JP2699473B2 - 超音波検査装置 - Google Patents

超音波検査装置

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JP2699473B2 JP63274201A JP27420188A JP2699473B2 JP 2699473 B2 JP2699473 B2 JP 2699473B2 JP 63274201 A JP63274201 A JP 63274201A JP 27420188 A JP27420188 A JP 27420188A JP 2699473 B2 JP2699473 B2 JP 2699473B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、超音波によって物体内部を検査する装置
に関する。
【従来の技術】
従来より、超音波検査装置は、とくに医学の分野にお
いて診断の重要な手段として定着してきている。現在医
用診断の手段として用いられている超音波診断装置は、
大多数が超音波の反射を利用して生体内部の組織の不連
続性を映像化しようとするものに過ぎず、軟部組織の病
変(癌や肝硬変など)に対しては識別能力がない。 そこで、最近、生体内部の弾性的な特性に関する情報
を得るため、生体外部から周波数10Hzないし1KHz程度の
低周波振動を加え、生体内部に伝わる振動変位の分布
を、同時に送波したプローブ用超音波により計測するこ
とが提案されている(山越芳樹、鈴木正人、佐藤拓宋:
低周波振動とプローブ用超音波を用いた弾性的特性の映
像系、日超医論文集 50 301 1987)。これは、同時
に送波した超音波の反射波の振幅の変化から内部の振動
振幅の大きさを間接的に推定し、その分布より内部の弾
性特性に関する情報を得ようというものである。 また、生体内部の振動振幅を超音波を用いて計測する
ため、任意の2つの時点で得られた超音波画像などの相
互相関関数を求め、そのピーク位置より移動量を推定し
ようという提案もなされている(稲葉克、八木晋一、中
山淑:RFエコー相関方による変位測定、日超医論文集 5
0 303 1987)。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者にあっては、内部振動振幅の直接
計測ができず、さらに反射振幅の統計的な変動を取り除
くために、得られた映像に移動平均処理を行なうことが
必要で、映像の分解能が劣るという問題点がある。 また、後者では、加振により内部の散乱体が超音波ビ
ームに対して回転してしまうと相互相関関数に明確なピ
ークが現われなくなり、このときに正確な変位量の測定
が難しいという問題点がある。 この発明は、被検査体内部の振動の振幅や位相の正確
な測定ができる、超音波検査装置を提供することを目的
とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1
記載の発明による超音波検査装置においては、被検査体
に対し低周波の機械的振動を加える手段と、該被検査体
に対して超音波を送ってその反射波を受ける超音波送受
手段と、該受波信号からドップラー効果による周波数変
調成分を取り出す手段と、該取り出した周波数変調成分
をフーリエ変換して上記低周波の機械的振動周波数につ
いての各次の高調波スペクトラムを求める手段と、該ス
ペクトラムの大きさから周波数変調の変調指数を求め、
振動振幅と変調指数との関係に基づいて上記低周波の機
械的振動による振動振幅を求める手段とが備えられるこ
とが特徴となっている。 また、上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請
求項2記載の発明による超音波検査装置においては、被
検査体に対し低周波の機械的振動を加える手段と、該被
検査体に対して超音波を送ってその反射波を受ける超音
波送受手段と、該受波信号からドップラー効果による周
波数変調成分を取り出す手段と、該取り出した周波数変
調成分をフーリエ変換して上記低周波の機械的振動周波
数についての各次の高調波スペクトラムを求める手段
と、該スペクトラムの偏角を導いて上記低周波の機械的
振動による振動位相を求める手段とが備えられることが
特徴となっている。
【作用】
