JP2703165B2 - 直進形柔軟アクチュエータ - Google Patents

直進形柔軟アクチュエータ

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JP2703165B2
JP2703165B2 JP4328596A JP32859692A JP2703165B2 JP 2703165 B2 JP2703165 B2 JP 2703165B2 JP 4328596 A JP4328596 A JP 4328596A JP 32859692 A JP32859692 A JP 32859692A JP 2703165 B2 JP2703165 B2 JP 2703165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柔軟運動が可能なアクチ
ュエータに関し、さらに詳細には直進運動ができ、かつ
出力端における位置精度を向上させた直進形柔軟アクチ
ュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程においては、ウェハに機
械的衝撃が加わると内部欠陥が発生してその電気特性に
影響することがある。また、このような機械的衝撃によ
り必然的に発生するパーティクルは、ウェハ上に形成さ
れるべき微細回路素子よりも大きいことがあるので、必
要な微細回路加工を妨害することになる。これらの理由
により、半導体製造上、機械的衝撃は可能な限り排除す
べきである。しかし従来、モータ、ピストン機構のよう
なアクチュエータにおける機械的運動要素は、一般には
剛性のある構造とされ、かかる剛性によりミクロンオー
ダの運動と位置決め精度を持ちうるように構成されてい
る。このような剛的な運動要素が所定の運動をしている
途中に他の部材等に当たると、機械的衝撃を発生するこ
とになる。以下これを硬い動きという。したがって前記
半導体製造工程におけるウェハ搬送等にこのような硬い
動きを用いる場合には、極度に綿密な位置制御および速
度制御を行って、機械的衝撃の発生を抑える必要があ
る。
【0003】これに対し、現在のロボット駆動に見られ
るように、発達した視覚、触覚センサを利用したマイク
ロプロセッサによる統括制御の下で使用されるアクチュ
エータは、必ずしも剛構造であり、かつ高加工精度を有
するものばかりでなくてもよい。むしろ、柔軟な動きが
可能なフレキシブルアクチュエータをかかる統括制御下
にて用いれば、人間の手指に代替できる人工手指の開発
につながるものと期待されている。したがって、このよ
うな柔軟な動きをするアクチュエータによれば、硬い動
きをするアクチュエータに比べてはるかに簡単な制御下
で、半導体製造工程に適用可能な無衝撃の搬送機構が実
現できると考えられる。
【0004】そこで、かかる用途へ適用すべきフレキシ
ブルアクチュエータとしていくつかの提案がなされてお
り、これらの多くは異なる柔軟性を有する部材の組合
せ、もしくは柔軟性のあるチューブと伸縮しない強化繊
維との組合せにより湾曲やねじれ等の多様な変形を実現
するものである。例えば、ゴム管内を円周方向に3室に
分割して軸方向に長い3つの圧力室の集合体とし、各圧
力室にそれぞれ異なる圧力を印加することにより、湾
曲、軸方向の伸長、軸回りのねじり等、多様な柔軟変形
を可能としたものが知られている。(鈴森、日本機械学
会論文集C編(平1−10)、2547〜2552)
【0005】あるいは、ゴム管の周囲に強化繊維(周強
化繊維)を密に巻き、そして別の強化繊維(軸強化繊
維)を軸方向に沿って接合したものがある。周強化繊維
はゴム管内に加圧されたとき、ゴム巻の径が膨張するの
を防ぎ、軸方向にのみ膨張させる作用がある。そして軸
強化繊維が接合されている箇所においては軸方向の膨張
も防がれるので、このアクチュエータは加圧されると、
軸強化繊維のないところが膨張し、全体としては軸強化
繊維側を内側に湾曲することになる。(田中、機械設計
36、8(1992−7)、32〜39)これらのフレ
キシブルアクチュエータを、半導体製造装置のウェハ搬
送装置に応用すれば、機械的衝撃による内部欠陥やパー
ティクルの発生のおそれがない、すぐれたウェハ搬送機
構が実現されるものと期待されている。
【0006】この種のアクチュエータのうち出力端が直
進運動を示すものとしては、図3に示すように円筒形状
のチューブ14と、その周囲に多数のリング状の強化繊
