JP2588348B2 - 形状可変アクチュエータ - Google Patents

形状可変アクチュエータ

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JP2588348B2
JP2588348B2 JP4317856A JP31785692A JP2588348B2 JP 2588348 B2 JP2588348 B2 JP 2588348B2 JP 4317856 A JP4317856 A JP 4317856A JP 31785692 A JP31785692 A JP 31785692A JP 2588348 B2 JP2588348 B2 JP 2588348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柔軟運動が可能な形状可
変アクチュエータに関し、さらに詳細には出力部が支持
部との平行を保ったまま移動して薄板状対象物や小寸対
象物を確実に把持できる形状可変アクチュエータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程においては、ウェハに機
械的衝撃が加わると内部欠陥が発生してその電気特性に
影響することがある。また、このような機械的衝撃によ
り必然的に発生するパーティクルは、ウェハ上に形成さ
れるべき微細回路素子よりも大きいことがあるので、必
要な微細回路加工を妨害することになる。これらの理由
により、半導体製造上、機械的衝撃は可能な限り排除す
べきである。しかし従来、モータ、ピストン機構のよう
なアクチュエータにおける機械的運動要素は、一般には
剛性のある構造とされ、かかる剛性によりミクロンオー
ダの運動と位置決め精度を持ちうるように構成されてい
る。このような剛的な運動要素が所定の運動をしている
途中に他の部材等に当たると、機械的衝撃を発生するこ
とになる。以下これを硬い動きという。したがって前記
半導体製造工程におけるウェハ搬送等にこのような硬い
動きを用いる場合には、極度に綿密な位置制御および速
度制御を行って、機械的衝撃の発生を抑える必要があ
る。
【0003】これに対し、現在のロボット駆動に見られ
るように、発達した視覚、触覚センサを利用したマイク
ロプロセッサによる統括制御の下で使用されるアクチュ
エータは、必ずしも剛構造であり、かつ高加工精度を有
するものばかりでなくてもよい。むしろ、柔軟な動きが
可能なフレキシブルアクチュエータをかかる統括制御下
にて用いれば、人間の手指に代替できる人工手指の開発
につながるものと期待されている。したがって、このよ
うな柔軟な動きをするアクチュエータによれば、硬い動
きをするアクチュエータに比べてはるかに簡単な制御下
で、半導体製造工程に適用可能な無衝撃の搬送機構が実
現できると考えられる。
【0004】そこで、かかる用途へ適用すべきフレキシ
ブルアクチュエータとしていくつかの提案がなされてい
る。例えば第1の例として、ゴム管内を円周方向に3室
に分割して軸方向に長い3つの圧力室の集合体としたも
ので、各圧力室にそれぞれ異なる圧力を印加することに
より、湾曲、軸方向の伸長、軸回りのねじり等、多様な
柔軟変形を可能としたものが知られている。(鈴森、日
本機械学会論文集C編(平1−10)、2547〜25
52)
【0005】あるいは第2の例として、ゴム管32の周
囲に強化繊維(周強化繊維)33を密に巻き、そして別
の強化繊維(軸強化繊維)34を軸方向に沿って接合し
たもの(図12)がある。周強化繊維33はゴム管内に
加圧されたとき、ゴム巻の径が膨張するのを防ぎ、軸方
向にのみ膨張させる作用がある。そして軸強化繊維34
が接合されている箇所においては軸方向の膨張も防がれ
るので、このアクチュエータは加圧されると、軸強化繊
維34のないところが膨張し、全体としては軸強化繊維
34側を内側に湾曲することになる(図13)。(田
中、機械設計36、8(1992−7)、32〜39) これらのフレキシブルアクチュエータを、半導体製造装
置のウェハ搬送装置に応用すれば、機械的衝撃による内
部欠陥やパーティクルの発生のおそれがない、すぐれた
