JP2700454B2 - 光学レンズの性能を特徴づける方法および装置 - Google Patents

光学レンズの性能を特徴づける方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔利用分野〕 本発明はレーザ走査装置、マイクロフオトリソグラフ
イー装置、顕微鏡装置等のような精密な光学部品および
光学部品組立体の製作に関するものであり、更に詳しく
いえばそのような装置に存在する収差の試験に関するも
のである。 〔従来の技術およびその問題点〕 干渉計による評価を基にしてレンズの品質を判定する
ことが一般に行われている。その技術は光学系における
僅かな収差性にも非常に敏感であるが、歪または非点収
差のような特定の収差の値についてのデータの解釈は極
めて困難であり、とくに多数の部品を用いる光学装置行
の場合にはそうである。 レーザ印字および半導体チツプを製造するためのレー
ザ走査装置の最近の使用は、負の歪を故意に導入する光
学装置を頼りにしている。この種の実在のレンズにおけ
る設計された歪からの実際の歪のずれが0.05ミクロンよ
り大きいと、そのレンズを使用することはできない。半
導体チツプ製造のフオトリソグラフイー段階において用
いられる回折が制限されたマイクロレダクシヨンレンズ
の歪は、使用できる視野のどこにおいても0.2ミクロン
より小さくなければならず、かつ全体の収差は最少でな
ければならない。したがつて、レンズおよびレンズ組立
体の収差、とくにミクロンおよびサブミクロンの範囲の
歪みの定量解析を可能にする方法が求められていること
がわかる。 〔発明の概要〕 本発明は、レンズの歪およびレンズに固有のその他の
収差の精密な定量測定を行う方法および装置を提供する
ものである。また、本発明は試験される光学装置におけ
るレーザビームの質の低下を解析する方法および装置も
提供するものである。本発明の方法および装置に従つ
て、レンズ(または何枚かのレンズで構成されたレンズ
組立体、このレンズ組立体のことも以後レンズと呼ぶこ
とにする。)がレーザ走査装置内に置かれる。そのレー
ザ走査装置には光学的符号器と、光センサと、この光セ
ンサの出力波形を格納して、処理する情報記憶装置とが
設けられる。走査器がレンズの面を横切つてビームを移
動させるように、レンズが固定位置に置かれる。レンズ
内で走査器の向うに置かれた符号器がレンズの出力ビー
ムを符号化する。符号器のうしろに置かれた光センサが
符号化された光を受け、その符号化された光の強さに比
例する電気信号を発生する。その光センサの出力をアナ
ログ−デジタル変換するために、その出力はデジタイザ
へ送られる。デジタル化された情報はコンピユータによ
り処理される。 符号器は不透明な面の上に設けられた1組の透明な窓
すなわち開口部で構成される。それらの窓はあるパター
ンを有し、それらの窓を横切つて移動するビームがある
特定の光強度パターンを投写する。その光強度パターン
は、符号器のうしろに設けられている光センサにより受
けられる。 〔実施例〕 以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。 本発明はレンズの歪およびレンズに固有のその他の収
差の精密定量測定を行う方法および装置を提供するもの
であり、更に、試験される光学装置におけるレーザビー
ムの質の低下を解析する方法および装置を提供するもの
である。特定の試験装置および試験方法について説明す
るが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で多くの変更を行
うことができる。しかし、本発明を実施するためには、
そのような特定の詳細事項なしに本発明を実施できるこ
とが当業者には明らかであろう。その他の場合には、本
発明を不必要に詳しく説明して本発明をあいまいしない
ようにするために、周知の構造および回路は説明しなか
つた。 第1図は本発明の好適な実施例において用いられる基
本的な試験装置を示す。光ビームを発生するためにレー
ザ10のような発光装置が用いられる。レーザビーム11が
ズームレンズ12を通つて回転走査器13に入射する。ズー
ムレンズ12は、反射鏡14の面におけるレーザビームの大
きさを調節するためのズーム機能を有する装置であれ
