JP2707745B2 - 映像用特殊再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビデオテープレコーダ（VTR）やビデオデ
ィスクプレーヤ等の映像機器において、フィールドメモ
リ等を用いて静止画再生やストロボ再生等の特殊再生を
行う映像用特殊再生装置に関するものである。

従来の技術 VTRやビデオディスクプレーヤ等の映像機器におい
て、静止画再生やストロボ再生等の特殊再生を行う際に
は、メモリ容量の観点から通常１フィールド分程度の記
憶容量をもつメモリを用いて構成される。ところが、テ
レビジョン信号の１フィールド分は、262.5水平走査期
間となっており、フィールドごとにメモリの読み出しア
ドレスを一定の開始アドレスに戻すと水平同期信号の位
置が1/2水平走査期間だけずれてしまい、モニタに映す
と水平のスキューとなって現れる。また、テレビジョン
信号は、インタレース走査のための偶数フィールドと奇
数フィールドで、垂直同期信号の位置が水平同期信号に
対して1/2水平走査期間だけ異なる構成となっており、
１フィールド分のメモリを、単に読み出しただけでは垂
直同期信号の位置が、偶数フィールドか或いは奇数フィ
ールドのいづれかに固定されてしまいインタレースしな
くなる。したがって、１フィールド分のメモリを用いて
特殊再生を行なう際には、読み出された映像信号中の水
平同期信号および垂直同期信号の連続性に注意する必要
がある。

このような、水平同期信号や垂直同期信号の連続性を
考慮した映像用特殊再生装置としては、たとえば、「線
速度一定（CLV）ディスクの特殊再生方式」（1986年、
テレビジョン学会全国大会）において示されるような方
式が、従来から知られている。

第５図は、従来の映像用特殊再生装置について、その
構成を示したブロック図である。この従来の映像用特殊
再生装置は、水平同期信号および垂直同期信号について
はメモリに書き込まずに、読み出した後で基準の同期信
号に同期して、水平同期信号および垂直同期信号を付加
することにより、水平同期信号および垂直同期信号の連
続性を保持するものである。

第５図において、１はアナログの映像信号をディジタ
ル信号に変換するアナログ／ディジタル変換器（A/
D）、２はランダムアクセスメモリ（RAM）などで構成さ
れる映像信号を記憶することのできるメモリ、３はディ
ジタルの映像信号をアナログ信号に変換するディジタル
／アナログ変換器（D/A）、４は入力映像信号中の同期
信号に同期して書き込みクロックを生成するための書き
込みクロック生成回路、５はメモリ２の書き込みアドレ
スを制御するための書き込みアドレス制御回路、６はメ
モリ２の読み出しアドレスを制御するための読み出しア
ドレス制御回路、７は基準同期信号発生回路８で作成し
た基準同期信号に同期した読み出しクロックを生成する
ための読み出しクロック生成回路である。また、９はア
ナログ映像信号の入力端子、10は再生映像信号の出力端
子であり、11は入力映像信号から同期信号を分離するた
めの同期信号分離回路、12はD/A3でアナログ信号にもど
された映像信号に基準同期信号発生回路８で作成した同
期信号を挿入する同期信号挿入回路である。

以上のように構成された従来の映像用特殊再生装置に
ついて以下その動作を説明する。

まず、入力端子９より入力された映像信号は、A/D変
換器１に入力されると共に、同期信号分離回路11に送ら
れ、ここで、入力映像信号から水平同期信号と垂直同期
信号が分離される。一方、A/D変換器１に入力されたア
ナログの映像信号は、ここでディジタルの映像信号に変
換され、メモリ２に送られる。書き込みクロック生成回
路４では、同期信号分離回路11で分離された水平同期信
号に同期して、書き込みクロックが生成される。また、
書き込みアドレス制御回路５は、同期信号分離回路11で
分離された水平同期信号及び垂直同期信号に同期してメ
モリ２の書き込みアドレスを制御する。このとき、書き
込みアドレス制御回路５は、水平同期信号及び垂直同期
信号の期間中は、メモリ２の書き込みアドレスを固定す
る構成となっている。したがって、メモリ２には水平同
期信号及び垂直同期信号以外の映像信号が書き込まれ
る。ここでメモリ２の書き込み内容について、第６図を
用いて示す。第６図（ａ）は映像信号の１水平走査期間
を示したもので、メモリ２には水平同期信号を除く映像
信号成分が書き込まれる。第６図（ｂ）は１フィールド
分の映像信号について、メモリ２の書き込み内容を示し
たものであり、図に示す如く、水平同期信号、垂直同期
信号を除く斜線で示す領域が書き込まれるものである。

