JP2705269B2 - ガスタービン機関の燃料制御装置 - Google Patents

ガスタービン機関の燃料制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガスタービン機関の燃料制御装置に関し、特
に、自動車に搭載される二軸式ガスタービン機関の燃料
制御装置のフェイルセーフに関する。
〔従来の技術〕
二軸式ガスタービン機関は、低振動、使用燃料の多様
性、大きな定速トルク等の点で、近年、自動車用機関と
しての実用化が検討されている。第7図は自動変速機付
の自動車に搭載される従来の二軸式ガスタービン機関の
一般的な構成の一例を示すものである。
二軸式ガスタービン機関では、クラッチ内蔵のスター
タSMによってフロントギヤF/Gが回転して起動すると、
吸入空気(以下吸気という)はコンプレッサCにて圧縮
され、熱交換器HEにて加熱され、アクチュエータA1によ
り燃料が供給される燃焼器CCにて燃料と混合されて燃焼
し、その燃焼ガスがコンプレッサCと同軸のコンプレッ
サタービンCTを回転させる。このコンプレッサタービン
CTとコンプレッサCとは総称してガスジェネレータGGと
呼ばれることがあり、コンプレッサタービンCTの回転速
度がコンプレッサCの圧縮度を左右する。コンプレッサ
タービンCTを駆動した燃焼ガスは、アクチュエータA2に
調整される可変ノズルVNを経てパワタービン(出力ター
ビン)PTを駆動した後、熱交換器HEを経て排気ガスとな
って大気に排出される。そして、パワタービンPTの回転
は減速歯車R/Gによって減速されて自動変速機A/Tに伝え
られ、シフト状態に応じた回転速度に変換された後に差
動歯車Dを介して車輪Wに伝達される。
なお、アクチュエータA1,A2は制御回路CONTによって
機関の運転状態に応じて駆動され、この為、制御回路CO
NTにはアクセルペダルAPの開度や図示しないセンサから
の機関の運転状態パラメータが入力される。また、一般
に、第7図のの位置の吸気圧をP3、の位置の温度を
T4というように、吸気圧Pや温度Tに付された添え字は
○で囲まれた番号の位置の吸気圧Pや温度Tを示す。
以上のように構成された二軸式ガスタービン機関にお
いて、本出願人はガスジェネレータGGが加速を終了し、
定常に移行してからは機関の出力を効率良く取り出すた
めに、出力タービンPTの出口温度T6が目標値になるよう
に可変ノズルVNを作動させる制御を提案した(特願昭63
−306124号)。即ち、二軸式ガスタービン機関では、機
関のサイクル温度が高い程、機関出力、及び熱効率が向
上するため、その制御パラメータとして出力タービンPT
の出口温度T6を使用し、出力タービンPTの出口温度T6
目標値になるように可変ノズルVNをフィードバック制御
する方法を本出願人は提案している。
一方、燃料制御においては、機関のコンプレッサCの
回転速度N1が機関の出力に直接関係するため、アクセル
の踏込量によりコンプレッサ軸の回転速度N1の目標値N
1SETを定め、この目標値になるように燃料をフィードバ
ック制御する方法が従来より行われている。なお、この
制御は、可変ノズルVNの制御とは通常独立して行われる
ことが多い。従って、機関の熱効率を向上させるための
可変ノズルVNの制御により、機関の回転速度に変動が生
じても、燃料の制御により機関の回転速度N1はアクセル
の踏込量によって決定されるところの目標値N1SETに保
たれることになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、この従来の制御方法には以下のような問題
があった。
燃料の制御が基本的にアクセル踏込量で決まる機関回
転速度の目標値N1SETを基準にして行われることから、
機関回転速度N1を検出するセンサの故障時に燃料の制御
が不可能になる。
機関停止後、機関の再スタートが不可能になり、危険
場所等からの車両の脱出が不可能になる恐れがある。
本発明の目的は、従来の二軸式ガスタービン機関にお
ける機関回転速度N1を検出する回転速度センサの故障時
における課題を解消し、機関のコンプレッサCの出口圧
力を基に、予め設定した制御方式に基づいて燃料制御、
