JP2698068B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2698068B2
JP2698068B2 JP60219878A JP21987885A JP2698068B2 JP 2698068 B2 JP2698068 B2 JP 2698068B2 JP 60219878 A JP60219878 A JP 60219878A JP 21987885 A JP21987885 A JP 21987885A JP 2698068 B2 JP2698068 B2 JP 2698068B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はビデオテープレコーダ等の回転磁気ヘッドに
より情報を記録再生する磁気記録再生装置に関する。 〔発明の概要〕 本発明は磁気記録再生装置において、回転磁気ヘッド
により磁気テープの長手方向に対して傾斜して形成され
るトラックを複数の領域に区分し、アナログ信号を実質
的に周波数Nfのクロックでサンプリングし、N番目毎の
クロックでサンプリングしたデータを1つの群として対
応する領域に記録するようにし、もってより高い周波数
のクロックで動作する装置においてより高品位のオーデ
ィオ信号等を楽しむことができるばかりでなく、その記
録信号を、より低い周波数のクロックで動作する装置に
おいても再生することができるようにしたものである。 〔従来の技術〕 最近所謂8mmビデオテープレコーダが規格化され、商
品化されている。この8mmビデオテープレコーダにおい
ては、回転磁気ヘッドの回転直径が(回転ドラムの直径
が)40mm、磁気テープの回転ドラムへの巻回角度が221
度とされている。そしてそのうち180度の巻回角に対応
する部分にはビデオ信号が、また36度の巻回角に対応す
る部分にはPCMオーディオ信号が記録されるようになっ
ている(残りの5度の部分は余部とされる)。この36度
の部分をさらに細かく区分すると、クロック信号が記録
される部分aと、PCMオーディオ信号等のデータが記録
される部分bと、アフターレコーディングのためのマー
ジン部cと、直前のフィールドのビデオ信号が連続して
記録されるビデオオーバラップ部dとに区分される。そ
して221度の巻回角に対応する部分の全体に、トラッキ
ング用のパイロット信号f1、f2、f3、f4が各トラック毎
に順次記録される。これらのパイロット信号f1、f2
f3、f4は、各々例えば、fH/58、fH/50、fH/36、fH/40
(fHは水平同期信号)の信号とされる。各トラックに連
続的に記録されたパイロット信号の左右トラックからの
クロストーク成分から、トラッキングエラー信号が生成
される。回転磁気ヘッドの回転数はビデオ信号を記録す
るところから、NTSC方式いおいては1800rpm、PAL方式に
おいては1500rpmとされている。また180度の巻回角度に
対応する部分に36度の巻回角度に対応する部分を複数個
(5個)形成し、オーディオ信号のみを記録することも
できるようになっている。 36度の部分に記録されるオーディオ信号は、そのサン
プリング周波数が2fH(約31.5kHz)、量子化ビット数が
10ビット(但し磁気テープ上には10ビットのデータを8
ビットに変換(圧縮)して記録している)、チャンネル
数が2とされている。 一方最近オーディオ信号をさらに高品位に磁気テープ
上に記録再生するためにR−DATの規格化が行われた。
R−DATにおいては、磁気テープの巻回角度が90度、回
転ドラムの直径が30mm、サンプリング周波数が48kHz、4
4.1kHz、32kHzのいずれか、量子化ビット数が16ビッ
ト、チャンネル数が2とされている。 90度の巻回角度に対応するトラックは第4図に示すよ
うに16の部分に区分され、各部分に第1表のようにデー
タが記録される。ここで1ブロックは288ビットのデー
タから構成されており、磁気テープには8ビットのデー
タが10ビットに変換(変調)されて記録されている。 尚fchは周波数が9.408MHzのクロック信号である。 第1表から判る通り、このデータは主に、部分2、
3、4からなるサブコード信号記録部と、部分5、6、
