JP2004226939A - 欠陥検査装置、欠陥検査方法並びにこれを用いた半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
欠陥検査装置、欠陥検査方法並びにこれを用いた半導体デバイスの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ステンシルマスク用マスクブランクスの裏面側の欠陥を精度良く検出することができる欠陥検査装置及び欠陥検査方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる欠陥検査装置は点光源1と、試料5を載置する試料ステージ7を備え、対物レンズ4により試料5の表面に光の焦点を合わせている。試料ステージ7に載置された試料5と点光源1からの照射された光の位置を相対的に移動させる走査手段ステージコントローラー17により走査する。対物レンズ4と試料ステージ7の距離を変え、試料5の裏面に光の焦点を合わせるフォーカスコントローラー15と、試料から反射された光の光軸上に配置されたピンホール9を備えている。ピンホール9を透過した光の強度を検出する光検出器10を備え、点光源1と試料上の焦点とピンホール9が共焦点光学系で構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明にかかる欠陥検査装置は点光源1と、試料5を載置する試料ステージ7を備え、対物レンズ4により試料5の表面に光の焦点を合わせている。試料ステージ7に載置された試料5と点光源1からの照射された光の位置を相対的に移動させる走査手段ステージコントローラー17により走査する。対物レンズ4と試料ステージ7の距離を変え、試料5の裏面に光の焦点を合わせるフォーカスコントローラー15と、試料から反射された光の光軸上に配置されたピンホール9を備えている。ピンホール9を透過した光の強度を検出する光検出器10を備え、点光源1と試料上の焦点とピンホール9が共焦点光学系で構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料の欠陥を検出し検査を行う欠陥検査装置、欠陥検査方法に関し、例えばステンシルマスク用マスクブランクスの欠陥検出に好適な、コンフォーカル光学系を用いた欠陥検査装置、欠陥検査方法及びその欠陥検査装置によって検査されたマスクブランクスを用いる半導体デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体装置の微細化に伴い、次世代露光技術としてEPL(Electoron Projection Lithography)やLEEPL(Low Energy Electron Beam Proximity Projection Lithography)等の新しい露光技術が開発されている。これらの露光技術では光の代わりに電子ビームを用いて露光を行っている。これらの露光技術ではSi、SiC等の材料に穴を開けてパターンを形成するステンシルマスクを用いている。この、ステンシルマスクを電子ビームの吸収体又は散乱体として利用して、露光を行っている。
【0003】
これらの露光技術を用いた場合においても、半導体装置の歩留りを上げるためにはマスクブランクスの欠陥を検出する必要がある。このマスクブランクスの表面の検査には従来のレーザー散乱光方式の欠陥検査装置を利用することができる。このレーザー散乱光方式の欠陥検査装置では、試料表面にレーザーを照射して、その散乱光の光強度に基づいて欠陥の検出を行っている。さらにレーザー散乱光方式の欠陥検査装置ではコンフォーカル光学系を用いることにより、より精度の高い欠陥の検査を行うことができる(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、さらなる歩留りの向上を目指すためにはマスクブランクスの裏面側の欠陥検査を行う必要がある。裏面側の欠陥検出を行うためには、マスクブランクスを反転して検査する方法が考えられる。
【0005】
マスクブランクスの厚さは0.5μm〜2μm程度と非常に薄く、たわまないように補強が必要となる。従って、図9に示すようにマスクブランクス5と補強用のストラット6が一体形成されている。なお、このストラット6とマスクブランクス5を、例えば8インチのSiウェハをエッチングすることにより形成した場合、典型的にはストラット6の厚さは約725μmとなる。またこのストラット6はメッシュ状に約1mm程度のピッチで設けられている。従って、特に、空間分解能を上げるために高NAのレンズを用いた場合、ストラット6が邪魔になってストラット近傍を検査することができない。
【0006】
一方、マスクを利用した露光プロセスにおいては、マスクに埃塵が付着することを防止するため、保護カバーとしてのペリクルがマスクに装着される。ペリクルは、その周囲にフレームを備え、フレーム内部にペリクル部材が形成されている。ペリクルに付着した埃塵はマスクパタンの投影に悪影響を及ぼしうるので、検査する必要がる。例えば、表面の埃塵よりも裏面の埃塵が大きく影響を及ぼすため、ペリクル検査において、表面と裏面の埃塵を区別して検出することが望ましい。ペリクルは、上記のように周囲にフレームを備えているため、マスクブランクスと同様に、フレームが邪魔になってフレーム近傍を高精度に検査することが難しい。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−282010号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、試料の裏面側の欠陥を精度良く検出することができる欠陥検査装置及び欠陥検査方法並びにそれを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる欠陥検査装置は、光源(例えば、本発明にかかる点光源1)と、試料を載置する試料台(例えば、本発明にかかる試料ステージ7)と、前記試料台に載置された試料と前記光源からの照射された光の位置を相対的に移動させる走査手段(例えば、本発明にかかるステージコントローラー17)と、前記試料の裏面に前記光源からの光の焦点を合わせる焦点位置調整手段(例えば、本発明にかかるフォーカスコントローラー15)と、前記試料から反射された光の光軸上に配置され、入射した光を空間的に遮るフィルター(例えば、本発明にかかるピンホール9)と、前記フィルターを透過した光の強度を検出する光検出器(例えば、本発明にかかる光検出器10)を備え、前記光の強度に基づいて欠陥の検出を行う欠陥検査装置であって、前記光源と試料上の焦点と前記フィルターが共焦点光学系で構成されるものである。これにより、裏面側に存在する欠陥の検出を行うことができる。
【0010】
上記検査装置において、前記焦点位置調整手段は試料の表面検査のために試料の表面に焦点を合わせ、前記検査装置は、表面に焦点をあわせたときに光検出器により検出した光の強度と、裏面に焦点をあわせたときに前記光検出器により検出した光の強度とに基づいて、試料の裏面欠陥の検出を行うことが好ましい。この構成を有することにより、表面の欠陥と裏面の欠陥を適切に判別することができる。
【0011】
上記欠陥検査装置において、焦点の位置を所定の位置に自動的に合わせる自動焦点合わせ手段をさらに備え、前記自動焦点合わせ手段が前記試料の表面又は裏面に焦点を合わせることが望ましい。これにより、試料裏面の欠陥を検出することができる。
【0012】
上記の欠陥検査装置の好適な実施の形態は前記光源が光の波長が630nm以上2500nm以下のレーザー光源を備えるものである。これにより、精度よく検査を行うことができる。
また、前記試料に入射した光のうち試料を透過して試料の裏面で反射される光の強度が、試料の表面で反射される光に対して1対50以上であるように、前記光源から発せられる光の波長が選択されることが望ましい。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
【0013】
前記焦点位置調整手段が、前記試料の裏面で反射され前記光検出器で検出される光の強度が実質的に最大となるように焦点位置を調整することができる。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
また、前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面で反射される光と裏面で反射される光の強度が近くなるように焦点の位置を調整することができる。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
あるいは、前記焦点位置調整手段が、試料の裏面が合焦点位置となった状態で、裏面欠陥によって検出される光の強度変化が大きくなるように焦点位置を調整することができる。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
【0014】
上記欠陥検査装置はさらに対物レンズを備え、前記対物レンズは前記試料の厚さに起因する収差を補正するように構成されていることが好ましい。この構成を有することにより、厚みの大きい試料を効果的に検査することができる。
さらに、前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面検査のために前記試料の表面に焦点を合わせ、前記欠陥検査装置はさらに、前記試料の表面検査における収差を補正するように前記試料と前記対物レンズとの間に挿入される光学手段を備えることが好ましい。これにより、厚みの大きい試料の裏面と表面の検査をより効果的に行うことができる。光学手段は、前記試料と同一材料で形成され実質的に同一の厚さを備えることが好ましい。これにより、設計もしくは制御が容易となる。
【0015】
上記欠陥検査装置において、前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面検査のために前記試料の表面に焦点を合わせ、前記欠陥検査装置はさらに、対物レンズと、前記試料の表面検査時に前記試料の試料厚さを補正するように前記対物レンズと前記試料との間に挿入される光学手段とを備えることが好ましい。これにより、厚みの大きい試料を効果的に検査することができる。