可変ノズルVNの制御を行うことにより、機関回転速度N1
を検出する回転速度センサの故障時にも車両の走行を可
能とすることができるガスタービン機関の燃料制御装置
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成する本発明の二軸式ガスタービン機関
の構成が第1図に示される。本発明の燃料制御装置を備
えたガスタービン機関は、同軸のコンプレッサCとコン
プレッサタービンCTを備えたガスジェネレータGGと、燃
焼器CCと、可変ノズルVNと、別軸の出力タービンPTとを
備えており、回転速度センサ異常検出手段1はガスジェ
ネレータGGの回転速度N1を検出するセンサSN1の異常を
検出し、非常信号発生手段2は回転速度センサSN1の異
常が検出された時に非常信号を発生する。そして、起動
時燃料制御手段3は非常信号の発生状態で機関の起動が
かかった時に、コンプレッサの出口圧力P3が所定値に達
するまでの間、起動時の燃料を制御する。また、機関動
作判定手段4は非常信号の発生状態でかつ機関の起動状
態でない時に、コンプレッサの出口圧力P3から機関の停
止か稼働かを判定し、停止時燃料制御手段5は機関停止
と判定された時に燃料を停止し、稼働時燃料制御手段6
は機関稼働と判定された時に、予め設定されたアクセル
踏込量とコンプレッサタービンの入口温度T4との関係を
もとに稼働時の燃料を制御する。更に、可変ノズル開度
固定手段7は非常信号の発生時に可変ノズルの開度α
を一定値に制御する。
〔作用〕
本発明のガスタービン機関の燃料制御装置によれば、
ガスジェネレータGGの回転速度センサが正常に作動して
いる時は、コンプレッサタービンCTの入口温度T4と出力
タービンPTの出口温度T6とを基にして、定常時と過渡時
の制御が行われる。一方、ガスジェネレータGGの回転速
度センサが異常となった時は、自動または手動により非
常信号が発生され、この非常信号がある時に機関の起動
が行われると、スタータとイグニッションがオンされ、
時間経過とコンプレッサCの出口圧力P3に応じて燃料量
が制御されて機関が起動される。機関起動後の稼働状態
では、予め設定されたアクセル踏込量とコンプレッサタ
ービンの入口温度T4との関係を基に稼働時の燃料が制御
される。なお、非常信号がある状態では可変ノズルVNの
開度αは一定に保持され、また、機関の停止状態の時
は燃料の供給は行われない。この結果、ガスジェネレー
タGGの回転速度N1を検出するセンサが故障した時でも、
本発明によれば機関を稼働させることができる。
〔実施例〕
以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第2図は自動変速機付き車両に搭載された本発明の二
軸式ガスタービン機関の一実施例の構成を示すものであ
り、第5図に示した二軸式ガスタービン機関と同じ構成
部品については同じ符号(記号)を付してある。
図においてGTはガスタービンであり、このガスタービ
ンGTには燃料ポンプ,オイルポンプ,スタータSM等が接
続するフロントギヤF/G、コンプレッサC、熱交換器H
E、燃焼器CC、コンプレッサCに回転軸で直結されたコ
ンプレッサタービンCT、可変ノズルVN、パワタービン
(出力タービン)PT及び減速歯車R/G等がある。図示し
ないスタータによってフロントギヤF/Gが回転するガス
タービンGTの起動時には、コンプレッサCから燃焼器CC
に入る吸気とアクチュエータA1から燃焼器CCに供給され
る燃料とが混合され、点火プラグPLの火花によって着火
して燃焼が開始される。
ガスタービンGTの起動後は、吸気はコンプレッサCに
て圧縮され、熱交換器HEにて加熱され、燃焼器CCにて燃
料と混合されて燃焼し、その燃焼ガスがコンプレッサタ
ービンCTを回転させる。コンプレッサタービンCTを駆動
した燃焼ガスは、可変ノズルVNを経てパワタービンPTを
駆動した後、熱交換器HEを経て排気ガスとなって大気に
排出される。A2は可変ノズルVNの開度を調整するアクチ
ュエータである。
ガスタービンGTの減速歯車R/Gには自動変速機A/Tが接
続されており、ガスタービンGTのパワタービンPTの回転