7よりなるトラッキング信号記録部と、部分8、9より
なるPCMオーディオ信号記録部と、部分10、11、12より
なるトラッキング信号記録部と、部分13、14、15よりな
るサブコード信号記録部とより構成されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように回転磁気ヘッドを用いて磁気テープ上にデ
ィジタルオーディオ信号を記録再生するのに2つの方式
があるが、8mビデオテープレコーダは、本来ビデオ信号
を記録することを主眼としているところからオーディオ
信号のサンプリング周波数も低く、R−DATに較べ音質
が劣る欠点があった。反面R−DATはオーディオ信号の
み記録再生が可能であり、ビデオ信号を記録再生するこ
とができない欠点があった。 〔問題点を解決するための手段〕 第1図は本発明の磁気記録再生装置(8mmビデオテー
プレコーダ)のブロック図を表わしている。同図におい
て1は相互に180度離間して回転ドラム(図示せず)に
取り付けられた2つの回転磁気ヘッドであり、回転磁気
ヘッド1にはスイッチ2、3を介して記録増幅器4から
信号が交互に供給されるとともに、回転磁気ヘッド1か
らの信号がスイッチ2、3を介して再生増幅器5に出力
されるようになっている。記録増幅器4にはスイッチ6
を介してビデオ変調器8とPCMエンコーダ9からの信号
が供給されているとともに、パイロット信号発生器35が
出力するパイロット信号が供給されている。また再生増
幅器5からの信号は、スイッチ7を介してビデオ復調器
10とPCMデコーダ11に出力されている。12と13はR−DAT
のフォーマットに対応したPCMデコーダとPCMエンコーダ
であり、再生増幅器5からの信号がスイッチ7を介して
PCMデコーダ12に供給され、またPCMエンコーダ13の出力
がスイッチ6を介して記録増幅器4に供給されるように
なっている。14はクロック信号f′chを発生しPCMエン
コーダ13に出力している発振器である。 15は、回転ドラムを回転させるモータであり、周波数
発電器16とパルス発生器17とを具備し、駆動回路18によ
り駆動されている。周波数発電器16の出力は周波数制御
回路19に入力され、内蔵する発振回路が出力する所定の
基準信号と比較される。周波数制御回路19はその誤差信
号を出力する。20は位相制御回路であり、同期分離回路
22により分離された記録されるビデオ信号に含まれる垂
直同期信号、発振器23が出力する基準信号、PCMデコー
ダ12が出力する基準信号、又はPCMエンコーダ13が出力
する基準信号のいずれかが、スイッチ21を介して基準信
号として入力されている。位相制御回路20はパルス発生
器17が出力するパルスと基準信号とを位相比較し、その
誤差に対応した信号を出力している。周波数制御回路19
の出力と位相制御回路20の出力が加算回路24により加算
され、駆動回路18に供給されている。 25はキャプスタン(図示せず)を回転させるモータで
あり、周波数発電器26を具備している。周波数発電器26
の出力は周波数制御回路27と分周回路28に供給されてい
る。周波数制御回路27は内蔵する発振回路が出力する所
定の基準信号と周波数発電器26の出力とを比較し、その
誤差信号を加算回路30に出力している。分周回路28は周
波数発電器26の出力を分周して位相制御回路29に出力し
ている。位相制御回路29はスイッチ21からの信号と分周
回路28からの信号とを比較し、その誤差信号をスイッチ
34を介して加算回路30に出力している。加算回路30は周
波数制御回路27の出力と位相制御回路29の出力とを加算
し、駆動回路31に出力している。駆動回路31はモータ25
を駆動するようになっている。32はトラッキング制御回
路であり、再生増幅器5の出力からパイロット信号を分
離抽出し、トラッキングエラー信号を生成し、スイッチ
34を介して加算回路30に出力している。33はマイクロコ
ンピュータ等の中央処理装置(CPU)であり、図示せぬ
主中央処理装置と関連して各回路、手段、スイッチ等を
制御するようになっている。 〔作用〕 しかしてその作用を説明する。通常のビデオ信号とそ
れに付随するPCMオーディオ信号を記録する指令が入力