ば、任意の光学装置を用いて構成できる。回転走査器13
は反射鏡14を含む。この反射鏡14は回転して1本のビー
ム11を走査ビーム15にする。反射鏡14は高度に研磨され
た反射鏡であつて、回転走査器13に取付けられる。回転
走査器13は一定速度で回転する精密な回転装置である。
回転走査器13は市販されている通常の良く知られている
部品で製作される。 回転走査反射鏡14が回転走査器13で回転すると、走査
ビーム15が平らなテレセントリツク(telecentric)視
野走査レンズ16を通り、掃引の結果として、その走査ビ
ーム15は走査レンズ16の焦点面内に直線走査線17aを形
成する。その直線走査線17aの長さはL=2fφである。
ここに、fは走査レンズ16の焦点距離、φは走査レンズ
16の半視野角度である。この装置の上記部分は、(1)
ドナルド・シー・オーシア(DonaldC.O′Shea)著「エ
レメンツ・オブ・モダーン・オプチカル・デザイン(El
ements of Modern Optical Design)」、ジヨン・ワイ
リー・アンド・サンズ(John Wily & Sons)1985年発
行、に記載されている従来の投与型レーザ走査装置を示
すものである。 試験されるレンズ(またはレンズ組立体)18は、直線
走査線17aと光学的符号器19の間に配置される。走査ビ
ーム15がレンズ16と18を掃引するにつれて、試験中のレ
ンズ18が直線走査線17aの像を符号器19の面20を横切つ
て投与する。走査ビーム15は符号器19の面20の開口部を
通つて光センサ21に入射する。その光センサ21は符号器
19のすぐうしろに配置される。受光器として機能する光
センサ21は、光ダイオード22を含む。通常の光ダイオー
ドである光ダイオード22はそれに入射した光束に比例す
る光電流を発生する。 アナログ光電流が線25を介してデザタイザ23へ結合さ
れる。そのデジタイザはアナログ光電流をコンピユータ
24が処理できるデジタル形式に変換する。従来のデジタ
イザおよびプロセツサのほとんどを使用できる。オツシ
ロスコープのようなビデオ表示装置28をコンピユータ24
に結合して、光電流信号のビデオ表示を見ることができ
る。この目的のために、市販されているほとんどのビデ
オ表示装置を使用できる。更に、デジタイザ23と、コン
ピユータ24およびオツシロスコープ28を1つの装置にま
とめることができる。 ここで説明している実施例においては、ズームレンズ
12と回転走査器13を使用するが、本発明を実施するため
にはそれらの装置は必要ではない。本発明の実施例のた
めに必要なものは、レンズ18の面を横切つて動く走査ビ
ーム15を発生するレーザ10である。走査ビーム15をその
ように動かすことにより、レンズ18を通つた後の走査ビ
ーム15を符号器19の面20を横切つて移動させる。光セン
サ21として多くの装置を利用できる。ここで説明してい
る実施例においては、入射した走査ビーム15の量に比例
する電流を発生させるために光ダイオード22が用いられ
る。更に、任意の平らな視野レンズを試験するために、
試験すべきレンズが走査レンズ16の代りをするための位
置に置かれる。 次に第2図を参照する。この図には走査ビーム15を基
準にしたレンズ18と符号器19および光センサ21の位置が
示されている。レンズ組立体内に組込むことができるレ
ンズ18の面の1本の軸を走査ビーム15が移動するよう
に、そのレンズ18が置かれる。面20が走査線像17bに一
致するようにして符号器19が置かれる。符号器19を位置
させるために任意の種類の保持機構を利用できるが、こ
こで説明している実施例においては、試験中に符号器19
の位置を調節できるようにする装置を用いる。光ダイオ
ード22を含む光センサ21が符号器19のすぐうしろに設け
られ、位置ぎめのための1つの組立体26として動作す
る。信号線25が光ダイオード22からのアナログ信号を第
1図のデジタイザ23に結合する。 次に、符号器19の面20を示す第3図を参照する。その
面20は、試験に用いるレーザビームの波長の光に対して
透明である基材に接合された不透明な材料で形成され
る。不透明な層における各種の位置合わせおよび符号化
窓の形成のために、種々の周知のエツチング技術を使用