ウェハ搬送機構が実現されるものと期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た各フレキシブルアクチュエータは種々の問題点を有し
ている。第1のアクチュエータは、それ自体で多様な動
作が可能であるが、円周方向に3分割されたゴム管の製
作は容易ではなく、コスト的に不利である。特に、細径
長寸のものの実現は困難となる。また、使用するにあた
って3種類の圧力の圧縮空気を必要とするという難点が
ある。さらに、3室の形状と供給圧とによる管の実際の
変形挙動の解析にはきわめて複雑な3次元解析を要す
る。よって、管設計および駆動圧力設計には、例えば有
限要素法を利用した高度な解析技術が必要となり、使用
にあたっての負担が大きい。
【0007】第2のアクチュエータにおいてはこの問題
点が解消されており、一方の端が固定され、非固定端を
出力端として使用するように考えられている。しかし、
このアクチュエータは全体が湾曲して動くので、出力端
たる非固定端は、図14に示すように位置と角度との両
方が変化することになる。したがって、このアクチュエ
ータで例えばシリコンウェハのような薄板状対象物を把
持しようとすると、アクチュエータと対象物との接触が
点接触となってしまい、把持が安定しない。また、この
ときのアクチュエータの出力端の軸方向すなわち図中左
右方向の変位は、概ねアクチュエータの全長に比例しか
なり大きいので、把持しようとする対象物の位置に対す
るアクチュエータ取付位置の設定が容易でなく、特に小
寸対象物の把持がしにくい。また、図12および図13
のような片端固定の場合、対象物の重さによっては振動
が発生し位置精度が悪くなるので、両端固定とするのが
好ましいのであるが、このアクチュエータでは、両端を
固定すると加圧しても動くことができない。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、出力部が、角度を変えることな
く、また、チューブ軸方向への変位を最小限としたま
ま、チューブ軸に対して垂直な方向に変位することによ
り、薄板状対象物を確実に把持することができ、また対
象物に対するアクチュエータの取付位置の設定が容易
で、小寸対象物の把持がしやすい、半導体製造分野に適
した形状可変アクチュエータを提供することを目的とす
る。また、チューブの両端において固定され、アクチュ
エータの中央部にて対象物を把持し、対象物の重量によ
る振動発生が少なく、位置精度のよい、半導体製造分野
に適した形状可変アクチュエータを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の形状可変アクチュエータは、柔軟性のあるチ
ューブと、前記チューブの周囲に巻回された周強化繊維
と、前記チューブに接合された軸強化繊維とを有する形
状可変アクチュエータであって、第一の前記軸強化繊維
は始端から始端と180゜対向する位置にある終端まで
前記チューブの周囲に半周に渡って接合され、第二の前
記軸強化繊維は前記第一の軸強化繊維の始端から終端に
渡って第一の軸強化繊維の反対側に接合されていること
を特徴とすることを特徴とする構成とされる。または、
本発明の形状可変アクチュエータは、複数組の前記軸強
化繊維を有し、各軸強化繊維の始端の位置が前記チュー
ブの軸方向に対して同一直線上にあることを特徴とする
前記の構成とされる。または、本発明の形状可変アクチ
ュエータは、両端が固定されていることを特徴とする前
記の構成とされる。
【0010】
【作用】前記構成を有する本発明の形状可変アクチュエ
ータでは、チューブ内に空気圧を印加すると、チューブ
に接合されている強化繊維により部分的に伸縮が規制さ
れるので、チューブがS字状に湾曲し、出力端は角度を
変化させることなく変位する。印加した圧力を開放する
と、チューブが直線状態にもどる。かかる動きにより、
薄板状対象物を柔軟にかつ確実に把持することができ
る。両端が固定されたアクチュエータでは、チューブ内
に空気圧を印加すると、アクチュエータの中央部が変位
する。印加した圧力を開放すると、チューブが直線状態
にもどる。かかる動きにより、板状対象物を柔軟にかつ
