JP2704837B2 - 無鉛レース用ガソリン組成物 - Google Patents

無鉛レース用ガソリン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガソリン組成物に関し、
詳しくは競技自動車用ガソリンエンジンにおいて高出力
が得られる無鉛の高オクタン価ガソリン組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、モ−タ−スポ−ツの普及はめざま
しく、年々国内外で開催されるサ−キットレ−スやラリ
−競技が増加している。これに伴い競技用車両のエンジ
ン性能や制御系、燃料系統の技術は格段に向上してきて
いる。また、車両技術の向上に伴い電子燃料噴射装置を
搭載した車両が普及しており、今後もそのような傾向に
なる。エンジンも従来は過給器付きレ−ス用エンジンが
主流であったが、今後は自然吸気型へ移行する傾向とな
る。これらのエンジン技術の改良の結果、従来よりも一
層高性能なレ−ス用ガソリンが必要となってきている。
【0003】しかしながら、一方ではFIA(国際自動
車連盟)が定める国際スポ−ツ法典に基づく規定が年々
厳しくなり、ガソリンに関しても出力増強添加剤含有の
禁止や、密度、オクタン価の規制が実施されており、ま
た今後完全無鉛化となる方向にある。こうした状況の中
で上記の目的を満たすため、ガソリン性能の改良を施し
た各種のガソリンが提案されている。
【0004】例えば、SAE Paper 89087
7に記載されている高密度ガソリンや特開昭61−15
5494に記載されている高カロリ−高オクタン価を目
的とした多環化合物を含有するガソリンは、比較的高密
度であり、単位容量あたりのガソリンで長い距離を走行
することが可能となり燃費の向上をはかることはできる
が、出力の面からは十分期待できるものではない。ま
た、市販の航空ガソリンはオクタン価が高く、高出力が
期待できるがテトラエチル鉛のような鉛化合物を含有し
ており、今後のレ−ス用ガソリンとしては不適当であ
る。
【0005】一方、低密度でも特定の蒸留性状、比較的
高いオクタン価を有するガソリン(特開平4−1174
92) が提案されており、特に気化器仕様エンジンにお
いてはレスポンスが良いという特徴を有するが、出力の
面からは満足すべきものではない。また、最近はレ−ス
のレベルも向上してハイスピ−ド化が進み、レ−ス中エ
ンジンは終始高温に保たれていること、また一般にレ−
スは夏場を中心に開催されることにより、これらの低密
度ガソリンは、むしろ燃費悪化という欠点をもつもので
ある。
【0006】また、特開平5−65489では、年々変
更するFIAの定める燃料性状の規定に対応できるよう
開発された高密度で高出力を発揮する燃料が紹介されて
いるが、上記ガソリンはモ−タ−法オクタン価が低いこ
とにより安定した高出力が得られない。従って、今後は
新しいタイプのレ−ス用エンジンにも対応でき、走行中
に常時安定した高出力が導き出せるレ−ス用ガソリンが
要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】レ−ス用ガソリンに要
求される最も重要な性能は、走行中に常時高トルク高出
力を出すところにある。特にレ−スで通常頻繁に使用す
るところの回転領域である6,000rpm以上の高回
転領域において効率良く出力を引き出すことが要求され
る。最近では、フォ−ミュラ−・ワン・レ−スを始め、
多数のレ−スで自然吸気型レ−ス用エンジンの使用が義
務づけられるようになった。これらのエンジンは過給器
付きレ−ス用エンジンと比較して圧縮比が高いため、ア
ンチノック性の高いガソリンが要求される。
【0008】本発明の目的は電子燃料噴射装置搭載の自
然吸気型レ−ス用エンジンを含めて、如何なるレ−ス用
エンジンに対しても適合し、また如何なる気候条件下に
おいても出力が高く、かつアンチノック性に優れた、ガ
ソリン組成物を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ガソリンの揮発性性状
およびガソリンの成分組成において所定の条件を満た
し、かつ、リサ−チ法オクタン価が98.0以上である
無鉛のガソリン組成物がレ−ス用エンジンにおいて安定
した燃焼を示し、高い出力を発生することを見い出し