被検査体に対し低周波の機械的振動を加えた状態で、
該被検査体に対して超音波を送ってその反射波を受ける
と、超音波の反射波は被検査体内部の振動によってドッ
プラー効果を受け、その周波数がシフトする。そこで、
受波信号からドップラー効果による周波数変調成分を取
り出し、これをフーリエ変換する。これにより、周波数
スペクトルが求められるので、上記低周波の機械的振動
周波数についての各次の高調波スペクトラムの大きさ
(たとえば各次の高調波スペクトラムの大きさの比)か
ら周波数変調の変調指数を求めることができる。振動振
幅と変調指数の間には特定の関係が認められるため、こ
の関係に基づいて上記の変調指数から上記低周波の機械
的振動による振動振幅が求められる。 また、上記のようにして受波信号からドップラー効果
による周波数変調成分を取り出し、この取り出した周波
数変調成分をフーリエ変換して上記低周波の機械的振動
周波数についての各次の高調波スペクトラムを求め、こ
のスペクトラムの偏角を導き出せば、上記低周波の機械
的振動による振動位相を求めることができる。 こうして得たデータの統計的な変動を押さえるための
移動平均処理などは不必要であり、このような処理を行
なわずとも空間的に高分解能なデータを得ることができ
るため、高分解能な画像が得られる。
【実 施 例】
つぎにこの発明の一実施例について図面を参照しなが
ら説明する。第1図の実施例において、メカニカルバイ
ブレータ12は低周波発振器14の出力を増幅する増幅器15
により駆動され、その先端に取り付けられた適当な大き
さの振動板(たとえばアクリル板でなる)13より被検査
体10の表面に一様な振動変位を与えるようにしている。
メカニカルバイブレータ12はばねばかり11でつるされて
おり、被検査体10の表面への振動板13の接触圧力が変え
られるようにされている。 超音波トランスデューサアレイ21は、振動板13からの
低周波振動が伝わらないように、柔らかいコンタクトゲ
ル22を間に挟んで被検査体10の表面に接触させられてい
る。このトランスデューサアレイ21にはパルス発生器23
からのこの実施例では3.5MHzの信号が増幅器24を介して
送られてきており、被検査体10の内部に超音波を送波す
る。被検査体10からの反射波がこのトランスデューサア
レイ21によって受波され、受波信号は増幅器26を経て、
90゜移相器31、乗算器32、33、ローパスフィルタ34、3
5、サンプルホールド回路36、37よりなる周波数変調検
出部と、エンベロープ検波器41、ローパスフィルタ42及
びサンプルホールド回路43よりなる振幅変調検出部とに
送られる。乗算器32、33はパルス発生器23からの周波数
3.5MHzの参照信号と受波信号とを乗算するもので、ロー
パスフィルタ34、35は高域カット周波数が約500KHzのも
のでこれにより高調波成分が除去される。このローパス
フィルタ34、35の出力はサンプルホールド回路36、37に
よりサンプリングされ、あらかじめ指定した測定点から
の信号だけが時系列信号として取り出される。 受波信号をそのまま及び90゜移相して2系統で処理を
行なっているのは直交検波方式とするためであり、サン
プリングされて得た信号は一方が実部、他方が虚部の信
号としてA/Dコンバータ51を経てマイクロコンピュータ5
2に取り込まれる。被検査体10を振動させる場合、その
内部の反射体の運動によって、反射してくる超音波はド
ップラー周波数シフトのほかに振幅変調も受けているの
で、振幅変調検出信号をA/Dコンバータ51を経てマイク
ロコンピュータ52に入力して、その影響を補正するよう
にしている。こうして各測定点ごとに低周波振動の振幅
が求められ、その2次元分布像がディスプレー装置53で
カラー表示される。なお、タイミング信号発生器54は各
部の動作タイミングを決めるための信号を発生する。こ
の実施例では、超音波送波パルスの繰り返し周期は最高
200μsであり、振動振幅測定のために加振周波数の第
5次高調波成分まで用いるとすると、約500Hzまでの低
周波振動を加えることができる。 つぎに、上記の実施例の動作原理を説明する。まず、
振動板13により被検査体10に対し10Hz〜1KHz程度の低周
波振動を加えると、その内部の反射体がその周波数で振
