JP2700541B2 - ヒドロキシーt−アルキルペルオキシ酸エステル - Google Patents
ヒドロキシーt−アルキルペルオキシ酸エステルInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規ヒドロキシ−t
−アルキルペルオキシ酸エステル(A) 、これらの組成物
の改良されたビニル単量体重合方法用遊離基開始剤とし
ての使用及び改良された不飽和ポリエステル樹脂硬化方
法用硬化触媒としての使用に関する。 【0002】ポリマー工業では、経済的見地から、高価
な生産設備の追加建設に訴えることなくポリマー樹脂の
生産を増大させることが望まれる。一層活性な遊離基触
媒を用いることによって重合速度を高めることができる
ことは重合技術において、特に塩化ビニルを重合させる
技術において周知であり;よって、この技法を用いて重
合サイクル時間を短縮させかつ生産容量を増大させるこ
とができる。この現象は塩化ビニルの重合において特に
有用である。というのは、一層活性な触媒によって重合
速度が一層高くなり、同時に重合体の分子量特性に影響
を与えることが無い(温度を変えないものと仮定し
て);よって重合体の物理的性質は変わらないままであ
るからである。また、過酸化物の分野では、過酸化物の
半減期特性(過酸化の活性の尺度)が過酸化物のある種
類について過酸化物に種々の構造変化を用いることによ
って顕著に変えられることは周知である。 【0003】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステルは、先行技術で用いられていたよりも一
層少い量の開始剤を用いて重合系の効率を改善すること
が分った。本発明の化合物の10時間半減期温度を類似
の先行技術のペルオキシ酸エステルよりも顕著に低下さ
せる。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、 A)10時間半減期温度が約75℃よりも低い構造(A)
のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステル: 【化4】 {式中、R1 及びR2 は炭素数1〜4のアルキルから選
ばれ、R3 及びR4 は水素又は炭素数1〜4のアルキル
から選ばれ、R1 及びR3 は共に連結して低級アルキル
置換の炭素数3のアルキレンブリッジを形成することが
でき、かつR3 はさらに次にすることができ: 【化5】 Rは次から選ばれる: 【化6】(ここで、R5 は水素又は炭素数1〜8のアルキルから
選ばれ、R6 は炭素数1〜8のアルキルから選ばれ、R
7 は炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルケニ
ル、炭素数6〜10のアリール、炭素数1〜6のアルコ
キシ、炭素数6〜10のアリールオキシから成る群より
選ばれ、R8 及びR9 は炭素数1〜4のアルキルから選
ばれる)}; B)構造(A) のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの開始量を重合の間適当な温度で開始剤として
用いるエチレン系不飽和単量体(例えばエチレン、塩化
ビニル)の重合方法; C)硬化剤として(A) の触媒量を存在させて不飽和ポリ
エステル樹脂を加熱する該樹脂組成物の硬化方法 を指向するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルの調製 本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ル(A) は、塩基の存在において、かつ選択により相移動
触媒( phase transfer catalyst - PTC ) の存在におい
て適当な酸塩化物、酸臭化物又は酸無水物をヒドロキシ
−t−アルキルヒドロペルオキシドに反応させて作るこ
とができる。驚いたことに、アシル化反応はヒドロキシ
−t−アルキルヒドロペルオキシドのヒドロキシ基より
もむしろ主にヒドロペルオキシ基において行われ、こう
してヒドロペルオキシ−アルキルエステル(B) よりもむ
しろ本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エ
ステル(A) を生成する。(A) とアシル化剤とのそれ以上
の反応がある程度 【化7】 行われてエステル−t−アルキルペルオキシ酸エステル
(C) を作り得る。(C) は、また(B) (生成されるとすれ
ば)とアシル化 【化8】 剤とのそれ以上の反応によっても少量程度作られよう。
通常、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルを作るのに用いる酸塩化物は立体障害の酸塩化
物であり、該酸塩化物はヒドロキシ−t−ヒドロペルオ
キシドのヒドロペルオキシ基において容易に反応し、ヒ
ドロキシ−t−アルキルヒドロペルオキシドのヒドロキ
シ基又は(A) のヒドロキシル基においては容易には反応
しない。かかるヒンダード酸塩化物はヒンダードジ−及
びトリ−α−枝分れカルボン酸(以下に更に記載する)
から誘導される。立体障害の少い酸塩化物、例えば非−
及びモノ−α−枝分れカルボン酸及び芳香族カルボン酸
はヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルのヒ
ドロキシ基と容易に反応する(以下の実施例17参
照)。本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルは上述した立体障害酸塩化物から誘導されるも
のに限定される。本発明の高い方の温度のヒドロキシ−
t−アルキルペルオキシ酸エステルの一つ、3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−(2−エチ
ルヘキサノエート)の10時間半減期温度は約66〜6
7℃であったから、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステルには10時間半減期温度約75℃
の上限が設定される。障害の少ない酸塩化物から誘導さ
れる発明でないヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの10時間半減期温度は、通常約90〜100
℃になるであろう(それらを作ることができるとすれ
ば)。故に、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(構造A)は、エチレン系不飽和単量体
の重合を開始させる際に、及び不飽和ポリエステル樹脂
を硬化させる際の活性がずっと高い。好適な酸塩化物は
対応する酸から、酸に塩素化剤、例えばPCl3 、PO
Cl3 、PCl5 、SOCl2 、ホスゲン(N,N−ジ
メチルホルムアミドの存在において)、ベンゾトリクロ
リドを反応させた後に反応混合物から酸塩化物生成物を
単離させて作ることができる。 【0006】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) を作るのに有用なカルボン酸は、ア
ルキルアリール酢酸、例えば2−フェニルプロピオン
酸、2−フェニル酪酸、2−メチル−2−フェニルプロ
ピオン酸、アルコキシプロピオン酸、例えば2−メトキ
シプロピオン酸、アリールオキシプロピオン酸、例えば
2−フェノキシプロピオン酸、不飽和カルボン酸、例え
ばメタクリル酸、2−メチル−2−ブテン酸、α,α−
ジアルキル酢酸、例えばイソ酪酸、2−エチル酪酸、2
−エチルヘキサン酸、2−ブチルオクタン酸、α,α,
α−トリアルキル酢酸(即ち、ネオ酸)、例えばピバル
酸、ネオヘキサン酸、ネオヘプタン酸、ネオオクタン
酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、ネオトリデカン酸を
含む(後の5つのネオ酸混合物の組成及び構造は米国特
許3,624,123号に記載されているものであ
る)。 【0007】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) を作るのに有用なヒドロキシ−t−
アルキルヒドロペルオキシドは、3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルプロピルヒドロペルオキシド、3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド、1
−エチル−3−ヒドロキシ−1−メチルペンチルヒドロ
ペルオキシド、1,1−ジエチル−3−ヒドロキシブチ
ルヒドロペルオキシド、5−ヒドロキシ−1,3,3−
トリメチルシクロヘキシルヒドロペルオキシド、4−ヒ
ドロキシ−2,6−ジメチル−2,6−ジヒドロペルオ
キシヘプタンを含む。ヒドロキシ−t−アルキルヒドロ
ペルオキシドは、強酸触媒、例えば硫酸、リン酸、過塩
素酸、イオン交換樹脂の酸体又はp−トルエンスルホン
酸の存在において対応するヒドロキシ−t−アルカノー
ルを過剰の過酸化水素で処理して作ることができる。例
えば、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチルヒドロ
ペルオキシド、これはまたヘキシレングリコールヒドロ
ペルオキシドとしても知られている、はこの方法で米国
特許3,236,872号による市販の2−メチル−
2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)か
ら作られてきた。ヒドロキシ−t−アルキルヒドロペル
オキシドを作るのに用いるヒドロキシ−t−アルカノー
ルは当分野で周知の方法によって作ることができる。例
えば、いくつかのヒドロキシ−t−アルカノールは、ラ
クトンをグリニャール薬剤(例えばメチルマグネシウム
ブロマイド)で処理して作ることができる。また、ヒド
ロキシ−t−アルキルヒドロペルオキシドは、ヒドロキ
シ−t−アルカノールの代りに対応するヒドロキシ−t
−アルキレンを用いて作ることもできる。このように、
強酸触媒の存在においてヒドロキシ−t−アルキレンを
過酸化水素で処理すればヒドロキシ−t−アルキルヒド
ロペルオキシドを生成することになる。 【0008】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) を作るのに有用な塩基は、無機塩
基、例えばNaOH、KOH、LiOH、Na2 CO
3 、K2CO3 及び有機アミン、例えばピリジン、N,
N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
ンを含む。選択により用いる相移動触媒は、テトラアル
キルアンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム
塩化物、臭化物、硫酸水素塩及びその他の報告されてい
る相移動触媒を含む。 【0009】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) の代表例は次の通りである:3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−2−フ
ェニルブチレート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルペルオキシ−2−フェノキシプロピオネート、3
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシメタ
クリレート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル
ペルオキシ−2−メチルクロトネート、3−ヒドロキシ
−1,1−ジメチルブチルペルオキシイソブチレート、
3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−エチルヘキサノエート)、3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシ−(2−ブチルオクタノ
エート)、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペ
ルオキシピバレート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチルペルオキシネオヘキサノエート、3−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオヘプタノエ
ート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオ
キシネオデカノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルブチルペルオキシネオトリデカノエート、3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルプロピルペルオキシネオヘキ
サノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピ
ルペルオキシネオデカノエート、3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルプロピルペルオキシピバレート、3−ヒド
ロキシ−1,1−ジエチルブチルペルオキシネオヘキサ
ノエート、5−ヒドロキシ−1,3,3−トリメチルシ
クロヘキシルペルオキシネオデカノエート、4−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチル−2,6−ジ(ネオヘキサノイ
ルペルオキシ)ヘプタン、4−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチル−2,6−ジ(ネオデカノイルペルオキシ)ヘプ
タン 【0010】ビニル重合 適当な温度(及び圧力)においてエチレン系不飽和単量
体を遊離基重合又は共重合させる場合に、本発明のヒド
ロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステル(A) が有効
な開始剤になることが分った(即ち、開始剤要求量を低
減した)。 【0011】エチレン系不飽和単量体はオレフィン、例
えばエチレン、プロピレン、スチレン、アルファ−メチ
ルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビ
ニルベンジル、ビニルピリジン、ジビニルベンゼン;ジ
オレフィン、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン;ビニルエステル、例えばビニルアセテー
ト、ビニルプロピオネート、ビニルラウレート、ビニル
ベンゾエート、ジビニルカルボネート;不飽和ニトリ
ル、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル;ア
クリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステル及びアミ
ド、例えばメチル、エチル、n−ブチル、2−エチルヘ
キシルアクリレート及びメタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド;無水マレイン酸;マレイン酸、
フマル酸及びこれらのエステル;ビニルハロ及びビニリ
デンハロ化合物、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、フッ