確実に把持することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の形状可変アクチュエータを具
体化した実施例を図面を参照して説明する。図1(a)
は本実施例の形状可変アクチュエータの構成図である。
図1(a)に示すアクチュエータ1は、柔軟性のあるチ
ューブ2に接着剤により強化繊維を接合したものであ
る。かかる強化繊維は、チューブ2の軸方向に垂直なも
のと軸方向に垂直でないものとの2種類がある。軸方向
に垂直な周強化繊維3は、チューブ2をその全長にわた
って密に巻回しており、チューブ2の半径方向の伸長収
縮を規制する機能を有している。
【0012】そしてチューブ2には軸強化繊維4が接合
されている。ここで軸強化繊維4の接合位置は、始端5
と終端7とが約180゜対向するようになっており、周
強化繊維3を省略して示す図1(b)の斜視図にみるよ
うにチューブ2の前面側に第一の軸強化繊維である第1
枝が、そして背面側に第二の軸強化繊維である第2枝が
接合されている。図1(a)中では第1枝と第2枝とは
重畳している。軸強化繊維4は、接合されている位置に
おいて、チューブ2の伸長収縮を規制する機能を有して
いるとともに、チューブ2の半径方向のうち意図する変
形と直角な方向への湾曲を規制する機能を有している。
かかるアクチュエータ1は、その一端がチューブホルダ
6に固定して取り付けられており、そして、給圧ホース
12を介して圧縮空気ボンベ9に接続されている。遮断
弁10は圧縮空気ボンベ9からアクチュエータ1への圧
縮空気の供給を断続するものであり、開放弁11はアク
チュエータ1に供給された圧縮空気を大気に開放してア
クチュエータ1を自然状態に復帰させるものである。
【0013】以上の構成を有するアクチュエータ1は、
自然状態、すなわちチューブ2の内部が大気圧であると
きには、図1(a)に示すように直線状となっている。
そして、開放弁11を閉じ遮断弁10を開くと、圧縮空
気ボンベ9から圧縮空気が供給され、チューブ2の内部
は加圧される。このとき柔軟性のあるチューブ2は全体
に膨張しようとするが、接合されている各強化繊維によ
り伸長が部分的に規制されていることにより独特の動き
を示す。すなわち、全長にわたって巻回されている周強
化繊維3により半径方向の伸長が規制されるので、チュ
ーブ2は主として軸方向に伸長しようとする。ところが
軸強化繊維4により、軸方向の伸長が規制される部分が
楕円状に存在している。軸強化繊維4の接合されていな
い部位では、軸方向の伸長は規制されない。
【0014】このためアクチュエータ1は、軸強化繊維
4を半径として回転する動きを見せS字状に変形し、図
2に示すように出力端8は図中上方に移動する。このと
きのアクチュエータ1の変形は、中心点に対して左右対
称であるため、出力端8におけるアクチュエータ1の傾
きは相殺され0゜となる。遮断弁10を閉じ開放弁11
を開くと、チューブ2の内部は大気圧となり、図1
(a)の直線状態にもどる。
【0015】このときのアクチュエータ1の出力端8の
動きについて考察する。出力端8の動きのうち角度の変
化すなわち傾きは前記のように0°であるので、考察の
対象は図中x方向とy方向とのそれぞれの変位である。
アクチュエータ1で実際にものを把持することを考える
と、重要なのは必要なy変位を得るに当たっていかにx
変位が少なくてすむかということである。
【0016】したがってx変位をy変位の関数として表
すのがよい。アクチュエータ1におけるx変位をx1
と、y変位をy1 とすれば(図3参照、図3はアクチュ
エータ1の動きを説明する図であり、周強化繊維3を省
略して示す)、 x1 =y1 *(cosα2 −cosα1 )/(sinα2 −sinα1 ) (1) で表される。ここでα1 は加圧されていない状態でのア
クチュエータ1における軸強化繊維4がチューブ2の軸
方向(図中水平方向)に対してなす角を意味し、α2
加圧時におけるアクチュエータ1の軸強化繊維4が図中
の水平方向に対してなす角である。よってα1 は負の値
である。
【0017】そして、比較のために図14に従来のアク
チュエータの動きを周強化繊維33を省略して示す。図
