JP2698680B2 - 原子炉出力監視装置 - Google Patents

原子炉出力監視装置

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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子力発電プラント等において、定格出力
運転状態での原子炉内中性子束を監視し、原子炉内中性
子束の平均値が異常に高くなった場合に全制御棒を挿入
して原子炉を停止させるためのスクラム信号を発生する
原子炉出力監視装置に関する。
〔従来の技術〕
この種の装置としてデジタル式出力領域中性子束監視
モニタがある。かかる装置は、第3図に示すように、原
子炉炉心内に均等に配置された複数の中性子検出器1
が、適当数づつ対応する各局部出力領域モニタ2−1〜
2−nにそれぞれ接続されている。各局部出力領域モニ
タ2−1〜2−nは、各々接続されている中性子検出器
から送られてくる出力信号をA/D変換回路3でA/D変換し
た後、送信回路4でシリアル信号に多重化処理して出力
する。各局部出力領域モニタ2−1〜2−nから出力さ
れる全中性子検出器1の出力信号は、伝送手段5−1〜
5−nを介して平均出力監視モニタ6に伝送される。平
均出力監視モニタ6では、マイクロプロセサを用いたソ
フトウエア処理により、全ての中性子検出器1の出力を
加算し、この加算値を中性子検出器1の数で除算して原
子炉の平均出力を得ていた。
しかし、平均出力監視モニタ6のマイクロプロセサに
おいて、各局部出力領域モニタ2−1〜2−nからシリ
アル伝送されてくる中性子検出器出力を全中性子検出器
台数回加算し、さらにこの加算値を中性子検出器1の数
で除算していたのでは、演算量が多すぎて演算時間が長
くなり、検出信号の変化に対して安全上十分な応答速度
を保つことが困難になる。
そこで、第4図に示すように、各局部出力領域モニタ
2側にもマイクロプロセサ7を装備し、個々の局部出力
領域モニタ2−1〜2−nにおいて、各々接続されてい
る中性子検出器1の出力信号の部分平均演算を行い、平
均出力領域モニタ6では、各局部出力領域モニタ2−1
〜2−nから送られてくる部分平均値を合計し、この合
計値を局部出力領域モニタ2−1〜2−nの台数で除算
する事により、全中性子検出器1の出力信号の平均値を
得、これによって平均出力領域モニタ6の負荷を軽減
し、信号処理速度の高速化を図ることが考えられてい
た。
しかしながら、出力領域中性子束モニタでは中性子検
出器1の状態に応じて特定の中性子検出器を適宜運転か
ら除外してバイパスさせるため、個々の局部出力領域モ
ニタ2において部分平均値に使われる中性子検出器1の
数は必ずしも同じ数にはならない。このように、部分平
均値に使われる中性子検出器1の数が各局部出力領域モ
ニタ2−1〜2−n間において異なっていると、原子炉
の平均出力を計算する際の個々の中性子検出器出力の比
重が異なってしまうため、正しい平均値を得られない。
この問題について具体的に説明する。例えば4台の局
部出力領域モニタがそれぞれn1,n2,n3,n4個の中性子検
出器と接続されていて、それぞれ部分平均値a1,a2,a3,a
4を演算して平均出力領域モニタへ送るものとする。平
均出力領域モニタで平均値を求める場合、従来の方法で
は、 (a1+a2+a3+a4)/4 なる演算にて平均値が求められていた。しかし、正確な
平均値は、 (a1×n1+a2×n2+a3×n3+a4×n4)/(n1+n2+n3+
n4) である。n1,n2,n3,n4が全て等しい場合にのみ両者の値
は一致するが、それ以外の場合には両者の値は一致しな
い。例えば、第1から第3の局部出力領域モニタはそれ
ぞれ同数のn0個の中性子検出器が正常に動作し、第4の
局部出力領域モニタはn4個の中性子検出器が正常に動作
し、各局部出力領域モニタの部分平均値をa1,a2,a3,a4
とすれば、各検出器出力の比重を同じとした正確な平均
値と従来の方法による平均値との誤差は次のようにな