できる。ここで説明している実施例においては、符号器
はガラスにクロム層を付着したマスクを電子ビーム・リ
ソグラフイ技術により加工して形成する。ここで説明し
ている実施例においては、符号器19の面20には、3つの
透明な領域30,31,32が設けられる。それらの領域は試験
に用いるレーザビームの波長の光に対して透明な領域で
あつて、以後それらの領域を窓と呼ぶことにする。初期
設定窓30は大きい透明な領域33で構成される。第3図に
示すように、試験レンズ18の像平面に生じた走査線像17
bの長さより初期設定窓30の寸法がかなり大きい限り
は、初期設定窓30は任意の形とすることができる。初期
設定窓30の唯一の目的は、試験レンズにより発生された
走査線像17bに符号器19を粗整列させることである。こ
こで説明している実施例においては、透明な領域33は幅
が3mmで、高さが2mmである長方形の領域である。 複数の透明な長方形の領域37が1列になつて配置され
て構成されている位置合わせ窓31が精密位置合わせのた
めに用いられる。ここで説明している実施例において
は、位置合わせ窓31はそれぞれ幅0.5mm、高さ5ミクロ
ンの長方形領域37で構成される。また、この実施例にお
いては、各長方形領域37は不透明領域33により分離され
る。複数の長方形領域37を設けるために、各不透明領域
33の幅は10ミクロンである。走査線像平面を、破線29で
示すように、位置合わせ窓31と同じ平面内に置けるよう
にすることにより、適切なビーム符号化を行えるように
して、位置合わせ窓31内の不透明領域33および透明領域
37の組合わせを位置させなければならない。そうするこ
とにより、走査線像17bと精密位置合わせ窓31の相互の
向きを示す情報が得られる。この実施例における位置合
わせ窓31は特定の大きさを有するが、必要なことは、位
置合わせ窓31の全長を、第1図および第2図に示されて
いるように、レンズ18により発生された走査線像17bの
長さより長くすることである。位置合わせ窓31の幅は、
レンズ18の走査線像平面におけるレーザビームの中央部
の寸法に近くなければならない。 レンズの実際の特徴づけは窓32により行われる。不透
明領域と透明領域を有する窓32は、ビームがレンズ18と
窓32を通る時にレンズ18の収差特性を評価するために適
切なビーム符号化を行う。ここで説明している実施例に
おいては、特徴づけ窓32は複数の鋸歯状部分38で構成さ
れる。更に、各鋸歯状部分38はそれの立上り縁部47に沿
つて複数の複雑な多くの段45を含む。鋸歯状部分38の全
高および各段45の段の長さは、走査ビーム15により発生
される走査線像17bの平面におけるビームの中央部の寸
法より大きくなければならない。各透明領域49の長さは
90ミクロンで、各立上り縁部47は30個の等しい段45によ
り形成される。各段45の長さは3ミクロン、高さは0.1
ミクロンである。好適な実施例の寸法は走査線像平面に
おける中央部の寸法に一致し、符号器が適切に動作する
ためにはその寸法は2ミクロンに等しい。 符号器19と光センサ21は1つの組立体26としてホルダ
ーの中に設けられる。そのホルダーは符号器と光センサ
に対して6つの運動自由度を与える。この種のホルダー
(図示せず)は光学研究において一般に用いられ直線運
動と回転運動を行えるようにする。ここで説明している
実施例において用いられる特定のホルダーは、種々の特
徴づけ要求に対して組立体26を焦点面に整列させるため
に、3つの直線運動方向、および3本の軸を中心とする
3つの回転運動を用いる。 第1図、第2図および第3図を参照して、走査ビーム
15が初期設定窓30を横切つて掃引し、光ダイオード22内
に光電流を生じさせるようにして、実際の組立体26がま
ず位置させられる。符号器−光センサ組立体26を通る全
ての走査ビーム15が光ダイオード22により受けられるよ
うに、光ダイオード22の感光領域は符号器19の面の整列
および符号化部により占められている全面積より広くな
ければならない。 初期設定窓30を掃引する走査ビーム15は光センサ21内
に光電流を発生させ、かつある持続時間の対応する電気
パルスをオツシロスコープ28に表示させる。そのパルス
の持続時間は走査装置の回転速度と、平らな視野レンズ
