JP2710425B2 - 溶液型接着剤 - Google Patents

溶液型接着剤

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JP2710425B2 JP28419889A JP28419889A JP2710425B2 JP 2710425 B2 JP2710425 B2 JP 2710425B2 JP 28419889 A JP28419889 A JP 28419889A JP 28419889 A JP28419889 A JP 28419889A JP 2710425 B2 JP2710425 B2 JP 2710425B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリエステル、金属、ガラスなどに優れた
接着性能を示す溶液接着剤に関する。
発明の技術的背景 エチレン・酢酸ビニル共重合体、あるいはエチレン・
アクリル酸エチルに代表されるエチレン・ビニルエステ
ル系共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
系共重合体は、化学的性質、電気的特性、低温特性、機
械的強度に優れているが、本来極性に乏しいため、金属
などの異種材料との接着性に欠けている。
これらのエチレン・酢酸ビニル共重合体(以下EVAと
略称することがある)あるいはエチレン・アクリル酸エ
チル(以下EEAと略称することがある)を金属などの異
種材料に接着する場合は、一般に極性基、反応基を導入
した変性EVA、変性EEAなどが接着材料として使用され
る。
たとえば、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)
フィルムと金属などとを接着する場合には、一般にアン
カーコート処理を予めPETフィルムに施した後、変性EVA
や変性EEAを押出コートするとか、あるいは変性EVAまた
は変性EEAフィルムとPETフィルムとをサーマルラミネー
ションまたはドライラミネーション法などにより貼合
せ、PETフィルムに接着性を付与し、この貼合せフィル
ムと金属とを熱により接着させる方法がとられている。
しかしながらこれらの方法では変性EVAや変性EEAをそ
の融点以上の高い温度で加熱溶融し、流動性をもたせな
ければならず、そのため、押出機などの熱成形機がなけ
れば接着工程を行なうことができないとか、接着フィル
ム加工工程が必要であるなど設備、コストの面で問題が
あった。
ところで接着性樹脂を有機溶剤に溶解してなる溶液型
接着剤を用いれば、上記のような問題点が解決しうる。
ところで従来知られている変性EVAや変性EEAの多くは
市場で容易に入手しうる安価な溶媒に高濃度で溶解させ
ることができず、不溶解物が生じたりあるいは非常に粘
稠な溶液となって塗布作業が容易でないという問題点が
あった。さらにまた変性EVAあるいは変性EEAを有機溶媒
に溶解させてなる溶液型接着剤を用いて被着体を接着す
ると、初期接着性は優れているものの耐水接着性におい
て必ずしも充分には満足することができなかった。
発明の目的 本発明は、上記のような背景のもとになされたもので
あって、樹脂成分と溶媒成分を選択することにより、比
較的高濃度で樹脂成分を含有することができ、しかも比
較的低粘度に調製可能な接着性に優れた溶液型接着剤が
得られることを見出したものである。したがって本発明
の目的は、金属、ガラス、PETなどに初期接着性、耐水
接着性に優れた接着層を形成させることができる溶液型
接着剤を提供することにある。本発明の他の目的は、高
濃度であるにもかかわらず、低粘度に調製が可能であっ
て、接着加工を容易に行なうことができ、したがって薄
肉の接着層を形成させることができるような溶液型接着
剤を提供することにある。
発明の概要 本発明に係る溶液型接着剤は、不飽和エステルから導
かれる構成単位の含有量が25〜50重量%であるエチレン
・不飽和エステル共重合体のシラングラフト変性体
(A):0〜50重量部、 不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が25〜
50重量%であるエポキシ基含有エチレン・不飽和エステ
ル共重合体のシラングラフト変性体(B):0〜20重量
部、 不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が30〜
50重量%であるエチレン・不飽和エステル共重合体
(C):40〜95重量部、および、 不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が25〜
50重量%であるエポキシ基含有エチレン・不飽和エステ
ル共重合体(D):0〜20重量部 からなる樹脂成分であって、(A)+(B)の総和が5
〜50重量部、(C)+(D)の総和が50〜95重量部、
(B)+(D)の総和が1〜20重量部の範囲にあり、か
つ全樹脂成分中における不飽和エステルから導かれる構
成単位の含有量が30〜50重量%の範囲にある樹脂成分10