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン;ペルハ
ロオレフィン、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン;ビ
ニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル;アリルエス
テル、例えばアリルアセテート、アリルベンゾエート、
ジアリルフタレート、アリルエチルカルボネート、トリ
アリルホスフェート、ジアリルフマレート、ジアリルカ
ルボネート;アクロレイン;メチルビニルケトン;及び
これらの混合物を含む。 【0012】本発明において、エチレン系不飽和単量体
を重合又は共重合させる際に、温度20°〜250℃、
好ましくは30°〜200℃、単量体を基準にしてペル
オキシ酸エステルレベル(純粋基準)0.002〜3重
量%、好ましくは0.002〜1重量%を用いる。 【0013】また、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステル(A) はその他の遊離基開始剤と組
み合わせて用いることもできる。かかる遊離基開始剤
は、例えばt−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチ
ルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
ペルオキシアセテート、t−アミルペルオキシピバレー
ト、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミ
ルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テト
ラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、アルファ
−クミルペルオキシネオデカノエートを含むペルオキシ
酸エステル;ジ−n−プロピル、ジイソプロピル、ジ−
(sec−ブチル)、ジシクロヘキシル、ジ−(4−t
−ブチル−シクロヘキシル)、ジ−(2−フェノキシエ
チル)、ジ−(2−エチルヘキシル)、ジヘキサデシル
ペルオキシジカルボネートを含むジアルキルペルオキシ
ジカルボネート;アセチルシクロヘキシルスルホニルペ
ルオキシド、アセチル−sec−ヘプチルスルホニルペ
ルオキシドを含むアシルアルキルスルホニルペルオキシ
ド;ジベンゾイルペルオキシド、ジドデシルペルオキシ
ド、ジイソブチリルペルオキシド、ジ−(2−メチルペ
ンタノイル)ペルオキシドを含むジアシルペルオキシ
ド;2,2−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ブタン、
2,2−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘプタン、エチ
ル3,3−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ブチレート、
1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−(t−ブチルペ
ルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペ
ルオキシ)シクロヘキサンを含むジペルオキシケター
ル;00−t−ブチル0−イソプロピルモノペルオキシ
カルボネート、00−t−ブチル0−(2−エチルヘキ
シル)モノペルオキシカルボネートを含むモノペルオキ
シカルボネート;ジアルキルペルオキシド、例えば2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)
ヘキサン;アゾビス(イソブチロニトリル)、2−t−
ブチルアゾ−2−シアノ−4−メトキシ−4−メチルペ
ンタン、1−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサ
ンを含むアゾ化合物である。 【0014】不飽和ポリエステル樹脂の硬化 遊離基硬化剤の存在において適当な硬化温度で加熱する
ことによって不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させ
る際に、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ
酸エステル(A) は高い硬化活性を示す。本発明の過酸化
物によって硬化させることのできる不飽和ポリエステル
樹脂は、通常、不飽和ポリエステル及び1種又はそれ以
上の重合性単量体を含む。 【0015】不飽和ポリエステルは、例えば少くとも1
種のエチレン系不飽和ジ−又はポリカルボン酸、無水物
又は酸ハロゲン化物、例えばマレイン酸、フマル酸、グ
ルタコン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、
アリルマロン酸、アリルコハク酸、テトラヒドロフタル
酸等を飽和又は不飽和ジ−又はポリオール、例えばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,2−、1,3−プロパンジオール、
1,2−、1,3−、1,4−ブタンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ヒドロキ
シメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2
−ブテン−1,4−ジオール、2−ブテン−1,4−ジ
オール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、グリセリン、ペンタエリトリトール、マンニト
ール等でエステル化することによって得られるようなポ
リエステルである。該ポリ酸の混合物及び/又は該ポリ
アルコールの混合物をも用いることができる。不飽和ジ
−又はポリカルボン酸の一部を、飽和ポリカルボン酸、
例えばアジピン酸、コハク酸、セバシン酸等で及び/又
は芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、トリメリト
酸、ピロメリト酸、イソフタル酸、テレフタル酸で置き
換えることができる。用いる酸をハロゲン等の基で置換
することができる。該適当なハロゲン化酸の例は、例え
ばテトラクロロフタル酸、5,6−ジカルボキシ−1,
2,3,4,7,7−ヘキサクロロビシクロ(2.2.
1)−2−ヘプタン等である。 【0016】不飽和ポリエステル樹脂組成物のその他の
成分である重合性単量体或は単量体類は、好ましくはエ
チレン系不飽和単量体、例えばスチレン、クロロスチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アルファ−メ
チルスチレン、ジアリルマレエート、ジアリルフタレー
ト、ジブチルフマレート、アクリロニトリル、トリアリ
ルホスフェート、トリアリルシアヌレート、メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、エチルアクリレート等、又はこれらの混合物
で、該ポリエステルと共重合し得るものである。 【0017】好適な樹脂組成物は、ポリエステル成分と
して、1,2−プロピレングリコール(ポリアルコー
ル)無水マレイン酸(不飽和ポリカルボン酸の無水
物)、無水フタル酸(芳香族ジカルボン酸の無水物)の
エステル化生成物を並びに単量体成分であるスチレンを
含有する。 【0018】約20°〜200℃の温度及び硬化性不飽
和ポリエステル樹脂の約0.05〜5重量%又はそれ以
上の過酸化物レベルが通常用いられる。 【0019】上述の不飽和ポリエステルに種々の材料、
例えばイオウ、ガラス繊維、カーボンブラック、シリ
カ、金属シリケート、クレー、金属カルボネート、酸化
防止剤、熱及び光安定剤、増感剤、染料、顔料、促進
剤、金属酸化物、例えば酸化亜鉛、発泡剤を充填するこ
とができる。 【0020】本発明の組成物を硬化触媒として用いてそ
の他の型の不飽和樹脂を硬化させることができる。これ
らの樹脂は不飽和ビニルエステル樹脂と呼ばれ、ビニル
エステル樹脂成分と1種又はそれ以上の重合性単量体成
分とから成る。ビニルエステル樹脂成分は、水酸化ナト
リウム等の塩基の存在において、エピクロルヒドリン等
のクロロエポキシドをビスフェノールA[2,2−ジ−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]等のグリコール
の適当量に反応させてエピクロロヒドリンから誘導され
る末端エポキシ基を有する縮合生成物にして作ることが
できる。続いて、酸性又は塩基性触媒の存在又は不存在
において、縮合生成物を重合性不飽和カルボン酸、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸に反応させればビニルエス
テル末端樹脂成分を生成することになる。通常、スチレ
ンを重合性単量体成分として加えて不飽和ビニルエステ
ル樹脂の調製を完結させる。 【0021】不飽和ビニルエステル樹脂の硬化には、通
常、約20°〜200℃の温度及び硬化性不飽和ビニル
エステル樹脂組成物の約0.05〜5重量%又はそれ以
上の純過酸化物レベルを用いる。 【0022】上記の不飽和ビニルエステル樹脂に、先に
記載した不飽和ポリエステル樹脂組成物で用いた材料を
充填することができる。 【0023】また、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステル(A) をジエチレングリコールビス
(アリルカルボネート)(ADC)並びにその他のジア
リル、ポリアリル化合物等の単量体を硬化させるのに用
いることもできる。これらの用途では、硬化性単量体を
基にして本発明のペルオキシ酸エステル0.1〜10%
又はそれ以上を用いることができる。ADC硬化プロセ
スでは、通常温度プロフィルが用いられる。温度は、初
めの約70℃から約125℃に及び、硬化時間は10時
間以下の範囲になり得る。 【0024】また、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステルはヒドロキシ基において反応させ
て他の過酸化物を作る中間体として用いることもでき
る。 【0025】 【実施例】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキ
シ酸エステルの調製に用いる塩化ネオヘキサノイル及び
その他の酸塩化物、先行技術のペルオキシ酸エステル及
び実施例で調製したその他のペルオキシ酸エステルは、
米国特許3,624,123号の実施例1に説明されて
いる手順に類似の手順で作った。3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドは米国特許3,
236,872号の実施例2に説明されている手順に従
って作った。7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルヒドロペルオキシドを同様にして作った。 【0026】出発物質、3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルプロピルヒドロペルオキシドは、上述した3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを
作るのに類似した手順を用いて作った:この化合物を濃
H2 SO4 (0.75モル)を酸触媒として3−メチル
−3−ブテン−1−オール(0.50モル)と50%H
2 O2 (2.00モル)とから作った。単離した生成物
は、ヒドロペルオキシド活性酸素含量によって81.2
%の検定を有する液体であった。補正した収率は37.
9%であった。 【0027】実施例1 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシピ
バレート(I−1)の調製 機械的撹拌器、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付反応器に、45%KOH19.9g(0.160モ
ル)、水9.9g、93.7%3−ヒドロキシ−1,1
−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(4−ヒドロキシ
−2−メチル−2−ヒドロペルオキシペンタンとしても
知られている)21.5g(0.150モル)、塩化メ
チレン25g、相移動触媒(PTC)である臭化テトラ
ブチルアンモニウム0.65g(0.002モル)を装
入した。得られた混合物を激しく撹拌して−5°〜−2
℃に冷却し、それに95.4%塩化ピバロイル12.6
g(0.100モル)を約30分かけてゆっくり加え
た。次に、得られた生成物の混合物を−5°〜−2℃で
2時間撹拌した後に、10%KOH25g、塩化メチレ
ンの追加量50gを反応混合物に加えた。反応マスを1
0℃で2つの液相に分離させ、下方の有機層を取り去
り、無水MgSO4 約5重量%で乾燥させ、使った乾燥
剤をろ過によって分離した後に、塩化メチレンを真空中
0〜10℃において取り除いた。液体生成物24.5g
が得られ、該生成物はペルオキシ酸エステル活性酸素含
量によって検定72.3%を有していた。補正した収率
は81.3%であった。生成物の赤外スペクトルは34
50〜3550cm-1に集中した広範囲のOHバンドを
示した。 【0028】実施例2 その他の3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペル
オキシ酸エステルの調製 実施例1で用いた手順を使用して3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドと種々のカルボ
ン酸塩化物とからその他の3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチルペルオキシ酸エステルを作った。出発カル
ボン酸塩化物、使用した条件、これらの調製についての
収率データを表Iに要約する。また表Iには実施例1に
ついての結果も含まれる。全ての場合において、生成物
の赤外スペクトルはほぼ3400〜3500cm-1に集
中した強くかつ広いOHバンドを示し、これは所望の生
成物が得られたことを示すものであった。 【0029】希釈溶液中での分解研究では、3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオデカノエ
ート(I−3)のトリクロロエチレンにおける10時間
半減期温度(即ち、過酸化物の半分を10時間で分解さ
せる温度)が36℃であり、かつ3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシ−(2−エチルヘキサノ
エート)(I−6)のベンゼンにおける10時間半減期
温度が約66°〜67℃であることを示した。 【0030】 【表1】 【0031】比較のために、ヒドロキシル機能とペルオ
キシ酸エステル機能との間の原子距離(間にある原子に
よって測定)を炭素原子によって増大させる隣接同族体
化合物を次のようにして作った: 【0032】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシピバレートの調製(C−1) 機械的撹拌器、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付反応器に、45%KOH9.3g(0.075モ
ル)、水4.7g、93.7%7−ヒドロキシ−1,
1,5−トリメチルヘプチルヒドロペルオキシド11.