16および試験中のレンズ18のパラメータとの関数であつ
て、与えられた場合には容易に計算できる。観察される
パルスの持続時間が計算値に等しくなるまで、組立体26
はホルダー内で走査ビーム15に対して動かされる。これ
により、初期設定窓30を囲む符号器19の不透明な領域26
aが、試験中のレンズ18により発生された走査線像17bを
妨げないように、符号器の初期設定の目的が達成され
る。 最初の位置ぎめが行われると、走査ビーム15が精密位
置合わせ窓31に現われるまで組立体26は動かされる。第
4図も参照して、このことは位置合わせ窓31の形状に対
応する特定の電気パルス列を示すものである。符号器19
の平面(符号器19の面20により形成された平面)をレン
ズの像平面に整列させ、かつ符号器の形状を走査線像29
に整列させるためのように、符号器19を走査線像29に心
合わせするために精密位置合わせ窓31は用いられる。組
立体26が中心に置かれると、中央の不透明領域35が電気
パルスの中央部にパルス減衰部43を生ずる。同様に、不
透明領域34がパルス減衰部42を生じ、不透明領域36がパ
ルス減衰部44を生ずる。符号器平面をレンズ像平面に整
列させるために、パルス42,43,44の立下り縁部および立
上り縁部の持続時間の解析が用いられる。レンズ18の像
平面17b内に配置されている符号器19に対しては、パル
スの前面部の持続時間が最も短く、符号器の平面が走査
線像平面29に一致した時にはパルスの前面部の間の差が
最も小さい。 位置合わせ窓31により窓31の向きを走査線像平面29に
整列させることもできる。位置合わせ窓31の幅が走査ビ
ーム15の平面における寸法とほぼ同じであるから、走査
線像平面29に対する符号器のかなり小さい回転および位
置の狂いでも走査ビームの一部が遮ぎられ、それに対応
するパルス列の持続時間が、そのような回転による位置
の狂いの場合における遮られないパルスの持続時間より
短くなる。 符号器の平面が精密位置合わせ窓31内の走査線像平面
29に整列させられると、試験中のレンズ18により発生さ
れた走査線像17bに形状が正しく整列させられる。それ
から、走査ビーム15が走査線軌道に沿つて特徴づけ窓32
を横切つて動くまで、組立体26は上方へ動かされる。 次に第1図および第2図と、窓32の一部を拡大して示
す第5図とを参照する。走査ビーム15がそれの軌道48に
沿つて走査するにつれて、鋸歯状部38の立上り縁部47と
立下り縁部51が光センサ21への入射光束を変調する。こ
の場合には、光センサ21の電気出力は光束に正比例する
から、光センサ21の電気出力は第5図に示されているよ
うな波形Aを生ずる。与えられたビーム位置に対する電
気信号の振幅はビームの遮られない面積に比例する。波
形Aの複数の後縁部を解析することにより、試験中のレ
ンズ18の歪特性と、走査の方向における走査ビーム15の
寸法についての情報が得られる。立上り縁部53の解析に
より、走査方向に対して垂直な方向における走査ビーム
のスポツト寸法についての情報が得られる。後縁部51の
全高は走査ビームの寸法より大きく、その後縁部51の後
の第1の鋸歯状部38の段部45の長さも走査ビームの寸法
より大きいから、各鋸歯状部38の初めは遮断するナイフ
の刃状部分を呈する。 次の文献、すなわち、(2)Appl.Opt.Vol.23,No.4所
載のコーヘン(Donald K.Cohen)他の論文、および
(3)Appl.Opt.Vol.14所載のY.スザキおよびA.タチバ
ナの論文から、そのような場合に、それらの領域54にお
ける波形の時間微分(dI/dt)がガウス分布に対応する
ことが知られている。そのガウス分布の適用できるパラ
メータは走査ビーム15中の光の強度分布に依存する。ガ
ウス分布のピーク位置58は鋸歯状部38の後縁部51の位置
に一致し、最大微分値のI/e2の電力レベルにあるそれの
幅は、走査方向における符号器平面内の走査ビームスポ
ツトの寸法に等しい。 以上説明した第1図に示されている試験装置におい
て、試験中のレンズ18の歪が零で、鋸歯状部38の後縁部
51が等間隔で隔てられているものとすると、対応する領
域内の観察された波形Aの微分により発生されたガウス
分布のピーク58の位置の間隔も、第5図の波形Bによる
