JP4672879B2 - 振動計測方法及び超音波顕微鏡システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は振動計測方法及び超音波顕微鏡システムに関し、特に振動体に対して超音波を送受波して当該振動体の振動を計測する方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
生体に超音波を送受波して超音波診断を行う場合には超音波探触子が利用される。超音波探触子には超音波振動子が設けられ、かかる超音波振動子によって超音波の送受波がなされる。よって、超音波振動子の性能は超音波画像の画質を左右するものである。超音波振動子は、一般に、圧電体、その表面に接合された1又は複数の整合層、圧電体の裏面に接合されたバッキング層、などによって構成され、圧電体には信号電極やグランド電極などが設けられる。
【0003】
従来において、超音波振動子(あるいは圧電体単体)の性能の評価を行う場合、超音波振動子を水槽内に固定し、その超音波振動子を励振させ、その超音波振動子からの超音波を水槽内に望んで設けられたハイドロフォンなどの受波器によって検出していた。そして、受波器からの受信信号の波形を解析することにより超音波振動子の振動状態が評価されていた。
【0004】
上記の従来方法において、超音波振動子を中心として受波器を揺動させ、各揺動位置において超音波を観測すれば、音圧分布としての指向特性を得ることができる。あるいは、超音波振動子に対して受波器を並行移動させ、各移動位置において超音波を観測すれば表面音圧分布を得ることができる。しかしながら、そのような手法では単に音圧しか計測することはできず、超音波振動子において実際に生じている振動波形を微細に捉えることはできない。
【0005】
つまり、計測の分解能は受波器の直径や指向性に依存するが、現状において利用されている受波器は細径タイプのものであっても、例えば0.5〜0.15mm程度の直径を有し、計測の分解能として0.5〜0.2mm程度までしか得られない。
【0006】
近年、超音波振動子としてのアレイ振動子における素子ピッチは非常に小さくなってきており、素子の幅は例えば0.5〜0.15mm程度になってきている。そのような微細振動体に対しては最早従来方法によっては音圧分布を計測することは困難である。
【0007】
計測対象としては、上記のような医療用の超音波振動子の他、非破壊検査用の超音波振動子、その他の振動物質などがあげられるが、いずれにしても上記同様の問題を指摘できる。
【0008】
なお、レーザー光を利用して振動体の振動を計測する手法もあるが、水槽中における振動体を計測対象とする場合、水中におけるレーザー光の屈折や散乱などの影響が問題となり、また、計測装置の規模及びコストが大きくなるという問題がある。更に、レーザー光を利用する場合、例えば、圧電体に整合層及びバッキング層などが積層された組立体に対して、圧電体表面の振動を計測することは物理的に不可能であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、超音波を利用して振動体の振動を分解能良く計測することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、振動体の振動分布を計測できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、振動体を励振する工程と、前記振動体に対して超音波を送受波する工程と、前記超音波の送受波により得られた受信信号から位相を検出する工程と、前記検出された位相から前記振動体の振動変位を演算する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、振動体を励振させて振動体を振動させ、その振動状態にある振動体に対して超音波を送受波して受信信号を取得し、その受信信号の位相を検出して、その位相から振動変位が演算される。位相を検出しているので、観測用超音波の波長よりも計測分解能を高めることができる。
【0013】
望ましくは、前記演算された振動変位に基づいて前記振動体の振動波形を再現する工程を含む。同じ計測点について時間的に連なる複数の振動変位は振動の大きさの時間推移に相当するため、そのような時間的に連なる複数の振動変位から振動波形を再現するものである。この場合、振動面に対して多数の計測点を設定すれば振動分布を解析することもできる。
【0014】
望ましくは、前記振動体は超音波振動を生じる振動部材とそれに接合された第1部材とからなり、前記第1部材の振動変位が演算される。望ましくは、前記振動体は超音波振動を生じる振動部材であり、前記振動部材の振動変位が演算される。望ましくは、前記振動体は振動部材からの振動が伝達される第2部材であり、前記第2部材の振動変位が演算される。
【0015】