動するので、反射体の振動速度は式のように表わすこ
とができる。 V=VO sin ωbt ここで、ωは加えた振動の角周波数、VOは速度振幅
である。 こうして振動している反射体に向けて超音波を送波す
ると、この反射体で反射し、その反射超音波はドップラ
ー効果により周波数変調を受ける。このとき周波数シフ
ト量Δfは式で与えられる。 Δf=f(2V/C) =Δfmax sin ωbt ここでfは超音波の周波数、Cは音速であり、Δfmax
はドップラー効果による最大周波数シフトで、つぎのよ
うになる。 Δfmax=2f(VO/C) 一方、超音波トランスデューサアレイ21で受波した反
射波の受波信号r(t)は、 r(t)=ro sin(ωt+mf sinωbt+φ) と表わすことができる。ここで、roは反射超音波の振幅
であり、ωはドップラー効果を受けていないときの超音
波の角周波数、φは伝播による位相差である。また、mf
は周波数変調の変調指数であり、 mf=2πΔfmax と表わせる。 いま、反射体の振動振幅をξとすると、この変調指
数は、 mf=(4πf/C)ξ と表わすこともできる。 さて、受波信号r(t)からドップラー効果による周
波数変調成分のみを取り出すために、参照信号s(t)
を、 s(t)=so(cosωt+jsinωt) として、r(t)とs(t)とを乗算し(乗算器32、3
3)、ローパスフィルタ34、35で周波数2ω付近のスペ
クトラムを持つ信号成分を除去すれば、ローパスフィル
タ34、35の出力信号OLPF(t)は、 となる。ここで、Jn(x)はn次のベッセル関数であ
る。式をみると、OLPF(t)は直流分と角周波数
ω、2ω、3ω、…の輝線スペクトラムを持つこ
とが分かるが、そのi次のスペクトラムの大きさAiはつ
ぎの式で与えられる。 Ao=1/2 roso Jo(mf) Ai=roso Jo(mf) (i=1,2,…) つまり各スペクトラムの大きさは変調指数mfの関数に
なるため、振動振幅が変化するとそれに応じて各スペク
トラムの大きさが変化するようになる。このことより、
OLPF(t)のスペクトラムの大きさから変調指数を推定
すれば、その点での振動振幅が推定できることになる。
ここでは、隣り合う次数のスペクトラムの大きさの比か
ら振動振幅を推定するようにした。隣り合う次数のスペ
クトラムの比は、 A1/Ao =2J1(mf)/Jo(mf) Ai+1/Ai=2Ji+1(mf)/Ji(mf) となる。各スペクトラムの大きさと、それらの比の値を
変調指数をパラメータとして示すと第2図(a),
(b)のようになる。このようにして振動変位を推定す
るには、まずOLPF(t)のスペクトルを計算し、隣り合
うスペクトラムの大きさの比をとり第2図(b)を参照
して変調指数mfを求め、式から導かれる振動振幅と変
調指数との関係 ξ=(C/4πf)mf を使って振動振幅を求めればよい。しかし、第2図
(b)を見ても分かるように一般にスペクトラム比の大
きさに対してmfの値は多価となっており、このままでは
振動変位の一意な推定ができない。そこで、ここではス
ペクトラムの大きさを比較し振動振幅が入る大まかなレ
ンジを求め、それをもとに推定のために用いるスペクト
ラム比を適応的に変えることで内部振動変位を一意に推
定できるようにしている。具体的には、まずOLPF(t)
の直流成分、1次、2次、3次スペクトラム成分のなか
で、もし直流成分が最大の値をとれば、振動振幅は小さ
いことが予想されるからスペクトラムの直流成分と1次
の成分との比を用いて振動振幅を求める。直流成分が最
大でない場合には、1次成分と2次成分との比や、2次
成分と3次成分との比を用いて求める。このような方法
を高次のスペクトラムにまで適応していくことにより振
動振幅を一意に推定することができる。 この第1図の実施例での実験結果について説明する
と、まず、観測されたドップラー検出信号OLPF(t)は
第3図のようになった。この第3図(a)、(c)でO
1,LPF(t)、O2,LPF(t)はそれぞれOLPF(t)の実
部と虚部を表わす。ここでは、比検査体10として平均粒
径45μmのグラファイト粉末を重量比で1.5%混ぜたグ
ラファイト混入カンテンファントム(カンテン粉末の重
量比は1.5%)を用い、表面から40mm下の位置から反射
