JP2699638B2 - 能動型サスペンション制御装置 - Google Patents
能動型サスペンション制御装置Info
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- JP2699638B2 JP2699638B2 JP2260063A JP26006390A JP2699638B2 JP 2699638 B2 JP2699638 B2 JP 2699638B2 JP 2260063 A JP2260063 A JP 2260063A JP 26006390 A JP26006390 A JP 26006390A JP 2699638 B2 JP2699638 B2 JP 2699638B2
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- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60G—VEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
- B60G2400/00—Indexing codes relating to detected, measured or calculated conditions or factors
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- B60G—VEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
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Description
本発明は、高周波数のディザ信号を姿勢変化抑制指令
値に重畳した指令電流を圧力制御弁等の制御弁に供給す
ることにより、車体の姿勢変化を抑制するようにした能
動型サスペンション制御装置の改良に関する。
値に重畳した指令電流を圧力制御弁等の制御弁に供給す
ることにより、車体の姿勢変化を抑制するようにした能
動型サスペンション制御装置の改良に関する。
一般に、能動型サスペンションに使用するソレノイド
操作形の制御弁にあっては、本出願人が先に提案した実
開平1-116812号公報に記載されているように、指令電流
に100〜400Hz程度のディザ信号を重畳するようにしてい
る。 このように、指令電流にディザ信号を重畳する所以
は、ディザ信号を重畳しないときには、ソレノイドの励
磁電流iに対する推力Fとの関係は、第5図で点線図示
の曲線l1で示すように大きなヒステリシス特性を有し、
応答性が悪い。そこで、これにディザ信号を重畳するこ
とにより、第5図で実線図示の曲線l2で示すようにヒス
テリシス特性を小さくし、応答性を大きく改善すること
ができることや、作動流体の汚れに起因するシルティン
グ現象及びスプール及び弁体間の形状交差によって生じ
る流体固着現象の発生を防止するためである。
操作形の制御弁にあっては、本出願人が先に提案した実
開平1-116812号公報に記載されているように、指令電流
に100〜400Hz程度のディザ信号を重畳するようにしてい
る。 このように、指令電流にディザ信号を重畳する所以
は、ディザ信号を重畳しないときには、ソレノイドの励
磁電流iに対する推力Fとの関係は、第5図で点線図示
の曲線l1で示すように大きなヒステリシス特性を有し、
応答性が悪い。そこで、これにディザ信号を重畳するこ
とにより、第5図で実線図示の曲線l2で示すようにヒス
テリシス特性を小さくし、応答性を大きく改善すること
ができることや、作動流体の汚れに起因するシルティン
グ現象及びスプール及び弁体間の形状交差によって生じ
る流体固着現象の発生を防止するためである。
しかしながら、上記従来の能動型サスペンション制御
装置にあっては、各制御弁に対する指令電流に同位相の
ディザ信号を重畳するようにしているので、例えば特開
平2-164620号公報に記載されているように、前輪側と後
輪側とで個別に2つの圧力制御弁をマニホールド化し
て、弁ユニットを構成する場合に、圧力制御弁の作動時
に弁ユニット内の流路で互いのディザ信号による作動流
体の圧力変動が干渉によって増幅することになり、その
結果、作動流体の供給側流路及び戻り側流路に脈動を生
じて不快音を発生するという未解決の課題があった。 そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目
してなされたものであり、複数の制御弁をマニホールド
化したときでも、供給側流体圧及び戻り側流体圧の脈動
を抑制して不快音の発生を防止することができる能動型
サスペンション制御装置を提供することを目的としてい
る。
装置にあっては、各制御弁に対する指令電流に同位相の
ディザ信号を重畳するようにしているので、例えば特開
平2-164620号公報に記載されているように、前輪側と後
輪側とで個別に2つの圧力制御弁をマニホールド化し
て、弁ユニットを構成する場合に、圧力制御弁の作動時
に弁ユニット内の流路で互いのディザ信号による作動流
体の圧力変動が干渉によって増幅することになり、その
結果、作動流体の供給側流路及び戻り側流路に脈動を生
じて不快音を発生するという未解決の課題があった。 そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目
してなされたものであり、複数の制御弁をマニホールド
化したときでも、供給側流体圧及び戻り側流体圧の脈動
を抑制して不快音の発生を防止することができる能動型
サスペンション制御装置を提供することを目的としてい
る。
上記目的を達成するために、本発明に係る能動型サス
ペンション制御装置は、車体と各車輪との間に夫々介挿
した流体シリンダと、該流体シリンダに作動流体を供給
する流体供給手段と、該流体供給手段及び流体シリンダ
間に介挿され、指令電流に応じて流体シリンダに供給す
る作動流体を個別に制御する制御弁と、前記車体の姿勢
変化を検出する姿勢変化検出手段と、該姿勢変化検出手
段の検出値に基づき車体の姿勢変化を抑制する指令値を
算出し、これと高周波数のディザ信号とを重畳した指令
電流を前記各制御弁に供給する姿勢変化制御手段とを備
えた能動型サスペンション制御装置において、前記制御
手段は、流体供給手段に対してユニット化された共通の
流路を介して接続された前記少なくとも2以上の制御弁
に対するディザ信号の位相を反転し且つ流体系の応答遅
れを加味した値に設定したことを特徴としている。 なお、前記ユニット化された共通の流路とは、単に回
路上で流路を共通化しただけではなく、例えばマニホー
ルド化のように、分岐した管路が実際に集合して共通化
している流路を示す。
ペンション制御装置は、車体と各車輪との間に夫々介挿
した流体シリンダと、該流体シリンダに作動流体を供給
する流体供給手段と、該流体供給手段及び流体シリンダ
間に介挿され、指令電流に応じて流体シリンダに供給す
る作動流体を個別に制御する制御弁と、前記車体の姿勢
変化を検出する姿勢変化検出手段と、該姿勢変化検出手
段の検出値に基づき車体の姿勢変化を抑制する指令値を
算出し、これと高周波数のディザ信号とを重畳した指令
電流を前記各制御弁に供給する姿勢変化制御手段とを備
えた能動型サスペンション制御装置において、前記制御
手段は、流体供給手段に対してユニット化された共通の
流路を介して接続された前記少なくとも2以上の制御弁
に対するディザ信号の位相を反転し且つ流体系の応答遅
れを加味した値に設定したことを特徴としている。 なお、前記ユニット化された共通の流路とは、単に回
路上で流路を共通化しただけではなく、例えばマニホー
ルド化のように、分岐した管路が実際に集合して共通化
している流路を示す。
本発明においては、各制御弁に供給する指令電流にデ
ィザ信号を重畳するが、この内マニホールド化等によ
り、ユニット化された共通の流路を介して流体供給手段
に接続された複数の制御弁に対しては、ディザ信号の位
相を反転し且つ流体系の応答遅れを加味した値に設定し
ているので、ディザ信号によるマニホールド内の供給側
流路及び戻り側流路での圧力変動が生じても、これらが
互いに重なり合う位置で干渉によって減衰し、供給側流