て、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明は、ガソリンの揮発性性状
において下記の(1)〜(3)式の条件を満たし、ま
た、ガソリンの成分組成において(4)〜(6)式の条
件を満たし、かつ、リサ−チ法オクタン価が98.0以
上である無鉛レ−ス用ガソリン組成物である。 130℃≦EP−IBP (1) 40℃≦T90−T10≦70℃ (2) 55≦RVP+(0.7×E70)≦75 (3) 50vol%≦C7+C8≦70vol% (4) 35vol%≦TOL≦50vol% (5) 12vol%≦C8(S)≦25vol% (6)
【0011】ここで、EP、IBP、T90およびT1
0は蒸留性状におけるそれぞれ終点(℃)、初留点
(℃)、90%留出温度(℃)および10%留出温度
(℃)を示し、RVPはリ−ド蒸気圧(kPa)、E7
0は70℃までの留出留分の割合(vol%)を示し、
C7およびC8は、ガソリン中における炭素数7および
8の炭化水素の割合(vol%)を示し、TOLはガソ
リン中におけるトルエンの割合(vol%)を示し、C
8(S)はガソリン中における炭素数8の飽和脂肪族炭
化水素の割合(vol%)を示す。
【0012】なお、本発明でいう蒸留とはJIS K2
254の「石油製品蒸留試験方法」で規定された方法で
測定される値をいう。また、本発明でいうリ−ド蒸気圧
とはJIS K2258の「原油及び燃料油蒸気圧試験
方法」で規定された方法で測定される値をkPaに換算
した値をいう。
【0013】以下、本発明の内容をさらに詳細に説明す
る。本発明のガソリン組成物は、特にエンジンの高回転
領域下において、また高い外気温の条件下において、ガ
ソリンが適正に燃焼室内で燃焼し高い出力性能を発揮で
きるような上記(1)〜(3)式の条件を満たす揮発性
性状および(4)〜(6)式の条件を満たす成分組成を
有し、かつ、リサ−チ法オクタン価が98.0以上であ
ることを特徴とする。これらの条件のいずれか一つでも
満たさなければ、優れた出力を発揮する無鉛レ−ス用ガ
ソリン組成物を製造することはできない。
【0014】(1)式はガソリンの沸点温度範囲に関す
る条件式である。IBP(初留点)からEP(終点)ま
での温度範囲が130℃未満では、狭い沸点温度範囲の
留分から構成されることになるため、低い外気温の条件
下においてエンジンの始動性が悪くなったり、また低回
転領域での出力が低下するという欠点を有するか、ある
いは高い外気温の条件下においてベ−パ−ロックやパ−
コレ−ション現象を引き起こしやすくなるという欠点を
有することとなり、結果として燃焼の安定性にかけるた
め出力が低下する。従って、上記範囲以上の沸点範囲を
有することが必要である。
【0015】(2)式はガソリンの蒸留性状T10から
T90までの温度範囲に関する条件式である。蒸留性状
T10からT90までの温度がある適正な温度範囲にあ
る場合においてのみ、適正な燃焼による高出力が期待で
きる。上記に掲げる温度範囲が40℃未満では、沸点範
囲の狭い留分が多過ぎるために、走行時にガソリンの蒸
発速度が大き過ぎることとなり、適正な混合気が形成さ
れず、燃焼の安定性が悪くなり出力が低下する。また7
0℃を越えると、反対に沸点範囲の狭い留分が少な過ぎ
るために、走行時にガソリンの蒸発速度が小さ過ぎるこ
ととなり適正な混合気が形成されず、やはり燃焼の安定
性が悪くなり出力が低下する。
【0016】(3)式は高い外気温の条件下における運
転性の指標を示す。この指数が55未満では揮発性が非
常に悪化し、混合気が薄くなり過ぎ燃焼の安定性が悪く
なるためにドライバビリティの上で大きな不具合を生
じ、加速性に劣るだけでなく、出力が低下する。また、
75を越えると、ベ−パ−ロックやパ−コレ−ション現
象を引き起こしやすくなる。この現象にともない適正な
量のガソリンが燃焼室に行き届かなくなり、燃焼の安定
性が悪くなるために出力の低下を引き起こすばかりでな
く、ガソリン蒸気および車両走行中に発生する火の粉に
よる火災が発生しないとも限らない。さらには、急なエ
ンジンの停止にともなう事故も起こしかねない。
【0017】(4)〜(6)式は、ガソリン中の成分組
成に関する条件である。(4)式はガソリン中に含有さ
れる炭素数7および8の炭化水素成分が合わせて50v
ol%以上かつ70vol%以下にするという条件式で
ある。炭素数7および8の炭化水素は、密度が比較的高
