JP2698447B2 - フロアーポリッシュ用エマルジョン - Google Patents

フロアーポリッシュ用エマルジョン

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JP2698447B2
JP2698447B2 JP22254489A JP22254489A JP2698447B2 JP 2698447 B2 JP2698447 B2 JP 2698447B2 JP 22254489 A JP22254489 A JP 22254489A JP 22254489 A JP22254489 A JP 22254489A JP 2698447 B2 JP2698447 B2 JP 2698447B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はフロアーポリッシュ用エマルジョンに関す
る。更に詳しくは、フロアーポリッシュ皮膜の均一性、
強靭性、下地に対する密着性、耐水性を向上させた耐久
性のあるフロアーポリッシュ組成物用エマルジョンに関
するものである。
(従来の技術及び解決すべき課題) 従来使用されているフロアーポリッシュ組成物は、ポ
リマービヒクル、アルカリ可溶性樹脂、ワックス類、造
膜助剤、その他添加助剤(多価金属イオン架橋剤、濡れ
剤、消泡剤等)からなる組成物であり、これらの成分は
フロアーポリッシュとしての要求性能を満たすためには
欠くことのできないものである。
このうちワックス類は、例えばカルナウバワックス、
ラノリン、キャンデリラワックス等の天然ワックス類、
ポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィン等の合成ワ
ックス類が使用され、フロアーポリッシュ皮膜の光沢、
耐水性、耐洗剤性、再塗布性、バフ適性、耐損傷性、耐
摩耗性、耐ブラックヒールマーク性等の性能に影響を与
えるものである。特に皮膜の摩擦係数を下げ、耐損傷
性、耐ブラックヒールマーク性を高めるためには重要な
成分である。しかし、一方ではこれらのワックス類は真
の皮膜形成性を有するものではなく、フロアーポリッシ
ュ皮膜として必要な造膜性、強靭性、下地に対する密着
性に悪い影響を及ぼすため、皮膜の強度低下、耐汚れ
性、耐水性、再剥離性低下の原因となっており、これら
性能の改善向上が望まれていた。
(課題を解決するための手段) 本発明は、前記の課題を解決するため、ワックス類の
有用な機能を兼備したポリマービヒクルとしてのフロア
ーポリッシュ用エマルジョンを提供し、ワックス類自体
は不要にしようとするものであり、これは、 (A)一般式(I) [式中、R1、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜20の1価の炭
化水素基及び1価のハロゲン化炭化水素基から選択され
る1種又は2種以上の基であり、Yはラジカル反応性基
及び/又はSH基を含む有機基から選択される1種又は2
種以上の基であり、Xは水素原子、1価の低級アルキル
基及び式R1R2R4Siで示される基(R1、R2は前記と同じで
あり、R4はR1又はYと同一の基である)から選択される
同種又は異種の原子又は基であり、mは10,000以下の正
の整数、nは1以上の整数である]で示されるオルガノ
ポリシロキサンの水中油型エマルジョンと (B)イ)α,β不飽和カルボン酸単量体 ロ)一般式(II) (式中、R5は水素原子又はメチル基、R6は炭素数1〜18
のアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基である)で
示されるアクリル及び/又はメタクリル単量体 からなる混合単量体 とからなる混合物をラジカル重合開始剤の存在下で乳化
重合して得られるフロアーポリッシュ用エマルジョン、 または、 (C)前記(A)成分であるオルガノポリキサンの水中
油型エマルジョンと (D)前記(B)成分のイ)及びロ)成分のほかに ハ)前記イ)及びロ)成分以外の共重合可能なエチレン
性不飽和単量体から選択される1種又は2種以上の単量
体 を含有してなる混合単量体 とからなる混合物をラジカル重合開始剤の存在下で乳化
重合して得られるフロアーポリッシュ用エマルジョン、 に係るものである。
すなわち、本発明者らは従来のフロアーポリッシュ用
エマルジョン(ポリマービヒクル)にワックス類のもつ
有用な性能をも付与し、ワックス類を不要とすることが
できないと考え、オルガノポリシロキサンに着目し、滑
性、ゴム弾性、靭性、造膜性、低温特性を付与すべく鋭
意研究の結果、ラジカルとの反応性をもつ基を有するオ
ルガノポリシロキサンのエマルジョンに、α,β不飽和
カルボン酸単量体と一般式 (式中のR5、R6は前記のとおり)で示されるアクリル及
