JP2709134B2 - ラジカル重合性組成物 - Google Patents

ラジカル重合性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気・電子工業の分野において、帯電防止
や電磁波シールド用の塗膜材料、液晶やエレクトロクロ
ミックディスプレーなどの表示素子に用いられる透明電
極材料、プリント基板の回路材料として有用なラジカル
重合性組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、電気・電子工業の分野で用いられる各種導電性
材料に対する要求は増々厳しくなってきており、軽量小
型化を可能とする材料、長期安定性や透明性を兼備した
高い機能を有する材料の出現が強く望まれている。
かかる要求を満足させるものとして、従来の炭素材料
や金属材料に代って、近年新しい有機導電性材料の開発
が盛んに行われてきており、また、かかる有機導電性材
料を利用する用途についても多くの提案がなされてい
る。
このような有機導電性材料の一つの例としては、電荷
移動錯体の一種である7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
タン錯体(以下、TCNQ錯体と略す)があげられる。この
TCNQ錯体は、アルミ固体電解コンデンサ用の電極として
既に実用に供されている。しかし、TCNQ錯体は脆い結晶
であり、従って実用に供するためには例えば以下のよう
に高分子と複合化して使用する方法が提案されている。
(1) あらかじめ高分子を溶解させたペーストに、TC
NQ錯体を分散あるいは溶解させて組成物を調製し、これ
を各種塗工法を用いて塗膜にする。
(2) 高分子を融点以上に加熱して融解状態とし、そ
れにTCNQ錯体を添加して混練して組成物を調製し、これ
を押し出して成形する。
(3) TCNQ錯体の昇華性を利用し、密閉容器内で高分
子を融点以下に加熱し、成形品を作製した後、ガス状の
TCNQ錯体を高分子中に分散させる。
しかし、(1)の方法は、高分子とTCNQ錯体の相溶性
に問題があり、溶媒が蒸発していく過程でTCNQ錯体が不
均一に析出するという欠点がある。(2)の方法は、高
分子を融解状態にするためには非常に高温を用いるた
め、TCNQ錯体の安定性に十分な注意をはらうことが必要
となる。(3)の方法は、あらかじめ成形された高分子
中にTCNQ錯体を拡散させるので、生産性、操作性に問題
がある。
一方、他の有機導電材料としては、ポリチオフェン、
ポリピロール、ポリアニリンなどのπ共役系高分子が知
られており、これらのπ共役系高分子に関しても各種の
材料と複合化する技術が提案されている。これらの一つ
の例として、本発明者は先に各種置換基を導入して溶媒
に可溶性としたπ共役系高分子とエポキシアクリレート
などのラジカル重合性化合物とを均一に混合した組成物
を用いる複合化技術を提案した(特願昭63−30583
号)。
しかし、この方法でも導電性材料が高分子であるた
め、ラジカル重合性化合物と均一に相溶した状態がなか
なか得られないという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記従来の有機導電材料を用いた組
成物の問題点を解決し、任意の形状に成形可能で、かつ
導電性の付与が可能であり、薄膜に成形する場合には、
透明性をもあわせ持つ、ラジカル重合性組成物を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によって、上記目的を達成し得るラジカル重合
性組成物が提供される。すなわち、本発明はTCNQ錯体と
ラジカル重合性化合物からなることを特徴とするラジカ
ル重合性組成物に関する。
本発明において用いられるTCNQ錯体とは、電荷移動錯
体であり、電子受容体(アクセプター)であるTCNQと電
子供与体(ドナー)とから構成される。電子供与体とし
ては、有機低分子であり、安定性、取り扱いの容易さと
いう点から、キノリン、イソキノリン、ナフトキノリ
ン、2,2−ビピリジル、4,4−ビピリジルまたはその誘導
体が好ましく、特に好適に用いられるのはN−メチルイ
ソキノリン、N−n−ブチルイソキノリンなどのように
N位をアルキル基で置換した化合物である。
本発明において用いられるラジカル重合性化合物は、
重合反応論講座,第1巻「ラジカル重合(I)」5頁〜
9頁に示されている各種の化合物を使用することができ
るが、好ましくは、スチレン、ジビニルベンゼン、p−
