JP2705872B2 - 混流生産システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は混流生産システム、すな
わち多品種の製品を１本のラインで生産する生産システ
ムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に製品の生産ラインは、製品を組
み立てるのに必要な部品を供給し、組み立て製造し、組
み立て完了後の製品の性能を試験検査し、試験検査合格
品を梱包場へ流すまでの一連の作業工程からなる。製品
毎に生産ラインを設けて生産を行うと、大量生産の場合
は好適であるが、多品種少量生産の場合は工場内のスペ
ースおよび生産設備が増大し、少量生産の場合にアイド
リングが多く、工場内のスペース、生産設備および作業
者に無駄が発生するという問題があった。

【０００３】それゆえ、複数種類の製品を同一ラインで
流して生産する混流生産システムが考えられ、これによ
り上述の問題を解決することは可能であるが、生産量の
指示に従ってフレキシブルに対応して所望の製品を所望
の量だけ生産するためには、各製品に対する工程毎の作
業内容、生産順序、供給部材、不良品管理等の情報に基
づき各々の作業場における作業者に作業指示書を的確に
タイムリーに届け、この作業指示書に従い作業者は組み
立て試験検査し試験成績書を作成し、かつその過程で不
良部品等の情報を作業連絡書に記してフィードバックす
る必要がある。このような従来技術による混流生産シス
テムは、多種少量生産に対応するには生産ラインにおけ
る情報処理に時間と労力を要し、作業者に多くの負担が
かかり作業ミスが発生し生産効率が悪くなるという問題
があり、本願出願人は多品種少量生産にフレキシブルに
対応し、各種類の製品を生産するため生産ライン上のそ
れぞれの作業者に必要な作業指示を自動的に提供し、各
作業場で発生した不良に関する情報を生産ライン後方へ
自動的に伝達し、かつ試験成績書を自動的に作成する先
に出願した発明の混流生産システムにより前記問題を解
決した。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな混流生産システムにおける特に試験工程において製
品を載せたパレットを滞留しつつ搬送する混流生産シス
テムにおいて搬送中に後続のパレットと衝突する場合が
あり、コンピュータ等の衝撃に弱い製品においては、試
験工程を正常に行うことができずスムーズに生産できな
いという問題がある。

【０００５】本発明は上記問題点に鑑み、滞留する生産
ラインにおいてパレット間の衝突による衝撃を激減する
混流生産システムを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

【０００７】前記目的を達成する本発明の混流生産シス
テムは、パレットに製品を載せて組立し試験して複数種
類の製品を生産する混流生産システムにおいて、前記パ
レットを搬送する搬送装置が、少なくとも１つの前記パ
レットを搬送するコンベアと、該コンベアを駆動するモ
ータ３１、３５と、前記搬送装置の先端部で前記パレッ
トの搬送を停止するストッパー３３、３７と、前記コン
ベア上を前記パレットが搬送されて移動する位置を検出
する複数のセンサと、前記コンベア上の前記パレットの
移動位置に応じて前記コンベアの前記モータの運転を、
前記コンベア上の前方にパレットが有るときは後続のパ
レットが前方のパレットに衝突する前に停止するように
制御するプログラマブルコントローラ４１、４２とから
なり、隣合う前記搬送装置は前記コンベア上の前記パレ
ット有無の情報等を互いに通信し、複数の前記搬送装置
により前記パレットを滞留せしめることを特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明の混流生産システムは、特に滞留する生
産ラインのコンベア上でパレット同士の衝突による衝撃
を激減させるため、コンベア上に設けられたパレット検
出センサによってパレット同士が衝突する直前を捕らえ
コンベアモータを停止すると、パレットはコンベア上の
ローラを滑って衝撃なく前方のパレットに到達する。

【０００９】

【実施例】図１は混流生産ラインの各作業場におけるリ
フタの斜視図であり、（Ａ）はカバーをした状態（Ｂ）
はカバーを外した状態を示す図である。図示するように
製品台１は複数のローラ１１と２枚のフレーム１２と２
枚のフレーム１３とからなり、複数のローラ１１は生産
ラインと直交してフロアに略水平に配置され両側のフレ
ーム１２にベアリングを介して固定されローラ１１はそ
れぞれフリーに回転可能になっている。フレーム１２と
フレーム１３は略四角形の製品受け面を有する製品台１
を構成する。製品台１はベース２のネジ軸４と２本のレ
ール５で固定されネジ軸４がモータ３の駆動により回転
することにより上昇下降する機構となっている。その上
昇下降はスイッチ箱６のスイッチにより作業者によって
行われる。

