JP2710677B2 - 堆積膜形成方法 - Google Patents
堆積膜形成方法Info
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- JP2710677B2 JP2710677B2 JP32082989A JP32082989A JP2710677B2 JP 2710677 B2 JP2710677 B2 JP 2710677B2 JP 32082989 A JP32082989 A JP 32082989A JP 32082989 A JP32082989 A JP 32082989A JP 2710677 B2 JP2710677 B2 JP 2710677B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば樹脂基体または樹脂コーティングし
た基体に真空中で堆積膜を形成する堆積膜形成方法に関
する。
た基体に真空中で堆積膜を形成する堆積膜形成方法に関
する。
[従来の技術] 光ディスク、光磁気ディスク等の機能性堆積膜を形成
する基体として、樹脂及び樹脂コーティングした基体が
多く使用されているが、成膜前の基体に吸着しているガ
スが堆堆膜の膜質に影響することが知られている。
する基体として、樹脂及び樹脂コーティングした基体が
多く使用されているが、成膜前の基体に吸着しているガ
スが堆堆膜の膜質に影響することが知られている。
そこで、従来は、基体に吸着しているガスを除去する
ために脱気を行ってから成膜していた。
ために脱気を行ってから成膜していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来、どの程度の脱気を行えば良好な
膜質が得られるのかについてはまったく解明されておら
ず、また、いかなるファクターによってガスの除去量を
管理すればよいかについても全く解明されていなかっ
た。すなわち、従来の技術には定量性がなく、基体から
のガスの除去が十分であるかどうか判断ができなかっ
た。そのため、ガスの除去が不十分であることによる堆
積膜の膜質の低下という問題と、または必要以上の脱気
処理を行なったために処理時間が長くなり、生産性に乏
しいという問題が存在した。
膜質が得られるのかについてはまったく解明されておら
ず、また、いかなるファクターによってガスの除去量を
管理すればよいかについても全く解明されていなかっ
た。すなわち、従来の技術には定量性がなく、基体から
のガスの除去が十分であるかどうか判断ができなかっ
た。そのため、ガスの除去が不十分であることによる堆
積膜の膜質の低下という問題と、または必要以上の脱気
処理を行なったために処理時間が長くなり、生産性に乏
しいという問題が存在した。
[課題を解決するための手段] 本発明の堆堆膜形成方法は、堆積膜を形成する前に、
25℃における基体の放出ガス量を5×10-7Torr・/sec
・cm2以下になるように脱気処理を行うことを特徴とす
る。
25℃における基体の放出ガス量を5×10-7Torr・/sec
・cm2以下になるように脱気処理を行うことを特徴とす
る。
[作用] 本発明者は、基体からのガスの除去が十分か否かの判
断基準を鋭意探究したところ、基体からのガス放出量を
目安とすればガスの除去が十分か否かを判断し得ること
を知見し、さらに、各種の実験を重ねた結果、25℃にお
ける基体から放出ガス量を5×10-7Torr・/sec・cm2
以下とすれば良好な膜質が得られることを見い出し本発
明をなすにいたったものである。
断基準を鋭意探究したところ、基体からのガス放出量を
目安とすればガスの除去が十分か否かを判断し得ること
を知見し、さらに、各種の実験を重ねた結果、25℃にお
ける基体から放出ガス量を5×10-7Torr・/sec・cm2
以下とすれば良好な膜質が得られることを見い出し本発
明をなすにいたったものである。
さらに、基体から放出ガス量を正確かつ容易に求める
手段を探究したところ、放出ガス量は温度に関係し、さ
らに、一定温度においては、 Q=S(P2−P1)/A なる関係式が成立することを知見した。ただし、Q:放出
ガス量、S:排気速度、P2:基体の脱気完了時の圧力、P1:
基体が存在しない時の到達圧力、A:基体表面積である。
従って、温度を25℃とした場合、上式において、S,P1,
A,P2を管理すれば放出ガス量Qを5×10-7Torr・/sec
・cm2以下になるまで脱気し得たことを正確に把握し得
ることができ、堆積膜の膜質の向上またはタクト時間の
短縮をはかることが可能となる。
手段を探究したところ、放出ガス量は温度に関係し、さ
らに、一定温度においては、 Q=S(P2−P1)/A なる関係式が成立することを知見した。ただし、Q:放出
ガス量、S:排気速度、P2:基体の脱気完了時の圧力、P1:
基体が存在しない時の到達圧力、A:基体表面積である。
従って、温度を25℃とした場合、上式において、S,P1,
A,P2を管理すれば放出ガス量Qを5×10-7Torr・/sec
・cm2以下になるまで脱気し得たことを正確に把握し得
