JP2699282B2 - 色収差を利用した二重焦点検出装置 - Google Patents

色収差を利用した二重焦点検出装置

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JP2699282B2
JP2699282B2 JP1043292A JP4329289A JP2699282B2 JP 2699282 B2 JP2699282 B2 JP 2699282B2 JP 1043292 A JP1043292 A JP 1043292A JP 4329289 A JP4329289 A JP 4329289A JP 2699282 B2 JP2699282 B2 JP 2699282B2
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、色収差に利用した二重焦点光学系を使用
したX線露光装置等におけるマスクとウエハーの位置検
出装置に関する。
[従来の技術] 本件発明者は、色収差を利用した二重焦点光学系を利
用して、例えば微小距離離れたマスクとウエハー上のマ
ークパターンを同時に検出する二重焦点を有するアライ
メント位置検出装置を提案している。(特願昭62−1961
74号および特願昭63−30600号参照) 以下、この色収差を利用した二重焦点光学系の原理を
図面を参照して説明する。
一般に対物レンズは波長の異なる光線に対して色収差
を有し、例えばg線(λ=435nm),e線(λ=546nm)の
2種の光線に対しそれぞれ異なった焦点距離を有してい
る。したがって、同一物点上にあるマークをg線の光を
使用して結像させた像点とe線の光を使用いて結像させ
た像点は異なることになる。
例えば、開口数N.A.=0.4,倍率n=10倍の対物レンズ
の焦点距離は、e線,g線の光に対しそれぞれFe=12.5m
m,Fg=12.74mmとなり、物点距離Sを13.75mmとしたとき
に生ずる像点距離S′はそれぞれS′g=137.5mm,S′
g=137.615mmとなる。
このような対物レンズを使用してその光軸方向に微小
間隔δだけ離れた物点、例えばマスクとウエハーが第13
図に示すようにそれぞれ光軸上のM,M′に位置している
とすると、対物レンズOのg線およびe線の光の焦点距
離Fg,Feが異なるため、実線で示すg線および点線で示
すe線の光によるマスクM上のマークの像は光軸上の距
離S′2,S′離れたC,D点にそれぞれ生じ、ウエハー
M′上のマーク像は光軸上の距離S′1,S′離れたB,C
点にそれぞれ生ずることになる。つまり、対物レンズO
の色収差によって光軸上のC点にはマスクM上のマーク
とウエハーM′上のマークの像が同一のC点位置に生じ
ることになる。ただし、マスクM上のマークはg線の光
により形成された像であり、ウエハーM′のマークはe
線の光により形成された像である。
今、C点に例えばテレビカメラ等の検出系を置いて観
察したとすると、マスクM上のマークとウエハーM′上
のマークを同時に観察することができるが色収差のため
にそれぞれにじみの像を伴って観察される。このにじみ
の像をg線の光をカットしてe線の光を透過するフィル
タおよび逆にg線の光を透過してe線の光をカットする
フィルタを組み合せた、いわゆるパターンバリアフィル
タを使用することにより、それぞれ色収差のにじみを除
去することができ、同一のC点においてそれぞれ異なっ
た位置にあるマスクとウエハー上のアライメントマーク
の像を同時に観察することが可能となる。
以下、このパターンバリアフィルタについて、第14図
〜第16図を参照して簡単に説明する。パターンバリアフ
ィルタAは第16図に示すように2つの波長域例えばe線
を透過してその他の波長域をカットするフィルタIを中
央部分とし、その両側にg線の光を透過しその他の波長
域の光をカットするフィルタIIを両側に配設して形成さ
れたフィルタである。
今、例えば第14図に示すように、正方形状のマスクマ
ークaとこれより幅が狭いウエハーマークbとを重ねて
前記色収差対物レンズで結像させると、結像面には第15
図で示すように、左,右にg線の光で焦点が合ったシャ
ープなマスクマークaの像a′とe線の光により焦点の
にじんだマスクマークaの像a″が生じている。また、
中央部にはe線の光によるシャープなウエハーマークb
の像b′とg線の光によるにじんだウエハーマークbの
像b″が結像されている。例えば、この結像点に上記の
パターンバリアフィルタAを重ねて観察すると、このパ
ターンバリアフィルタAのフィルタIIによりにじんで生
じたマスクマークの像a″がカットされ、中央部ではフ
ィルタIによりにじんで生じたウエハーマークの像b″
がそれぞれカットされるので、全体としてシャープなマ
クマークの像a′とウエハーマークの像b′だけを同時
に観察することができ、位置の異なるマスクとウエハー
の正確な位置合せが可能となる。
この発明で使用する対物レンズは、このような色収差
を積極的に生じさせ、かつ諸収差をよく補正した色収差
対物レンズである。
[発明が解決しようとする課題] このような原理に基づき、色収差を利用して微小距離
異なった位置にあるマスクとウエハー面に2つの焦点を
割り振って高分解能の位置検出を可能にしているが、ど
うしてもパターンバリアフィルタを必要とするため結像
範囲が制限され、観察視野が狭くなってしまう。また、
パターンバリアフィルタ中あるいはパターンバリアフィ
ルタと検出系の撮像面の間で発生する干渉によるスペッ
クルが悪影響を与えてしまう。
このため、帯域光を使用してパターンバリアフィルタ
中あるいはパターンバリアフィルタと検出系の撮像面と