び/又はメタクリル系単量体との混合単量体、あるいは
これに他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体を加え
た混合単量体を添加し、この混合物を乳化重合すれば、
得られるエマルジョンが目的の性能を有することを見出
して本発明を完成させた。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明のエマルジョンの製造に用いる(A)成分のオ
ルガノポリシロキサンは前記のとおり一般式(I) で示され、式中のR1、R2、R3はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基で例示さ
れる炭素数1〜20の1価炭化水素基及びこれらの基の炭
素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原
子で置換した基から選ばれるものであり、Xは式R1R2R4
Si(R1、R2は前記と同じ、R4はR1又はYと同じ基)で示
されるトリオルガノシリル基、水素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜5の低級
アルキル基から選ばれるものであり、Yはビニル基、ア
リル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロ
キシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基で例示され
るラジカル反応性基やSH基含有有機基から選ばれるもの
である。また、mは10,000以下の正の整数であり、nは
1以上の整数であるが、望ましくは500<m<8,000、1
<n<500の範囲にあるのがよい。
一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンを製
造するための原料としては、式 で示される環状オルガノポリシロキサン、式 で示される分子鎖両末端が水酸基で封鎖された液状ジメ
チルポリシロキサン、式 (式中、rは正の整数)で例示される分子鎖両末端がア
ルコキシ基で封鎖された液状ジメチルポリシロキサン及
び式 (式中、s=0又は正の整数)で示される分子鎖両末端
がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキ
サン等が、また、ラジカル反応性基あるいはSH基を導入
するための原料として、式 等のシラン類及びこれらの加水分解生成物として (式中、t=3,4,5,6)が例示される。
なお、本発明の目的を妨げない程度の少量であれば、
3官能性であるトリアルコキシシラン及びその加水分解
生成物も使用可能である。
一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンのエ
マルジョンの製造については公知の方法に従えばよい。
その一つの方法は、原料として例えば上記したオクタ
メチルシクロテトラシロキサンのごとき環状低分子シロ
キサンとラジカル反応性基及び/又はSH基を含有するジ
アルコキシシラン化合物及び/又はその加水分解物とを
用い、強アルカリ性触媒あるいは強酸性触媒の存在下に
重合して高分子量のオルガノポリシロキサンを得、しか
る後に適当な乳化剤の存在下に水中に乳化分散すること
によるものである。
また、他の一つの方法は、原料として例えば上記した
低分子オルガノポリシロキサンとラジカル反応性基及び
/又はSH基を含有するジアルコキシシラン化合物及び/
又はその加水分解物とを用い、スルホン酸系界面活性剤
及び/又は硫酸エステル系界面活性剤の存在下に水中で
乳化重合させることによるものである。また、この乳化
重合の場合、同様な原料を用い、アルキルトリメチルア
ンモニウムクロライドあるいはアルキルベンジルアンモ
ニウムクロライドのごときカチオン系界面活性剤により
水中に乳化分散させた後、適量の水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム等の強アルカリ性物質を添加して重合させ
ることもできる。
上記したオルガノポリシロキサンのエマルジョンの製
造方法のうち、あらかじめ高分子量のオルガノポリシロ
キサンを得る場合の強アルカリ性重合触媒としては水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホス
ホニウムヒドロキシド等が、また、強酸性重合触媒とし
ては硫酸、トリフロロメタンスルホン酸等が例示され、
いずれも重合終了後に中和して触媒活性をなくすればそ
の後の使用に供することができる。
得られた高分子量のオルガノポリシロキサンを乳化す
るための界面活性剤としては非イオン系の各種ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等