【0016】
上記欠陥検査装置はさらに対物レンズを備え、前記対物レンズから試料までの光学系は、前記試料の裏面検査において、前記試料の厚さに起因する収差を補正するように構成されていることが好ましい。これにより、厚みの大きい試料を効果的に検査することができる。
【0017】
本発明にかかる欠陥検査方法は、共焦点光学系を介して試料から反射する光を検出し、検出した光の強度に基づいて試料の欠陥を検査する検査方法であって、光源からの光を試料の裏面が合焦点位置となるように照射するステップと、試料の裏面が合焦点位置となった状態で前記試料と光源からの光の位置を相対的に移動するステップと、前記試料から反射された光を空間的に遮るフィルターに入射するステップと、前記フィルターを透過した光の強度を検出するステップを備え、検出した光の強度の変化に基づいて欠陥の検出を行う。これにより、表面側及び裏面側に存在する欠陥の検出を行うことができる。
【0018】
上記の欠陥検査方法において、前記光源からの光を試料の表面が合焦点位置となるように照射するステップと、試料の表面が合焦点位置となった状態で、前記試料と光源からの光の位置を相対的に移動するステップをさらに備え、前記試料の裏面が合焦点位置となった状態で検出した光の強度の変化と前記試料の表面が合焦点位置となった状態で検出した光の強度の変化に基づいて試料の裏面に存在する欠陥の検出を行うことが好ましい。この構成により、試料裏面の欠陥を精度良く検出することができる。
【0019】
本発明にかかる半導体デバイスの製造方法は、光源からの光をマスクブランクスの裏面が合焦点位置となるように照射するステップと、前記マスクブランクスと光源からの光の位置を相対的に移動するステップと、マスクブランクス上の焦点と共焦点光学系となるように設けられ前記マスクブランクスから反射された光を空間的に遮るフィルターに入射するステップと、前記フィルターを透過した光の強度を検出するステップと、前記光の強度の変化に基づいて欠陥検査するステップと、前記検査されたマスクブランクスに露光パターンを形成し、露光用マスクを製造するステップと、前記露光用マスクを露光装置にセットするステップと、前記露光用マスクの露光パターンでウェハを露光するステップと、露光されたウェハを現像するステップを備えるものである。これにより、半導体デバイスの歩留り低減を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
本発明にかかる欠陥検査装置の構成について図1を用いて説明する。図1は欠陥検査装置の全体の構成を示した構成図である。本実施の形態ではマスクブランクスを検査用の試料としている。1は点光源、2はコンデンサーレンズ、3はハーフミラー、4は対物レンズ、5はマスクブランクス、6はストラット、7は試料ステージ、8はレンズ、9はピンホール、10は光検出器、11はレーザー光源、12はダイクロイックミラー、13はハーフミラー、14は2分割光検出器、15はフォーカスコントローラー、16はビームポジショナー、17はステージコントローラー、18はパーソナルコンピューター(以下、PCとする)である。
【0021】
まず、欠陥検出用の光学系について説明する。点光源1としてのレーザー装置から出射された光はコリメートレンズ2によって、略平行な光ビームとなる。この光ビームはハーフミラー3によって、被検査体であるマスクブランクス5の方向に向かう。さらにこの光ビームは対物レンズ4によってマスクブランクス5の表面に集光される。この対物レンズ4は光軸上を移動可能に設けられており、焦点の位置を調整することができる。
【0022】
なお、典型的なマスクブランクス5の厚さは1.0μm程度であり、非常に薄いため、たわまないような補強が必要となる。従って、メッシュ状のストラット6が形成されている。このストラット6とマスクブランクス5は、Siウェハをエッチングすることによりマスクブランクス5と一体形成される。このストラット6の典型的な厚さは約725μmである。
【0023】
このストラット6とマスクブランクス5は、ストラットがマスクブランクスの下になるように、試料ステージ7の上に載置され検査が行われる。この試料ステージ7にはステージコントローラー17が取り付けられている。ステージコントローラー17は試料ステージ7をXY方向(又はrθ方向等)に移動することができるようになっている。これにより、光ビームによる試料のXY走査によって試料全面の検査を可能としている。さらに、ステージコントローラー17は試料ステージ7の位置情報を把握できるようになっている。なお、試料ステージ7を駆動して試料を走査するのではなく、光ビームの進行方向を変えて試料全面を走査してもよい。この光ビームの走査にはガルバノミラーやポリゴンミラーを用いることができる。
【0024】
マスクブランクスで反射された光ビームは、光路上に配置された対物レンズ4、ダイクロイックミラー12、ハーフミラー3を介してレンズ8に入射する。レンズ8はピンホール9上に光ビームを集光する。このピンホール9を通過した光ビームのみが光検出器10に入射する。レンズ8による焦点はこのピンホール9に合うようになっている。この光検出器10に入射した光の強度に基づいて、マスクブランクス表面の欠陥の検出を行う。すなわち、試料表面の異物、傷、段差膜状の欠陥がある位置に光が照射された場合、反射光の強度が変化するため欠陥の検出を行うことができる。例えば、光検出器10は閾値を越えた値となった時に欠陥検出信号を出力する。そして、PC18を用いて欠陥検出信号とステージコントローラー17の位置情報を対応させ、マスクブランクス5のどの位置に欠陥があるかを検査する。
【0025】
点光源1とマスクブランクス5上の焦点、及び、マスクブランクス5上の焦点とピンホール9とは共役な結像関係になっており、これらは共焦点光学系(コンフォーカル光学系)を構成している。従って、焦点がずれた位置からの反射光はピンホール9の位置でぼやけてしまい、ピンホール9を通過できないため光強度が弱くなる。これにより焦点から外れた像は消失してしまい、表面の欠陥の検出を精度よく行うことができる。
【0026】
本形態ではマスクブランクス5上の焦点の微妙な振動等による焦点位置のずれを補正するために、マスクブランクスの表面に焦点を合わせる自動焦点合わせ機構が設けられている。この自動焦点合わせ機構について説明する。本実施の形態では光てこ方式の自動焦点合わせ機構が用いられている。レーザー光源11から出射した光をダイクロイックミラー12でマスクブランクス5の方向に反射する。そして、マスクブランクス5で反射された光は対物レンズ4、ハーフミラー13、ビームポジショナー16を介して2分割光検出器14に入射する。ビームポジショナー16の角度を変えることにより、2分割光検出器14に入射する光の位置を調整することが出来るようになっている。
【0027】
レーザー光源11からの光は対物レンズ4の片側部分にしか入射されず、マスクブランクス5で反射された光は対物レンズ4もう一方の片側を通過して2分割光検出器14の方向に向かう。マスクブランクス5の表面を観察する場合、レーザー光の焦点がマスクブランクス表面になっている時に2分割光検出器14の中央に反射光が返ってくるようにビームポジショナー17の角度が調整されている。よって2分割光検出器14のそれぞれは同じ光の強度を検出する。しかし、レーザー光が焦点の位置からずれると光路が変わり、2分割光検出器14の中央からずれることになる。2分割光検出器14のそれぞれで検出した光強度の信号の差分をとって、焦点のずれを検出している。焦点がずれた場合は、フォーカスコントローラー15が対物レンズ4の位置を調整して焦点を合わせるようにしている。そして、レーザー光が2分割光検出器の中央に照射されるように調整する。
【0028】
また、レーザー光源11からのレーザー光と点光源1からの光はそれぞれ同じ焦点位置になるように調整されている。したがって、レーザー光の焦点位置がマスクブランクス5の表面になるように対物レンズ4を調整することによって、点光源1からの光の焦点もマスクブランクス5の表面に合わせることが出来る。なお、点光源1とレーザー光源11の波長は異なる波長帯の光を用いることが望ましい。これにより、点光源1からの光がダイクロイックミラー12で反射されなくなるため光強度のロスを少なく出来る。また、ダイクロイックミラー12の代わりハーフミラー等を用いてもよい。なお、本実施の形態では光てこ方式の自動焦点合わせ機構を示したが、非点収差方式等の他の自動合わせ機構を用いてもよい。
【0029】
さらに本発明ではマスクブランクス5の裏面側の欠陥検査を行うために、裏面に焦点を合わせることができるようになっている。すなわち、裏面側がレーザー光の合焦点位置となっている状態で、2分割光検出器の中央にレーザー光源11のレーザー光が照射されるようにビームポジショナー16の角度が調整される。よって、裏面に焦点が合っている状態を基準として、自動焦点合わせ機構が焦点を調整することとなる。このようにビームポジショナー16は表面又は裏面が合焦点位置となるようにその角度が調整され、それに伴い対物レンズ4の位置がフォーカスコントローラー12により移動される。
【0030】
このマスクブランクス5の表面及び裏面に光の焦点を合わせている様子を図2に示す。図2(a)はマスクブランクス5の表面に焦点を合わせている状態を示す断面図である。図2(b)はマスクブランクス5の裏面に焦点を合わせている状態を示す断面図である。図2(a)と図2(b)では対物レンズ4の位置を変化させて焦点位置を調整している。すなわち、対物レンズ4とマスクブランクス5の間隔をマスクブランクス5の厚さに屈折率を考慮した距離だけ接近させる必要がある。なお対物レンズ4ではなくて、試料ステージ7の位置を変化させてもよい。
【0031】
