JP2708051B2 - 指紋像入力装置 - Google Patents

指紋像入力装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 指紋照合装置等に対して指の指紋像を入力するための
指紋像入力装置に関し、 装置を構成する部品数を減少させると共に、装置が分
解された時でも生体識別処理の方式を容易に推察されな
いようにすることを目的とし、 検出対象の指に対して光を照射し、該指の指紋像を指
紋結像光学系により画像検出手段上に結像して指紋像の
入力を行う指紋像入力装置であって、前記画像検出手段
は色識別機能を備え、該画像検出手段により得られた指
紋像において、前記指の押圧力の増加による色の変化を
検出して該指が生体のものであるか否かを識別するよう
に構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、指紋像入力装置に関し、特に、指紋照合装
置等に対して指の指紋像を入力するための指紋像入力装
置に関する。
近年、電子計算機等を利用した情報システムが社会全
般に導入されるのに伴い、システムの保全性(セキュリ
ティ)を如何に確保するかが問題となっている。例え
ば、電算機室への入室や端末等の情報システムを利用す
る際の本人確認の手段としては、従前、IDカードや暗証
番号によるものが一般に使用されている。しかし、IDカ
ードには紛失・盗難の恐れだけでなく、磁気情報を複製
して偽造カードが作られてしまうといった危険もある。
さらに、暗証番号は、一般に、覚え易い生年月日等とす
ることが多いために、本人の周辺情報から容易に推察さ
れるといった問題点も指摘されている。
そこで、IDカード等に代わる本人確認の手段として、
「万人不同」・「終生不変」という二大特徴を有する指
紋を利用することが注目されて来ており、各所で指紋を
用いた簡便な個人照合装置等の研究開発が進められてい
る。このような指紋照合装置等は、指紋を画像として取
り扱うため、指紋を画像データに変換する指紋像入力装
置が要望されている。
〔従来の技術〕
第3図は典型的な指紋像入力装置の構成を概略的に示
す図であり、参照符号Fは検出対象の指,101は指紋像を
検出するために照射する光源,103はレンズ,104は画像検
出器,105は透明体である。
第3図に示されるように、指紋像入力装置は、ガラス
等で構成された透明体105の検査面151上に指Fを接触さ
せ、光源103からの光を指F全体に照射し、指Fにおけ
る指紋の隆線部分(凸部分)の散乱光の中から透明体10
5の界面で全反射する成分をレンズ103でカラーCCD(電
荷結合素子)等の画像検出器104上に結像させるように
なされている。そして、画像検出器104により得られた
指紋の隆線パターンの画像(指紋像)は、例えば、指紋
照合システムに使用され、指紋照合用データとして登録
されたり、また、既に登録されている指紋照合用データ
と対比されて本人かどうかの判別が行われることにな
る。
しかしながら、例えば、指紋照合システムに登録され
た指紋と全く同じ凹凸をもつレプリカが使用された場
合、そのレプリカによっても指紋が照合することにな
り、セキュリティが破られる恐れがある。そこで、指紋
像入力装置に接触した検知対象の指Fが人間の指(生
体)であるか、レプリカ(非生体)であるかを識別する
生体識別機構を指紋像入力装置に設けることが必要とさ
れている。
第4図は従来の生体識別の1つの手法を説明するため
の図であり、人体の脈動に起因する透過光量の変化を利
用した生体識別方法を説明するものである。これは、指
Fの両側に発光器181および受光器182を配置し、指F内
部を透過する光が脈動と同じ周期で変化することを利用
するもので、透過率の変化を受光器182で電気信号に変
換し、その信号変化から指Fが生体か非生体かを識別す
るものである。しかし、この脈動を利用した生体識別方
法は、脈動を検出するために、電気信号を或る程度の時
間継続してモニターする必要があり、瞬時に生体か否か
の識別を行うことができないという問題がある。
第5図は従来の生体識別の他の手法を説明するための
図であり、指の皮膚抵抗を利用した生体識別方法を説明
するものである。これは、指の接触面F′に透明電極19
1,192を設けて指の抵抗値を測定し、予め設定されたレ
プリカの抵抗値と比較することにより生体か非生体かを
識別するものである。しかし、この皮膚抵抗を利用した
生体識別方法は、測定される皮膚の抵抗値が各個人によ
り異なるだけでなく、皮膚の乾湿状態等により大きく変
化するため、レプリカとの識別を行うのが難しい。さら
