JP2703144B2 - 省力米の製造方法 - Google Patents

省力米の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、省力米、特に、熱湯を
注加するだけで、きわめて短時間で復元して喫食可能
で、且つ、その食味・食感が炊飯米と同等若しくはそれ
以上に優れ、しかも長期保存性に優れた省力米ならびに
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、即席米、即席粥、即席雑炊な
どの所謂「省力米」の研究開発が行われており、市場に
も提供されてきたが、その調理方法、品質保持性などの
点において難点が多かった。
【0003】例えば、特公昭46−21770 号には粥の製造
方法が開示されており、該製法による省力米は、せいぜ
い外形的に米粒の形状に復元している程度で、炊飯米の
品質及び食感にはほど遠く、又、特公昭46−34730 号に
開示された省力米の製造法では、二度の蒸煮工程を必要
とし、調理時間も3 分間加熱する必要がある。また、そ
の他の技術においても、鍋、フライパンなどでの調理、
又は熱湯を注加するタイプのものでも熱湯注加後10分以
上保持する必要があり、しかも各米粒の復元程度が異な
り、その均一性に問題があった。
【0004】本発明者等は、これらの問題点を解決する
ために、既に特公昭52−46298 号において、従来の膨化
温度より相対的に低温で処理でき、しかも熱湯を注加し
数分保持するのみで炊飯米と、同様な食味、食感を有す
る省力米の製造方法を提案した。
【0005】この方法では、(1) 米粒を水に浸漬する工
程、(2) 浸漬後の米粒をα化する工程、(3) α化米粒の
水分量を25〜35%に第1 次水分調整する工程、(4) 第1
次水分調整後の米粒を押圧処理する工程、(5) 押圧処理
後の米粒の水分含量を8 〜25%に第2 次水分調整する工
程、ならびに、(6) 第2 次水分調整後の米粒を約160〜4
50 ℃の熱風で膨化処理する工程を含む省力米の製造方
法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した省力米の製造
方法は、熱湯を注加し数分保持するのみで、復元後、炊
飯米と、同様な食味、食感を有する省力米を提供でき、
しかも、製造時の作業性、歩留まり、保存性などが非常
に優れた省力米の製造方法である。
【0007】しかしながら、この方法において得られる
省力米は、図1に示したように、調理後の食感の許容範
囲における復元米の水分含量が、約49〜52%と比較的低
いため、調理時における熱湯浸漬時間 (注湯開始から湯
切り終了までの時間) を短く調整する必要があった。
【0008】一方、このようにして得られる復元米は、
その食感も『ゴム』に似た特有の弾力性ある食感 (いわ
ゆる、『ゴム』的食感) で、且つ、米粒表面の粘りも不
足気味の感があった。さらに、浸漬時間を長くとれない
ことに起因して、米粒の中心部まで水分が十分に滲入し
均一に復元するまで、最低5分間程度の比較的長い蒸ら
し時間が必要であった。
【0009】また、熱湯浸漬時間を長くすれば、適性水
分含量の範囲を越えてしまい、その結果『米粒』自体が
柔らかくなりすぎるとともに、米粒表面がベタベタした
状態となり所謂水っぽく、炊飯米とは程遠い食感となり
喫食に耐えないものになってしまう。
【0010】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
み、(1) 復元米の水分含量におけるその食感の許容範囲
値が、従来よりある復元米より比較的高く、本来の炊飯
米の水分含量に近い。そのため、従来品に比べて熱湯浸
漬時間が相対的に約15〜30秒長くなるが、蒸らしに要す
る時間が従来品に比べて約2 分間短縮され、トータルの
調理時間を大幅に短縮することが可能となり、(2) 従来
品に比べて熱湯浸漬時間を長くとることにより、従来の
ような『ゴム』的な食感を解消することができ、(3) 従
来品に比べて熱湯浸漬時間を長くしても、米粒表面の粘
りを付与することができる、本来の炊飯米と比較して
も、食味・食感の点においても遜色のない省力米を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術の課題及び目的に鑑み発明なされたものであって、