上記構成において、振動部材は例えば圧電体などであり、第1部材は例えば圧電体に接合された整合層(あるいはバッキング層)などである。振動部材それ自体の振動を計測することも可能であり、また、振動部材からの振動が伝達される部材の振動を計測することも可能である。上記の第2部材は例えば振動源からの振動が伝達されるガラスファイバなどであってもよく、その端面の振動を計測するようにしてもよい。
【0016】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、振動体を所定の励振周期で間欠的に励振する励振部と、前記各励振周期ごとにそれぞれ異なる計測タイミングで前記振動体の計測点に対して超音波を送受波し、各送受波ごとに受信信号を出力する送受波器と、前記各送受波ごとの受信信号から位相を検出する位相検出手段と、前記各送受波ごとに検出された位相から前記振動体の振動変位を演算する変位演算手段と、前記各送受波ごとに演算された変位に基づいて前記振動体の振動波形を再現する波形再現手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、振動体において繰り返し同様の振動状態を生じさせ、各励振周期において互いに異なる計測タイミングで振動変位を計測し、それらの振動変位を時間軸上に並べることによって、振動変位の時間変化すなわち振動波形を再現することができる。この構成によれば、1回の送受波で振動変位の連続的な変化を計測する場合に必要である極めて高速な計測回路を要することなく、それと同様の計測結果を得ることができる。
【0018】
望ましくは、前記計測点を走査する走査手段を含み、前記波形再現手段は前記計測点の各走査位置ごとに前記振動波形を再現する。この構成によれば、振動体の表面上において計測点を移動走査し、各位置において振動を計測することにより、振動体の表面における振動分布などを解析することが可能となる。
【0019】
望ましくは、前記送受波される超音波を前記計測点に集束させる手段を含む。そのような集束手段としては、音響レンズ、音響ホーンような機械的な手段の他、アレイ振動子を利用した電子的なフォーカスなどをあげることができる。もちろん、機械的な手段と電子的な手段とを組み合わせて利用するようにしてもよい。
【0020】
望ましくは、前記振動体は音響媒体内に設けられ、前記送受波器の少なくとも送受波面が前記音響媒体内に望んで設置される。音響媒体は例えば水、油などであるが、液体以外のものを利用するようにしてもよい。音響媒体は望ましくは液体槽などに収容され、あるいはバルーンのような柔軟な容器に収容され、当該容器を振動体と送受波器との間に介在させるようにしてもよい。
【0021】
望ましくは、前記音響媒体の物理的性状を計測するセンサを含み、前記センサの出力を参照しつつ前記振動体の振動変位が演算される。上記の物理的性状は、例えば温度、圧力などの超音波伝搬特性に影響を与えるものである。例えば、音響媒体の温度が変化するとその音響媒体中における超音波の音速が変化し、このため変位演算の精度が問題となるので音響媒体の温度から実音速を推定し、その音速を利用して精度良く変位を演算するようにしてもよい。
【0022】
望ましくは、前記計測タイミングの刻みを可変設定することにより再現分解能を変更する手段を含む。計測タイミングの刻みは振動波形を再現する場合における波形点の時間間隔に相当する。よって、振動体の振動周波数や要求される計測精度などに応じて、計測タイミングの刻みを可変設定するのが望ましい。
【0023】
(3)ここで、変位演算について説明する。送受波される計測用の超音波の周波数をω0とし、その計測用の超音波の送波時の位相(あるいは基準位相)をθ0とし、測定された位相をθiとし、音響媒体中の音速をv(T)とすると、振動体の変位u(x,y,ti)は、一般に、以下の計算式によって演算される。
【0024】
【数1】
u(x,y,ti)=v(T)・(θi−θ0)/(2・ω0) ・・(1)
上記計算式において、Tは音響媒体の温度であり、(x,y)は振動体の表面における計測点の座標であり、tiは各励振周期において超音波を送波した計測タイミング(後述のTpn(但しn=1,2,3,・・・))である。なお、上記の式においては媒体の音速は温度にのみ依存すると仮定した。計測タイミングを少しずつシフトさせて複数の変位を計測すれば、変位の時間変化として振動波形を再現できる。振動体の表面上に複数の計測点をマトリックス状に設定して上記同様に振動波形を求めれば、振動体の表面における二次元の振動分布を解析することもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1には、本発明に係る振動計測方法が適用される超音波顕微鏡システムの好適な実施形態が示されており、図1はシステムの全体構成を示す概念図である。
【0027】
図1に示す超音波顕微鏡システムは、例えば図2に示すように、検査対象としての振動体10の表面に1又は複数の計測点を設定し、各計測点ごとにそこで生じている振動の波形を再現する機能をもっている。図2においては振動体10の表面上に計測点A〜計測点Eが設定され、それぞれの計測点ごとに振動波形が再現されている。この超音波顕微鏡システムに関して図1を用いて詳述する。
【0028】