体圧及び戻り側流体圧の脈動を安定させることができ、
不快音の発生を防止することができる。なお、ユニット
化された共通の流路を介して接続される制御弁が3以上
であっても、夫々からの圧力変動が前記互いに重なり合
う位置で干渉によって減衰する条件を満足していればよ
い。
ィザ信号を重畳するが、この内マニホールド化等によ
り、ユニット化された共通の流路を介して流体供給手段
に接続された複数の制御弁に対しては、ディザ信号の位
相を反転し且つ流体系の応答遅れを加味した値に設定し
ているので、ディザ信号によるマニホールド内の供給側
流路及び戻り側流路での圧力変動が生じても、これらが
互いに重なり合う位置で干渉によって減衰し、供給側流
体圧及び戻り側流体圧の脈動を安定させることができ、
不快音の発生を防止することができる。なお、ユニット
化された共通の流路を介して接続される制御弁が3以上
であっても、夫々からの圧力変動が前記互いに重なり合
う位置で干渉によって減衰する条件を満足していればよ
い。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 第1図は本発明の一実施例を示す油圧回路図である。 図中、FSは流体供給手段としての流体圧供給装置であ
って、エンジン2の出力軸2aに連結されて回転駆動さ
れ、吸込側がオイルタンク3に接続された油圧ポンプ1
と、その吐出側に逆止弁4を介して接続されたライン圧
配管5と、オイルタンク3にオイルクーラー6を介して
接続されたドレン配管7とを備え、ライン圧配管5には
脈動吸収用のアキュムレータ8が接続されていると共
に、アキュムレータ8の下流側にフィルタ9が介挿され
ている。フィルタ9には、これと並列にフィルタ7の目
詰まり時のバイパス流路が形成され、このバイパス流路
に逆止弁10が介挿されている。 そして、ライン圧配管5及びドレン配管7の他端が圧
力保持部11、フェイルセーフ弁12を介して各車輪に対応
する圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート及びドレンポー
トに接続されている。 圧力保持部11は、ライン圧配管5に介挿された逆止弁
14と、ライン圧配管5及びドレン配管13間に介挿され
た、通常状態のライン圧PL(kg/cm2)を設定する通常ラ
イン圧設定用リリーフ弁15と、逆止弁14の下流側のライ
ン圧がパイロット圧PPとして供給されるパイロット操作
形逆止弁16とを備えている。ここで、パイロット操作形
逆止弁16は、パイロット圧PPが予め設定された所定の中
立圧PN以上であるときには、逆止弁機能を解除してその
上流側及び下流側間を連通状態とする開状態となり、パ
イロット圧PPが中立圧PN未満であるときには、逆止弁機
能が作用して、その上流側及び下流側間を遮断する閉状
態となる。 フェイルセーフ弁12は、スプリングオフセット形の4
ポート2位置電磁切換弁で構成され、圧力保持部11の逆
止弁14の下流側に接続されたPポートと、パイロット操
作形逆止弁16の入力ポート16iに接続されたRポート
と、圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート21iに接続され
たAポートと、ドレンポート21oに接続されたBポート
とを有し、ソレノイド12aに供給される異常検出信号AS
がオフ状態であり、リターンスプリング12bによって切
換えられたノーマル切換位置でPポート及びRポートが
遮断され且つAポート及びBポートが互いに連通される
状態となり、ソレノイド12aに供給される異常検出信号A
Sがオン状態となってオフセット切換位置でPポート及
びAポートを直接連通する連通路と、Rポート及びBポ
ート間を直接連通する連通路とが形成される。また、フ
ェイルセーフ弁12のRポート及びBポート間が、外部の
固定絞り12cを介して連通されている。そして、フェイ
ルセーフ弁12のソレノイド12aが後述するコントローラ3
9からの異常検出信号ASによって制御される。 圧力制御弁13FL〜13RRの夫々は、入力ポート21i、戻
りポート21o及び制御圧ポート21cを有すると共に、制御
圧ポート21cと入力ポート21i及び戻りポート21oとを遮
断状態に又は制御圧ポート21cと入力ポート21i及び戻り
ポート21oの何れか一方とを連通させる連通状態に切換
えるスプールを有し、このスプールの両端に供給圧と制
御圧とがパイロット圧として供給され、さらに供給圧側
パイロット圧を比例ソレノイド21sによって制御される
ポペット弁で制御する構成を有し、制御圧ポート20cの
圧力が常に比例ソレノイド21sに後述する制御装置38か
ら供給される励磁電流IFL〜IRRに応じた圧力となるよう
に制御される。 ここで、励磁電流IFL〜IRRと制御圧ポート21cから出
力される制御圧PCとの関係は、第2図に示すように、励
磁電流IFL〜IRRが零近傍の最小電流IMINであるときに最
小圧力PMINを出力し、この状態から励磁電流IFL〜IRRが
正方向に増加すると、これに比例して制御圧PCが増加
し、最大電流IMAXのときに設定ライン圧PHで飽和すると
共に、僅かなヒステリシス特性を有する。 また、路面側からのバネ上共振域の加振入力があり、
その加振入力に起因した油圧変動が油圧シリンダ19FL〜
19RRを介して圧力制御弁13FL〜13RRの制御圧ポート21c
に伝達されると、スプールの両端の制御圧と供給圧との
バランスが不均衡の状態になり、スプールが微動して調
圧されるから、そのような加振入力を減衰・吸収でき
る。 そして、前輪側の圧力制御弁13FL,14FR及び後輪側の
圧力制御弁13RL,13Rが、夫々第1図で一点鎖線で示すよ
うに、マニホールド化された弁ユニット22F及び22Rに一
体化されて収納されている。ここで、弁ユニット22F
は、各圧力制御弁13FL及び13RRの入力ポート21i間を連
通する供給側連通路23sと、この供給側連通路23sに連通
し且つライン圧配管5に接続された供給側ポートPsと、
各圧力制御弁13FL及び13FRの戻りポート21o間を連通す
る戻り側連通路23rと、この戻り側連通路23rに連通し且
つ戻り配管7に接続された戻り側ポートPrと、各圧力制
御弁13FL及び13FRの制御圧ポート21cに連通され且つ配
管18を介して油圧シリンダ19FL及び19FRに個別に接続さ
れる制御側ポートPcFL及びPcFRとを有し、戻り側連通路
23rに戻り側配管7の管路抵抗等によって発生する背圧
を吸収するリターンアキュムレータ24Fが接続されてい
る。弁ユニット22Rも、弁ユニット22Fと同様の構成を有
し、対応部分には同一符号(但し、符号F,FL,FRについ
ては夫々R,RL,RRに置換する)を付しその詳細説明はこ
れを省略する。 なお、32Fはフェイルセーフ弁12のAポート及び弁ユ
ニット22Fの供給側ポートPs間の油圧配管に接続された
蓄圧用のアキュムレータ、32Rはフェイルセーフ弁12の
Aポート及び弁ユニット22Rの供給側ポートPs間の油圧
配管に接続された蓄圧用のアキュムレータ、33及び34は
油圧シリンダ19FL〜19RRに入力される路面からの車両バ
ネ下振動の高周波域の圧力変動を吸収するための減衰バ
ルブ及びアキュムレータである。 また、車体には、ばね上重心位置のやや前方位置に横
加速度を検出する横加速度センサが設けられ、この横加
速度センサから車両に生じる横加速度に応じて、横加速
度が零のとき零の電圧、右旋回時の横加速度発生時には
横加速度に比例する正の電圧及び左旋回時の横加速度発
生時には横加速度に比例する負の電圧が横加速度検出値
として出力される。また、車体には、前後加速度を検
出する前後加速度センサが設けられ、この前後加速度セ
ンサから車両に生じる前後加速度に応じて、前後加速度
で零のとき零の電圧、後方加速度発生時には後方加速度
に比例する正の電圧及び前方加速度発生時には前方加速
度に比例する負の電圧が前後加速度検出値として出力
される。さらに、例えば変速機(図示せず)の出力側に
車速を検出する車速センサが配設され、この車速センサ
から車速検出値Vが出力される。 そして、横加速度センサの横加速度検出値、前後加
速度センサの前後加速度検出値及び車速センサの車速
検出値Vが制御装置38に入力される。制御装置38は、横