又、表面用と裏面用に、異なるレンズあるいは光学系を使用することが可能である。このように、表面から透過して裏面で反射される光を用いることにより、ストラット6の影響を受けずに裏面の欠陥検査を行うことができる。そして、対物レンズ4の位置をずらして裏面に焦点を合わせることにより、共焦点光学系を構成することが出来る。なお、焦点位置の変更は、予め設定された距離だけ対物レンズ4を移動するようにビームポジショナー16の角度を調整しても良い。またPC18などにマスクブランクス5の厚さ及び材質(屈折率)等を入力して、それらの値に基づき調整を行っても良い。
【0032】
本形態は、欠陥が存在する位置に光が照射された時の光強度の変化によって欠陥を検出している。例えば、光強度が設定された閾値より弱くなった場合は欠陥ありと判断し、欠陥検出信号を出力する。表面側に焦点を合わせて、マスクブランクス5の全面を走査することによって、表面にある欠陥箇所を検査することができる。裏面側に焦点を合わせた場合は、表面又は裏面のいずれに欠陥が存在しても反射光の光強度は弱くなる。よって、表面又は裏面にある欠陥箇所を検査することができる。さらに、これらの検査結果を比較することにより、裏面上に存在する欠陥のみを検査することができる。これにより、表面のみならず裏面に存在する欠陥の検査を行うことができる。
【0033】
次に裏面側の欠陥検査を精度よく行う方法について説明する。光検出器によって検出されるマスクブランクス表面からの反射光(以下、表面反射光とする)及びマスクブランクス裏面からの反射光(以下、裏面反射光とする)の光強度の例を図3に示す。図3は焦点位置をマスクブランクスの厚さ方向へずらした時の光強度の変化を表す図である。横軸は焦点位置を示し、縦軸は光検出器で検出される光の光強度を示す。Aは光検出器で検出される表面反射光の光強度、Bは光検出器で検出される裏面反射光の光強度を示す。共焦点光学系を用いているため、A、Bとも急峻なピークとなっており、焦点位置からずれた光の強度は急激に弱くなっている。
【0034】
しかし、試料が薄く、表面反射光及び裏面反射光の光軸は同一であるため、いずれかに焦点を合わせた場合であっても、一方を完全にピンホール9で除去することができない。従って、検出される光の強度は裏面反射光と表面反射光の双方に基づくものとなる。マスクブランクス5の表面に焦点を合わせた時に光検出器10で検出される表面反射光の強度は、Aのピーク強度となる。対物レンズをずらしマスクブランクス5の裏面の焦点を合わせた時、光検出器10で検出される裏面反射光の光強度はBのピーク強度となる。これらのピークはマスクブランクス5の厚さ1μmだけ焦点位置がずれている。
【0035】
マスクブランクス5の表面が合焦点位置になっている時は、Aのピーク位置における表面反射光と裏面反射光の重ねあわされた光が光検出器10により検出される。また、マスクブランクス5の裏面が合焦点位置になっている時は、Bのピーク位置における表面反射光と裏面反射光の重ねあわされた光が光検出器10により検出される。よって、AとBを重ねあわせた光の強度が検出され、焦点位置を変えていくと光強度が変化する。この光強度変化に基づいて対物レンズ4を調整することにより、表面又は裏面を焦点位置とすることができる。
【0036】
なお本実施の形態は自動焦点合わせ機構を用いており、表面検査のために、Aのピークの位置になるようにビームポジショナー16及び対物レンズ4を調整し、その位置を焦点位置として自動焦点合わせ機構が動作することができる。また、裏面検査のために、ビームポジショナー16及び対物レンズ4を調整し、裏面を焦点位置として自動焦点合わせ機構が動作する。図3で示されるようにマスクブランクス5の表面が合焦点位置の場合、裏面反射光は表面反射光と比べて弱いため、検出精度にほとんど影響を与えない。しかしマスクブランクス5の裏面が合焦点位置の場合、表面反射光が裏面反射光に影響を及ぼす。
【0037】
裏面に存在する欠陥を検出するために、裏面に焦点が合った状態において、焦点位置の調整を行うことが好ましい。焦点位置の調整は、裏面欠陥による受光強度の変化が大きくなるように行うことが好ましい。最も変化の大きい焦点位置において検査を行うことによって、特に高精度良く欠陥検出を行うことが可能となる。焦点位置の調整、あるいは、焦点位置は、裏面欠陥の種類によって変化しうる。
【0038】
例えば、横方向(面内方向)に比較大きく、膜厚の変化が小さい欠陥の検出のためには、表面による反射光と裏面による反射光の強度が近づくように、焦点位置が調整される。欠陥部分での膜厚の変化によって、表面反射光と裏面反射光の位相差が変化し、両者の干渉によって受光強度が大きく変化する。このため、欠陥検出を精度良く行うことができる。特に、裏面反射光強度が最も大きい焦点の近傍において、両反射光の強度が実質的に最も近づく焦点位置において、高精度の欠陥検出が可能である。付着異物などの横幅が微小な欠陥に対しては、裏面反射光の強度が大きくなるように、焦点位置を調整する。裏面反射光の強度が実質的に最も大きい焦点において、特に高精度に欠陥検査を行うことができる。
【0039】
ステンシルマスク用マスクブランクスの厚さは1μm程度と非常に薄いため、裏面反射光の光強度が表面反射光の光強度に比べて低いとコンフォーカル光学系を用いても表面反射光の影響を受けてしまい検査精度が低下してしまう。すなわち、表面反射光と裏面反射光は同時に検出されるため、裏面に焦点を合わせた場合であっても裏面反射光の強度が表面反射光の強度に比べて相対的に低いと、表面反射光が共焦点光学系を用いても十分除去できなくなってしまう。そのため、裏面欠陥による光強度の変化を測定することが困難になってしまう。従って、裏面反射率を上げることが望ましい。
【0040】
裏面反射率の表面反射率に対する比は、1対50以上とすることが望ましい。例えば、マスクブランクスの表面反射率(マスクブランクスに入射した光のうち、マスクブランクスの表面で反射する光の割合)が50%の場合、裏面反射率(マスクブランクスに入射した光のうち、マスクブランクスを透過してマスクブランクスの裏面で反射する光の割合)は1%以上であることが好ましい。さらにはその比を1対20以上(例えば、表面反射率40%に対して裏面反射率2%程度)とすることがより望ましい。なお、表面反射率及び裏面反射率は上記の光学系において光検出器10により検出される光を基準とするものではなく、反射される光全てを基準とするものである。
【0041】
表面反射光と裏面反射光の比は、マスクブランクスの厚さ、材質、光の波長などによって変化する。表面反射率と裏面反射率の比を好ましいものとするため、適切な光の波長を選択することが重要である。試料による吸収の影響が小さい波長を選択することによって、検査精度を上げることができる。一方、欠陥検出感度の観点から、分解能を大きく落とすことない波長域であることが重要である。SiやSiC等の材質からなるマスクの裏面をする場合、検査に使用する光の波長は、630nm〜2500nmが好ましく、630nm〜700nmの波長の光を用いることがさらに好ましい。
【0042】
図4〜8はマスクブランクスの厚さによる裏面反射率の変化の計算値を示している。図4は488nm、図5は532nm、図6は633nm、図7は687nm、図8は780nm、それぞれの波長における裏面反射率の変化を示す図である。例示されているマスクブランクスの材質は単結晶Siである。なお、空気の屈折率をn1、Siの屈折率をn2、Siの吸収係数をk2とし図中に示している。上述したように電子ビーム露光では最大で2μm程度の厚さのマスクブランクスが用いられるため、Siの厚さを0〜2000nmまでとして計算を行った。
【0043】
図4に示すように488nmの波長では表面反射率が39%となる。そして、Siの厚さ1000nm程度で裏面反射率と率表面反射率の比が1対50以下となり、精度の高い検査を行うことができなくなってしまう。図5に示すように532nmの波長では表面反射率が38%となる。そして、Siの厚さが1500nm程度で裏面反射率と率表面反射率の比が1対50以下となり精度の高い検査を行うことができなくなってしまう。このように従来の検査装置でよく用いられて488nm、532nmの波長の光を本発明に用いると、Si内部での吸収が大きくなり、マスクブランクスの厚さが厚くなった場合に精度の高い検査を行うことができない。
【0044】
一方、633nm、687nm、780nmの波長の光では、Siの厚さが2000nmになっても裏面反射率と率表面反射率の比が1対50以下にはならないので精度の高い検査を行うことができる。このように、検査精度の面からはより長い波長を用いることが望ましい。しかし、長波長側の光を用いると、分解能の低下をもたらす。又、光学設計上において問題が生じる。例えば、光学系の汎用部品(レンズ等)が少なく、コストが高くなってしまう場合が多い。従って、630nm以上2500nm以下の波長の光源を用いることが望ましい。さらには630nm〜700nmの波長の光を用いることが望ましい。この傾向はマスクブランクスの材質がSiCでも類似の傾向があるため、同様の波長の光源を用いることが望ましい。
【0045】
特に、630nm〜700nmの波長帯では、半導体レーザーを用いることによって高出力のレーザー光源が容易に入手することが出来る。よってコスト低減を図ることができる。このように、Si及びSiCからなる試料が厚くなった場合でも、表面及び裏面の欠陥検出を精度よく行うことができる。もちろん、光源には半導体レーザー以外のレーザーを用いてもよいし、レーザー以外の光源にバンドパスフィルター等を用いて波長を選択しても良い。さらに点光源1はレーザー光源に加えて、ピンホールやスリットを備えていても良い。またランプを光源としたニポウディスク方式やスリット照明方式の共焦点光学系でも同様の効果を得ることが出来る。
【0046】
尚、本形態はマスクブランクスの欠陥検査に限らず、裏面側に突起物等があり裏面側から光を照射して検査を行うことが困難な試料の欠陥検査に利用することが好適である。また、試料を反転させる時間を短縮できるため検査時間の短縮に繋がる。さらに、露光パターンを備えるマスクの検査にも用いることが可能である。
【0047】
第2の実施形態.