示されているように、等しい。観察される波形Bは一定
周期55の波形である。レンズの試験されている領域に歪
が生ずるものとすると、波形の周期55はもはや一定では
ない。周期55の長さは、その波形の対応する部分を生ず
るレンズの部分に固有の正または負の歪の程度の依存す
る。したがつて、鋸歯状部38の後縁部51を横切る走査ビ
ームにより発生されたガウス分布のピーク58の周期55
は、レンズに生ずる歪の程度に従つて変化する。したが
つて、レンズの視野におけるレンズの歪の百分率を上記
のようにして測定できる。 レンズに存在する他の収差は、走査線像のそれらの領
域内のレンズ像平面内での走査ビームのスポツトの寸法
が大きくなることにより自然に判明する。レンズの歪を
評価するために用いたのと同じ波形A,Bを用いて、試験
中のレンズの視野における他の収差の組合わされた値を
測定することが可能である。というのは、鋸歯状部38の
後縁部51の附近において観察される波形Aの微分により
発生されたガウス分布57のI/e2のレベルにおける幅が、
走査方向におけるレンズの考察対象部分に発生される走
査ビームのスポツト寸法に等しい。 今までは、窓32の多くのナイフの刃状縁部分の形の部
分のみが、試験されるレンズの歪の測定及びその他の収
差特性の和の測定に用いられることを説明した。したが
って、上記の情報を取り出すためには鋸歯状符号器の複
雑な段付けした形は本発明にとって必須のものではな
い。実際に、第4図に窓31として示されているように、
多数の長方形状の透明な領域と不透明な領域を交互に配
置して構成した同じ符号器窓を用いて、精密位置合わせ
機能および特徴づけ機能を行わせることができる。ここ
で説明している実施例においては、試験されるレンズの
非点収差特性にとくに関連する情報を符号化して、後で
その情報をとり出すために、または走査ビーム自体の質
を評価する事が望ましい時に、符号器窓の段付きの立上
り縁部45が用いられる。 次に第6図を参照する。鋸歯状部38の各立上り縁部47
は小さい段45により形成される。各段45の長さは、レン
ズ像平面48内の走査ビームのスポツト寸法70より大きく
なければならない。各段の高さは試験中のレーザビーム
すなわち走査ビームの強度図の解像力を決定する。ここ
で説明している実施例においては、各段45の高さが0.1
ミクロン、長さが3ミクロンであるように、30個の等し
い段をおのおの有する立上り縁部47を複数個有する。走
査ビームが段45を掃引するにつれて、各特定の時刻にお
ける光センサの電気出力の値が、前記ナイフの刃技術に
おいて述べたように、送られる光センサビームのパワー
に比例する。光センサ21により発生される立上り縁部の
部分のうち、軌道48に沿つて段45を横切る走査ビームに
対応する部分が波形Cに示されている。 段45は走査ビームをそれの動く方向に対して垂直な方
向に「輪切り」にする。走査ビームが段の近くの点73と
74の間を移動すると、与えられた時刻における光センサ
21の電気出力の値は、特徴づけ窓32の透明な部分により
発生されたビーム横断面の薄い「横切りにされた部分」
の遮られない部分に含まれているビームのパワーに比例
する。時間tに対する微分(di)は、ビームのこの初め
の「輪切りにされた」部分76における光の強さの分布に
対応する。点74と75の間でビームが移動を続けるにつれ
て、与えられた任意の時刻における光センサの出力は、
走査ビームの最初の「輪切り部分」76および第2の「輪
切り部分」77の遮られていない部分に含まれているパワ
ーの和に比例する。 この信号を、与えられた任意の時刻において点74と75
の間の波形の形成に対する第1の「輪切りされた部分」
76および第2の「輪切りされた部分」77の別々の寄与に
対応する成分に分解(デコンボリユート)する方法によ
って、その成分を時間微分することにより走査ビームの
第2の「輪切りにされた」部分77の光の強度プロフイー
ルを求めることができる。発生された光センサの出力を
記録し、解析するためにデジタイザとコンピユータが用
いられるから、そのような手段が与えられるのである。 走査ビームが特徴づけ窓32を掃引するにつれて、光セ
ンサ21の出力がデジタル化され、波形Cがデジタル化さ
れた形でデジタイザの記憶装置に格納され、それからコ
