JP2965589B2 - 架橋性組成物、その用途及び架橋方法 - Google Patents

架橋性組成物、その用途及び架橋方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カルボニル基含有ポリマーをベースとする
新規な架橋系に関する。さらに詳しくは容易に架橋し、
極性材料に対して接着性、耐熱性に優れた接着剤となり
得る新規な架橋性組成物および架橋方法に関する。
[従来の技術] ホットメルト接着剤は、無溶剤で、瞬間接着、高速接
着が可能であるという工程上、経済上の利点を有してい
るため、製本、包装、木工等の分野を主体として大量に
使用されている。しかし、ホットメルト接着剤は、その
構成成分が熱可塑性樹脂であるので、接着部分がその接
着剤の融点以上に加熱されると接着部位が破壊されると
いう本質的に耐熱性が劣るという欠点を有していた。し
たがって耐熱性が要求される用途ではホットメルト化は
遅れていた。
ところで、従来からホットメルト接着剤の耐熱性を改
良するために、種々の試みが為されている。例えばベー
スポリマー、ワックス、粘着付与樹脂などの各成分に融
点の高いものを用いて接着剤の融点を高くする方法ある
いはシラン変性オレフィン系重合体やウレタンプレポリ
マーをベースポリマーとして用い、水分によって架橋す
る方法などが提案されている。しかしながら、前者の方
法においては、接着温度を高くしなければならず、作業
性に劣るという欠点がある。また、後者の方法において
大気中の水分を用いる場合には架橋速度が遅く、またベ
ースポリマーの熱安定性が悪い傾向にあり、使用される
に至っていない。
一方、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエス
テル樹脂や鉄・アルミニウム等の金属を積層するための
接着剤として、接着性、耐熱性、、耐水性共に満足すべ
きものは未だ見出されていない。例えば、不飽和カルボ
ン酸(無水物)を共重合あるいはグラフト共重合したポ
リオレフィン、共重合ポリエステル、ウレタン等を主成
分としたホットメルト接着剤や溶液接着剤あるいはエポ
キシ樹脂がシリコーン樹脂の使用も可能であるが、特に
耐水性が要求される分野においてはその使用が限定され
ていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、ホットメルト接着および溶液型の接着
が可能であり、反応速度が速い反応架橋性接着剤組成物
について検討を進めた結果、新規な架橋系を見い出すに
至った。したがって本発明の目的は、接着後に加熱をし
なくても迅速に反応架橋することができ、したがって接
着部位の耐熱性を高めたホットメルト接着剤および溶液
型接着剤になりうる新規な架橋性組成物を提供すること
にある。本発明の他の目的は、ポリエステル樹脂、金
属、塩化ビニル樹脂に対して良好な接着性を示すホット
メルト接着剤および溶液型接着剤を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、以下の記載から一層明らかに
なるであろう。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、エチレン・一酸化炭素・不飽和エス
テル共重合体100重量部に対し、一級及び/又は二級ア
ミノ基とシラノール縮合性基とを有する有機シラン化合
物を0.01〜10重量部の割合で配合してなる架橋性組成物
が提供される。本発明によればまた、上記架橋性組成物
の接着剤としての用途が提供される。本発明によればま
た、上記共重合体と上記有機シラン化合物の反応による
架橋方法が提供される。
本発明においては、エチレン・一酸化炭素・不飽和エ
ステル共重合体が用いられる。ここに不飽和エステルと
しては、不飽和カルボン酸エステルやカルボン酸のビニ
ルエステルを代表例としてあげることができる。前記、
不飽和カルボン酸エステルとしては、α,β−不飽和カ
ルボン酸エステルが好ましく、α,β−不飽和カルボン
酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸などが用いられ、エステルを構成するアルコール成分
としては、炭素数1〜10程度の直鎖又は分岐のアルコー
ルが好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、
n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、n−オクタノール、2−エチルエキサノール、n−
デカノールなどが用いられる。
このような不飽和カルボン酸エステルとしては、具体
的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸フェニル、マレイン酸ジメ
チルなどを例示することができる。また前記カルボン酸
のビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどを例示することができる。
エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体中に
おける各成分の重合割合は、広い範囲にわたって変える