は減速歯車R/Gによって減速されて自動変速機A/Tに伝え
られ、ここで内蔵されたトルクコンバータ及び変速機構
を介してシフト状態に応じた回転速度に変換されて車軸
駆動出力となり、差動歯車Dを経て駆動輪Wを回転させ
る。なお、トルクコンバータにはロックアップクラッチ
が設けられることもある。
ガスタービンGTおよび自動変速機A/Tを制御する制御
回路10には、アナログ信号用の入力インタフェースIN
a、デジタル信号用の入力インタフェースINd、入力イン
タフェースINaからの信号をデジタル変換するアナログ
−デジタル変換器A/D、中央処理ユニットCPU、ランダム
アクセスメモリRAM、読み出し専用メモリROM、および出
力回路OUT等があり、それぞれバスライン11で接続され
ている。
また、二軸式ガスタービン機関には、大気温T0を検出
する温度センサST0,大気圧P0を検出する温度センサS
P0,ガスジェネレータGGの回転速度N1を検出する回転速
度センサSN1,コンプレッサCの出口温度T3を検出する
温度センサST3と出口圧力P3を検出する圧力センサSP3
燃焼機CCの入口温度T35を検出する温度センサST35,パ
ワタービンPTの出口温度を検出する温度センサST6,お
よび減速歯車R/Gを経たガスタービンGTの回転速度N3
検出する回転速度センサSN3等が設けられている。
アナログ信号用の入力インタフェースINaには、ガス
タービンGTに設けられた前述のセンサからの信号N1
N3,T0,P0,T3,P3,T35,T6やアクセルペダルからの
アクセル踏込量信号θacc等が入力され、デジタル信号
用の入力インタフェースINdにはキースイッチからのオ
ンオフ信号、シフトレバーからのシフト位置信号、ブレ
ーキからのブレーキ信号、非常信号EMG等のデジタル信
号が入力される。この実施例では非常信号EMGは非常ス
イッチEMGSWがONした時に発生(ローレベル“L")する
ようになっており、非常スイッチEMGSWはガスジェネレ
ータGGの回転速度N1を検出する回転速度センサSN1の異
常が検出された時に(センサSN1からの出力が喪失した
時)に、自動的或いは手動でONされるものである。
一方、出力回路OUTからは、燃焼機CCのアクチュエー
タA1に対して燃料流量(燃料噴射量)を指示する信号G
f、アクチュエータA2に対して可変ノズルVNの開度を指
示する信号α、トルクコンバータのロックアップクラ
ッチのオンオフを指示する信号S3、自動変速機A/Tの変
速信号S1,S2やスロットルワイヤ信号θ、、点火プラ
グPLへのイグニッション信号IG等が出力される。
ガスタービンGTの運転中の燃料流量Gfは、ガスジェネ
レータGGの回転速度N1、コンプレッサCの出口圧力P3
燃焼器CCの入口温度T35、およびアクセル踏込量θaccを
基に、制御回路10により演算される。燃料流量Gfの信号
はアクチュエータA1に入力され、図示しない燃料噴射ノ
ズルから燃料流量Gfに見合った燃料が噴射される。燃料
流量Gfは減速時のみ、ガスタービンGTのアイドリング噴
射量よりも小さくなる。また、点火プラグPLは制御回路
10からのイグニッション信号IGにより制御される。
次に以上のように構成された二軸式ガスタービン機関
における制御回路10の動作を第3図および第4図のフロ
ーチャートを用いて説明する。なお、二軸式ガスタービ
ン機関の通常の制御においては機関運転中、あるいは機
関運転前にガスジェネレータGGの回転速度N1の喪失が生
じると、機関運転中であれば機関停止、機関運転前であ
れば始動の際の燃料供給が行われず機関の起動が不可能
である。これに対して、本発明はガスジェネレータGGの
回転速度N1の喪失が生じた時に、非常信号EMGを制御回
路10に入力することにより、回転速度N1を基準にした燃
料制御を、コンプレッサタービンCTの入口温度T4を基準
にした燃料制御に切り換えることにより、機関の起動、
運転継続を可能とし、二軸式ガスタービン機関を搭載し
た車両の走行を可能とするものである。
まず、ステップ301においては、制御回路10に機関の
運転状態パラメータが入力される。この運転状態パラメ
ータは、例えば、ガスジェネレータGGの回転速度N1、コ