ンピユータの記憶装置へ送られる。選択された標本化速
度内の完全な波形情報をデジタイザが格納できることが
重要である。一定のビーム走査速度、一定のデジタル化
標本化速度およびデジタイザまたはコンピユータの記憶
装置への波形の格納がそのような分解のための基準を与
える。そのような場合に、任意の時刻t1に記録された信
号の値を、時刻t+Δtに記録された値から差し引くた
めに、簡単なコンピユータ・プログラムを使用できる。
ここに、Δtは、1つの段の長さ横切つて走査ビームが
走査するのに要する時間である。波形Dはその差し引き
の結果を示すものであつて、その波形Dは、考えている
領域における波形Cの形成に対するビームの後の「輪切
りにされた」部分の分解された寄与を表すものである。
この分解された波形Dの時間微分は、ビームの後の「輪
切りにされた」部分における光の強度分布に対応する。 それと同じルーチンを全てのステツプに対して繰返え
し、差し引きの結果を時間微分することにより、波形E
に示されているように、各鋸歯状部38の各段45の附近に
おける走査ビームの全部で30個の考察している領域にお
ける光の強度プロフイール分布を再構成できることにな
る。鋸歯状部38のあらゆる歯の附近における光強度分布
の三次元表現60を形成するために、それらの光強度プロ
フイールを組合わせるためにコンピユータ・プログラム
の別のサブルーチンが用いられる。上記ルーチンは試験
されているレンズの非点収差特性を定めるために用いら
れる。分布の最大値のl/e2レベルにおける構成された三
次元ガウス分布の幅が走査方向およびそれに垂直な方向
に見出される。その走査方向およびそれに垂直な方向に
おける幅の比は、試験レンズの視野の特定の部分に関連
する、そのレンズにおける非点収差の程度を表す。上記
手順を波形の全長にわたつて適用することにより、試験
レンズの全視野にわたつて非点収差の程度を求めること
ができる。 以上述べたやり方により、符号器を通る走査ビームの
光強度分布図がほぼ得られるから、走査ビームの質を評
価するために上記やり方に類似するやり方を使用でき
る。そのような評価を行うために、符号器をテレセント
リツクな平らな視野の走査レンズ17の像平面に置かなれ
ばならず、試験されるビームを装置の入力側に入射させ
ねばならない。ここで説明している実施例においては、
特徴づけ窓を横切る1回の走査により発生された1つの
波形により供給される情報を用いて、全ての上記解析お
よびデータの処理が行われる。その波形の値が16ビット
のアナログ−デジタル変換器により10KHzの標本化速度
で直ちにデジタル化され、長さ3mmの走査線像の持続時
間を有するアナログ波形を表すために65000個のデジタ
ル化されたデータ点が発生される。この採用されたパラ
メトリツク・ガウスカーブ適用ルーチンにより、試験レ
ンズ18の視野を横切つて0.03ミクロンより良い確度でレ
ンズの歪を決定できる。更に、同じ技術により、両方向
における走査ビームのスポツト寸法を、0.1ミクロンよ
り良い確度で評価できる。 以上述べた全ての特徴づけ法は、符号器が試験レンズ
の像平面に置かれた場合に関連づけられる。符号器が試
験レンズの像平面から動かされた時にいくつかの符号器
位置に対して上記方法を繰返えすことにより、視野の曲
り、焦点深度、テレセントリシテイのような他の特性を
測定できる。 以上述べたように、レンズの歪と、レンズの他の収
差、レンズの他の特性およびレーザ走査ビームの劣化の
程度を測定する装置および方法について説明した。ある
特定の軸がひとたび特徴づけられると、レンズの別の領
域においてレンズの特性を試験するためにレンズを回転
させることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例において用いられる装置の物
理的配置を示すブロツク図、第2図はレンズおよびビー
ムに対する符号器および光センサの位置ぎめを示す略
図、第3図は第2図に示されている符号器の正面の3組
の開口部を示す第2図の3−3線に沿う断面図、第4図
はレンズの位置合わせまたは試験に関連する符号化の形
状を示す第3図の符号器の部分である位置合わせ窓の断
面図、第5図は走査ビームの符号化に関連する符号化形
状を示す第3図の特徴づけ窓の一部の断面図、第6図は