の間で発生するスペックルを除去するものが本件発明者
によって既に提案されている。(特願昭63−30600号参
照)ただし、帯域光の本来の目的は、ウエハー上のレジ
スト膜中の多重干渉を防止するためである。また、上記
スペックルはパターンバリアフィルタに反射防止膜をコ
ートすることで除去できる。
以下、簡単にその原理を説明する。第13図と関連させ
るため、使用する光の波長をg線(436nm),e線(546n
m)およびd線(587nm)の3つの光とする。この中、e
線とd線の光をウエハー上に照射しその上のアライメン
トマークを結像させることを考えると、先に説明した原
理の色収差対物レンズを設計し製作したとすると、第17
図にPで示すような色収差の特性をもつことになる。こ
こで、マスク上においてg線の光とe線の光の軸上色収
差(焦点ずれ)を40μmであるとすると、これはマスク
とウエハー間のギャップδに相当し、マスク上のアライ
メントマークはg線の光で、ウエハー上のアライメント
マークはe線の光でそれぞれ照射して結像させた像は同
一位置に生じていると見なすことができる 次に、この色収差対物レンズに通常の色消しレンズで
使用されるアクロマートによる色収差補正をd線に対し
て行ない、第18図においてQで示す軸上色収差をもつよ
うにすれば、e線からd線付近の光である帯域光に対し
ては色収差補正がなされているため、必要な解像度でウ
エハー上のアライメントマークも同時に検出することが
可能となる。このときのe線とd線の光に対する色消し
の条件φは、アクロマートを構成する凹レンズの分散ν
を ν=(n1e−n1d)/(n1g−1), この凹レンズのg線の光に対する焦点距離をf2g,アクロ
マートレンズを構成する凸レンズの分散νを ν=(n2d−n2d)/(n2g−1), 同凹レンズのg線の光に対する焦点距離をf2gとすると
となる。
また、第13図と同様に近軸領域で考えたとすると、第
3図に示すように光軸のC点,D点上にはe線とd線を含
む帯域光による結像が生じていることになる。
ところで、前述したパターンバリアフィルタを使用す
るものにおいては、ランダムな表面形状をもつパターン
バリアフィルタに、比較的コヒーレンシーの高い超高圧
水銀灯からの光(半値幅;5nm)を入射させると、その光
が散乱され、光の波面の位相はランダムに変調され、光
強度の明暗をもったランダムパターン、つまりスペック
ルが形成される。このスペックルパターンは光の回折
面,結像面などの光学系の構成上どこにでも見ることが
できるため、上記色収差対物レンズを使用した二重焦点
検出装置においても、検出系のTV受像面上に解像度を低
下するイメージとして重畳されて検出されることにな
る。つまり、比較的コヒーレンシーの高い光、例えば超
高圧水銀灯からの光あるいはレーザー光によりパターン
バリアフィルタが照明され、光学系を屈折,反射,透過
して光波面の位相がランダムに変調され、観察面である
TV受像面上に到達することになる。そして、観察面では
ランダムなスペックルが結像される。
以上の説明の中で最も重要な点は、スペックルは光の
干渉により発生するということである。つまり、この光
の干渉現象が発生しなければスペックルは起こらないこ
とになる。このパターンバリアフィルタ中で発生する干
渉は、パターンバリアフィルタに反射防止膜をコートす
ることで基本的に除去することができる。
そこで、帯域光を照射光に使用すれば、帯域光はハロ
ゲン光源あるいはキセノン光源などの光からバンドパス
フィルタにより選択された光であり、その光波面は位相
も周期も振幅も全て不揃な極めて干渉性の低いいわゆる
インコヒーレントな光の集合であるため、前記の干渉は
起こらず(起こってはいるが、光強度の変化としては極
めて微弱で、眼やカメラでは捕えられない)、したがっ
て分解能に影響を与えるようなスペックルは起こらない
ことになる。
以上が照明光に帯域光を使用してパターンバリアフィ
ルタ中あるいはパターンバリアフィルタと検出系の撮像
面との間に発生するスペックルを除去して分解能を向上
させるようにした特願昭63−30600号の発明の原理であ
る。ただし、帯域光化の本来の目的はウエハー上のレジ
スト膜中の多重干渉の防止である。
ところが、このように改善した色収差を利用した二重
焦点装置を使用しても、依然として、結像範囲が狭めら
れ観察視野が狭くなってしまうという問題点は残ってし
まう。
この発明はこのような点に鑑みてなされたもので、パ
ターンバリアフィルタを使用しないで微小間隔離れて位
置したウエハーとマスクの相対位置を高精度に位置検出
することができる色収差を利用した二重焦点装置を提供
することを目的とする。
さらに、この発明の具体的な目的として、 製作が比較的に難かしく高価なパターンバリアフィル
タを使用しない位置検出装置を提供する。
パターンバリアフィルタを使用しないので、その取付
けおよび位置調整等が不必要となり、結像部分周辺を簡
略化,小型化することができ、コストダウンを図ること
が可能となる。
のマークの形状から決まるパターンバリアフィルタの
形状により結像範囲が限定される制限条件を取り除き、
観察視野範囲を広げた位置検出装置となる。つまり、パ
ターンバリアフィルタによる結像範囲の条件が解除さ
れ、結像面全体が2つの焦点面の結像視野、即ち観察視
野となる。
パターンバリアフィルタがなくなるため、パターンバ
リアフィルタの製造の難易度から制約される検出パター
ンの形状が無制限となり、自由な検出パターンを用いる
ことが可能となる。
パターンバリアフィルタ中あるいはパターンバリアフ
ィルタと検出カメラの受像面である撮像面との間で発生