加速度センサからの横加速度検出値、前後加速度セン
サの前後加速度検出値及び車速センサの車速検出値V
が入力されるマイクロコンピュータを含んで構成される
コントローラと、所定周波数f(例えば100〜400Hz程
度)の正弦波電圧でなるディザ信号D1及びこれに対して
(180°+x°)の位相差を有する反転正弦波電圧であ
るディザ信号D2を発生するディザ信号発生回路と、コン
トローラから出力される電流指令値CFL〜CRRがD/A変換
器を介して供給されると共に、ディザ信号発生回路から
のディザ信号D1又はD2が供給され、両者を重畳する加算
回路と、これら加算回路の加算出力が供給されるフロー
ティング形の定電流回路とを備えている。 コントローラは、通常状態では、入力される横加速度
検出値及び前後加速度検出値に基づいて車体のロー
ル及びピッチを抑制する電流指令値CFL〜CRRを算出し、
これら電流指令値CFL〜CRRをD/A変換器に出力すると共
に、ディザ信号発生回路のスイッチング回路にオン状態
の制御信号CSを出力して正弦波発振器の正弦波電圧D1を
通過させ、且つ異常検出信号ASをオン状態として、フェ
イルセーフ弁12のソレノイド駆動回路を作動させてオフ
セット切換位置に切換制御するが、車両が停車状態にあ
るときには、少なくとも一回制御信号CSをオフ状態とし
て、電流指令値CFL〜CRRに対するディザ信号D1及びD2の
重畳を中止すると共に、圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソ
レノイド21sを流れる励磁電流IFL〜IRRを後述する定電
流回路の抵抗R1の電圧降下として検出し、これをA/D変
換器を介して電流検出値CDFL〜CDRRとして読込み、これ
ら電流検出値CDFL〜CDRRと電流指令値CFL〜CRRとを比較
し、両者の差値の絶対値が所定設定値ΔI以上であるか
否かを判定し、|CE‐CD|<ΔIであるときには正常状
態と判断して異常検出信号ABのオン状態を継続し、|CE
‐CD|≧ΔIであるときには異常状態と判断しての異常
検出信号ABをオフ状態としてフェイルセーフ弁12をノー
マル切換位置に切換える。 ディザ信号発生回路は、周波数fが100〜400Hz程度で
振幅が圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソレノイド21sに供
給する最小指令電流IMIN及び最大指令電流IMAXの差値の
1/10程度の第4図(a)に示す正弦波電圧を出力する正
弦波発振器と、この正弦波発振器から出力される正弦波
電圧をコントローラからの制御信号CSによってオン・オ
フするスイッチング回路と、このスイッチング回路から
出力される正弦波電圧を反転させ、更に後述する負荷系
位相差x°を加えて第4図(b)に示すように(180°
+x°)の位相差を与える位相反転器とを備えている。
そして、正弦波発振器の正弦波電圧がディザ信号D1とし
て左輪用加算回路に供給されると共に、位相反転器から
出力される反転正弦波電圧がディザ信号D2として右輪用
加算回路に供給される。ここで、ディザ信号D1及びD2の
周波数及び振幅は第2図に示す圧力制御弁13FL〜13RRの
励磁電流に対する出力制御圧のヒステリシス特性を満足
するように適宜選定される。また、前記負荷系位相差x
°は圧力制御弁の制御圧ポートに接続される負荷系であ
る油圧シリンダの周波数特性あるいは作動油温度等に応
じた作動流体の系,つまりシステム全体の応答遅れに対
し、前記ディザ信号で発生する作動流体の圧力変動を干
渉によって減衰させるように、位相を合わせるためのも
のである。 定電流回路は、前記各加算回路からの合成電流指令値
が非反転入力側に供給されるオペアンプと、このオペア
ンプの出力値にベースが接続されたNPN形トランジスタ
とを備え、トランジスタのコレクタが圧力制御弁13FL〜
13RRの比例ソレノイド21sを介して正の電源VBに接続さ
れ、エミッタが抵抗R1を介して接地されている。そし
て、トランジスタのエミッタ及び抵抗R1の接続点がオペ
アンプの反転入力側及びA/D変換器を介してコントロー
ラに接続され、比例ソレノイド21sを流れる励磁電流IFL
〜IRRに対応した抵抗R1の電圧降下がオペアンプにフィ
ードバックされ、オペアンプで両者が等しくなるように
制御される。 フェイルセーフ弁12のソレノイド駆動回路は、異常検
出信号ASがベースに入力されるNPN型のトランジスタを
有し、そのコレクタがフェイルセーフ弁12のソレノイド
12aを介して正の直流電源VBに接続され、エミッタが接
地されている。 次に、上記実施例の動作を説明する。今、車両が停車
状態にあり、キースイッチがオフ状態にあるものとする
と、この状態では、エンジン2が停止状態にあり、油圧
ポンプ1も停止状態にあり、ライン圧保持部11のパイロ
ット操作形逆止弁16が全閉状態でその圧力制御弁13FL〜
13RR側の圧力が中立圧PNに略保持されており、フェイル
セーフ弁12がノーマル位置にあるものとする。 この状態で、キースイッチをオン状態とすることによ
り、制御装置38に電源が投入される。したがって、制御
装置38のコントローラで、第3図に示す処理が実行され
る。 すなわち、ステップで、異常検出信号ASを正常状態
を表すオン状態とし、制御信号CSをオン状態とすると共
に、制御フラグFを“0"にリセットする初期化を行い、
次いでステップに移行して、横加速度センサの横加速
度検出値、前後加速度センサの前後加速度検出値及
び車速センサの車速検出値Vを読込み、次いでステップ
で、下記(1)〜(4)式の演算を行って各圧力制御
弁13FL〜13RRに対する電流指令値Ci(i=FL〜RR)を算
出し、これらをD/A変換器41FL〜41RRに出力する。 CFL=CN+KL・−KP・ ……(1) CFR=CN−KL・−KP・ ……(2) CRL=CN+KL・+KP・ ……(3) CRR=CN−KL・+KP・ ……(4) ここで、CNは車高を目標車高に維持するための中立圧力
PNに相当する電流指令値、KLはロール制御ゲイン、KPは
ピッチ制御ゲインである。 次いで、ステップに移行して、車両が停車中である
か否かを判定する。この判定は、車速検出値Vが零であ
るか否かによって行うものであり、V=0であるときに
は、停車中であると判断して、ステップに移行する。 このステップでは、異常判定処理を実行したか否か
を表す制御フラグFが“0"にリセットされているか否か
を判定し、制御フラグFが“1"にセットされているとき
は異常判定処理を終了しているのもと判断してそのまま
ステップに戻り、制御フラグFが“0"にリセットされ
ているときには、異常判定処理を実行していないものと
判断して、ステップに移行して、制御フラグFを“1"
にセットする。 次いで、ステップに移行して、スイッチング回路41
bに対する制御信号CSをオフ状態として、スイッチング
回路41bを開く。 次いで、ステッチに移行して定電流回路44の抵抗R1
による電圧降下VRを電流検出値CDiとして読込み、次い
でステップに移行して、各電流検出値CDiと電流指令
値Ciとの差値の絶対値Di(=|Ci‐CDi|)を算出し、
次いでステップに移行して絶対値Dが予め設定した所
定設定値ΔI以上であるか否かを判定する。ここで、Di
<ΔIであるときには、比例ソレノイド21s及び定電流
回路44が正常状態であると判断してステップに移行し
て制御信号CSをオン状態としてから前記ステップに戻
り、Di≧ΔIであるときには、比例ソレノイド21s又は
定電流回路44に異常が生じているものと判断して、ステ
ップに移行し、異常検出信号ASをオフ状態に反転させ
てから処理を終了する。 一方、ステップの判定結果が車速検出値Vが零以外
であるときには、車両が走行中であると判断してステッ
プで制御フラグFを“0"にリセットしてからステップ
に戻る。 この第3図の処理及び制御装置38で制御手段を構成し
ている。 したがって、キースイッチをオン状態とした時点で
は、ステップの初期化によって制御フラグFが“0"に
リセットされると共に、異常検出信号AS及び制御信号CS
がオン状態に制御され、そのときの横加速度検出値及
び前後加速度検出値は通常零であるので、これに基づ
いてステップで電流指令値CFL〜CRRとして中立電流値