第5図の鋸歯状部の立上り縁部の一部と、その鋸歯状部
の立上り縁部における傾斜段およびレーザ走査ビームの
劣化を測定する時に得られる波形を示す図、第7図はデ
ジタル化されたデータの処理により得られた三次元表現
として光強度プロフイールを示す略図である。 10……レーザ光源、12……ズームレンズ、13……回転走
査器、14……回転反射鏡、16……走査レンズ、19……符
号器、21……光センサ、22……光ダイオード、23……デ
ジタイザ、24……コンピユータ、28……ビデオ表示装
置、30……初期設定窓、31……位置合わせ窓、32……特
徴づけ窓、33……不透明領域、37……透明領域、38……
鋸歯状部。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.光学レンズを走査する光ビームと、 前記光学レンズを通った光ビームを受け、入射したビー
    ムの量に比例した信号を生成する光センサと、 前記レンズと前記センサとの間に配置され、前記センサ
    へ達する光ビームを符号化する符号化器であって、その
    符号化器は不透明な面に配置した透明な複数の鋸歯状開
    口からなる窓を備え、その窓を横切ってビームが移動す
    る際、その開口を通してセンサへ達するビームの量が前
    記鋸歯状開口によって変化させられ、符号化器の面の不
    透明な部分と透明な部分との間のビーム移動によってビ
    ームが符号化される符号化器と、 前記センサに結合され、前記鋸歯状開口を横切るビーム
    の移動の走査時間に対する前記信号の変化率を決定する
    手段と を備え、光学レンズによって生じる歪みを検出する光学
    レンズの性能を特徴づける装置。 2.前記鋸歯状開口のそれぞれの傾斜縁に複数の段を設
    け、前記光ビームがその鋸歯状開口を横切る際に段毎に
    順次より多くのビームがセンサに達するようにした特許
    請求の範囲第1項記載のレンズの性能を特徴づける装
    置。 3.前記符号化器の面には、符号化器の位置を前記ビー
    ムに対して整列させるための複数の透明な開口からなる
    第2の窓を有する特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    のレンズの性能を特徴づける装置。 4.前記ビーム源としてレーザを用いた特許請求の範囲
    第3項記載のレンズの性能を特徴づける装置。 5.前記ビームの走査が回転反射鏡で行われる特許請求
    の範囲第4項記載のレンズの性能を特徴づける装置。 6.ビームの走査が複数のレンズからなるレンズ組立体
    を横切って行われる特許請求の範囲第5項記載のレンズ
    の性能を特徴づける装置。 7.前記決定する手段が前記センサへ透過する光の量を
    処理するプロセッサを有する特許請求の範囲第5項記載
    のレンズの性能を特徴づける装置。 8.光学レンズを走査する光ビームと、 前記光学レンズを走査した光ビームを受け、入射したビ
    ームの強さに比例した信号を発生するる光センサと、 前記レンズとセンサとの間に配置され、前記センサへ達
    する前記光の量を変化させる符号化器であって、 (a) 前記符号化器の面は前記ビームに対して直角で
    あり、 (b) 前記面は不透明で前記ビームを透過させず、 (c) 前記面はセンサへ達する前記光を制御して、前
    記ビームを符号化する鋸歯状開口を有する窓を備えてお
    り、 (d) ビームが前記窓を横切るようにして走査し、ビ
    ームがその窓の前記鋸歯状開口を横切って動くにつれ、
    順次より多くのビームがセンサへ達するようにした符号
    化器と、 前記光センサに結合され、歪が存在しなければ各鋸歯状
    開口の立ち下がり縁での変化率が、一定の間隔のガウス
    分布となるように前記信号の時間的変化率を決定するプ
    ロセッサと を有し、レンズによって生じる歪みを検出することを特
    徴とする光学レンズの性能を特徴づける装置。 9.それぞれの前記鋸歯状開口の傾斜縁に複数の段部を
    設け、その段部を開口に添ってビームが走査されるとき
    に順次センサへ達するビームがより多くなるように設け