維15を密に巻いたチューブアクチュエータ5が考えら
れる。チューブアクチュエータ5は、加圧されると、内
容積が増加するような変形をしようとするが、リング状
の強化繊維15によりチューブ14の半径方向への伸長
が規制されているので、チューブ14の軸方向への伸長
しかできない。したがって、チューブアクチュエータ5
は、一端を固定し他端を出力端とすれば、加圧されるこ
とにより出力端がチューブ軸方向に沿って直進して伸長
する動きをみせる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のゴムチューブを用いたフレキシブルアクチュエータ
は、使用を継続すると、ゴムの伸縮変形が反復されるこ
とになるので、ゴムが伸状態であった時間が累積される
ことにより、ゴムに不可避的にクリープ変形が発生す
る。これが発生すると、アクチュエータ出力端の位置が
発生前と比べてずれるので、必要な位置精度が得られな
いのである。また、前記のチューブアクチュエータ5に
おいては、出力端における、軸回りの回転運動を規制す
るものは何もないので、チューブ14の材質の不均一や
強化繊維15の接合密度の不均一等の要因により、ある
いは負荷のかかりかたにより、出力端の動きに軸回りの
回転成分がはいることがある。このような意図しない回
転成分があると、チューブアクチュエータ5が対象物に
対して応力をかけることとなり、対象物の特性や微細構
造に影響することがある。
【0008】あるいは逆に対象物からの負荷によりチュ
ーブアクチュエータ5に回転成分が付加されることがあ
り、これが極端であるとチューブ14の破損事故が起こ
り得る。いうまでもなくこのような事故が起これば危険
であるし、半導体製造上好ましくないパーティクル発生
原因ともなる。また、チューブアクチュエータ5は、直
進形とはいっても出力端は何ら支持されていないので、
対象物の重量によっては湾曲が避けられない。特に、加
圧して伸長しているときには、対象物の重量による曲げ
モーメントが大きくなるので湾曲しやすい。したがって
対象物がよほど軽いものでない限り、実際には直進形に
ならないのである。そのため、例えば、実願昭56−5
6952号のように、チューブの外部にガイドを設ける
ことが提案されている。しかし、その方法では、ガイド
でパーティクルが発生し、問題である。また、過加圧す
るとチューブ14が破損し、急激に飛散するおそれがあ
る。チューブ14の回転成分によるものと同様、このよ
うな事故が起これば危険であり、パーティクルの発生原
因となる。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、反復使用してもチューブのクリ
ープによる位置精度の低下が起こらず、対象物の重量に
よらず確実にかつ回転成分を伴なわずに直進運動し、ま
た、回転成分や過加圧によるチューブ破損事故のおそれ
を排除し、また、パーティクルが外部に漏れる恐れのな
い、半導体製造分野に適した形状可変アクチュエータを
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の直進形柔軟アクチュエータは、柔軟性のある
チューブと、前記チューブの周囲に巻回されたリング状
の強化繊維とを有する柔軟アクチュエータであって、前
記チューブの一端を固定して保持する固定ホルダと、前
記チューブの他端に保持されるチューブキャップとを備
え、前記固定ホルダと前記チューブキャップとにはそれ
ぞれ軸方向に相互に摺動する摺動部位と、相互に当接し
て軸方向摺動範囲を規制する第1当接部位と第2当接部
位とが形成され、前記当接部位により規制される摺動範
囲内における前記チューブの最短長が前記チューブの自
由長より長いことを特徴とする構成とされる。また、本
発明の直進形柔軟アクチュエータは、前記摺動部位の一
部の断面形状が非円形であることを特徴とする前記の構
成とされる。
【0011】また、本発明の直進形柔軟アクチュエータ
は、柔軟性のあるチューブと、チューブの周囲に巻回さ
れたリング状の強化繊維とを有する柔軟アクチュエータ
であって、チューブの一端を固定して保持する固定ホル
ダと、チューブの他端に保持されるチューブキャップと
を備え、固定ホルダとチューブキャップとにはそれぞれ
軸方向に相互に摺動する摺動部位と、チューブ内にあっ
て、チューブキャップの前進位置を規制する第1当接部
位と、チューブキャップの後退位置を規制する第2当接
部位とが形成されると共に、前記摺動部位が前記チュー