0重量部を、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、ケ
トンおよび/またはハロゲン化炭化水素を主成分とする
溶剤250〜1000重量部に溶解してなることを特徴として
いる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る溶液型接着剤について具体的に説明
する。
本発明で用いられるエチレン・不飽和エステル共重合
体のシラングラフト変性体(A)は、不飽和エステルか
ら導かれる構成単位の含有量が25〜50重量%、好ましく
は30〜45重量%であるエチレン・不飽和エステル共重合
体に、不飽和基と加水分解可能な基とを有するシラン化
合物をグラフトさせたものである。
エチレン・不飽和エステル共重合体を製造する際に用
いられる不飽和エステルとしては、不飽和カルボン酸エ
ステルまたはビニルエステルなどが挙げられる。不飽和
カルボン酸エステルとしては、好ましくはアクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルが用いられ、より具
体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t
−ブチル、アクリル酸n−オクチルおよびアクリル酸−
2−エチルエチキルなどのアクリル酸エステル;メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘ
キシルおよびメタクリル酸−2−エチルヘキシルなどの
メタクリル酸エステルなどが用いられる。
またビニルエステルとしては、具体的には、酢酸ビニ
ルが用いられる。
このようなエチレン・不飽和エステル共重合体は、た
とえば高圧法ポリエチレンの製法と同様な方法により、
エチレンと、不飽和エステルと、必要に応じさらに他の
単量体とを共重合させることによって得られる。
エチレン・不飽和エステル共重合体としては、エチレ
ンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体が好ましく
用いられ、エチレン・不飽和カルボン酸エンステル共重
合体を用いると、後述するシラングラフト反応時におい
て不溶分が生じ難い。
不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が前記
範囲より少ない共重合体を用いた場合には、溶解性良好
なグラフト共重合体が得難くなる傾向が生ずる。
前記エチレン・不飽和エステル共重合体の190℃、216
0g荷重におけるメルトフローレート(MFR)は、0.1〜80
0g/10分、特に1〜500g/10分であることが望ましい。
上記のようなエチレン・不飽和エステル共重合体をグ
ラフト変性する際には、不飽和基と、加水分解可能な基
とを有するシラン化合物が用いられるが、不飽和基とし
ては、ビニル基、アクリロキシ基およびメタクリロキシ
基などを挙げることができ、また加水分解可能な基とし
ては、アルコキシ基、アリーロキシ基、置換アルコキシ
基、たとえばアルコキシ置換アルコキシ基およびアシロ
キシ置換アルコキシ基などを挙げることができる。
このような不飽和基と加水分解可能な基とを有するシ
ラン化合物としては、具体的には、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−
メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラ
ンなどのビニルシラン類、アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランなどのアクリル系シラン類などを挙げることができ
る。これらの化合物の中でもアクリル系シラン類を用い
ると、得られる溶液型接着剤の耐水接着性および保存安
定性などの特性がさらに向上するため好ましい。
シラングラフト変性体(A)は、たとえば上述のよう
なエチレン・不飽和エステル共重合体、不飽和シラン化
合物およびラジカル開始剤を、押出機、ニーダー、バン
バリーミキサーなどを用いて、エチレン・不飽和エステ
ル共重合体の融点以上、かつラジアル開始剤の分解温度
以上の温度で溶融混練することにより製造できる。これ
らの反応は、また適当な溶媒中で行なうこともできる。
シラングラフト変性体(A)における不飽和シラン化
合物のグラフト量は、溶融流動性、接着性、保存安定性
などを勘案すると、シラングラフト変性体(A)の重量
に対して、0.5〜5重量%特に1〜3重量%であること
が好ましい。
本発明においては、シラングラフト変性体(A)の代
わりに、あるいはシラングラフト変性体(A)と共に、
エポキシ基含有エチレン・不飽和エステル共重合体のシ
ラングラフト変性体(B)を用いることができる。
このようなエポキシ基含有エチレン・不飽和エステル
共重合体は、エチレン、不飽和エステルおよびエポキシ
基含有不飽和化合物のランダム共重合体でもよく、エチ
レン・不飽和エステル共重合体にエポキシ基含有不飽和
化合物をグラフト共重合したものであってもよい。エポ