その要旨とするところは、省力米の製造方法であって、
下記の工程、すなわち、(1) 米粒を水又は調味液に浸漬
する工程、(2) 浸漬後の米粒をα化する工程、(3) α化
米粒の水分量を25〜35%に第1 次水分調整する工程、
(4) 第1 次水分調整後の米粒を押圧処理する工程、(5)
押圧処理後の米粒の水分含量を8 〜25%に第2 次水分調
整する工程、(6) 第2 次水分調整後の米粒を約160 〜45
0 ℃の熱風で膨化処理する工程、を含む省力米の製造方
法において、前記(2) 工程のα化処理工程後、前記(6)
工程の膨化処理工程前に、α化澱粉及び/又は澱粉加水
分解物を、米粒表面に被覆処理する工程を含むことを特
徴とする省力米の製造方法である。
【0012】また、本発明の省力米は、前述した製造
方法によって製造され、かつ米粒表面がα化澱粉及び/
又は澱粉加水分解物により被覆されていることを特徴と
する省力米である。
【0013】先ず、本発明に用いられる原料米として
は、その種類品質を問わず、国産米、外国米などが広く
使用可能である。そして、これらの原料米を水洗した
後、水又は調味液に浸漬して、グリセリン脂肪酸エステ
ル、シュガーエステルなどの界面活性剤又は食用油脂若
しくはタルクを混合し、蒸煮又は炊飯などによってα化
する。なお、この界面活性剤又は食用油脂の添加は、蒸
煮又は炊飯などのα化工程において、米粒同士が相互に
接着した状態になり、その後の押圧処理工程の際に、ロ
ールへ米粒塊が粘着してしまうのを防止する目的から少
量添加するものである。また、α化処理は、米粒の芯部
まで充分α化されればよく、その方法としては、炊飯な
どの通常の蒸煮でも加圧蒸煮であってもよい。
【0014】次に、このα化した米粒を、基本的には、
特公昭52−46298 号に開示されるように、第1次水分調
整をしてから後に、押圧処理を施し、その後に膨化処理
工程を経て省力米を製造するのであるが、本発明では、
このα化処理工程後から膨化処理工程前の水分調整工程
の何れかの段階において、α化した澱粉及び/又は澱粉
加水分解物で被覆するのである。
【0015】これにより、図2に示したように、従来品
に比べて熱湯浸漬時間が長く、食感の許容範囲が復元米
の水分含量として、約53〜57%と従来に比べて高くなる
が、その結果、ゴム的食感もほぼ解消され、米粒表面に
も粘りが付与され、本来の炊飯米に近似した食味・食感
の省力米となる。
【0016】本発明によれば、省力米の熱湯浸漬時間が
従来より、約15〜30秒長くとれるので、復元するための
熱量が多くなり米粒中心部まで迅速にα化でき、蒸らし
時間も約3 分間程度となって従来より約2 分間短縮でき
るのである。
【0017】また、本発明により得られる省力米は、表
面が澱粉質で被覆されているため、熱湯浸漬により表面
の澱粉質が十分に水分を吸収して糊状の被膜を形成し、
この被膜の形成によって米粒表面の粘りが付与され、炊
飯米と同様の食感を呈するものと考えられる。
【0018】具体的に、この澱粉被覆処理としては、α
化澱粉及び/又は澱粉加水分解物を、水溶液として米粒
表面に直接噴霧するか、又は、水若しくは低濃度の糊液
を米粒表面に噴霧後に粉末状のα化澱粉及び/又は澱粉
加水分解物を添加して米粒表面を被覆する。
【0019】直接、噴霧する場合、その水溶液は室温で
も良いが、噴霧液の濃度や粘度に応じて、適宜温度を調
節して噴霧すれば良い。
【0020】また、α化澱粉などで米粒表面を被覆する
場合も、水若しくは低濃度の糊液の噴霧量を適宜設定し
つつ、米粒表面を被覆すればよい。本発明に用いる糊液
とは、澱粉加水分解物や増粘剤などの低濃度溶液で、α
化澱粉などの粉末が付着しやすいものであれば良い。
【0021】また、添加に際しては、前述のようにα化
処理工程後から膨化処理工程前の水分調整工程の何れの
段階においても可能であるが、作業性等の観点からすれ
ば、押圧処理工程後に添加するのが好ましい。
【0022】本発明において使用するα化澱粉とは、糯
米、馬鈴薯澱粉などを原料としたものの他、タピオカ、
ワキシーコーンスターチなどその他のα化澱粉も使用可
能であり、特に限定されるものではないが、粘度が低す
ぎると水溶液として噴霧量が多くなり、作業性が悪くな
るため、アミロペクチン含有量の高い原料が好ましい。
【0023】さらに、澱粉加水分解物としては、前述の
