JP2710766B2

JP2710766B2 - 擬餌針

Info

Publication number: JP2710766B2
Application number: JP7248005A
Authority: JP
Inventors: 喜吉伊藤
Original assignee: バスディ株式会社
Priority date: 1995-09-26
Filing date: 1995-09-26
Publication date: 1998-02-10
Anticipated expiration: 2015-09-26
Also published as: JPH0984492A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、釣りの餌に似せて
製造された擬餌に釣り針を備えた擬餌針（いわゆるルア
ー）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より製造されている一般的な擬餌針
は、生餌となる小魚などと同じ程度の大きさ及び形状に
成形してなる擬餌本体に、釣り針を吊設して構成されて
いた。そして、この擬餌本体は、木やプラスチックなど
の比較的軽量な素材からなるものがあり、水の流動に伴
って揺れ動くものであった。これは、水面に近い位置で
は、釣糸とともに擬餌針を水中に投入したとき、水の流
動によって生餌が水中を泳いでいるように見せることが
できるのであり、そのため、水の流動が頻繁な浅い場所
で生息する魚を釣るときに使用されていた。即ち、この
ような軽量の擬餌では、深い場所まで沈めようとする
と、浅い場所における水の流動によって漂ってしまい、
目的の場所まで擬餌針を到達させるために長い時間を要
していた。そこで、鉛などの比較的重量な素材を成形し
た擬餌本体が用いられるようになった。即ち、擬餌針そ
のものを重くすることによって、深い箇所まで擬餌針の
沈下を促進させ、短時間で目的の位置に擬餌針を到達さ
せようとするものであった。そして、重量素材として鉛
や真鍮が用いられていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
擬餌針は、重い材質からなる擬餌本体を使用することに
より、浮力による抵抗に対抗し得ることが目的であると
ころ、水中を沈下する際には浮力の他に水の抵抗力を無
視することはできず、単に鉛などを魚の形に成形したも
のでは、擬餌本体の側部には比較的広い平坦な面を有す
ることとなるため、この面が水の抵抗を受けてゆらゆら
しながら沈下することとなり、そのため沈下速度を極端
に向上させるに至らなかった。また、金属を表面に露出
したものであるので、使用後には擬餌本体が酸化しやす
くなるなどの理由によって寿命の短いものであるなどの
問題点も存在していた。

【０００４】本発明は、上記諸点にかんがみ、深い位置
まで可能な限り速く沈下させることができ、また、長期
の使用に耐え得る擬餌針を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、所望の生餌に似た形状に成形した擬餌
本体に釣り針を吊設してなる擬餌針において、擬餌本体
の中空内部を頭部と尾部とに区別して、尾部側内部にの
み沈降体を設けたことを特徴とする擬餌針を要旨とす
る。

【０００６】また、本発明は、所望の生餌に似た形状に
成形した擬餌本体に釣り針を吊設してなる擬餌針におい
て、擬餌本体の中空内部を頭部と尾部とに区別して、尾
部側内部に沈降体を設け、頭部側内部に浮力体を設けた
ことを特徴とする擬餌針を要旨とする。

【０００７】そして、前記浮力体を、空気を封入して構
成された浮力体にすることもでき、合成樹脂発泡体で構
成された浮力体にすることもできる。また、前記沈降体
を鉛としてもよい。

【０００８】

【０００９】

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本実施形態は、図１に示すよう
に、擬餌本体１に釣り針２を吊設した擬餌針１０に関す
るものであって、擬餌本体１は、釣りの対象となる獲物
が餌としている小魚に大きさ及び形状を似せて製造され
ており、釣り針２は、擬餌本体１の尾部３に備えられて
おり、場合によっては腹部４にも吊設されることがあ
る。また、擬餌本体１の頭部５には、連結部材６が設け
られており、釣糸に連結できるようになっている。

【００１１】擬餌本体１の内部には、図２に示すよう
に、内部のほぼ全体に錘１１が設けられており、頭部５
の付近に気室１２が設けられている。即ち、擬餌本体１
の表面は薄肉のプラスチックによって構成されており、
左右に（図中の切断部端面の位置で）二分割した状態に
成形したものを対向させつつ張り合わせるようにして設
けられ、この張り合わせの際に錘１１を包むようにして
構成したものである。従って、この擬餌針１０の体積上
の中心をＡとすると、重心ＢはこのＡ点よりも少しだけ
尾部３側に移動した位置となる。このことから、重心Ｂ
の前部分と後部分との重量が同じで、かつ、前部分のほ
うが後部分よりも体積が大きいこととなる。つまり、前
部分は後部分に比較して低密度となっているのである。
よって、この擬餌針１０を水中に投げ入れたとき、前部
分には後部分よりも浮力の影響が大きく、後部分は前部
分よりも常に下方に位置するようになる。

【００１２】上記のことから、水中における擬餌針１０
は、図３に示すように、尾部３を下にし、頭部５を上に
した縦長の状態を維持しつつ沈下することとなる。従っ
て、擬餌針１０は横向きとならないので、側面が水の抵
抗を受けることがなく、水中でゆらゆらしながら沈下す
ることを防ぐことができる。そして、水の抵抗は尾部３
の先端部分に限られるので、この尾部３が水を切りなが
ら下降することとなり、水の抵抗を最小限度にした状態
で沈下させることができるので、非常に速く目的位置ま
で下降させることができる。なお、この沈下の目的位置
は、釣り糸２０が緊張できる位置である。