ンプレッサタービンPTの出口温度T6,熱交換器HEの出口
温度T35,大気圧P0,コンプレッサCの出口圧力P3,ア
クセル踏込量θacc等である。続くステップ302は外部か
らの非常信号EMGを入力の判別するものであり、非常信
号EMGが無い場合(NO)はコンプレッサCの回転速度N1
の検出信号の喪失はないものとしてステップ400に進
み、正常時の燃料流量Gfと可変ノズルVNの制御が行われ
る。正常時の燃料流量Gfと可変ノズルVNの制御について
は第4図を用いて後述する。一方、非常信号EMGが有る
場合(YES)はコンプレッサCの回転速度N1の検出信号
の喪失がある場合であるのでステップ303以降に進み、
異常時の燃料制御が行われる。
ステップ303は機関を起動するか否かを判別するもの
であり、コンプレッサCの回転速度N1の検出信号の喪失
がある異常時の制御は、機関が起動状態であるか、稼働
状態であるか、或いは機関が停止状態であるかによって
異なる。よって、以後第3図のフローチャートをこの3
つの状態に分けて説明する。
(1)機関の起動状態 コンプレッサCの回転速度N1の検出信号の喪失がある
異常時は通常はスタータを起動するためのスタータ信号
STや燃料への着火を行うためのイグニッション信号IGは
出力されない。ところが、この実施例ではステップ302
で非常信号EMGが有ると判定され、ステップ303において
機関の起動状態と判定された時は、ステップ304におい
てスタータ信号STとイグニッション信号IGが共にONにさ
れる。続くステップ305は機関起動後の経過時間tを監
視するものである。ここでは、機関起動後の経過時間t
がt1(sec)以内の時(NO)は、機関回転速度が十分上
昇しておらず空気流量Gaが不足していると判定されてス
テップ306に進み、燃料流量Gfが0にされて燃料の供給
が行なわれない。
一方、機関起動後の経過時間tがt1(sec)を超えた
時(YES)はステップ307に進み、コンプレッサCの出力
圧力P3が大気圧P0に所定値ΔP1を加えた値よりも大きい
か否かが判定される。P3>(P0+ΔP1)の時(YES)
は、検出可能なコンプレッサタービンCTの回転速度N1
アイドル回転速度近傍に達したと見做されてステップ30
8に進み、スタータ信号STがOFFにされてスタータの起動
が停止されると共に、イグニッション信号IGもOFFにさ
れて点火プラグPLもOFFされる。また、P3≦(P0+Δ
P1)の時(NO)は、検出可能なコンプレッサタービンCT
の回転速度N1がアイドル回転速度近傍にまだ達していな
いと見做されてステップ309に進み、燃料流量Gfが機関
の着火、回転速度の上昇に必要な量xにされる。
ステップ306とステップ309の終了後はステップ313に
進み、ステップ308の終了後はステップ311に進む。ステ
ップ311では、後述するアクセル踏込量θaccに応じたコ
ンプレッサタービンCTの入口温度T4の目標値T4SETに相
当する燃料流量が供給される制御が行われ、ステップ31
3では可変ノズルVNが全開に制御される。
なお、先にのべた所定値ΔP1は、コンプレッサタービ
ンCTの回転速度N1とコンプレッサCの特性の関係を予め
実験的に求めておき、コンプレッサタービンCTの回転速
度N1から大気圧P0を差し引いて求めた値となっている。
このような制御により、コンプレッサタービンCTの回
転速度N1が喪失した状態においても、機関の起動が可能
となる。
(2)機関の稼働状態(定常運転時) ステップ302で非常信号EMGが有ると判定され、ステッ
プ303において機関が起動状態でないと判定された時は
ステップ310に進む。ステップ310ではコンプレッサCの
出口圧力P3が大気圧P0に所定値ΔP2を加えた値よりも大
きいか否かが判定され。この所定値ΔP2は機関が停止状
態にあるのか、運転状態にあるのかを判別するために設
定された差圧であり、ΔP2は起動時における所定値ΔP1
よりも小さい値に設定される。従って、機関が起動され
た後にステップ310に進んできた時には、P3>(P0+ΔP
1)>(P0+ΔP2)であるので、機関が運転状態であれ