する干渉によるスペックルが完全に除去されるため、光
学的な解像力が向上する。
パターンバリアフィルタの中央部は、製造上どうして
も両端にケラレの部分が発生し解像度が低下しやすい
が、この発明のものでは、パターンバリアフィルタを使
用しないので、ケラレによる解像度の低下が無くなり、
光学的な解像力が向上する。
次に、この発明の色収差を利用した二重焦点装置を半
導体のリソグラフィー分野に使用されるX線アライナー
のアライメント装置に適用した場合には、次のような具
体的な目的を有するものとなる。
撮影レンズ(リレーレンズ)付近から、パターンバリ
アフィルタとその取付調整が無くなり、実質上、位置検
出装置は対物レンズと鏡筒とテレビカメラだけになるた
め、装置全体が小型化、軽量化および簡素化が図られ
る。
パターンバリアフィルタが無くなるため、これに付随
して解像度を低下させるスペックルおよびケラレ等が排
除され、光学的に解像度が向上することにより、最終的
なアライメント精度も大幅に向上する。
パターンバリアフィルタが無くなり、アライメントマ
ークの形状に関する制約条件が一切なくなるため、任意
の形状のアライメントマークが設定できることになる。
これはパターンバリアフィルタの製造上の困難性から、
これまでのアライメントマークは1軸検出用マークでの
検出しかできなかったものが、例えば十字マーク等の2
軸検出用マークでの検出が可能となる。
したがって、アライメント装置の数を減らすことがで
きる。例えばX,Y,θの3軸を検出する場合、従来3個の
検出系を必要としていたが、これを2つに減らすことが
可能となる。このため、さらにアライメント装置を取り
付けるアライメントステージの減少を加えて、コストダ
ウンが図られる。
このように、アライメント装置およびアライメントス
テージの数の減少により装置全体の寸法的な取り合いが
大幅に緩和される。また、マスクステージの設計条件も
極めて楽になる。
パターンバリアフィルタが無くなるため、その形状か
らもたらされるアライメントマークを検出し、かつ、そ
れらの位置計測が可能ないわゆるキャッチアップレンジ
の制限が無くなり、精密位置計測であるファインアライ
メントおよび粗位置計測であるコースアライメントので
きる範囲が大幅に広がるため、オートアライメント時の
アライメントミス(アライメントできない状態に陥るこ
とで、キャッチアップレンジからアライメントマークが
はずれてしまうこと。)が極端に低下し、最終的にスル
ープット(時間当りのウエハーの処理枚数)が大幅に向
上する。
パターンバリアフィルタを使用した場合、その形状か
らキャッチアップレンジは極めて狭かったために(これ
は倍率に依存し、本件発明者が試作した装置では、倍率
150倍でX線マスクのアライメントマークに対して物体
面上15μm、コースアライメント用に信号を30倍に下げ
た場合でも75μmと狭い。)、ファインアライメントを
行なう前のコースアライメントでは、上記検出装置の併
用が困難で、実際上はコースアライメント用に低倍率
(5倍〜30倍)で低開口数(N.A.≒0.1)の光学系を別
に設ける必要があった。この発明ではパターンバリアフ
ィルタがなくなるため、基本的には観察視野全体がキャ
ッチアップレンジとなる。このことは、マスクおよびウ
エハーのコースアライメントにおいて極めて都合が良
い。
例えば、ファインアライメント用装置をコースアライ
メントに併用したときのキャッチアップレンジは、倍率
を30倍とした場合、パターンバリアフィルタの中央部分
において15μm×(150/30)倍=75μmであり、コース
用キャッチアップレンジとしては不十分である。
このことは、コースアライメントの前にウエハーを例
えば位置決めピン等の機械的な方法で75μmの範囲に位
置ずれすることを意味し、これは非常に困難なものとな
っていた。この例の場合の計算例であると、パターンバ
リアフィルタが無くなることで、キャッチイアップレン
ジは観察視野全体となり、その範囲は15μmから1イン
チ撮像管の長辺側長さである80μmに拡大することにな
る。このときの観測視野は 80μm×(150/30倍)=400μm となり、パターンバリアフィルタを使用した場合の約5
倍であり、面積にすれば52=25倍に広がることになる。
これは装置として使用する場合の十分なレンジだといえ
る。つまり、パターンバリアフィルタを取り除いた装置
では、コースアライメント用との併用が可能になる。
このことで、これまで必要であったコースアライメン
ト用の低開口数の顕微鏡と受像装置を組合せた検出装置
を用いることなくコースアライメントすることが可能に
なり、ファインアライメント用の色収差を利用した二重
焦点装置でコースアライメントも同時に兼用することが
できることになる。このとき必要な操作は、撮影レンズ
を交換するだけで済み、例えばレボルバー方式にレンズ
交換できるようにするだけで観察倍率は極めて容易に変
換を行なうことができる。
このことから、コースアライメント装置を取り除くこ
とができ、かつ、の2方向(X/Y)検出ができるアラ
イメントマークを用いることで、トータルとして必要な
アライメント装置の数を大幅に減らすことが可能とな
る。例えば、従来のパターンバリアフィルタを使用した
場合、X,Y,θの3軸を検出する場合の例では、色収差を
利用した二重焦点装置をファインアライメント装置とし
て3台必要になり、それに加えてコースアライメント用
に低開口数の対物レンズを用いたコースアライメント装
置が2台必要になり、合計5台が必要となる。また、ア
ライメントステージの数(5台)必要となる。
ところが、この発明のパターンバリアフィルタを使用
しない色収差を利用した二重焦点装置によれば、コース