ブに覆われていて、摺動部位で発生するパーティクルが
外部に漏れない
【0012】
【作用】前記構成を有する本発明の直進形柔軟アクチュ
エータでは、チューブ内に空気圧を印加すると、チュー
ブが膨張しようとするが、チューブの周囲に巻回されて
いる強化繊維がチューブの周方向への膨張を規制するの
で、チューブは軸方向にのみ伸長する。印加されている
空気圧を開放すると、チューブは軸方向に縮小する。
【0013】このとき、チューブの両端が、相互に摺動
する固定ホルダとチューブキャップとにより保持されて
いるので、対象物の重量により湾曲することがなく、直
進性が保証されている。また、固定ホルダとチューブキ
ャップとには当接箇所が形成され、摺動範囲が規制され
ているので、摺動範囲の下限により決定されるチューブ
の最短長を、チューブの自由長より長いこととしておけ
ば、チューブの初期クリープの影響を排除できる。ま
た、摺動範囲の上限により、過加圧によるチューブの破
損事故を防止できる。さらに、固定ホルダとチューブキ
ャップとの摺動部位の断面形状が非円形であるため、チ
ューブの伸縮によるチューブキャップの運動には、軸回
りの回転成分が加わることがなく、対象物に無用な応力
をかけることがなく、チューブの破損事故も防止され
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の直進形柔軟アクチュエータを
具体化した実施例を図面を参照して説明する。図1は本
実施例の直進形柔軟アクチュエータ1の全体構成を示す
断面図である。まず、直進形柔軟アクチュエータ1の全
体構成を説明し、次にその構成要素の1つであるチュー
ブアクチュエータ5について説明し、続いて直進形柔軟
アクチュエータ1の全体動作について説明し、しかる後
に直進形柔軟アクチュエータ1における本発明としての
主要部分について説明する。
【0015】図1に示す直進形柔軟アクチュエータ1の
全体構成は、チューブアクチュエータ5の一端を固定ホ
ルダ6に気密に固着し、他端をチューブキャップ7に気
密に固着したものである。ここにおいて、固定ホルダ6
とチューブキャップ7とは、摺動部8において軸方向
(図中左右方向)に摺動できるようになっている。さら
に、固定ホルダ6には、チューブキャップ7と当接する
当接部9、10が形成され、チューブキャップ7には、
固定ホルダ6と当接する当接部11、12が形成されて
いる。
【0016】次に、以上の全体構成を有する直進形柔軟
アクチュエータ1の構成要素の1つであるチューブアク
チュエータ5について、図3に基づいて説明する。チュ
ーブアクチュエータ5は、柔軟性のあるチューブ14に
伸縮しないリング状の強化繊維15を密に巻回したもの
である。かかるチューブアクチュエータ5は、加圧され
ると全体が膨張しようとするが、強化繊維15により半
径方向への膨張が規制されているので、軸方向にのみ伸
長する。加圧を解除すると、軸方向に縮小してもとに戻
る。ここで、チューブ14の材質としては、NBRゴム
等のゴムあるいはプラスチック等適度な柔軟伸縮性を有
する素材であれば何でもよく、強化繊維15としては、
炭素繊維、金属細線、絹糸等、縦弾性係数(ヤング率)
がチューブ材に比して充分大きく、かつ、降伏しにくい
ものであれば何でもよい。そしてこれらは通常何らかの
接着剤により接合されることになるが、かかる接着剤と
しては、チューブ14と同質のものでかつ強化繊維15
とのなじみがよいものを選ぶとよい。
【0017】次に、以上の構成を有する直進形柔軟アク
チュエータ1の全体動作について説明する。まず、図1
(a)は、固定ホルダ6の当接部9とチューブキャップ
7の当接部11とが当接している状態、すなわち縮状態
を示している。圧力室13に加圧すると孔16を介して
チューブ内空間17も加圧されるので、チューブアクチ
ュエータ5は前記のように軸方向に伸長し、固定ホルダ
6の当接部10とチューブキャップ7の当接部12とが
当接して、図1(b)に示す伸状態になる。このとき、
チューブキャップ7の当接部12にも孔18が穿設され
ているので、当接部12と当接部10との間の空間19
の圧力変化が緩和されている。圧力室13の圧力を適度
に加減すれば中間状態にすることもできる。圧力室13
の圧力を開放すると、図1(a)の縮状態に戻る。
【0018】これにより、直進形柔軟アクチュエータ1
の出力端たるチューブキャップ7は、圧力室13にかけ
る圧力により、図中左右方向に直線的に移動することに