INに相当する値が算出され、これが加算回路に出力され
る。このとき、制御信号CSがオン状態であるので、スイ
ッチング回路から出力される正弦波電圧でなるディザ信
号D1が左輪用加算回路に供給され、且つこのディザ信号
D1に対して(180°+x°)の位相差を有する位相反転
器から出力されるディザ信号D2が右輪用加算回路に供給
される。このため、左輪用加算回路から電流指令値CFL,
CRLにディザ信号D1を重畳した合成電流指令値CAFL,CARL
が左輪用定電流回路のオペアンプに入力されると共に、
右輪用加算回路から電流指令値CFR,CRRにディザ信号D2
を重畳した合成電流指令値CAFR,CARRが右輪用定電流回
路のオペアンプに入力される。これに応じて、オペアン
プの出力側から抵抗R1の電圧降下VRとの差値に応じた出
力が得られ、これによってトランジスタがオン状態とな
って、圧力制御弁19FL〜19RRの比例ソレノイド21sに合
成電流指令値CAFL,CARRに応じた励磁電流IFL〜IRRが通
電される。したがって、各圧力制御弁13FL〜13RRから出
力される制御圧PCが中立圧PNに設定され、これが油圧シ
リンダ19FL〜19RRに出力され、車体がフラットな状態に
制御される。このとき、圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソ
レノイド21sに供給される合成電流指令値CAFL,CARRに
は、ディザ信号D1又はD2が重畳されていることから、圧
力制御弁13FL〜13RRのスプールがディザ信号D1及びD2に
応じて往復微動することにより、これらの入力ポート21
i及び戻りポート21oに圧力変動を生じることになるが、
弁ユニット22F及び22Rの供給側連通路23s及び戻り側連
通路23rを介して連通されている2つの圧力制御弁13FL,
13FR及13RL,13RRには互いに(180°+x°)の位相差を
有するディザ信号D1及びD2が重畳されているので、一方
の圧力制御弁13FL(又は13FR)及び13RL(又は13RR)側
の圧力上昇状態となったときに、他方の圧力制御弁13FR
(又は13FL)及び13RR(又は13RL)側が圧力下降状態と
なる。そして、更に前記負荷系位相差x°によって供給
側連通路23s及び戻り側連通路23r内で重なり合う両者の
圧力変動は互いに完全に位相が反転しているため、干渉
による減衰効果で当該連通路23s,23r内の圧力は常に一
定値となって作動油の脈動を確実に防止することができ
る。 この停車状態では、ステップからステップに移行
し、制御フラグFが“0"にリセットされているので、ス
テップに移行して制御フラグFを“1"にセットし、次
いで制御信号CSをオフ状態とする。このように、制御信
号CSがオフ状態となることにより、スイッチング回路か
ら出力されるディザ信号D1及び位相反転器から出力され
るディザ信号D2が共に零となり、加算回路からは電流指
令値CFL〜CRRのみが定電流回路に出力され、これに対応
する励磁電流IFL〜IRRが比例ソレノイド21sに通電され
る。 そして、このディザ信号D1及びD2を含まない直流分の
みの励磁電流IFL〜IRRによる抵抗R1の電圧降下が励磁電
流検出値CDとしてコントローラに読込まれて、これらと
電流指令値CFL〜CRRとの差値の絶対値DFL〜DRRが算出さ
れ、これら絶対値DFL〜DRRが所定設定値ΔI以下である
ときには、ソレノイド駆動回路が正常状態であると判断
して、制御信号CSをオン状態としてからステップに戻
り、以後車両が走行を開始するまでの間は制御フラグF
が“1"を継続するので、ステップ〜ステップの処理
を繰り返して、圧力制御弁19FL〜19RRの制御圧PCを中立
圧PNに維持する。 一方、ステップの判定結果がDi>ΔIであるときに
は、比例ソレノイド21sに対する電流検出値CDiが電流指
令値Ciと異なり、異常状態が発生したものと判断してス
テップからステップに移行して異常検出信号ASをオ
フ状態として、フェイルセーフ弁12をノーマル切換位置
即ちポンプ側から圧力制御弁19FL〜19RRへのライン圧の
供給を遮断して各圧力制御弁19FL〜19RRの戻り側ポート
21oをパイロット操作形逆止弁16に接続する中立圧保持
状態を継続させ、比例ソレノイド21s或いは定電流回路4
4FL〜44RRの異常による誤動作を防止してから処理を終
了する。 その後、イグニッションスイッチをオン状態としてエ
ンジン2を始動させることにより、その出力軸2aの回転
上昇に伴って油圧ポンプ1の回転も上昇して、その回転
に応じた吐出圧の作動油がライン圧配管5に供給され
る。 したがって、比例ソレノイド21sの制御系が正常状態
であるときには、フェイルセーフ弁12のソレノイド駆動
回路46にオン状態の異常検出信号ASが供給されているの
で、そのトランジスタがオン状態となって、ソレノイド
が通電されて、オフセット切換位置に切換えられている
ので、ライン圧配管5内の圧力が上昇して、これが圧力
保持部11で保持している保持圧PH以上となると、その圧
力が圧力保持部11の逆止弁14を介し、フェイルセーフ弁
12を介して各圧力制御弁13FL〜13RRに供給される。 また、圧力保持部11においては、フェイルセーフ弁12
のAポートの圧力でなるパイロット圧PPが中立圧PNを越
えた時点でパイロット操作形逆止弁16が開状態となって
圧力制御弁13FL〜13RRのドレンポート21oがオイルタン
ク3に連通される。 その後、油圧ポンプ1から吐出される作動油の圧力が
高くなって逆止弁14の上流側のライン圧PLがリリーフ弁
15の設定圧力PLを越えると、その超過分がリリーフ弁15
を通じ、ドレン配管13を通じてオイルタンク3に戻さ
れ、ライン圧が設定圧力PHに維持される。 この停車状態から車両を発進させて直進加速状態とす
ると、車体に後方加速度が生じることにより、前後加速
度センサの前後加速度検出値が正方向に大きくなり、
これに応じてステップで算出されるピッチ抑制指令値
(KP・)が正方向に大きくなるので、前輪側の電流指
令値CFL,CFRが中立電流相当値CNより小さくなり、逆に
後輪側の電流指令値CRL,CRRが中立電流壮図値CNより大
きくなることにより、前輪側の油圧シリンダ19FL,19FR
の推力が低下され、後輪側の油圧シリンダ19RL,19RRの
推力が増加される。この結果、加速時に生じる後輪側が
沈み込む所謂スカット現象を抑制して車体を略フラット
な状態に維持することができる。 その後、定速走行状態となると、前後加速度検出値
が略零となることにより、各油圧シリンダ19FL〜19RRの
圧力が中立圧PNに復帰する。 一方、車両が直進走行している間は、横加速度が発生
しないので、横加速度センサの横加速度検出値は零を
維持し、ロール抑制指令値(KL・)も零となってい
る。 しかしながら、車両が右(又は左)旋回状態となる
と、横加速度センサから旋回状態で発生する横加速度に
応じた正(又は負)の横加速度検出値が出力されるの
で、外輪側となる左側(又は右側)の油圧シリンダ19FL
及び19RL(又は19FR及び19RR)に対応する圧力制御弁13
FL及び13RL(又は13FR及び13RR)に中立電流INより大き
い励磁電流IFL及びIRL(又はIFR及びIRR)が供給される
と共に、内輪側となる右側(又は左側)の油圧シリンダ
19FR及び19RR(又は19FL及び19RL)に対応する圧力制御
弁13FR及び13RR(又は13FL及び13RL)に中立電流INより
小さい励磁電流IFR及びIRR(又はIFL及びIRL)が供給さ
れて車体のロールを抑制して略フラットな状態に維持す
る。 その後、車両が停車状態となる毎に、ステップ〜
の異常判定処理が実行され、ソレノイド駆動装置が正常
状態であるか異常状態であるかを判定し、異常状態とな
ったときには、前述したように、異常検出信号ASをオフ
状態として、フェイルセーフ弁12をノーマル切換位置に
切換える。このように、フェイルセーフ弁12がノーマル
切換位置に切換えられると、各圧力制御弁13FL〜13RRに
対する流体圧供給源FSからの作動油の供給が遮断され、
これに代えて圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート21iが