14においてx変位をx2 と、y変位をy2 とすれば、 x2 =(y2 *sinα3 )/(1−cosα3 )−L (2) で表される。ここでLはアクチュエータの全長を、α3
は図14中出力端における傾き角を示す。なお、アクチ
ュエータ全体が均一に円弧状に湾曲するものとしてい
る。ここで、(1)式および(2)式に代表的な数値を
代入して両者を比較してみる。まず、両者ともアクチュ
エータの長さを10cmとし、径Dを1cmとする。さ
らに、必要なy変位を4cmとする。よってL=10c
m、y1 =y2 =4cmである。
【0018】これにより、本実施例のアクチュエータ1
におけるα1 およびα2 が求まる。α1 は、非加圧時に
おけるアクチュエータ1の軸強化繊維4がチューブ2の
軸方向に対してなす角であり、ここでは負の値となるの
で、 tanα1 =−(1cm)/(10cm) =−0.1 となり、 α1 =−0.0997(rad)(=−5.71゜) (3) が得られる。
【0019】一方α2 は、 sinα2 =(y1 −D)/R1 (R1 は図中での
軸強化繊維4の長さ) となり、 R1 =L/cosα1 なので、 R1 =(10cm)/cos(−0.0997(ra
d)) =10.1(cm) となり、 sinα2 =(4cm−1cm)/(10.1cm) =0.297 となり、 α2 =0.302(rad)(=17.3゜) (4) が得られる。
【0020】そして、従来のアクチュエータにおけるα
3 は、図14よりLとの間に R2 α3 =L (5) との関係が成り立つ。ここでR2 は弧状に湾曲している
アクチュエータの曲率半径である。さらに図14より、 y2 =R2 −R2 cosα3 (6) なる関係を読みとることができる。ここではL=10c
m、y2 =4cmであるから、 R2 α3 =10(cm) (7) R2 −R2 cosα3 =4(cm) (8) となり、これを満たすR2 、α3 は、 R2 =11.8(cm) (9) α3 =0.85(rad)(=48.7゜) (10) である。
【0021】よって、(1)式に(3)式と(4)式と
を代入し、さらにy1 =4cmであるから、 x1 =−0.40cm が得られる。一方(2)式に(10)式を代入し、さら
にL=10cm、y2 =4cmであるから、 x2 =−1.16cm が得られる。以上より、本実施例のアクチュエータ1に
おけるx変位x1 は、従来のアクチュエータにおけるx
変位x2 より小さいことがわかる。
【0022】したがって例えば、平板上に置かれた径1
mm程度の小寸対象物を把持しようとする場合を考える
と、2組のアクチュエータを当該対象物の近傍へ搬送
し、アクチュエータに湾曲変形を起こさせて針状対象物
を挟持するのであるが、このとき従来のアクチュエータ
では、前記したx変位が対象物の大きさと同程度かまた
はそれ以上となり、かつアクチュエータ先端が傾いて対
象物に対して点接触となるので対象物の挟持がしにく
い。これに対して本実施例のアクチュエータ1では、前
記したようにx変位が小さく、かつアクチュエータ1の
先端が傾かないので対象物に対して点接触とならず、小
寸対象物を確実に挟持することができる。以上説明した
ように、本実施例のアクチュエータ1では従来のアクチ
ュエータと比較して、把持しようとする対象物の位置に
対するアクチュエータ取付位置の設定が容易であり、小
寸対象物の把持がしやすく、半導体製造分野に適してい
る。
【0023】次に、本発明の第2の実施例について図4
に基づいて説明する。図4に示すのは、本実施例の形状
可変アクチュエータの構成図である。図4に示すアクチ
ュエータ20は、図1のアクチュエータ1とほぼ同様の
構成を有するアクチュエータであり、柔軟性のあるチュ
ーブ21に接着剤により周強化繊維22を接合したもの
である。給圧ホース36、遮断弁38を介して圧縮空気
ボンベ37から圧縮空気が供給されること、開放弁35
により圧縮空気の開放ができることも、アクチュエータ
1と同様である。アクチュエータ1との違いは、2本の
軸強化繊維23、24が接合されていること、チューブ
ホルダ26、チューブホルダ27により両端が固定され
ていることにある。そして、軸強化繊維23の始端28