3g(0.058モル)を装入した。これを30℃で激
しく撹拌して得られた溶液に94.3%塩化ピバロイル
6.4g(0.050モル)を20分かけてゆっくり加
えた。次に、得られた混合物を30℃で1時間激しく撹
拌した後に15℃に冷却して、ペンタン100mlと水
25mlとを加えた。水性相を分離して捨てた後に、生
成物の溶液を10〜15℃において、緩衝亜硫酸ナトリ
ウム溶液(酢酸0.8g、酢酸ナトリウム1.2g、亜
硫酸ナトリウム2.0g、水16gから成る)20g
で、水15mlで、次いで炭酸水素ナトリウム7.7%
溶液20gで洗浄した。次に、得られたペンタン溶液を
無水MgSO4 で乾燥させ、使った乾燥剤をろ過によっ
て分離した後に、ペンタンを真空中0〜10℃において
取り除いて液体生成物8.2gを残した。ペルオキシ酸
エステル活性酸素による生成物の検定は69.6%で、
補正した収率は41.7%であった。生成物の赤外スペ
クトルは3400〜3500cm-1に集中した強く、広
いOHバンドを示した。 【0033】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシネオデカノエートの調製(C−2) 上記のC−1の調製に用いたのと同じ手順を使用し、出
発材料として7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルヒドロペルオキシドと塩化ネオデカノイルとを
用いて7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチルヘプチ
ルペルオキシネオデカノエートを作った。液体生成物を
検定84.3%及び補正収率72.5%で得た。生成物
の赤外スペクトルは3400〜3500cm-1に集中し
た強く、広いOHバンドを示した。 【0034】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシネオヘキサノエートの調製(C−
3) 反応体7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチルヘプチ
ルヒドロペルオキシドと塩化ネオヘキサノイルとを用
い、かつC−1の調製に用いたのと同じ手順を使用し
て、題記のペルオキシ酸エステル、7−ヒドロキシ−
1,1,5−トリメチルヘプチルペルオキシネオヘキサ
ノエ−トを検定86.1%及び補正収率71%で作っ
た。生成物の赤外スペクトルはほぼ3450cm-1に集
中した極めて大きなOHバンドを示した。 【0035】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシ−(2−エチルヘキサノエート)の
調製(C−4) 反応体として7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルヒドロペルオキシド及び塩化2−エチルヘキサ
ノイルを使用し、C−1の調製に用いた手順を用いて、
題記のペルオキシ酸エステル、7−ヒドロキシ−1,
1,5−トリメチルヘプチルペルオキシ−(2−エチル
ヘキサノエート)を検定88.7%及び補正収率78.
0%で作った。生成物の赤外スペクトルは、ほぼ345
0〜3500cm-1に集中した中間のOHバンドを示し
た。 【0036】4−ヒドロキシ−1,1,4,4−テトラ
メチルブチルペルオキシピバレートの調製(C−5) 機械的撹拌機、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付反応器に、45%KOH18.7g(0.150モ
ル)、水15.0g、77.6%(湿潤固体)2,5−
ジメチル−2,5−ジヒドロ−ペルオキシヘキサン2
7.6g(0.120モル)、塩化メチレン100ml
を装入した。得られた2液相混合物に28〜30℃で9
4.3%塩化ピバロイル12.8g(0.100モル)
を約30分かけて加えた。次に、得られた混合物を28
°〜30℃で2.0時間撹拌した後に、混合物を15〜
20℃に冷却して相に分離させた。上方の水性層を取り
除いて捨てた。次に、得られた生成物の溶液を0℃の2
0%KOH溶液50mlで、次に15°〜20℃の炭酸
水素ナトリウム7.7%溶液50mlで洗浄した。次
に、過酸化反応で形成された4−ヒドロペルオキシ−
1,1,4,4−テトラメチルブチルペルオキシピバレ
ートを所望の生成物である4−ヒドロキシ−1,1,
4,4−テトラメチルブチルペルオキシピバレートに転
化するために、塩化メチレン溶液を0〜10℃に冷却
し、緩衝亜硫酸ナトリウム溶液(酢酸7.6g、酢酸ナ
トリウム8.4g、亜硫酸ナトリウム19g、水152
gから成る)187gに反応させた。濃厚乳濁液が得ら
れ、冷凍機内に貯蔵して2液相に分離するのに3日を要
した。それ以上の処理を容易にするために、上方の水性
相を取り除き、等容量のジエチルエーテルを加えた。溶
液を無水のMgSO4 で乾燥させ、使用した乾燥剤をろ
過によって分離した後に、溶剤を真空中0°〜10℃で
取り除いた。いくつかの固体をろ過によって除いて得ら
れた液体の重さは20.4gであった。生成物の検定は
ペルオキシ酸エステル活性酸素含量によって90.3%
であった。補正された収率は74.9%であった。生成
物の赤外スペクトルは3300〜3400cm-1に集中
した広いOHバンドを示した。 【0037】4−ヒドロキシ−1,1,4,4−テトラ
メチルブチルペルオキシネオデカノエートの調製(C−
6) 塩化ネオデカノイルを2,5−ジメチル−2,5−ジヒ
ドロペルオキシヘキサンに反応させた後に、中間生成物
をC−5の調製に用いたのと同じ手順を使用して緩衝亜
硫酸ナトリウム溶液で還元して4−ヒドロキシ−1,
1,4,4−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノ
エートを作った。液体生成物は91.7%の検定を有
し、かつ補正収率55.1%で得られた。生成物の赤外
スペクトルは3300〜3500cm-1に集中した広い
OHバンドを示した。 【0038】実施例3 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルペルオキシ
ネオデカノエートの調製 (I−8) 実施例2(PTCを用いない)で3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシネオデカノエートを作る
のに用いた手順を本実施例で使用して塩化ネオデカノイ
ルと3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルヒドロ
ペルオキシドとから3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
プロピルペルオキシネオデカノエートを作った。生成物
の検定はペルオキシ酸エステル活性酸素含量によって6
6.0%で、正しい収率は65.1%であった。赤外ス
ペクトルは3350〜3450cm-1に集中した広いO
Hバンドを示した。 【0039】実施例4 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルペルオキシ
ネオヘキサノエートの調製 (I−9) 実施例2(PTCを用いない)で3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシネオヘキサノエートを作
るのに用いた手順を本実施例で使用して塩化ネオヘキサ
ノイルと3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルヒ
ドロペルオキシドとから3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルプロピルペルオキシネオヘキサノエートを作った。
生成物の検定はペルオキシ酸エステル活性酸素含量によ
って54.3%で、補正した収率は42.7%であっ
た。生成物の赤外スペクトルは3400〜3450cm
-1に集中した広いOHバンドを示した。 【0040】実施例5 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネ
オヘプタノエートの調製 機械的撹拌器、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付開口反応器に、35%KOH水溶液195.2g
(1.218モル)を装入し、溶液を8℃に冷却した。
溶液を激しく撹拌し、それに75.9%の3−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド14
3.6g(0.812モル)を3分かけて加えたとこ
ろ、反応マスの温度は約25℃に上昇した。次いで、無
臭のミネラルスピリット(CAS RN 8032-32-4)20gを加
えた。このマスを25℃において激しく撹拌し、これに
92.7%のネオヘプタノイルクロリド(2,2−ジメ
チルペンタノイルクロリドと2−エチル−2−メチルブ
チルクロリドとの混合物)130.2g(0.812モ
ル)を約25℃において25分かけてゆっくり加えた。
生成した反応マスを更に25℃において35分間撹拌し
た後に、水115gを加え、生成した反応マスを1分間
撹拌し、次いで24−5℃において6分かけて分離させ
て2つの液相になった。下部水性相を分離して廃棄し
た。次いで、有機相を5%KOH水溶液115gで24
−7℃において1分にわたって洗浄した。次いで、反応
マスを24−7℃において140分かけて分離させて2
つの液相になり、下部水性相を分離して廃棄した。有機
相に、無水MgSO4 25gを加え、スラリーを室温に
おいて15分間撹拌した。スペントデシカントを濾過に
よって分離した後に、液体生成物181g(理論の9
0.5%、未補正)が得られた。生成物はペルオキシエ
ステル活性酸素含量4.82%(理論6.50%)を有
していた。よって、生成物のアセイは74.2%であ
り、補正収率は67.1%であった。 【0041】クロマトグラフィー分析は、生成物がジ−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)ペルオキ
シド4.0%を含有していることを示した。この不純物
は出発3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロ
ペルオキシド中に存在していた。 【0042】所望の生成物である3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシネオヘプタノエートを精
製するために、Waters Associates PREP 500A HPLCを使
用した分離用クロマトグラフィーを用いた。条件は下記
の通りであった: 温度 −約20℃ 溶媒(容積/容積) −エチルアセテート25% /ヘキサン75% 流量 −200mL/分 溶媒圧(気圧) −5〜7 チャンバー圧(気圧)−約35 生成物は、ヘキサンで希釈して純度約50%にした後
に、カラムに注入した。未希釈の生成物合計80.2g
を分離用HPLCの中に通した。不純物及び所望の生成
物についての保持時間は下記の通りであった: 保持時間(溶媒及び他の不純物)−2.6分 保持時間(所望の生成物) −5.4分 純度を高めるために、所望の生成物ピークの中間留分フ
ラクションを採取した。溶離溶媒(エチルアセテート及
びヘキサン)を減圧ストリッピングによって除去した後
に、所望の生成物43.2g(回収率73%、未補正)
が得られ、該生成物はペルオキシエステル活性酸素含量
6.13%(理論、6.50%)を有していた。よっ
て、精製生成物のアセイは94.3%であった。生成物
の赤外スペクトルは、およそ3450cm-1を中心にし
た中位で広いOHバンド、1760cm-1における強い
ペルオキシエステルカルボニルバンド及び890cm-1
における弱い−00−バンドを示した。 【0043】存在していた他の赤外スペクトルバンドを
下記の表に挙げる:バンド、cm-1 強 度 2970 強 2930 強 2870 中 1750 強(ショルダー) 1460 強 1380 強 1370 強 1320 弱 1270 弱 1220 弱 1190 弱 1150 中 1110 強 1055 弱 1005 弱 940 弱 830 弱 740 弱 精製した94.3%生成物について、分解研究をアルフ
ァ−メチルスチレン中で40°、50℃及び60℃にお
いて行った。アルファ−メチルスチレン中の生成物の初
期濃度は0.05Mであった。全3つの温度における分
解は一次の分解速度論に従った。使用した温度において
得られた速度定数及び半減期を下記にまとめる: 温度 速度定数 半減期℃ (k) /時間 時間 40 0.0609 11.4 50 0.239 2.90 60 0.867 0.799 活性化エネルギー(E)及びA値(A)を、相互絶対温
度(K;℃+273.15)及び速度定数データの最小
二乗処理を用いて、求めた、求めた活性パラメータは下
記の通りであった: 活性化エネルギー(A)=27.526 Kcal/モル A値(A) = 2.76 × 1014 秒-1 データの最小二乗処理の相関係数は0.9999997 であっ
た。 【0044】生成物について得られた分解データは、所
望の生成物である3−ヒドロキシ1,1−ジメチルブチ
ルペルオキシネオヘプタノエートについて予想されるも
のであった。 【0045】無臭のミネラルスピリット(CAS RN 8032-3
2-4)における所望の生成物の第2の製造では、生成物は
アセイ75.9%及び補正収率69.4%で得られた。
この生成物は15℃において屈折率1.4380及び比
重0.9233を有していた。 【0046】製造方法、活性酸素データ、赤外データ及
び生成物分解データは、本例において得られた生成物が
所望の生成物である3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルペルオキシネオヘプタノエートであったことを確
認する。 【0047】実施例6 ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルを遊離
基開始剤として用いる塩基ビニル懸濁重合 本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ルのいくつかを、50℃及び55℃の塩化ビニル懸濁重
合で同じカルボン酸から誘導した先行技術のt−ブチル
ペルオキシ酸エステルに比較して評価した。使用した塩
化ビニル懸濁重合の手順を以下に説明する。 【0048】懸濁重合 懸濁液における塩化ビニルの重合を1.5リッター反応
器で行った。該反応器は、重合を熱量計によって監視で
きるように設計しかつ計器を取り付けた。反応器を水浴
中に浸漬し、所望の反応温度より0.5℃高く保ち、こ
うして周囲への熱損失を防いだ。発熱重合から生成する
熱に加えて水浴から反応器内に通る熱を、反応器内の内
部コイルに冷却水を通すことによって取り去った。こう
して、温度を一定に保った。冷却水の流量及び入口流体
と出口流体との温度差を監視し、こうして除去される熱
(cal.min-1)を連続的に記録した。 【0049】また、反応器の圧力をも連続して監視し
た。単量体の約70%が重合体に転化した時に、蒸気相
中の単量体が消耗して圧力が下った。こうして、70%
転化の点と塩化ビニルの重合熱(23Kcal/モル)
とを認識して、熱量計記録中のバックグラウンド計数を
計算することができた;このバックグラウンドは水浴か
ら反応器への熱移動によるものであった。減じることに
よって、時間の関数としての真の重合速度(cal.m
in-1)を得た。 【0050】重合において、次の操作順序をたどった: 1) 反応器を組み立てて漏れを試験した。 2) 反応器を取り巻く水浴を加熱して所望の反応温度
よりも0.5℃高くした。 3) 冷却水浴を加熱して反応温度よりも10℃低くし
た。 4) 水性相に加えて懸濁防止剤(後に説明する)を加
熱し、所望の反応温度よりも10℃高くして反応器内に
装入した。 5) 開始剤組成物を加え、充填口をシールした。 6) 水アスピレーターを用いて反応器を排気した。 7) 塩化ビニル(200g)を加え、小シリンダーか
らの窒素で置換して反応器を窒素で加圧して約150p
si(ゲージ)(11kg/cm2 G)にした。冷温の
塩化ビニルを加えることによって水性相の温度を下げて
所望の反応温度に近い点にした。 8) 撹拌を開始した。 9) 反応器制御器のスウィッチを入れて温度の自動制
御、出熱と圧力との連続記録を開始した。 10) 降圧を観測した後に、圧力、温度、重合熱につ
いて更にもう1〜2時間監視した。次に、降圧後の反応