された場合、CPU33は周波数制御回路19、27、駆動回路1
8、31等に制御信号を発し、モータ15に回転ドラムを標
準の速度(NTSC方式の場合1800rpm、PAL方式の場合1500
rpm)で回転させ、またモータ25に磁気テープ(図示せ
ず)の速度が標準の速度になるようにキャプスタンを回
転させる。このとき周波数制御回路19は周波数発電器16
が出力する信号の周波数が、内蔵する基準信号の周波数
と等しくなるようにサーボをかけることになる。またこ
のときスイッチ21は同期分離回路22の出力を選択するよ
うに切り換えられ、記録するビデオ信号中の垂直同期信
号の位相と同期するように回転ドラムが回転される。位
相制御回路20は2つの回転磁気ヘッドを切り換える基準
となるヘッドスイッチングパルス(HSWP)を生成し、各
回路に出力する。 同様にして周波数制御回路27と位相制御回路29により
モータ25に周波数サーボと位相サーボがかけられる。こ
のとき位相制御回路29はスイッチ21が出力する同期分離
回路22の出力を基準とし、分周回路28の出力との誤差信
号をスイッチ34を介して加算回路30に供給する。従って
所定の速度(NTSC方式の場合14.345mm/s,PAL方式の場合
20.051mm/s)となるように磁気テープの速度が制御され
る。 記録されるビデオ信号はビデオ変調器8に入力され、
周波数変調される。また記録されるオーディオ信号はPC
Mエンコーダ9に入力され、ディジタル化(PCM)され
る。これらの信号はスイッチ6を介して記録増幅器4、
さらにスイッチ2、3を介して回転磁気ヘッド1に供給
され、磁気テープ上に記録される。位相制御回路20が出
力するヘッドスイッチングパルスを基準として、180度
のビデオ信号記録部にはビデオ信号が、36度のオーディ
オ信号記録部にはオーディオ信号が、各々記録される。
またこのときパイロット信号発生器35より発せられたト
ラッキング用のパイロット信号がビデオ信号とPCMオー
ディオ信号に周波数多重されて記録される。その周波数
はPAL方式の場合のパイロット信号と同一とすることが
できる。こうするとクロック信号f′chからパイロット
信号を分周し、生成することが容易となる。 ビデオ信号の再生時においては、発振器23の出力信号
(垂直同期信号に対応した信号)がスイッチ21を介して
位相制御回路20に基準信号として供給される。またスイ
ッチ34がトラッキング制御回路32側に切り換えられ、左
右に隣接するトラックに記録されたパイロット信号のク
ロストーク成分より生成されたトラッキングエラー信号
に対してモータ25の位相サーボが行われる。回転磁気ヘ
ッド1からの再生信号はスイッチ2、3、再生増幅器
5、スイッチ7を介してビデオ復調器10とPCMデコーダ1
1に入力される。従って180度のビデオ信号記録部に記録
されたビデオ信号と、36度のオーディオ信号記録部に記
録されたオーディオ信号が各々復調され、出力される。 次に高品位のオーディオ信号のみを記録する場合、オ
ーディオ信号はPCMエンコーダ13に入力され、ディジタ
ル化される。PCMエンコーダ13は所謂R−DATにおけるPC
Mエンコーダと同一のものを用いることができる。但しP
CMエンコーダ13はR−DATにおける場合とは異なるクロ
ックにより異なるタイミングで制御される。 すなわち本発明においては、221度の巻回角度に対応
する長さの1つのトラックが、第2図に示すように54度
の長さの4つの領域に区分され、その左右には2.044度
と2.956度の余部が設けられる。54度の長さの領域A乃
至Dはさらに第3図に示すように9つの部分に区分さ
れ、各部分には第2表のようにデータが記録される。 第2表から明らかな如く、本発明においては第1表に
おけるトラッキング用のデータ記録部5、6、7及び1
0、11、12、並びに最後のマージン部16が除去されたフ
ォーマットになっている。またここにおけるクロック
f′chは、例えば12.864MHz(=160.8×288×(1/0/8)
/0.0045)とされる。勿論巻回角度45度、記録時間4500
μsが保持される範囲内において組合せを変更すること
もできる。例えば2ブロックのPLL(PCM)クロック記録