る。すなわち、 {a4−(a1+a2+a3+a4)/4)}{(n0−n4)/N} ただし、N=n1+n2+n3+n4 となる。これは、第4の局部出力領域モニタの部分平均
値と第1から第4までの局部出力領域モニタの部分平均
値との差が5%で、第4の局部出力領域モニタの検出器
数と他の局部出力領域モニタの検出器数との差が1台
で、全体の検出器数を50台とすれば、誤差は0.1%とな
ることを意味する。
これに対して、各局部出力領域モニタにおいて部分平
均演算を行わずに、正常に動作している中性子検出器出
力の合計値を計算し、この合計値を合計値計算に用いた
中性子検出器の数と共に平均出力領域モニタへ送り、そ
こで各局部出力領域モニタからの合計値と正常に動作し
ている中性子検出器数とを別々に合計し、しかるのち、
全ての正常に動作している検出器数で合計値を除算して
全体の平均値を得ることが考えられる。
ところが、平均出力領域モニタへ送られる合計値信号
は検出器個々の出力信号よりも数桁データ量が多いた
め、伝送データのデータ長を増やさなければ中性子検出
器の出力信号と同等の信号精度を保てない。一方、マイ
クロプロセサを用いたデータ処理では使用するマイクロ
プロセサのデータバスのデータ長に合ったデータ長の信
号を扱わなければ処理効率が低下するため、伝送データ
のデータ長のみを増やすことは処理効率の低下を招くと
いう不都合が生じる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、上述したように従来は、各中性子検出器力に
対する比重が異なってしまい正しい平均値を得ることが
できず、同じ比重にした場合にはデータの処理効率が低
下して信号処理速度の高速化を図れないという問題があ
った。
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであ
り、データの処理効率を低下させることなく正確な平均
値を得ることができ原子炉の安全管理を向上し得る原子
炉出力監視装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] 〔課題を解決するための手段〕 本発明は上記課題を解決するために、原子炉内の複数
箇所に配置された複数の中性子検出器からの出力信号に
基いて原子炉の平均出力を監視する原子炉出力監視装置
において、所定数の前記中性子検出器がそれぞれ接続さ
れ、接続された中性子検出器のうち正常に動作している
中性子検出器の数とそれらの中性子検出器出力の合計値
を各々算出する複数の局部出力領域モニタと、これらの
複数の局部出力領域モニタにデータ伝送手段を介して接
続され、正常に動作している全ての中性子検出器出力の
平均演算を行なって原子炉の平均出力を監視する平均出
力領域モニタとを備え、前記各局部出力領域モニタから
前記平均出力領域モニタに正常に動作している中性子検
出器の数がそれぞれ伝送され、全体で正常に動作してい
る中性子検出器の総数が平均出力領域モニタで求めら
れ、前記総数が前記各局部出力領域モニタに伝送されて
各局部出力領域モニタで算出される前記合計値が前記総
数で除算され、その除算結果が前記平均出力領域モニタ
にそれぞれ伝送され、各局部出力領域モニタからの前記
除算結果を平均出力領域モニタで合計して原子炉の平均
出力を監視するようにした。
〔作用〕
本発明は以上のような手段を講じたことにより、各局
部出力領域モニタでは各々接続されている複数の中性子
検出器のうち正常に動作している中性子検出器出力の合
計値およびその数が求められ、正常に動作している中性
子検出器数が各局部出力領域モニタから平均出力領域モ
ニタへ伝送手段を介して送られる。平均出力領域モニタ
では各局部出力領域モニタから送られてくる中性子検出
器数を合計して正常に動作している中性子検出器の総数
が求められ、その総数が各局部出力領域モニタへ送られ
る。各局部出力領域モニタでは送られてきた総数で各々
接続され正常に動作している中性子検出器出力の合計値
が除算され、その除算値が平均出力領域モニタへ伝送さ