ばステップ310における判定はYESとなる。
このようにして、機関の運転状態が判定されて進むス
テップ311では、アクセル踏込量θaccで決定されるとこ
ろのコンプレッサタービンCTの入口温度T4の目標値T
4SETに相当する燃料流量が供給される。以下この機関の
定常運転時における燃料制御について詳しく説明する。
通常、コンプレッサタービンCTの回転速度N1が正常に
検出できる場合においては、アクセル踏込量θaccに応
じてコンプレッサタービンCTの回転速度N1の目標値N
1SETが決められて燃料制御が行なわれていたが、回転速
度N1の検出ができない場合においてはこのような制御は
不可能となる。従って、この実施例では第6図に示すよ
うに、アクセル踏込量θaccに対してコンプレッサター
ビンCTの入口温度T4を目標値T4SETとして制御するよう
にしてある。
ここで、タービンCTの入口温度T4は次式、 で与えられる。ここで、燃焼器の入口温度T35は熱電対
等のセンサにより検出可能な値であり、すでに制御回路
10の入力信号として取り入れられている。また、空気流
量GaはGa=f(P3)として検出可能であり、コンプレッ
サCの出口圧力P3も同様に制御回路10の入力信号として
取り入れられている。従って、コンプレッサタービンCT
の入口温度の目標値T4SETかアクセル踏込量θaccにより
決定されれば、このタービンCTの入口温度の目標値T
4SETを達成するための燃料流量Gfは次式、 Gf=Ga×K×(T4SET−T35) =P3×K×(T4SET−T35)… によって求めることができる。
このようにすれば、コップレッサタービンCTの回転速
度N1が喪失した場合でも、アクセル踏込量θaccで決ま
るコンプレッサタービンCTの入口温度T4を達成するため
の燃料制御が可能である。
次にアクセル踏込量が0%と100%の場合のコンプレ
ッサタービンCTの入口温度T4の値の数字の根拠について
説明する。
第6図におけるT4=700℃は、コンプレッサタービンC
Tの回転速度N1がアイドル回転速度における可変ノズルV
Nが全開の時の温度である。よって、可変ノズルVNを全
開とし、T4=700℃となる燃料を機関に供給すると、必
然的にコンプレッサタービンCTの回転速度はアイドル回
転数付近に落ち着くことになる。また、T4=900℃はコ
ンプレッサタービンCTの回転速度N1が定格回転速度にお
ける可変ノズルVNが全開の時の温度である。従って、可
変ノズルVNを全開とし、T4=900℃となる燃料を機関に
供給すると、必然的にコンプレッサタービンCTの回転速
度N1は定格回転速度付近に落ち着くことになる。
しかるべくして、アクセル踏込量θaccに応じてコン
プレッサタービンCTの入口温度T4が700〜900℃の間で設
定されて燃料の制御が行なわれる。この結果、コンプレ
ッサタービンCTの回転速度をアイドルから定格回転速度
の間で制御することが可能となる。なお、この際に可変
ノズルVNの開度αが変化すると、コンプレッサタービ
ンCTと出力タービンPTの間の膨張比が変わるので、コン
プレッサタービンCTの回転速度の変動を招くことになる
ので、可変ノズルVNの開度αは一定にする方が望まし
い。
ステップ311が終了した後のステップ313において可変
ノズルVNが全開に制御されるのはこのためである。
(3)機関の停止時 ステップ302で非常信号EMGが有ると判定され、ステッ
プ303において機関が起動状態でないと判定され、ステ
ップ310でP3>(P0+ΔP2)と判定された時(NO)が機
関の停止状態である。この時は、ステップ312に進み、
燃料流量Gfを0にしてステップ313に進む。
以上の制御が非常信号EMGがある場合の燃料制御であ
り、ステップ313が終了した後はステップ314にてサイク
ルタイムを調整してステップ310に戻ることになる。
次に、非常信号EMGが無い正常時の燃料流量Gfおよび
可変ノズルVNの制御(ステップ400)の内容について、
第4図を用いて詳しく説明する。
ステップ401ではアクセル開度θaccの関数であるガス
ジェネレータGGの回転速度の目標値N1SETが演算され
る。そして、ステップ402にて機関の運転状態パラメー