部を無くし、マージン部を8.8から10.8ブロックに変更
することもできる。さらに両端部の余部も任意に選定す
ることができる。 このようにすると、既に規格化がなされているR−DA
Tのフォーマットのコーディングを変更せず、タイミン
グを変更するだけで情報の記録再生が可能になる。 PCMエンコーダ13に入力されたオーディオ信号は、発
振器14から入力されるクロック信号f′chに対応してデ
ィジタル化され、そのタイミングがCPU33により制御さ
れて第2表に示した如きフォーマットの信号に変換され
る。この信号がスイッチ6、記録増幅器4、スイッチ
2、3、を介して回転磁気ヘッド1に供給され、磁気テ
ープ上に記録される。このとき位相制御回路20が出力す
るヘッドスイッチングパルスを基準として、領域A乃至
Dのうちの少なくとも1つに対応したエリアパルスが生
成され、そのエリアパルスに対応した領域に信号が記録
される。 このとき周波数制御回路19、駆動回路18は回転ドラム
を2000rpmで回転するようにCPU33に制御される。またス
イッチ21はPCMエンコーダ13から出力されるクロック
f′chに同期した信号を位相制御回路20に基準信号とし
て供給する。さらに同様にして周波数制御回路27と駆動
回路31が制御され、磁気テープの速度がPAL方式の標準
速度20.051mm/sの1/2の速度10.025mm/sに設定される。
この速度に設定するとトラックピッチが13.3μmとな
り、NTSC方式の標準速度用の回転磁気ヘッド又はその1/
2速度用の回転磁気ヘッド、さらにPAL方式の標準速度の
1/2速度用の回転磁気ヘッドの幅が、オーディオ信号と
パイロット信号の記録再生ができ、かつパイロット信号
のクロストーク成分によるトラッキング制御が可能な範
囲となり、特別の幅の回転磁気ヘッドを用いる必要がな
くなる。 このようにして記録されたオーディオ信号を再生する
場合、回転磁気ヘッド1からの信号がスイッチ2、3を
介して再生増幅器5に入力され、さらにスイッチ7を介
してPCMデコーダ12に供給される。PCMデコーダ12はCPU3
3に制御され、再生信号からクロックf′chを抽出し、
それを基準として各部分のデータを読み取る。オーディ
オ信号はアナログ信号に変換されて出力される。また再
生信号中に含まれるトラッキング用のパイロット信号が
トラッキング制御回路32に入力され、トラッキングエラ
ー信号が生成される。このトラッキングエラー信号がス
イッチ34を介して加算回路30に出力され、トラッキング
制御が行われる。すなわちR−DATにおいては、第1表
からも明らかな如く、PCMオーディオ信号記録部の前後
にトラッキング用の信号(ATF)が記録されており、左
右のトラックのその部分からのクロストーク成分を所定
のタイミングにおいてサンプルホールドし、その差信号
からトラッキングエラー信号を生成するようにしている
が、本発明においては、通常の8mmビデオテープレコー
ダにおける場合と同様に、各トラックに連続的に記録さ
れているパイロット信号の左右トラックからのクロスト
ーク成分の差信号よりトラッキングエラー信号が生成さ
れている。 次に各領域A乃至Dに記録するデータは例えば第3表
に示すように構成することができる。すなわち記録情報
をステレオオーディオ信号L,Rとし、サンプリング周波
数を48kHzとするとき、各クロックによりサンプリング
された所定数のデータ(ワード)に連続番号を付するも
のとすると、奇数番のL信号(Lo)と偶数番のR信号
(Re)が領域Aに、奇数番のR信号(Ro)と偶数番のL
信号(Le)が隣接する次のトラックの領域Aに、各々記
録される。すなわちデータが2本のトラックにインター
リーブされ(各トラックの中においてもさらにインター
リーブされ)、2本のトラックの信号を得ることにより
完全なデータを再生することができるようになってい
る。勿論R−DATと同じエンコーダ、デコーダを用い得
るメリットを捨て、異なるエンコーダ、デコーダを用い
る場合は、斯かるインターリーブは任意に設定すること
ができる。同様の記録が各領域B,C,Dにおいて行われる
ので、この場合1本の傾斜トラックに2チャンネル(L,
R)の情報を4回記録することができる。尚第3表にお