器データを用いて降圧速度、△p/△tを求めた。△p
/△tは、降圧を開始した後の重合速度の尺度であった
から、重要な値であった。△p/△tの絶対値が大きく
なればなる程に、降圧後の重合速度が高くなり、かつ塩
化ビニル単量体のポリ塩化ビニルの転化%が大きくな
る。これらのデータを得た後に、残留塩化ビニル及び窒
素をガス抜きし、反応器を分解して洗浄にした。 使用した懸濁液系(pH〜6.5) エーロゾルMA80%* の1%溶液 42ml メトセル(Methocel)F50**の1%溶液 168ml 三重に蒸留した水 469ml * アメリカンシアナミド社製の界面活性剤(ナトリウムジヘキシルスルホスク シネート) **ダウケミカル製ヒドロキシプロピルメチルセルロース重合体。 注:水性相のpHは、標準のpHメーターを用い、周囲温度、22℃で測定した 。 【0051】 【表2】 【0052】表IIは、降圧の開始[塩化ビニル単量体の
約70%がポリ塩化ビニル(PVC)ヘ転化]に到達す
るのに要した時間及び降圧開始後の降圧速度(△p/△
t)について、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペル
オキシ酸エステル、即ち、3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチルペルオキシピバレート(I−1)、3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオヘキ
サノエート(I−2)及び3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチルペルオキシネオデカノエート(I−3)を
評価し、かつ対応する先行技術のt−アルキルペルオキ
シ酸エステル、即ち、t−ブチルペルオキシピバレート
(A−1)、t−ブチルペルオキシネオヘキサノエート
(A−2)、t−アミルペルオキシネオヘキサノエート
(A−3)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート
(A−4)及びt−アミルペルオキシネオデカノエート
(A−5)に比較した。降圧時間の結果は、予想されな
い程にかつ驚く程に、本発明のヒドロキシ−t−アルキ
ルペルオキシ酸エステル(例えば、I−1、I−2、I
−3)が、等モル基準で対応する先行技術のt−アルキ
ルペルオキシ酸エステル(例えば、それぞれA−1、A
−2、A−3、A−4、A−5)よりも顕著に一層有効
であることを示した。これらの結果は、本発明のヒドロ
キシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルの必要量が対
応する先行技術のt−アルキルペルオキシ酸エステルよ
りもかなり少ないことから、過酸化物と塩化ビニルとの
重合技術を大きく前進させる。このことは、PVC製造
業者が本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの極めて少ない量を用いて同一量のPVCを製
造する(表II中、A−4及びA−5に対するI−3の結
果を参照)ばかりでなく、冷凍貯蔵設備で貯蔵する本発
明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルが
少なくてすむであろうことを意味する。従って、PVC
製造業者が本発明の一層活性なヒドロキシ−t−アルキ
ルペルオキシ酸エステルを塩化ビニルの重合に用いるな
らば、PVC製造業者にとって開始剤の費用は顕著に低
減されるであろう。 【0053】また、表IIは、他の2つのヒドロキシ−t
−アルキルペルオキシ酸エステル、7−ヒドロキシ−
1,1,5−トリメチルヘプチルペルオキシネオヘキサ
ノエート(C−3)及び4−ヒドロキシ−1,1,4,
4−テトラメチルブチルペルオキシピバレート(C−
5)について塩化ビニルの懸濁効率をも要約している。
本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ルI−2の効率をC−3の効率に比較し、かつ本発明の
ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルI−1
の効率をC−5の効率に比較したところ、本発明のヒド
ロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルI−1及び
I−2の効率が、それぞれC−5及びC−3の効率より
も顕著に良好であった。よって、これらの結果は、本発
明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルが
R−C(O)−OO−C(CH3 )2−基とHOCR3
R4 −基との間に1個の炭素原子を持たなければならな
いという臨界性を示した。2個の炭素(例えば、C−
5)又は5個の炭素(例えば、C−3)が存在する場合
には、得られるヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの効率は本発明のヒドロキシ−t−アルキルペ
ルオキシ酸エステル(例えば、I−1及びI−2)より
も極めて低い。 【0054】実施例7 本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ルのSPI発熱量 本実施例における不飽和ポリエステル樹脂は不飽和ポリ
エステルとスチレン単量体との混合物であった。不飽和
ポリエステルは次の成分をエステル化して作ったアルキ
ド樹脂であった:成分 量 無水マレイン酸 1.0モル 無水フタル酸 1.0モル プロピレングリコール 2.2モル 【0055】得られた樹脂にヒドロキノン抑制剤0.0
13重量%を加えた。アルキド樹脂の酸価は45〜50
であった。上記ポリエステル(アルキド樹脂)7重量部
を単量体のスチレン3重量部で希釈した。得られた不飽
和ポリエステル樹脂は次の性質を有していた。: a.粘度(ブルークフィールド2番、20r.p.mで) 13.0ポイズ b.比重 1.14 【0056】硬化方法 上記の不飽和ポリエステル樹脂における種々の開始剤の
ゲル化及び硬化特性は、標準SPI発熱方法(プラスチ
ックス工業団体のソサイアティ、強化プラスチックスデ
イビジョン、1961年2月、16回年会議のプレプリ
ントで公表された“発熱曲線を走らせるSPI方法−ポ
リエステル樹脂)を用いて求めた。82℃における方法
を用いて本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ
酸エステルのいくつかを評価して、同じカルボン酸から
誘導される先行技術のt−アルキルペルオキシ酸エステ
ルを用いた結果と比較した。結果は、表III に要約さ
れ、硬化時間が極めて短いことから判断して、本発明の
ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステル、I−
1、I−2、I−3が、それぞれ対応する先行技術のt
−ブチルペルオキシ酸エステルA−1、A−2、A−4
よりも一層活性であることを示す。 【0057】 【表3】【0058】実施例8 先行技術のペルオキシ酸エステルに比較した本発明のヒ
ドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルの82℃
SPI発熱 本実施例で用いた不飽和ポリエステル樹脂及び手順は実
施例7で使用したものであった。先行技術の化合物であ
る米国特許3,236,872号の3−ベンゾイルオキ
シ−1,1−ジメチルブチルペルオキシベンゾエート
(A−6)及び米国特許4,079,074号の4−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル−ペルオキ
シカルボニル)−3−ヘキシル−6−[7−(3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシカルボニ
ル)ヘプチル]シクロヘキセン(A−7)を先行技術の
文献に記載される手順に従って作った。本発明の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ酸エタノ
ールは、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒド
ロペルオキシドを対応する酸塩化物に反応させて対応す
るエステル−ペルオキシ酸エステル(上記の構造C)に
よって明らかに汚染されることなく作ることができる
が、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキ
シ酸エステルを3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−ブ
チルヒドロペルオキシドと芳香族酸化物とから作ること
はできなかった。特に、3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルブチルヒドロペルオキシドと塩化ベンゾイルとから
3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシベ
ンゾエート(A−8)を作ることを試みたが、所望の生
成物、A−8は極めて少量しか生成しなかった。代り
に、生成物の大部分はA−6であった。このことは塩化
ベンゾイルは3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル
ヒドロペルオキシドのHO−基及びA−8のHO−基と
極めて容易に反応することを意味するものであった。他
方、本発明のペルオキシ酸エステルの製造方法において
用いる酸塩化物は、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルヒドロペルオキシドのHO−基及び本発明の3−
ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ酸エス
テルのHO−基と容易には反応しない。そのため、本発
明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルA
が支配的な反応生成物になる。 【0059】次の表IVは、種々のペルオキシ酸エステル
を純粋基準で1.0重量%用いて不飽和ポリエステル樹
脂を硬化させた82℃(180°F)SPI発熱データ
を要約する。用いた本発明のペルオキシ酸エステルは3
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−エチルヘキサノエート)(I−6)及び3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオヘキサ
ノエート(I−2)であり、一方、評価した先行技術の
化合物はA−6、A−7、t−ブチルペルオキシ−(2
−エチルヘキサノエート)(A−9)及びt−ブチルペ
ルオキシベンゾエート(A−10)であった。 【0060】 【表4】【0061】表IV中の結果は、ゲル及び硬化時間が短く
かつ硬度が高められていることから判断して(本発明の
ペルオキシ酸エステルI−6についての結果を先行技術
のペルオキシ酸エステルA−9、A−7、A−6及びA
−10についての結果と比較のこと)、本発明の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ酸エステ
ルが先行技術のペルオキシ酸エステルに比べて不飽和ポ
リエステルにおいて極めて活性であったことを示す。
−アルキルペルオキシ酸エステル(A) 、これらの組成物
の改良されたビニル単量体重合方法用遊離基開始剤とし
ての使用及び改良された不飽和ポリエステル樹脂硬化方
法用硬化触媒としての使用に関する。 【0002】ポリマー工業では、経済的見地から、高価
な生産設備の追加建設に訴えることなくポリマー樹脂の
生産を増大させることが望まれる。一層活性な遊離基触
媒を用いることによって重合速度を高めることができる
ことは重合技術において、特に塩化ビニルを重合させる
技術において周知であり;よって、この技法を用いて重
合サイクル時間を短縮させかつ生産容量を増大させるこ
とができる。この現象は塩化ビニルの重合において特に
有用である。というのは、一層活性な触媒によって重合
速度が一層高くなり、同時に重合体の分子量特性に影響
を与えることが無い(温度を変えないものと仮定し
て);よって重合体の物理的性質は変わらないままであ
るからである。また、過酸化物の分野では、過酸化物の
半減期特性(過酸化の活性の尺度)が過酸化物のある種
類について過酸化物に種々の構造変化を用いることによ
って顕著に変えられることは周知である。 【0003】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステルは、先行技術で用いられていたよりも一
層少い量の開始剤を用いて重合系の効率を改善すること
が分った。本発明の化合物の10時間半減期温度を類似
の先行技術のペルオキシ酸エステルよりも顕著に低下さ
せる。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、 A)10時間半減期温度が約75℃よりも低い構造(A)
のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステル: 【化4】 {式中、R1 及びR2 は炭素数1〜4のアルキルから選
ばれ、R3 及びR4 は水素又は炭素数1〜4のアルキル
から選ばれ、R1 及びR3 は共に連結して低級アルキル
置換の炭素数3のアルキレンブリッジを形成することが
でき、かつR3 はさらに次にすることができ: 【化5】 Rは次から選ばれる: 【化6】(ここで、R5 は水素又は炭素数1〜8のアルキルから
選ばれ、R6 は炭素数1〜8のアルキルから選ばれ、R
7 は炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルケニ
ル、炭素数6〜10のアリール、炭素数1〜6のアルコ
キシ、炭素数6〜10のアリールオキシから成る群より
選ばれ、R8 及びR9 は炭素数1〜4のアルキルから選
ばれる)}; B)構造(A) のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの開始量を重合の間適当な温度で開始剤として
用いるエチレン系不飽和単量体(例えばエチレン、塩化
ビニル)の重合方法; C)硬化剤として(A) の触媒量を存在させて不飽和ポリ
エステル樹脂を加熱する該樹脂組成物の硬化方法 を指向するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルの調製 本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ル(A) は、塩基の存在において、かつ選択により相移動
触媒( phase transfer catalyst - PTC ) の存在におい
て適当な酸塩化物、酸臭化物又は酸無水物をヒドロキシ
−t−アルキルヒドロペルオキシドに反応させて作るこ
とができる。驚いたことに、アシル化反応はヒドロキシ
−t−アルキルヒドロペルオキシドのヒドロキシ基より
もむしろ主にヒドロペルオキシ基において行われ、こう
してヒドロペルオキシ−アルキルエステル(B) よりもむ
しろ本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エ
ステル(A) を生成する。(A) とアシル化剤とのそれ以上
の反応がある程度 【化7】 行われてエステル−t−アルキルペルオキシ酸エステル
(C) を作り得る。(C) は、また(B) (生成されるとすれ
ば)とアシル化 【化8】 剤とのそれ以上の反応によっても少量程度作られよう。
通常、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルを作るのに用いる酸塩化物は立体障害の酸塩化
物であり、該酸塩化物はヒドロキシ−t−ヒドロペルオ
キシドのヒドロペルオキシ基において容易に反応し、ヒ
ドロキシ−t−アルキルヒドロペルオキシドのヒドロキ
シ基又は(A) のヒドロキシル基においては容易には反応
しない。かかるヒンダード酸塩化物はヒンダードジ−及
びトリ−α−枝分れカルボン酸(以下に更に記載する)
から誘導される。立体障害の少い酸塩化物、例えば非−
及びモノ−α−枝分れカルボン酸及び芳香族カルボン酸
はヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルのヒ
ドロキシ基と容易に反応する(以下の実施例17参