してくる超音波を捉えるようにした。第3図(a)は加
振した低周波振動の周波数を100Hzとし、メカニカルバ
イブレータ12への印加電圧を2VとしたときのO
1,LPF(t)、O2,LPF(t)を表わし、第3図(b)は
第3図(a)の信号をフーリエ変換して求めたスペクト
ラムである。また、第3図(c)は加振周波数は100Hz
のまま、メカニカルバイブレータ12への印加電圧を6Vに
上げたときのO1,LPF(t)、O2,LPF(t)を表わし、
第3図(d)はその信号をフーリエ変換して求めたスペ
クトラムである。この第3図(b),(d)から、さき
に原理を示したように、加振周波数とその高調波成分か
らなる輝線スペクトラムになっていることが分かる。こ
れら第3図(a),(b)と第3図(c),(d)とを
比較すると、メカニカルバイブレータ12への印加電圧が
高くなって振動振幅を大きくすれば、ドップラー検出信
号が歪み、高調波成分が大きく現われることがよく分か
る。 このスペクトラムの大きさの比から振動振幅が求めら
れるが、こうして求められた振動振幅を、直径約2.5mm
の領域内での振動振幅をサブミクロンの精度で非接触に
計測できる光変位計を用いて測定した結果と比較してみ
たところ、非常に高い精度となっていることが確認でき
た。まず、第4図(a)、(b)に示すように、水槽61
の底部に直径約20mmの円形の孔をあけ、そこにビニール
フィルム62を張り水63を入れたものを用意した。第4図
(a)では、縦10mm×横10mm×高さ5mmのカンテンのみ
のファントム64をこのビニールフィルム62上に接着し、
ファントム64の真下からメカニカルバイブレータ12及び
振動板13で振動を与え、水槽61の水面側に超音波トラン
スデューサアレイ21を配置してこのファントム64の表面
における振動振幅を測定した。第4図(b)では、この
ビニールフィルム62の上に反射体としてアルミニウム箔
65を張りつけ、光変位計のプローブ66を上方に配置して
振動振幅を測定した。ここでは加振周波数を100Hzとし
ており、メカニカルバイブレータ13に加える電圧を変化
させて振幅を変えて測定したところ、第5図のような結
果が得られた。この測定結果は、本実施例の場合も光変
位計を用いた場合も、表面上の5点で測定してその平均
値を求めたものである。この第5図から、この実施例に
よる測定値は、光変位計で得られた測定値とよく一致し
ており、振動振幅の定量的な測定が精度高くできること
が分かる。 ここまでの計測では、スペクトラム解析のために約10
0ms分の時系列データを用いて振動変位を推定したが、
映像を実時間的に得ようとすると、さらに短い時系列デ
ータからスペクトラム解析を行なう必要がある。一般に
ここで用いているような高調波成分の解析には最低、振
動の1周期分のデータがあればよいが、データ長が短い
とスペクトラム分解能が低下してしまう。そこで、さき
に示したグラファイト混入カンテンファントム63(第4
図)を用いて、振動変位の違う2点についてスペクトラ
ム解析のために用いるデータ長を変え、推定精度への影
響を実験的に評価した。その結果は、第6図に示され
る。この実験では100Hzで加振したが、最短の1周期分
のデータから推定した振動変位と5周期分のデータから
推定した振動変位とは、2点とも、ほぼ同じ値となって
おり、この場合は、1周期分のデータでも正しい測定が
できているといえる。このため、以降の実験では映像を
高速に得ることができる1周期分のデータを用いて振動
変位の測定を行なうこととしている。 つぎに、加振周波数について実験的に検討する。同一
のファントムに対して加振周波数を変えて内部の振動振
幅の分布を測定する。ファントムとして、比較的軟らか
いグラファイト混入カンテンファントム(カンテン粉末
の重量比;1.5%、グラファイト粉末の重量比;1.5%)の
中に縦50mm×横50mm×高さ50mmの比較的硬いファントム
(カンテン粉末の重量比;4%、グラファイト粉末の重量
比;1.5%)を埋め込んだものを使用した。第7図
(a),(b),(c),(d)にこのファントムでの
Y方向(奥行き方向)の振動変位の1次元分布を示す。
図中ファントム上端から40mmより90mmの点線で囲んだ部
分に硬いカンテンが埋め込まれているが、加振周波数が