図1において、本実施形態においては、振動体10は超音波探触子内に設けられるアレイ振動子であり、このアレイ振動子は複数の短冊状の振動素子からなる圧電体アレイ12と、その圧電体アレイ12の上面に接合された1又は複数の整合層14と、によって構成されている。もちろん、圧電体アレイ12の下面側にバッキング層などが設けられる場合においても本発明を適用可能である。上記をより詳しく説明すると、図1の実施形態では、露出した整合層14の上面が振動計測の対象とされているが、後に図4で示すように圧電体自体を振動計測の対象としてもよく、また振動計測の対象は他の部材であってもよい。すなわち、振動を生じる部材自身及び振動が伝達される部材のいずれも計測対象とすることができる。
【0029】
振動体10は、図1に示されるように、水槽16内に位置決めされており、その水槽16内には音響媒体としての水18が収容され、その中央部に振動体10が設けられている。
【0030】
図示されるように、本実施形態においては、振動体10の下部が柱20によって支持固定されているが、もちろん振動体10の位置決め保持手段としては各種のものを利用可能である。いずれにしても、振動体10の振動を妨げないように当該振動体10を保持するのが望ましい。
【0031】
圧電体アレイ12の上面及び下面には電極層が形成されており、各電極層には信号線を介して振動体励振部30が接続されている。上面及び下面の2つの電極層の間に高電圧を印加することにより、振動体10それ自身に振動を生じさせることができる。
【0032】
温度センサ28は、音響媒体としての水18の温度を検出するものであり、このような水18の温度検出により、後に説明するように水中の実音速を推定することが可能となる。
【0033】
送受波器22は、例えば超音波探触子などの超音波を送受波するユニットとして構成され、その送受波器22の先端部内には単振動子あるいはアレイ振動子としての超音波振動子が内蔵されている。その超音波振動子の送受波面側には音響レンズが設けられ、このような音響レンズの作用により超音波が収束されて超音波ビーム24が形成される。この超音波ビーム24はいわゆるペンシルビームの形態をなしている。もちろん、例えばアレイ振動子に対する電子的なフォーカシング制御により電子的に超音波ビームを集束形成するようにしてもよく、あるいはそのような電子的な手段と機械的な手段とを組み合わせるようにしてもよい。
【0034】
いずれにしても、計測の分解能を高めるためには、できる限り振動体10の計測対象となる表面(図1の実施形態では整合層14の上面)上において超音波ビーム24の焦点が設定されるようにするのが望ましい。
【0035】
3軸ステージ26は、送受波器22を三次元方向に自在に搬送する機構であり、垂直方向に送受波器22を運動させることにより計測点に焦点距離を合わせることが可能である。また、送受波器22をX方向及びY方向に水平に移動させることにより計測点をスキャンすることなどが可能である。例えば、後に図2に示すように、このような計測点の切り換えあるいは移動走査を利用して、圧電体アレイ12を構成する各振動素子ごとに振動波形の計測を行うようにしてもよい。
【0036】
送信部32は切換器34を介して送受波器22に対して送信信号を供給する。その送信信号は例えば50MHz〜1GHzの範囲内におけるいずれかの周波数を有しているが、もちろん本発明はそのような周波数には限定されない。振動計測の分解能を高めるためにはできる限り高い周波数を利用することが望ましいが、周波数を高めると回路構成上のコストが高まるため、要求される分解能や計測精度などに応じて超音波の周波数を選択するようにするのが望ましい。本実施形態においては、後に説明するように、計測制御部42によって送受波する超音波の周波数を可変設定することができる。
【0037】
切換器34は、送受波器22に対して、送信時においては送信部32を接続し、受信時においてはアンプ36を含む受信信号処理回路を接続する回路である。
【0038】
受信信号はアンプ36によって増幅された後、そのままのRF信号の状態で位相検出器38に入力される。この位相検出器38は、受信信号の位相を検出する公知の回路であり、このような位相検出によって単に受信信号のエンベロープによって振動計測を行う場合よりも計測分解能を高めることが可能となる。このように検出された位相の情報は、メモリ46上に格納される。具体的には、後に説明するように、励振周期内における計測タイミングの情報と関連付けて各位相の情報が格納される。位相の検出に当たってはドプラシフト情報の検出を行う方式を利用するようにしてもよく、それ以外にも公知の各種の手法を利用できる。
【0039】
計測制御部42は、本システム全体の動作制御を実行しており、具体的には、上述した振動体励振部30に対して図3に示す基準クロック(a)を出力し、また、送信部32に対して図3に示す送信タイミング信号(c)を出力している。また、計測制御部42は、計測点を設定するために3軸ステージ26に対して座標情報を出力しており、さらに位相検出器38に対して位相を検出するための基準位相の情報などを出力している。加えて、この計測制御部42は、図示されていない入力装置などから入力されたユーザーの指令に基づいて送信部32が生成する送信信号の周波数の設定も行っている。