照)。本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルは上述した立体障害酸塩化物から誘導されるも
のに限定される。本発明の高い方の温度のヒドロキシ−
t−アルキルペルオキシ酸エステルの一つ、3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−(2−エチ
ルヘキサノエート)の10時間半減期温度は約66〜6
7℃であったから、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステルには10時間半減期温度約75℃
の上限が設定される。障害の少ない酸塩化物から誘導さ
れる発明でないヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの10時間半減期温度は、通常約90〜100
℃になるであろう(それらを作ることができるとすれ
ば)。故に、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(構造A)は、エチレン系不飽和単量体
の重合を開始させる際に、及び不飽和ポリエステル樹脂
を硬化させる際の活性がずっと高い。好適な酸塩化物は
対応する酸から、酸に塩素化剤、例えばPCl3 、PO
Cl3 、PCl5 、SOCl2 、ホスゲン(N,N−ジ
メチルホルムアミドの存在において)、ベンゾトリクロ
リドを反応させた後に反応混合物から酸塩化物生成物を
単離させて作ることができる。 【0006】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) を作るのに有用なカルボン酸は、ア
ルキルアリール酢酸、例えば2−フェニルプロピオン
酸、2−フェニル酪酸、2−メチル−2−フェニルプロ
ピオン酸、アルコキシプロピオン酸、例えば2−メトキ
シプロピオン酸、アリールオキシプロピオン酸、例えば
2−フェノキシプロピオン酸、不飽和カルボン酸、例え
ばメタクリル酸、2−メチル−2−ブテン酸、α,α−
ジアルキル酢酸、例えばイソ酪酸、2−エチル酪酸、2
−エチルヘキサン酸、2−ブチルオクタン酸、α,α,
α−トリアルキル酢酸(即ち、ネオ酸)、例えばピバル
酸、ネオヘキサン酸、ネオヘプタン酸、ネオオクタン
酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、ネオトリデカン酸を
含む(後の5つのネオ酸混合物の組成及び構造は米国特
許3,624,123号に記載されているものであ
る)。 【0007】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) を作るのに有用なヒドロキシ−t−
アルキルヒドロペルオキシドは、3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルプロピルヒドロペルオキシド、3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド、1
−エチル−3−ヒドロキシ−1−メチルペンチルヒドロ
ペルオキシド、1,1−ジエチル−3−ヒドロキシブチ
ルヒドロペルオキシド、5−ヒドロキシ−1,3,3−
トリメチルシクロヘキシルヒドロペルオキシド、4−ヒ
ドロキシ−2,6−ジメチル−2,6−ジヒドロペルオ
キシヘプタンを含む。ヒドロキシ−t−アルキルヒドロ
ペルオキシドは、強酸触媒、例えば硫酸、リン酸、過塩
素酸、イオン交換樹脂の酸体又はp−トルエンスルホン
酸の存在において対応するヒドロキシ−t−アルカノー
ルを過剰の過酸化水素で処理して作ることができる。例
えば、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチルヒドロ
ペルオキシド、これはまたヘキシレングリコールヒドロ
ペルオキシドとしても知られている、はこの方法で米国
特許3,236,872号による市販の2−メチル−
2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)か
ら作られてきた。ヒドロキシ−t−アルキルヒドロペル
オキシドを作るのに用いるヒドロキシ−t−アルカノー
ルは当分野で周知の方法によって作ることができる。例
えば、いくつかのヒドロキシ−t−アルカノールは、ラ
クトンをグリニャール薬剤(例えばメチルマグネシウム
ブロマイド)で処理して作ることができる。また、ヒド
ロキシ−t−アルキルヒドロペルオキシドは、ヒドロキ
シ−t−アルカノールの代りに対応するヒドロキシ−t
−アルキレンを用いて作ることもできる。このように、
強酸触媒の存在においてヒドロキシ−t−アルキレンを
過酸化水素で処理すればヒドロキシ−t−アルキルヒド
ロペルオキシドを生成することになる。 【0008】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) を作るのに有用な塩基は、無機塩
基、例えばNaOH、KOH、LiOH、Na2 CO
3 、K2CO3 及び有機アミン、例えばピリジン、N,
N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
ンを含む。選択により用いる相移動触媒は、テトラアル
キルアンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム
塩化物、臭化物、硫酸水素塩及びその他の報告されてい
る相移動触媒を含む。 【0009】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオ
キシ酸エステル(A) の代表例は次の通りである:3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−2−フ
ェニルブチレート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルペルオキシ−2−フェノキシプロピオネート、3
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシメタ
クリレート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル
ペルオキシ−2−メチルクロトネート、3−ヒドロキシ
−1,1−ジメチルブチルペルオキシイソブチレート、
3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−エチルヘキサノエート)、3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシ−(2−ブチルオクタノ
エート)、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペ
ルオキシピバレート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチルペルオキシネオヘキサノエート、3−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオヘプタノエ
ート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオ
キシネオデカノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルブチルペルオキシネオトリデカノエート、3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルプロピルペルオキシネオヘキ
サノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピ
ルペルオキシネオデカノエート、3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルプロピルペルオキシピバレート、3−ヒド
ロキシ−1,1−ジエチルブチルペルオキシネオヘキサ
ノエート、5−ヒドロキシ−1,3,3−トリメチルシ
クロヘキシルペルオキシネオデカノエート、4−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチル−2,6−ジ(ネオヘキサノイ
ルペルオキシ)ヘプタン、4−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチル−2,6−ジ(ネオデカノイルペルオキシ)ヘプ
タン 【0010】ビニル重合 適当な温度(及び圧力)においてエチレン系不飽和単量
体を遊離基重合又は共重合させる場合に、本発明のヒド
ロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステル(A) が有効
な開始剤になることが分った(即ち、開始剤要求量を低
減した)。 【0011】エチレン系不飽和単量体はオレフィン、例
えばエチレン、プロピレン、スチレン、アルファ−メチ
ルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビ
ニルベンジル、ビニルピリジン、ジビニルベンゼン;ジ
オレフィン、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン;ビニルエステル、例えばビニルアセテー
ト、ビニルプロピオネート、ビニルラウレート、ビニル
ベンゾエート、ジビニルカルボネート;不飽和ニトリ
ル、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル;ア
クリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステル及びアミ
ド、例えばメチル、エチル、n−ブチル、2−エチルヘ
キシルアクリレート及びメタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド;無水マレイン酸;マレイン酸、
フマル酸及びこれらのエステル;ビニルハロ及びビニリ
デンハロ化合物、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、フッ
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン;ペルハ
ロオレフィン、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン;ビ
ニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル;アリルエス
テル、例えばアリルアセテート、アリルベンゾエート、
ジアリルフタレート、アリルエチルカルボネート、トリ
アリルホスフェート、ジアリルフマレート、ジアリルカ
ルボネート;アクロレイン;メチルビニルケトン;及び
これらの混合物を含む。 【0012】本発明において、エチレン系不飽和単量体
を重合又は共重合させる際に、温度20°〜250℃、
好ましくは30°〜200℃、単量体を基準にしてペル
オキシ酸エステルレベル(純粋基準)0.002〜3重
量%、好ましくは0.002〜1重量%を用いる。 【0013】また、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステル(A) はその他の遊離基開始剤と組
み合わせて用いることもできる。かかる遊離基開始剤
は、例えばt−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチ
ルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
ペルオキシアセテート、t−アミルペルオキシピバレー
ト、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミ
ルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テト
ラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、アルファ
−クミルペルオキシネオデカノエートを含むペルオキシ
酸エステル;ジ−n−プロピル、ジイソプロピル、ジ−
(sec−ブチル)、ジシクロヘキシル、ジ−(4−t
−ブチル−シクロヘキシル)、ジ−(2−フェノキシエ
チル)、ジ−(2−エチルヘキシル)、ジヘキサデシル
ペルオキシジカルボネートを含むジアルキルペルオキシ
ジカルボネート;アセチルシクロヘキシルスルホニルペ
ルオキシド、アセチル−sec−ヘプチルスルホニルペ
ルオキシドを含むアシルアルキルスルホニルペルオキシ
ド;ジベンゾイルペルオキシド、ジドデシルペルオキシ
ド、ジイソブチリルペルオキシド、ジ−(2−メチルペ
ンタノイル)ペルオキシドを含むジアシルペルオキシ
ド;2,2−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ブタン、
2,2−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘプタン、エチ
ル3,3−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ブチレート、
1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−(t−ブチルペ
ルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペ
ルオキシ)シクロヘキサンを含むジペルオキシケター
ル;00−t−ブチル0−イソプロピルモノペルオキシ
カルボネート、00−t−ブチル0−(2−エチルヘキ
シル)モノペルオキシカルボネートを含むモノペルオキ
シカルボネート;ジアルキルペルオキシド、例えば2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)
ヘキサン;アゾビス(イソブチロニトリル)、2−t−
ブチルアゾ−2−シアノ−4−メトキシ−4−メチルペ
ンタン、1−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサ
ンを含むアゾ化合物である。 【0014】不飽和ポリエステル樹脂の硬化 遊離基硬化剤の存在において適当な硬化温度で加熱する
ことによって不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させ
る際に、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ
酸エステル(A) は高い硬化活性を示す。本発明の過酸化
物によって硬化させることのできる不飽和ポリエステル
樹脂は、通常、不飽和ポリエステル及び1種又はそれ以
上の重合性単量体を含む。 【0015】不飽和ポリエステルは、例えば少くとも1
種のエチレン系不飽和ジ−又はポリカルボン酸、無水物
又は酸ハロゲン化物、例えばマレイン酸、フマル酸、グ
ルタコン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、
アリルマロン酸、アリルコハク酸、テトラヒドロフタル
酸等を飽和又は不飽和ジ−又はポリオール、例えばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,2−、1,3−プロパンジオール、
1,2−、1,3−、1,4−ブタンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ヒドロキ
シメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2
−ブテン−1,4−ジオール、2−ブテン−1,4−ジ
オール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、グリセリン、ペンタエリトリトール、マンニト
ール等でエステル化することによって得られるようなポ
リエステルである。該ポリ酸の混合物及び/又は該ポリ
アルコールの混合物をも用いることができる。不飽和ジ
−又はポリカルボン酸の一部を、飽和ポリカルボン酸、
例えばアジピン酸、コハク酸、セバシン酸等で及び/又
は芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、トリメリト
酸、ピロメリト酸、イソフタル酸、テレフタル酸で置き
換えることができる。用いる酸をハロゲン等の基で置換
することができる。該適当なハロゲン化酸の例は、例え
ばテトラクロロフタル酸、5,6−ジカルボキシ−1,
2,3,4,7,7−ヘキサクロロビシクロ(2.2.