α化澱粉と同様の理由で、粘度が高く、アミロペクチン
含有量の高い原料、例えば、馬鈴薯澱粉やワキシーコー
ンスターチなどを使用し、好ましくは、デキストロース
当量でD.E.30以下に調整した加水分解物を使用するのが
好ましい。
【0024】何故なら、D.E.30以上に加水分解したもの
を使用すると、できた省力米は甘く米粒自体の粘度も少
なくなり期待される食味・食感の省力米が得られないか
らである。また、添加量としては、澱粉の種類やコーテ
ィングの方法にもよるが、米粒に対して、好ましくは、
0.01〜5 %重量が適当である。
【0025】何故なら、0.01%以下では、澱粉被覆によ
る米の食味・食感を維持させることができず、一方5 %
以上になると米粒同士が相互に結着した状態になり、水
分調整工程や押圧処理工程などの作業性が悪くなるとと
もに、結着米が多く膨化が不均一となって、結果的にロ
スが多くなるからである。
【0026】一方、α化した米粒は、次に第1 次水分調
整工程、例えば、20〜100 ℃で通風を行い、この米粒の
含有水分を25〜35%に水分調整した後に押圧する。この
際の水分調整の方法としては、通風等の方法により行
う。
【0027】さらに、この第1 次水分調整工程を経た米
粒は、次に、押圧工程に付されるが、この押圧方法とし
ては、ロール間隙を強通させる方法、若しくは金属板に
よる押圧方法、さらには、精米機、押圧機、擂潰機によ
る米粒の無方向押圧方法を採用することが可能である。
ロールによって押圧する場合には、蒸煮した米粒をその
まま金属ロール間に強通すると、米粒が相互に接着した
状態となったり、ロールに粘着するので、35%以下に予
備乾燥することが望ましい。すなわち、35%以上の場合
には、米粒の表面温度をある程度低下させることが必要
であり、一方、25%以下に乾燥すると米粒が硬くなり、
押圧する際に破砕が生じるからであり、これらを考慮す
れば、米粒の水分が25〜35%が適当である。
【0028】また、ロール間を強通させる間隙の度合に
よって押圧度を調整できるが、極度に押圧すると米粒組
織が過度に破壊され、その結果、反発復元力を失い、飯
粒の形状に復元させることができなくなり、逆に、押圧
度が小さすぎると押圧効果がないので、ロール間隙の調
整は重要である。一般的には、水分含量が高い場合に
は、ロール間隙を大きくし、逆に、水分含量が低い場合
には、ロール間隙を小さくする。種々の実験の結果、ロ
ール間隙は0.1 mm〜1.0 mm程度にするのが望ましいこと
が判明している。
【0029】なお、この押圧処理は、ロール押圧や精米
機による無方向押圧にかかわらず、次工程の膨化処理工
程において、水分の蒸発を伴わず熱風による膨化を容易
にするための内部組織の部分破壊、若しくは「ずれ」を
おこすのが目的である。すなわち、ロール間隙を強通さ
せた場合、水分を調整したα化米、すなわち適度な可塑
性と弾性を有する米粒は、押圧された際に、その米粒組
織が圧縮されて左右にのびた状態となり、粒状から偏平
な形状となるが、適当なロール間隙で強通した場合に
は、押圧前とほぼ同じ形状に復元する。これは、米の含
有水分を適度に調整した場合、丁度ゴム質と同様の弾性
ある状態となり、ゴムを間隙の狭いロールに強圧通過さ
せてもすぐに復元するのと同じ原理である。それ故、押
圧の際に、米粒の内部組織の一部が破壊されるか若しく
はずれを生じるので、米粒内部にいわば多数の小粒子を
形成することになる。従って、ほぼ米粒の形状をとどめ
ながら、その内部に多粒体が構成され、熱風により膨化
されやすくなると考えられるからである。また、このよ
うに、組織が完全に破壊されるに至っておらず、単に圧
縮され組織にずれを生じ、いわば多粒子体の状態にある
ため、喫食時の熱湯注加の際に、水分の充分かつ迅速な
浸透により完全な粒状に復元するものと考えられる。
【0030】この押圧処理工程を経た米粒は、膨化処理
工程の前に、第2 水分調整、例えば、8 〜25%の水分含
量になるように調整される。
【0031】最後に、この第2 水分調整された米粒は、
最後に膨化処理工程が施され、省力米となるが、この膨
化処理としては、熱風、マイクロ波等の処理にて、一般
的に熱風温度160 ℃〜約450 ℃程度の範囲が可能な範囲
であるが、これは熱風の送風量と押圧米の量及び含有水
分等によって適宜選択すればよい。
【0032】