が、アニオン系のラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチ
レンドデシル硫酸ソーダ等が、カチオン系のアルキルト
リメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルア
ンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウ
ムクロライド等が例示される。
また、乳化重合法によりオルガノポリシロキサンのエ
マルジョンを製造する場合、上記したスルホン酸系界面
活性剤及び硫酸エステル系界面活性剤は乳化剤と重合触
媒を兼ねるものであり、これには ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンドデシルフェ
ニル硫酸ソーダ等が例示される。これらのうち、硫酸エ
ステル塩類は乳化終了後に陽イオン交換樹脂と接触させ
ることにより相当する酸に変えれば、重合触媒として機
能するようになる。乳化重合終了後は酸型となっている
界面活性剤を中和して触媒活性を消失させればよい。ま
た、カチオン系乳化剤としては上記のごとき第4級アン
モニウム塩系を主として用い、乳化重合後は塩基型とな
っている界面活性剤を中和して触媒活性を消失させれば
よい。
一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンは、
その分子量が小さいと目的とする塗膜の靭性が乏しいの
でできるだけ分子量の大きい方が望ましい。このため、
あらかじめ重合して得たオルガノポリシロキサンを乳化
分散する場合、このオルガノポリシロキサンを高分子量
のものとしておく必要があり、乳化重合による場合は、
重合後に行なう熟成の際の温度を低くすればオルガノポ
リシロキサンの分子量が大きくなるので、熟成温度を望
ましくは30℃以下、さらに望ましくは15℃以下とするの
がよい。
次に、(B)及び(D)成分について説明する。これ
は上記の(A)成分のオルガノポリシロキサンにグラフ
ト共重合させるための重合性単量体混合物であり、
(B)は下記のイ)、ロ)、(D)はイ)、ロ)、ハ)
の単量体成分からなるものである。
イ)成分のα,β不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、アコニット酸等が例示される。
ロ)成分は一般式(II) (式中のR5、R6は前記に同じ)で示される(メタ)アク
リル単量体[ここで(メタ)アクリルなる表現はアクリ
ル及びメタクリルの両者をまとめて表わすもので、以下
同様である]であり、これにはメチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート及
びメトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチ
ル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メ
タ)アクリレートが例示される。
ハ)成分は上記の単量体と共重合可能な上記以外のエ
チレン性不飽和単量体であり、これにはスチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が例示される。
上記イ)成分は(B)成分全量の1〜30重量%とする
ことが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。
イ)成分の使用量が1重量%以下では、ポリマー重合時
の安定性、フロアーポリッシュ配合時のエマルジョンの
安定性、フロアーポリッシュ皮膜の光沢が低下し、ま
た、塗りかえ時の再剥離性が低下する。30重量%以上で
は、フロアーポリッシュ配合物の粘度上昇による塗工性
の低下及び皮膜の耐水性の低下の原因となるので好まし
くない。
ロ)及びハ)成分は、フロアーポリッシュ皮膜の光
沢、強度、耐水性、下地に対する密着性など、フロアー
ポリッシュ性能のに大きな影響を与える。良好な性能を
得るためには、ロ)成分は(B)成分全量の70〜99重量
%とすることが好ましく、ハ)成分は30重量%以下とす
ることが好ましい。
イ)〜ハ)成分は、その各々から1種類又は2種類以
上が選択され、組合せて使用されるが、この単量体混合
物が共重合した時のポリマーのガラス転移点が20℃以上
となるように組合せを設計することが好ましく、より好
ましくは40℃以上となるような組合せである。ガラス転
移点が20℃以下ではフロアーポリッシュ皮膜の物理的強
度が低下し、耐久性が悪くなる。なお、後記の実施例に
おける混合単量体のポリマー化合物のガラス転移点は、
1956年発行のBull.Am.Phys.Soc.第1巻123頁に記載のT.