    た特許請求の範囲第8項記載の光学レンズの性能を特徴
    づける装置。 10.前記プロセッサは、前記各段で前記信号を分解
    し、ビームによって生じた歪みを検出する特許請求の範
    囲第11項記載の光学レンズの性能を特徴づける装置。 11.前記プロセッサは前記レンズの非点収差を検出す
    る特許請求の範囲第10項記載の光学レンズの性能を特徴
    づける装置。 12.前記符号化器の面には、符号化器の位置を前記ビ
    ームに対して整列させるための複数の透明な開口からな
    る第2の窓を有する特許請求の範囲第10項記載のレンズ
    の性能を特徴づける装置。 13.前記第2の窓の開口は一列に配列され、かつ互い
    に不透明な面で互いに分離され、前記ビームがこの第2
    の窓を横切って走査された際にその不透明な部分が光受
    信の減衰部となり、符号化器が正しく配置されるとその
    減衰部の間隔が一定となる特許請求の範囲第12項記載の
    レンズの性能を特徴づける装置。 14.前記ビーム源としてレーザが用いられ、そのレー
    ザを回転反射鏡で反射させることにより走査が行われる
    特許請求の範囲第13項記載のレンズの性能を特徴づける
    装置。 15.前記プロセッサに結合されたデジタイザと記憶装
    置とを有する特許請求の範囲第8項又は14項記載のレン
    ズの性能を特徴づける装置。 16.前記鋸歯状開口が30個の段部を有し、それぞれの
    段部の高さは0.1ミクロンで幅が3ミクロンである特許
    請求の範囲第10項記載のレンズの性能を特徴づける装
    置。 17.光学レンズの面を横切って光ビームを走査させる
    過程と、 光ビームは前記レンズを横切って走査されるときに、前
    記不透明な面に設けた透明な複数の鋸歯状開口を有する
    窓を通り、その窓を透過するビームの量がその鋸歯状開
    口に依存するように走査され、その結果として走査され
    た光ビームが前記窓によって符号化される過程と、 光センサで前記開口を通ったビームを受け、通ったビー
    ムの光の強さに比例した信号をそのセンサで生成する過
    程と、 鋸歯状開口を通過するビームの走査時間に対する前記信
    号の変化率を求め、その変化率の求めた結果をあらかじ
    め予定された歪みのない結果と比較する過程と、 を有し、前記レンズによって生じる歪みを検出する光学
    レンズの特性を特徴づける方法。 18.前記走査されたビームが不透明な面と窓とを交互
    に移動し、その交差するときの時間に対する信号の変化
    率を求め、その変化率が、もし歪がないと、一定の間隔
    でピークを有するガウス分布となる特許請求の範囲第17
    項記載の光学レンズの特性を特徴づける方法。 19.各鋸歯状開口の立ち下がり縁が前記交差する箇所
    として利用する特許請求の範囲第18項記載の光学レンズ
    の特性を特徴づける方法。 20.前記鋸歯状開口の傾斜縁に複数の段部を有し、前
    記光ビームがその段部を通るとき、ビームが歪められな
    いならば、それぞれの段部で前記ビームの予定の部分が
    センサへ達する特許請求の範囲第18項記載の光学レンズ
    の特性を特徴づける方法。 21.前記信号を分解する過程を有する特許請求の範囲
    第20項記載の光学レンズの特性を特徴づける方法。 22.光学レンズの非点収差を検出する特許請求の範囲
    第21項記載の光学レンズの特性を特徴づける方法。 23.前記走査されたビームが前記不透明な部分と、そ
    の不透明な部分で分離された複数の透明な開口を有する
    第2の窓とを交互に横切り、ビームが第2の窓を通過す
    る際に不透明な部分で信号の、ビームが第2の窓に対し
    て整然と並ぶときには一定となっているはずの減衰を検
    出する特許請求の範囲第17項記載の光学レンズの特性を
    特徴づける方法。 24.前記第2の窓は透明な矩形の開口の列で構成され
    ている特許請求の範囲第17項記載の光学レンズの特性を
    特徴づける方法。
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