JP2706302B2 - 高密度窒化けい素質焼結体の製造方法 - Google Patents

高密度窒化けい素質焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高密度窒化けい素質焼結体の製造方法に関
し、とくに、新規に開発した焼結助剤の採用により、常
圧焼結法にもとづく低温焼成でも十分な高温強度を有し
かつ高密度の窒化けい素質焼結体を簡便に製造する方法
についての提案である。
窒化けい素は、高温強度、耐熱衝撃性、化学薬品や金
属・合金溶湯に対する耐食性などに優れていることから
高温構造材料として各種の用途に利用されるものであ
る。
(従来の技術) さて、窒化けい素質焼結体は、通常反応焼結法、常圧
焼結法、ホットプレス法、またはこれらを組み合わせた
方法などで製造されている。
上記反応焼結法は、金属けい素粉にバインダーを添加
して所定の形状に成型し、その後、窒素ガスと高温で反
応させる方法である。この方法によれば、高純度の窒化
けい素質焼結体を得ることができるが、密度を高くする
ことがむずかしい。
上記ホットプレス法は、高密度の焼結体を製造するた
めに、高温・高圧下で焼結する方法であるが、高圧下で
行なうため、複雑な形状の焼結体を製造することができ
ず、また非常に高価な設備を必要とするので実用的な方
法ではない。
上記常圧焼結法は、窒化けい素粉に焼結助剤を添加、
混合し、さらにバインダーを加えて所定の形状に成型
し、その後、高温で焼成する方法である。この常圧焼結
法によれば、比較的高い密度のものが製造できる。しか
し、理論密度に近い高充填率の窒化けい素質焼結体を製
造するには、一般に、1,700℃以上の高温焼成を長時間
行う必要がある。ところが、このような高温焼成を行う
と、窒化けい素自体の分解が生ずるという問題があっ
た。
この熱分解を防止し、高密度・高強度の窒化けい素質
焼結体を製造するための技術として、従来、低温で焼結
した後、熱処理し、さらに熱間静水圧プレス処理する方
法(特開昭58−84184号公報)、あるいは雰囲気を加圧
し高温での窒化けい素の分解を抑制して焼結するガス圧
焼結法などが提案されている。しかし、これらの従来技
術は、製造工程が非常に複雑で、高価な設備を必要とす
るという課題があった。
また、セラミックスに高強度の短繊維を複合させる手
法も提案されている。例えば炭化けい素の繊維は、引張
り強さが約300kg/mm2であるが、炭化けい素短繊維をセ
ラミックスに分散複合させると、靭性が著しく向上する
といわれている(特開昭58−104069号、特開昭62−2651
73号公報)。
(本発明が解決しようとする課題) 常圧焼結法による既知の窒化けい素質焼結体の製造に
際しては、酸化アルミニウムや酸化マグネシウム、希土
類元素酸化物および酸化ジルコニウムを単独、またはそ
れらを2種以上混合した焼結助剤を用い、しかも、特に
高密度の焼結体を製造する場合には、1,750〜1,850℃と
いう高い温度での焼成や雰囲気加圧などが必要であっ
た。しかしながら、このように努力して製造したもので
あっても、焼結助剤を使用したものは、一般に高温強度
の低下が著しいという傾向があった。
また、機械的強度を向上させるために、上述したよう
に炭化けい素短繊維(SiCウイスカー)を添加する方法
もあるが、ウィスカーの添加は焼結を阻害する要因とな
り、常圧焼結で高密度・高強度の焼結体を得ることは難
しいという問題点があった。
さらに、この窒化けい素それ自体は、もともと金属溶
湯などに対する耐食性には優れているのに、焼結助剤を
使用して1,700℃未満の低温で常圧焼結したものについ
ては、金属の溶湯などと接触すると、摩耗や破損などに
よって短時間で使用できなくなる欠点があった。この原
因は、窒化けい素質焼結体自体の密度が低いこと、すな
わち気孔が存在することによるものと考えられる。
従って、金属溶湯用部材としての用途に使用できると
共に長時間の使用に耐え得る窒化けい素質焼結体を得る
には、理論密度に近い充填率を示す気孔のほとんどない
焼結体にする必要があるが、現実には種々の問題がある
ことは上述のとおりである。
本発明の目的は、このような従来技術とくに常圧焼結
法にもとづく従来の窒化けい素質焼結体の製造方法が抱
えている上述の如き問題を克服することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、窒化けい素質耐熱材料、特に十分に高