キシ含有不飽和化合物としては、具体的には、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどが用いられ
る。上記ランダム共重合体としては、具体的には、エチ
レン・酢酸ビニル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重
合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・(メ
タ)アクリル酸グリシジル共重合体などが用いられる。
またグラフト共重合体として、シラングラフト変性体
(A)の原料となり得る前述したエチレン・不飽和エス
テル共重合体に、(メタ)アクリル酸グリシジルをグラ
フトした共重合体を例示することができる。
上記のようなエポキシ基含有エチレン・不飽和エステ
ル共重合体では、エポキシ基含有不飽和化合物は、たと
えば0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の量で含
まれていることが望ましい。
また、エポキシ基含有エチレン・不飽和エステル共重
合体における不飽和エステルから導かれる構成単位の含
有量は、25〜50重量%、好ましくは30〜45重量%であ
り、また190℃、2160g荷重におけるMFRは0.1〜800g/10
分、特に1〜500g/10分であることが好ましい。不飽和
エステルから導かれる構成単位の含有量が前記範囲より
少ない共重合体を用いた場合には、溶解性良好なグラフ
ト共重合体が得難くなる傾向が生ずる。なお、エポキシ
含有エチレン・不飽和エステル共重合体のエポキシ基含
有不飽和化合物成分として、前述した不飽和カルボン酸
グリシジルのようなエポキシ基含有不飽和エステルを用
いた場合でも、このような構成単位は上記する不飽和エ
ステルから導かれる構成単位の含有量としては計算しな
い。
エポキシ基含有エチレン・不飽和エステル共重合体の
シラングラフト変性体(B)は、シラングラフト変性体
(A)の製造で述べた方法に準じた方法で製造すること
ができる。この際、エポキシ基含有不飽和エステル共重
合体として前述のグラフト共重合体を使用するときに
は、不飽和シラン化合物とエポキシ基含有不飽和化合物
のグラフトの順序は任意であり、同時にグラフトを行な
ってもよいし、順次的にグラフトを行なってもよく、こ
の際、いずれのモノマーを先にグラフトしてもよい。シ
ラングラフト変性体(B)における不飽和シラン化合物
のグラフト量は、溶融流動性、接着性、保存性などを勘
案すると、シラングラフト変性体(B)の重量に対し
て、0.5〜5重量%特に1〜3重量%であることが好ま
しい。
本発明においては、必須成分として、エチレン・不飽
和エステル共重合体(C)が用いられ、この共重合体で
は、不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が30
〜50重量%、好ましくは30〜45重量%であることが望ま
しい。該共重合体(C)における不飽和エステルから導
かれる構成単位の含有量が前記範囲より少ないと、該共
重合体の溶剤への溶解性が低下したり、得られる溶液型
接着剤の接着性などが低下する傾向が生ずる。このよう
なエチレン・不飽和エステル共重合体(C)としては、
シラングラフト変性体(A)のベースとして用いられる
上述したようなエチレン・不飽和エステル共重合体と同
様のものが使用できる。この共重合体(C)のMFRは、
0.1〜800g/10分、好ましくは0.1〜500g/10分であること
が望ましい。
本発明においては、シラングラフト変性体(B)に代
えて、あるいは(B)と共に、不飽和エステルから導か
れる構成単位の含有量が25〜50重量%、好ましくは30〜
45重量%であるエポキシ基含有エチレン・不飽和エステ
ル共重合体(D)を使用することができる。このような
共重合体(D)としては、シラングラフト変性体(B)
のベースとして用いられる上述したようなエポキシ基含
有エチレン・不飽和エステル共重合体と同様のものが使
用できる。この共重合体(D)のMFRは、0.1〜800g/10
分、好ましくは1〜500g/10分であることが望ましい。
本発明においては、前述した樹脂成分(A)(B)
(C)(D)の合計量を100重量部とした場合、(A)
は0〜50重量部、好ましくは1〜39重量部の量で、
(B)は0〜20重量部、好ましくは1〜14重量部の量
で、(C)は40〜95重量部、好ましくは55〜91重量部の
量で、(D)は0〜20重量部、好ましくは2〜15重量部
の量で用いられることが望ましく、さらに(A)+
(B)の総和は5〜50重量部、好ましくは8〜40重量部
であり、(C)+(D)の総和は50〜95重量部、好まし
くは60〜92重量部であり、(B)+(D)の総和は1〜
20重量部、好ましくは2〜15重量部である。また上記の
(A)、(B)、(C)および(D)からなる全樹脂成
分における不飽和エステルから導かれる構成単位の全体
での含有量は30〜50重量%、好ましくは33〜48重量%で
あることが望ましい。
(A)および(B)はグラフト変性体であるため、ベ