基準同期信号発生回路８からはメモリ２からの映像信
号の読み出しの際に基準となる水平同期信号及び垂直同
期信号が出力されており、同期信号挿入回路12及び読み
出しクロック生成回路７に入力されている。読み出しク
ロック生成回路７は、基準同期信号発生回路８からの基
準の水平同期信号に同期して読み出しクロックを生成す
る。読み出しアドレス制御回路６は、基準同期信号発生
回路８からの基準の水平同期信号及び垂直同期信号に同
期してメモリ２の読み出しアドレスを制御する。その結
果、メモリ２からは、基準同期信号発生回路８で発生し
た同期信号に同期して映像信号が読み出される。D/A変
換器３は、メモリ２から読み出されたディジタルの映像
信号をアナログの映像信号に変換して出力する。同期信
号挿入回路12は、基準同期信号発生回路８からの、基準
の水平同期信号及び垂直同期信号を、D/A変換器３の出
力であるところのアナログ映像信号に挿入する。したが
って、同期信号挿入回路12の出力すなわち出力端子10か
らは、基準同期信号発生回路８で発生した基準の同期信
号に同期した映像信号が得られる。

以上の構成により、映像用特殊再生装置が実現され、
入力映像信号における同期関係とは独立に、水平同期信
号，垂直同期信号の連続な映像信号が再生出力される。

発明が解決しようとする課題 上記従来方式は、メモリに水平同期信号および垂直同
期信号は記憶せず、メモリから映像信号を読み出して、
アナログの映像信号に変換した後に、水平同期信号およ
び垂直同期信号を挿入して、同期信号の連続性を保持す
る方式を採用している。したがって、アナログ信号処理
技術にもとづく信号制御部分が増え、もって回路構成も
複雑となり、コストも高くなる等の課題を有していた。

本発明は上記課題を解決するもので、映像信号の特殊
再生処理において最も大きな課題である同期信号の処理
について、特に水平同期信号の連続性を簡単な回路構成
で保持できるアドレス制御手段を具備する映像用特殊再
生装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明の映像用特殊再生装
置は、同期信号まで含めて映像信号を記憶することので
きる少なくとも１フィールド分の記憶容量を有する記憶
手段と、前記記憶手段には映像信号の垂直同期信号を書
き込み開始のタイミングとして映像信号を書き込むよう
に書き込みアドレスを制御する書き込み手段と、前記記
憶手段からの映像信号の読み出しには読み出しアドレス
を制御して映像信号を読み出す読み出し手段と、前記記
憶手段に書き込まれている映像信号のフィールドが偶数
番目のフィールドか奇数番目のフィールドかを検出する
フィールド種別識別手段とを備え、前記フィールド種別
識別手段により前記記憶手段に書き込まれたフィールド
の種別が変化したことを検出したときには、前記読み出
し手段の読み出しアドレスの開始位置に1/2水平走査期
間のオフセットを与える構成を有する。

作用 上記構成により、メモリからの映像信号の読み出しの
際に、メモリに書き込まれている映像信号のフィールド
番号と現在読み出そうとしているフィールド番号に応じ
て、メモリの読み出しスタートアドレスが制御される。
したがって映像信号の書き込みタイミングが変化しても
読み出された映像信号の水平同期信号の連続性を保持す
ることが可能となる。