と軸強化繊維24の始端31とがチューブ21の同軸上
にあり、軸強化繊維23の終端29と軸強化繊維24の
終端30とがチューブ21の同軸上にある。
【0024】かかる構成を有するアクチュエータ20
に、遮断弁38を開いて圧縮空気ボンベ37から圧縮空
気を供給すると、アクチュエータ20の図中左半分がア
クチュエータ1と同様の変形を示し、右半分はアクチュ
エータ1と対称の変形を示すので、図5のようにアクチ
ュエータ20の中央部が図中上向きに移動することにな
る。遮断弁38を閉じ開放弁35を開くと、圧縮空気が
開放されアクチュエータ20は図4の直線状態に戻る。
【0025】アクチュエータ20においては、上下移動
する中央部にて対象物を把持することとなるが、チュー
ブホルダ26、チューブホルダ27により両端が固定さ
れているので、把持する対象物の重量による振動発生が
軽減され、位置精度が向上する。また、両端が固定され
ていることの効果として、軸強化繊維23および軸強化
繊維24の接合位置がさほど厳密でなくてもよいという
効果もある。さらに、図4中チューブホルダ27の先に
もう1つのアクチュエータ20を配置し、同時に作動さ
せることができる。このときアクチュエータ20は、ア
クチュエータとしての機能と配管としての機能とを兼ね
ているといえる。
【0026】さらに、3つ以上のアクチュエータ20を
環状に配置して同時に作動するようにすれば、環の中央
に置いた板状対象物(例えばシリコンウェハ等)の把持
ができ、半導体製造分野に適している。例えば図6に示
すのは、4つのアクチュエータ20を環状に配置するこ
とにより実現したウェハ把持装置60である。ウェハ把
持装置60においては、4つのチューブホルダ64が4
つのアクチュエータ20の両端を固定している。ウェハ
把持装置60は、共通加圧口61から加圧すると、図7
に示すように、4つのアクチュエータ20が同時に変形
して、各アクチュエータ20の中央に取り付けられてい
るウェハクリップ63がウェハ62を把持する。ウェハ
62を把持しているウェハ把持装置60を搬送すること
により、半導体製造装置から別の半導体製造装置へのウ
ェハ62の移動ができる。
【0027】さらに、前述した各実施例のアクチュエー
タを変形した例についてのべる。図8に示すのは、図1
のアクチュエータ1を変形したアクチュエータ40であ
る。アクチュエータ40は、軸強化繊維41と軸強化繊
維42との2本の軸強化繊維をチューブ2に接合したも
のであり、他の構成はアクチュエータ1と同様である。
アクチュエータ40は、加圧されると図9のような形状
となり、アクチュエータ1の場合と同様、出力端43は
図8の状態から角度を変えずに変位しており、チューブ
2の軸方向と平行な方向への変位も小さい。したがって
アクチュエータ40によってもアクチュエータ1と同
様、薄板状対象物を確実に把持でき、対象物に対するア
クチュエータ40の位置設定も容易であり、小寸対象物
の把持がしやすい。さらに、軸強化繊維を3本以上とし
てもよい。
【0028】図10に示すのは、図3のアクチュエータ
20を変形したアクチュエータ50である。アクチュエ
ータ50は、軸強化繊維51、軸強化繊維52、軸強化
繊維53、軸強化繊維54の4本の軸強化繊維をチュー
ブ21に接合したものであり、他の構成はアクチュエー
タ20と同様である。アクチュエータ50は、加圧され
ると図11のような形状となり、アクチュエータ20の
場合と同様、中央部が図中上向きに移動することにな
る。したがってアクチュエータ50もアクチュエータ2
0と同様に中央部で対象物を把持し、対象物の重量によ
る振動は少ないので位置精度がよい。軸強化繊維の本数
をさらにふやしてもよい。また、アクチュエータ50に
配管としての機能を兼ねさせ、2以上のアクチュエータ
50を同時に作動させることもできる。
【0029】なお、以上の各実施例のアクチュエータに
おいて、チューブの材質として例えばシリコーンゴム、
生ゴム等が考えられるが、これらに限らず適度な柔軟性
と伸縮性を備えるものであれば何でもよい。また、周強
化繊維、軸強化繊維の材質としては、金属、炭素繊維の
ほか、絹糸等でもよいが、チューブおよび接着剤とのな
じみがよく、動作方向にのみ柔軟性が高く非動作方向に