ことができるが、一般にはエチレンが30〜90重量%、と
くに40〜90重量%、一酸化炭素が1〜40重量%、とくに
3〜20重量%、不飽和エステルが1〜60重量%、とくに
5〜50重量%とするのが好ましい。一酸化炭素の量があ
まり少なすぎると架橋が起こり難く、それゆえ耐熱性良
好な硬化物が得難くなるし、また、その重合割合が多く
なってくると耐候安定性が悪くなる傾向となる。また不
飽和エステル含有量が少なくなりすぎると接着性、種々
の添加剤を配合する場合の親和性、柔軟性などが不足気
味となる。さらにエチレン含有量が少なくなりすぎる
と、共重合体の結晶性及び結晶化速度が小さくなりす
ぎ、接着剤として用いたときのセットタイムが長くな
る。
このような共重合体としては、用途や添加剤の有無、
添加剤の種類と量などによっても異なるが、メルトフロ
ーレート(190℃、2160g荷重)が1〜3000g/10分程度の
ものが好ましい。
かかる共重合体を得る方法としてはすでによく知られ
ている。一般には、反応温度150〜250℃、反応圧力500
〜3000Kg/cm2の如き条件下で、エチレン、一酸化炭素及
び不飽和エステルを、バルク重合の方法でラジカル共重
合することによって得られるし、溶液重合や乳化重合で
も製造が可能である。
本発明で用いられる有機シラン化合物は、一級及び/
又は二級アミノ基とシラノール縮合性基とを有してい
る。シラノール縮合性基は、ケイ素に直結する加水分解
可能な基であって、例えば、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、プトキシのようなアルコキシ基、ホルミロキシ
基、アセトキシ基、プロピオノキシ基のようなアシロキ
シ基などを代表例としてあげることができる。有機シラ
ン化合物におけるシラノール縮合性基は、1個のケイ素
原子に対し、1〜3個結合したものであってよく、また
分子中にケイ素原子は1個又はそれ以上含有するもので
あってよい。
かかる有機シラン化合物としては、例えば、3−[N
−アリル−N(2−アミノエチル)]アミノプロピルト
リメトキシシラン、 p−[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネ
チルトリメトキシシラン、 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン 3−アミノプロピルトリエトキシシラン、 N,N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]ア
ミン、 N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピ
ル]エチレンジアミン、 N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ア
ミン、 N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エ
チレンジアミン、 N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレ
ントリアミン、 N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]トリエチ
レンテトラミン、 N−3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレン
ジアミン、 及び上記化合物のメトキシ基、エトキシ基の一部あるい
は全部が相互に変換した化合物などがあげられる。
エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体に対
する有機シラン化合物の適当な配合割合は、該共重合体
の組成、有機シラン化合物の種類などによっても異なる
が、該共重合体100重量部に対し、有機シラン化合物を
0.01〜10重量部、とくに0.1〜5重量部の割合とするの
が好ましい。有機シラン化合物の使用量が少なすぎると
架橋効果が小さく、耐熱性の優れた架橋物が得難い。一
方、その配合量が多すぎると架橋速度が速くなりすぎ、
接着剤として使用する場合、接着工程において充分なオ
ープンタイムがとれなくなる。
エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体と有
機シラン化合物の配合は種々の方法で行うことができ
る。例えば、溶融状態の共重合体と有機シラン化合物を
混合する方法、液状媒体中に溶解もしくは懸濁させた共
重合体と有機シラン化合物を混合する方法、などがあ
る。前者の方法は、本発明の硬化系をホットメルト接着
剤として使用する際の好適態様であり、後者の方法は、
溶液型接着剤、溶液型塗工剤などとして使用する際の好
適態様である。
有機シラン化合物を配合するに際し、エチレン・一酸
化炭素・不飽和エステル共重合体以外の任意添加成分で
予め希釈しておく方法を採用することができる。このよ
うな任意添加成分は、後述するエチレン共重合体の、粘
着付与樹脂、ワックスの外、各種溶剤、油、可塑剤など
である。
本発明の硬化系を接着剤用途に用いる場合、エチレン