アライメント装置は不要となり、また、上記により1
つのアライメント装置でX−Yの2軸を検出することが
できるので、トータルとして2台のアライメント装置で
済むことになる。これは操作性およびコストの点で大幅
な改善となる。
さらにアライメントステージも2台で済むことになる
ので、大幅なコストダウンが図られる上、設計上におい
ても極めて厳しかったマスクステージとの寸法的な取
合、およびマスクステージの自由度が大幅に緩和され、
技術的に何ら困難性を伴わない設計が可能となる。
また、アライメント装置を含むマスクステージの剛性
が上がり、X−Yステージと併せた最終総合精度の向上
に大きく影響を与えることになる。
[課題を解決するための手段] この発明では、光軸方向に微小距離離間した第1の物
体と第2の物体の光軸方向に直交する方向の相対位置を
検出する位置検出装置において、第1の波長と第2の帯
域光に対して上記微小距離に相当する軸上色収差を生じ
る対物レンズを使用し、上記第1の波長の光および第2
の帯域光あるいは上記第1の波長の光と第2の帯域光を
透過するバンドパスフィルタを使用した落射型照明装置
を使用して照明し、上記微小距離離間した第1の物体と
第2の物体の光軸方向に直交する方向の相対位置を同時
に検出するようにしたことを特徴とする色収差を利用し
た二重焦点装置である。
[作用] したがって、パターンバリアフィルタを使用すること
なく微小距離離間した第1の物体と第2の物体の光軸方
向に直交する相対位置を同時に検出するこが可能とな
り、光学的な解像度の向上,キャッチアップレンジの拡
大およびスループットの向上,位置検出装置の簡略化,
小型化が図られるとともに、大幅なコストダウンが図ら
れる。
[実 施 例] 以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明
する。第1図は色収差を利用した二重焦点装置の構成を
示す側面図で、照明光軸5上の光源7からの光はバンド
パスフィルタ6を透過して検出光軸1に45度の角度に設
置されたハーフミラー4で直角に下側に反射され、色収
差対物レンズ8により収束されてマスク9およびウエハ
ー10を照射する。
上記バンドパスフィルタ6は、第2図に示す分光透過
率を示すフィルタで、例えば波長λ=436nmのg線の
光とλ=520nm〜600nmのe線およびd線を含む帯域光
部分だけの光を透過する性質を有するフィルタである。
マスク9およびウエハー10から反射された光は再び色
収差対物レンズ8により収束され、ハーフミラー4を透
過して検出光軸1に沿って垂直に直進し、マスク9およ
びウエハー10の像を結像する。この像はリレーレンズ3
を介してカメラ2に撮像され、観察されるように構成さ
れている。
したがって、この検出装置は従来の落射型照明装置を
有する顕微鏡とほぼ同じ構成となっており、落射型照明
装置のNDフィルタを設ける場所にバンドパスタフィルタ
6をセットするだけで外見上何ら従来の顕微鏡構成とか
わらないことになる。また、従来の二重焦点装置との違
いは、検出光軸1にパターンバリアフィルタが用いられ
ておらず、照明系にバンドパスフィルタ6が用いられて
いる点で相違していることになる。
そして、上記色収差対物レンズ系8の構成は、先願で
ある特願昭63−30600号およびこの応用として帯域光照
明に使用される特願昭62−196174号において設計,製作
された色収差を積極的に生じさせ、かつ、諸収差をよく
補正した色収差対物レンズがそのまま使用される。
次に、第1図に示すように構成される色収差を利用し
た二重焦点装置の原理を第3図を参照して説明する。第
3図は色収差対物レンズ8の近軸領域における結像状態
を示す線図で、色収差対物レンズ8の前にはSだけ離れ
た光軸上の位置Mにマスク9が、さらにδ離れた光軸上
の位置M′にはウエハー10が置かれているとする。この
マスク9とウエハー10は、照明装置のバンドパスフィル
タ6を透過したg線の光、およびe線,d線を含む帯域光
の2つの光束でそれぞれ照射される。したがって、マス
ク9上のアライメントマークのg線の光による色収差対
物レンズ8での像は実線で示すように光軸上S′離れ
たC点に生じ、また、マスク9上のマークの帯域光によ
る結像は光軸上S′離れたD点に生じる。また、ウエ
ハー10上のアライメントマークの帯域光による像は光軸
上S′離れたC点に、また、ウエハー10上のアライメ
ントマークg線の光による結像は光軸上S′離れたB
点上に生じることになる。
照明光源7として、例えば高輝度のキャノンランプを
使用したりすると、先願の発明ではウエハー面10上のア
ライメントマークの結像に必要な光以外の530nm以下の
光および600nm以上の光はパターンバリアフィルタによ
りカットされ、また、マスク面9上のアライメントマー
クの結像に不必要な430nm以下および450nm以上の光も同
時にカットされるように構成されていた。この先願の二
重焦点装置においても、もしパターンバリアフィルタを
取り除いて結像させたとすると、マスク9上およびウエ
ハー10上のアライメントマークは、ともにパターンバリ
アフィルタで不必要な光をカットしないので、解像度の
低下を招く色収差のにじみの像が発生し、マスク9およ
びウエハー10のアライメントマークはともにその結像は
ぼけた状態でいることになり、とうてい所望の解像度が
得られなくなってしまう。
この例では、上記のように照明装置にバンドパスフィ
ルタ6を設置し、これを透過したg線およびe線,d線を
含む帯域光の2つの光束だけを落射照明するように構成
されている。
次に、変形例を第4図に基づいて説明する。上記の例