フェイルセーフ弁12のAポート及びBポート、絞り12c
を介して圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16に連
通されるので、圧力制御弁13RL.13RRの制御圧PCが徐々
に中立圧PNまで低下すると共に、アキュムレータ32F,32
Rの蓄圧PAも徐々に低下する。このとき、圧力制御弁13F
L〜13RR及びアキュムレータ32F,32Rからの戻り油は絞り
12cを通過することにより、各弁ユニット22F及び22Rに
おける戻り側連通路23sの背圧が上昇する。 そして、アキュムレータ32F,32Rの圧力PAが中立圧PN
まで低下した時点で、圧力保持部11のパイロット操作形
逆止弁16が全閉状態となり、各圧力制御弁13FL〜13RRの
戻りポート21oからオイルタンク3に到る流路が遮断さ
れて、圧力保持状態となる。 なお、上記実施例においては、ディザ信号発生回路41
として、正弦波発振器41aの正弦波を位相反転器41cで位
相反転させて(180°+x°)の位相差を有するディザ
信号D1及びD2を形成する場合について説明したが、これ
に限定されるものではなく、(180°+x°)の位相差
を有する2つの正弦波発振器を設けるようにしてもよ
く、さらには、正弦波に代えて方形波、三角波等を適用
することもでき、要は(180°+x°)の位相差を有す
るディザ信号D1及びD2を発生し得るものであればよい。 またさらに、上記実施例においては横加速度及び前後
加速度による車体のロール及びピッチを抑制する場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、各
車輪位置の上下加速度を検出して車体のピッチ、バウン
スを抑制したり、各車輪位置のストロークを検出して車
高調整を行うこともできる。 なおさらに、上記実施例では、電磁圧力制御弁を適用
したが、これに限らず電磁流量制御弁を適用することも
できる。 また、上記実施例においては、各圧力制御弁に対して
共通の圧力保持部11及びフェイルセーフ弁12を設けた場
合について説明したが、これに限らず圧力保持部11及び
フェイルセーフ弁12を個別に設けるようにしてもよい。
って、エンジン2の出力軸2aに連結されて回転駆動さ
れ、吸込側がオイルタンク3に接続された油圧ポンプ1
と、その吐出側に逆止弁4を介して接続されたライン圧
配管5と、オイルタンク3にオイルクーラー6を介して
接続されたドレン配管7とを備え、ライン圧配管5には
脈動吸収用のアキュムレータ8が接続されていると共
に、アキュムレータ8の下流側にフィルタ9が介挿され
ている。フィルタ9には、これと並列にフィルタ7の目
詰まり時のバイパス流路が形成され、このバイパス流路
に逆止弁10が介挿されている。 そして、ライン圧配管5及びドレン配管7の他端が圧
力保持部11、フェイルセーフ弁12を介して各車輪に対応
する圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート及びドレンポー
トに接続されている。 圧力保持部11は、ライン圧配管5に介挿された逆止弁
14と、ライン圧配管5及びドレン配管13間に介挿され
た、通常状態のライン圧PL(kg/cm2)を設定する通常ラ
イン圧設定用リリーフ弁15と、逆止弁14の下流側のライ
ン圧がパイロット圧PPとして供給されるパイロット操作
形逆止弁16とを備えている。ここで、パイロット操作形
逆止弁16は、パイロット圧PPが予め設定された所定の中
立圧PN以上であるときには、逆止弁機能を解除してその
上流側及び下流側間を連通状態とする開状態となり、パ
イロット圧PPが中立圧PN未満であるときには、逆止弁機
能が作用して、その上流側及び下流側間を遮断する閉状
態となる。 フェイルセーフ弁12は、スプリングオフセット形の4
ポート2位置電磁切換弁で構成され、圧力保持部11の逆
止弁14の下流側に接続されたPポートと、パイロット操
作形逆止弁16の入力ポート16iに接続されたRポート
と、圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート21iに接続され
たAポートと、ドレンポート21oに接続されたBポート
とを有し、ソレノイド12aに供給される異常検出信号AS
がオフ状態であり、リターンスプリング12bによって切
換えられたノーマル切換位置でPポート及びRポートが
遮断され且つAポート及びBポートが互いに連通される
状態となり、ソレノイド12aに供給される異常検出信号A
Sがオン状態となってオフセット切換位置でPポート及
びAポートを直接連通する連通路と、Rポート及びBポ
ート間を直接連通する連通路とが形成される。また、フ
ェイルセーフ弁12のRポート及びBポート間が、外部の
固定絞り12cを介して連通されている。そして、フェイ
ルセーフ弁12のソレノイド12aが後述するコントローラ3
9からの異常検出信号ASによって制御される。 圧力制御弁13FL〜13RRの夫々は、入力ポート21i、戻
りポート21o及び制御圧ポート21cを有すると共に、制御
圧ポート21cと入力ポート21i及び戻りポート21oとを遮
断状態に又は制御圧ポート21cと入力ポート21i及び戻り
ポート21oの何れか一方とを連通させる連通状態に切換
えるスプールを有し、このスプールの両端に供給圧と制
御圧とがパイロット圧として供給され、さらに供給圧側
パイロット圧を比例ソレノイド21sによって制御される
ポペット弁で制御する構成を有し、制御圧ポート20cの
圧力が常に比例ソレノイド21sに後述する制御装置38か
ら供給される励磁電流IFL〜IRRに応じた圧力となるよう
に制御される。 ここで、励磁電流IFL〜IRRと制御圧ポート21cから出
力される制御圧PCとの関係は、第2図に示すように、励
磁電流IFL〜IRRが零近傍の最小電流IMINであるときに最
小圧力PMINを出力し、この状態から励磁電流IFL〜IRRが
正方向に増加すると、これに比例して制御圧PCが増加
し、最大電流IMAXのときに設定ライン圧PHで飽和すると
共に、僅かなヒステリシス特性を有する。 また、路面側からのバネ上共振域の加振入力があり、
その加振入力に起因した油圧変動が油圧シリンダ19FL〜
19RRを介して圧力制御弁13FL〜13RRの制御圧ポート21c
に伝達されると、スプールの両端の制御圧と供給圧との
バランスが不均衡の状態になり、スプールが微動して調
圧されるから、そのような加振入力を減衰・吸収でき
る。 そして、前輪側の圧力制御弁13FL,14FR及び後輪側の
圧力制御弁13RL,13Rが、夫々第1図で一点鎖線で示すよ
うに、マニホールド化された弁ユニット22F及び22Rに一
体化されて収納されている。ここで、弁ユニット22F
は、各圧力制御弁13FL及び13RRの入力ポート21i間を連
通する供給側連通路23sと、この供給側連通路23sに連通
し且つライン圧配管5に接続された供給側ポートPsと、
各圧力制御弁13FL及び13FRの戻りポート21o間を連通す
る戻り側連通路23rと、この戻り側連通路23rに連通し且
つ戻り配管7に接続された戻り側ポートPrと、各圧力制
御弁13FL及び13FRの制御圧ポート21cに連通され且つ配
管18を介して油圧シリンダ19FL及び19FRに個別に接続さ
れる制御側ポートPcFL及びPcFRとを有し、戻り側連通路
23rに戻り側配管7の管路抵抗等によって発生する背圧
を吸収するリターンアキュムレータ24Fが接続されてい
る。弁ユニット22Rも、弁ユニット22Fと同様の構成を有
し、対応部分には同一符号(但し、符号F,FL,FRについ
ては夫々R,RL,RRに置換する)を付しその詳細説明はこ
れを省略する。 なお、32Fはフェイルセーフ弁12のAポート及び弁ユ
ニット22Fの供給側ポートPs間の油圧配管に接続された
蓄圧用のアキュムレータ、32Rはフェイルセーフ弁12の
Aポート及び弁ユニット22Rの供給側ポートPs間の油圧
配管に接続された蓄圧用のアキュムレータ、33及び34は
油圧シリンダ19FL〜19RRに入力される路面からの車両バ
ネ下振動の高周波域の圧力変動を吸収するための減衰バ
ルブ及びアキュムレータである。 また、車体には、ばね上重心位置のやや前方位置に横
加速度を検出する横加速度センサが設けられ、この横加
