JP2699574B2 - 長尺伝熱管の製造装置および製造方法 - Google Patents

長尺伝熱管の製造装置および製造方法

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JP2699574B2 JP1232073A JP23207389A JP2699574B2 JP 2699574 B2 JP2699574 B2 JP 2699574B2 JP 1232073 A JP1232073 A JP 1232073A JP 23207389 A JP23207389 A JP 23207389A JP 2699574 B2 JP2699574 B2 JP 2699574B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内面に溝が形成されかつエンボス加工が施
された長尺伝熱管の製造装置および製造方法に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、この種の伝熱管において、内面に凹凸状のエン
ボス加工あるいは溝を形成する場合には、例えば引抜き
によって金属管の軸線方向に送りを与えながら、かつ金
属管の内部にプラグを挿入し、そしてこのプラグに金属
管を介してダイスを圧接させることにより行なわれてい
る。
[発明が解決しようとする課題] このため、上記従来の加工方法では、溝を形成したも
のに、さらに熱伝達性を向上させるためにエンボス加工
を施すことが難しく、このため内面に溝が形成され、か
つエンボス加工が施された伝熱管が今まで存在していな
かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内
面に溝が形成されかつエンボス加工が施された長尺の伝
熱管を得ることのできる製造装置および製造方法を提供
することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するため、請求項1記載の
長尺伝熱管の製造装置では、外周面に複数の突条が形成
された溝圧延ロールを有し該溝圧延ロールを供給される
帯状の伝熱管材料の一面に押し付けて溝を圧延する溝圧
延機と、外周面に複数の凹凸が形成されたエンボスロー
ルを有し該エンボスロールを前記溝圧延機から供給され
る前記伝熱管材料の溝側の面に押し付けてエンボス加工
を施して前記溝間の凸部にさらに凹凸を形成するエンボ
ス加工機と、このエンボス加工機で加工された前記伝熱
管材料をそのエンボス加工面を内側に曲げて筒状に成形
しながら継ぎ目部を溶接するパイプ成形機とを備えたも
のである。
また、請求項2記載の長尺伝熱管の製造装置では、請
求項1記載の長尺伝熱管の製造装置において、前記突条
は、その延在する方向が前記溝圧延ロールの軸方向に対
して傾けられているとともに、該軸方向における中間部
分を中心に左右対称に配置されているものである。
そして、請求項3記載の長尺伝熱管の製造装置では、
外周面に複数の突条が形成された溝圧延ロールを供給さ
れる帯状の伝熱管材料の一面に押し付けることにより、
溝を圧延する溝圧延工程と、外周面に複数の凹凸が形成
されたエンボスロールを前記溝圧延工程後に前記伝熱管
材料の溝側の面に押し付けることにより、エンボス加工
を施して前記溝間の凸部にさらに凹凸を形成するエンボ
ス加工工程と、このエンボス加工工程後に前記伝熱管材
料を、そのエンボス加工面を内側に曲げて筒状に成形す
るとともに、その継ぎ目部を溶接するパイプ成形工程と
を備えたことを特徴とする。
[作用] 本発明においては、溝圧延機で帯状の伝熱管材料に溝
を形成して、この伝熱管材料をエンボス加工機に供給す
ることにより、溝圧延ロールによって溝が形成されると
ともにエンボスロールによって溝間の凸部にさらに凹凸
が形成された長尺の伝熱管材料を得る。それから、この
伝熱管材料をパイプ成形機によって筒状に成形すること
により、長尺の伝熱管を得る。
また、前記溝圧延ロールの表面に形成された突条が、
その延在する方向が溝圧延ロールの軸方向に対して傾け
られているとともに、該軸方向における中間部分を中心
に左右対称に配置されている場合には、一方向のみに溝
が延在する場合に生じていた不具合、すなわち伝熱管材
料が送り方向と異なる方向に押されてしまうという不具
合が防止される。
[実施例] 以下、第1図ないし第6図を参照して本発明の一実施
例を説明する。
第1図は長尺伝熱管の製造装置を示す図であって、第
1図(a)は溝・エンボス等の加工装置、第1図(b)
は溝・エンボス等の加工装置で加工された素材状条をパ
イプ状に加工するパイプ成形装置、第1図(c)パイプ
成形装置で得られた伝熱管をレベルワイドコイル状に巻
く装置を示している。
第1図(a)において、1はアンコイラーであり、こ
のアンコイラー1から、厚さ0.2〜0.4mmの帯状に形成さ
れた軟質または半硬質の銅の素材条(伝熱管材料)2が
溝圧延機3に供給されるようになっている。
溝圧延機3は、上側の保持用のロール4と、この保持
用ロール4に素材条2を押し付けながら溝を圧延する下
側の溝圧延ロール5とを備えたものである。そして、各