共重合体、粘着付与樹脂、ワックスなどの付加成分を配
合してもよい。
付加成分としてのエチレン共重合体を配合することに
より架橋密度のコントロールやコストダウンを図ること
ができる。その配合量は、接着性、架橋物物性、耐熱性
などのバランスを考慮して定められるべきである。例え
ば、エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体の
倍量以下、好ましくは等重量以下とすることができる。
このようなエチルン共重合体としては、主要量のエチ
レンと、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル、
α−オレフィンなどから選ばれる単量体との共重合体を
挙げることができる。より具体的にはエチレン−(メ
タ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル共重合体などのエチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体のようなエ
チレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・プロピレ
ン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン
・プロピレン・ジエン共重合体のようなエチレン・α−
オレフィン共重合体などを例示することができる。これ
らエチレン共重合体としては、エチレン含有量が50〜85
重量%、とくに55〜80重量%のものが好ましい。
本発明で配合することができる粘着付与樹脂はホット
メルト接着剤分野ですでに知られているものであって、
脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族
系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類、スチ
レン系樹脂、クロマン・インデン樹脂などが挙げられ
る。
脂肪族系炭化水素樹脂の例としては、1−ブテン、イ
ソブチレン、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプ
レン、ピペリレンなどのC4〜C5モノまたはジオレフィン
を主成分とする重合体などが挙げられる。脂環状系炭化
水素樹脂の例としては、スペントC4〜C5留分中のジエン
成分を環化二量体後重合させた樹脂、シクロペンタジエ
ンなどの環状モノマーを重合させた樹脂、芳香族系炭化
水素樹脂を核内水添した樹脂などが挙げられる。芳香族
系炭化水素樹脂の例としては、ビニルトルエン、インデ
ン、α−メチルスチレンなどのC9〜C10のビニル芳香族
炭化水素を主成分とした樹脂などが挙げられる。ポリテ
ルペン系樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピ
ネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノール
共重合体、α−ピネン−フェノール共重合体などが挙げ
られる。ロジン類は、ガムロジン、ウッドロジン、トー
ル油などのロジン及びその変性物であって、変性物とし
ては水素添加、不均化、二量化、エステル化などの変性
手段を施したものが例示できる。ロジンエステル化物の
例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール等のエステルが
含まれる。スチレン系炭化水素樹脂とはスチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン、イソプロペニルトル
エン等の重合体である。
これら粘着付与樹脂の中では、前記エチレン・一酸化
炭素・不飽和エステル共重合体との相溶性、初期接着性
を考慮すると、ロジン類、テルペンフェノール樹脂、芳
香族系炭化水素樹脂、スチレン系炭化水素樹脂の中から
選択するのが好ましい。さらに、反応促進の効果を考慮
するとロジン類を選択する事が好ましい。
粘着付与樹脂の配合割合は、接着強度、溶融粘度など
を考慮して定められるべきであって、例えばエチレン・
一酸化炭素・不飽和エステル共重合体100重量部に対
し、400重量部以下、とくに25〜200重量部の範囲で使用
することができる。本発明の組成物にはワックスを配合
してもよい。とくに、本発明の組成物をホットメルト接
着剤として使用する場合に溶融流動性を改善する目的に
好適な手段である。このようなワックスとして具体的に
は、バラフィンワックス、マイクロワックス等の石油ワ
ックス、水ロウ、カルナバロウ、ミツロウのような天然
ワックス、結晶性ポリエチレンワックス、結晶性ポリプ
ロピレンワックス、アタクチツクポリプロピレンなどの
合成ワックスが挙げられるが、これらの中では、カルナ
バロウやミツロウの使用が好ましい。ワックスは、例え
ばホットメルト接着剤中、40重量%以下、好ましくは20
重量%以下の割合で配合することができる。
本発明の組成物にはまた、使用目的に応じ酸化防止
剤、耐候安定剤、フィラー、可塑剤、顔料、染料などを
配合してもよい。
本発明の架橋系の反応は、エチレン・一酸化炭素・不
飽和エステル共重合体の一酸化炭素に基づくカルボニル