い強度および耐熱衝撃強度を有する金属・合金溶湯用部
材として好適なセラミックスとりわけ窒化けい素質焼結
体を簡易に、かつ安価に製造するべく研究を重ねた結
果、窒化けい素粉と炭化けい素ウィスカーの混合物に、
焼結助剤として、コージェライトと、酸化アルミニウム
および希土類元素酸化物との混合物を用いると、有効で
あることを知見した。すなわち、このような焼結助剤を
用いると、従来は困難とされていた低温焼成をしても所
望の性質を有する窒化けい素質焼結体を確実に製造でき
ることを知見し、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明は、窒化けい素粉と炭化けい素ウイ
スカーとの混合物に、コージェライト10〜60wt%を含む
かつ残部が酸化アルミニウムと希土類元素酸化物とから
なる焼結助剤を、この焼結助剤の量が混合物全体の10〜
40wt%となるように加えて粉砕し、混合しそして成型
し、その後1,450℃以上の温度で焼成することを特徴と
する方法である。
(作用) 本発明の窒化けい素質焼結体の製造に当り、原料とし
ては、窒化けい素粉と炭化けい素ウイスカーとの混合物
を用いる。前記窒化けい素粉は、金属シリコンの直接窒
化法によるもの、イミド分解法によるもの、あるいはシ
リカ還元法によるものなど、既知方法で製造された各種
のものを用いることができる。もちろん、非晶質、結晶
質、のいずれのものでもよく、またα型およびβ型窒化
けい素の各含有比率も任意のものでよい。炭化けい素ウ
イスカーについても同様に、通常の方法で製造された市
販のものを用いることができる。これは、前記窒化けい
素粉に所定量混合して用いる。
さて、本発明の特徴は、窒化けい素粉と炭化けい素ウ
ィスカーの混合物にコージェライトを含む焼結助剤を用
いることにある。焼結助剤中にはコージェライトを含
み、その他には、酸化アルミニウムおよび希土類元素酸
化物を混合して焼結助剤としている。この焼結助剤中に
含むコージェライトは、2MgO・2Al2O3・5SiO2で表わさ
れる鉱物であって、一般にMgO11〜16wt%、Al2O333〜41
wt%、SiO243〜56wt%の組成を有するものであるが、本
発明で使用するものは理論組成(MgO13.8wt%、Al2O33
4.8wt%、SiO251.4wt%)に近いものが好適である。な
お、酸化アルミニウムと希土類元素酸化物は、単独元素
の酸化物、または混合酸化物の何れでもよいが、中でも
酸化イットリウムは好適である。
かかる焼結助剤は、前記コージェライトを10〜60wt%
含有し、残部が酸化アルミニウムと希土類元素酸化物と
からなるものであるが、この酸化アルミニウムと希土類
元素酸化物は、酸化アルミニウム1重量部に対して希土
類元素酸化物1〜3重量部の割合で配合したものが適当
である。
窒化けい素質焼結体を製造するに当っては、上記窒化
けい素粉と前記炭化けい素ウイスカーとの混合物(好ま
しくは、窒化けい素に対して30wt%以下のSiCウイスカ
ー)に、上述のような割合で配合した焼結助剤を、この
焼結助剤の量が混合物全体の10〜40wt%を占めるように
添加して、混合しそして所定の形状に成型し、その後1,
450℃以上の温度で、より好ましくは、1,450〜1,650℃
の温度範囲内で焼成する。このように焼結助剤としてコ
ージェライトを含む酸化アルミニウムと、希土類元素酸
化物(例えば、酸化イットリウム)との混合物を用いる
と、その主要成分はMgO、Al2O3、SiO2およびY2O3とな
る。これらの成分のうちMgO、Al2O3、SiO2およびY2O3
ついては、従来の焼結助剤の主要成分と変わるところが
ない。しかしながら、これらの酸化物のみからなるもの
を本発明焼結助剤と同じ配合割合で混合したとしても、
それだけでは、窒化けい素粉と炭化けい素ウィスカーの
混合物から高密度の窒化けい素質焼結体が得られるとい
う本発明の如き効果は得られない。ことに、本発明の焼
結助剤中に含むSiO2は、もともと窒化けい素質焼結体の
高温強度を低下させる物質として知られており、従来は
全く使用されていなかったものである。
本発明は、前記コージェライトが焼結助剤として有用
であることを知見した点に特徴がある。すなわち、コー
ジェライトといわれる鉱物組成および構造になっている
ものを焼結助剤として用いると、焼結体の高温強度の低