いては便宜上データとLoとReのみが記載されている(以
下同様)。 サンプリング周波数を基準周波数48kHzの2倍の96kHz
とするとき、先ず偶数番の信号Le、Reと、奇数番の信号
Lo、Reとに分けられる。そしてその偶数番の信号Le、Re
について新たな順番を付け、その新たな順番について前
述した場合と同様の区分が行われる。すなわち新たな順
番が奇数の信号Lo2と、愚数の信号Re2が領域Aに、新た
な順番が奇数の信号Ro2と、偶数の信号Lo2が隣接する次
の領域Aに、記録される。そして元の順番が奇数番の信
号Lo,Roについてもその中で新たな順番を付加し、同様
に処理するが、これらの信号は領域Bに記録する。その
結果各領域に記録された信号は実質的に48kHzでサンプ
リングした信号と同様となり、48kHzのクロックのデコ
ーダでデコードすると、48kHzでサンプリングした場合
と同一のオーディオ信号を再生することができる。この
ようなことは、例えば1つのサンプリングデータを上位
ビットと下位ビットとに分け、各々を異なる領域に記録
するようにすると、不可能になる。 さらにサンプリング周波数を基準周波数の4倍の192k
Hzにするときは、4サンプル毎のデータ群に先ず区分す
る。例えば第5図に示すように、時刻t11におけるサン
プリング値L11,R11と、それから4クロック後のサンプ
リング値L21,R21と、それからさらに4クロック後のサ
ンプリング値L31,R31等を1つの群とする。以下同様に
してに、サンプリング値L12,R12、L22,R22、L32,R32
等を1群とし、サンプリング値L13,R13、L23,R23、L
33,R33等を1群とし、サンプリング値L14,R14、L24
R24、L34,R34等を1群とする。そしてこれら4つの各
群を異なる領域A乃至Dに各々記録するように、上述し
た場合と同様の処理をする。例えば最初の群の中で新た
な順番を付け、その奇数番の信号Lo4,と偶数番の信号R
e4を領域Aに、奇数番の信号Ro4,と愚数番の信号Le4
隣接する次の領域Aに各々記録する。その結果この場合
も上述した場合と同様に、各領域に記録される信号は実
質的に基準周波数のクロックでサンプリングした信号と
等価になり、基準周波数のデコーダを使用した再生が可
能になる。 同様にして2サンプル毎のデータ群に区分すれば、基
準周波数の2倍の周波数のデコーダを使用した再生が可
能になる。 従っていずれの場合もその記録領域を、より低いサン
プリング周波数の場合に対応させることが好ましいこと
は明らかである。 次にステレオオーディオ信号(L,R)に例えば前後の
オーディオ信号(F,B)を付加し、4チャンネルのオー
ディオ信号を記録する場合について説明する。この場
合、サンプリング周波数を基準周波数の48kHzとすると
き、領域Aに左右のステレオ信号(L,R)を、また領域
Bにそれに対応する前後の信号(F,B)を、各々順次記
録する。原理的には左右のオーディオ信号(L,R)と前
後のオーディオ信号(F,B)を1つの領域に記録するこ
とも可能である。しかしながらそのようにすると、2チ
ャンネルのステレオ信号(左右信号(L,R))しか再生
できない装置において再生することができなくなる。そ
こで左右信号(L,R)と前後信号(F,B)は各々異なる領
域に記録するのが好ましい。左右信号(L,R)と前後信
号(F,B)をいずれの領域に記録するかは自由であり、
前者を領域BとAに、後者を領域CとDに記録するよう
にすることもできる。この場合は領域CとDにも左右信
号(L,R)と前後信号(F,B)を各々記録することができ
るので、1本の傾斜トラックに2回情報が記録されるこ
とになる。尚以上においても各領域の最初に記録される
のが奇数番号の信号Lo(Fo)と偶数番号の信号Re(Be)
とされ、隣接する次の領域に記録されるのが奇数番号の
信号Ro(Bo)と偶数番号の信号Le(Fe)とされる。尚こ
の場合左右の信号L,Rと前後の信号F,Bをいずれの領域に
記録するかは任意に定めることができるが、左右の信号
L,Rが記録される領域は、2チャンネルのステレオ信号
L,Rが最初に記録される領域、あるいは96kHzのサンプリ
ング周波数の2チャンネルのステレオ信号L,Rが最初又