クロルメチルスチレン等の核置換スチレン系化合物、ア
クリル酸メチル、エポキシアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル系
化合物、メタクリル酸メチル、エポキシメタクリレート
等のメタクリル酸エステル系化合物、ジアリリデンペン
タエリスリットのごときアリリデン系化合物とポリチオ
ール化合物のごとき他の化合物との反応生成物、アリル
クロライドのごときアリル系化合物、N−ビニルピロリ
ドンのごときビニルアミド系化合物、アクリルアミド、
メタクリルアミド等のアクリルアミド系化合物、イミ
ド、ラクタム、尿素、カルバゾール系化合物などをあげ
ることができる。
これらのラジカル重合性化合物は単独で用いてもよ
く、また数種類のラジカル重合性化合物を混合して用い
てもよい。
これらのラジカル重合性化合物の中で特に好適に用い
られるのは、エポキシアクリレートまたはエポキシメタ
クリレートである。これらのラジカル重合性化合物を配
合することによって、ラジカル重合性組成物から得られ
る硬化物に耐久性が付与される。
本発明のラジカル重合性組成物の各成分の混合割合に
ついては特に制限はないが、硬化物に充分な特性を付与
するためには、組成物の重量に基づいてTCNQ錯体が0.5
〜50重量%、ラジカル重合性化合物が50〜99.5重量%で
あることが望ましい。TCNQ錯体の混合割合が0.5重量%
未満では、十分満足すべき導電性を有する硬化物が得ら
れず、またTCNQ錯体の混合割合が50重量%より多い場合
は硬化物の機械的強度が不十分である。
TCNQ錯体とラジカル重合性化合物を混合する方法には
特に制限はないが、できるだけ均一にTCNQ錯体を分散さ
せることが望ましく、そのためには加熱溶解させるかあ
るいは適当な溶媒を用いて両化合物を均一化したのち、
溶媒を除去する方法を好適に用いることができる。この
際、溶媒を除去せずに重合させてもよい。溶媒の種類に
ついては、TCNQ錯体およびラジカル重合性化合物を溶解
させるものであれば特に制限はなく、好ましくはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランのよ
うなエーテル系化合物、N,N−ジメチルホルムアミドを
あげることができる。
この均一化したラジカル重合性組成物には、必要に応
じて各種添加物を加えることができる。添加物の例とし
てラジカル重合開始剤、ラジカル重合開始助剤、顔料、
フィラーなどをあげることができる。ラジカル重合開始
剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾインイソプ
ロピルエーテルなどのカルボニル化合物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾジベンゾイルなどのアゾ化合物、
過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過硫酸アンモニウム、
クメンヒドロパーオキシドなどの過酸化物を用いること
が望ましく、また、ラジカル重合開始助剤としては、N,
N−ジメチルアミノエタノール、ジメチルアニリンなど
のアミン類を好適に用いることができる。
上記ラジカル重合性組成物は、金属、半導体、合成樹
脂、セラミック、紙、繊維等の各種固体表面に塗布、吹
付け、沈積等によって、その表面をコーティングし、こ
れらの物品に硬化塗膜を有する物品を製造することがで
きる。
また、ラジカル重合性組成物は、バッチ式または連続
式に流延乾燥して希望する厚さのフィルムを製造するこ
とができる。
同様に、ラジカル重合性組成物を種々の形のモールド
に注型してモールド内で重合させることによってモール
ドの形をした物品を製造することができる。
本発明のラジカル重合性組成物を重合させる方法には
特に制限はなく、熱、紫外線、電子線、X線など各種エ
ネルギー源を用いて重合させることができるが、好まし
くは紫外線、電子線で重合させる方法が操作性がよく、
またパターン形成の解像力も良好なので好適に用いられ
る。
〔実 施 例〕
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例 1 エポキシアクリレート樹脂(昭和高分子(株)社製、
リポキシR−806)10gおよびN−n−ブチルイソキノリ
ニウム−TCNQ錯体1gをN,N−ジメチルホルムアミド100g
に加えて撹拌し、緑色の均一溶液を得た。この溶液にラ