【００１０】製品台１の高さは生産ラインの搬送コンベ
ア（図示せず）の高さと通常フロアーラインから同一高
さにあり、製品の高さに応じて作業者が所望の高さにス
イッチ箱６のスイッチ操作により設定する。製品台１の
高さは搬送コンベアの高さより下方に約２００〜３００
mm下降できるようになっている。このようにすることに
より各種の製品に対して製品台１の高さを自在に調整し
て作業性を工場するばかりでなく、１本の混流生産シス
テムでこれまでに作業できない多くの種類に対しても作
業可能となった。

【００１１】図２は本発明のパレット衝撃吸収手段の説
明図であり、（Ａ）は上部平面図、（Ｂ）は斜視図であ
る。図示するようにパレットＡとパレットＢは生産ライ
ンの矢で示す方向に搬送される。Ｓ１からＳ５はパレッ
ト検出センサを示し、図２の（Ａ）はパレットＡがセン
サＳ１のストッパー位置で停止しているとき、パレット
Ｂが搬送されてパレットＡに衝突する直前の状態を示
す。従来はパレットの側面にウレタンゴムを付着しパレ
ット間の衝突時の衝撃を吸収していた。しかしながら、
先に説明したようにこのような従来の衝撃吸収手段では
試験工程に発生する悪影響を完全に除去できず、本発明
ではストッパー２３でパレットＡが停止しているとき、
搬送されて来るパレットＢをセンサＳ３が検出するとパ
レットＢを搬送するコンベアの駆動モータの運転を切
り、パレットＢはイナーシャに応じた分だけ移動して自
然停止する。パレットＢがセンサＳ３に検出されたとき
のパレットＡとパレットＢとの距離ｌはパレットＢがパ
レットＡに衝突しても衝撃とならない程度に設定され
る。各センサはパレットの積載面積または重量により最
適な位置に調整自在に固定される構造となっている。

【００１２】図２の（Ｂ）に示すようにパレット搬送コ
ンベアは片側のモータ２１によりプーリが回転しそれに
よりチェーンが回転し、反対側のモータ２２、プーリお
よびチェーンも同様に動作し、各側のチェーン間に固定
される複数のフリーローラがチェーンと共に回転する。
ストッパー２３はエアーシリンダ（図示せず）で上昇下
降しパレットを停止または通過させるために使用され
る。

【００１３】図３は隣合う２つのパレット衝撃吸収手段
間の動作説明図である。連続する２つのパレット衝撃吸
収手段であるＡおよびＢの搬送ユニットは最大４枚分の
パレットが収容できる。各搬送ユニット毎にシーケンサ
４１、シーケンサ４２が設けられ各ユニットの搬送コン
ベアのシーケンス制御を行う。本図では各ユニットは１
個のモータ３１、３５を各々有し各々のコンベアを駆動
する。また各ユニットはストッパー３３、３７を有し図
示しないエアーシリンダで上昇下降しパレットを停止ま
たは通過する。シーケンサ４１とシーケンサ４２は通信
可能となっており、例えばＡユニットにパレットが４枚
収容されている場合を除いてＢユニットからＡユニット
にパレットが搬送されるようにＡユニットとＢユニット
間で信号がケーブル４３を経由して伝達される。

【００１４】以下パレットが搬送される動作について説
明する。図３において搬送ユニット、ユニットＡ、ユニ
ットＢ共にパレットが搬送されていない空の状態であっ
たと仮定すると、後方からＢユニットに搬送されて来る
パレットはモータ３５の回転によりＢユニット上を搬送
され、ストッパー３７は下降しているのでＡユニットに
搬出され、Ａユニットはモータ３１を回転してパレット
をストッパー３３まで搬送する。ストッパー３３は前方
のユニットにパレットが満杯のときは上昇してセンサＳ
１の位置でパレットを停止する。次に、さらにパレット
が後方からＢユニットに搬送されて来るとそのパレット
は同様にＡユニットにすでに搬送されたパレットに向か
って搬送される。シーケンサ４１はパレットがＡユニッ
ト最先端に有ることをセンサＳ１により検知しているの
で次に来るパレットをセンサＳ３が検出するとモータ３
１を停止する。するとパレットはイナーシャーでＡユニ
ット最先端のパレットに向かって搬送され停止する。こ
のようにセンサＳ３、Ｓ４、Ｓ５は先に搬送されたパレ
ットに衝突する前にモータ３１を停止させるために設け
られる。