実施例 以下、本発明の一実施例の映像用特殊再生装置につい
て図面を用いて説明する。第１図は、本発明による映像
用特殊再生装置の実施例の構成を示すブロック図であ
る。第１図において、１はアナログの映像信号をディジ
タル信号に変換するA/D変換器、２はRAM等で構成される
１フィールド分の映像信号を記憶することのできるメモ
リ、３はメモリ２から読み出されたディジタルの映像信
号をアナログ信号に変換するD/A変換器、４はメモリ２
へ書き込みクロックを供給する書き込みクロック生成回
路、６はメモリ２の読み出しアドレスを制御する読み出
しアドレス制御回路、７はメモリ２の読み出し用のクロ
ックを発生する読み出しクロック生成回路である。さら
に、９は映像信号入力端子、10は映像出力端子、11は映
像信号に含まれる水平同期信号および垂直同期信号を分
離する同期分離回路、８はメモリ２からの読み出しの際
に基準となる水平同期信号および垂直同期信号を発生す
る基準同期信号発生回路である。また13は、メモリ２へ
の書き込みアドレスを制御するための書き込みアドレス
制御回路、14はメモリ２から読み出された映像信号の1/
2水平走査期間のずれを検出するスキュー検出回路であ
る。

以上のように構成された本実施例の映像用特殊再生装
置について、以下その動作を説明する。

入力端子９より入力されたアナログ映像信号はA/D変
換器１に送られるとともに、同期分離回路11に送られ、
映像信号から水平同期信号と垂直同期信号が分離され
る。A/D変換器１に入力されたアナログの映像信号は、
ディジタルの映像信号に変換され、メモリ２に送られ
る。一方、書き込みクロック生成回路４では、同期分離
回路11で分離された水平同期信号に同期した書き込みク
ロックが生成される。また、書き込みアドレス制御回路
13では、同期分離回路11で分離された水平同期信号およ
び垂直同期信号に同期してメモリ２の書き込みアドレス
を制御するための制御信号が作成され、メモリ２に供給
される。このとき、書き込みアドレス制御回路13は、第
５図に示す従来例の場合と異なり、映像信号における同
期信号の期間中も、アドレスを連続的に発生する構成と
なっており、したがって、メモリ２には同期信号まで含
めて１フィールド分の映像信号が書き込まれる。

基準同期信号発生回路８では、メモリ２の読み出しの
際に基準となる水平同期信号および垂直同期信号が発生
されており、読み出しクロック生成回路７では、この基
準の水平同期信号に同期した読み出しクロックが発生さ
れる。読み出しアドレス制御回路６では、基準同期信号
発生回路８で発生された規準の水平同期信号および垂直
同期信号に同期して読み出しアドレスが発生される。ま
た同時にこの読み出しアドレス制御回路６はスキュー検
出回路14によって制御され、メモリ２から読み出された
映像信号の水平同期信号が連続となるように、メモリ２
の読み出しアドレスが制御される。

ここで、スキュー検出回路14によるアドレス制御方法
について説明する。第２図は、メモリ２の書き込み内容
について示したもので、映像信号の２つのフィールドの
内、第２図（ａ）は第１フィールドを書き込んだ場合を
示し、第２図（ｂ）は第２フィールドを書き込んだ場合
を示す。

まず、第１フィールドが書き込まれた場合について説
明する。

基準同期信号発生回路８で発生される垂直同期信号は
262.5水平走査期間を一周期としており、したがって、
メモリ２のスタートアドレスとして、第２図（ａ）の位
置（ｐ）から読み出された映像信号は、第２図（ａ）の
位置（ｑ）で第１フィールドを終える。次に第２フィー
ルドのスタートアドレスをロードするときには、第２図
（ａ）の位置（ｐ）ではなく1/2水平走査期間だけシフ
トした位置（ｒ）をロードすることにより水平同期信号
の連続性を保持する。このとき、第２フィールドのエン
ドアドレスは位置（ｓ）となる。第３フィールド以降は
以上の繰り返しとすることにより水平同期信号の連続性
が保持される。

第２フィールドが書き込まれた場合も、同様にフィー
ルドごとにスタートアドレスを1/2水平走査期間だけシ
フトすることにより、読み出した映像信号の水平同期信
号の連続性を保持することができる。

ところが、メモリ２に書き込まれた映像信号のフィー
ルド番号が変わった場合、即ち、メモリ２の書き込み内
容が第２図（ａ）から第２図（ｂ）になった場合、読み
出した映像信号には1/2水平走査期間のスキューを発生
する。