1)−2−ヘプタン等である。 【0016】不飽和ポリエステル樹脂組成物のその他の
成分である重合性単量体或は単量体類は、好ましくはエ
チレン系不飽和単量体、例えばスチレン、クロロスチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アルファ−メ
チルスチレン、ジアリルマレエート、ジアリルフタレー
ト、ジブチルフマレート、アクリロニトリル、トリアリ
ルホスフェート、トリアリルシアヌレート、メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、エチルアクリレート等、又はこれらの混合物
で、該ポリエステルと共重合し得るものである。 【0017】好適な樹脂組成物は、ポリエステル成分と
して、1,2−プロピレングリコール(ポリアルコー
ル)無水マレイン酸(不飽和ポリカルボン酸の無水
物)、無水フタル酸(芳香族ジカルボン酸の無水物)の
エステル化生成物を並びに単量体成分であるスチレンを
含有する。 【0018】約20°〜200℃の温度及び硬化性不飽
和ポリエステル樹脂の約0.05〜5重量%又はそれ以
上の過酸化物レベルが通常用いられる。 【0019】上述の不飽和ポリエステルに種々の材料、
例えばイオウ、ガラス繊維、カーボンブラック、シリ
カ、金属シリケート、クレー、金属カルボネート、酸化
防止剤、熱及び光安定剤、増感剤、染料、顔料、促進
剤、金属酸化物、例えば酸化亜鉛、発泡剤を充填するこ
とができる。 【0020】本発明の組成物を硬化触媒として用いてそ
の他の型の不飽和樹脂を硬化させることができる。これ
らの樹脂は不飽和ビニルエステル樹脂と呼ばれ、ビニル
エステル樹脂成分と1種又はそれ以上の重合性単量体成
分とから成る。ビニルエステル樹脂成分は、水酸化ナト
リウム等の塩基の存在において、エピクロルヒドリン等
のクロロエポキシドをビスフェノールA[2,2−ジ−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]等のグリコール
の適当量に反応させてエピクロロヒドリンから誘導され
る末端エポキシ基を有する縮合生成物にして作ることが
できる。続いて、酸性又は塩基性触媒の存在又は不存在
において、縮合生成物を重合性不飽和カルボン酸、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸に反応させればビニルエス
テル末端樹脂成分を生成することになる。通常、スチレ
ンを重合性単量体成分として加えて不飽和ビニルエステ
ル樹脂の調製を完結させる。 【0021】不飽和ビニルエステル樹脂の硬化には、通
常、約20°〜200℃の温度及び硬化性不飽和ビニル
エステル樹脂組成物の約0.05〜5重量%又はそれ以
上の純過酸化物レベルを用いる。 【0022】上記の不飽和ビニルエステル樹脂に、先に
記載した不飽和ポリエステル樹脂組成物で用いた材料を
充填することができる。 【0023】また、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステル(A) をジエチレングリコールビス
(アリルカルボネート)(ADC)並びにその他のジア
リル、ポリアリル化合物等の単量体を硬化させるのに用
いることもできる。これらの用途では、硬化性単量体を
基にして本発明のペルオキシ酸エステル0.1〜10%
又はそれ以上を用いることができる。ADC硬化プロセ
スでは、通常温度プロフィルが用いられる。温度は、初
めの約70℃から約125℃に及び、硬化時間は10時
間以下の範囲になり得る。 【0024】また、本発明のヒドロキシ−t−アルキル
ペルオキシ酸エステルはヒドロキシ基において反応させ
て他の過酸化物を作る中間体として用いることもでき
る。 【0025】 【実施例】本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキ
シ酸エステルの調製に用いる塩化ネオヘキサノイル及び
その他の酸塩化物、先行技術のペルオキシ酸エステル及
び実施例で調製したその他のペルオキシ酸エステルは、
米国特許3,624,123号の実施例1に説明されて
いる手順に類似の手順で作った。3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドは米国特許3,
236,872号の実施例2に説明されている手順に従
って作った。7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルヒドロペルオキシドを同様にして作った。 【0026】出発物質、3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルプロピルヒドロペルオキシドは、上述した3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを
作るのに類似した手順を用いて作った:この化合物を濃
H2 SO4 (0.75モル)を酸触媒として3−メチル
−3−ブテン−1−オール(0.50モル)と50%H
2 O2 (2.00モル)とから作った。単離した生成物
は、ヒドロペルオキシド活性酸素含量によって81.2
%の検定を有する液体であった。補正した収率は37.
9%であった。 【0027】実施例1 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシピ
バレート(I−1)の調製 機械的撹拌器、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付反応器に、45%KOH19.9g(0.160モ
ル)、水9.9g、93.7%3−ヒドロキシ−1,1
−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(4−ヒドロキシ
−2−メチル−2−ヒドロペルオキシペンタンとしても
知られている)21.5g(0.150モル)、塩化メ
チレン25g、相移動触媒(PTC)である臭化テトラ
ブチルアンモニウム0.65g(0.002モル)を装
入した。得られた混合物を激しく撹拌して−5°〜−2
℃に冷却し、それに95.4%塩化ピバロイル12.6
g(0.100モル)を約30分かけてゆっくり加え
た。次に、得られた生成物の混合物を−5°〜−2℃で
2時間撹拌した後に、10%KOH25g、塩化メチレ
ンの追加量50gを反応混合物に加えた。反応マスを1
0℃で2つの液相に分離させ、下方の有機層を取り去
り、無水MgSO4 約5重量%で乾燥させ、使った乾燥
剤をろ過によって分離した後に、塩化メチレンを真空中
0〜10℃において取り除いた。液体生成物24.5g
が得られ、該生成物はペルオキシ酸エステル活性酸素含
量によって検定72.3%を有していた。補正した収率
は81.3%であった。生成物の赤外スペクトルは34
50〜3550cm-1に集中した広範囲のOHバンドを
示した。 【0028】実施例2 その他の3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペル
オキシ酸エステルの調製 実施例1で用いた手順を使用して3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドと種々のカルボ
ン酸塩化物とからその他の3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチルペルオキシ酸エステルを作った。出発カル
ボン酸塩化物、使用した条件、これらの調製についての
収率データを表Iに要約する。また表Iには実施例1に
ついての結果も含まれる。全ての場合において、生成物
の赤外スペクトルはほぼ3400〜3500cm-1に集
中した強くかつ広いOHバンドを示し、これは所望の生
成物が得られたことを示すものであった。 【0029】希釈溶液中での分解研究では、3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオデカノエ
ート(I−3)のトリクロロエチレンにおける10時間
半減期温度(即ち、過酸化物の半分を10時間で分解さ
せる温度)が36℃であり、かつ3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシ−(2−エチルヘキサノ
エート)(I−6)のベンゼンにおける10時間半減期
温度が約66°〜67℃であることを示した。 【0030】 【表1】 【0031】比較のために、ヒドロキシル機能とペルオ
キシ酸エステル機能との間の原子距離(間にある原子に
よって測定)を炭素原子によって増大させる隣接同族体
化合物を次のようにして作った: 【0032】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシピバレートの調製(C−1) 機械的撹拌器、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付反応器に、45%KOH9.3g(0.075モ
ル)、水4.7g、93.7%7−ヒドロキシ−1,
1,5−トリメチルヘプチルヒドロペルオキシド11.
3g(0.058モル)を装入した。これを30℃で激
しく撹拌して得られた溶液に94.3%塩化ピバロイル
6.4g(0.050モル)を20分かけてゆっくり加
えた。次に、得られた混合物を30℃で1時間激しく撹
拌した後に15℃に冷却して、ペンタン100mlと水
25mlとを加えた。水性相を分離して捨てた後に、生
成物の溶液を10〜15℃において、緩衝亜硫酸ナトリ
ウム溶液(酢酸0.8g、酢酸ナトリウム1.2g、亜
硫酸ナトリウム2.0g、水16gから成る)20g
で、水15mlで、次いで炭酸水素ナトリウム7.7%
溶液20gで洗浄した。次に、得られたペンタン溶液を
無水MgSO4 で乾燥させ、使った乾燥剤をろ過によっ
て分離した後に、ペンタンを真空中0〜10℃において
取り除いて液体生成物8.2gを残した。ペルオキシ酸
エステル活性酸素による生成物の検定は69.6%で、
補正した収率は41.7%であった。生成物の赤外スペ
クトルは3400〜3500cm-1に集中した強く、広
いOHバンドを示した。 【0033】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシネオデカノエートの調製(C−2) 上記のC−1の調製に用いたのと同じ手順を使用し、出
発材料として7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルヒドロペルオキシドと塩化ネオデカノイルとを
用いて7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチルヘプチ
ルペルオキシネオデカノエートを作った。液体生成物を
検定84.3%及び補正収率72.5%で得た。生成物
の赤外スペクトルは3400〜3500cm-1に集中し
た強く、広いOHバンドを示した。 【0034】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシネオヘキサノエートの調製(C−
3) 反応体7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチルヘプチ
ルヒドロペルオキシドと塩化ネオヘキサノイルとを用
い、かつC−1の調製に用いたのと同じ手順を使用し
て、題記のペルオキシ酸エステル、7−ヒドロキシ−
1,1,5−トリメチルヘプチルペルオキシネオヘキサ
ノエ−トを検定86.1%及び補正収率71%で作っ
た。生成物の赤外スペクトルはほぼ3450cm-1に集
中した極めて大きなOHバンドを示した。 【0035】7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルペルオキシ−(2−エチルヘキサノエート)の
調製(C−4) 反応体として7−ヒドロキシ−1,1,5−トリメチル
ヘプチルヒドロペルオキシド及び塩化2−エチルヘキサ
ノイルを使用し、C−1の調製に用いた手順を用いて、
題記のペルオキシ酸エステル、7−ヒドロキシ−1,
1,5−トリメチルヘプチルペルオキシ−(2−エチル
ヘキサノエート)を検定88.7%及び補正収率78.