は、第2図に示す分光透過率、即ち、g線およびe線と
d線を含む520nm〜600nmの帯域光の2波長の光を透過す
る1枚のバンドパスフィルタ6を使用したものである
が、このようなフィルタは製作が比較的に困難で高価に
なることが予想される。このため、この例ではg線の光
を透過するバンドパスフィルタ6aとe線およびd線を含
む520nm〜600nmの帯域光を透過させるバンドパスフィル
タ6bをそれぞれの光源71,72の前に設置して、照明光軸
5に45度の角度で設置されたハーフミラー11により合成
するように構成したものである。その他の部分は第1図
に示すものと同様であるので、同一部材には同一符号を
付し、詳しい説明は省略する。
このように選択された2つの光束による結像状態は次
の第1表に示すようになる。
このように、この例では照明光側で必要とする2つの
光束を単色光と帯域光の2光束に選択して照射している
ため、上記第1表に示す結像点以外には結像しないよう
になる。これを従来の例についてみればB,C,D点以外に
も結像点は無数,無限に存在していたのに比べ大きく相
違する点である。
このことは、これから説明する色収差対物レンズ8の
開口数N.A.から決まる焦点深度と、マスクとウエハー間
のギャップδの2位置を考え合せると、極めて都合のよ
い性質を作り出すことが可能となる。
先ず、本件発明者が試作した実際の装置を例にとれ
ば、色収差対物レンズ系の開口数N.A.=0.4,焦点深度±
1.8μm,2位置間の距離δ=40μm,倍率β=150/133=ウ
エハー/マスクである。
第3図において、結像点はB,C,Dの3点のみであり、
他には存在しない。
これは繰り返して説明するが、照明装置で入射する2
光束に制限しているためである。C点での結像状態を考
えると、B点およびD点でできた結像の色収差のにじみ
により像ボケが発生している。
ここで重要なのは、この像ボケの程度である。C点で
シャープに結像しているマスクおよびウエハー上のマー
クの像に対して、分解能に影響を与えない像ボケの程度
であれば、このB,Dの結像点において発生する像ボケは
全く問題なく無視できることになる。そこで、結像点C
における結像点Bの像ボケの状態、および結像点Cにお
ける結像点Dのボケ状態を空間周波数MFTで評価するた
めに次のような実験を行なった。
実験装置;通常の落射照明系を有る顕微鏡 対物レンズN.A.=0.4 焦点深度 ±1.8μm 倍率 150倍 なお、上記対物レンズは、本件発明者が試作した色収
差対物レンズと全く同じ光学的スペックのものを使用し
た。
MTF観察パターン;厚さ50μmのプレパラートガラス
に2μmのラインとスペースを交互に有するクロムを縞
状にパターニングしたもの。
この実験装置の構成を第5図に、MTF観察パターンの
構成を第6図に示す。
実験方法;顕微鏡13の対物レンズ14の焦点をMTF観察
パターン15に合わせ、この像をカメラ16の撮像管で電気
信号に代え、観察用モニター17に映像を写し出し、この
写し出された像を写真撮影する。次に、上記位置から対
物レンズ14を40μm焦点位置を移動して焦点ボケを起し
た状態でモニター17に写し出される像を写真撮影する。
実験結果;第7図に顕微鏡13の対物レンズ14をMTF観
察パターン15に焦点を合せたときの様子を示す。また、
第8図は対物レンズ14の焦点を40μmずらして焦点ボケ
を作った状態のMTF観察パターンの状態を示す。この図
からも明らかなように40μmの焦点ボケの状態では何も
解像していないことが分かる。参考まで、第9図に試料
が無い状態の観察モニタ17の映像の状態を示す。
考察:第8図に示される像ボケの状態は、像ボケとい
う解像の範囲から遠く離れた状態であり、全く結像の無
い第9図に示すバイアスの明るさに等しい状態となって
いる。
これらの実験結果を第3図に当てはめて考察してみ
る。光軸上のC点における結像に対して、光軸上B点,D
点の結像像ボケとしてC点の結像(コントラスト)に重
量されるが、このときC点で重量されるB,D点の結像状
態は、上記実験結果で確認した第8図に示す状態と同じ
であると考えられる。
つまり、光軸上のD点にできるマスク9の結像は、光
軸上のC点に到ると全く結像しておらずC点上にできる
結像の解像度には全く影響を与えない。
同様に光軸上のB点にできるウエハー10の結像は、C
点に到ると全く解像しておらず、C点に生じる結像の解
像度に全く影響を与えることがない。
これらの性質は、色収差対物レンズの焦点深度(つま
りは開口数N.A.)と、マスクとウエハーとの間のギャッ
プに依存している。
上述した実験の場合、焦点深度が±1.8μm(N.A.=
0.4)に対して、マスクとウエハー間のギャップが40μ
mと極めて広いために、上記のような極めて都合のよい
性質が生じたものである。この性質は、マスクとウエハ
ー間のギャップが一定ならば開口数N.A.が上がる程、つ
まり焦点深度が浅くなる程顕著となり、光軸上のB点お
よびD点の結像が光軸上C点における結像の解像度に影
響を与えないことになる。
一方、開口数N.A.が一定、つまり焦点深度が一定なら
ば、マスクとウエハー間のギャップが狭くなる程、光軸
上のB点,D点に生ずる結像からの影響はC点上にできる
結像において無視できなくなる。
そこで、これらの開口数N.A.(焦点深度)とギャップ
の関係を、本件発明者はこれまでに亘り行なった実験結
果と一般に知られているX線アライナーにおけるマスク
とウエハー間の適正なギャップを比較して、光軸上のB
点およびD点の結像の影響を無視できる範囲に納まるか
どうかを検討する。
本件発明者がこれまで実験を行った結果によれば、0.