そこで本実施例の特殊映像再生装置は、スキュー検出
回路を備えている。スキュー検出回路14は、このスキュ
ー状態を検出する回路である。第３図に、スキュー検出
回路14の詳細を示す。第３図において、14aは、書き込
み側垂直同期信号を入力として、メモリ２に書き込まれ
ているフィールド番号を識別する第１のフィールド番号
識別回路、14bは、読み出し側垂直同期信号を入力とし
てメモリ２から読み出す映像信号のフィールド番号を識
別する第２のフィールド番号識別回路、14cは排他的論
理和回路である。

以上のように構成されたスキュー検出回路の動作につ
いて第４図を用いて説明する。第４図（ｂ）に示すよう
に時刻t₂でメモリの書き込みフィールドが変わった場
合、フィールド番号識別回路14aからは第４図（ａ）に
示すような２値信号が排他的論理和回路14cに供給さ
れ、一方、読み出し側垂直同期信号（ｃ）にもとづいて
第４図（ｄ）に示すようなフィールド番号識別回路14b
出力が供給される。排他的論理和回路14cからは第４図
（ｅ）に示すような読み出し側スタートアドレス制御信
号が作成され、これが読み出しアドレス制御回路６に供
給される。このとき、メモリ２の読み出しのスタート位
置は、第２図に示す（ｐ）→（ｒ）→（ｒ′）→
（ｐ′）→（ｒ′）の順となり、メモリに書き込まれた
フィールド番号が変わった場合にも水平同期信号の連続
性が保持される。

以上の構成により、スキュー検出回路および読み出し
アドレス制御回路によって水平同期信号の連続性を保持
して読み出された映像信号は、この後、D/A変換器３に
送られ、アナログの映像信号に変換され、出力端子10よ
り出力される。

以上のように本実施例によれば、書き込み側と読み出
し側の垂直同期信号にもとづいてそれぞれの側でフィー
ルド番号を検出し、そしてその識別出力の排他的論理和
出力で読み出しスタートアドレスを適合するようにアド
レス制御回路を切換え制御することで水平同期信号の連
続性を保持することが可能となる。

発明の効果 本発明の映像用特殊再生装置によれば、メモリに同期
信号まで含めて映像信号を記憶しておき、読み出しのと
きに読み出しアドレスを制御することにより、水平同期
信号の連続性を保持して読み出すため、アナログ信号に
対する信号処理制御を削減することができ、製品として
の信頼性の向上を図ることができ、その実用的効果は大
きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による映像用特殊再生装置の一実施例の
構成を示すブロック図、第２図は本発明による映像用特
殊再生装置におけるメモリ内の記憶状況を説明するため
の模式図、第３図は本実施例の映像用特殊再生装置のス
キュー検出回路の構成を示すブロック図、第４図は第３
図に示すスキュー検出回路の動作を説明するためのタイ
ミングチャート、第５図は従来の映像用特殊再生装置の
構成を示すブロック図、第６図は従来の映像用特殊再生
装置の動作説明のための波形図及び模式図である。 ２……メモリ、６……読み出しアドレス制御回路、８…
…基準同期信号発生回路、13……書き込みアドレス制御
回路、14……スキュー発生回路。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−204886（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−288589（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−135281（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同期信号まで含めて映像信号を記憶するこ
   とのできる少なくとも１フィールド分の記憶容量を有す
   る記憶手段と、前記記憶手段には映像信号の垂直同期信
   号を書き込み開始のタイミングとして映像信号を書き込
   むように書き込みアドレスを制御する書き込み手段と、
   前記記憶手段からの映像信号の読み出しには読み出しア
   ドレスを制御して映像信号を読み出す読み出し手段と、
   前記記憶手段に書き込まれている映像信号のフィールド
   が偶数番目のフィールドか奇数番目のフィールドかを検
   出するフィールド種別識別手段とを備え、前記フィール
   ド種別識別手段により前記記憶手段に書き込まれたフィ
   ールドの種別が変化したことを検出したときには、前記
   読み出し手段の読み出しアドレスの開始位置に1/2水平
   走査期間のオフセットを与えるように構成したことを特
   徴とする映像用特殊再生装置。