基と、有機シラン化合物のアミノ基とが、シッフ塩基あ
るいはピロール環を生成する如く反応し、その際副生す
る水により有機シラン化合物のシラノール縮合性基が加
水分解し、Si−O−Si結合生成を伴なって架橋反応が進
行するものと考えられる。また、被着体の種類によって
は、前記加水分解に伴ない被着体と直接結合する反応も
生ずる場合があるものと考えられる。
本発明の架橋性組成物はこのような架橋反応によって
エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体の架橋
重合体が得られ、その結果機械的強度および耐熱性が著
しく改善される。このような架橋重合体はそのままで、
成形体として使用することもできるが、特に被着物上で
架橋反応が容易に行なわれ、剥離強度を大きい重合体が
得られるので接着剤用途に適している。また各種の顔料
を配合し、塗料として使用すれば強度、耐熱性の優れた
塗膜を形成することができる。
本発明の架橋性組成物は容易に架橋反応を起こすこと
ができる。特に溶融状態のエチレン・一酸化炭素・不飽
和エステル共重合体と有機シラン化合物を混合する場合
には反応が速やかに進行するので、混合後速やかに加工
を行なうか、または最終の加工形態となるような条件で
混合するかの、いずれかの方法を採用するのが好まし
い。また前記したような付加成分として、エチレン共重
合体、粘着付与樹脂、ワックス等を配合する場合には、
有機シラン化合物と接触させる前に、エチレン・一酸化
炭素・不飽和エステル共重合体と予めよく混合しておく
ことが好ましい。
接着剤または塗料として使用する場合には上記共重合
体と有機シラン化合物とを被着体上で混合し架橋反応を
行なわせることができる。
すなわち、本発明は液状媒体に溶解もしくは懸濁させ
たエチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体と、
一級及び/又は二級アミノ基とシラノール縮合性基とを
有する有機シラン化合物の混合物を被着体に塗布し反応
させること、あるいは溶融状態の上記共重合体と、上記
有機シラン化合物とを被着体上で反応させることによっ
て、エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体を
架橋する態様を包含する。
例えばホットメルト接着剤として使用する態様につい
て述べると、押出機、ホットメルトアプリケータ、注入
ポンプなどを用い、押出す直前に溶融共重合体と有機シ
ラン化合物を混合した後、被着体上に押出す方法、複数
の前記した押出し手段を用いて溶融共重合体と有機シラ
ン化合物を別個に押出し、出口近辺で混合した後被着体
に塗布する方法、複数のスプレーを用い、溶融共重合体
と有機シラン化合物を別のスプレーから被着体上に吹付
け、被着体上で拡散効果により混合する方法などを採用
することができる。あるいは被着体上に押出コーティン
グによって溶融共重合体層を形成させた後、有機シラン
化合物をスプレー塗布する方法を採用することもでき
る。
いずれの場合にも、共重合体と有機シラン化合物から
形成される被着層が固化する前に被着体ではさみ、必要
に応じて押圧力をかけ、しかる後架橋反応を進行、完結
させればよい。
また、溶液型接着剤として用いる場合について述べる
と、エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体及
び必要に応じ添加される付加成分を適当な有機溶媒に溶
解しておき、使用時に有機シラン化合物を混合して両方
または一方の被着体の被着面に塗布し、未だ湿潤状態に
ある間にあるいは乾燥した後張り合せ、このまま放置
し、あるいは必要に応じ加熱し、架橋反応を進行させ
る。有機溶媒としては例えばトルエン、キシレンのよう
な芳香族炭化水素、塩化エチル、クロロホルムのような
ハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランのようなエー
テルなどが利用できる。接着剤を塗布するには、通常用
いられている溶液接着剤用の装置が使用できる。液状媒
体に共重合体が懸濁した分散型の接着剤として用いる場
合は、溶液型接着剤と同様にして接着加工を行うことが
できる。
またエチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体
のフィルム、シート等を予め作成し、その片面または両
面にシラン化合物を塗布し、これを2枚の被着体の間に
はさみ、熱接着するとともに架橋反応を行わせることが
できる。
いずれにしても、本発明における架橋反応の温度に任
意に選択でき、例えば10〜300℃の如き温度を選ぶこと
ができる。
なお、被着体としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴム、塩
ビ系エラストマーのようなハロゲン化オレフィン重合
体、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合
体、ABS、MBSのようなスチレン系重合体、ポリエステ
ル、ポリエステルエーテル、ポリエステルポリアミド、
ポリカボネートのようなポリエステル系重合体、ポリア