れ、そこで各局部出力領域モニタでの除算結果が合計さ
れて平均出力が求められる。よって、各局部出力領域モ
ニタから平均出力領域モニタへ伝送するデータのデータ
長を長くすることなく、しかも同じ比重で計算された平
均値が得られるものとなる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は本発明の実施例にかかるデジタル式出力領域
中性子束モニタの概略を示す図である。このデジタル式
出力領域中性子束モニタは、原子炉内に均等に配置され
た複数の中性子検出器10−1〜10−n,11−1〜11−n,12
−1〜12−n,13−1〜13−nと、適当数(本実施例では
13個とする)の中性子検出器10−1〜10−n,11−1〜11
−n,12−1〜12−n,13−1〜13−nが各々接続された局
部出力領域モニタ14−1〜14−4と、原子炉の平均出力
を監視する平均出力領域モニタ15と、各局部出力領域モ
ニタ14の処理結果を平均出力領域モニタ15へ光伝送する
光伝送手段16−1〜16−4と、平均出力領域モニタ15か
らのデータを各局部出力領域モニタ14−1〜14−4へ光
伝送する光伝送手段17−1〜17−nとから構成されてい
る。
各局部出力領域モニタ14は、各々接続されている中性
子検出器からの出力信号をA/D変換するA/D変換部と、接
続されている中性子検出器のうち正常に動作している検
出器の出力信号の合計値およびその数を計算しかつ後述
する検出器総数で上記出力信号の合計値を除算演算する
CPUと、平均出力領域モニタ15との間のデータの送受信
を行う送受信部とを有している。平均出力領域モニタ15
は、マイクロプロセサにて動作制御され、各局部出力領
域モニタ14から送られてくる検出器数を合計して正常に
動作している全ての検出器数を算出してその検出器総数
を求め、その検出器総数を各局部出力領域モニタ14に送
信する機能,および各局部出力領域モニタ14から送られ
てくる上記除算結果を合計して原子炉の平均出力を監視
する機能を備えている。
次に、本実施例の動作について第2図を参照して説明
する。
原子炉内に均等に配置された複数の中性子検出器10〜
13から、各検出器が設置されている炉心位置での中性子
束に比例した検出信号が発生する。各局部出力領域モニ
タ14−1〜14−4では、接続されている13個の中性子検
出器からの信号をA/D変換した後、バイパスされている
ものを除いた有効に動作している中性子検出器の数ni
(i=1〜4)と、その%換算出力Pij(i=1〜4,j=
i〜ni)の和 が演算される(ステップS1)。有効に動作している中性
子検出器の数ni(i=1〜4)は、光伝送手段16−1〜
16−4を介して平均出力領域モニタ15へ伝送される(ス
テップS2)。
平均出力領域モニタ15では、各局部出力領域モニタ14
−1〜14−4からの中性子検出器の数ni(i=1〜4)
を受信し(ステップP1)、システム全体で有効に動作し
ている中性子検出器の総数 を計算する(ステップP2)。このようにして得られた検
出器総数Nは光伝送手段16−1〜16−4を介して各局部
出力領域モニタ14−1〜14−4へ伝送される(ステップ
P3)。
局部出力領域モニタ14−1〜14−4では、平均出力領
域モニタ15から送られてくる検出器総数Nを受信すると
(ステップS3)、この受信した検出器総数 で、上記ステップS1で求めた中性子検出器出力の和 を除算し(ステップS4)、その結果 を光伝送手段16−1〜16−4を介して平均出力領域モニ
タ15へ伝送する(ステップS5)。
平均出力領域モニタ15では、4台の局部出力領域モニ
タ14−1〜14−4からの処理結果 を受信すると(ステップP4)、各処理結果を加算して原
子炉の平均出力 を得る(ステップP5)。そして、このようにして得られ
る平均出力を用いてスクラム監視を行う(ステップP
6)。
このように本実施例によれば、平均出力領域モニタ15
でシステム全体で有効に動作している中性子検出器の総