タからガスジェネレータGGが定常状態か否かが判定され
る。この機関の過渡状態と定常状態の判別は、アクセル
ペダルの踏み込み量とアクセルペダルの単位時間内の変
化量やガスジェネレータGGの回転軸の回転速度の変化率
等で判定すれば良い。
ガスジェネレータGGが定常状態にあると判定された時
(YES)はステップ403に進み、続くステップ404からス
テップ406において定常状態の制御が行われ、ガスジェ
ネレータGGが過渡状態にあると判定された時(NO)はス
テップ407に進み、続くステップ408からステップ410に
おいて過渡状態の制御が行われる。
定常状態のときは、ステップ403にて時間カウンタT
GACに1を加算して時間を計数し、続くステップ404にて
計数した時間が基準値Ktより大きいか否か、即ち、定常
状態に移行してから所定時間が経過したか否かが判定さ
れる。そして、定常状態に移行してから所定時間がまだ
経過していないとき(TGAC≦Kt)はステップ405に進
み、ガスジェネレータGGが燃焼器CCの出口温度T4を基に
して制御される。この制御はガスジェネレータGGの回転
速度N1を一定に保ちながら、燃焼器CCの出口温度T4を目
標値T4SETにするように燃料流量Gfと可変ノズルVNの開
度αを制御するものである。
また、定常状態に移行してから所定時間が経過したと
き(TGAC>Kt)はステップ406に進み、そして、パワタ
ービンの出口温度T6を基にして制御される。このときの
制御は、コンプレッサタービンの出口温度を測定する温
度センサの応答性が問題とならなくなるので、ガスジェ
ネレータGGの回転速度N1を一定にした状態で、パワター
ビンの出口温度T6が目標値T6SETになるように燃料流量G
fと可変ノズルVNの開度αを制御するものである。
一方、過渡状態のときは、ステップ407にて時間カウ
ンタTGACの値がクリアされ、続くステップ408にてステ
ップ401で演算されたガスジェネレータGGの回転速度の
目標値N1SETに対して、現在のガスジェネレータGGの回
転速度N1が小さいか否か、即ち、過渡状態が加速状態か
減速状態かが判定される。そして、加速状態のとき(N
1SET>N1)のときはステップ409に進み、ガスジェネレ
ータGGが燃焼器CCの出口温度T4を基にして制御される。
このときの制御は、ガスジェネレータGGを加速してその
回転速度N1を増大しながら、燃焼器CCの出口温度T4が目
標値T4SETになるように燃料流量Gfを制御するものであ
る。また、減速状態のとき(N1set≦N1)はステップ410
に進み、減速時の制御が行われる。
ステップ405、ステップ406、ステップ409またはステ
ップ410が終了するとステップ411に進み、演算した可変
ノズルVNの開度αや燃料流量Gf等がガスタービンGTに
出力される。そして、この後は第3図のステップ314に
進み、所定のサイクルタイムだけ時間が調整され、時間
調整後は再びステップ301に戻って前述の制御が繰り返
される。
第5図は以上説明した制御回路10の制御手順におい
て、回転速度センサSN1からのコンプレッサCの回転速
度N1の検出値が喪失した時のコンプレッサCの出口圧力
P3、コンプレッサCの実際の回転速度N1、および燃料流
量Gfの変化を時間と共に示すものである。
機関の起動から時刻t0までは燃料流量Gfは0であり、
時刻t0を過ぎた後はコンプレッサCの出口圧力P3が(P0
+ΔP1)に達するまでは燃料流量Gfが所定値xに保持さ
れる。この間、コンプレッサCの回転速度N1は上昇を続
ける。そして、圧力P3が(P0+ΔP1)を超えた後は第5
図に示すアクセルの踏込量θaccとコンプレッサタービ
ンCTの入口温度T4の目標値T4SETとの関係に応じて、燃
料流量Gfが制御され、機関がアイドル回転速度から定格
回転速度の間で制御される。
このように、本発明では回転速度センサSN1が故障
し、ガスジェネレータGGの回転速度N1の検出値が喪失し
た場合でも、コンプレッサCの出口圧力P3、燃焼器CCの
入口温度T35の既存パラメータを使用し、コンプレッサ
タービンCTの入口温度T4をアクセル踏込量θaccの関数