に、透明電極191,192のパターンも指紋像と一緒に画像
として取り込まれるため、電極パターン像が指紋像に影
響を与える恐れもある。
このような従来の生体識別方法に対して、本出願人
は、無圧時と押圧時で指の色が変化することを利用した
生体識別方法に注目した。すなわち、第6図(a)に示
されるように、無圧時の指表面は、赤味がかった色であ
るのに対して、押圧時の指表面は、白っぽい色に変化す
る。このことは、ガラス板等に指を押し当てながらガラ
ス板を通して指表面を観察することによって容易に追認
することができる。
第7図は人の皮膚の分光反射率特性を示す図であり、
無圧時および押圧時の皮膚の分光反射率を測定した結果
を示すグラフである。このグラフによれば、無圧時と押
圧時との間で波長400〜600nm付近に大きな変化が認めら
れる。波長400〜600nmは可視光線の青色および緑色の領
域に相当し、また、600nmを越えた640〜700nmは赤色領
域に相当している。すなわち、第7図から無圧時と押圧
時では、赤色領域の相対反射率はそれほど変化しない
が、無圧時において青色および緑色領域の相対反射率が
大きく減少していることがわかる。このことから、例え
ば、青色または緑色領域の分光反射光量を無圧時および
押圧時の双方で検出し、その光量の変化から生体の識別
を行うことができる。
第8図は従来の生体識別機能を備えた指紋像入力装置
の一例を示すブロック図であり、参照符号160は発光素
子160aおよび受光素子160bで構成された光スイッチ,162
はレンズ,163はカラーCCDである。
第8図に示されるように、この指紋像入力装置は、透
明体102の検査面102aに接触する前の指Fの画像と、指
Fが検査面102aに押し当てられた後の指Fの画像とをレ
ンズ162および色識別機能を有する画像検出器(例え
ば、カラーCCD)163により検出し、それらの画像の色の
変化を比較することによって、検査面102aに押し当てら
れた指Fが生体のものであるか否かを識別するようにな
されている。すなわち、画像検出器163は、赤色検出素
子(R),緑色検出素子(G)および青色検出素子
(B)で構成され、各色検出信号は比較回路161に供給
されるようになされている。この比較回路161には、光
スイッチ160の出力信号が供給されていて、指Fが検査
面102aに接触する前を認識して該指Fの画像を取り込
み、指Fが検査面102aに押し当てられた後の指Fの画像
との比較を行えるようになされている。ここで、指紋照
合等に使用される指Fの指紋像は、指Fが検査面102aに
押し当てられた後、前述の第2図に示すような装置によ
り検出するようになされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したように、従来、生体識別機能を備えた指紋像
入力装置が提案されているが、この従来の指紋像入力装
置は、第8図に示されるように、生体識別を行う専用の
光学系(レンズ)162,画像検出器163および比較回路161
を必要とするため、装置の部品数が増加するだけでな
く、指紋像入力装置が分解された場合に生体識別処理の
方式が容易に推察されてしまう恐れがあった。
本発明は、上述した従来の指紋像入力装置が有する課
題に鑑み、装置を構成する部品数を減少させると共に、
装置が分解された時でも生体識別処理の方式を容易に推
察をされないようにすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明に係る指紋像入力装置の原理を示す図
である。
本発明によれば、検出対象の指Fに対して光Lを照射
し、該指Fの指紋像を指紋結像光学系3により画像検出
手段4上に結像して指紋像の入力を行う指紋像入力装置
であって、前記画像検出手段4は色識別機能を備え、該
画像検出手段4により得られた指紋像において、前記指
Fの押圧力の増加による色の変化を検出して該指が生体
のものであるか否かを識別するようにしたことを特徴と
する指紋像入力装置が提供される。
〔作 用〕
上述した構成を有する本発明の指紋像入力装置によれ
ば、第1図に示されるように、光源1から透明体2の検
査面21上に接触された指Fに対して光Lが照射され、該
光照射により現出した指Fの指紋像が指紋結像光学系3
で画像検出手段4上に結像される。さらに、画像検出手
段4で検出された指紋像は、指紋像入力処理手段5で、
例えば、指紋照合等の処理が行われる。そして、指Fが
生体のものであるか否かの識別は、生体識別手段6にお
いて、指Fが検査面21に接触した瞬間の指紋像(画像検
出手段4により最初に検出される指紋像)と、指Fが検
査面21に押し当てられた後の指紋像(画像検出手段4に