ジカル重合開始剤であるベンゾインイソプロピルエーテ
ル0.15gを添加して均一に分散させてから、ガラス板上
に膜厚20μmの厚さで塗布し、高圧水銀ランプ(出力75
W/cm)1灯を用いて空気中で紫外線硬化を行い、硬化塗
膜を作製した。
この硬化塗膜の表面抵抗は4.2×104Ω/□であり、λ
=600nmでの光の透過率は92%であった。
実施例 2 エポキシアクリレート樹脂(昭和高分子(株)社製、
リポキシsp−1509)10gおよびN−メチルイソキノリニ
ウム−TCNQ錯体0.5gをテトラヒドロフラン50gに加え撹
拌し、緑色の均一溶液を得た。以下、実施例1と同様の
方法で硬化塗膜を作製した。この硬化塗膜の表面抵抗は
5.4×105Ω/□であり、λ=600nmでの光の透過は94%
であった。
〔発明の効果〕
本発明のラジカル重合性組成物は、TCNQ錯体とエポキ
シアクリレートのようなラジカル重合性化合物とから構
成され、各成分が有機低分子であるので容易に均一分散
状態が得られ、比較的低いTCNQ錯体の含有量で硬化物全
体を導電化できる利点がある。
従って、本発明のラジカル重合性組成物は、ラジカル
重合性化合物が有する特性を損うことなく硬化物に導電
性を付与することができ、特にラジカル重合性化合物と
してエポキシアクリレートを使用した場合は、エポキシ
アクリレートが本来有する耐久性、透明性、密着性など
の特性を損うことなく硬化物に導電性を付与できる効果
があり、帯電防止あるいは電磁波シールド用材料とし
て、または増々厳しくなってきている各種電子機器類の
包装材料として極めて有用である。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯体
    を0.5〜50重量%、ラジカル重合性化合物を50〜99.5重
    量%含み、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯体に
    おける電子供与体が有機低分子であることを特徴とする
    ラジカル重合性組成物。
  2. 【請求項2】7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯体
    における電子供与体が、キノリン、イソキノリン、ナフ
    トキノリン、2,2−ビピリジル、4,4−ビピリジルまたは
    その誘導体である請求項1に記載のラジカル重合性組成
    物。
  3. 【請求項3】7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯体
    における電子供与体が、N位をアルキル基で置換した化
    合物である請求項2に記載のラジカル重合性組成物。
  4. 【請求項4】ラジカル重合性化合物が、核置換スチレン
    系化合物、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸
    エステル系化合物、アリリデン系化合物とポリチオール
    化合物との反応生成物、アリル系化合物、ビニルアミド
    系化合物、アクリルアミド系化合物、イミド、ラクタ
    ム、尿素、もしくはカルバゾール系化合物、またはこれ
    らの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載のラジ
    カル重合性組成物。
  5. 【請求項5】ラジカル重合性化合物が、エポキシアクリ
    レートまたはエポキシメタクリレートである請求項1〜
    3のいずれかに記載のラジカル重合性組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のラジカル
    重合性組成物を固体表面にコーティングした後に重合さ
    せることを特徴とする硬化膜の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のラジカル
    重合性組成物をバッチ式または連続式に流延した後に重
    合させることを特徴とするフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載のラジカル
    重合性組成物をモールドに注型してモールド内で重合さ
    せることを特徴とするモールドの形をした物品の製造方
    法。
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