JP2698522B2 - 鋼材の熱間圧延方法 - Google Patents

鋼材の熱間圧延方法

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JP2698522B2 JP34457192A JP34457192A JP2698522B2 JP 2698522 B2 JP2698522 B2 JP 2698522B2 JP 34457192 A JP34457192 A JP 34457192A JP 34457192 A JP34457192 A JP 34457192A JP 2698522 B2 JP2698522 B2 JP 2698522B2
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信彰 野村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼材の熱間圧延、と
くにステンレス鋼材 (フェライ系、マルテンサイト系)
の熱間圧延において問題となるロールの焼付きに起因し
た表面欠陥の発生を製造コストの上昇を招くことなしに
軽減しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼、とくにフェライト系ステ
ンレス鋼の熱間仕上げ圧延においては圧延ロールの焼付
きが発生しやすく、これが製品の表面品質を劣化させる
原因になっていた。この対策としては圧延すべき鋼材の
表面において酸化スケールを積極的に生成させるか、ま
たそのスケールの厚さを増加させることが有効であっ
て、この点に関しては、素材 (マルテンサイト系ステン
レス鋼) の表面に2次スケールを生成させてから仕上げ
圧延を行う特公昭60-50522号公報に開示のような技術
や、圧延パス間で空気、酸素ガス等の少なくとも1種を
鋼材 (フェライト系ステンレス鋼) 表面に吹付け酸化ス
ケールを生成させてから圧延を行う特公平4-42082号公
報に開示のような技術が参照される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術におけるスケール生成手段は、酸素ガスや水蒸気
等、コストの高いものを用いるものであるから、製造コ
ストの上昇が避けられない不利があった。また、このよ
うなスケール生成処理は、鋼材の搬送を一たん停止した
状態もしくは搬送速度を低下させた状態で行うので、生
産性の低下を伴うものであった。この発明の目的は、ス
テンレス鋼の熱間圧延において問題となっていた表面品
質の劣化を製造コストの上昇を招くことなしに軽減でき
る新規な方法を提案するところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】鋼材を水冷すればその表
層は水蒸気膜に覆われることはよく知られているとおり
であり、したがってこのような手段を用いれば鋼材表面
における酸化速度を上昇させることができ、この処理に
かかる余分な時間を省略化することができる。しかしな
がら、水冷による鋼材の温度降下は熱間圧延を行う場合
かえって障害になる。この発明は圧延すべき鋼材の温度
降下を抑制しかつ鋼材の表層に必要充分な水蒸気を供給
して酸化被膜の生成を促進すべく、熱間圧延を行う領域
の相互間 (圧延と圧延とのパスインターバルの間) に鋼
材の表面に対して霧状の水を噴射するようにしたもので
ある。
【0005】
【作用】鋼材の表面に到達した霧状の水は直ちに水蒸気
となってその表面を覆うことになる。その結果、鋼材の
表層における酸化が促進される。この発明において噴射
する水は鋼材の表面を覆うような酸化被膜が形成される
に充分な水蒸気を発生させることができればよいもので
あるからその量は微量ですみ、鋼材における冷却効果も
極めて小さい。また水蒸気等の噴霧に比べてスケールの
生成速度が大きいため搬送速度を低下させる必要はな
く、生産性を向上させることができる。
【0006】霧状の水を噴射するに当たっては、噴射角
が120 °程度になるフルコーンノズルを鋼材の上下でそ
の幅方向に3個程度, 長手方向に5mピッチで配置し、
噴射圧力3kgf/mm2 で6 l/min の条件下で噴射するよ
うにし、噴射によって発生した水蒸気を逃がさないよう
にその周りをケーシングで覆うようにするのが好まし
い。上記の噴射条件は3l/min/m2の水量密度に相当し水
冷の場合は普通数100l/min/m2 〜数千l/min/m2の領域で
行われることを考慮するとはるかに少ない領域であり、
この発明はこのような設備内を板速100 〜300 mpm で通
過させることで酸化被膜を成長させるものである。
【0007】図1はこの発明を実施するのに用いて好適
な設備を模式的に示したものであって、図中1は鋼材の
先端および後端の不良部分を取り除くクロップシャー、
2は熱間仕上げ圧延機群、3はクロップシャー1と熱間
仕上げ圧延機群2との間に配置した例で示したミストス
プレーベッダーであって、このヘッダー3は鋼板Sの表
面に噴霧状の水を噴射してその周りを水蒸気雰囲気とし
て酸化被膜の生成を促進させる。
【0008】上掲図1に示すような設備を適用するに当
たっては、粗圧延を終えた鋼板Sの先端および後端の不
良部分をクロップシャー1で切断したのち、ミストスプ
レーヘッダー3にて鋼板Sの表面に霧状の水を噴射しな
がら搬送し、続いて仕上げ圧延機群2に通して所定の寸
法に仕上げる。
【0009】図1では、クロップシャー1の出側から仕
上げ圧延機群2に至るまでの領域にミストスプレーヘッ
ダー3を配置した例を示したが、この発明は、パスイン
ターバルの間に霧状の水を噴射すればよいものであるか
ら、図2に示すように、粗圧延機4の出側からクロップ
シャー1に至るまでの領域に適用するようにしてもよい
し、また、圧延中における酸化被膜の剥離を補償すべく
仕上げ圧延機の相互間に、あるいは粗圧延機において適
用するようにしてもよい。ミストスプレーヘッダー3に
よる水の噴射によって発生した水蒸気を効率よく使用す
るため図2に示すように該ヘッダー3を取り囲むように
ボックス5を設けるのが有利である。
【0010】
【実施例】幅1200mm, 厚さ200mm になるフェライト系ス
テンレス鋼スラブを粗圧延して幅1200mm, 厚さ25mmとし
たのち、粗最終段より、クロップシャー、スケールブレ
ーカ等の構造物のない領域で霧状の水を噴射(噴射条
件:噴射面1200°のフルコーンノズルを板幅方向に3
個、長手方向に5m ピッチで配置し噴射圧力:3kgf/mm
2 、流量6l/min)しながら仕上げ圧延機群へ搬送し幅12
00mm, 厚さ3mmになるストリップに仕上げ、得られたス
トリップの表面品質について調査した。その結果、ロー
ルの焼きつきによる表面欠陥の発生率は従来の1/4 に軽
減され、また、これによる温度降下は5℃であり、搬送
速度の低下も必要なく圧延可能であった。
【0011】
【発明の効果】この発明によれば、酸化被膜の生成を促
進するために使用する水の使用量は極めて微量であるか
ら、これによる製造コストの上昇を抑えることができ
る。また、この発明によれば、酸化被膜による荷重軽減
効果によって圧延ロールの焼付きなどが回避され品質の
良好なストリップを安定して製造できる。水の噴射は鋼
材を搬送しながら行うことができるので生産性の低下を
伴うようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するのに用いて好適な設備の構
成を示した図である。
【図2】この発明を実施するのに用いて好適な設備の他
の例を示した図である。
【符号の説明】
1 クロップシャー 2 仕上圧延機群 3 ミストスプレーヘッダー 4 粗圧延機 5 ボックス S 鋼板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材の熱間圧延を行う領域の相互間に
    て、鋼材表面に霧状の水を噴射してその周りを水蒸気雰
    囲気とすることにより酸化被膜の生成を促進することを
    特徴とする鋼材の熱間圧延方法。
JP34457192A 1992-12-24 1992-12-24 鋼材の熱間圧延方法 Expired - Lifetime JP2698522B2 (ja)

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JPH06190403A JPH06190403A (ja) 1994-07-12
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