと高圧回転系の回転速度βとの関係β=f(α)を予め設定し、計測された低圧回転系または高圧回転系の回転速度が前記関係から大きく外れる場合に、その回転系を異常と検出する、ことを特徴とする2軸ガスタービンエンジンの回転系の異常検出方法。
- 前記関係に対して所定のしきい値Δα,Δβを設定し、一方の回転系を基準として他方の回転系を見たときに、その数値が前記しきい値Δα,Δβを超える遅い数値を示したときは、その他方の回転系を異常と検出する、ことを特徴とする請求項1に記載の2軸ガスタービンエンジンの回転系の異常検出方法。
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