より安定して検出される指紋像)との色の変化を比較判
定することにより行われる。
すなわち、本発明の指紋像入力装置によれば、指紋像
の入力処理と指の生体識別処理とは、同一の指紋結像光
学系3および画像検出手段4を使用して行われるため、
外観上、生体識別機能を持たない指紋像入力装置と同一
の部品により構成されることになる。これにより、装置
の部品数が減少するだけでなく、仮に、装置が分解され
たとしても生体識別処理の方式を推察することが困難と
なる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明に係る指紋像入力装置の
実施例を説明する。
第2図は本発明の指紋像入力装置の一実施例を示すブ
ロック図である。また、第1図は本発明に係る指紋像入
力装置の原理を示す図であるが、この第1図も参照して
指紋像入力装置の一実施例を説明する。
第1図および第2図に示されるように、本実施例の指
紋像入力装置は、指Fに対して光Lを照射する光源1,透
明体2,レンズ3および画像検出手器4を備えている。さ
らに、本実施例の指紋像入力装置は、画像検出手器4で
得られた指紋像を利用して指紋照合等の処理を行う指紋
像入力処理部5および指Fの生体識別を行う生体識別部
6を備えている。
透明体2はガラス等の光透過性物質で構成され、その
上部には検出対象の指Fを接触させる検査面21が設けら
れている。透明体2の一端には絞り31を介してレンズ3
が一体的に設けられている。このレンズ3は、透明体2
の内部で全反射された光(指紋像をカラーCCD等の画像
検出手器4に結像するために使用されるものである。ま
た、透明体2の他端には鏡22が設けられていて、指Fか
らの光をレンズ3の方向へ反射するようになされてい
る。ここで、絞り31は、レンズ3が要する光学的収差を
減少させるために挿入されたもので、固定絞りとされて
いる。また、画像検出手器4は、例えば、赤色検出素子
(R),緑色検出素子(G)および青色検出素子(B)
を備えた色識別機能を有するカラーCCDで構成されてい
る。
画像検出手器4により得られた画像は、R,G,B分離回
路7を介して指紋像入力処理部5および生体識別部6に
供給されている。ここで、指紋像入力処理部5に対して
は、例えば、光学系の持つ色収差の影響を取り除くため
に指紋像の赤色成分Rだけが供給され、生体識別部6に
は、指紋像における赤色成分R,緑色成分Gおよび青色成
分Bの全てが供給されるようになされている。
指紋像入力処理部5は、画像取り込み回路51と指紋照
合回路52で構成され、画像取り込み回路51にはR,G,B分
離回路7により分離された赤色Rの指紋像の信号だけが
供給されている。そして、取り込まれた画像信号は、指
紋照合回路52に供給され、例えば、指紋の照合処理が行
われるようになされている。ここで、指紋照合に使用す
る指紋像の信号は、赤色Rの画像信号に限定されないの
はいうまでもない。
次に、本実施例の指紋像入力装置における指Fの生体
識別処理を説明する。本実施例の生体識別処理は、第6
図(a),(b)および第7図を参照して説明したよう
に、無圧時と押圧時で指の色が変化することを利用した
ものである。すなわち、第6図(a)に示されるよう
に、無圧時の指表面は、赤味がかかった色であるのに対
して、押圧時の指表面は、白っぽい色に変化することを
利用するものである。
生体識別部6は、色ずれ補正回路61と色識別回路62で
構成され、色ずれ補正回路61には、R,G,B分離回路7か
ら赤色R,緑色Gおよび青色Bの全ての色の指紋像信号が
供給されるようになされている。この色ずれ補正回路61
では、各色の指紋像信号の色ずれを補正して色識別回路
62に色ずれ補正された指紋像信号を供給する。色識別回
路62では、指Fが検査面21に接触した瞬間の指紋像(画
像検出手段4により最初に検出される指紋像)と、指F
が検査面21に押し当てられた後の指紋像(画像検出手段
4により安定して検出される指紋像)との色の変化を比
較判定して、指Fが生体のものであるか否かの識別を行
うようになされている。すなわち、指Fの検査面21に対
する押圧力が小さい指Fが検査面21に接触した瞬間の指
紋像は、隆線の色が赤身を帯びており、そして、指Fの
検査面21に対する押圧力が大きい指Fが検査面21に押し
当てられた後の指紋像は、隆線の色が白っぽい肌色とし
て検出される。このように、色識別機能を有する画像検
出器4からR,G,B分離回路7および色ずれ補正回路61を
介して色識別回路62に供給される指紋像の色情報の変化
から生体識別を行い、指Fが生体のものであると確認さ
れると、指紋照合回路52に対して信号を送出し、直ちに