く燃焼速度も比較的高いため、この成分を上述範囲で含
有することにより、優れた出力、加速性および燃費が期
待できる。50vol%未満では、燃焼性に劣るため高
出力が望めない。また、70vol%を越える場合にも
やはり燃焼性が適性でなくなり、高出力が発揮できな
い。
【0018】(5)式はトルエン含有量を35vol%
以上、50vol%以下にするという条件式である。ト
ルエンが(5)式の条件を満たすことにより、高出力を
発揮できる。35vol%未満では、燃焼性が適当でな
く高出力が得られない。同様に50vol%を越える場
合もやはり、燃焼性が適当でなく出力が低下する。
【0019】(6)式は炭素数8の炭化水素の内、飽和
脂肪族炭化水素分がガソリン中に12vol%以上、2
5vol%以下含有されていなければならない条件式で
ある。C8(S)は飽和脂肪族炭化水素分の中でも燃焼
性が良い。この留分が12vol%未満では燃焼性が適
正でなく高い出力は期待できない。また、25vol%
を越える場合にもやはり燃焼性が適正でなくなり高い出
力は期待できない。
【0020】本発明のガソリン組成物のリサ−チ法オク
タン価は、98.0以上であることが必要である。オク
タン価が98.0未満では、アンチノック性が悪くなり
出力が低下する。なお、本発明でいうリサ−チ法オクタ
ン価とはJIS K2280の「オクタン価試験方法」
で規定された方法で測定される値をいう。
【0021】以下に、本発明のガソリン組成物の製造法
を詳しく記す。本発明のガソリン組成物を製造する際に
使用する基材としては、トルエン、接触分解ガソリン、
接触改質ガソリン、重合ガソリン、アルキレ−ト、軽質
ナフサ、アイソメレ−ト、C4留分等がある。また、メ
タノ−ル、エタノ−ル、MTBE(メチルタ−シャリ−
ブチルエ−テル)、ETBE(エチルタ−シャリ−ブチ
ルエ−テル)のような含酸素化合物を配合しても良い。
さらに、添加剤としてポリアルキルアミン、ポリエ−テ
ルアミン等の清浄分散剤、フェノ−ル系、アミン系等の
酸化防止剤、金属不活性化剤、氷結防止剤、両性界面活
性剤等の帯電防止剤等を配合することもできる。
【0022】本発明に使用するトルエンは、例えば、原
油の常圧蒸留によって得られる沸点約70〜200℃の
重質ナフサ留分をあらかじめ水素化精製装置にかけて硫
黄分等の不純物を低減した後、白金あるいは白金−レニ
ウム等を触媒として用いる接触改質装置で脱水素、環化
反応を行わせて得た留分をスルフォラン装置にかけ芳香
族分を抽出した後、この芳香族分を分留塔で精密蒸留す
ることにより製造することができる。
【0023】接触分解ガソリンは、例えば、減圧蒸留装
置から得られた減圧軽油留分、あるいは/および常圧蒸
留残油をシリカアルミナ触媒あるいはゼオライト触媒の
流動床において反応温度450〜550℃、反応圧力
0.8〜1.1kgf/cm2Gで接触分解して得られ
る留分を分留して製造される沸点30〜200℃のガソ
リン材源である。
【0024】接触改質ガソリンは、例えば、原油の常圧
蒸留によって得られる沸点が約70〜200℃の重質ナ
フサ留分をあらかじめ水素化精製装置にかけて硫黄分等
の不純物を低減した後、白金あるいは白金−レニウム等
を触媒として用いる接触改質装置で脱水素、環化反応を
行わせて製造されるガソリン材源である。なお、接触改
質ガソリンには、トルエンが含まれているため、接触改
質ガソリンを材源として使用する場合にはトルエン単体
として混合した量と、接触改質ガソリンに含まれている
トルエンの合計が、35〜50vol%となることが必
要である。
【0025】重合ガソリンは、例えば、接触分解により
得られる分解ガス中のプロピレン、ブチレン留分を硫酸
あるいはピロリン酸銅等の触媒存在下、低温、低圧で重
合することにより製造されるガソリン材源である。アル
キレ−トは、例えば、接触分解で得られたブテンと原油
の常圧蒸留装置から得られたイソブタンを硫酸あるいは
弗酸の触媒下、反応温度7〜10℃、反応圧力4kgf
/cm2 G前後の条件下で反応を行わせて製造されるガ
ソリン材源である。
【0026】軽質ナフサは、例えば、原油の常圧蒸留に
よって得られた沸点30〜200℃の留分をソ−ダ洗浄
等によりスイ−トニング処理して製造されるかあるいは
原油の常圧蒸留によって得られた沸点30〜200℃の
留分をあらかじめ水素化精製装置にかけて硫黄分等の不