なり、移動しうる範囲は、固定ホルダ6の当接部9とチ
ューブキャップ7の当接部11とにより下限が、固定ホ
ルダ6の当接部10とチューブキャップ7の当接部12
とにより上限が確定されている。また、ここにおけるチ
ューブキャップ7の動きは、空気圧と、柔軟なチューブ
の伸縮とによるものなので、対象物に衝撃を与えること
のないいわゆる柔軟な動きである。
【0019】以上で、直進形柔軟アクチュエータ1の全
体に関する説明を終了し、本発明としての特徴部分につ
いての説明に移る。まず、第1の特徴部分は、図1
(a)で示される縮状態におけるチューブアクチュエー
タ5の長さ(図中LS で示す)が、チューブアクチュエ
ータ5の自由長(固定ホルダ6等に組み付けられていな
い状態での長さ、以下Lf で示す)より長いことであ
る。したがって、チューブアクチュエータ5は、直進形
柔軟アクチュエータ1に、予め機械的にLS −Lf の長
さだけ伸長されて(以下、予備伸長という)組み付けら
れていることになる。これは、チューブアクチュエータ
5がゴム等によるチューブ14でできているために不可
避的に起こるクリープ変形によるチューブキャップ7の
位置ズレを防ぐためのものである。
【0020】ここで、ゴム系材料のクリープ変形につい
て説明する。一般に高分子材料は一定応力下では時間と
ともにクリープを起こし、また一定変位を与えて維持す
る場合には応力の緩和現象が起こる。すなわちチューブ
アクチュエータ5の場合で言えば、チューブ14が伸状
態に維持されると、クリープによりその自由長が伸びて
くるのである。
【0021】この、クリープ変形挙動の一例を図4に示
す。図4は、NBRゴムに12.6kgf/cm2 の一
定応力を印加したときの印加時間t(対数表示)とクリ
ープ率Δεとの関係を表すグラフである。ここでクリー
プ率とは30分間の応力印加による伸長率を基準にとっ
て表した伸長率であり、次式で表される。 Δε=ε−ε30 ここで、εは時間tにおける伸長率(%)を、ε30は3
0分経過時の伸長率(%)を示す。図4より、クリープ
は、応力印加初期は、時間の対数に対してほぼ直線的に
増加するが、その後傾斜が急となり急速にクリープする
ようになることがわかる。これは、試験温度が高いほど
激しく、応力を長時間印加するとゴムの劣化による急速
なクリープが起こるものとみられる。NBRゴム以外の
ゴムも、これと同様の傾向を示す。
【0022】図4中温度50゜Cのカーブに着目する
と、印加時間1000時間にてクリープ率は約10%に
達している。したがって、50゜Cでのε30が仮に無視
できるほど小さいとしても1000時間での伸長率εは
約10%となり、チューブ14の初期の自由長を50m
mとすれば5mmの狂いが生じることになる。チューブ
アクチュエータ5を例えば半導体製造設備のウェハ搬送
機構に用いる場合、この狂いは大きい。しかも図4のグ
ラフの横軸の時間は対数目盛りであるから、これを真数
目盛りで表せば、伸長率変化の大部分は印加時間の比較
的前期に集中していると考えられる。以上のことから、
チューブアクチュエータ5に予備伸長を与えずに使用す
る従来の直進形アクチュエータでは、使用開始直後から
チューブ14のクリープ変形に配慮して使用しなければ
ならないのである。
【0023】そこで本実施例の直進形柔軟アクチュエー
タ1では、チューブアクチュエータ5に予備伸長を与え
て使用することにより、この困難を解消している。すな
わち、チューブアクチュエータ5に10%の予備伸長を
与えて直進形柔軟アクチュエータ1に組み込んだ場合、
仮に予備伸長によるクリープ変形への寄与を無視すれ
ば、伸長率10%に達する1000時間までは、クリー
プ変形による狂いは予備伸長に吸収されてしまい問題に
ならないのである。実際には予備伸長もクリープ変形に
多少寄与するので、1000時間より若干早くクリープ
変形による影響が現れると思われる。クリープ変形によ
る伸長率が予備伸長の量を越えると、チューブキャップ
7の位置ズレが起こるので、チューブアクチュエータ5
を新品に交換することになる。
【0024】かかるクリープ変形による位置ズレは、加
圧時においても問題となるが、本実施例の直進形柔軟ア
クチュエータ1ではこの点も手当されている。すなわ
ち、本発明としての第2の特徴部分である当接部10と
当接部12とが、チューブアクチュエータ5の最大長
(図1中Ll )を確定しているので、クリープ変形が起
こった後に圧力を印加しても、チューブアクチュエータ