01μm前後の検出分解能を開口数N.A.=0.3以上の対物
レンズにて得られている。(具体的にはN.A.=0.32およ
びN.A.=0.4の対物レンズを使用) また、現在さかんに研究開発されている殆どのシンク
ロトロン放射光(SOR)のX線アライナーが、マスクと
ウエハー間のギャップを40μm以上に設定している。
そこで、開口数N.A.=0.3,ギャップ=40μmと最も条
件の悪い組合せで考えると、開口数N.A.=0.3の対物レ
ンズがもつ焦点深度は±3.1μmである。
これに対して、ギャップは40μmと極めて大きいた
め、開口数N.A.=0.4のものに比べてみても同等に像ボ
ケの影響は無視できることが容易に推察できる。
以上のことからSOR骨弦のX線アライナーにおいて
は、この発明により改良された色収差を利用した二重焦
点装置を用いる上では、像ボケによる解像度低下の問題
は無く、使用可能であることが明らかになった。
以上が、この発明の構成およびその原理と、これに関
連する実験結果である。
上記の例において、使用波長としてg線およびe線,d
線を含む帯域光の2つの光を使用した場合について説明
したが、これは超高圧水銀燈を使用することを想定して
話を進めてきたためで、次のように理由からg線のよう
な短い波長の光を使用しないで、マスクおよびウエハー
ともに500nm前後以上の長い波長の光を使用することの
方が望ましい。これは、500nm以下ではメンブレムSiNで
の透過率が低いことからである。第10図にX線マスク
(SiN膜厚2μm)の波長に対する分光透過率のグラフ
を示す。(精密工学53/11/1987) 次に、第11図にマスク22とウエハー23を対向させた場
合の様子を側面図で示す。厚さ2μmのメンブレムSiN2
2の下側にはX線吸収体のタンタルTaのパターン21が形
成されており、この下にウエハー23が間隔を空けて配置
されている。したがって検出パターンを形成するタンタ
ルTa21がメンブレムSiN22を挟んで上からのアライメン
ト光24の下側にあるため、500nm以下のアライメント光
を照射すると、マスク22のアライメントマークもメンブ
レムSiN21を通して検出されるため、その50%以上がメ
ンブレムSiN21で吸収されてしまい、照度不足より検出
精度が低下してしまう可能性がある。例えば、アライメ
ント光24がg線であるとすると、透過率が20%前後しか
なく、アライメント光としては不適切であることが分か
る。したがって、このような装置における光源として
は、高輝度キセノンランプを使用してマスク面に510nm
前後の半値幅(30nm)の光を、ウエハー面には570〜680
nmの帯域光を割り当てるのが適当だと考えられる。
次に、この発明の色収差を利用した二重焦点装置をシ
ンクロトロン放射光(SOR)をX線光源にもつX線アラ
イナーのアライメント装置として搭載した例について説
明する。
第12図に示すその概略構成図において、防振装置を有
するベース25上に縦形X−Yステージ26とマスクステー
ジ27が平行に配置され、これに対向してX線取り出し口
28が水平に配設されている。このX−Yステージ26,マ
スクステージ27上のウエハーとマスクには、X線露光エ
リアの外周のスクライブラインに設けたそれぞれのアラ
イメントマークを検出して相対位置を位置決めするため
のアライメント装置29が2台斜めに傾けて配設されて構
成される。このアライメント装置29はコースアライメン
トとファインアライメントを1台で行なう兼用のもの
(本発明による二重焦点装置)で都合2台装備される。
まず、コースアライメントがマスクとウエハー間でな
され、相対位置が±0.5μm前後に位置決めされる。続
いてアライメント装置29の撮影レンズの倍率を交換レボ
ルバー等の切換えにより検出倍率を上げることによりフ
ァインアライメントが行なわれ、マスクとウエハー間の
相対位置を±0.01μm前後に位置決めされる。
以上のマスクとウエハーの位置決め中、アライメント
装置29は、マスクとウエハーの相対位置を検出し、この
信号をX−Yステージ26およびマスクステージ27にそれ
ぞれフィードバックして制御を行なっている。アライメ
ント信号はX−Yステージ26の位置決めに十分な応答性
を有しており、これは総合アライメント精度の向上に大
きく影響を与える。
次に、この発明により解決された問題点(作用・効
果)をさらに、前記発明の目的に列記した順番に対応し
て詳しく説明する。
パターンバリアフィルタAは第16図に示されるように
2種類のバンドパスフィルタI′,II′を粘り合せて形
成されている。このため、通常のフィルタに比べて極め
て製作工程が複雑で高価なものとなってしまう。この発
明ではこのパターンバリアフィルタを使用しないのでそ
の分コストが安価なものとなる。
このパターンバリアフィルタはカメラ光軸に対して心
出しが必要であり、X,Y,θの3軸の精密な調整機構を必
要としていた。これに対し、この発明ではパターンバリ
アフィルタを必要としないので、めんどうな調整機構を
必要とせず、大幅なコストダウンを図ることができる。
パターンバリアフィルタを使用した場合、マスクパタ
ーンおよびウエハーパターンが結像する範囲は、このパ
ターンバリアフィルタの形状により限定される。例え
ば、検出領域が縦・横90μm×60μmであったとして
も、単純にパターンバリアフィルタで3等分されるとす