【0040】
演算部48は、本実施形態において変位を演算する機能と振動波形を再現する機能とを有している。具体的には、演算部48はメモリ46に格納された位相の情報から変位を演算している。その場合、例えば上述した(1)式などが実行される。また、演算部48は時間軸上において求められた複数の変位を連結することにより振動波形を再現する演算を行っている。このように再現された振動波形が図3において(e)で示されている。表示部52にはそのような再現された振動波形が表示され、あるいは必要に応じて振動体10の表面上における振動分布などが波形表示あるいは数値表示される。温度テーブル50には、水槽16内における水18の温度と水中の音速との関係が格納されており、演算部48は温度計測部40が温度センサ28の出力信号に基づいて出力する温度情報に基づいて温度テーブル50にしたがって超音波の音速を特定し、その音速に基づいて上述した(1)式などの演算を実行する。
【0041】
ちなみに、図1に示す実施形態において、被測定物である圧電体アレイ12を構成する各振動素子は例えば0.5mm×0.5mm×11mmの大きさを有し、その公称中心周波数は3.5MHzである。また図3(a)に示される基準クロックの周波数は1kHzである。振動体励振部30は本実施形態において図3(b)で示すタイミングで、励振パルスとして振幅約20Vppのバースト波を出力している。そのようなバースト波としては以下に説明する送受波器22の音響特性における中心周波数に対応したものが用いられる。また、送受波器22における音響的な特性について説明すると、その中心周波数は220MHzであり、超音波ビーム24のフォーカス点の直径は15μm以下であり、その超音波の波長も10μm以下である。また送受波器22から出力される超音波はバーストパルスであり、その波数は例えば10波である。焦点距離に関しては例えば約2mmであり、すなわち振動体10に対して送受波器22が極めて近接した状態において計測が実行される。なお、図3(b)に示した励振パルスの時間幅は例えば200msecである。
【0042】
次に、図1を参照しながら図3を用いて本実施形態に係る振動計測方法について詳述する。
【0043】
計測制御部42から振動体励振部30に対して図3(a)で示す基準パルスが繰り返し出力される。振動体励振部30は、各基準パルスから所定の時間差Tmをもって図3(b)に示すように励振パルスを出力する。これにより、図3(b)に示すように、振動体10(つまり、圧電体アレイ12及びその振動が伝達される整合層14)が間欠的あるいは連続して振動状態におかれる。
【0044】
一方、計測制御部42は送信部32に対して図3(c)に示す送信タイミングパルスを出力しており、この場合においては、基準パルスの各周期ごとに異なるタイミングで送信タイミングパルスが出力されている。具体的には、図3においてTp1〜Tpnのn個の基準パルスからの時相ずれをもって送信タイミングパルスが生成され、それにしたがって超音波の送受信が実行される。この状態が図3(d)に示されている。
【0045】
このように超音波の送受信を繰り返し行うと、メモリ46には、各周期ごとに異なる送信タイミングにおける位相の情報が格納され、演算部48はそれぞれの位相の情報ごとに変位を演算し、その変位を送信タイミングのずれ量の大きさにしたがって時間軸上に並べることにより、図3(e)に示すような振動波形を再現できる。この場合においては、水の温度にしたがって水中の実音速が温度テーブル50によって求められ、そのような実音速が上述した(1)式内に代入され、当該計算式を実行することにより変位が演算されている。
【0046】
以上のような一連の振動計測工程が各計測点ごとに実行されると、具体的には振動体10における所定面(整合層14の上面)上に1次元又は2次元的に設定された複数の計測点ごとに実行されると、当該表面上における振動分布を得ることが可能となる。
【0047】
上記の実施形態において、計測分解能を高めるためには、図3(c)に示した送信タイミングパルスの種類すなわちタイミングの刻みを可変するようにすればよく、また超音波の周波数を可変設定するようにすればよい。さらに二次元的な振動分布の分解能を高めるためには計測点の設定密度を大にするようにすればよい。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、実際に振動を生じている物質に対して他の部材が重合されている場合においても、その振動部分の振動解析を行うことが可能であり、具体的には、例えば圧電体に対して整合層や音響レンズあるいはバッキング層などが貼り付けられている場合においても圧電体の振動状態を観察することが可能となる。さらに、本実施形態においては振動体10において同じような振動状態を繰り返し再現し、各振動状態において異なるタイミングで変位を計測することによって最終的に振動波形を再現することができ、極めて高速の振動解析演算を行うことなくそれと同等の解析結果を得ることができるという利点がある。