5の長さはLl を超えることはない。これらのことによ
り、直進形柔軟アクチュエータ1では、非加圧時、加圧
時とも位置精度が優れている。また、前記した最大長の
確定により、直進形柔軟アクチュエータ1では、誤操作
等により過加圧が起こった場合でも、チューブ14の破
裂が起こることはない。このような破裂事故が起これ
ば、危険なことは言うまでもなく、さらに半導体製造上
好ましくないパーティクルの発生にもつながるので、こ
れを排除することの意味は大きい。
【0025】次に、直進形柔軟アクチュエータ1におけ
る本発明としての第3の特徴部分であるチューブキャッ
プ7の回転成分防止機能について述べる。直進形柔軟ア
クチュエータ1の図1中X−Yに示す箇所の断面図を図
5に示す。図5に示す固定ホルダ6とチューブキャップ
7との摺動部位8は、四角形状をなしており、チューブ
キャップ7は固定ホルダ6に対して軸回りに回転するこ
とができない。
【0026】このことにより、チューブ14の材質不均
一等があっても、チューブキャップ7の運動に回転成分
が加わることはない。また、対象物の負荷によっても、
チューブキャップ7の運動に回転成分が加わることはな
い。したがって、対象物に無用な応力が印加されたり、
チューブ14がねじれにより破損することがない。ここ
で図5に示す摺動部位8の断面形状は、四角形状に限ら
ず三角形等他の多角形や、あるいは楕円形等、固定ホル
ダ6とチューブキャップ7との軸回りの回転をさせない
形状であれば何でもよい。
【0027】以上の各特徴部分を有する直進形柔軟アク
チュエータ1は、さらに、次のような特徴を有してい
る。まず、直進形柔軟アクチュエータ1においては、チ
ューブアクチュエータ5の両端が、固定ホルダ6とチュ
ーブキャップ7とにより確実に支持されているので、対
象物の重量により湾曲することがなく確実に直進運動す
ることができる。また、固定ホルダ6の当接部9とチュ
ーブキャップ7の当接部11、固定ホルダ6の当接部1
0とチューブキャップ7の当接部12とを含む摺動部位
が、チューブ5に完全に覆われているので、摺動部位で
パーティクルが発生しても外部に漏れる恐れがない。
【0028】そして、チューブアクチュエータ5が固定
ホルダ6とチューブキャップ7とにより予備伸長を与え
られているので、この予備伸長の量を変更することによ
り、直進形柔軟アクチュエータ1が作動を開始する始動
圧力を設定することができる。図6に示すように、固定
ホルダ6を基部24と先端部23に分割して、ネジ止め
する構造とすれば、基部24に対する先端部23の位置
をネジにより調整することにより、チューブアクチュエ
ータ5の自由長を変更することなく予備伸長の量を変更
することができる。あるいは、チューブアクチュエータ
5の自由長を変更すれば、固定ホルダ6とチューブキャ
ップ7とをそのままにして予備伸長の量を変更すること
ができる。ただし、チューブ14のクリープ変形に伴
い、始動圧力を管理する必要がある。
【0029】さらに、図7に示すように、チューブキャ
ップ7をストッパ部21とシャフト部22とに分割し
て、ネジ止めする構造とすれば、シャフト部22に対す
るストッパ部21の位置をネジにより調整することによ
り、直進形柔軟アクチュエータ1としてのストローク量
を調整することができる。以上説明したことから明らか
なように、本実施例の直進形柔軟アクチュエータ1は、
チューブアクチュエータ5の両端を固定ホルダ6とチュ
ーブキャップ7とにより支持することとしたこと等によ
り、従来の直進形アクチュエータにない種々の特徴を有
している。
【0030】次に、本実施例の直進形柔軟アクチュエー
タ1を応用したウェハホルダ25について、図8を参照
して説明する。ウェハホルダ25は、センター部27を
介して3組の直進形柔軟アクチュエータ1を星形に配置
したものである。ウェハホルダ25では、共通給圧口2
8から3組の直進形柔軟アクチュエータ1に同時に圧力
を供給、または開放できるようになっている。
【0031】かかるウェハホルダ25では、各直進形柔
軟アクチュエータ1のチューブキャップ7にウェハチャ
ック29が取り付けられている(図9の側面図参照)の
で、共通給圧口28から各直進形柔軟アクチュエータ1
を駆動することにより、ウェハ26の保持または開放が
できる。すなわち、非加圧時には各チューブキャップ7
およびウェハチャック29が実線で示す位置にあり、ウ
ェハ26を保持するのである。共通給圧口28から加圧