ると、領域検出は縦・横30μm×60μmと分割された3
つの領域となり、特に中央の領域は縦・横30μm×60μ
mの1/3に縮小されてしまう。この発明では、パターン
バリアフィルタを使用しないので、このような検出領域
の減少は一切起こらない。
第16図に示すように、パターンバリアフィルタAは現
在透過特性の異なる2つのバンドパスフィルタを粘り合
せて形成されているため、通常のフィルタに比べ製作難
度は高く、設計条件は制約される。例えば、1つのアラ
イメント装置でX−Yの2軸を検出しようとした場合に
十字マークが必要になり、これに対応したパターンバリ
アフィルタを製作しようとすると、例えば第19図に示す
ように十字状のバンドパスフィルタI′と正方形状のバ
ンドパスフィルタII′を粘り合せて製作しなければなら
ず、さらにその製作が困難なものとなる。
この発明では、パターンバリアフィルタを使用しない
ので、このような制約は一切無くなり、自由なアライメ
ントマークが使用できることになる。また、一つのアラ
イメントマークで、例えばX−Y2軸の検出も同時異に可
能なマークを使用可能となる。
パターンバリアフィルタは、検出系の撮像面と対向し
ているため、その間でもスペックルパターンが発生し解
像度が低下してしまう。ただし、パターンバリアフィル
タに反射防止膜をコートすることで防止できる。これに
対し、この発明のものではパターンバリアフィルタを使
用しないので、スペックルパターンの発生は起きず、ま
た、解像力の低下は起こらない。
パターンバリアフィルタの貼り合せ部には通常墨塗が
施され、かつ、バリ取り面があるため、どうしてもケラ
レが生じ、特に中央に挟まれた部分ではその影響が大き
く解像度が低下し易くなる。この発明では、パターンバ
リアフィルタを使用しないので、このようなケラレは一
切起こらない。
次に、シンクロトロン放射光(SOR)光源を使用した
X線アライナーに応用した場合について前記目的に記載
した番号に対応して解決された問題点(作用・効果)を
説明する。
パターンバリアフィルタの調整機構が不必要であるた
め、アライメント装置全体が小型化される。ちなみに現
在設計されたアライメント装置は、対物レンズを除く本
体部分の外形寸法が縦・横・厚さ80mm×80mm×20mm,鏡
筒部分が20mmと極めてコンパクトな二重焦点装置に形成
されている。パターンバリアフィルタの調整機構を排除
できるこの発明はこのような点で極めて大きな意味を持
っている。即ち、マスクステージとの干渉を考えた場
合、その効果は極めて大きいものとなる。
前記,の中から光学的な分解能の低下が無くなる
ため、X−Yステージおよびマスクステージにフィード
バックして制御するアライメント信号の精度が格段に向
上する。
前記,で述べたものと同様であり、ここでは重複
するのでその説明を省略する。
前述の,の説明から十字マークの設定が可能とな
り、したがって、1台のアライメント装置によりX−Y
の2軸検出が可能である。通常のマスクとウエハーの相
対位置はX,Y,θの3軸で規定されるため、アライメント
装置は少なくとも3台は必要であった。ところが、2軸
検出が可能となるため、2台のアライメント装置から各
々(X1,Y1)と(X2,Y2)の検出が可能となるため、θ検
出もこれから求めることができる。したがって、コスト
も2/3に低下し、小型化が可能である。
後述の,の説明と同じであるのでその説明は省略
する。
パターンバリアフィルタを使用しないので、キャッチ
アップレンジが大幅に広くなることは、特にコースアラ
イメント時に重要な意味を持ってくる。
通常、X線アライナーを含め、現在使用されている光
ステッパーにおいては、マスクとウエハーの位置決めは
次の3段階で行なわれている。
(1)ウエハーをチャック上に乗せたときに、位置決め
ピンによる機械的な位置決め操作,位置決め精度は300
μm〜100μm前後である。
(2)次に、アライメント装置を使用したコースアライ
メントが行なわれる。この精度は1μm前後が一般的で
ある。
(3)最後に、アライメント装置を使用してマスクとウ
エハーのファインアライメントが行なわれる。
上記(1)〜(3)は、全自動により行なわれ、スル
ープット向上の要となっている。
特に上記(2)のコースアライメント時のキャッチア
ップレンジは、全自動の調整がスムーズに行なわれる際
のポイントとなる。もしここでキャッチアップできなけ
れば、そこで作業は一旦中断し、人の介入等により行な
う必要が生じ、スループットを大幅に低下させる原因と
なる。
これは、上記(1)の機械的な位置決め精度が上記
(2),(3)に比べて不安定であるためであり、上記
(2)のキャッチアップレンジはできるだけ広く取れる
ことが望ましい。特に、SOR光源使用のX線アライナー
と縦型構成となるために、水平置きの光ステッパー等に
比べると、益々その精度は低下しやすくなる。
例えば、従来の色収差を利用した二重焦点検出装置を
コースアライメント用に使用したとする。この倍率を30
倍前後とすれば、検出視野は400μm×300μmとなる
が、パターンバリアフィルタにより単純に3分割された
とすると、130μm×300μmと大幅に減少し、キャッチ
アップレンジもこれとともにかなり厳しくなり、キャッ
チアップできない可能性が高く、上記(1)から(2)
への作業が中断してしまうことにもなる。
一方、これを防止するために検出倍率を下げたとする