純物を低減した後、分留して製造される沸点30〜10
0℃留分のガソリン材源である。
【0027】アイソメレ−トは、例えば、原油の常圧蒸
留によって得られる上述の軽質ナフサを固定床触媒上で
反応温度120〜200℃、反応圧力20〜70kgf
/cm2 Gの条件下で反応を行わせ異性化した後、軽質
炭化水素を分離後スタビライザ−にかけ炭素数3以下の
留分を除去することにより精製して製造されるガソリン
材源である。
【0028】C4留分は、例えば、原油の常圧蒸留によ
って塔頂から得られたガスあるいは流動接触分解装置か
ら得られたガス等のガスから、不純物(硫化水素、メル
カプタン等)を除去した後、精留して製造される炭素数
4の炭化水素を主体とする混合物である。
【0029】なお、本発明でいう炭素数が7および8の
炭化水素には、例えば4,4-ジメチル-1- ペンテン、2,2-
ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、2,2,3-トリ
メチルブタン、c-4,4-ジメチル-2 -ペンテン、3,3-ジメ
チルペンタン、c-4-メチル-2- ヘキセン、2,3-ジメチル
ペンタン、1,1-ジメチルシクロペンタン、3-メチルヘキ
サン、c-3,4-ジメチル-2- ペンテン、2-メチル-1- ヘキ
セン、3-エチルペンタン、t-3,4-ジメチル-2- ペンテ
ン、2,2,4-トリメチルペンタン、1-ヘプテン、t-3-ヘプ
テン、n-ヘプタン、t-3-メチル-2- ヘキセン、2-メチル
-2- ヘキセン、c-3-メチル-3- ヘキセン、t-2-ヘプテ
ン、c-3-メチル-2- ヘキセン、2,3-ジメチル-2- ペンテ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロペンタン、2,
5-ジメチルヘキサン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,4-
ジメチルヘキサン、1,2,4-トリメチルシクロペンタン、
2,3,4-トリメチルペンタン、トルエン、2,3,3-トリメチ
ルペンタン、2,3-ジメチルヘキサン、2-メチルヘプタ
ン、3-メチルヘプタン、n-オクタン、エチルベンゼン等
がある。
【0030】これらの炭素数が7および8の炭化水素
は、接触分解法などで得られる接触分解ガソリン、接触
改質法などで得られる接触改質ガソリン、オレフィンの
重合により得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭
化水素に低級オレフィンをアルキル化することにより得
られるアルキレ−ト等の中に多量に存在する。
【0031】本発明に使用する炭素数8の飽和脂肪族炭
化水素には、例えばn-オクタン、3-メチルヘプタン、2-
メチルヘプタン、2,3-ジメチルヘキサン、2,3,3-トリメ
チルペンタン、2,3,4-トリメチルペンタン、2,4-ジメチ
ルヘキサン、2,2,4-トリメチルペンタン、2,2,3-トリメ
チルペンタン、2,5-ジメチルヘキサン等がある。これら
の炭素数8の飽和脂肪族炭化水素は、接触分解法などで
得られる接触分解ガソリン、接触改質法などで得られる
接触改質ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オ
レフィンをアルキル化することにより得られるアルキレ
−ト等の中に多量に存在する。
【0032】本発明のガソリン組成物は上述のガソリン
材源のいくつか、あるいは全部を混合することによって
製造される。しかしながら、単に上記のガソリン基材を
混合するだけでは本発明のガソリン組成物を製造できる
わけでなく、ガソリンの揮発性性状が特許請求の範囲に
記載する(1)〜(3)式の条件を満たし、また、ガソ
リンの成分組成が特許請求の範囲に記載する(4)〜
(6)の条件を満たし、かつ、リサーチ法オクタン価が
98.0以上であることが必要である。
【0033】なお、本発明の無鉛レース用ガソリン組成
物は特に競技自動車用エンジンに使用した場合に高出力
を発揮するものであるが、競技自動車用以外のエンジン
でも、例えばスポーツタイプのエンジンであれば、効果
の程度は多少落ちるものの、ある程度の効果はあり、ま
た、一般の自動車エンジンに対しても、問題なく使用す
ることができる。
【0034】
【実施例】本発明の内容を実施例および比較例により具