速度センサから車両に生じる横加速度に応じて、横加速
度が零のとき零の電圧、右旋回時の横加速度発生時には
横加速度に比例する正の電圧及び左旋回時の横加速度発
生時には横加速度に比例する負の電圧が横加速度検出値
として出力される。また、車体には、前後加速度を検
出する前後加速度センサが設けられ、この前後加速度セ
ンサから車両に生じる前後加速度に応じて、前後加速度
で零のとき零の電圧、後方加速度発生時には後方加速度
に比例する正の電圧及び前方加速度発生時には前方加速
度に比例する負の電圧が前後加速度検出値として出力
される。さらに、例えば変速機(図示せず)の出力側に
車速を検出する車速センサが配設され、この車速センサ
から車速検出値Vが出力される。 そして、横加速度センサの横加速度検出値、前後加
速度センサの前後加速度検出値及び車速センサの車速
検出値Vが制御装置38に入力される。制御装置38は、横
加速度センサからの横加速度検出値、前後加速度セン
サの前後加速度検出値及び車速センサの車速検出値V
が入力されるマイクロコンピュータを含んで構成される
コントローラと、所定周波数f(例えば100〜400Hz程
度)の正弦波電圧でなるディザ信号D1及びこれに対して
(180°+x°)の位相差を有する反転正弦波電圧であ
るディザ信号D2を発生するディザ信号発生回路と、コン
トローラから出力される電流指令値CFL〜CRRがD/A変換
器を介して供給されると共に、ディザ信号発生回路から
のディザ信号D1又はD2が供給され、両者を重畳する加算
回路と、これら加算回路の加算出力が供給されるフロー
ティング形の定電流回路とを備えている。 コントローラは、通常状態では、入力される横加速度
検出値及び前後加速度検出値に基づいて車体のロー
ル及びピッチを抑制する電流指令値CFL〜CRRを算出し、
これら電流指令値CFL〜CRRをD/A変換器に出力すると共
に、ディザ信号発生回路のスイッチング回路にオン状態
の制御信号CSを出力して正弦波発振器の正弦波電圧D1を
通過させ、且つ異常検出信号ASをオン状態として、フェ
イルセーフ弁12のソレノイド駆動回路を作動させてオフ
セット切換位置に切換制御するが、車両が停車状態にあ
るときには、少なくとも一回制御信号CSをオフ状態とし
て、電流指令値CFL〜CRRに対するディザ信号D1及びD2の
重畳を中止すると共に、圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソ
レノイド21sを流れる励磁電流IFL〜IRRを後述する定電
流回路の抵抗R1の電圧降下として検出し、これをA/D変
換器を介して電流検出値CDFL〜CDRRとして読込み、これ
ら電流検出値CDFL〜CDRRと電流指令値CFL〜CRRとを比較
し、両者の差値の絶対値が所定設定値ΔI以上であるか
否かを判定し、|CE‐CD|<ΔIであるときには正常状
態と判断して異常検出信号ABのオン状態を継続し、|CE
‐CD|≧ΔIであるときには異常状態と判断しての異常
検出信号ABをオフ状態としてフェイルセーフ弁12をノー
マル切換位置に切換える。 ディザ信号発生回路は、周波数fが100〜400Hz程度で
振幅が圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソレノイド21sに供
給する最小指令電流IMIN及び最大指令電流IMAXの差値の
1/10程度の第4図(a)に示す正弦波電圧を出力する正
弦波発振器と、この正弦波発振器から出力される正弦波
電圧をコントローラからの制御信号CSによってオン・オ
フするスイッチング回路と、このスイッチング回路から
出力される正弦波電圧を反転させ、更に後述する負荷系
位相差x°を加えて第4図(b)に示すように(180°
+x°)の位相差を与える位相反転器とを備えている。
そして、正弦波発振器の正弦波電圧がディザ信号D1とし
て左輪用加算回路に供給されると共に、位相反転器から
出力される反転正弦波電圧がディザ信号D2として右輪用
加算回路に供給される。ここで、ディザ信号D1及びD2の
周波数及び振幅は第2図に示す圧力制御弁13FL〜13RRの
励磁電流に対する出力制御圧のヒステリシス特性を満足
するように適宜選定される。また、前記負荷系位相差x
°は圧力制御弁の制御圧ポートに接続される負荷系であ
る油圧シリンダの周波数特性あるいは作動油温度等に応
じた作動流体の系,つまりシステム全体の応答遅れに対
し、前記ディザ信号で発生する作動流体の圧力変動を干
渉によって減衰させるように、位相を合わせるためのも
のである。 定電流回路は、前記各加算回路からの合成電流指令値
が非反転入力側に供給されるオペアンプと、このオペア
ンプの出力値にベースが接続されたNPN形トランジスタ
とを備え、トランジスタのコレクタが圧力制御弁13FL〜
13RRの比例ソレノイド21sを介して正の電源VBに接続さ
れ、エミッタが抵抗R1を介して接地されている。そし
て、トランジスタのエミッタ及び抵抗R1の接続点がオペ
アンプの反転入力側及びA/D変換器を介してコントロー
ラに接続され、比例ソレノイド21sを流れる励磁電流IFL
〜IRRに対応した抵抗R1の電圧降下がオペアンプにフィ
ードバックされ、オペアンプで両者が等しくなるように
制御される。 フェイルセーフ弁12のソレノイド駆動回路は、異常検
出信号ASがベースに入力されるNPN型のトランジスタを
有し、そのコレクタがフェイルセーフ弁12のソレノイド
12aを介して正の直流電源VBに接続され、エミッタが接
地されている。 次に、上記実施例の動作を説明する。今、車両が停車
状態にあり、キースイッチがオフ状態にあるものとする
と、この状態では、エンジン2が停止状態にあり、油圧
ポンプ1も停止状態にあり、ライン圧保持部11のパイロ
ット操作形逆止弁16が全閉状態でその圧力制御弁13FL〜
13RR側の圧力が中立圧PNに略保持されており、フェイル
セーフ弁12がノーマル位置にあるものとする。 この状態で、キースイッチをオン状態とすることによ
り、制御装置38に電源が投入される。したがって、制御
装置38のコントローラで、第3図に示す処理が実行され
る。 すなわち、ステップで、異常検出信号ASを正常状態
を表すオン状態とし、制御信号CSをオン状態とすると共
に、制御フラグFを“0"にリセットする初期化を行い、
次いでステップに移行して、横加速度センサの横加速
度検出値、前後加速度センサの前後加速度検出値及
び車速センサの車速検出値Vを読込み、次いでステップ
で、下記(1)〜(4)式の演算を行って各圧力制御
弁13FL〜13RRに対する電流指令値Ci(i=FL〜RR)を算
出し、これらをD/A変換器41FL〜41RRに出力する。 CFL=CN+KL・−KP・ ……(1) CFR=CN−KL・−KP・ ……(2) CRL=CN+KL・+KP・ ……(3) CRR=CN−KL・+KP・ ……(4) ここで、CNは車高を目標車高に維持するための中立圧力
PNに相当する電流指令値、KLはロール制御ゲイン、KPは
ピッチ制御ゲインである。 次いで、ステップに移行して、車両が停車中である
か否かを判定する。この判定は、車速検出値Vが零であ
るか否かによって行うものであり、V=0であるときに
は、停車中であると判断して、ステップに移行する。 このステップでは、異常判定処理を実行したか否か
を表す制御フラグFが“0"にリセットされているか否か
を判定し、制御フラグFが“1"にセットされているとき
は異常判定処理を終了しているのもと判断してそのまま
ステップに戻り、制御フラグFが“0"にリセットされ
ているときには、異常判定処理を実行していないものと
判断して、ステップに移行して、制御フラグFを“1"
にセットする。 次いで、ステップに移行して、スイッチング回路41
bに対する制御信号CSをオフ状態として、スイッチング
回路41bを開く。 次いで、ステッチに移行して定電流回路44の抵抗R1
による電圧降下VRを電流検出値CDiとして読込み、次い
でステップに移行して、各電流検出値CDiと電流指令
値Ciとの差値の絶対値Di(=|Ci‐CDi|)を算出し、
次いでステップに移行して絶対値Dが予め設定した所
定設定値ΔI以上であるか否かを判定する。ここで、Di
<ΔIであるときには、比例ソレノイド21s及び定電流