図10は、第2の実施の形態に係る検査装置を説明するための図である。対物レンズから試料までの部分以外の光学系は、実施の形態1と実質的に同様であるので、説明が省略される。本形態の検査装置は、特に、F2リソグラフィで使用される石英製のハードペリクルなど、比較大きな厚みを有する試料の検査に使用される。図10(a)は、マスクの防塵カバーとして使用されるペリクル20の概略構成を示す、断面図である。ペリクルは、アルミニウムなどで構成されるフレーム21と、そのフレーム内に形成されているペリクル部材22とを備えている。
【0048】
従来のペリクル部材としては、典型的には、数μmのセルロース系樹脂などが使用されている。しかし、F2リソグラフィのように、157nmほどのVUV(Vacuum Ultra−Violet)領域の短波長光を露光光として使用する場合、樹脂製のペリクルは耐光性が小さいため、透明性が低下するなどの問題を有している。そのため、上記のような短波長光を使用したリソグラフィにおいては、フッ素ドープされた石英などによって形成されているハードペリクルを使用することが典型的である。ハードペリクル部材の厚さは、典型的には、300−800μmである。本形態の検査装置は、100μm以上の厚さを有する部材の検査に好適である。
【0049】
ペリクルを検査する場合、ペリクル部材表面のみならず、ペリクル部材裏面の欠陥を高感度に検出する必要がある。また、ペリクル部材がフレームに貼り付けられた状態で、ペリクル全面の検査を行う必要がある。あるいは、ペリクルの裏面と表面を検査する場合に、遅滞なく光学系を切替えて両面を連続的に検査することが望ましい。本形態の検査装置は、マスクブランクスやソフトペリクルと比較して大きな厚みを有するハードペリクルを、ペリクル部材がフレームに貼り付けられた状態において、迅速に検査する。ペリクルは、マスクの付着された状態で検査することも可能である。
【0050】
本形態のハードペリクルの検査において、フレーム21がペリクル部材22の下になるように試料ステージ7の上に載置され、ペリクルの表面及び裏面の検査が行われる。ここで、フレームに付着されているペリクル部材の面を、裏面とする。ハードペリクルは300−800μmほどの、比較的大きな厚みを備えているので、裏面検査と表面検査の間における、ペリクル部材自体の光学的影響を考慮することが必要であり、板厚補正のなされた光学系が使用される。特に、裏面検査時と表面検査時とにおける収差の違いを考慮することが必要である。
【0051】
図10(b)は、ペリクル部材22の裏面検査時の状態を示している。裏面検査時において、対物レンズ23から射出されたレーザー光は、ペリクル部材22の裏面に焦点が合うように、試料ステージ7と対物レンズ22との間の距離は決定される。所定の厚みを備えるペリクル部材22が光路の途中に挿入された状態で、ペリクル部材22の裏面に焦点が合うように設計された対物レンズ23が使用される。対物レンズ23は複数のレンズ要素から構成することができ、試料の厚さに起因する収差を補正するように構成される。対物レンズ23を出射した光は集束光であり、ペリクル部材22は集束光の光路上に配置された透明平行板として作用する。集束光の光路の途中にある平行板は凹レンズとして作用するため、それによる収差を補正するように設計された対物レンズが使用される。例えば、ペリクル部材22が800μmの厚さを有する場合、800μmのペクリル部材に最適化された対物レンズを使用することが好ましい。
【0052】
ペリクル部材表面を検査する場合は、図10(c)に示すように、ペリクル部材22と対物レンズ23との間に補正板24が挿入される。ペクリル部材表面検査においてレーザー光はペリクル部材を通過しないため、それを補正するための光学手段として補正板が使用される。補正板24の材料は、ペリクル部材22と同じ屈折率を有するものが好ましく、さらに好ましくはペリクル部材22と同じ材料で形成される。また、ペリクル部材22と同じ材料で形成される場合、補正板24は、ペクリル部材22と実質的に同じ厚さを備える。例えば、ペリクル部材が800μmの厚さを備える場合、補正板はペリクル部材と同じ材料で形成された、800μm厚の透明平板が好ましく、設計容易性の観点から、補正板としてペクリル部材自体を使用することがさらに好ましい。このような補正板は、レンズと異なり、光軸に対する角度のみを高精度に制御することが要求されるので、制御の容易性の観点からも好ましい。尚、補正板は、ペリクルと異なる材料を使用して、適切な形状を備えることにより形成することができる。
【0053】
焦点は、対物レンズと試料との距離を変化させることによって調整することができる。本形態において、試料ステージ7が上下方向に移動することによって、レーザー光の焦点がペクリル部材表面(もしくは裏面)に合うように制御されることが好ましい。移動距離が大きいため、特にオートフォーカス機能を備える場合、対物レンズの移動は高精度な制御を困難とするからである。補正板24の移動は、スライド機構あるいは回転機構を使用することによりを行うことができる。制御の信頼性の観点から、補正板を直線的に移動させることができるスライド機構を使用することが好ましい。補正板24を設置するガイドをスライダによって移動させる機構は、当業者は容易に実現することができる。
【0054】
本実施の形態は、補正板24を挿入し、ペリクル部材表面に焦点をあわせることによって、裏面検査モードから、表面検査モードに瞬時に切替えることができる。これにより、ペリクルを裏返すことなく、連続的にペリクルの検査をすることができる。また、フレームの影響を受けずに、フレーム近傍まで高感度に検出することができる。本形態は、試料の表面と裏面を別々に検査することにより、検出した欠陥または異物がどちらの面にあるかを分離できる。裏面の検査データと表面検査データを比較することで、欠陥または異物がどちらの面にあるかをより的確に特定することができる。特に、ペリクルにおいては、欠陥または異物がどちらの面にあるかによって及ぼす影響が大きく異なるので、異物もしくは欠陥の存在する面を特定することは、大きな効果となる。
【0055】
尚、本形態の試料は十分な厚みを備えているので、適切なNAを設定することによって、表面からの反射と裏面からの反射を分離することが可能である。従って、表裏両面によって反射された光を干渉させることは必要とされない。また、レーザー光の波長は、例えば可視光範囲から、広く選択することができる。板厚補正は、補正板を使用することなく、対物レンズ内のレンズ間隔を調節することによって達成することが可能である。あるいは、表面検査用対物レンズと裏面検査用対物レンズを切り替えることによって達成することができる。しかし、制御容易性の観点から、補正板を使用することが好ましい。裏面検査時において、補正体に相当する補正部材を使用し、表面検査時においては、対物レンズからの光を直接試料に照射するが可能である。この場合、補正部材は集束光に対して凸レンズとして作用する。設計容易性、制御容易性の観点からは、試料と同一の補正板を使用することが好ましい。
【0056】
その他の実施の形態.
本発明は上述した実施例だけに限られず、様々な変更が可能である。図示した光学系に限られず、共焦点光学系であれば、その他の種々の光学部品、光学素子を用いることによっても同様の効果を得ることができる。上述の実施の形態では共焦点光学系を構成するために検出系にピンホール9を用いたが、スリットや光ファイバーを用いて光を検出しても同様である。すなわち、空間的に光を遮るフィルターとして、ピンホール、スリット、光ファイバーは同等に用いることが出来る。また、複数の光ビームを用いて欠陥検出を行っても良い。例えば、1次元又は2次元に配列されたマルチビームを用いて欠陥検出を行うことも可能である。これにより、検査時間の短縮化を図ることができる。またナイフエッジ等を用いて欠陥の凹凸の判別を行っても良い。
【0057】
本発明にかかる欠陥検査方法によって検査されたマスクブランクスあるいはペリクルを用いることによって、半導体デバイスの製造歩留まりを向上させることができる。すなわち、本発明により検査されたSi、SiCのマスクブランクスを加工して、所定の露光パターンが設けられた露光用マスクの原板を製造する。典型的な半導体デバイスの製造においては、このマスク原板が露光装置にセットされ、電子ビームなどを利用したEPL又はLEEPLによって、レジストを形成されたウェハの露光処理がなされる。あるいは、本発明に係る検査方法によって検査されたペリクルが取り付けられたマスクが、露光装置に設置され、露光処理がなされる。露光処理がなされた半導体ウェハは現像処理が施され、レジストパターンがウェハ上に形成される。このパターンに従って、広く知られた薄膜堆積処理、エッチング処理、酸化処理、イオン注入処理などがなされ、半導体デバイスが形成される。本発明の検査装置あるいは検査方法を用いて検査されたマスクブランクスを用いたマスクによって、半導体デバイスの製造における露光処理を実施することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、試料の裏面側の欠陥を精度良く検出することができる欠陥検査装置及び欠陥検査方法並びにそれを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる欠陥検査装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明にかかる欠陥検査装置の試料周辺の拡大図である。
図2(a)は試料の表面を合焦点位置とした場合における光の光路を示す断面図である。
図2(b)は試料の裏面を合焦点位置とした場合における光の光路を示す断面図である。
【図3】図3は共焦点光学系を介して検出した光の強度変化を示すグラフ図であって、焦点の位置を変化させた場合の様子を示すグラフ図である。
【図4】波長が488nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図5】波長が532nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図6】波長が633nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図7】波長が687nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図8】波長が780nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図9】電子ビーム露光用ステンシルマスクのマスクブランクスの構成を示す断面図である。
【図10】第2の実施形態における検査装置の、対物レンズから試料までの光学系を説明する図である。
【符号の説明】
1 点光源、2 コリメートレンズ、3 ハーフミラー、4 対物レンズ、5 マスクブランクス、6 ストラット 7 試料ステージ8 レンズ、9 ピンホール、10 光検出器、11 レーザー光源、12 ダイクロイックミラー、13 ハーフミラー、14 2分割光検出器15 フォーカスコントローラー、16 ビームポジショナー17 ステージコントローラー、18 パーソナルコンピューター、20 ペリクル、21 フレーム、22 ペリクル部材、23 対物レンズ、24 補正板