として与えることで、燃料を制御することができる。ま
た、基本的にコンプレッサタービンCTの入口温度T4を目
標とした燃料制御を行うので、温度的に機関を破損する
恐れはない。更に、コンプレッサタービンCTの入口温度
T4と可変ノズルVNの開度αが決まれば、コンプレッサ
Cの回転速度N1はおおよそ決まるので、コンプレッサタ
ービンCTの入口温度T4を余裕を持って低く設定しておけ
ば、回転速度N1が過回転になることもない。
一方、可変ノズルVNは各回転速度N1においてコンプレ
ッサタービンCTの入口温度T4を上げ、熱効率を改善する
ためのものであるが、回転速度N1が検出できないような
場合には車両の移動が可能な程度の機関出力を得ること
ができれば良いため、ここでは可変ノズルVNの開度α
は一定としてある。以上のような制御により、ガスジェ
ネレータGGの回転速度N1が検出できないような非常事態
においても、本発明によれば機関を起動、運転し、車両
の走行が可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のガスタービン機関の燃
料制御装置によれば、ガスジェネレータGGの回転速度N1
が検出できない非常事態においても、ガスタービン機関
を起動させ、運転することができるので、機関回転速度
N1を検出する回転速度センサの故障時にも車両の走行を
可能とすることができ、安全を図ることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック図、 第2図は本発明の燃料制御装置が適用される二軸式ガス
タービン機関の構成を示す全体概要図、 第3図は第2図の制御回路の制御手順の一例を示すフロ
ーチャート、 第4図は第3図のステップ400の内容を示すフローチャ
ート、 第5図は第3図、第4図の制御手順によるコンプレッサ
Cの出口圧力、ガスジェネレータの回転速度、および燃
料流量の変化を示す波形図、 第6図はアクセル踏込量とコンプレッサタービンの入口
温度の目標値との関係を示す線図、 第7図は従来の二軸式ガスタービン機関の一般的な構成
を示す図である。 1…回転速度センサ異常検出手段、2…非常信号発生手
段、3…起動時燃料制御手段、4…機関動作判定手段、
5…停止時燃料制御手段、6…稼働時燃料制御手段、7
…可変ノズル開度固定手段、10…制御回路、C…コンプ
レッサ、CC…燃焼器、CT…コンプレッサタービン、GG…
ガスジェネレータ、PT…パワタービン、SN1…回転速度
検出センサ、VN…可変ノズル。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸のコンプレッサ(C)とコンプレッサ
    タービン(CT)を備えたガスジェネレータ(GG)と、燃
    焼器(CC)と、可変ノズル(VN)と、別軸の出力タービ
    ン(PT)とを備えたガスタービン機関の燃料制御装置で
    あって、 前記ガスジェネレータ(GG)の回転速度(N1)を検出す
    るセンサ(SN1)の異常を検出する回転速度センサ異常
    検出手段(1)と、 回転速度センサ(SN1)の異常が検出された時に非常信
    号を発生する非常信号発生手段(2)と、 非常信号の発生状態で機関の起動がかかった時に、コン
    プレッサの出口圧力(P3)が所定値に達するまでの間、
    起動時の燃料を制御する起動時燃料制御手段(3)と、 非常信号の発生状態でかつ機関の起動状態でない時に、
    コンプレッサの出口圧力(P3)から機関の停止か稼働か
    を判定する機関動作判定手段(4)と、 機関停止と判定された時に、燃料を停止する停止時燃料
    制御手段(5)と、 機関稼働と判定された時に、予め設定されたアクセル踏
    込量とコンプレッサタービンの入口温度(T4)との関係
    をもとに稼働時の燃料を制御する稼働時燃料制御手段
    (6)と、 非常信号の発生時に可変ノズルの開度(α)を一定値
    に制御する可変ノズル開度固定手段(7)と、 を備えたガスタービン機関の燃料制御装置。
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