は柔軟性が低いものを選択すべきである。そしてこれら
を接合する接着剤としては、チューブと同質のものを用
いるのがよい。なお、前記実施例は本発明を限定するも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々の変形、改良が可能であることはもちろんである。
【0030】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のアクチュエータでは、チューブに接合される軸強化
繊維の始端と終端とがたがいに180゜対向することと
し、さらにチューブの両側に第一の軸強化繊維と第二の
軸強化繊維とが接合されるようにしたので、その出力端
は、その角度を変えることなく、また、チューブ軸方向
への変位を最小限としたまま、チューブ軸に対して垂直
な方向に変位する。これにより、薄板状対象物を確実に
把持することができ、また対象物に対するアクチュエー
タの取付位置の設定が容易で、小寸対象物の把持がしや
すい。また、2組以上の軸強化繊維を有しそれらの始端
と終端とがそれぞれチューブの同軸上に存在し、そして
チューブの両端が固定されることとしたので、アクチュ
エータの中央部にて対象物を把持し、対象物の重量によ
る振動発生が少なく、位置精度を向上できる。以上によ
り半導体製造分野に適した形状可変アクチュエータを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である形状可変アクチュエー
タの構成を示す図である。
【図2】図1に示すアクチュエータの動きを示す図であ
る。
【図3】図1に示すアクチュエータの動きを示す図であ
る。
【図4】本発明の一実施例である形状可変アクチュエー
タの構成を示す図である。
【図5】図4に示すアクチュエータの動きを示す図であ
る。
【図6】図4に示すアクチュエータの組合せによるウェ
ハ把持装置の構成を示す図である。
【図7】図6に示すウェハ把持装置の動きを示す図であ
る。
【図8】本発明の一実施例である形状可変アクチュエー
タの構成を示す図である。
【図9】図8に示すアクチュエータの動きを示す図であ
る。
【図10】本発明の一実施例である形状可変アクチュエ
ータの構成を示す図である。
【図11】図10に示すアクチュエータの動きを示す図
である。
【図12】従来の形状可変アクチュエータの構成を示す
図である。
【図13】図12に示すアクチュエータの動きを示す図
である。
【図14】図12に示すアクチュエータの動きを示す図
である。
【符号の説明】
1、20 形状可変アクチュエータ 2、21 チューブ 3、22 周強化繊維 4、23、24 軸強化繊維 6、26、27 チューブホルダ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟性のあるチューブと、 前記チューブの周囲に巻回された周強化繊維と、 前記チューブに接合された軸強化繊維とを有する形状可
    変アクチュエータにおいて、 第一の前記軸強化繊維は始端から始端と180゜対向す
    る位置にある終端まで前記チューブの周囲に半周に渡っ
    て接合され、 第二の前記軸強化繊維は前記第一の軸強化繊維の始端か
    ら終端に渡って第一の軸強化繊維の反対側に接合されて
    いることを特徴とする形状可変アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 複数組の前記軸強化繊維を有し、
    各軸強化繊維の始端の位置が前記チューブの軸方向に対
    して同一直線上にあることを特徴とする請求項1に記載
    する形状可変アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 両端が固定されていることを特徴と
    する請求項2に記載する形状可変アクチュエータ。
JP4317856A 1992-11-02 1992-11-02 形状可変アクチュエータ Expired - Lifetime JP2588348B2 (ja)

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