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料の欠陥を検出し検査を行う欠陥検査装置、欠陥検査方法に関し、例えばステンシルマスク用マスクブランクスの欠陥検出に好適な、コンフォーカル光学系を用いた欠陥検査装置、欠陥検査方法及びその欠陥検査装置によって検査されたマスクブランクスを用いる半導体デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体装置の微細化に伴い、次世代露光技術としてEPL(Electoron Projection Lithography)やLEEPL(Low Energy Electron Beam Proximity Projection Lithography)等の新しい露光技術が開発されている。これらの露光技術では光の代わりに電子ビームを用いて露光を行っている。これらの露光技術ではSi、SiC等の材料に穴を開けてパターンを形成するステンシルマスクを用いている。この、ステンシルマスクを電子ビームの吸収体又は散乱体として利用して、露光を行っている。
【0003】
これらの露光技術を用いた場合においても、半導体装置の歩留りを上げるためにはマスクブランクスの欠陥を検出する必要がある。このマスクブランクスの表面の検査には従来のレーザー散乱光方式の欠陥検査装置を利用することができる。このレーザー散乱光方式の欠陥検査装置では、試料表面にレーザーを照射して、その散乱光の光強度に基づいて欠陥の検出を行っている。さらにレーザー散乱光方式の欠陥検査装置ではコンフォーカル光学系を用いることにより、より精度の高い欠陥の検査を行うことができる(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、さらなる歩留りの向上を目指すためにはマスクブランクスの裏面側の欠陥検査を行う必要がある。裏面側の欠陥検出を行うためには、マスクブランクスを反転して検査する方法が考えられる。
【0005】
マスクブランクスの厚さは0.5μm〜2μm程度と非常に薄く、たわまないように補強が必要となる。従って、図9に示すようにマスクブランクス5と補強用のストラット6が一体形成されている。なお、このストラット6とマスクブランクス5を、例えば8インチのSiウェハをエッチングすることにより形成した場合、典型的にはストラット6の厚さは約725μmとなる。またこのストラット6はメッシュ状に約1mm程度のピッチで設けられている。従って、特に、空間分解能を上げるために高NAのレンズを用いた場合、ストラット6が邪魔になってストラット近傍を検査することができない。
【0006】
一方、マスクを利用した露光プロセスにおいては、マスクに埃塵が付着することを防止するため、保護カバーとしてのペリクルがマスクに装着される。ペリクルは、その周囲にフレームを備え、フレーム内部にペリクル部材が形成されている。ペリクルに付着した埃塵はマスクパタンの投影に悪影響を及ぼしうるので、検査する必要がる。例えば、表面の埃塵よりも裏面の埃塵が大きく影響を及ぼすため、ペリクル検査において、表面と裏面の埃塵を区別して検出することが望ましい。ペリクルは、上記のように周囲にフレームを備えているため、マスクブランクスと同様に、フレームが邪魔になってフレーム近傍を高精度に検査することが難しい。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−282010号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、試料の裏面側の欠陥を精度良く検出することができる欠陥検査装置及び欠陥検査方法並びにそれを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる欠陥検査装置は、光源(例えば、本発明にかかる点光源1)と、試料を載置する試料台(例えば、本発明にかかる試料ステージ7)と、前記試料台に載置された試料と前記光源からの照射された光の位置を相対的に移動させる走査手段(例えば、本発明にかかるステージコントローラー17)と、前記試料の裏面に前記光源からの光の焦点を合わせる焦点位置調整手段(例えば、本発明にかかるフォーカスコントローラー15)と、前記試料から反射された光の光軸上に配置され、入射した光を空間的に遮るフィルター(例えば、本発明にかかるピンホール9)と、前記フィルターを透過した光の強度を検出する光検出器(例えば、本発明にかかる光検出器10)を備え、前記光の強度に基づいて欠陥の検出を行う欠陥検査装置であって、前記光源と試料上の焦点と前記フィルターが共焦点光学系で構成されるものである。これにより、裏面側に存在する欠陥の検出を行うことができる。
【0010】
上記検査装置において、前記焦点位置調整手段は試料の表面検査のために試料の表面に焦点を合わせ、前記検査装置は、表面に焦点をあわせたときに光検出器により検出した光の強度と、裏面に焦点をあわせたときに前記光検出器により検出した光の強度とに基づいて、試料の裏面欠陥の検出を行うことが好ましい。この構成を有することにより、表面の欠陥と裏面の欠陥を適切に判別することができる。
【0011】
上記欠陥検査装置において、焦点の位置を所定の位置に自動的に合わせる自動焦点合わせ手段をさらに備え、前記自動焦点合わせ手段が前記試料の表面又は裏面に焦点を合わせることが望ましい。これにより、試料裏面の欠陥を検出することができる。
【0012】
上記の欠陥検査装置の好適な実施の形態は前記光源が光の波長が630nm以上2500nm以下のレーザー光源を備えるものである。これにより、精度よく検査を行うことができる。
また、前記試料に入射した光のうち試料を透過して試料の裏面で反射される光の強度が、試料の表面で反射される光に対して1対50以上であるように、前記光源から発せられる光の波長が選択されることが望ましい。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
【0013】
前記焦点位置調整手段が、前記試料の裏面で反射され前記光検出器で検出される光の強度が実質的に最大となるように焦点位置を調整することができる。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
また、前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面で反射される光と裏面で反射される光の強度が近くなるように焦点の位置を調整することができる。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
あるいは、前記焦点位置調整手段が、試料の裏面が合焦点位置となった状態で、裏面欠陥によって検出される光の強度変化が大きくなるように焦点位置を調整することができる。これにより、精度よく欠陥検査を行うことができる。
【0014】
上記欠陥検査装置はさらに対物レンズを備え、前記対物レンズは前記試料の厚さに起因する収差を補正するように構成されていることが好ましい。この構成を有することにより、厚みの大きい試料を効果的に検査することができる。
さらに、前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面検査のために前記試料の表面に焦点を合わせ、前記欠陥検査装置はさらに、前記試料の表面検査における収差を補正するように前記試料と前記対物レンズとの間に挿入される光学手段を備えることが好ましい。これにより、厚みの大きい試料の裏面と表面の検査をより効果的に行うことができる。光学手段は、前記試料と同一材料で形成され実質的に同一の厚さを備えることが好ましい。これにより、設計もしくは制御が容易となる。
【0015】
上記欠陥検査装置において、前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面検査のために前記試料の表面に焦点を合わせ、前記欠陥検査装置はさらに、対物レンズと、前記試料の表面検査時に前記試料の試料厚さを補正するように前記対物レンズと前記試料との間に挿入される光学手段とを備えることが好ましい。これにより、厚みの大きい試料を効果的に検査することができる。
【0016】
上記欠陥検査装置はさらに対物レンズを備え、前記対物レンズから試料までの光学系は、前記試料の裏面検査において、前記試料の厚さに起因する収差を補正するように構成されていることが好ましい。これにより、厚みの大きい試料を効果的に検査することができる。
【0017】
本発明にかかる欠陥検査方法は、共焦点光学系を介して試料から反射する光を検出し、検出した光の強度に基づいて試料の欠陥を検査する検査方法であって、光源からの光を試料の裏面が合焦点位置となるように照射するステップと、試料の裏面が合焦点位置となった状態で前記試料と光源からの光の位置を相対的に移動するステップと、前記試料から反射された光を空間的に遮るフィルターに入射するステップと、前記フィルターを透過した光の強度を検出するステップを備え、検出した光の強度の変化に基づいて欠陥の検出を行う。これにより、表面側及び裏面側に存在する欠陥の検出を行うことができる。
【0018】
上記の欠陥検査方法において、前記光源からの光を試料の表面が合焦点位置となるように照射するステップと、試料の表面が合焦点位置となった状態で、前記試料と光源からの光の位置を相対的に移動するステップをさらに備え、前記試料の裏面が合焦点位置となった状態で検出した光の強度の変化と前記試料の表面が合焦点位置となった状態で検出した光の強度の変化に基づいて試料の裏面に存在する欠陥の検出を行うことが好ましい。この構成により、試料裏面の欠陥を精度良く検出することができる。
【0019】
本発明にかかる半導体デバイスの製造方法は、光源からの光をマスクブランクスの裏面が合焦点位置となるように照射するステップと、前記マスクブランクスと光源からの光の位置を相対的に移動するステップと、マスクブランクス上の焦点と共焦点光学系となるように設けられ前記マスクブランクスから反射された光を空間的に遮るフィルターに入射するステップと、前記フィルターを透過した光の強度を検出するステップと、前記光の強度の変化に基づいて欠陥検査するステップと、前記検査されたマスクブランクスに露光パターンを形成し、露光用マスクを製造するステップと、前記露光用マスクを露光装置にセットするステップと、前記露光用マスクの露光パターンでウェハを露光するステップと、露光されたウェハを現像するステップを備えるものである。これにより、半導体デバイスの歩留り低減を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
本発明にかかる欠陥検査装置の構成について図1を用いて説明する。図1は欠陥検査装置の全体の構成を示した構成図である。本実施の形態ではマスクブランクスを検査用の試料としている。1は点光源、2はコンデンサーレンズ、3はハーフミラー、4は対物レンズ、5はマスクブランクス、6はストラット、7は試料ステージ、8はレンズ、9はピンホール、10は光検出器、11はレーザー光源、12はダイクロイックミラー、13はハーフミラー、14は2分割光検出器、15はフォーカスコントローラー、16はビームポジショナー、17はステージコントローラー、18はパーソナルコンピューター(以下、PCとする)である。
【0021】
まず、欠陥検出用の光学系について説明する。点光源1としてのレーザー装置から出射された光はコリメートレンズ2によって、略平行な光ビームとなる。この光ビームはハーフミラー3によって、被検査体であるマスクブランクス5の方向に向かう。さらにこの光ビームは対物レンズ4によってマスクブランクス5の表面に集光される。この対物レンズ4は光軸上を移動可能に設けられており、焦点の位置を調整することができる。
【0022】