G.Foxの方法によって計算で求められる数値を示すもの
である。
次に、(A)成分と(B)成分の乳化共重合について
説明する。まず、(A)成分と(B)成分の比率につい
ては、(B)成分95重量部に対して(A)成分中のオル
ガノポリシロキサンが5重量部未満ではオルガノポリシ
ロキサンポリマーの特性である表面滑性が乏しくなり、
従来のワックス類が有していたバフ適性、耐損傷性、耐
摩耗性、耐ブラックヒールマーク性を本発明に係るポリ
マーに付与することが難しく、また(B)成分5重量部
に対して(A)成分中のオルガノポリシロキサンが95重
量部を超えるとポリマーの皮膜の強靭性、下地に対する
密着性、耐スリップ性、さらには耐久性等が低下して実
用的でない。従って、(A)成分中のオルガノポリシロ
キサン/(B)成分の重量比を5/95〜95/5とすることが
好ましい。
(A)成分と(B)成分の乳化共重合は通常のラジカ
ル開始剤を用いて公知の乳化重合法により行なうことが
できる。
ここで使用されるラジカル開始剤としては、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過硫酸化水
素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスアミ
ジノプロパンの塩酸塩等の水溶性タイプ、ベンゾイルパ
ーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジブ
チルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパ
ーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル等
の油溶性タイプが例示される。また、必要に応じて酸性
亜硫酸ソーダ、ロンガリット、L−アスコルビン酸、糖
類、アミン類等の還元剤を併用したレドックス系も使用
することができる。
(A)成分と、(B)成分の乳化共重合に際しては、
(A)成分の乳化物中に乳化剤が含有されているので乳
化剤を必ずしも新たに使用しなくてもよいが、重合中の
凝塊発生防止やエマルジョンの安定性向上のため、必要
量の乳化剤を添加してもよい。ここで使用される乳化剤
としては、例えばアルキル又はアルキルアリル硫酸塩も
しくはスルホン酸塩、アルキルアリルコハク酸塩等のア
ニオン性乳化剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等の
カチオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳
化剤が好適なものとして挙げられる。
本発明のエマルジョンを使用したフロアーポリッシュ
組成物の標準的な配合は下記のとおりである。なお、下
記配合中の数値は各成分の固形分又は有効成分換算重量
部である。
(1) 本発明のエマルジョン(ポリマー分として) 100 重量部 (2) アルカリ可溶性樹脂 0〜50 重量部 (3) 多価金属イオン化合物 1〜10 重量部 (4) 造膜助剤 0〜50 重量部 (5) 湿潤剤、安定剤、消泡剤、 0.1〜10 重量部 (6) アンモニア 0〜10 重量部 (7) 水 フロアーポリッシュ 組成物の全固形分を 10〜40重量%にする 量 以下に、上記配合中の(2)〜(5)成分について説
明する。
(2)のアルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−無
水マレイン酸樹脂のような、スチレン又はビニルトルエ
ンと少なくとも一つのα,β−モノエチレン性不飽和酸
又は酸無水物との共重合体、多価アルコールでエステル
化されたロジン−無水マレイン酸反応生成物、及びC8
C18脂肪酸及びC8〜C18脂肪酸のグリセロールエステルで
変性することができる。脂肪族多価アルコールとの脂肪
族ジカルボン酸のポリエステルであるアルカリ可溶性ア
ルキドがある。他のアルカリ可溶性樹脂には、マニラ樹
脂、シェラック、アルカリ可溶性であるように充分のシ
ェラックを含有するアルキルアクリレート−シェラック
共重合体等がある。
(3)の多価金属化合物としては、酢酸亜鉛、酢酸カ
ドミウム、亜鉛グリシネート、カドミウムグリシネー
ト、炭酸亜鉛、炭酸カドミウム、安息香酸亜鉛、亜鉛サ
リチレート、亜鉛グリコレート及びカドミウムグリコレ
ート等が挙げられる。多価金属化合物は、粉末のような
乾燥形態で組成物に加えることができるけれども、アン