ロール4、5は素材条の幅方向(紙面に直交する方向)
に複数設けられた多連ロール構造になっており、下側の
溝圧延ロール5は、第2図に示すように形成されてい
る。すなわち、溝圧延ロール5の外周面には、表面に隆
起して直線状に延びる対をなす突条5a、5bが3対形成さ
れており、これらの突条5a、5bは、その延在する方向が
該溝圧延ロール5の軸方向に対して傾けられているとと
もに、該軸方向における中間部分を中心に左右対称に配
置されている。そして、対をなす突条5a、5bと他の対を
なす突条5a、5bとの境には、周方向に連続して隆起する
仕切用の突条部5cが形成されている。この溝圧延ロール
5で圧延された素材条2は、第3図に示すように、溝2a
が形成される。この溝2aは、素材条2の幅方向のピッチ
が0.2〜0.5mmに形成され、その深さが0.1〜0.2mmに形成
されている。
上記溝圧延機3で溝2aが圧延された素材条2は、エン
ボス加工機6に送られるようになっている。
エンボス加工機6は、上側の保持用のロール7と、こ
の保持用ロール7に素材条2を押し付けながら溝2aが形
成された面にエンボス加工を施す下側のエンボスロール
8とを備えたものである。そして、各ロール7、8は素
材条の幅方向(紙面に直交する方向)に複数設けられた
多連ロール構造になっている。エンボスロール8は、円
筒状に形成されたものであり、その外周面には、第4図
(a)ないし第4図(c)に示すように、凹凸が形成さ
れたエンボス加工面8aが形成されている。そして、この
エンボス加工面8aは、放電加工によって形成され、その
凹凸の高さ方向の差が0.1〜0.2mmに形成され、該凹凸の
外周面に分布する方向のピッチが0.2〜0.5mmに形成され
ている。
上記エンボスロール8でエンボス加工が施された素材
条2は、この溝2a、2b間の凸部上面に、エンボスロール
8の外周面の押圧によって、エンボス加工面8aと同様の
形状のエンボス面2bが形成される。
上記溝2aおよびエンボス面2bが加工された素材条2
は、テンションローラ9、10によって、張力が与えら
れ、さらにスリッタ11によって長手方向に沿って切断さ
れて、コイラー12によって巻き取られるようになってい
る。
スリッタ11は、前記溝圧延ローラ5の突条部5cによっ
て素材状2に形成された長手方向に延びる溝部の中心を
切断するように配置されており、またコイラー12は、電
動モータで回転駆動することによって素材状2を巻き取
るようになっている。
このようにして、コイラー12に一旦巻き取られた素材
条2は、第1図(b)に示すパイプ成形装置でパイプ状
に成形される。
すなわち、コイラー12に巻き取られた素材条2は、そ
の溝2aが形成された側の面を上方に向けた状態でテンシ
ョンロール13、14を介して引き出され、ロールフォーミ
ング装置15で溝2aが内面となる筒状に成形され、その継
ぎ目部が高周波溶接機16によって溶接されるようになっ
ている。これにより、素材条2は、第5図に示すよう
に、溝2aおよびエンボス面2bを内面に有する伝熱管17に
なる。この実施例では、伝熱管17の外径が10mmに形成さ
れる。そして、上記ロールフォーミング装置15および高
周波溶接機16によって、パイプ成形機18が構成されてい
る。
このパイプ成形機18で成形された伝熱管17は、溶接歪
み等が整形ロール19によって矯正され、更に成形ダイス
20によって、所定の断面形状に形成されるようになって
いる。
すなわち、成形ダイス20は、第6図(a)、(b)に
示すように、伝熱管17の用途に合わせて、円形や長円形
等の断面の伝熱管17を成形できるようになっている。
このようにして、所定の断面形状に形成された伝熱管
17は、ベンディングロール21によって湾曲させられなが
ら、バスケット22内に巻き取られて保存されるようにな
っている。
このようにして蓄えられた伝熱管17は、第1図(c)
に示すように、バスケット22から引き出されて、他のベ
ンディングロール23により湾曲させられてレベルワイン
ドコイラー24でレベルワインドコイル25に成形され、こ
の状態で光輝焼なましを行った後、出荷されるようにな
っている。
上記のように形成された伝熱管17は、たとえば断面が
長円形状に形成されたものとして、第7図に示すフィン
コイル熱交換器や、第8図に示すサーペンタイン熱交換
器等に使用される。ただし、これらの図において、符号
31で示すものは、放熱用のフィンである。
上記のように構成された伝熱管の製造装置において
は、帯状の素材条2に溝2aを形成した後、連続して、そ
の溝2a、2a間の凸部上面にエンボス面2bを加工し、これ
により溝2aおよびエンボス面2bが形成された長尺の素材
条2を得る。そして、パイプ成形機18によって、素材条
2から連続して伝熱管17が成形される。
したがって、上記のように構成された伝熱管の製造装
置においては、溝2aおよびエンボス面2bが形成された長
尺の伝熱管17を製造することができる。しかも、連続し
て溝2aおよびエンボス面2bを形成することができるの
で、パイプ成形機18によるパイプ成形と相まって、極め