体的に説明する。 (実施例1〜4)トルエン、接触分解ガソリン、接触改
質ガソリン、アルキレ−ト、軽質ナフサ、C4留分、M
TBE等を各種の割合で混合し、本発明のガソリン組成
物4種類を得た。得られたガソリン組成物の材源混合割
合および性状を表1に示す。上述の4種類のガソリン組
成物を燃料として、2000ccDOHC過給器付きレ
−ス用エンジンおよび1600cc自然吸気型レ−ス用
エンジンを用いたベンチエンジン試験により、本発明の
レ−ス用ガソリン組成物の出力性能を測定した。試験を
行ったエンジン回転領域は、レ−スで常用する3500
rpm〜7800rpmの範囲とした。出力性能試験の
結果を表3および表4に示す。
【0035】(比較例1〜3)比較のため、揮発性性状
の条件((1),(2),(3))が本発明で特定する
範囲から外れ、かつ成分組成の条件((4),(5),
(6))が本発明で特定する範囲から外れるように混合
したガソリン組成物を得た。その材源混合割合および性
状を表2に示す。この燃料を用いて実施例と同様なベン
チエンジンによる出力性能試験を行った。その結果を表
5および表6に示す。
【0036】(比較例4)比較のため、揮発性性状の条
件((1),(2),(3))が本発明で特定する範囲
内にあるが、成分組成の条件((4),(5),
(6))が本発明で特定する範囲から外れるように混合
したガソリン組成物を得た。その材源混合割合および性
状を表2に示す。この燃料を用いて実施例と同様なベン
チエンジンによる出力性能試験を行った。その結果を表
5および表6に示す。
【0037】(比較例5)比較のため、揮発性性状の条
件((1),(2),(3))が本発明で特定する範囲
から外れ、かつ成分組成の条件((4),(5),
(6))が本発明で特定する範囲内にあるように混合し
たガソリン組成物を得た。その材源混合割合および性状
を表2に示す。この燃料を用いて実施例と同様なベンチ
エンジンによる出力性能試験を行った。その結果を表5
および表6に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】以上の結果から、本発明のガソリン組成物
の出力性能(実施例1〜4)は、過給器付きレ−ス用エ
ンジンおよび自然吸気型レ−ス用エンジンのいずれにお
いても比較例1〜5のガソリン組成物の結果に比較し
て、大幅に優れていることが認められる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、ガソリンの揮発性性状におい
て特定の条件を満たし、またガソリンの成分組成におい
ても特定の条件を満たし、かつリサ−チ法オクタン価が
98.0以上であるガソリン組成物としたことにより、
過給器付きレ−ス用エンジンおよび自然吸気型レ−ス用
エンジンにおいても従来以上の高出力を発揮する顕著な
効果を奏することとなり、レ−ス用のガソリンとして非
常に有益である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガソリンの揮発性性状において下記の
    (1)〜(3)式の条件を満たし、また、ガソリンの成
    分組成において(4)〜(6)式の条件を満たし、か
    つ、リサ−チ法オクタン価が98.0以上である無鉛レ
    −ス用ガソリン組成物。 130℃≦EP−IBP (1) 40℃≦T90−T10≦70℃ (2) 55≦RVP+(0.7×E70)≦75 (3) 50vol%≦C7+C8≦70vol% (4) 35vol%≦TOL≦50vol% (5) 12vol%≦C8(S)≦25vol% (6) ここで、EP、IBP、T90およびT10は蒸留性状
    におけるそれぞれ終点(℃)、初留点(℃)、90%留
    出温度(℃)および10%留出温度(℃)を示し、RV
    Pはリ−ド蒸気圧(kPa)、E70は70℃までの留
    出留分の割合(vol%)を示し、C7およびC8は、
    ガソリン中における炭素数7および8の炭化水素の割合
    (vol%)を示し、TOLはガソリン中におけるトル
    エンの割合(vol%)を示し、C8(S)はガソリン
    中における炭素数8の飽和脂肪族炭化水素の割合(vo
    l%)を示す。
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