モニア、アミン等を用いて多価金属化合物を最初に可溶
化するのが好ましい。
(4)の造膜助剤としては、多価アルコール類、セロ
ソルブ類、アミノアルコール類、カルビトール類が用い
られるが、好ましい例としてはエチレングリコール、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル及び2−ピロリドン等の高
沸点溶剤、ベンジルブチルフタレート、ジブチルフタレ
ート、ジメチルフタレート、トリフェニルホスフェー
ト、2−エチルヘキシルベンジルフタレート、ブチルシ
クロヘキシルフタレート、ペンタエリスリトールの安息
香酸及び脂肪酸エステルの混合物、ポリ(プロピレンア
ジペート)ジベンゾエート、ジエチレングリコールベン
ゾエート、カプロラクタム、テトラブチルチオジサクシ
ネート、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチル
トリブチルシトレート、ジベンジルセバケート、トリク
レジルホスフェート、トルエンエチルスルホンアミド、
ヘキサメチレングリコールジフタレートのジ−2−エチ
ルヘキシルエステル、ジ(メチルシクロヘキシル)フタ
レート、トリブトキシエチルホスフェート及びトリブチ
ルホスフェート等の可塑剤が挙げられる。
(5)の湿潤剤、安定剤、消泡剤としては、炭素数12
〜18の高級脂肪酸のアルカリ金属及びアミン塩、例えば
ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はモルホリンオ
レエート又はリシノレート、フッ素系界面活性剤等、通
常のノニオン界面活性剤及び一般にエマルジョンの消泡
に使用されている消泡剤が挙げられる。
(発明の効果) 本発明のエマルジョンは、エマルジョン中のポリマー
がα,β−不飽和カルボン酸と(メタ)アクリル系とを
主体とする混合単量体とワックス類的機能を受持つ成分
とがグラフト重合により化学的に結合したものであるた
め、フロアーポリッシュ組成物の成分として従来用いら
れてきたワックス類を不要にし、この本発明のエマルジ
ョンを使用したフロアーポリッシュ組成物から形成され
る皮膜を均質、強靭で、下地に対して密着性の良好なも
のとし、その耐久性を向上させた。また、従来のワック
ス類が不要になったことによりワックス類の乳化工程が
省略されて合理化され、しかもワックス類の乳化工程て
使用する乳化剤による弊害が無くなり、耐水性が向上し
た。さらに、ワックス類的機能を受持つ成分それ自身が
α,β−不飽和カルボン酸のグラフト重合により高い酸
価を有しているため、皮膜の再剥離性(除去性)が改良
され、作業性が向上した。本発明のエマルジョンは、同
じ用途に用いられてきた従来型のエマルジョンとの相溶
性もよく、併用することによって従来型の性質を改良
し、均一で強靭な皮膜の形成を可能とした。
(実施例) 次に本発明を実施例に基き具体的に説明する。なお、
例中の部はすべて重量部を表わす。
参考例1 [オルガノポリシロキサンエマルジョンの調製] オクタメチルシクロテトラシロキサン1500部、メタク
リロキシプロピルメチルシロキサン19部及び純水1500部
を混合し、これにラウリル硫酸ナトリウム15部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸10部を添加してからホモミキサー
で撹拌して乳化した後、圧力3,000psiのホモジナイザー
に2回通して安定なエマルジョンを作った。これを70℃
で12時間加熱後、25℃まで冷却して24時間熟成した後、
炭酸ナトリウムを用いてこのエマルジョンのpHを7に調
整し、4時間N2を吹き込んでから水蒸気蒸留して揮発性
のシロキサンを留去し、つぎに純水を加えて不揮発分を
45%に調整したところ、メタクリル基を0.5モル%含有
するポリシロキサンのエマルジョンが得られた。(以下
これをE−1と略記する)。また、第1表に示すように
シロキサンの種類、量及び熟成条件を変えた他はE−1
の場合と同様の方法でポリシロキサンエマルジョンE−
2〜E−4を得た。
実施例1 [フロアーポリッシュ用共重合エマルジョンの製造] 撹拌機、コンデンサー、温度計及びN2ガス導入口を備
えた反応容器に、参考例1で得たエマルジョンE−1
333部(シロキサン分150部)と純水567部を仕込み、N2
ガス気流下に器内を30℃に調整した後、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1.0部、L−アスコルビン酸0.5部、