ースポリマーよりMFRが低く、またゲル分を含有し易い
ので、低粘度の溶液接着剤を容易に調製しあるいは被着
体に塗布後にブツなどを生じないようにするために、
(A)の使用量および(A)+(B)の総使用量をあま
り多くするのは得策でなく、前記したような範囲である
ことが望ましい。また(A)+(B)の総和が前記範囲
より少なくなると、得られる溶液型接着剤の接着性、耐
水接着性などが悪化する傾向が生ずる。さらに(B)の
使用量、(D)の使用量、および(B)と(D)との使
用量の総和が前記範囲より多くなると、溶液型接着剤の
粘度調整がやや難くなったり、あるいは反応接着を妨害
する傾向が生ずる。一方、(B)および/または(D)
を全く用いない場合には、得られる溶液型接着剤の貯蔵
安定性が劣り、経時的に不溶物などを発生してしまう傾
向が生ずる。また(C)成分が前記範囲より少なくなる
と、溶液型接着剤の調製が行ない難くなったり、あるい
は粘度調整も難しくなる傾向が生ずる。
前記樹脂成分においては、また、全樹脂成分中におけ
るエポキシ基含有不飽和化合物から導かれる構成単位の
含有量は、0.002〜3重量%、好ましくは0.005〜2.5重
量%であることが望ましく、また不飽和シラン化合物か
ら導かれる構成単位の含有量は、0.01〜2.5重量%、好
ましくは0.1〜1.0重量%であることが、得られる溶液型
接着剤の接着性、貯蔵安定性などが優れているため望ま
しい。さらに樹脂成分中における不飽和エステルから導
かれる構成単位としては、貯蔵安定性、初期接着力およ
び低温での接着性のバランスを考慮すると、(メタ)ア
クリル酸エステルから導かれる構成単位と酢酸ビニルか
ら導かれる構成単位の両者が含有されていることが好ま
しく、たとえば(メタ)アクリル酸エステルから導かれ
る構成単位1重量部に対して、酢酸ビニルから導かれる
構成単位は0.06〜1.5好ましくは0.2〜1.0重量部である
ことが望ましい。
本発明においては、上記のような樹脂成分を、芳香族
炭化水素、エーテル、エステル、ケトンおよびハロゲン
化炭化水素から選ばれる溶剤を主成分とする溶剤に溶解
して溶液型接着剤を形成する。
芳香族炭化水素としては、トルエン、エチルベンゼ
ン、キシレン、混合キシレン留分などが用いられ、エー
テルとしてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルなどが用いられ、エ
ステルとしては酢酸ブチルなどが用いられ、ケトンとし
てはメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサン、イソホロンなどが用いられ、ハロゲン化
炭化水素としてはトリクロルエチレン、四塩化炭素など
が用いられる。これらは2種以上の混合物であってもよ
い。これらを主成分とする限りにおいて他の溶剤が混合
されたものであってもよい。
樹脂成分の組成や溶剤の種類によって溶解性が異な
り、また用途によって所望の樹脂成分濃度や溶液粘度な
ども異なり、一概に規定できないが、一般には樹脂成分
100重量部に対し、溶剤は、50〜1000重量部、好ましく
は400〜700重量部の量で用いられる。
本発明の溶液接着剤中には必要に応じ酸化防止剤、耐
候安定剤、難燃剤などを配合することができる。
発明の効果 本発明に係る溶液型接着剤は、保存安定性、種々の基
材に対する接着性、特に耐水接着性に優れており、また
被着体に均一かつ平滑に塗布することが可能であり、薄
膜で強固な接着層の形成が容易である。このような本発
明に係る溶液型接着剤を用いて接着することのできる被
着体としては、鉄、アルミニウム、鉛、銅、亜鉛、ニッ
ケル、スズ、鋼、各種合金などの金属、ガラス、セラミ
ックスなどの無機材料、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルな
どのポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、
オレフィン系重合体、スチレン系重合体などの熱可塑性
樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂な
どの熱硬化性樹脂、合板、パーチクルボードなどの木質
板、紙などが挙げられる。
実施例 以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例、比較例では、物性の測定および性
能の評価は以下のように行なった。
・メルトフローインデックス(MFR) JIS K−6760に準拠して測定する。
・グラフトシラン量の測定 シラングラフト変性物を約300mlのメチルアルコール
を用い、4時間ソックスレー抽出を行ない、未反応シラ
ンモノマーを抽出した。この抽出物0.5gを300℃電気炉
中で、無炎状態で灰化し、残渣をNa2CO3で溶かし、モリ
ブデンブルー発色、吸光分析により含有Si量を求め、グ
ラフトシラン良を計算により求める。
・溶剤溶解性評価 樹脂10〜35gを200ml三角フラスコにとり、10〜35重量
%の比率になるように各種有機溶剤を加えて密封し、室