ミド、ポリエーテルポリアミドのようなポリアミド系重
合体、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、金属、ガラス、
木材、パーティクルボード、紙、布、天然及び合成皮
革、合成樹脂発泡体などをあげることができる。
[発明の効果] 本発明の架橋性組成物は、ホットメルト接着剤や溶液
型接着剤など種々のタイプの接着剤として使用すること
ができる。このような接着剤は多くの基材に対して良好
な接着性を示す。例えば、初期接着性、耐熱接着性、耐
水接着性などに優れているので、建材、自動車等の内装
材、エレクトロニックス部品、塩ビ鋼板やPET鋼板など
の複合鋼板、フラットケーブル、家具、木材加工品、装
飾合板、文房具などの接着に使用することができる。
[実施例] 実施例1 エチレン−アクリル酸nブチル−一酸化炭素共重合体
(アクリル酸nブチル含有量30重量%、一酸化炭素10重
量%、メルトフローレート6g/10分)10g、テルペンフェ
ノール樹脂や(ヤスハラケミカル株式会社製品 YSポリ
スターフ100)10gを80gのトルエンに溶解した。この共
重合体溶液に、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン0.2Gを加え十分に撹拌し
た。得られた混合溶液をポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(100μm厚)、軟質アレミニウム(200μm
厚)、離型紙上にそれぞれコートし、2時間風乾した。
乾燥後のコートの厚みはいずれも100μmであった。コ
ートされたポリエチレンテレフタレートフィルム同士、
軟質アルミニウム同士をそれぞれコート面を内側にして
重ね、150℃・3秒・3Kg/cm2(実圧)の条件でヒートシ
ールした。23℃、50%相対温度の条件で1週間放置した
後、23mm巾に切り出し、T−剥離強度を測定した。ま
た、離型紙上から乾燥したフィルムをはがし、ゲル化
率、引張試験、耐熱保持時間の測定を次のようにして行
なった。
ゲル化率…試料約1gを秤量し、キシレン 100mlと共に
広口びんに入れ、110℃のオーブン中に24時間放置し
た。その後100メッシュの金網を用いて熱時ろ過し、固
形分を80℃で8時間減圧乾燥した。乾燥後に秤量して未
溶解分の重量分率を求めた。
引張試験…フィルムを23℃、湿度50%の恒温室に1日
放置した後、タンベル型に打ち抜いた。島津製作所オー
トグラフを用い、引張速度200mm/分の条件で引張強度を
測定した。
耐熱保持時間…フィルムを25mm巾の短冊状に切り、ク
ラフト紙(75g/m2)に狭み、25mm巾のヒートシーラーで
ヒートシールした。(ヒートシール条件:温度150℃、
時間3秒、圧力1Kg/cm2)。接着面が25mm×25mmの大き
さとなるように切断し、試験片を作成した。試験片を、
T型の場合は100g,剪断の場合は1Kgの荷重をかけ、100
℃のオーブンに吊して破壊が起こるまでの時間を測定し
た。
結果を表1に示す。
比較例1 N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリ
メトキシシランを加えなかった以外は実施例1と同じ樹
脂組成物のトルエン溶液を用い、実施例1と同じ被着物
に対し同じ試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例2 実施例1と同じエチレン−アクリル酸nブチル・一酸
化炭素共化合物体7.5g、エチレン・酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル含有量33重量%、メルトフローレート30g/
10分)2.5g、実施例1と同じテルペンフェノール樹脂10
gを80gのトルエンに溶かし、この樹脂組成物溶液にN−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン0.2gを加え、実施例1と同じ被着物に対し同じ
試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3 実施例1と同じエチレン・アクリル酸nブチル・一酸
化炭素共重合体7.5g、エチレン・アクリル酸エチル共重
合体(アクリル酸エチル含有量41重量%、メルトフロー
レート5g/10分)25g、実施例1と同じテルペンフェノー
ル樹脂10gを80gのトルエンに溶かし、実施例1と同じN
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン0.2gを加え実施例1と同じ試験を行った。結
果を表1に示す。
実施例4〜9、比較例2〜7 表2に示す各成分のうち、シラン化合物以外をラボプ
ラストミル(東洋精機製)に投入し、150℃、50rpmの条
件でトルクが安定するまで混練した。トルク安定後に表
2に示すシラン化合物を所定量添加して、トルク変化を
観察した。さらに試料を取り出し、実施例1に準じてゲ
ル化率を測定した。結果を表2に併記する。
実施例10 実施例1のエチレン・アクリル酸nブチル・一酸化炭