硫酸第1鉄7水和物0.002部を加え、次いで器内温を30
℃に保ちながら、メタクリル酸メチル210部、アクリル
酸ブチル90部及びメタクリル酸50部の混合物を3時間か
けて滴下し、滴下終了後さらに1時間撹拌を続けて反応
を完結させた。得られた共重合エマルジョン(以下これ
をP−1と略記)は固形分濃度39.8%、(メタ)アクリ
ル系単量体等のポリマー化物のガラス転移点計算値は5
3.5℃であった。上記と同様にして、第2表に示される
ポリシロキサンエマルジョン及び(メタ)アクリル系単
量体等の種類、量で共重合し、固形分濃度39〜40%の共
重合エマルジョンP−2〜P−5を得た。
実施例2、比較例1 [性能評価] 実施例1で得られた共重合エマルジョンP−1〜P−
5をそれぞれ単独で用いて、下記の配合処方Aでフロア
ーポリッシュに配合し、各共重合エマルジョンに対応し
たフロアーポリッシュ配合物1〜5を得た。これらの配
合物の性能評価の結果は第3表に示すとおりであった。
また、比較例1として、ポリシロキサンエマルジョン
を用いず、実施例1と同じ(メタ)アクリル系単量体組
成のみで通常の方法により乳化重合を行ない、固形分40
%、重量平均分子量440,000のポリマーエマルジョンを
つくり、これを水で固形分32%に希釈し、下記の従来型
の配合処方Bによりフロアーポリッシュに配合してフロ
アーポリッシュ配合物6を得た。この配合物の性能評価
の結果は第3表に示すとおりであった。
前記の配合処方AあるいはBにより得られたフロアー
ポリッシュ配合物の性能評価は下記のようにして行なっ
た。
大きさ303mm角の黒色及び白色アスベストタイルの各
々に、配合物を2ccずつ2回重ね塗りし(1回目塗布後
室温にて30分乾燥)24時間放置したものを試験片とし
た。なお、塗り重ね性については塗布の際に評価した。
(イ)光沢:目視により判定した。
(ロ)密着性:セロテープを圧着させ、90度剥離の際の
塗膜の状態で判定した。
(ハ)耐水性:日本フロアーポリッシュ工業会規格の方
法で判定した。(試験片に蒸留水を滴下し、カバーグラ
スで覆う。30分後カバーグラスを除き、水をろ紙で吸い
取る。1時間放置後の試験片の白化状態を目視で判
定。) (ニ)耐ブラックヒールマーク性:靴のかかとで強くた
たいて、汚れの付き具合を判定した。
(ホ)塗り重ね性:目視により判定した 性能表示:良◎〜○〜△〜×不良

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(I) [式中、R1、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜20の1価の炭
    化水素基及び1価のハロゲン化炭化水素基から選択され
    る1種又は2種以上の基であり、Yはラジカル反応性基
    及び/又はSH基を含む有機基から選択される1種又は2
    種以上の基であり、Xは水素原子、1価の低級アルキル
    基及び式R1R2R4Siで示される基(R1、R2は前記と同じで
    あり、R4はR1又はYと同一の基である)から選択される
    同種又は異種の原子又は基であり、mは10,000以下の正
    の整数、nは1以上の整数である]で示されるオルガノ
    ポリシロキサンの水中油型エマルジョンと (B)イ)α,β不飽和カルボン酸単量体 ロ)一般式(II) (式中、R5は水素原子又はメチル基、R6は炭素数1〜18
    のアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基である)で
    示されるアクリル及び/又はメタクリル単量体 からなる混合単量体 とからなる混合物をラジカル重合開始剤の存在下で乳化
    重合して得られるフロアーポリッシュ用エマルジョン。
  2. 【請求項2】(C)請求項1記載の(A)成分と (D)請求項1記載の(B)成分のイ)及びロ)成分の
    ほかに ハ)前記イ)及びロ)成分以外の共重合可能なエチレン
    性不飽和単量体から選択される1種又は2種以上の単量
    体 を含有してなる混合単量体 とからなる混合物をラジカル重合開始剤の存在下で乳化
    重合して得られるフロアーポリッシュ用エマルジョン。
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