すると、破線で示すチューブキャップ7aおよびウェハ
チャック29aの状態となり、ウェハ26を開放するの
である。かかるウェハホルダ25においては、各々の直
進形柔軟アクチュエータ1が本発明としての特徴を有し
ているので、ウェハ26に衝撃や無用な応力がかかるこ
とはなく、チューブ破損事故が起こるおそれもなく、か
つ、各直進形柔軟アクチュエータ1の位置精度がよい。
【0032】続いて、前述した直進形柔軟アクチュエー
タ1の変形例について説明する。図2に示す直進形柔軟
アクチュエータ2は、直進形柔軟アクチュエータ1にお
ける固定ホルダ6とチューブキャップ7とを変形して、
固定ホルダ36、チューブキャップ37としたものであ
る。図2(a)に縮状態を、図2(b)に伸状態をそれ
ぞれ示す。この各直進形柔軟アクチュエータ2ないし4
においても、直進形柔軟アクチュエータ1と同様の特徴
を有していることはもちろんである。なお、ここで述べ
た各実施例は、本発明を何ら限定するものではなく、要
旨を逸脱しない範囲内でさらに種々の変形、改良を加え
ることが可能であることはもちろんである。
【0033】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明の直進形柔軟アクチュエータでは、直進伸縮するチュ
ーブアクチュエータを、回転成分なく互いに摺動する固
定ホルダとチューブキャップとにより保持し、その摺動
範囲は上限、下限とも機械的に制限されることとしたの
で、アクチュエータとしての位置精度がよく、かつ、チ
ューブのクリープ変形の影響による出力位置の変化が起
こらない。また、対象物の負荷等による湾曲等や過加圧
による過伸長が起こらないので、直進性が確実で、チュ
ーブ破損事故のおそれがなく、また、対象物に衝撃や無
用な応力をかけることもない。また、摺動部位で発生す
るパーティクルが、外部に漏れる恐れがない。したがっ
て半導体製造分野に適した直進形柔軟アクチュエータを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である直進形柔軟アクチュエ
ータの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例である直進形柔軟アクチュエ
ータの構成を示す図である。
【図3】図1に示す直進形柔軟アクチュエータの構成要
素であるチューブアクチュエータの構成を示す図であ
る。
【図4】NBRゴムのクリープ特性を示すグラフであ
る。
【図5】図1に示す直進形柔軟アクチュエータのX−Y
断面図である。
【図6】図1に示す直進形柔軟アクチュエータの構成要
素である固定ホルダの変形例を示す図である。
【図7】図1に示す直進形柔軟アクチュエータの構成要
素であるチューブキャップの変形例を示す図である。
【図8】図1に示す直進形柔軟アクチュエータチュエー
タを応用したウェハホルダの平面図である。
【図9】図8に示すウェハホルダの側面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 直進形柔軟アクチュエータ 5 チューブアクチュエータ 6 固定ホルダ 7 チューブキャップ 8 摺動部 9、10、11、12 当接部 14 チューブ 15 強化繊維

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟性のあるチューブと、 前記チューブの周囲に巻回されたリング状の強化繊維と
    を有する柔軟アクチュエータにおいて、 前記チューブの一端を固定して保持する固定ホルダと、 前記チューブの他端に保持されるチューブキャップとを
    備え、 前記固定ホルダと前記チューブキャップとにはそれぞれ
    軸方向に相互に摺動する摺動部位と、 相互に当接して軸方向摺動範囲を規制する第1当接部位
    と第2当接部位とが形成され、 前記当接部位により規制される摺動範囲内における前記
    チューブの最短長が前記チューブの自由長より長いこと
    を特徴とする直進形柔軟アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する直進形柔軟アクチュ
    エータにおいて、 前記摺動部位の一部の断面形状が非円形であることを特
    徴とする直進形柔軟アクチュエータ。
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