回路44が正常状態であると判断してステップに移行し
て制御信号CSをオン状態としてから前記ステップに戻
り、Di≧ΔIであるときには、比例ソレノイド21s又は
定電流回路44に異常が生じているものと判断して、ステ
ップに移行し、異常検出信号ASをオフ状態に反転させ
てから処理を終了する。 一方、ステップの判定結果が車速検出値Vが零以外
であるときには、車両が走行中であると判断してステッ
プで制御フラグFを“0"にリセットしてからステップ
に戻る。 この第3図の処理及び制御装置38で制御手段を構成し
ている。 したがって、キースイッチをオン状態とした時点で
は、ステップの初期化によって制御フラグFが“0"に
リセットされると共に、異常検出信号AS及び制御信号CS
がオン状態に制御され、そのときの横加速度検出値及
び前後加速度検出値は通常零であるので、これに基づ
いてステップで電流指令値CFL〜CRRとして中立電流値
INに相当する値が算出され、これが加算回路に出力され
る。このとき、制御信号CSがオン状態であるので、スイ
ッチング回路から出力される正弦波電圧でなるディザ信
号D1が左輪用加算回路に供給され、且つこのディザ信号
D1に対して(180°+x°)の位相差を有する位相反転
器から出力されるディザ信号D2が右輪用加算回路に供給
される。このため、左輪用加算回路から電流指令値CFL,
CRLにディザ信号D1を重畳した合成電流指令値CAFL,CARL
が左輪用定電流回路のオペアンプに入力されると共に、
右輪用加算回路から電流指令値CFR,CRRにディザ信号D2
を重畳した合成電流指令値CAFR,CARRが右輪用定電流回
路のオペアンプに入力される。これに応じて、オペアン
プの出力側から抵抗R1の電圧降下VRとの差値に応じた出
力が得られ、これによってトランジスタがオン状態とな
って、圧力制御弁19FL〜19RRの比例ソレノイド21sに合
成電流指令値CAFL,CARRに応じた励磁電流IFL〜IRRが通
電される。したがって、各圧力制御弁13FL〜13RRから出
力される制御圧PCが中立圧PNに設定され、これが油圧シ
リンダ19FL〜19RRに出力され、車体がフラットな状態に
制御される。このとき、圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソ
レノイド21sに供給される合成電流指令値CAFL,CARRに
は、ディザ信号D1又はD2が重畳されていることから、圧
力制御弁13FL〜13RRのスプールがディザ信号D1及びD2に
応じて往復微動することにより、これらの入力ポート21
i及び戻りポート21oに圧力変動を生じることになるが、
弁ユニット22F及び22Rの供給側連通路23s及び戻り側連
通路23rを介して連通されている2つの圧力制御弁13FL,
13FR及13RL,13RRには互いに(180°+x°)の位相差を
有するディザ信号D1及びD2が重畳されているので、一方
の圧力制御弁13FL(又は13FR)及び13RL(又は13RR)側
の圧力上昇状態となったときに、他方の圧力制御弁13FR
(又は13FL)及び13RR(又は13RL)側が圧力下降状態と
なる。そして、更に前記負荷系位相差x°によって供給
側連通路23s及び戻り側連通路23r内で重なり合う両者の
圧力変動は互いに完全に位相が反転しているため、干渉
による減衰効果で当該連通路23s,23r内の圧力は常に一
定値となって作動油の脈動を確実に防止することができ
る。 この停車状態では、ステップからステップに移行
し、制御フラグFが“0"にリセットされているので、ス
テップに移行して制御フラグFを“1"にセットし、次
いで制御信号CSをオフ状態とする。このように、制御信
号CSがオフ状態となることにより、スイッチング回路か
ら出力されるディザ信号D1及び位相反転器から出力され
るディザ信号D2が共に零となり、加算回路からは電流指
令値CFL〜CRRのみが定電流回路に出力され、これに対応
する励磁電流IFL〜IRRが比例ソレノイド21sに通電され
る。 そして、このディザ信号D1及びD2を含まない直流分の
みの励磁電流IFL〜IRRによる抵抗R1の電圧降下が励磁電
流検出値CDとしてコントローラに読込まれて、これらと
電流指令値CFL〜CRRとの差値の絶対値DFL〜DRRが算出さ
れ、これら絶対値DFL〜DRRが所定設定値ΔI以下である
ときには、ソレノイド駆動回路が正常状態であると判断
して、制御信号CSをオン状態としてからステップに戻
り、以後車両が走行を開始するまでの間は制御フラグF
が“1"を継続するので、ステップ〜ステップの処理
を繰り返して、圧力制御弁19FL〜19RRの制御圧PCを中立
圧PNに維持する。 一方、ステップの判定結果がDi>ΔIであるときに
は、比例ソレノイド21sに対する電流検出値CDiが電流指
令値Ciと異なり、異常状態が発生したものと判断してス
テップからステップに移行して異常検出信号ASをオ
フ状態として、フェイルセーフ弁12をノーマル切換位置
即ちポンプ側から圧力制御弁19FL〜19RRへのライン圧の
供給を遮断して各圧力制御弁19FL〜19RRの戻り側ポート
21oをパイロット操作形逆止弁16に接続する中立圧保持
状態を継続させ、比例ソレノイド21s或いは定電流回路4
4FL〜44RRの異常による誤動作を防止してから処理を終
了する。 その後、イグニッションスイッチをオン状態としてエ
ンジン2を始動させることにより、その出力軸2aの回転
上昇に伴って油圧ポンプ1の回転も上昇して、その回転
に応じた吐出圧の作動油がライン圧配管5に供給され
る。 したがって、比例ソレノイド21sの制御系が正常状態
であるときには、フェイルセーフ弁12のソレノイド駆動
回路46にオン状態の異常検出信号ASが供給されているの
で、そのトランジスタがオン状態となって、ソレノイド
が通電されて、オフセット切換位置に切換えられている
ので、ライン圧配管5内の圧力が上昇して、これが圧力
保持部11で保持している保持圧PH以上となると、その圧
力が圧力保持部11の逆止弁14を介し、フェイルセーフ弁
12を介して各圧力制御弁13FL〜13RRに供給される。 また、圧力保持部11においては、フェイルセーフ弁12
のAポートの圧力でなるパイロット圧PPが中立圧PNを越
えた時点でパイロット操作形逆止弁16が開状態となって
圧力制御弁13FL〜13RRのドレンポート21oがオイルタン
ク3に連通される。 その後、油圧ポンプ1から吐出される作動油の圧力が
高くなって逆止弁14の上流側のライン圧PLがリリーフ弁
15の設定圧力PLを越えると、その超過分がリリーフ弁15
を通じ、ドレン配管13を通じてオイルタンク3に戻さ
れ、ライン圧が設定圧力PHに維持される。 この停車状態から車両を発進させて直進加速状態とす
ると、車体に後方加速度が生じることにより、前後加速
度センサの前後加速度検出値が正方向に大きくなり、
これに応じてステップで算出されるピッチ抑制指令値
(KP・)が正方向に大きくなるので、前輪側の電流指
令値CFL,CFRが中立電流相当値CNより小さくなり、逆に
後輪側の電流指令値CRL,CRRが中立電流壮図値CNより大
きくなることにより、前輪側の油圧シリンダ19FL,19FR
の推力が低下され、後輪側の油圧シリンダ19RL,19RRの
推力が増加される。この結果、加速時に生じる後輪側が
沈み込む所謂スカット現象を抑制して車体を略フラット
な状態に維持することができる。 その後、定速走行状態となると、前後加速度検出値
が略零となることにより、各油圧シリンダ19FL〜19RRの
圧力が中立圧PNに復帰する。 一方、車両が直進走行している間は、横加速度が発生
しないので、横加速度センサの横加速度検出値は零を
維持し、ロール抑制指令値(KL・)も零となってい
る。 しかしながら、車両が右(又は左)旋回状態となる
と、横加速度センサから旋回状態で発生する横加速度に
応じた正(又は負)の横加速度検出値が出力されるの
で、外輪側となる左側(又は右側)の油圧シリンダ19FL
及び19RL(又は19FR及び19RR)に対応する圧力制御弁13
FL及び13RL(又は13FR及び13RR)に中立電流INより大き
い励磁電流IFL及びIRL(又はIFR及びIRR)が供給される
と共に、内輪側となる右側(又は左側)の油圧シリンダ