20Hz(第7図(a))と60Hz(第7図(b))とでは2
つのカンテンの違いがこの図からはよく区別できていな
い。これは周波数が低いとファントム全体が振動してし
まうためと考えられる。また加振周波数が140Hz(第7
図(d))では硬いカンテン上面での弾性特性の違いが
よく映像化されているものの、周波数が高いため奥行き
方向への浸透が悪く硬いカンテンで振動が遮られてしま
っている。この中間の周波数100Hz(第7図(c))で
は、2つのカンテンの間の弾性的な特性の違いがよく映
像化されており、また硬いカンテンの下部に振動が入り
込まない部分が生じているものの、表面から約120mmを
超える部分で再び振動振幅が大きくなり、このようなフ
ァントムでは100Hz前後の加振周波数を用いればよいこ
とが分かる。 最後に、上記実施例で得られた内部の振動変位の映像
例を示す。実際には、ここで示す2次元画像はカラー画
像として表示されるが、ここではモノクロ画像として図
示している。第8図はカンテン粉末の重量比が1.5%で
グラファイト粉末の重量比が1.5%の一様なグラファイ
ト混入カンテンファントムに対して得た映像である。こ
こで、加振周波数は100Hzで、振動板13として30mm×20m
mの大きさのアクリル板を用いている。この図を見る
と、ファントム内部に伝わる振動振幅の様子がよく分か
る。一方、第9図は、第7図で示した実験で用いたのと
同じの内部に縦50mm×横50mm×高さ50mmの比較的硬いフ
ァントムを埋め込んだグラファイト混入カンテンファン
トムでの映像である。加振周波数は100Hzとし、図中点
線で囲まれた部分に硬いカンテンが埋め込まれている。
この像は、振動を硬いカンテンの真上から加えたときの
内部の振動変位分布を示すもので、振動の伝播の様子が
よく分かるが、硬いカンテンの上面と右側面に比べて左
側面と下面での違いがよく映像かできていない。そこ
で、振動板の位置を左に少し動かして映像をとり、両映
像の各画素ごとに、振動振幅の最大値をその画素の値と
して2つの映像を合成して、第10図に示すような映像を
得た。この映像では奥にいくほど振動振幅を上げるよう
な減衰補正を行なっており、また50μm以上の振動振幅
がある点はすべて同色で示している。このような処理に
より、内部の振動振幅から、ファントム外側の比較的軟
らかい部分と、内側の比較的硬い部分の弾性特性の違い
をより明瞭に区別して映像化できることが分かる。 第11図のように左上腕部にメカニカルバイブレータ12
と振動板13と超音波トランスデューサアレイ21とを密着
させ、IN VIVOでの内部振動変位分布を測定した。こう
して、第12図(a)、(b)に示すような内部振動分布
のY方向1次元像を得た。このとき、加振周波数は100H
zで、第12図(a)は筋肉を弛緩したとき、第12図
(b)は緊張させたときである。どちらも同じ部位を観
測し、メカニカルバイブレータ12への印加電圧も同じ場
合の結果であるが、筋肉を緊張させると、弛緩時に比べ
て一般に組織が硬くなって振動しにくくなる様子がよく
分かる。 なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変更可能で
ある。たとえば、上記の実施例では映像化すべき2次元
空間の各点について1点ずつドップラー効果による周波
数シフトを検出しているが、ドップラー効果による周波
数シフトの検出を同時に複数点で行なうようにしてリア
ルタイム性を実現することなども可能である。 また、振動振幅以外に、振動の伝搬速度に関連してい
る振動の位相分布を計測することも可能である。すなわ
ち、反射体の振動の位相φを考慮すると、上記式
は、 V=VO sin(ωbt+φ) ′ となる。このとき、反射波の受波信号は r(t)=ro sin{ωt+mf sin(ωbt+φ)+
φ} ′ と表わすことができる。これを参照信号(式)を用い
て直交検波すると、その複素検波信号(複素ドップラー
検出信号)OLPF(t)の実部O1LPE(t)、虚部O
2LPF(t)はつぎのようになる。 この′式、″式を見ると、振動に位相差φがあ
ると、周波数nωのスペクトラムに対してnφの位
相差を持つことが分かる。つまり′式、″式を各々
フーリエ変換し、そのωのスペクトラムの偏角を導出