なお、典型的なマスクブランクス5の厚さは1.0μm程度であり、非常に薄いため、たわまないような補強が必要となる。従って、メッシュ状のストラット6が形成されている。このストラット6とマスクブランクス5は、Siウェハをエッチングすることによりマスクブランクス5と一体形成される。このストラット6の典型的な厚さは約725μmである。
【0023】
このストラット6とマスクブランクス5は、ストラットがマスクブランクスの下になるように、試料ステージ7の上に載置され検査が行われる。この試料ステージ7にはステージコントローラー17が取り付けられている。ステージコントローラー17は試料ステージ7をXY方向(又はrθ方向等)に移動することができるようになっている。これにより、光ビームによる試料のXY走査によって試料全面の検査を可能としている。さらに、ステージコントローラー17は試料ステージ7の位置情報を把握できるようになっている。なお、試料ステージ7を駆動して試料を走査するのではなく、光ビームの進行方向を変えて試料全面を走査してもよい。この光ビームの走査にはガルバノミラーやポリゴンミラーを用いることができる。
【0024】
マスクブランクスで反射された光ビームは、光路上に配置された対物レンズ4、ダイクロイックミラー12、ハーフミラー3を介してレンズ8に入射する。レンズ8はピンホール9上に光ビームを集光する。このピンホール9を通過した光ビームのみが光検出器10に入射する。レンズ8による焦点はこのピンホール9に合うようになっている。この光検出器10に入射した光の強度に基づいて、マスクブランクス表面の欠陥の検出を行う。すなわち、試料表面の異物、傷、段差膜状の欠陥がある位置に光が照射された場合、反射光の強度が変化するため欠陥の検出を行うことができる。例えば、光検出器10は閾値を越えた値となった時に欠陥検出信号を出力する。そして、PC18を用いて欠陥検出信号とステージコントローラー17の位置情報を対応させ、マスクブランクス5のどの位置に欠陥があるかを検査する。
【0025】
点光源1とマスクブランクス5上の焦点、及び、マスクブランクス5上の焦点とピンホール9とは共役な結像関係になっており、これらは共焦点光学系(コンフォーカル光学系)を構成している。従って、焦点がずれた位置からの反射光はピンホール9の位置でぼやけてしまい、ピンホール9を通過できないため光強度が弱くなる。これにより焦点から外れた像は消失してしまい、表面の欠陥の検出を精度よく行うことができる。
【0026】
本形態ではマスクブランクス5上の焦点の微妙な振動等による焦点位置のずれを補正するために、マスクブランクスの表面に焦点を合わせる自動焦点合わせ機構が設けられている。この自動焦点合わせ機構について説明する。本実施の形態では光てこ方式の自動焦点合わせ機構が用いられている。レーザー光源11から出射した光をダイクロイックミラー12でマスクブランクス5の方向に反射する。そして、マスクブランクス5で反射された光は対物レンズ4、ハーフミラー13、ビームポジショナー16を介して2分割光検出器14に入射する。ビームポジショナー16の角度を変えることにより、2分割光検出器14に入射する光の位置を調整することが出来るようになっている。
【0027】
レーザー光源11からの光は対物レンズ4の片側部分にしか入射されず、マスクブランクス5で反射された光は対物レンズ4もう一方の片側を通過して2分割光検出器14の方向に向かう。マスクブランクス5の表面を観察する場合、レーザー光の焦点がマスクブランクス表面になっている時に2分割光検出器14の中央に反射光が返ってくるようにビームポジショナー17の角度が調整されている。よって2分割光検出器14のそれぞれは同じ光の強度を検出する。しかし、レーザー光が焦点の位置からずれると光路が変わり、2分割光検出器14の中央からずれることになる。2分割光検出器14のそれぞれで検出した光強度の信号の差分をとって、焦点のずれを検出している。焦点がずれた場合は、フォーカスコントローラー15が対物レンズ4の位置を調整して焦点を合わせるようにしている。そして、レーザー光が2分割光検出器の中央に照射されるように調整する。
【0028】
また、レーザー光源11からのレーザー光と点光源1からの光はそれぞれ同じ焦点位置になるように調整されている。したがって、レーザー光の焦点位置がマスクブランクス5の表面になるように対物レンズ4を調整することによって、点光源1からの光の焦点もマスクブランクス5の表面に合わせることが出来る。なお、点光源1とレーザー光源11の波長は異なる波長帯の光を用いることが望ましい。これにより、点光源1からの光がダイクロイックミラー12で反射されなくなるため光強度のロスを少なく出来る。また、ダイクロイックミラー12の代わりハーフミラー等を用いてもよい。なお、本実施の形態では光てこ方式の自動焦点合わせ機構を示したが、非点収差方式等の他の自動合わせ機構を用いてもよい。
【0029】
さらに本発明ではマスクブランクス5の裏面側の欠陥検査を行うために、裏面に焦点を合わせることができるようになっている。すなわち、裏面側がレーザー光の合焦点位置となっている状態で、2分割光検出器の中央にレーザー光源11のレーザー光が照射されるようにビームポジショナー16の角度が調整される。よって、裏面に焦点が合っている状態を基準として、自動焦点合わせ機構が焦点を調整することとなる。このようにビームポジショナー16は表面又は裏面が合焦点位置となるようにその角度が調整され、それに伴い対物レンズ4の位置がフォーカスコントローラー12により移動される。
【0030】
このマスクブランクス5の表面及び裏面に光の焦点を合わせている様子を図2に示す。図2(a)はマスクブランクス5の表面に焦点を合わせている状態を示す断面図である。図2(b)はマスクブランクス5の裏面に焦点を合わせている状態を示す断面図である。図2(a)と図2(b)では対物レンズ4の位置を変化させて焦点位置を調整している。すなわち、対物レンズ4とマスクブランクス5の間隔をマスクブランクス5の厚さに屈折率を考慮した距離だけ接近させる必要がある。なお対物レンズ4ではなくて、試料ステージ7の位置を変化させてもよい。
【0031】
又、表面用と裏面用に、異なるレンズあるいは光学系を使用することが可能である。このように、表面から透過して裏面で反射される光を用いることにより、ストラット6の影響を受けずに裏面の欠陥検査を行うことができる。そして、対物レンズ4の位置をずらして裏面に焦点を合わせることにより、共焦点光学系を構成することが出来る。なお、焦点位置の変更は、予め設定された距離だけ対物レンズ4を移動するようにビームポジショナー16の角度を調整しても良い。またPC18などにマスクブランクス5の厚さ及び材質(屈折率)等を入力して、それらの値に基づき調整を行っても良い。
【0032】
本形態は、欠陥が存在する位置に光が照射された時の光強度の変化によって欠陥を検出している。例えば、光強度が設定された閾値より弱くなった場合は欠陥ありと判断し、欠陥検出信号を出力する。表面側に焦点を合わせて、マスクブランクス5の全面を走査することによって、表面にある欠陥箇所を検査することができる。裏面側に焦点を合わせた場合は、表面又は裏面のいずれに欠陥が存在しても反射光の光強度は弱くなる。よって、表面又は裏面にある欠陥箇所を検査することができる。さらに、これらの検査結果を比較することにより、裏面上に存在する欠陥のみを検査することができる。これにより、表面のみならず裏面に存在する欠陥の検査を行うことができる。
【0033】
次に裏面側の欠陥検査を精度よく行う方法について説明する。光検出器によって検出されるマスクブランクス表面からの反射光(以下、表面反射光とする)及びマスクブランクス裏面からの反射光(以下、裏面反射光とする)の光強度の例を図3に示す。図3は焦点位置をマスクブランクスの厚さ方向へずらした時の光強度の変化を表す図である。横軸は焦点位置を示し、縦軸は光検出器で検出される光の光強度を示す。Aは光検出器で検出される表面反射光の光強度、Bは光検出器で検出される裏面反射光の光強度を示す。共焦点光学系を用いているため、A、Bとも急峻なピークとなっており、焦点位置からずれた光の強度は急激に弱くなっている。
【0034】
しかし、試料が薄く、表面反射光及び裏面反射光の光軸は同一であるため、いずれかに焦点を合わせた場合であっても、一方を完全にピンホール9で除去することができない。従って、検出される光の強度は裏面反射光と表面反射光の双方に基づくものとなる。マスクブランクス5の表面に焦点を合わせた時に光検出器10で検出される表面反射光の強度は、Aのピーク強度となる。対物レンズをずらしマスクブランクス5の裏面の焦点を合わせた時、光検出器10で検出される裏面反射光の光強度はBのピーク強度となる。これらのピークはマスクブランクス5の厚さ1μmだけ焦点位置がずれている。
【0035】
マスクブランクス5の表面が合焦点位置になっている時は、Aのピーク位置における表面反射光と裏面反射光の重ねあわされた光が光検出器10により検出される。また、マスクブランクス5の裏面が合焦点位置になっている時は、Bのピーク位置における表面反射光と裏面反射光の重ねあわされた光が光検出器10により検出される。よって、AとBを重ねあわせた光の強度が検出され、焦点位置を変えていくと光強度が変化する。この光強度変化に基づいて対物レンズ4を調整することにより、表面又は裏面を焦点位置とすることができる。
【0036】
なお本実施の形態は自動焦点合わせ機構を用いており、表面検査のために、Aのピークの位置になるようにビームポジショナー16及び対物レンズ4を調整し、その位置を焦点位置として自動焦点合わせ機構が動作することができる。また、裏面検査のために、ビームポジショナー16及び対物レンズ4を調整し、裏面を焦点位置として自動焦点合わせ機構が動作する。図3で示されるようにマスクブランクス5の表面が合焦点位置の場合、裏面反射光は表面反射光と比べて弱いため、検出精度にほとんど影響を与えない。しかしマスクブランクス5の裏面が合焦点位置の場合、表面反射光が裏面反射光に影響を及ぼす。
【0037】
裏面に存在する欠陥を検出するために、裏面に焦点が合った状態において、焦点位置の調整を行うことが好ましい。焦点位置の調整は、裏面欠陥による受光強度の変化が大きくなるように行うことが好ましい。最も変化の大きい焦点位置において検査を行うことによって、特に高精度良く欠陥検出を行うことが可能となる。焦点位置の調整、あるいは、焦点位置は、裏面欠陥の種類によって変化しうる。
【0038】
例えば、横方向(面内方向)に比較大きく、膜厚の変化が小さい欠陥の検出のためには、表面による反射光と裏面による反射光の強度が近づくように、焦点位置が調整される。欠陥部分での膜厚の変化によって、表面反射光と裏面反射光の位相差が変化し、両者の干渉によって受光強度が大きく変化する。このため、欠陥検出を精度良く行うことができる。特に、裏面反射光強度が最も大きい焦点の近傍において、両反射光の強度が実質的に最も近づく焦点位置において、高精度の欠陥検出が可能である。付着異物などの横幅が微小な欠陥に対しては、裏面反射光の強度が大きくなるように、焦点位置を調整する。裏面反射光の強度が実質的に最も大きい焦点において、特に高精度に欠陥検査を行うことができる。
【0039】
ステンシルマスク用マスクブランクスの厚さは1μm程度と非常に薄いため、裏面反射光の光強度が表面反射光の光強度に比べて低いとコンフォーカル光学系を用いても表面反射光の影響を受けてしまい検査精度が低下してしまう。すなわち、表面反射光と裏面反射光は同時に検出されるため、裏面に焦点を合わせた場合であっても裏面反射光の強度が表面反射光の強度に比べて相対的に低いと、表面反射光が共焦点光学系を用いても十分除去できなくなってしまう。そのため、裏面欠陥による光強度の変化を測定することが困難になってしまう。従って、裏面反射率を上げることが望ましい。