数Nを計算して各局部出力領域モニタ14−1〜14−4へ
送信し、各局部出力領域モニタ14−1〜14−4において
中性子検出器出力の和を検出器総数Nで除し、その除算
結果の合計から平均出力を得るようにしたので、各局部
出力領域モニタ14−1〜14−4において各中性子検出器
を適宜バイパスさせてその出力信号を合計計算から除外
した場合であっても、各中性子検出器の出力信号が原子
炉平均出力値に占める比率を均一にすることができ、よ
って正しい平均出力を得ることができ、原子炉出力の監
視に対する信頼性を向上させることができる。
また、各局部出力領域モニタ14−1〜14−4において
計算される中性子検出器出力の和とその和を除算する検
出器総数Nとは同じサンプリングタイミングの時のもの
であるので、時間的ずれがなく、常に正しい平均出力を
得ることができる。
さらに、各局部出力領域モニタ14−1〜14−4におい
て中性子検出器出力の和を検出器総数Nで除した後、そ
の除算結果を平均出力領域モニタ15へ伝送するようにし
たので、伝送データのデータ長を中性子検出器の検出信
号のデータ長と同等かもしくはそれ以下の長さとするこ
とができ、原子炉のスクラム監視に要求される高速の応
答速度を実現できる。
なお、上記実施例では、全体で208個の中性子検出器
を有する出力領域中性子束モニタを等価な4区分に分割
して各区分を52個の中性子検出器と4台の局部出力領域
モニタと1台の平均出力領域モニタとで構成した例を示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく機器の
数量およびシステムの分割数は各中性子検出器出力の監
視機能と原子炉の平均出力の監視機能を損なわない限り
種々変形可能である。
[発明の効果] 以上詳記したように本発明によれば、データの処理効
率を低下させることなく正確な原子炉平均出力を得るこ
とができ原子炉の安全管理を向上し得る原子炉出力監視
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の概略的な構成図、第2図は同
実施例の動作説明図、第3図は全ての平均出力演算を平
均出力領域モニタで行うデジタル式出力領域中性子束モ
ニタの概略的な構成図、第4図は局部出力領域モニタで
平均出力演算を行うデジタル式出力領域中性子束モニタ
の概略的な構成図である。 10〜13……中性子検出器、14−1〜14−4……局部出力
領域モニタ、15……平均出力領域モニタ、16,17……光
伝送手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉内の複数箇所に配置された複数の中
    性子検出器からの出力信号に基いて原子炉の平均出力を
    監視する原子炉出力監視装置において、 所定数の前記中性子検出器がそれぞれ接続され、接続さ
    れた中性子検出器のうち正常に動作している中性子検出
    器の数とそれらの中性子検出器出力の合計値を各々算出
    する複数の局部出力領域モニタと、これらの複数の局部
    出力領域モニタにデータ伝送手段を介して接続され、正
    常に動作している全ての中性子検出器出力の平均演算を
    行なって原子炉の平均出力を監視する平均出力領域モニ
    タとを備え、 前記各局部出力領域モニタから前記平均出力領域モニタ
    に正常に動作している中性子検出器の数がそれぞれ伝送
    され、全体で正常に動作している中性子検出器の総数が
    平均出力領域モニタで求められ、前記総数が前記各局部
    出力領域モニタに伝送されて各局部出力領域モニタで算
    出される前記合計値が前記総数で除算され、その除算結
    果が前記平均出力領域モニタにそれぞれ伝送され、各局
    部出力領域モニタからの前記除算結果を平均出力領域モ
    ニタで合計して原子炉の平均出力を監視することを特徴
    とする原子炉出力監視装置。
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