19FR及び19RR(又は19FL及び19RL)に対応する圧力制御
弁13FR及び13RR(又は13FL及び13RL)に中立電流INより
小さい励磁電流IFR及びIRR(又はIFL及びIRL)が供給さ
れて車体のロールを抑制して略フラットな状態に維持す
る。 その後、車両が停車状態となる毎に、ステップ〜
の異常判定処理が実行され、ソレノイド駆動装置が正常
状態であるか異常状態であるかを判定し、異常状態とな
ったときには、前述したように、異常検出信号ASをオフ
状態として、フェイルセーフ弁12をノーマル切換位置に
切換える。このように、フェイルセーフ弁12がノーマル
切換位置に切換えられると、各圧力制御弁13FL〜13RRに
対する流体圧供給源FSからの作動油の供給が遮断され、
これに代えて圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート21iが
フェイルセーフ弁12のAポート及びBポート、絞り12c
を介して圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16に連
通されるので、圧力制御弁13RL.13RRの制御圧PCが徐々
に中立圧PNまで低下すると共に、アキュムレータ32F,32
Rの蓄圧PAも徐々に低下する。このとき、圧力制御弁13F
L〜13RR及びアキュムレータ32F,32Rからの戻り油は絞り
12cを通過することにより、各弁ユニット22F及び22Rに
おける戻り側連通路23sの背圧が上昇する。 そして、アキュムレータ32F,32Rの圧力PAが中立圧PN
まで低下した時点で、圧力保持部11のパイロット操作形
逆止弁16が全閉状態となり、各圧力制御弁13FL〜13RRの
戻りポート21oからオイルタンク3に到る流路が遮断さ
れて、圧力保持状態となる。 なお、上記実施例においては、ディザ信号発生回路41
として、正弦波発振器41aの正弦波を位相反転器41cで位
相反転させて(180°+x°)の位相差を有するディザ
信号D1及びD2を形成する場合について説明したが、これ
に限定されるものではなく、(180°+x°)の位相差
を有する2つの正弦波発振器を設けるようにしてもよ
く、さらには、正弦波に代えて方形波、三角波等を適用
することもでき、要は(180°+x°)の位相差を有す
るディザ信号D1及びD2を発生し得るものであればよい。 またさらに、上記実施例においては横加速度及び前後
加速度による車体のロール及びピッチを抑制する場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、各
車輪位置の上下加速度を検出して車体のピッチ、バウン
スを抑制したり、各車輪位置のストロークを検出して車
高調整を行うこともできる。 なおさらに、上記実施例では、電磁圧力制御弁を適用
したが、これに限らず電磁流量制御弁を適用することも
できる。 また、上記実施例においては、各圧力制御弁に対して
共通の圧力保持部11及びフェイルセーフ弁12を設けた場
合について説明したが、これに限らず圧力保持部11及び
フェイルセーフ弁12を個別に設けるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る能動型サスペンシ
ョン制御装置によれば、ユニット化された共通の連通路
を介して流体供給手段に接続された複数の制御弁に対す
る指令値に重畳するディザ信号に(180°+負荷系位相
差)分の位相差を設けた構成としたので、複数の制御弁
が接続された連通路内でのディザ信号による圧力変動が
干渉によって減衰して、連通路内の脈動を確実に防止す
ることができ、作動流体の脈動による不快音の発生を確
実に防止することができる効果が得られる。
ョン制御装置によれば、ユニット化された共通の連通路
を介して流体供給手段に接続された複数の制御弁に対す
る指令値に重畳するディザ信号に(180°+負荷系位相
差)分の位相差を設けた構成としたので、複数の制御弁
が接続された連通路内でのディザ信号による圧力変動が
干渉によって減衰して、連通路内の脈動を確実に防止す
ることができ、作動流体の脈動による不快音の発生を確
実に防止することができる効果が得られる。
第1図は本発明の一実施例を示す概略構成図、第2図は
圧力制御弁の指令電流と出力圧力との関係を示す特性線
図、第3図はコントローラの処理手順の一例を示すフロ
ーチャート、第4図(a)及び(b)はディザ信号を示
す波形図、第5図は励磁電流に対する推力のヒステリシ
ス特性を示す特性線図である。 図中、FSは流体圧供給源、11は圧力保持部、13FL〜13RR
は圧力制御弁、19FL〜19RRは油圧シリンダ(アクチュエ
ータ)、21sは比例ソレノイド、22F,22Rは弁ユニット、
23sは供給側連通路、23rは戻り側連通路、35は横加速度
センサ、38は制御装置である。
圧力制御弁の指令電流と出力圧力との関係を示す特性線
図、第3図はコントローラの処理手順の一例を示すフロ
ーチャート、第4図(a)及び(b)はディザ信号を示
す波形図、第5図は励磁電流に対する推力のヒステリシ
ス特性を示す特性線図である。 図中、FSは流体圧供給源、11は圧力保持部、13FL〜13RR
は圧力制御弁、19FL〜19RRは油圧シリンダ(アクチュエ
ータ)、21sは比例ソレノイド、22F,22Rは弁ユニット、
23sは供給側連通路、23rは戻り側連通路、35は横加速度
センサ、38は制御装置である。
Claims (1)
- 【請求項1】車体と各車輪との間に夫々介挿した流体シ
リンダと、該流体シリンダに作動流体を供給する流体供
給手段と、該流体供給手段及び流体シリンダ間に介挿さ
れ、指令電流に応じて流体シリンダに供給する作動流体
を個別に制御する複数の制御弁と、前記車体の姿勢変化
を検出する姿勢変化検出手段と、該姿勢変化検出手段の
検出値に基づき車体の姿勢変化を抑制する指令値を算出
し、これと高周波数のディザ信号とを重畳した指令電流
を前記各制御弁に供給する制御手段とを備えた能動型サ
スペンション制御装置において、前記制御手段は、流体
供給手段に対してユニット化された共通の流路を介して
接続された前記少なくとも2以上の制御弁に対するディ
ザ信号の位相を反転し且つ流体系の応答遅れを加味した
値に設定したことを特徴とする能動型サスペンション制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2260063A JP2699638B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | 能動型サスペンション制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2260063A JP2699638B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | 能動型サスペンション制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04135906A JPH04135906A (ja) | 1992-05-11 |
JP2699638B2 true JP2699638B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=17342795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2260063A Expired - Lifetime JP2699638B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | 能動型サスペンション制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2699638B2 (ja) |
-
1990
- 1990-09-27 JP JP2260063A patent/JP2699638B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04135906A (ja) | 1992-05-11 |
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