ることができ、堆積膜の膜質の向上またはタクト時間の
短縮をはかることが可能となる。
なお、本発明における脱気は、例えば第1図に示すよ
うな装置により行えばよい。
うな装置により行えばよい。
第1図において、1は真空容器である脱気室、2は真
空容器である成膜室、7は成膜すべき基体であり、3は
基体7を固定するホルダー、4は脱気室1を真空排気す
るクライオポンプ、5は脱気室1と成膜室2との仕切
弁、6は成膜室1とクライオポンプ4のメイン排気バル
ブである。
空容器である成膜室、7は成膜すべき基体であり、3は
基体7を固定するホルダー、4は脱気室1を真空排気す
るクライオポンプ、5は脱気室1と成膜室2との仕切
弁、6は成膜室1とクライオポンプ4のメイン排気バル
ブである。
上記の式において、25℃における基体の放出ガス量Q
を5×10-7Torr・/sec・cm2以下になるまで脱気する
ことにより堆積膜の膜質の向上またはタクト時間の短縮
をはかる。
を5×10-7Torr・/sec・cm2以下になるまで脱気する
ことにより堆積膜の膜質の向上またはタクト時間の短縮
をはかる。
[実施例] 以下本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明を実施するための装置の概要を示した
図であり、高周波マグネトロン両面スパッタ装置であ
る。
図であり、高周波マグネトロン両面スパッタ装置であ
る。
上記構成において、φ5.25インチの光磁気ディスクの
機能性堆積膜用基体であるポリカーボネート基板7を両
面で16枚装着できるホルダー3を6枚、合計96枚の基板
を同時に脱気室1で脱気処理をした後、成膜室2で1ホ
ルダーごとにスパッタ蒸着した。堆積膜はSi3N4とし、
膜厚は1000Åとした。
機能性堆積膜用基体であるポリカーボネート基板7を両
面で16枚装着できるホルダー3を6枚、合計96枚の基板
を同時に脱気室1で脱気処理をした後、成膜室2で1ホ
ルダーごとにスパッタ蒸着した。堆積膜はSi3N4とし、
膜厚は1000Åとした。
成膜後に脱気室に戻し、1バッチ完了とした。これを
6ホルダー行い、6ホルダーで1サイクルとした。
6ホルダー行い、6ホルダーで1サイクルとした。
基体7の放出ガス量を表−1に示す値に各種変化させ
て、成膜を行ない、放出ガスによる膜質の変化を見た。
て、成膜を行ない、放出ガスによる膜質の変化を見た。
A:26815cm2 P1:7.5×10-8Torr S:9300/sec を上式に代入し、P2の値を求め脱気処理を行なった。
(実施例1の評価) 成膜後の基体に鋭利な刃物で1mm間隔で縦横各6本直
交して線を引き1辺1mmの正方形のますを25個形成し、
その上に粘着テープを貼りつけて、十分に密着させた後
に、その粘着テープを剥してテープについてきた正方形
ますの数により基体への膜の密着度を測定した(クロス
ハッチテスト)。即ちテープについてきたもの(剥離
数)が0個(0/25)であれば膜の密着は良好である。
交して線を引き1辺1mmの正方形のますを25個形成し、
その上に粘着テープを貼りつけて、十分に密着させた後
に、その粘着テープを剥してテープについてきた正方形
ますの数により基体への膜の密着度を測定した(クロス
ハッチテスト)。即ちテープについてきたもの(剥離
数)が0個(0/25)であれば膜の密着は良好である。
表−1に結果を示す。表からわかるように、放出ガス
量Qが5×10-7Torr・/sec・cm2以下では0コであ
り、膜の密着度が良好であった。また、Q=5×10-7To
rr・/sec・cm2以下まで脱気するのに要した時間T1は9
0minであり、タクト時間として十分に短い時間であっ
た。
量Qが5×10-7Torr・/sec・cm2以下では0コであ
り、膜の密着度が良好であった。また、Q=5×10-7To
rr・/sec・cm2以下まで脱気するのに要した時間T1は9
0minであり、タクト時間として十分に短い時間であっ
た。
(実施例2) 実施例1においてホルダー3を1枚だけ使用し基体7
をポリカーボネートのかわりにポリメチルメタアクリレ
ートとし、合計16枚、脱気処理を行っ後成膜を行った。
基体の放出ガス量を5×10-7Torr・/sec・cm2以下に
なるまで脱気し、成膜したところ、脱気不足による膜の
密着度不足は認められなかった。
をポリカーボネートのかわりにポリメチルメタアクリレ
ートとし、合計16枚、脱気処理を行っ後成膜を行った。
基体の放出ガス量を5×10-7Torr・/sec・cm2以下に
なるまで脱気し、成膜したところ、脱気不足による膜の
密着度不足は認められなかった。
(実施例3) 実施例2と同様にし、脱気室1と成膜室2が同一の真
空容器で成膜室2にて脱気処理を行ない続いて成膜を行
なう場合、基体7の放出ガス量が5×10-7Torr・/sec
・cm2以下になるよう脱気処理を行ない成膜をしたとこ
ろ脱気処理不足による膜の密着度不足は認められなかっ
た。
空容器で成膜室2にて脱気処理を行ない続いて成膜を行
なう場合、基体7の放出ガス量が5×10-7Torr・/sec
・cm2以下になるよう脱気処理を行ない成膜をしたとこ