0%で作った。生成物の赤外スペクトルは、ほぼ345
0〜3500cm-1に集中した中間のOHバンドを示し
た。 【0036】4−ヒドロキシ−1,1,4,4−テトラ
メチルブチルペルオキシピバレートの調製(C−5) 機械的撹拌機、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付反応器に、45%KOH18.7g(0.150モ
ル)、水15.0g、77.6%(湿潤固体)2,5−
ジメチル−2,5−ジヒドロ−ペルオキシヘキサン2
7.6g(0.120モル)、塩化メチレン100ml
を装入した。得られた2液相混合物に28〜30℃で9
4.3%塩化ピバロイル12.8g(0.100モル)
を約30分かけて加えた。次に、得られた混合物を28
°〜30℃で2.0時間撹拌した後に、混合物を15〜
20℃に冷却して相に分離させた。上方の水性層を取り
除いて捨てた。次に、得られた生成物の溶液を0℃の2
0%KOH溶液50mlで、次に15°〜20℃の炭酸
水素ナトリウム7.7%溶液50mlで洗浄した。次
に、過酸化反応で形成された4−ヒドロペルオキシ−
1,1,4,4−テトラメチルブチルペルオキシピバレ
ートを所望の生成物である4−ヒドロキシ−1,1,
4,4−テトラメチルブチルペルオキシピバレートに転
化するために、塩化メチレン溶液を0〜10℃に冷却
し、緩衝亜硫酸ナトリウム溶液(酢酸7.6g、酢酸ナ
トリウム8.4g、亜硫酸ナトリウム19g、水152
gから成る)187gに反応させた。濃厚乳濁液が得ら
れ、冷凍機内に貯蔵して2液相に分離するのに3日を要
した。それ以上の処理を容易にするために、上方の水性
相を取り除き、等容量のジエチルエーテルを加えた。溶
液を無水のMgSO4 で乾燥させ、使用した乾燥剤をろ
過によって分離した後に、溶剤を真空中0°〜10℃で
取り除いた。いくつかの固体をろ過によって除いて得ら
れた液体の重さは20.4gであった。生成物の検定は
ペルオキシ酸エステル活性酸素含量によって90.3%
であった。補正された収率は74.9%であった。生成
物の赤外スペクトルは3300〜3400cm-1に集中
した広いOHバンドを示した。 【0037】4−ヒドロキシ−1,1,4,4−テトラ
メチルブチルペルオキシネオデカノエートの調製(C−
6) 塩化ネオデカノイルを2,5−ジメチル−2,5−ジヒ
ドロペルオキシヘキサンに反応させた後に、中間生成物
をC−5の調製に用いたのと同じ手順を使用して緩衝亜
硫酸ナトリウム溶液で還元して4−ヒドロキシ−1,
1,4,4−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノ
エートを作った。液体生成物は91.7%の検定を有
し、かつ補正収率55.1%で得られた。生成物の赤外
スペクトルは3300〜3500cm-1に集中した広い
OHバンドを示した。 【0038】実施例3 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルペルオキシ
ネオデカノエートの調製 (I−8) 実施例2(PTCを用いない)で3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシネオデカノエートを作る
のに用いた手順を本実施例で使用して塩化ネオデカノイ
ルと3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルヒドロ
ペルオキシドとから3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
プロピルペルオキシネオデカノエートを作った。生成物
の検定はペルオキシ酸エステル活性酸素含量によって6
6.0%で、正しい収率は65.1%であった。赤外ス
ペクトルは3350〜3450cm-1に集中した広いO
Hバンドを示した。 【0039】実施例4 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルペルオキシ
ネオヘキサノエートの調製 (I−9) 実施例2(PTCを用いない)で3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシネオヘキサノエートを作
るのに用いた手順を本実施例で使用して塩化ネオヘキサ
ノイルと3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルヒ
ドロペルオキシドとから3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルプロピルペルオキシネオヘキサノエートを作った。
生成物の検定はペルオキシ酸エステル活性酸素含量によ
って54.3%で、補正した収率は42.7%であっ
た。生成物の赤外スペクトルは3400〜3450cm
-1に集中した広いOHバンドを示した。 【0040】実施例5 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネ
オヘプタノエートの調製 機械的撹拌器、温度計、滴下漏斗を取り付けたジャケッ
ト付開口反応器に、35%KOH水溶液195.2g
(1.218モル)を装入し、溶液を8℃に冷却した。
溶液を激しく撹拌し、それに75.9%の3−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド14
3.6g(0.812モル)を3分かけて加えたとこ
ろ、反応マスの温度は約25℃に上昇した。次いで、無
臭のミネラルスピリット(CAS RN 8032-32-4)20gを加
えた。このマスを25℃において激しく撹拌し、これに
92.7%のネオヘプタノイルクロリド(2,2−ジメ
チルペンタノイルクロリドと2−エチル−2−メチルブ
チルクロリドとの混合物)130.2g(0.812モ
ル)を約25℃において25分かけてゆっくり加えた。
生成した反応マスを更に25℃において35分間撹拌し
た後に、水115gを加え、生成した反応マスを1分間
撹拌し、次いで24−5℃において6分かけて分離させ
て2つの液相になった。下部水性相を分離して廃棄し
た。次いで、有機相を5%KOH水溶液115gで24
−7℃において1分にわたって洗浄した。次いで、反応
マスを24−7℃において140分かけて分離させて2
つの液相になり、下部水性相を分離して廃棄した。有機
相に、無水MgSO4 25gを加え、スラリーを室温に
おいて15分間撹拌した。スペントデシカントを濾過に
よって分離した後に、液体生成物181g(理論の9
0.5%、未補正)が得られた。生成物はペルオキシエ
ステル活性酸素含量4.82%(理論6.50%)を有
していた。よって、生成物のアセイは74.2%であ
り、補正収率は67.1%であった。 【0041】クロマトグラフィー分析は、生成物がジ−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)ペルオキ
シド4.0%を含有していることを示した。この不純物
は出発3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロ
ペルオキシド中に存在していた。 【0042】所望の生成物である3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルペルオキシネオヘプタノエートを精
製するために、Waters Associates PREP 500A HPLCを使
用した分離用クロマトグラフィーを用いた。条件は下記
の通りであった: 温度 −約20℃ 溶媒(容積/容積) −エチルアセテート25% /ヘキサン75% 流量 −200mL/分 溶媒圧(気圧) −5〜7 チャンバー圧(気圧)−約35 生成物は、ヘキサンで希釈して純度約50%にした後
に、カラムに注入した。未希釈の生成物合計80.2g
を分離用HPLCの中に通した。不純物及び所望の生成
物についての保持時間は下記の通りであった: 保持時間(溶媒及び他の不純物)−2.6分 保持時間(所望の生成物) −5.4分 純度を高めるために、所望の生成物ピークの中間留分フ
ラクションを採取した。溶離溶媒(エチルアセテート及
びヘキサン)を減圧ストリッピングによって除去した後
に、所望の生成物43.2g(回収率73%、未補正)
が得られ、該生成物はペルオキシエステル活性酸素含量
6.13%(理論、6.50%)を有していた。よっ
て、精製生成物のアセイは94.3%であった。生成物
の赤外スペクトルは、およそ3450cm-1を中心にし
た中位で広いOHバンド、1760cm-1における強い
ペルオキシエステルカルボニルバンド及び890cm-1
における弱い−00−バンドを示した。 【0043】存在していた他の赤外スペクトルバンドを
下記の表に挙げる:バンド、cm-1 強 度 2970 強 2930 強 2870 中 1750 強(ショルダー) 1460 強 1380 強 1370 強 1320 弱 1270 弱 1220 弱 1190 弱 1150 中 1110 強 1055 弱 1005 弱 940 弱 830 弱 740 弱 精製した94.3%生成物について、分解研究をアルフ
ァ−メチルスチレン中で40°、50℃及び60℃にお
いて行った。アルファ−メチルスチレン中の生成物の初
期濃度は0.05Mであった。全3つの温度における分
解は一次の分解速度論に従った。使用した温度において
得られた速度定数及び半減期を下記にまとめる: 温度 速度定数 半減期℃ (k) /時間 時間 40 0.0609 11.4 50 0.239 2.90 60 0.867 0.799 活性化エネルギー(E)及びA値(A)を、相互絶対温
度(K;℃+273.15)及び速度定数データの最小
二乗処理を用いて、求めた、求めた活性パラメータは下
記の通りであった: 活性化エネルギー(A)=27.526 Kcal/モル A値(A) = 2.76 × 1014 秒-1 データの最小二乗処理の相関係数は0.9999997 であっ
た。 【0044】生成物について得られた分解データは、所
望の生成物である3−ヒドロキシ1,1−ジメチルブチ
ルペルオキシネオヘプタノエートについて予想されるも
のであった。 【0045】無臭のミネラルスピリット(CAS RN 8032-3
2-4)における所望の生成物の第2の製造では、生成物は
アセイ75.9%及び補正収率69.4%で得られた。
この生成物は15℃において屈折率1.4380及び比
重0.9233を有していた。 【0046】製造方法、活性酸素データ、赤外データ及
び生成物分解データは、本例において得られた生成物が
所望の生成物である3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルペルオキシネオヘプタノエートであったことを確
認する。 【0047】実施例6 ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルを遊離
基開始剤として用いる塩基ビニル懸濁重合 本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ルのいくつかを、50℃及び55℃の塩化ビニル懸濁重
合で同じカルボン酸から誘導した先行技術のt−ブチル
ペルオキシ酸エステルに比較して評価した。使用した塩
化ビニル懸濁重合の手順を以下に説明する。 【0048】懸濁重合 懸濁液における塩化ビニルの重合を1.5リッター反応
器で行った。該反応器は、重合を熱量計によって監視で
きるように設計しかつ計器を取り付けた。反応器を水浴
中に浸漬し、所望の反応温度より0.5℃高く保ち、こ
うして周囲への熱損失を防いだ。発熱重合から生成する
熱に加えて水浴から反応器内に通る熱を、反応器内の内
部コイルに冷却水を通すことによって取り去った。こう
して、温度を一定に保った。冷却水の流量及び入口流体
と出口流体との温度差を監視し、こうして除去される熱
(cal.min-1)を連続的に記録した。 【0049】また、反応器の圧力をも連続して監視し
た。単量体の約70%が重合体に転化した時に、蒸気相
中の単量体が消耗して圧力が下った。こうして、70%
転化の点と塩化ビニルの重合熱(23Kcal/モル)
とを認識して、熱量計記録中のバックグラウンド計数を
計算することができた;このバックグラウンドは水浴か
ら反応器への熱移動によるものであった。減じることに
よって、時間の関数としての真の重合速度(cal.m
in-1)を得た。 【0050】重合において、次の操作順序をたどった: 1) 反応器を組み立てて漏れを試験した。 2) 反応器を取り巻く水浴を加熱して所望の反応温度
よりも0.5℃高くした。 3) 冷却水浴を加熱して反応温度よりも10℃低くし
た。 4) 水性相に加えて懸濁防止剤(後に説明する)を加
熱し、所望の反応温度よりも10℃高くして反応器内に
装入した。 5) 開始剤組成物を加え、充填口をシールした。 6) 水アスピレーターを用いて反応器を排気した。 7) 塩化ビニル(200g)を加え、小シリンダーか
らの窒素で置換して反応器を窒素で加圧して約150p
si(ゲージ)(11kg/cm2 G)にした。冷温の
塩化ビニルを加えることによって水性相の温度を下げて
所望の反応温度に近い点にした。 8) 撹拌を開始した。 9) 反応器制御器のスウィッチを入れて温度の自動制