【００１３】

【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。まず、擬
餌本体１の外側表面はプラスチックによって成形してい
る。この擬餌本体１の外側表面には、生餌に似せた模様
や色彩が施されており、水中に差し込む微かな光を反射
するようにパール色粉が塗装されるか、又は、金属蒸気
が蒸着されている。そして、錘１１として使用する金属
は鉛を使用することが多いが、亜鉛との合金である黄銅
を使用してもよい。黄銅を使用する場合には亜鉛３０パ
ーセントのいわゆる七三黄銅や、亜鉛４０パーセントの
いわゆる六四黄銅を使用することができ、当然にスズな
どを添加した特殊黄銅なども使用できる。上記のプラス
チック本体の中空内部に体積比率９５パーセントの錘１
１を内蔵させることによって、残りの体積比率５パーセ
ントが中空のまま残存する。そして、この中空部の中空
状態を維持しつつプラスチック本体を緊密に密閉するこ
とによって、中空部内に空気を封入できるとともに、こ
の空気は外部に漏れないようになる。

【００１４】次に、第二実施例を説明する。本実施例で
は、図４に示すように、本体内部に空気を封入すること
に代えて、本体部分と同様のプラスチックによって中空
部を充満させたものである。これは、理論的には前記と
同様であり、作用する浮力の大きさが尾部１０３と頭部
１０５とで異ならせることにより、擬餌本体１０１を直
立させることができ、水の抵抗を最小限に抑えようとす
るものである。また、内蔵する錘１１１との比重の差が
大きければ十分に直立することは当然である。

【００１５】さらに、図５に示すように、第三実施例
は、プラスチックによる一体的構成ではなく、固体のな
かで比較的比重の小さな例えば合成樹脂発泡体２１２と
錘２１１とを貼着などによって一体的に構成しつつ、擬
餌本体２０１の内部に設けるものである。これによっ
て、擬餌本体２０１の内部に空間を存在させることがな
いので、外部からの衝撃などに耐えることができるもの
である。そして、上記と同様の錘２１１とともに使用す
るので、比重の差が著しく、水中で擬餌本体２０１を直
立させることは極めて容易である。上記の合成樹脂発泡
体２１２のほかに木片や素焼きの陶器などを設けること
も可能である。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明は、所望の生餌に
似た形状に成形した擬餌本体に釣り針を吊設してなる擬
餌針において、擬餌本体の中空内部を頭部と尾部とに区
別して、尾部側内部にのみ沈降体を設けたことを特徴と
する擬餌針を要旨とするので、水中における擬餌本体
は、尾部側が沈下しようとすることとなり、頭部側が上
になって直立した状態にすることができる。従って、擬
餌針全体の重量が水中内において沈下できるに足るもの
であれば、擬餌本体が鉛直方向に縦長な状態を維持しつ
つ沈下することが可能となり、これにより、擬餌本体の
側面が水の抵抗を受けなくなり、この抵抗を少なくさせ
ることができるのである。もって、同じ重量の擬餌針と
比較すれば遙に速く沈下させることができ、深い層に生
息する魚を釣る場合であっても、その領域まで素早く擬
餌針を到達させることが可能となる。

【００１７】また、本発明は、所望の生餌に似た形状に
成形した擬餌本体に釣り針を吊設してなる擬餌針におい
て、擬餌本体の中空内部を頭部と尾部とに区別して、尾
部側内部に沈降体を設け、頭部側内部に浮力体を設けた
ことを特徴とする擬餌針を要旨とするので、頭部側は
上、尾部側は下となるように明確に区別させることがで
き、これにより、水中において擬餌本体が直立を維持し
やすく、水の流動などによる姿勢の変化を少なくするこ
とができる。従って、一層速く目的場所まで沈下させる
ことができる。

【００１８】そして、前記浮力体を、空気を封入して構
成された浮力体にすれば、浮力体そのものを構成するた
めの材料を省略できるので、安価に製造できることとな
る。また、前記浮力体を、合成樹脂発泡体で構成させれ
ば、擬餌本体の内部に空間を存在させることがないの
で、外部からの衝撃などにも耐えることができる。そし
て、前記沈降体を鉛によって構成させれば、擬餌針の全
体を重くすることができるとともに、製造コストを低く
維持できることとなる。しかも、空気による浮力に逆ら
いながら沈下させることができ、直立状態を維持させつ
つ速い沈下を実現させることができるものである。ま
た、鉛は擬餌本体の内部に設けられるので、この鉛が表
面に露出することがなく、酸化などの腐食の原因を除去
しており、寿命を長くすることができるものである。

【００１９】

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態の斜視図である。

【図２】ＩＩ−ＩＩ断面図である。

【図３】水中における擬餌針の状態を示す説明図であ
る。

【図４】第二実施例の縦断面図である。

【図５】第三実施例の縦断面図である。

【符号の説明】

１擬餌本体２釣り針３尾部４腹部５頭部６連結部材１０擬餌針１１錘１２空気２０テグス

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】所望の生餌に似た形状に成形した擬餌本
体に釣り針を吊設してなる擬餌針において、擬餌本体の
中空内部を頭部と尾部とに区分して、尾部側内部にのみ
沈降体を設けたことを特徴とする擬餌針。
【請求項２】所望の生餌に似た形状に成形した擬餌本
体に釣り針を吊設してなる擬餌針において、擬餌本体の
中空内部を頭部と尾部とに区分して、尾部側内部に沈降
体を設け、頭部側内部に浮力体を設けたことを特徴とす
る擬餌針。
【請求項３】前記浮力体が、空気を封入して構成され
た浮力体である請求項２記載の擬餌針。
【請求項４】前記浮力体が、合成樹脂発泡体で構成さ
れた浮力体である請求項２記載の擬餌針。
【請求項５】前記沈降体が、鉛である請求項１ないし
４のいずれかに記載の擬餌針。