【0040】
裏面反射率の表面反射率に対する比は、1対50以上とすることが望ましい。例えば、マスクブランクスの表面反射率(マスクブランクスに入射した光のうち、マスクブランクスの表面で反射する光の割合)が50%の場合、裏面反射率(マスクブランクスに入射した光のうち、マスクブランクスを透過してマスクブランクスの裏面で反射する光の割合)は1%以上であることが好ましい。さらにはその比を1対20以上(例えば、表面反射率40%に対して裏面反射率2%程度)とすることがより望ましい。なお、表面反射率及び裏面反射率は上記の光学系において光検出器10により検出される光を基準とするものではなく、反射される光全てを基準とするものである。
【0041】
表面反射光と裏面反射光の比は、マスクブランクスの厚さ、材質、光の波長などによって変化する。表面反射率と裏面反射率の比を好ましいものとするため、適切な光の波長を選択することが重要である。試料による吸収の影響が小さい波長を選択することによって、検査精度を上げることができる。一方、欠陥検出感度の観点から、分解能を大きく落とすことない波長域であることが重要である。SiやSiC等の材質からなるマスクの裏面をする場合、検査に使用する光の波長は、630nm〜2500nmが好ましく、630nm〜700nmの波長の光を用いることがさらに好ましい。
【0042】
図4〜8はマスクブランクスの厚さによる裏面反射率の変化の計算値を示している。図4は488nm、図5は532nm、図6は633nm、図7は687nm、図8は780nm、それぞれの波長における裏面反射率の変化を示す図である。例示されているマスクブランクスの材質は単結晶Siである。なお、空気の屈折率をn1、Siの屈折率をn2、Siの吸収係数をk2とし図中に示している。上述したように電子ビーム露光では最大で2μm程度の厚さのマスクブランクスが用いられるため、Siの厚さを0〜2000nmまでとして計算を行った。
【0043】
図4に示すように488nmの波長では表面反射率が39%となる。そして、Siの厚さ1000nm程度で裏面反射率と率表面反射率の比が1対50以下となり、精度の高い検査を行うことができなくなってしまう。図5に示すように532nmの波長では表面反射率が38%となる。そして、Siの厚さが1500nm程度で裏面反射率と率表面反射率の比が1対50以下となり精度の高い検査を行うことができなくなってしまう。このように従来の検査装置でよく用いられて488nm、532nmの波長の光を本発明に用いると、Si内部での吸収が大きくなり、マスクブランクスの厚さが厚くなった場合に精度の高い検査を行うことができない。
【0044】
一方、633nm、687nm、780nmの波長の光では、Siの厚さが2000nmになっても裏面反射率と率表面反射率の比が1対50以下にはならないので精度の高い検査を行うことができる。このように、検査精度の面からはより長い波長を用いることが望ましい。しかし、長波長側の光を用いると、分解能の低下をもたらす。又、光学設計上において問題が生じる。例えば、光学系の汎用部品(レンズ等)が少なく、コストが高くなってしまう場合が多い。従って、630nm以上2500nm以下の波長の光源を用いることが望ましい。さらには630nm〜700nmの波長の光を用いることが望ましい。この傾向はマスクブランクスの材質がSiCでも類似の傾向があるため、同様の波長の光源を用いることが望ましい。
【0045】
特に、630nm〜700nmの波長帯では、半導体レーザーを用いることによって高出力のレーザー光源が容易に入手することが出来る。よってコスト低減を図ることができる。このように、Si及びSiCからなる試料が厚くなった場合でも、表面及び裏面の欠陥検出を精度よく行うことができる。もちろん、光源には半導体レーザー以外のレーザーを用いてもよいし、レーザー以外の光源にバンドパスフィルター等を用いて波長を選択しても良い。さらに点光源1はレーザー光源に加えて、ピンホールやスリットを備えていても良い。またランプを光源としたニポウディスク方式やスリット照明方式の共焦点光学系でも同様の効果を得ることが出来る。
【0046】
尚、本形態はマスクブランクスの欠陥検査に限らず、裏面側に突起物等があり裏面側から光を照射して検査を行うことが困難な試料の欠陥検査に利用することが好適である。また、試料を反転させる時間を短縮できるため検査時間の短縮に繋がる。さらに、露光パターンを備えるマスクの検査にも用いることが可能である。
【0047】
第2の実施形態.
図10は、第2の実施の形態に係る検査装置を説明するための図である。対物レンズから試料までの部分以外の光学系は、実施の形態1と実質的に同様であるので、説明が省略される。本形態の検査装置は、特に、F2リソグラフィで使用される石英製のハードペリクルなど、比較大きな厚みを有する試料の検査に使用される。図10(a)は、マスクの防塵カバーとして使用されるペリクル20の概略構成を示す、断面図である。ペリクルは、アルミニウムなどで構成されるフレーム21と、そのフレーム内に形成されているペリクル部材22とを備えている。
【0048】
従来のペリクル部材としては、典型的には、数μmのセルロース系樹脂などが使用されている。しかし、F2リソグラフィのように、157nmほどのVUV(Vacuum Ultra−Violet)領域の短波長光を露光光として使用する場合、樹脂製のペリクルは耐光性が小さいため、透明性が低下するなどの問題を有している。そのため、上記のような短波長光を使用したリソグラフィにおいては、フッ素ドープされた石英などによって形成されているハードペリクルを使用することが典型的である。ハードペリクル部材の厚さは、典型的には、300−800μmである。本形態の検査装置は、100μm以上の厚さを有する部材の検査に好適である。
【0049】
ペリクルを検査する場合、ペリクル部材表面のみならず、ペリクル部材裏面の欠陥を高感度に検出する必要がある。また、ペリクル部材がフレームに貼り付けられた状態で、ペリクル全面の検査を行う必要がある。あるいは、ペリクルの裏面と表面を検査する場合に、遅滞なく光学系を切替えて両面を連続的に検査することが望ましい。本形態の検査装置は、マスクブランクスやソフトペリクルと比較して大きな厚みを有するハードペリクルを、ペリクル部材がフレームに貼り付けられた状態において、迅速に検査する。ペリクルは、マスクの付着された状態で検査することも可能である。
【0050】
本形態のハードペリクルの検査において、フレーム21がペリクル部材22の下になるように試料ステージ7の上に載置され、ペリクルの表面及び裏面の検査が行われる。ここで、フレームに付着されているペリクル部材の面を、裏面とする。ハードペリクルは300−800μmほどの、比較的大きな厚みを備えているので、裏面検査と表面検査の間における、ペリクル部材自体の光学的影響を考慮することが必要であり、板厚補正のなされた光学系が使用される。特に、裏面検査時と表面検査時とにおける収差の違いを考慮することが必要である。
【0051】
図10(b)は、ペリクル部材22の裏面検査時の状態を示している。裏面検査時において、対物レンズ23から射出されたレーザー光は、ペリクル部材22の裏面に焦点が合うように、試料ステージ7と対物レンズ22との間の距離は決定される。所定の厚みを備えるペリクル部材22が光路の途中に挿入された状態で、ペリクル部材22の裏面に焦点が合うように設計された対物レンズ23が使用される。対物レンズ23は複数のレンズ要素から構成することができ、試料の厚さに起因する収差を補正するように構成される。対物レンズ23を出射した光は集束光であり、ペリクル部材22は集束光の光路上に配置された透明平行板として作用する。集束光の光路の途中にある平行板は凹レンズとして作用するため、それによる収差を補正するように設計された対物レンズが使用される。例えば、ペリクル部材22が800μmの厚さを有する場合、800μmのペクリル部材に最適化された対物レンズを使用することが好ましい。
【0052】
ペリクル部材表面を検査する場合は、図10(c)に示すように、ペリクル部材22と対物レンズ23との間に補正板24が挿入される。ペクリル部材表面検査においてレーザー光はペリクル部材を通過しないため、それを補正するための光学手段として補正板が使用される。補正板24の材料は、ペリクル部材22と同じ屈折率を有するものが好ましく、さらに好ましくはペリクル部材22と同じ材料で形成される。また、ペリクル部材22と同じ材料で形成される場合、補正板24は、ペクリル部材22と実質的に同じ厚さを備える。例えば、ペリクル部材が800μmの厚さを備える場合、補正板はペリクル部材と同じ材料で形成された、800μm厚の透明平板が好ましく、設計容易性の観点から、補正板としてペクリル部材自体を使用することがさらに好ましい。このような補正板は、レンズと異なり、光軸に対する角度のみを高精度に制御することが要求されるので、制御の容易性の観点からも好ましい。尚、補正板は、ペリクルと異なる材料を使用して、適切な形状を備えることにより形成することができる。
【0053】
焦点は、対物レンズと試料との距離を変化させることによって調整することができる。本形態において、試料ステージ7が上下方向に移動することによって、レーザー光の焦点がペクリル部材表面(もしくは裏面)に合うように制御されることが好ましい。移動距離が大きいため、特にオートフォーカス機能を備える場合、対物レンズの移動は高精度な制御を困難とするからである。補正板24の移動は、スライド機構あるいは回転機構を使用することによりを行うことができる。制御の信頼性の観点から、補正板を直線的に移動させることができるスライド機構を使用することが好ましい。補正板24を設置するガイドをスライダによって移動させる機構は、当業者は容易に実現することができる。
【0054】
本実施の形態は、補正板24を挿入し、ペリクル部材表面に焦点をあわせることによって、裏面検査モードから、表面検査モードに瞬時に切替えることができる。これにより、ペリクルを裏返すことなく、連続的にペリクルの検査をすることができる。また、フレームの影響を受けずに、フレーム近傍まで高感度に検出することができる。本形態は、試料の表面と裏面を別々に検査することにより、検出した欠陥または異物がどちらの面にあるかを分離できる。裏面の検査データと表面検査データを比較することで、欠陥または異物がどちらの面にあるかをより的確に特定することができる。特に、ペリクルにおいては、欠陥または異物がどちらの面にあるかによって及ぼす影響が大きく異なるので、異物もしくは欠陥の存在する面を特定することは、大きな効果となる。
【0055】
尚、本形態の試料は十分な厚みを備えているので、適切なNAを設定することによって、表面からの反射と裏面からの反射を分離することが可能である。従って、表裏両面によって反射された光を干渉させることは必要とされない。また、レーザー光の波長は、例えば可視光範囲から、広く選択することができる。板厚補正は、補正板を使用することなく、対物レンズ内のレンズ間隔を調節することによって達成することが可能である。あるいは、表面検査用対物レンズと裏面検査用対物レンズを切り替えることによって達成することができる。しかし、制御容易性の観点から、補正板を使用することが好ましい。裏面検査時において、補正体に相当する補正部材を使用し、表面検査時においては、対物レンズからの光を直接試料に照射するが可能である。この場合、補正部材は集束光に対して凸レンズとして作用する。設計容易性、制御容易性の観点からは、試料と同一の補正板を使用することが好ましい。
【0056】
その他の実施の形態.