すれば、φを求めることができる。そこで、先の振動
振幅測定と組み合わせれば、物体内部に伝わる振動の振
幅と位相の分布を同時に映像化できることになる。
【発明の効果】 この発明の超音波検査装置によれば、ドップラー効果
による周波数変調成分ををフーリエ変換して低周波の機
械的振動周波数についての各次の高調波スペクトラムを
求め、各次の高調波スペクトラムの大きさから周波数変
調の変調指数を求め、さらにこの変調指数から低周波の
機械的振動による振動振幅を求めるようにしているた
め、被検査体内部の低周波振動の振幅を数μmの精度で
直接的に測定することができる。また、低周波の機械的
振動周波数についての各次の高調波スペクトラムの偏角
を導いて、上記低周波の機械的振動による振動位相が求
めるようにしているため、加えた低周波振動による振動
の位相を直接的に測定できる。これらにより、生体軟部
組織の硬さの違いによる低周波振動加振に対する応答の
差を検出でき、癌の良性・悪性の区別などを容易に行え
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例のブロック図、第2図
(a)はドップラーシフトの各スペクトラムの大きさと
変調指数との理論的関係を示すグラフ、第2図(b)は
そのスペクトラムの比と変調指数との理論的関係を示す
グラフ、第3図(a),(c)は実際のドップラー検出
信号を示すグラフ、第3図(b),(d)はそれらのス
ペクトラムをそれぞれ示すグラフ、第4図(a),
(b)は振動振幅の測定精度を確認するための実験例を
示す模式図、第5図は上記の実験結果として得られたデ
ータを示すグラフ、第6図はデータ長と測定振動振幅と
の関係を示すグラフ、第7図(a),(b),(c),
(d)は加振周波数を変えたときの測定振幅の奥行き方
向の1次元分布を表わすグラフ、第8図、第9図及び第
10図は映像例をそれぞれ示す図、第11図はIN VIVO測定
例を示す模式図、第12図(a),(b)は第11図におい
て測定した振幅のY方向1次元分布を表わすグラフであ
る。 10……被検査体、11……ばねばかり、12……メカニカル
バイブレータ、13…振動板、14……低周波発振器、15、
24、25……増幅器、21……超音波トランスデューサアレ
イ、22……コンタクトゲル、23……パルス発生器、31…
…90゜移相器、32、33……乗算器、34、35、42……ロー
パスフィルタ、36、37、43……サンプルホールド回路、
41……エンベロープ検波器、51……A/Dコンバータ、52
……マイクロコンピュータ、53……ディスプレー装置、
54……タイミング信号発生器、61……水槽、62……ビニ
ールフィルム、63……水、64……ファントム、65……ア
ルミニウム箔、66……光変位計のプローブ、71……上腕
部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査体に対し低周波の機械的振動を加え
    る手段と、該被検査体に対して超音波を送ってその反射
    波を受ける超音波送受手段と、該受波信号からドップラ
    ー効果による周波数変調成分を取り出す手段と、該取り
    出した周波数変調成分をフーリエ変換して上記低周波の
    機械的振動周波数についての各次の高調波スペクトラム
    を求める手段と、該スペクトラムの大きさから周波数変
    調の変調指数を求め、振動振幅と変調指数との関係に基
    づいて上記低周波の機械的振動による振動振幅を求める
    手段とからなることを特徴とする超音波検査装置。
  2. 【請求項2】被検査体に対し低周波の機械的振動を加え
    る手段と、該被検査体に対して超音波を送ってその反射
    波を受ける超音波送受手段と、該受波信号からドップラ
    ー効果による周波数変調成分を取り出す手段と、該取り
    出した周波数変調成分をフーリエ変換して上記低周波の
    機械的振動周波数についての各次の高調波スペクトラム
    を求める手段と、該スペクトラムの偏角を導いて上記低
    周波の機械的振動による振動位相を求める手段とからな
    ることを特徴とする超音波検査装置。
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