【００１５】次にＡユニットにパレットが満杯でＢユニ
ットが空のときは、前記同様に後方からＢユニットに搬
送されて来るパレットはモータ３５の回転によりＢユニ
ット上を搬送されセンサＳ７がパレットを検出するとモ
ータ３５を停止しパレットはイナーシャーで前方へ進み
上昇しているストッパー３７の位置すなわちセンサＳ６
の位置で停止する。同様にＡユニットにパレットが満杯
のときに次々とパレットがＢユニットに搬送されて来る
と、シーケンサ４２はパレットがＢユニット最先端に有
ることをセンサＳ６により検知しているので次に来るパ
レットをセンサＳ８が検出するとモータ３５を停止す
る。するとパレットはイナーシャーでＢユニット最先端
のパレットに向かって搬送され停止する。このようにセ
ンサＳ８、Ｓ９、Ｓ１０は先に搬送されたパレットに衝
突する前にモータ３５を停止させるために設けられる。

【００１６】Ａユニット、Ｂユニットにパレットが満杯
のときに前方のユニットの最後端のパレットが空となっ
たことがシーケンサ４１に伝えられると、モータ３１が
回転しＡユニット上のパレットは一斉に搬送され、Ａユ
ニット最後端のパレットが空となったことがシーケンサ
４１からシーケンサ４２に伝えられると、Ｂユニットの
シーケンサ４２はそれを受けてモータ３５を回転し最先
端のパレットをＡユニットの最後端に搬送しＢユニット
の他の３つのパレットをＢユニットの最先端から順に搬
送する。次にＢユニットの最後端は空となるが後方から
Ｂユニットに搬送されるて来るパレットがあればモータ
３５を回転しＢユニット上にパレットを収容する。

【００１７】本発明の実施例では４つのパレットを収容
できる搬送ユニットを１つの単位としており、特にエー
ジング装置においては１列に１１搬送ユニット、６段と
して２列分設けており、長時間エージング装置内にパレ
ットが滞留できる構造となっている。このことによりエ
ージング装置内の長時間の試験工程を含んだ混流生産ラ
インとすることを可能としている。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の混流生産
システムによれば、搬送されて来るパレットを長時間に
到るまで滞留でき、かつパレット間の衝突による衝撃を
吸収する混流生産システムの提供が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】混流生産ラインの各作業場におけるリフタの斜
視図であり、（Ａ）はカバーをした状態（Ｂ）はカバー
を外した状態を示す図である。

【図２】本発明のパレットの衝撃吸収手段の説明図であ
り、（Ａ）は上部平面図、（Ｂ）は斜視図である。

【図３】隣合う２つのパレット衝撃吸収手段間の動作説
明図である。

【符号の説明】

１…製品台 ２…ベース ３、２１、２２、３１、３５…モータ ４…ネジ軸 ５…レール ６…スイッチ箱 １１…ローラ １２、１３…フレーム ２３、３３、３７…ストッパー ４１、４２…シーケンサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺嶋 博義 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地 の２ 株式会社ピーエフユー内 (56)参考文献 実開 平２−122737（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−21533（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パレットに製品を載せて組立し試験して
   複数種類の製品を生産する混流生産システムにおいて、 前記パレットを搬送する搬送装置は、 少なくとも１つの前記パレットを搬送するコンベアと、 該コンベアを駆動するモータ（３１、３５）と、 前記搬送装置の先端部で前記パレットの搬送を停止する
   ストッパー（３３、３７）と、 前記コンベア上を前記パレットが搬送されて移動する位
   置を検出する複数のセンサと、 前記コンベア上の前記パレットの移動位置に応じて前記
   コンベアの前記モータの運転を、前記コンベア上の前方
   にパレットが有るときは後続のパレットが前方のパレッ
   トに衝突する前に停止するように制御するプログラマブ
   ルコントローラ（４１、４２）と、からなり、 隣合う前記搬送装置は前記コンベア上の前記パレット有
   無の情報等を互いに通信し、複数の前記搬送装置により
   前記パレットを滞留せしめることを特徴とする混流生産
   システム。