と、上記(2)における検出精度の低下につながり、精
度的に問題を引き起こしてしまう。
以上のことから、パターンバリアフィルタを使用して
いる限り、上記(2)におけるキャッチアップレンジ,
検出倍率および検出精度は、相互に干渉し合う問題をも
つことになる。
また、上記(1)の精度にもその影響を及ぼし、
(1)の設計,製造負荷をも増大してしまうことにな
る。本発明によれば、パターンバリアフィルタを必要と
しないため、以上説明した問題点が一掃される。
上記により、キャッチアップレンジが広がることに
より、ファインアライメントに使用したアライメント装
置をそのままコースアライメント装置として兼用するこ
とが可能となる。
第20図に、従来の色収差を利用した二重焦点装置をX
線アライナーに搭載した場合の配置図を示す、マスクス
テージ34の中央の25mm×35mmのX線透過領域3の周りに
ファイン用アライメント装置32を3台斜めに配置した場
合で、左側はコースアライメント装置31を2台合計5台
配設して行なわれていた。
これに対し、この発明のものでは、第21図に示すよう
に、マスクステージ34の中央のX線透過領域33の周りに
は、コースアライメントとファインアライメントを兼用
するアライメント装置35を2台斜めに配設すればよいこ
とになる。
第20図と第21図とを比較すれば一目瞭然であるが、ア
ライメント装置は極めて簡略化される。これにより、マ
スクステージとの寸法的な干渉問題は一掃され、より現
実的なマスクステージの設計の自由度が拡大される。ま
た、第20図および第21図に示していないが、各アライメ
ント装置は5台から2台に激減することになり、処理装
置を含め装置全体の小型化,簡略化とともに大幅なコス
トの削減をもたらすことになる。
上述の説明は、主にウエハーおよびマスクの2物体間
の位置検出装置の例について説明したが、パターンバリ
アフィルタを必要としないので観察視野が大幅に広が
り、通常の顕微鏡観察と同化してさらに多くの分野の適
用することが可能になる。例えば、光学顕微鏡では焦点
深度が浅くて検査が不可能であった膜厚の検出装置や光
軸方向の異なる位置に存在する2つの物体の同時観察
等、幅広い応用分野に適用することが可能となる。
[発明の効果] 以上説明したとおり、この発明の色収差を利用した二
重焦点消装置は、パターンバリアフィルタを使用しない
で微小距離離間した2物体を同時に観察することがで
き、装置が簡略化して小型化することができるととも
に、何ら分解能を低下させることなく検出を行なうこと
ができる。したがって、大幅なコストダウンを図ること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例の構成を示す色収差を利用し
た二重焦点検出装置の光路図、 第2図は、上記第1図に使用するバンドパスフィルタの
分光透過率図、 第3図は、色収差対物レンズの原理を説明するための近
軸領域における線図、 第4図は、本発明の変形例の構成を示す光路図、 第5図は、本発明を評価するために使用した実験装置を
示す側面図、 第6図は、上記第5図の実験装置に使用するMFT観察パ
ターンの拡大図、 第7図は、MTF観察パターンに焦点が合ったときの状態
のMTF観察パターンの像を示す線図、 第8図は、上記第7図の状態から対物レンズを40μm移
動した場合のMTF観察パターンの像を示す線図、 第9図は、MTF観察パターンが無い状態の明るさ(バイ
アス)を示す線図、 第10図は、SiN膜の分光透過率を示すグラフ、 第11図は、マスクとウエハーを拡大して示した側断面
図、 第12図は、アライメント装置の配置を示す側面図、 第13図は、従来の色収差対物レンズの原理を説明するた
めの近軸領域の光路図、 第14図〜第16図は、従来のパターンバリアフィルタと色
収差対物レンズを使用してマスクマークとウエハーマー
クを観察した状態を説明するための線図、 第17図および第18図は、色収差対物レンズの原理を説明
するための線図、 第19図は、2軸用パターンバリアフィルタの構成を示す
線図、 第20図は、従来のX線アライナーの検出装置の配置図、 第21図は、本発明のX線アライナーの検出装置の配置図
である。 1……検出光軸 2……カメラ 3……撮影レンズ(リレーレンズ) 4……ハーフミラー 5……照明光軸 6……バンドパスフィルタ 7……光源 8……色収差対物レンズ 9……マスク 10……ウエハー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光軸方向に微小距離離間した第1の物体と
    第2の物体の光軸方向に直交する方向の相対位置を検出
    する位置検出装置において、 第1の波長の光と第2の帯域光に対して上記微小距離に
    相当する軸上色収差を生じる対物レンズを使用し、上記
    第1の波長の光および上記第2の帯域光あるいは上記第
    1の波長の光と上記第2の帯域光を透過するバンドパス
    フィルタを使用した照明装置を使用して照明し、上記微
    小距離離間した第1の物体と第2の物体の光軸方向に直
    交する方向の相対位置を同時に検出するようにしたこと
    を特徴とする色収差を利用した二重焦点検出装置。
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