下がなく、1,450〜1,650℃程度の低い温度域で焼成して
も、高密度の窒化けい素質焼結体が製造できることが判
った。
本発明において、焼結助剤中のコージェライトの量
を、10〜60wt%としたのは、10wt%未満では、前記温度
範囲内では焼結が不十分となり、また60wt%を越える
と、完全に焼結はするものの、金属および合金溶湯に対
する耐食性が不十分になるためである。
また、この焼結助剤の(窒化けい素粉と炭化けい素ウ
イスカーとの混合物への)配合割合は、粉末混合物全体
のうちの10〜40wt%とする。この配合量が10wt%未満で
は、前記温度範囲内での組成では焼結が不十分となり、
また40wt%以上では、窒化けい素または炭化けい素自体
の性質が損なわれるだけでなく、耐食性の劣化および強
度低下が生ずるためである。
次に、窒化けい素粉と炭化けい素ウィスカーおよび焼
結助剤を配合した混合物は、通常の粉砕処理法、たとえ
ば、ボールミルなどを用いて湿式法または乾式法で粉砕
し混合する。このようにして調製した混合物を、プレス
成形,押出成形および泥しょう鋳込法などの方法によっ
て所定形状に成型した後、焼成する。
焼成は、成形後の成型体を必要があれば一旦乾燥した
後、1,450℃以上、好ましくは1,450〜1,650℃の温度範
囲内で一定時間保持することにより行う。保持時間は、
1〜5時間とする。上記焼成温度が1,450℃以下では焼
結が不完全となり、また1,650℃以上の高温になると窒
化けい素の分解が起きやすくなる。ただし、約1,750℃
程度の温度まで昇温することは可能である。なお、焼成
雰囲気については、本発明の場合は、非酸化性雰囲気が
好適である。
以上のようにして製造した窒化けい素質焼結成型体に
ついて、その諸物性を測定した結果、ほぼ理論密度に近
い充填率をもっており、高い強度を有していることが判
った。
(実施例) 実施例1 Si3N4粉、SiCウイスカー、コージェライト粉、Al2O3
粉およびY2O3粉を第1表に示した割合で混合した。つい
で泥しょう鋳込み法にて、80mmφ×10mmの成型体を作製
した。この成型体を1気圧の窒素雰囲気中で焼成するこ
とにより、窒化けい素質焼結成型体を得た。
第1表に、Si3N4粉、SiCウイスカーおよび焼結助剤の
配合比、焼結助剤中のコージェライト、Al2O3の配合比
および成型体の焼成条件(温度、時間)を示し、さらに
得られた焼結成型体の開気孔率の指標として相対密度を
示した。その結果、本発明方法で製造したものの相対密
度は、焼結温度1,600℃で95.5%以上を示した。
さらに、これらの窒化けい素質焼結体について、アル
ミニウム合金溶湯を用いて浸漬テストを行った。温度75
0℃の溶湯中に該成型体を浸漬し、24時間毎に取り出し
てその状況を観察した。その結果、本発明方法によるも
のは全く侵食を受けず、また気孔へのアルミニウム合金
溶湯の侵入による破損もなかった。
(本発明の効果) 以上説明したように本発明によれば高強度で高密度の
窒化けい素質焼結体を簡易な方法で、安価に製造するこ
とができる。そして、得られる窒化けい素質焼結体はと
くにアルミニウムやその合金などを好適例とする金属浴
用部材として有効なものが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南沢 正敏 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日 本重化学工業株式会社本社内 (72)発明者 米沢 孝夫 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日 本重化学工業株式会社本社内 (56)参考文献 特開 平2−116679(JP,A) 特開 昭59−174572(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化けい素粉と炭化けい素ウイスカーの混
    合物にコージェライト10〜60wt%を含みかつ残部が酸化
    アルミニウムと希土類元素酸化物とからなる焼結助剤
    を、この焼結助剤の量が混合物全体の10〜40wt%となる
    ように加えて混合成型し、その後1,450℃以上の温度で
    焼成することを特徴とする高密度窒化けい素質焼結体の
    製造方法。
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