【作用・効果】本発明方法によって得られた省力米は、
図2に示したように、従来品に比べて熱湯浸漬時間が長
く、食感の許容範囲が復元米の水分含量として約53〜57
%と従来に比べて高くなるが、その結果、ゴム的食感も
ほぼ解消され、米粒表面にも粘りが付与され、本来の炊
飯米に近似した食味・食感の省力米となる。
【0033】すなわち、本発明方法によれば、省力米の
熱湯浸漬時間が従来より、約15〜30秒長くとれるので、
復元するための熱量が多くなり米粒中心部まで迅速にα
化でき、蒸らし時間も約3 分間程度となって従来より約
2 分間短縮できるのである。
【0034】また、本発明方法により得られる省力米
は、表面が澱粉質で被覆されているため、熱湯浸漬によ
り表面の澱粉質が十分に水分を吸収して糊状の被膜を形
成し、この被膜形成によって米粒表面の粘りが付与さ
れ、炊飯米と同様の食感を呈するものと考えられる。
【0035】従って、燃料を節減し、労力を省くなど省
エネルギー食糧としての経済性、また、熱湯さえあれば
いつでもどこでも自在に好みの品種がつくれる消費性等
から、業務用非常食、レジャー、家庭等極めて用途が幅
広く利用できるものである。
【0036】また、この省力米に、目的とする用途に応
じて、例えば、お茶漬、雑炊、ピラフ、カレーライス、
チキンライスなどに応じた粉末スープ、ならびに、野
菜、卵、肉類などの具材の乾燥品を混合したものを容器
に入れ、熱湯を注加し、湯切り後、3分程度保持するの
みで炊飯米と同様な多用途の省力米食品を得ることがで
きる。
【0037】さらには、白飯、栗飯などを目的とする場
合にも、乾燥した、栗などを混合したものを容器に入
れ、熱湯を注加し、湯切り後、3分程度保持するのみ
で、炊飯したものと同等のふっくら美味しい白飯、栗飯
を得ることができる。
【0038】
【実施例】実施例1 澱粉加水分解物による被覆( 水溶液による噴
霧) ウルチ精白米1.0 kgを水洗した後、1 時間水に浸漬し、
水切りしてシュガーエステル 3.0 gを加えて混合し、こ
れをゲージ圧0.8 kg/cm2の蒸気圧で10分間蒸煮した。蒸
煮後、80℃の熱風で8 分処理して、水分27%に調整した
後、0.2 mmのロール間隙を強通した。その後、20%重量
の馬鈴薯澱粉加水分解物(D.E.4〜5 ) 水溶液を、米に対
して1 %重量スプレーにて噴霧した後混合し、米粒表面
を被覆した。次に、80℃の熱風で20分処理して水分を15
%に調整し、その後、240 ℃の熱風で25秒処理して膨化
させ、見かけ比重0.25 g/ml の省力米を得た。
【0039】比較例1 従来の省力米との特性比較1 一方、従来の省力米として、実施例1で澱粉処理をしな
いで調整した。すなわち、ウルチ精白米1.0 kgを水洗し
た後、1 時間水に浸漬し、水切りしてシュガーエステル
3.0 gを加えて混合し、これをゲージ圧0.8 kg/cm2の蒸
気圧で10分間蒸煮した。蒸煮後、80℃の熱風で8 分処理
して、水分27%に調整した後、0.2 mmのロール間隙を強
通した。次に、80℃の熱風で25分処理して水分を15%に
調整し、その後、240 ℃の熱風で25秒処理して膨化さ
せ、見かけ比重0.25 g/ml の省力米を得た。
【0040】得られた実施例1 及び比較例1 の各々の省
力米100 g を540 mlの容積の発泡スチロール製容器に入
れ、表1 に示した浸漬時間と蒸らし時間の条件下で復元
させた。
【0041】このようにして復元された本発明の省力米
と従来の省力米の特性を比較するために、クリアランス
0.1 mm、1.0 V の条件でテクスチュロメータで、硬さ、
付着性についてそれぞれ測定した。その結果を下記の表
1 に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表中、TUは、テクスチュロメータユニット
を示し、硬さに関しては、数値が大きいほど硬さが硬
く、付着性に関しては、数値が大きいほど表面の粘りが
強いことを示している。
【0044】表1 から明らかなように、本発明により得
られた省力米は、従来の省力米に比較して、柔らかく、
かつ、表面の粘りも大きく、弾力性( いわゆるゴム感)
も低下しているのが分かる。
【0045】この結果をより明らかにするために、前述
のように復元した本発明の省力米と従来の省力米につい
て、パネラー10名により官能試験を実施した。ただし、