指紋像の照合を行う。
このように、本実施例の指紋像入力装置は、指紋像の
入力装置の指の生体識別処理とは、同一の指紋結像光学
系3および画像検出手段4を使用するため、外観上、生
体識別機能を持たない指紋像入力装置と同一の部品によ
り構成されることになる。これにより、装置の部品数を
減少することができるだけでなく、仮に、装置が分解さ
れたとしても生体識別処理の方式を容易に推察されない
ようにすることができる。また、生体識別と指紋検出が
短時間の内に行うことができる。
以上において、指Fの押圧力に対する色の変化は人間
の指独特の現象であり、このような人間の指の特性を持
たせたレプリカを作成するのは困難である。また、指紋
像入力装置を悪意のユーザが分解したとしても、生体の
識別専用の光学系および画像検出器が存在しないので、
直ちに本実施例における生体識別処理の方式を推察する
ことが困難であり、システムの安全を保持することがで
きる。
〔発明の効果〕
以上、詳述したように、本発明に係る指紋像入力装置
は、生体識別を行うために使用する結像光学系および画
像検出器が指紋像を検出するのと同一のものであるた
め、装置を構成する部品数を減少させると共に、装置が
分解された時でも生体識別処理の方式を容易に推察され
ないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る指紋像入力装置の原理を示す図、 第2図は本発明の指紋像入力装置の一実施例を示すブロ
ック図、 第3図は典型的な指紋像入力装置の構成を概略的に示す
図、 第4図は従来の生体識別の1つの手法を説明するための
図、 第5図は従来の生体識別の他の手法を説明するための
図、 第6図は無圧時および押圧時における指の色をそれぞれ
示す図、 第7図は人の皮膚の分光反射率特性を示す図、 第8図は従来の生体識別機能を備えた指紋像入力装置の
一例を示すブロック図である。 (符号の説明) 1……光源、 2……透明体、 21……検査面、 3……指紋像結像光学系(レンズ)、 31……絞り、 4……画像検出手段、 5……指紋像検出手段、 6……生体識別手段、 7……R,G,B分離回路、 F……指。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検出対象の指(F)に対して光(L)を照
    射し、該指の指紋像を指紋結像光学系(3)により画像
    検出手段(4)上に結像して指紋像の入力を行う指紋像
    入力装置であって、 前記画像検出手段は色識別機能を備え、該画像検出手段
    により得られた指紋像において、前記指の押圧力の増加
    による色の変化を検出して該指が生体のものであるか否
    かを識別するようにしたことを特徴とする指紋像入力装
    置。
  2. 【請求項2】検査面(21)を有する透明体(2)と、 該検査面上に接触された指(F)に光(L)を照射して
    指紋像を現出させる光源(1)と、 前記指紋像を結像する指紋結像光学系(3)と、 該結像された指紋像を電気信号に変換する色識別機能を
    備えた画像検出手段(4)と、 該電気信号に変換された指紋像を取り込んで所定の処理
    を行う指紋像入力処理手段(5)と、 前記電気信号に変換された指紋像を取り込んで、該指紋
    像における前記指が前記検査面に接触した瞬間の分光反
    射特性と、該指紋像における前記指が前記検査面に押圧
    された時の分光反射特性との違いを利用して該指が生体
    のものであるか否かを識別する生体識別手段(6)とを
    具備する指紋像入力装置。
  3. 【請求項3】前記指紋像入力処理手段は、R,G,B分離回
    路(7)により分離された前記画像検出手段からの指紋
    像における所定の色信号だけを取り込むようになってい
    る請求項第2項に記載の指紋像入力装置。
  4. 【請求項4】前記指紋像入力処理手段は、前記画像検出
    手段で電気信号に変換された指紋像を取り込む画像取り
    込み回路(51)と、該画像取り込み回路の出力により指
    紋照合を行う指紋照合回路(52)とを備えている請求項
    第2項に記載の指紋像入力装置。
  5. 【請求項5】前記生体識別手段は、前記取り込まれた指
    紋像の色ずれを補正する色ずれ補正回路(61)と、該色
    ずれ補正回路の出力信号の変化を検出して前記指の生体
    識別処理を行う色識別回路(62)とを備えている請求項
    第2項に記載の指紋像入力装置。
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