て能率よく、伝熱管17を成形することができる。また、
帯状で供給された素材条2に溝2aを形成するので、プラ
グを挿入して転造する場合には得ることのできない条数
の多い螺旋状の溝2aを成形することができる。さらに、
溝圧延ロール5に複数の突条5a,5bが形成されていて、
これらの突条5a,5bは、その延在する方向が溝圧延ロー
ル5の軸方向に対して傾けられているとともに、該軸方
向における中間部分を中心に左右対称に配置されている
から、一方向のみに溝が延在する場合に素材条2が送り
方向とは異なる方向に押されてしまうという不具合があ
るが、この不具合を防止することができる。また、異形
断面の伝熱管を容易に製造することができるから、管の
内面積を有効に利用できる断面形状の伝熱管を熱交換器
等に合わせて設計することができる。
なお、上記実施例においては、素材条2に溝2aおよび
エンボス面2bを形成する工程と、素材条2から伝熱管17
を形成する工程と、この伝熱管17をレベルワインドコイ
ル25に形成する工程とを分けて装置を配置するようにし
たが、素材条2の供給から、レベルワインドコイル25の
成形まで、連続して行うように装置を配置してもよいこ
とはいうまでもない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、帯状の伝熱管
材料に溝を圧延しながら連続して該溝が圧延された側の
面にエンボス加工を施すことができるから、溝およびエ
ンボス加工、すなわち溝間の凸部にさらに凹凸が施され
た長尺の帯状の伝熱管材料を得ることができる。そし
て、この伝熱管材料を筒状に成形して溶接することによ
り、内面に溝およびエンボス加工が施された長尺の伝熱
管を得ることができるという顕著な作用効果を奏する。
また、前記溝圧延機の溝圧延ロールの表面に形成され
た突条が、その延在する方向が溝圧延ロールの軸方向に
対して傾けられているとともに、該軸方向における中間
部分を中心に左右対称に配置されている場合には、伝熱
管材料が送り方向と異なる方向に押されてしまう不具合
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本発明の一実施例を示す図であっ
て、第1図(a)は圧延・エンボス加工の装置の構成を
示す図、第1図(b)はパイプ成形装置の構成を示す
図、第1図(c)はレベルワインドコイルを成形する装
置を示す図、第2図は溝圧延ロールを示す平面図、第3
図は溝圧延機で溝を成形した後の素材条の断面図、第4
図はエンボスロールの表面部の断面図、第5図は素材条
を筒状に成形する状態を示す説明図、第6図(a)は成
形ダイスで成形された伝熱管の断面の一例を示す図、第
6図(b)は他の成形ダイスで成形された伝熱管の断面
の例を示す図、第7図ないし第8図は伝熱管の使用例を
示す図であって、第7図はフィンコイル熱交換器を示す
斜視図、第8図はサーペンタイン熱交換器を示す斜視図
である。 2……素材条(伝熱管材料)、 2a……溝、 2b……エンボス面、 3……溝圧延機、 6……エンボス加工機、 17……伝熱管、 18……パイプ成形機、 20……成形ダイス。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に複数の突条が形成された溝圧延ロ
    ールを有し該溝圧延ロールを供給される帯状の伝熱管材
    料の一面に押し付けて溝を圧延する溝圧延機と、 外周面に複数の凹凸が形成されたエンボスロールを有し
    該エンボスロールを前記溝圧延機から供給される前記伝
    熱管材料の溝側の面に押し付けてエンボス加工を施して
    前記溝間の凸部にさらに凹凸を形成するエンボス加工機
    と、 このエンボス加工機で加工された前記伝熱管材料をその
    エンボス加工面を内側に曲げて筒状に成形しながら継ぎ
    目部を溶接するパイプ成形機とを備えたことを特徴とす
    る長尺伝熱管の製造装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の長尺伝熱管の製造装置にお
    いて、 前記突条は、その延在する方向が前記溝圧延ロールの軸
    方向に対して傾けられているとともに、該軸方向におけ
    る中間部分を中心に左右対称に配置されていることを特
    徴とする長尺伝熱管の製造装置。
  3. 【請求項3】外周面に複数の突条が形成された溝圧延ロ
    ールを供給される帯状の伝熱管材料の一面に押し付ける
    ことにより、溝を圧延する溝圧延工程と、 外周面に複数の凹凸が形成されたエンボスロールを前記
    溝圧延工程後に前記伝熱管材料の溝側の面に押し付ける
    ことにより、エンボス加工を施して前記溝間の凸部にさ
    らに凹凸を形成するエンボス加工工程と、 このエンボス加工工程後に前記伝熱管材料を、そのエン
    ボス加工面を内側に曲げて筒状に成形するとともに、そ
    の継ぎ目部を溶接するパイプ成形工程とを備えたことを
    特徴とする長尺伝熱管の製造方法。
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