【0049】
次に、図4及び図5を用いて他の実施形態について説明する。なお、図1に示した実施形態と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図2に示す実施形態では、水槽16内に圧電体アレイ52が振動体として設けられている。この圧電体アレイ52は1次元又は2次元配列された複数の圧電体によって構成され、例えば0.5×0.5×0.35mmの大きさを有し、必要に応じて、各圧電体ごとに振動分布の解析を行うこともできるし、圧電体アレイの全体にわたって振動分布の解析を行うこともできる。図4の実施形態では、圧電体アレイの上面に超音波ビーム24が収束するように当該超音波ビーム24が形成されている。図1の実施形態では、計測対象である振動体が振動を生成する振動源とその振動が伝達される部材とで構成され、後者の部材について実際に振動が計測されていたが、この図4に示す実施形態では、振動体が振動源によって構成され、それ自身の振動が計測される。
【0051】
図5に示す実施形態では、振動源54からの振動がそれに連結された1又は複数のガラスファイバ56に伝達され、そのガラスファイバ56の端面56Aの振動が計測される。振動源54は例えば直径2mmのPZT円盤(厚さ0.35mm、公称中心周波数3.5MHz)である。振動源54で生成された振動がガラスファイバ56の一方の端面に伝達され、そこからガラスファイバ56を通った振動が他方の端面56Aに伝達され、そこで生じた振動分布が解析される。
【0052】
以上の各図に示した構成例は一例であって、本発明は各種の変形及び応用が可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、超音波を利用して振動体の振動を分解能よく計測することができる。また、本発明によれば、振動体の振動分布を計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る超音波顕微鏡システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】 振動体における各計測点での振動波形を示す概念図である。
【図3】 各信号のタイミング関係を示すタイミングチャートである。
【図4】 他の実施形態に係る超音波顕微鏡システムの全体構成を示す概念図である。
【図5】 更に他の実施形態に係る超音波顕微鏡システムの全体構成を示す概念図である。
【符号の説明】
10 振動体、16 水槽、20 柱、22 送受波器、24 超音波ビーム、26 3軸ステージ、28 温度センサ、30 振動体励振部、32 送信部、38 位相検出器、40 温度計測部、42 計測制御部、46 メモリ、48 演算部、50 温度テーブル、52 表示部。
Claims (7)
- 振動体を所定の励振周期で間欠的に励振する工程と、
前記各励振周期ごとにそれぞれ異なる計測タイミングで前記振動体の計測点に対して超音波を送受波し、各送受波ごとに受信信号を取得する工程と、
前記各送受波ごとの受信信号から位相を検出する工程と、
前記各送受波ごとに検出された位相から前記振動体の振動変位を演算する工程と、
前記各送受波ごとに演算された変位に基づいて前記振動体の振動波形を再現する工程と、
を含むことを特徴とする振動計測方法。 - 振動体を所定の励振周期で間欠的に励振する励振部と、
前記各励振周期ごとにそれぞれ異なる計測タイミングで前記振動体の計測点に対して超音波を送受波し、各送受波ごとに受信信号を出力する送受波器と、
前記各送受波ごとの受信信号から位相を検出する位相検出手段と、
前記各送受波ごとに検出された位相から前記振動体の振動変位を演算する変位演算手段と、
前記各送受波ごとに演算された変位に基づいて前記振動体の振動波形を再現する波形再現手段と、
を含むことを特徴とする超音波顕微鏡システム。 - 請求項2記載のシステムにおいて、
前記計測点を走査する走査手段を含み、
前記波形再現手段は前記計測点の各走査位置ごとに前記振動波形を再現することを特徴とする超音波顕微鏡システム。 - 請求項2記載のシステムにおいて、
前記送受波される超音波を前記計測点に集束させる手段を含むことを特徴とする超音波顕微鏡システム。 - 請求項2記載のシステムにおいて、
前記振動体は音響媒体内に設けられ、
前記送受波器の少なくとも送受波面が前記音響媒体内に望んで設置されたことを特徴とする超音波顕微鏡システム。 - 請求項5記載のシステムにおいて、
前記音響媒体の物理的性状を計測するセンサを含み、
前記センサの出力を参照しつつ前記振動体の振動変位が演算されることを特徴とする超音波顕微鏡システム。 - 請求項2記載のシステムにおいて、
前記計測タイミングの刻みを可変設定することにより再現分解能を変更する手段を含むことを特徴とする超音波顕微鏡システム。
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