下記の5 点法によった。
【0046】評価: 5 −非常に美味しい、4 −やや美味
しい、2 −ややまずい、3 −普通、1 −非常にまずい。
【0047】その結果を下記の表2 に示した。
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果からも明らかなように、本発明
による省力米は、従来の省力米に比較して、格段に食感
が改良されていることが分かる。また、この場合、粘り
と光沢も付与されており、従来のようなゴム的な食感も
解消されており、炊飯米と比較しても遜色はなかった。
【0050】実施例2 α化澱粉による被覆( 粉末によ
る添加) ウルチ精白米1.0 kgを炊飯した後、モノグリセライド4
g を添加し、80℃の熱風で8 分処理して、水分26%に調
整した後、0.2 mmのロール間隙を強通した。その後、再
度80℃の熱風で25分処理して、水分14%に調整した。こ
れに、糊状の5%重量のワキシーコーンスターチの加水
分解物の水溶液を、スプレーを用いて米粒に対して0.5
%重量噴霧した後、α化ワキシーコーン粉末を、米に対
して2 %重量添加して混合し、米粒表面を被覆した。そ
の後、240 ℃の熱風で25秒処理して膨化させ、見かけ比
重0.25 g/ml の省力米を得た。
【0051】得られた省力米を、浸漬65秒、蒸らし3 分
間の条件で復元させたところ、粘りと光沢も付与されて
おり、従来のようなスポンジ的な食感も解消されてお
り、炊飯米と比較しても遜色はなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による省力米の復元状態を示すグラフで
ある。
【図2】従来の省力米の復元状態を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 階元 謙一 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 上田 和彦 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 省力米の製造方法であって、下記の工
    程、すなわち、 (1) 米粒を水又は調味液に浸漬する工程、 (2) 浸漬後の米粒をα化する工程、 (3) α化米粒の水分量を25〜35%に第1 次水分調整する
    工程、 (4) 第1 次水分調整後の米粒を押圧処理する工程、 (5) 押圧処理後の米粒の水分含量を8 〜25%に第2 次水
    分調整する工程、 (6) 第2 次水分調整後の米粒を約160 〜450 ℃の熱風で
    膨化処理する工程、 を含む省力米の製造方法において、 前記(2) 工程のα化処理工程後、前記(6) 工程の膨化処
    理工程前に、α化澱粉及び/又は澱粉加水分解物によっ
    て、米粒表面を被覆処理する工程を含むことを特徴とす
    る省力米の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記被覆処理工程が、前記(4) 工程の押
    圧処理工程の後、前記(6) 工程の膨化処理工程前に、行
    われることを特徴とする請求項1 に記載の省力米の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記α化澱粉及び/又は澱粉加水分解物
    の水溶液を米粒に噴霧することにより、前記被覆処理が
    行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の省力
    米の製造方法。
  4. 【請求項4】 米粒に水又は糊液を噴霧後に、前記α化
    澱粉及び/又は澱粉加水分解物の粉末が米粒に添加され
    ることにより、前記被覆処理が行われることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の省力米の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の製造方法によって製造
    され、かつ米粒表面がα化澱粉及び/又は澱粉加水分解
    物により被覆されていることを特徴とする省力米。
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