温(25℃)で16時間静置する。さらに40℃恒温水槽に1
時間静置し、室温(25℃)で3時間静置後の溶解状態を
目視で観察する。
・接着特性評価 1)トルエン溶解塗布法 樹脂をトルエンに溶解させ、20重量%溶液を準備す
る。これを50μm厚、PETフィルムに20μm厚に均一塗
布し、風乾、さらに24時間減圧乾燥することによりトル
エンを除去し、樹脂コートPETフィルムを得る。
<初期接着強度> ・DRY…上記樹脂コートPETフィルムとアルミ(100μm
厚)とをヒートシーラーを用い160℃、30秒、4kg/cm2
条件で熱接着する。さらに23℃、50%RH雰囲気下で24時
間経時後、接着強度を測定する。
・WET…上記DRYの方法と同様に接着、経時後、25mm幅に
カットし、これを60℃温水に5日間浸漬後、接着強度を
測定する。
<接着強度測定条件> オートグラフトによるT型剥離強度測定 引張幅 :25mm 引張速度:100mm/分 ・溶液粘度 ブルックフィールド粘度計を用い、室温雰囲気で各種
樹脂の20重量%トルエン溶液の溶液粘度を測定する。
実施例、比較例で使用した樹脂は、下表1のとうりで
ある。
実施例1 表1に示すエチレン・アクリル酸エチル共重合体(以
下EEA)EEA−1 75重量部と、表1に示すエチレン・ア
クリル酸ノルマルブチル−グリシジルメタクリレート三
元共重合体(以下EnBAGMA)EnBAGMA25重量部とを混合
し、得られた混合物に、γ−メタクリロキシプロピル・
トリメトキシシラン2重量部およびラジカル重合開始剤
としての2,5−ジメチル、2,5−ビス(ターシャリブチル
パーオキシ)ヘキサン0.4重量部を添加し、得られた配
合物(I)を押出機(30mmφ押出機、L/D=32、変性温
度220〜240℃、スクリュー回転数40/分)中で混練し、
エチレン・アクリル酸エチル共重合体のシラングラフト
変性物を合成した。
このようにして得られたシラングラフト変性物10重量
部と、表1に示すEEA−1 90重量部とを、押出機(30m
mφ押出機、L/D=32、混練温度170℃、スクリュー回転
数50/分)中で混練し配合物(II)を得た。得られた配
合物(II)について、接着特性、溶剤溶解性、溶液粘度
を測定評価した。
結果を表2に示す。
実施例2 実施例1で得られたシラングラフト変性物50重量部
と、表1に示すEEA−1 50重量部とを、実施例1と同
様にして混練し配合物を得た。得られた配合物について
実施例1と同様に評価を行なった。
結果を表2に示す。
実施例3 実施例1で得られたシラングラフト変性物30重量部
と、表1に示すEEA−1 70重量部とを、実施例1と同
様にして混練し配合物を得た。得られた配合物について
実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表2に示す。
実施例4 実施例1で得られたシラングラフト変性物5重量部
と、表1に示すEEA−1 95重量部とを、実施例1と同
様にして混練し配合物を得た。得られた配合物について
実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表2に示す。
実施例5 実施例1で得られたシラングラフト変性物10重量部
と、表1に示すEEA−1 67.5重量部と、表1に示すEVA
−1 22.5重量部とを、実施例1と同様にして混練し配
合物を得た。得られた配合物について実施例1と同様の
評価を行なった。
結果を表2に示す。
実施例6 実施例1で得られたシラングラフト変性物10重量部
と、表1に示すEEA−1 45重量部と、表1に示すEVA−
1 45重量部とを、実施例1と同様にして混練し配合物
を得た。得られた配合物について実施例1と同様の評価
を行なった。
結果を表2に示す。
実施例7 実施例1で得られたシラングラフト変性物10重量部
と、表1に示すEEA−1 22.5重量部と、表1に示すEVA
−1 67.5重量部とを、実施例1と同様にして混練し配
合物を得た。得られた配合物について実施例1と同様の
評価を行なった。
結果を表2に示す。
実施例8 実施例1で得られたシラングラフト変性物10重量部
と、表1に示すEEA−1 90重量部とを、実施例1と同
様にして混練し配合物を得た。得られた配合物について
実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表2に示す。
実施例9 表1に示すEEA−1 50重量部と、表1に示すEnBAGMA
50重量部との混合物を、実施例1と同様にしてシラング
ラフト変性してシラングラフト変性物を得た。
このシラングラフト変性物10重量部と、表1に示すEE
A−1 45重量部と、表1に示すEVA−1 45重量部とを
実施例1と同様にして混練し、配合物を得た。得られた
配合物について実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表2に示す。
実施例10 表1に示すEEA−1 100重量部を、実施例1に記載し
た条件でシラングラフト変性してシラングラフト変性物