本発明は上述した実施例だけに限られず、様々な変更が可能である。図示した光学系に限られず、共焦点光学系であれば、その他の種々の光学部品、光学素子を用いることによっても同様の効果を得ることができる。上述の実施の形態では共焦点光学系を構成するために検出系にピンホール9を用いたが、スリットや光ファイバーを用いて光を検出しても同様である。すなわち、空間的に光を遮るフィルターとして、ピンホール、スリット、光ファイバーは同等に用いることが出来る。また、複数の光ビームを用いて欠陥検出を行っても良い。例えば、1次元又は2次元に配列されたマルチビームを用いて欠陥検出を行うことも可能である。これにより、検査時間の短縮化を図ることができる。またナイフエッジ等を用いて欠陥の凹凸の判別を行っても良い。
【0057】
本発明にかかる欠陥検査方法によって検査されたマスクブランクスあるいはペリクルを用いることによって、半導体デバイスの製造歩留まりを向上させることができる。すなわち、本発明により検査されたSi、SiCのマスクブランクスを加工して、所定の露光パターンが設けられた露光用マスクの原板を製造する。典型的な半導体デバイスの製造においては、このマスク原板が露光装置にセットされ、電子ビームなどを利用したEPL又はLEEPLによって、レジストを形成されたウェハの露光処理がなされる。あるいは、本発明に係る検査方法によって検査されたペリクルが取り付けられたマスクが、露光装置に設置され、露光処理がなされる。露光処理がなされた半導体ウェハは現像処理が施され、レジストパターンがウェハ上に形成される。このパターンに従って、広く知られた薄膜堆積処理、エッチング処理、酸化処理、イオン注入処理などがなされ、半導体デバイスが形成される。本発明の検査装置あるいは検査方法を用いて検査されたマスクブランクスを用いたマスクによって、半導体デバイスの製造における露光処理を実施することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、試料の裏面側の欠陥を精度良く検出することができる欠陥検査装置及び欠陥検査方法並びにそれを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる欠陥検査装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明にかかる欠陥検査装置の試料周辺の拡大図である。
図2(a)は試料の表面を合焦点位置とした場合における光の光路を示す断面図である。
図2(b)は試料の裏面を合焦点位置とした場合における光の光路を示す断面図である。
【図3】図3は共焦点光学系を介して検出した光の強度変化を示すグラフ図であって、焦点の位置を変化させた場合の様子を示すグラフ図である。
【図4】波長が488nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図5】波長が532nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図6】波長が633nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図7】波長が687nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図8】波長が780nmの光を試料の照射した場合の裏面反射率を示すグラフ図である。
【図9】電子ビーム露光用ステンシルマスクのマスクブランクスの構成を示す断面図である。
【図10】第2の実施形態における検査装置の、対物レンズから試料までの光学系を説明する図である。
【符号の説明】
1 点光源、2 コリメートレンズ、3 ハーフミラー、4 対物レンズ、5 マスクブランクス、6 ストラット 7 試料ステージ8 レンズ、9 ピンホール、10 光検出器、11 レーザー光源、12 ダイクロイックミラー、13 ハーフミラー、14 2分割光検出器15 フォーカスコントローラー、16 ビームポジショナー17 ステージコントローラー、18 パーソナルコンピューター、20 ペリクル、21 フレーム、22 ペリクル部材、23 対物レンズ、24 補正板
Claims (16)
- 光源と、
試料を載置する試料台と、
前記試料台に載置された試料と前記光源から試料に照射された光の位置を相対的に移動させる走査手段と、
前記試料の裏面に前記光源からの光の焦点を合わせる焦点位置調整手段と、
前記試料から反射された光を空間的に遮るフィルターと、
前記フィルターを透過した光の強度を検出する光検出器を備え、
前記光源と試料上の焦点と前記フィルターが共焦点光学系で構成され、前記光検出器により検出した光の強度に基づいて前記試料の裏面欠陥の検出を行う、欠陥検査装置。 - 前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面検査のために前記試料の表面に焦点を合わせ、
前記検査装置は、表面に焦点をあわせたときに前記光検出器により検出した光の強度と、裏面に焦点をあわせたときに前記光検出器により検出した光の強度とに基づいて、試料の裏面欠陥の検出を行う、請求項1に記載の検査装置。 - 焦点の位置を所定の位置に自動的に合わせる自動焦点合わせ手段をさらに備え、
前記自動焦点合わせ手段が前記試料の表面あるいは裏面に焦点を合わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の欠陥検査装置。 - 前記光源が、光の波長が630nm以上2500nm以下のレーザー光源を備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の欠陥検査装置。
- 前記試料に入射した光のうち試料を透過して試料の裏面で反射される光の強度が、試料の表面で反射される光に対して1対50以上であるように、前記光源から発せられる光の波長が選択されたことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の欠陥検査装置。
- 前記焦点位置調整手段が、前記試料の裏面で反射され前記光検出器で検出される光の強度が実質的に最大となるように焦点位置を調整することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の欠陥検査装置。
- 前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面で反射される光と裏面で反射される光の強度が近くなるように焦点の位置を調整する、請求項1乃至5いずれかに記載の欠陥検査装置。
- 前記焦点位置調整手段が、試料の裏面が合焦点位置となった状態で、裏面欠陥によって検出される光の強度変化が大きくなるように焦点位置を調整することを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の欠陥検査装置。
- 前記欠陥検査装置は対物レンズを備え、前記対物レンズは前記試料の厚さに起因する収差を補正するように構成されている、請求項1に記載の欠陥検査装置。
- 前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面検査のために前記試料の表面に焦点を合わせ、
前記欠陥検査装置はさらに、前記試料の表面検査における収差を補正するように前記試料と前記対物レンズとの間に挿入される光学手段を備える、請求項9に記載の欠陥検査装置。 - 前記光学手段は、前記試料と同一材料で形成され実質的に同一の厚さを備える、請求項10に記載の欠陥検査装置。
- 前記焦点位置調整手段は、前記試料の表面検査のために前記試料の表面に焦点を合わせ、
前記欠陥検査装置はさらに、対物レンズと、前記試料の表面検査時に前記試料の試料厚さを補正するように前記対物レンズと前記試料との間に挿入される光学手段とを備える、請求項1に記載の欠陥検査装置。 - 前記欠陥検査装置はさらに対物レンズを備え、前記対物レンズから試料までの光学系は、前記試料の裏面検査において、前記試料の厚さに起因する収差を補正するように構成されている、請求項1に記載の欠陥検査装置。
- 共焦点光学系を介して試料から反射する光を検出し、検出した光の強度に基づいて試料の欠陥を検査する検査方法であって、
光源からの光を試料の裏面が合焦点位置となるように照射するステップと、
試料の裏面が合焦点位置となった状態で前記試料と光源からの光の位置を相対的に移動するステップと、
前記試料から反射された光を空間的に遮るフィルターに入射するステップと、
前記フィルターを透過した光の強度を検出するステップを備え、
検出した光の強度の変化に基づいて欠陥の検出を行う欠陥検査方法。 - 前記光源からの光を試料の表面が合焦点位置となるように照射するステップと、
試料の表面が合焦点位置となった状態で、前記試料と光源からの光の位置を相対的に移動するステップをさらに備え、
前記試料の裏面が合焦点位置となった状態で検出した光の強度の変化と前記試料の表面が合焦点位置となった状態で検出した光の強度の変化に基づいて試料の裏面に存在する欠陥の検出を行う請求項13記載の欠陥検査方法。 - 光源からの光をマスクブランクスの裏面が合焦点位置となるように照射するステップと、
前記マスクブランクスと光源からの光の位置を相対的に移動するステップと、マスクブランクス上の焦点と共焦点光学系となるように設けられ、前記マスクブランクスから反射された光を空間的に遮るフィルターに入射するステップと、
前記フィルターを透過した光の強度を検出するステップと、
前記光の強度の変化に基づいて欠陥検査するステップと、
前記検査されたマスクブランクスに露光パターンを形成し、露光用マスクを製造するステップと、
前記露光用マスクを露光装置にセットするステップと、
前記露光用マスクの露光パターンでウェハを露光するステップと、
露光されたウェハを現像するステップを備える半導体デバイスの製造方法。
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