御、出熱と圧力との連続記録を開始した。 10) 降圧を観測した後に、圧力、温度、重合熱につ
いて更にもう1〜2時間監視した。次に、降圧後の反応
器データを用いて降圧速度、△p/△tを求めた。△p
/△tは、降圧を開始した後の重合速度の尺度であった
から、重要な値であった。△p/△tの絶対値が大きく
なればなる程に、降圧後の重合速度が高くなり、かつ塩
化ビニル単量体のポリ塩化ビニルの転化%が大きくな
る。これらのデータを得た後に、残留塩化ビニル及び窒
素をガス抜きし、反応器を分解して洗浄にした。 使用した懸濁液系(pH〜6.5) エーロゾルMA80%* の1%溶液 42ml メトセル(Methocel)F50**の1%溶液 168ml 三重に蒸留した水 469ml * アメリカンシアナミド社製の界面活性剤(ナトリウムジヘキシルスルホスク シネート) **ダウケミカル製ヒドロキシプロピルメチルセルロース重合体。 注:水性相のpHは、標準のpHメーターを用い、周囲温度、22℃で測定した 。 【0051】 【表2】 【0052】表IIは、降圧の開始[塩化ビニル単量体の
約70%がポリ塩化ビニル(PVC)ヘ転化]に到達す
るのに要した時間及び降圧開始後の降圧速度(△p/△
t)について、本発明のヒドロキシ−t−アルキルペル
オキシ酸エステル、即ち、3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチルペルオキシピバレート(I−1)、3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオヘキ
サノエート(I−2)及び3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチルペルオキシネオデカノエート(I−3)を
評価し、かつ対応する先行技術のt−アルキルペルオキ
シ酸エステル、即ち、t−ブチルペルオキシピバレート
(A−1)、t−ブチルペルオキシネオヘキサノエート
(A−2)、t−アミルペルオキシネオヘキサノエート
(A−3)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート
(A−4)及びt−アミルペルオキシネオデカノエート
(A−5)に比較した。降圧時間の結果は、予想されな
い程にかつ驚く程に、本発明のヒドロキシ−t−アルキ
ルペルオキシ酸エステル(例えば、I−1、I−2、I
−3)が、等モル基準で対応する先行技術のt−アルキ
ルペルオキシ酸エステル(例えば、それぞれA−1、A
−2、A−3、A−4、A−5)よりも顕著に一層有効
であることを示した。これらの結果は、本発明のヒドロ
キシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルの必要量が対
応する先行技術のt−アルキルペルオキシ酸エステルよ
りもかなり少ないことから、過酸化物と塩化ビニルとの
重合技術を大きく前進させる。このことは、PVC製造
業者が本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの極めて少ない量を用いて同一量のPVCを製
造する(表II中、A−4及びA−5に対するI−3の結
果を参照)ばかりでなく、冷凍貯蔵設備で貯蔵する本発
明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルが
少なくてすむであろうことを意味する。従って、PVC
製造業者が本発明の一層活性なヒドロキシ−t−アルキ
ルペルオキシ酸エステルを塩化ビニルの重合に用いるな
らば、PVC製造業者にとって開始剤の費用は顕著に低
減されるであろう。 【0053】また、表IIは、他の2つのヒドロキシ−t
−アルキルペルオキシ酸エステル、7−ヒドロキシ−
1,1,5−トリメチルヘプチルペルオキシネオヘキサ
ノエート(C−3)及び4−ヒドロキシ−1,1,4,
4−テトラメチルブチルペルオキシピバレート(C−
5)について塩化ビニルの懸濁効率をも要約している。
本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ルI−2の効率をC−3の効率に比較し、かつ本発明の
ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルI−1
の効率をC−5の効率に比較したところ、本発明のヒド
ロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルI−1及び
I−2の効率が、それぞれC−5及びC−3の効率より
も顕著に良好であった。よって、これらの結果は、本発
明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルが
R−C(O)−OO−C(CH3 )2−基とHOCR3
R4 −基との間に1個の炭素原子を持たなければならな
いという臨界性を示した。2個の炭素(例えば、C−
5)又は5個の炭素(例えば、C−3)が存在する場合
には、得られるヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸
エステルの効率は本発明のヒドロキシ−t−アルキルペ
ルオキシ酸エステル(例えば、I−1及びI−2)より
も極めて低い。 【0054】実施例7 本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステ
ルのSPI発熱量 本実施例における不飽和ポリエステル樹脂は不飽和ポリ
エステルとスチレン単量体との混合物であった。不飽和
ポリエステルは次の成分をエステル化して作ったアルキ
ド樹脂であった:成分 量 無水マレイン酸 1.0モル 無水フタル酸 1.0モル プロピレングリコール 2.2モル 【0055】得られた樹脂にヒドロキノン抑制剤0.0
13重量%を加えた。アルキド樹脂の酸価は45〜50
であった。上記ポリエステル(アルキド樹脂)7重量部
を単量体のスチレン3重量部で希釈した。得られた不飽
和ポリエステル樹脂は次の性質を有していた。: a.粘度(ブルークフィールド2番、20r.p.mで) 13.0ポイズ b.比重 1.14 【0056】硬化方法 上記の不飽和ポリエステル樹脂における種々の開始剤の
ゲル化及び硬化特性は、標準SPI発熱方法(プラスチ
ックス工業団体のソサイアティ、強化プラスチックスデ
イビジョン、1961年2月、16回年会議のプレプリ
ントで公表された“発熱曲線を走らせるSPI方法−ポ
リエステル樹脂)を用いて求めた。82℃における方法
を用いて本発明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ
酸エステルのいくつかを評価して、同じカルボン酸から
誘導される先行技術のt−アルキルペルオキシ酸エステ
ルを用いた結果と比較した。結果は、表III に要約さ
れ、硬化時間が極めて短いことから判断して、本発明の
ヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステル、I−
1、I−2、I−3が、それぞれ対応する先行技術のt
−ブチルペルオキシ酸エステルA−1、A−2、A−4
よりも一層活性であることを示す。 【0057】 【表3】【0058】実施例8 先行技術のペルオキシ酸エステルに比較した本発明のヒ
ドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルの82℃
SPI発熱 本実施例で用いた不飽和ポリエステル樹脂及び手順は実
施例7で使用したものであった。先行技術の化合物であ
る米国特許3,236,872号の3−ベンゾイルオキ
シ−1,1−ジメチルブチルペルオキシベンゾエート
(A−6)及び米国特許4,079,074号の4−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル−ペルオキ
シカルボニル)−3−ヘキシル−6−[7−(3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシカルボニ
ル)ヘプチル]シクロヘキセン(A−7)を先行技術の
文献に記載される手順に従って作った。本発明の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ酸エタノ
ールは、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒド
ロペルオキシドを対応する酸塩化物に反応させて対応す
るエステル−ペルオキシ酸エステル(上記の構造C)に
よって明らかに汚染されることなく作ることができる
が、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキ
シ酸エステルを3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−ブ
チルヒドロペルオキシドと芳香族酸化物とから作ること
はできなかった。特に、3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルブチルヒドロペルオキシドと塩化ベンゾイルとから
3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシベ
ンゾエート(A−8)を作ることを試みたが、所望の生
成物、A−8は極めて少量しか生成しなかった。代り
に、生成物の大部分はA−6であった。このことは塩化
ベンゾイルは3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル
ヒドロペルオキシドのHO−基及びA−8のHO−基と
極めて容易に反応することを意味するものであった。他
方、本発明のペルオキシ酸エステルの製造方法において
用いる酸塩化物は、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルヒドロペルオキシドのHO−基及び本発明の3−
ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ酸エス
テルのHO−基と容易には反応しない。そのため、本発
明のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ酸エステルA
が支配的な反応生成物になる。 【0059】次の表IVは、種々のペルオキシ酸エステル
を純粋基準で1.0重量%用いて不飽和ポリエステル樹
脂を硬化させた82℃(180°F)SPI発熱データ
を要約する。用いた本発明のペルオキシ酸エステルは3
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−エチルヘキサノエート)(I−6)及び3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシネオヘキサ
ノエート(I−2)であり、一方、評価した先行技術の
化合物はA−6、A−7、t−ブチルペルオキシ−(2
−エチルヘキサノエート)(A−9)及びt−ブチルペ
ルオキシベンゾエート(A−10)であった。 【0060】 【表4】【0061】表IV中の結果は、ゲル及び硬化時間が短く
かつ硬度が高められていることから判断して(本発明の
ペルオキシ酸エステルI−6についての結果を先行技術
のペルオキシ酸エステルA−9、A−7、A−6及びA
−10についての結果と比較のこと)、本発明の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ酸エステ
ルが先行技術のペルオキシ酸エステルに比べて不飽和ポ
リエステルにおいて極めて活性であったことを示す。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.下記の構造のヒドロキシ−t−アルキルペルオキシ
酸エステル: 【化1】 {式中、 R1 及びR2 は炭素数1〜4のアルキルから選ばれ、 R3 及びR4 は水素又は炭素数1〜4のアルキルから選
ばれ、 R1 及びR3 は共に連結して低級アルキル置換の炭素数
3のアルキレンブリッジを形成することができ、かつR
3 はさらに次にすることができ: 【化2】 Rは次から選ばれる: 【化3】(ここで、 R5 は水素又は炭素数1〜8のアルキルから選ばれ、 R6 は炭素数1〜8のアルキルから選ばれ、 R7 は炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルケ
ニル、炭素数6〜10のアリール、炭素数1〜6のアル
コキシ、炭素数6〜10のアリールオキシから成る群よ
り選ばれ、 R8 及びR9 は炭素数1〜4のアルキルから選ばれ
る)}よりなるエチレン系不飽和単量体の重合開始剤。 2.エチレン系不飽和単量体が塩化ビニル又はエチレン
である請求項1に記載の重合開始剤。 3.3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキ
シピバレート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチ
ルペルオキシネオヘキサノエート、3−ヒドロキシ−
1,1−ジメチルブチルペルオキシネオデカノエートか
ら成る群より選ばれる請求項2に記載の重合開始剤。
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