JP5491671B2 - 関心領域の粘弾性の平均値を測定するための方法 - Google Patents
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Description
より詳細には、本発明は生体組織などの軟質材料の平均の弾性率の値の測定に適用される。
弾性率計測技術は通常、MRIまたは超音波などの既存の画像診断(イメージングモダリティ)の追加の特徴として、医用イメージングシステムに実装されている。
幾つかの弾性率計測技術が開発されており、現在臨床評価段階にあるものや、既に医用イメージング製品に組み込まれているものがある。
そうした方法は、この過渡振動が与えられる手法が外的なものである(たとえば、振動を発生させる特定の外部装置を用いる)か、内的なものである(たとえば、組織に超音波を集中させて超音波放射力を発生させることによって生じる振動を用いる)かによって分類される。
それらの弾性率計測法はすべて、イメージングの実行される連続的な関心領域(ROI)を定義するという意味においてイメージング技術であり、イメージングは、このROIの全体において、かつ、このROIにおいてのみ実行される。
通常、これらのイメージング技術は時間と処理を要し、大体の場合、組織に多量のエネルギーを投入する必要がある。
弾性率計測技術は、たとえば病変位置が特定されると、適切に用いられる。
きる。
興味深い用途として、弾性の滑らかな空間変位を誘発する病状、たとえば肝線維症の評価、脈管疾患の評価、または筋肉弾性の監視がある。
現在の所、全体的かつ高速な組織の弾性推定を提案する超音波に基づく技術は、特許文献1に記載されているもののみである。
この技術は、1つの超音波線に沿って推定される弾性率の値が、組織全体の平均弾性率を十分かつ堅牢に示すという仮定に依存している。
このため、この技術によって早期の肝硬変を識別することは困難である。
この目的のため、本発明は、少なくとも1つのトランスデューサアレイを備える1つのプローブを使用し、軟質材料の平均の粘弾性の値を測定する方法を提供する。この方法は、
a)制限ゾーンにおいて、制限ゾーンから組織に伝播する内部せん断波を組織に発生させるために、機械的振動の少なくとも1つのバーストを誘起する誘起ステップと、
b1)トランスデューサアレイにより、組織において制限ゾーンから離れて位置する少なくとも1つの第1測定ゾーンにおける過渡組織変位を測定する測定ステップと、
c)第1測定ゾーンにおいて組織について測定した過渡組織変位から、組織のうち制限ゾーンと第1測定ゾーンとの間に位置する領域の平均粘弾性を推定する推定ステップとを含む。
「単一プローブ」とは、波を発生させることが可能であり、最終的には固定の構成にグループ化される1つまたは所与の数のトランスデューサを含む装置と理解される。
b2)少なくとも1つの第2トランスデューサにより、組織において制限ゾーンおよび第1測定ゾーンから離れて位置する少なくとも1つの第2測定ゾーンにおける過渡組織変位を測定する測定ステップと、
c’)両測定ゾーンにおいて組織について測定した過渡組織変位から、組織のうち両測定ゾーンの間に位置する領域の平均粘弾性を推定する推定ステップとを含む。
本発明では、過渡組織変位は、せん断波群速度、せん断波位相速度、せん断波減衰、せん断粘度、およびせん断弾性率からなる群に含まれる少なくとも1つの機械的パラメータから求められてもよい。
したがって、この機械的振動は、自然に発生するものであってもよく、人工的に発生させるものであってもよい。
超音波は、組織内で放射圧の力を発生させるのに特に適している。この力が組織における運動を、ひいてはせん断波の伝播を誘起する。
このような特徴は弾性率計測の分野において周知であり、弾性率計測では、せん断波の伝播に続いて変位構造に超音波を送り、変位構造におけるエコーを利用する。
好適な一実施形態では、測定線は制限線または他の測定線から距離R・λだけ側方に離れており、Rは2以上の実数であり、λは組織の変位を測定するために使用される波の波長である。
これによって、平均粘弾性の特定を行うのに十分なほど、伝播するせん断波が制限ゾーンおよび測定ゾーンから、または第1測定ゾーンから別の測定ゾーンまで異なる領域が定義される。
有利には、この検出は、所定の深度における測定ゾーンの少なくとも1つの点における変位のピークである、強度の最大値の検出を用いて実行される。
そうした相互相関の計算により、せん断波による線の交差を容易に制御して、2本以上の線の間の伝播時間を決定することができる。
通常、この特徴により、2つのバースト間の時間間隔を増加させることができ、組織に誘起されるエネルギーの破壊的な効果が回避される。
一実施形態において、この方法は、汎用のトランスデューサにより実施される場合、測定ゾーンにおける過渡組織変位を測定することによって測定ステップb)を実行するために、そのトランスデューサアレイのうちの少なくとも1つのトランスデューサの試料を選択するステップを含む。
汎用のトランスデューサアレイを用いるこの実施形態では、この方法は、有利には、バーストを発生させることによって誘起ステップa)を誘起するために、そのトランスデューサアレイのうちの少なくとも1つのトランスデューサの試料を選択するステップを更に含む。
これら2つの追加の特徴により、汎用のトランスデューサアレイの挙動が個々に制御可能になると、本発明の方法を実施するために、これらのトランスデューサアレイを使用できる。
本発明は更に、軟質材料の平均粘弾性を測定するための装置に関する。この装置は、
a)制限ゾーンにおいて、制限ゾーンから組織に伝播する内部せん断波を組織に発生させるために、機械的振動の少なくとも1つのバーストを誘起するための手段と、
b1)組織において制限ゾーンから離れて位置する少なくとも1つの第1測定ゾーンにおける過渡組織変位を測定するための手段と、