素共重合体20gを80gのトルエンに溶解し、N−(アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.2g
を加え撹拌し、ワイヤーバー(NO.24)を用いて50μm
ポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティングし
た。乾燥後にコーティング層の厚みを測定したところ15
μmであった。
このフィルムを100μm硬質アルミニウム及び0.2mmの
ナラ材と重ね、120℃,10Kg/cm2・5分間の条件でプレス
接着を行った。ポリエチレンテレフタレートと硬質アル
ミニウム積層品を25mm巾に切り出し、180゜剥離試験を
行った。また、ポリエチレンテレフタレートとナラ材積
層品を100℃温水で4時間煮沸し、剥離の有無を観察し
た。結果を表3に示す。
比較例8 実施例10においてN−(アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシランを添加しないトルエン溶液
を用い、実施例10と同じく、ポリエチレンテレフタレー
ト/硬質アルミニウム積層品の剥離試験およびポリエチ
レンテレフタレート/ナラ材積層品の耐熱水試験を行な
った。結果を表3に示す。
実施例11 実施例10において、エチレン−アクリル酸nブチル・
一酸化炭素共重合体の代りにエチレン・酢酸ビニル・一
酸化炭素共重合体(酢酸ビニル含有量28重量%、一酸化
炭素含有量9重量%、メルトフローレート35g/10分)を
用いた。また、硬質アルミニウムの代りに被着体として
5mm厚の強化ガラスを用い、実施例10と同じ試験を行な
った。結果を表3に示す。
実施例12 実施例1のエチレン−アクリル酸nブチル−一酸化炭
素共重合体から厚み0.2mmのプレスシートを作成した。
シートを100cm2切り取り、両面にN−(アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを0.03g
ずつ均一に塗布した。その後すみやかに2枚の軟質アル
ミニウム(0.2mm)にはさみ、150℃、3Kg/cm2・5秒間
ヒートシールした。1週間後23℃、50%相対湿度の条件
で放置し、25mm巾に切って、T−剥離強度を測定した。
結果を表4に示す。
比較例9 実施例12で作成したエチレン−アクリル酸nブチル−
一酸化炭素共重合体のプレスシートを、N−(アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを塗布
しないで実施例12と同じ2枚の軟質アルミニウムにはさ
み、実施例12と同じ試験を行ない、T−剥離強度を測定
した。結果を表4に示す。
各実施例および比較例の結果より、本発明の樹脂組成
物は架橋反応が迅速に進み、その結果接着剤としての剥
離強度および耐熱性が優れていることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 73/00 C08K 5/54 C09J 173/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共
    重合体100重量部に対し、一級及び/又は二級アミノ基
    とシラノール縮合性基とを有する有機シラン化合物を0.
    01〜10重量部の割合で配合してなる架橋性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の架橋性組成物に、エチレン
    共重合体、粘着付与樹脂及びワックスから選ばれる付加
    成分をさらに配合してなる架橋性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の架橋性組成物からな
    る接着剤。
  4. 【請求項4】エチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共
    重合体と、一級及び/又は二級アミノ基とシラノール縮
    合性基を有する有機シラン化合物とを反応させること特
    徴とするエチレン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合
    体の架橋方法。
  5. 【請求項5】液状媒体に溶解もしくは懸濁させたエチレ
    ン・一酸化炭素・不飽和エステル共重合体と、一級及び
    /又は二級アミノ基とシラノール縮合性基とを有する有
    機シラン化合物の混合物を被着体に塗布し反応させるこ
    とを特徴とする、エチレン・一酸化炭素・不飽和エステ
    ル共重合体の架橋方法。
  6. 【請求項6】溶融状態のエチレン・一酸化炭素・不飽和
    エステル共重合体と、一級及び/又は二級アミノ基とシ
    ラノール縮合性基とを有する有機シラン化合物とを被着
    体上で反応させることを特徴とする、エチレン・一酸化
    炭素・不飽和エステル共重合体の架橋方法。
  7. 【請求項7】被着体と被着体との間で反応を行い、接着
    させることを特徴とする請求項4、5又は6記載の架橋
    方法。
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