を得た。
このシラングラフト変性物10重量部と、表1に示すEE
A−1 44重量部と、表1に示すEVA−1 44重量部と、
表1に示すEnBAGMA2重量部とを、実施例1と同様にして
混練し配合物を得た。得られた配合物について実施例1
と同様の評価を行なった。
結果を表2に示す。
比較例1 表1に示すEEA−2 75重量部に、表1に示すEnBAGMA
25重量部を混合して、実施例1と同様にしてシラングラ
フト変性してシラングラフト変性物を得た。
得られたシラングラフト変性物10重量部と、表1に示
すEEA−1 45重量部と、表1に示すEVA−1 45重量部
とを、実施例1と同様にして混練し配合物を得た。得ら
れた配合物について実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表3に示す。
比較例2 表1に示すEVA−2 75重量部に、表1に示すEnBAGMA
25重量部を混合して、実施例1と同様にしてシラングラ
フト変性して、シラングラフト変性物を得た。
得られたシラングラフト変性物10重量部と、表1に示
すEEA−1 45重量部と、表1に示すEVA−1 45重量部
とを、実施例1と同様にして混練し配合物を得た。得ら
れた配合物について実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表3に示す。
比較例3 表1に示すEVAGMA100重量部を、実施例1と同様にし
てシラングラフト変性してシラングラフト変性物を得
た。
得られたシラングラフト変性物10重量部と、表1に示
すEEA−1 45重量部と、表1に示すEVA−1 45重量部
とを、実施例1と同様にして混練し配合物を得た。得ら
れた配合物について実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表3に示す。
比較例4 表1に示すEGMA100重量部を、実施例1と同様にして
シラングラフト変性してシラングラフト変性物を得た。
得られたシラングラフト変性物10重量部と、表1に示
すEEA−1 45重量部と、表1に示すEVA−1 45重量部
とを、実施例1と同様にして混練し配合物を得た。得ら
れた配合物について実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表3に示す。
比較例5 実施例1で得られたシラングラフト変性物10重量部
と、表1に示すEEA−2 90重量部とを、実施例1と同
様にして混練し配合物を得た。得られた配合物について
実施例1と同様の評価を行なった。
結果を表3に示す。
比較例6 表1に示すEVA−1 100重量部に、無水マレイン酸1
重量部、およびラジカル重合開始剤としての2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(ターシャリブチルパーオキシ)ヘキ
サン0.1重量部と、1,1−ビス(ターシャリブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン0.2重量部を添加し、この配合物
を押出機(30mmφ押出機、L/D=32、変性温度200〜240
℃、スクリュー回転数40/分)中で混練し、無水マレイ
ン酸グラフト変性物を合成した。得られた無水マレイン
酸グラフト変性物を用いて実施例1と同様にして評価を
行なった。
結果を表3に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和エステルから導かれる構成単位の含
    有量が25〜50重量%であるエチレン・不飽和エステル共
    重合体のシラングラフト変性体(A):0〜50重量部、 不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が25〜50
    重量%であるエポキシ基含有エチレン・不飽和エステル
    共重合体のシラングラフト変性体(B):0〜20重量部、 不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が30〜50
    重量%であるエチレン・不飽和エステル共重合体
    (C):40〜95重量部、および、 不飽和エステルから導かれる構成単位の含有量が25〜50
    重量%であるエポキシ基含有エチレン・不飽和エステル
    共重合体(D):0〜20重量部 からなる樹脂成分であって、(A)+(B)の総和が5
    〜50重量部、(C)+(D)の総和が50〜95重量部、
    (B)+(D)の総和が1〜20重量部の範囲にあり、か
    つ全樹脂成分中における不飽和エステルから導かれる構
    成単位の含有量が30〜50重量%の範囲にある樹脂成分10
    0重量部を、芳香族炭化水素、エーテル、エステル、ケ
    トンおよび/またはハロゲン化炭化水素を主成分とする
    溶剤250〜1000重量部に溶解してなる溶液型接着剤。
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