ろ脱気処理不足による膜の密着度不足は認められなかっ
た。
(実施例4) 実施例2と同様にし、基体7をガラスに光硬化性樹脂
をコーティングしたいわゆるガラス2P基体を使用した場
合、基体7の放出ガス量が5×10-7Torr・/sec・cm2
以下まで脱気処理を行ない成膜したところ、脱気不足に
よる膜の密着度不足は認められなかった。
をコーティングしたいわゆるガラス2P基体を使用した場
合、基体7の放出ガス量が5×10-7Torr・/sec・cm2
以下まで脱気処理を行ない成膜したところ、脱気不足に
よる膜の密着度不足は認められなかった。
(実施例5) 実施例2と同様にし、スパッタ蒸着ではなく蒸着でポ
リメチルメタアクリレート基体に成膜したところ同様に
良好な結果が得られた。
リメチルメタアクリレート基体に成膜したところ同様に
良好な結果が得られた。
[発明の効果] 以上、説明したように、真空容器内において例えば樹
脂基体または樹脂コーティングした基体に堆積膜を形成
する時、成膜前の基体の放出ガス量を5×10-7Torr・
sec・cm2以下になるようにしたため良質の堆積膜を定常
的に量産することができることとなった。
脂基体または樹脂コーティングした基体に堆積膜を形成
する時、成膜前の基体の放出ガス量を5×10-7Torr・
sec・cm2以下になるようにしたため良質の堆積膜を定常
的に量産することができることとなった。
また、いかなる脱気処理装置においても、温度、排気
速度で圧力を管理することにより放出ガス量を定量的に
規定し、その値以下まで脱気した後成膜することによ
り、堆積膜の膜質の向上及びタクト時間の短縮をはかる
ことができる。これは良質の堆積膜を定常的に量産しう
るという点で効果がある。
速度で圧力を管理することにより放出ガス量を定量的に
規定し、その値以下まで脱気した後成膜することによ
り、堆積膜の膜質の向上及びタクト時間の短縮をはかる
ことができる。これは良質の堆積膜を定常的に量産しう
るという点で効果がある。
第1図は本発明の実施例に使用する堆積膜形成装置の概
念図である。第2図は、第1図のホルダーのみを表わし
た図である。 (符号の説明) 1……脱気室、2……成膜室、3……ホルダー、4……
クライオポンプ、5……仕切弁、6……メイン排気バル
ブ、7……基体。
念図である。第2図は、第1図のホルダーのみを表わし
た図である。 (符号の説明) 1……脱気室、2……成膜室、3……ホルダー、4……
クライオポンプ、5……仕切弁、6……メイン排気バル
ブ、7……基体。
Claims (2)
- 【請求項1】樹脂基体又は樹脂をコーティングした基体
上に堆積膜を形成する前に、25℃における前記基体の放
出ガス量を5×10-7Torr・l/sec・cm2以下になるように
脱気処理を行うことを特徴とする堆積膜形成方法。 - 【請求項2】脱気処理に際しては、次式により放出ガス
量を管理することを特徴とする請求項1記載の堆積膜形
成方法。 Q=S(P2−P1)/A ただし、Q:放出ガス量、S:排気速度、P2:基体の脱気完
了時の圧力、P1:基体が存在しない時の到達圧力、A:基
体表面積
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32082989A JP2710677B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 堆積膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32082989A JP2710677B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 堆積膜形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03183757A JPH03183757A (ja) | 1991-08-09 |
JP2710677B2 true JP2710677B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=18125700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32082989A Expired - Fee Related JP2710677B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 堆積膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2710677B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-11 JP JP32082989A patent/JP2710677B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH03183757A (ja) | 1991-08-09 |
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