c)第1測定ゾーンにおいて組織について測定した過渡組織変位から、組織のうち制限ゾーンと第1測定ゾーンとの間に位置する領域の平均粘弾性を推定するための手段と、を備える。
b2)組織において制限ゾーンおよび第1測定ゾーンから離れて位置する少なくとも1つの第2測定ゾーンにおける過渡組織変位を測定するための手段と、修正した手段c’)、すなわち、
c’)両測定ゾーンにおいて組織について測定した過渡組織変位から、組織のうち両測定ゾーンの間に位置する領域の平均粘弾性を推定するための手段と、を含む。
最後に、本発明は、本発明の一方法によって軟質材料の平均粘弾性を測定する機能を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
トランスデューサ2は「プッシング(pushing)」トランスデューサとして性質が決められ、たとえば中心周波数3MHzで動作する。
超音波ビームBは、組織3にせん断波SWを発生させることが可能であるような出力を有してもよい。
プローブ1は、プッシング要素2の制御を行うプログラム可能な1つの放射チャネルECと、イメージング要素T1,T2の制御を行うプログラム可能な2つの送信/受信チャネルRC1,RC2とによって電子的に制御される。
メモリ4に対するアクセスを有するコンピュータ上で、またはメモリ4とチャネルEC,RC1,RC2への接続とを備える専用の処理システム5上において、リアルタイムで処理が行われる。
この目的のために、プローブ1は、検査する組織3(たとえば、肝臓の筋肉または動脈壁)の表面に配置される。高出力超音波ビームB(たとえば、3MHz)がプッシング要素2によって生成されて、組織3にせん断波SWが生じる。
このような組織における変位の測定は弾性率計測分野において周知であり、当業者に知られている方法を用いて行われてよい。
その後、組織変位または速度Vが、超音波線L1,L2に沿って時間tの関数、すなわち、V1(z1,t)およびV2(z2,t)として評価される。ここで、z1,z2はそれぞれL1,L2に沿った深度であり、tは時間である。
場の変位を合計した所望の深度は、場の深度または単に狭い範囲をカバーするように選択できる。第2の例として、様々な深度に位置する様々な薄片の測定を繰り返し行うことができる。この場合、深度の関数である推定パラメータCT(z)が利用できる。
図2は、本発明に係る測定装置の第2実施形態を示す。
平均粘弾性測定と表示によるリアルタイムの超音波検査システムがいかに達成されるかについて、以下に説明する。
図2に示すように、このようなビームBは、トランスデューサアレイ10の側面のうちの1つの側面に設置されたトランスデューサグループGTbによって放射された超音波を、限定的に集束させることによって取得してもよい。
有利には、まず関心領域の超音波イメージを計算するために、標準の超音波イメージングシーケンスを行う。この工程は約20msである。
弾性率の値を超音波検査イメージの側に表示してもよい。このように結合させることは、弾性増加によって特徴付けられる病理上興味深い箇所を医師が特定する際の補助として興味深い。
Claims (11)
- 軟組織の機械的性質を測定するための方法であって、
組織にせん断波を生じさせるのに十分な出力を有するプッシング超音波ビームを生成するように、プローブのプッシングトランスデューサを制御する工程と、
複数のパルスを送ることによって、2本の超音波線に沿って誘起された変位を追跡し、せん断波に対する組織の過渡応答のサンプリングを行うように、プローブの第1および第2のイメージングトランスデューサを制御する工程であって、第1および第2のイメージングトランスデューサは2本の超音波線に沿って組織のイメージングを行うように構成されている、前記工程と、
動き推定アルゴリズムと、前記2本の超音波線に沿った変位データを時間の関数として評価した評価結果とを用いて、前記2本の超音波線の間に位置する媒質におけるせん断波の全体的な機械的パラメータを推定する工程と、を備える方法。 - プローブは、1次元プローブである、請求項1に記載の方法。
- プローブは、超音波検査イメージングシステム用のアレイプローブである、請求項1に記載の方法。
- プッシングトランスデューサは、前記複数のパルスの周波数よりも低い周波数を有するプッシングシーケンスを用いるように制御される、請求項1に記載の方法。
- 機械的パラメータは、せん断波の速度を含む、請求項1に記載の方法。
- 場の変位は、場の深度をカバーするように、関心の深度について合計される、請求項1に記載の方法。
- 場の変位は、場の深度よりも狭い範囲をカバーするように、関心の深度について合計される、請求項1に記載の方法。
- 様々な深度に位置する様々な薄片について測定が繰り返される、請求項1に記載の方法。
- 前記プローブを用いてイメージングのシーケンスがさらに実行される、請求項1に記載の方法。
- 超音波イメージと全体的な弾性推定とをリアルタイムで供給するように継続的にループ化されている、請求項9に記載の方法。
- 軟組織の機械的性質を測定するための方法であって、
組織にせん断波を生じさせるのに十分な出力を有するプッシング超音波ビームを生成するように、プローブのプッシングトランスデューサを制御する工程と、
複数のパルスを送ることによって、超音波線に沿って誘起された変位を追跡し、せん断波に対する組織の過渡応答のサンプリングを行うように、プローブの第1のイメージングトランスデューサを制御する工程であって、第1のイメージングトランスデューサは超音波線に沿って組織のイメージングを行うように構成されている、前記工程と、
動き推定アルゴリズムと、超音波線に沿った変位データを時間の関数として評価した評価結果とを用いて、せん断波の発生ゾーンと前記超音波線との間に位置する媒質におけるせん断波の全体的な機械的パラメータを推定する工程と、を備える方法。
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