は次に記録される領域に、各々対応させておくことが好
ましい。 4チャンネルオーディオ信号を基準周波数の2倍の96
kHzでサンプリングする場合は、奇数時のサンプリング
値L0,R0、F0,B0と、愚数時のサンプリング値Le,Re、F
e,Beとに先ず区分される。そして奇数時の信号L0,R0
F0,B0と、偶数時の信号Le,Re、Fe,Beの中において、各
々新たな順番が付けられる。奇数時の信号L0,R0のうち
新たな順番が奇数の信号Lo4と、新たな順番が偶数の信
号Re4とが領域Aに、奇数時の信号L0,R0のうち新たな
順番が奇数の信号Ro4と、新たな順番が偶数の信号Le4
が隣接する次の領域Aに記録される。同様にして奇数時
の信号F0,B0のうち新たな順番が奇数の信号Fo4と、新
たな順番が偶数の信号Be4とが領域Bに、奇数時の信号F
0,B0のうち新たな順番が奇数の信号Bo4と、新たな順番
が愚数の信号Fe4とが隣接する次の領域Bに記録され
る。偶数時の信号Le,Re、Fe,Beは、同様にして領域Cと
Dに記録される。この場合も左右の信号L,Rと前後の信
号F,Bを記録する領域は任意に設定することが可能であ
るが、標準周波数の2チャンネルステレオ記録の場合及
び標準周波数の4チャンネル記録の場合と対応させるよ
うにするのが好ましい。すなわち例えば48kHzのサンプ
リング値の左右信号L,Rが記録される領域と同一の領域
に96kHzのサンプリング値の左右信号L,Rを、また48kHz
のサンプリング値の前後信号F,Bを記録する領域と同一
の領域に96kHzのサンプリング値の前後信号F,Bを各々記
録するようにする。こうすることにより48kHzのサンプ
リングクロックしか有しない装置においても96kHzのサ
ンプリング値の信号を再生することが可能になる。尚こ
の場合は1本の傾斜トラックに1回情報が記録されるこ
とになる。 記録情報を相互に独立な情報S乃至Zにすれば、8チ
ャンネルの情報を48kHzのサンプリングで記録すること
ができるのは明らかである。 さらに記録波長を長くする必要があるときは、領域A
とBを1つの領域とし、また領域CとDを1つの領域と
して用いるようにすればよい。 以上においては各領域A乃至Dを等価として説明し
た。しかしながら実際には相互に180度離間した2つの
回転磁気ヘッドで情報を記録再生する場合、領域A又は
Dにおいて、一方の回転磁気ヘッドが磁気テープに接触
しているとき他方の回転磁気ヘッドも磁気テープに接触
している。その結果一方の回転ヘッドにより情報を再生
し、他方の回転ヘッドにより情報を記録する(例えばア
フターレコーディングする)と、一方の情報が他方の情
報に対してかぶってしまい、雑音が増加し、正確に情報
を記録再生することが困難になるおそれがある。そこで
一方の回転ヘッドにより情報を再生し、他方の回転ヘッ
ドにより情報を記録する場合においては、より中央に位
置する領域B又はCを再生し、領域A又はDに記録する
ようにするのが好ましい。また例えば標準周波数のサン
プリングで4チャンネルのオーディオ信号を記録する場
合、例えば1回目の記録時は領域AとD(又は領域Bと
C)を対として左右信号L,Rと前後信号F,Bを記録し、第
2回目の記録時は領域BとC(又は領域AとD)を対と
して左右信号L,Rと前後信号F,Bを記録するようにするの
が好ましい。 次にPCMエンコーダ13の実施例を説明する。PCMエンコ
ーダ13は例えば第6図に示すようにA/D変換器41とメモ
リ42とにより構成することができる。A/D変換器41は入
力される左右信号L,Rを、所定周波数(実施例において
は96kHz)のクロックに従ってアナログ信号からディジ
タル信号に変換し、メモリ42に記憶させる。メモリ42に
記憶された信号は同じ周波数のクロックに従って読み出
される。このとき例えば奇数時のクロックにおいて読み
出されたデータは領域Aに、また偶数時のクロックにお
いて読み出されたデータは領域Bに記録されるようにす
れば、各領域に記録されるデータのサンプリング周波数
は48kHzになる。 また同様のことは第7図に示すような実施例において
も実現することができる。すなわちこの実施例において
は、48kHzのクロックで動作するA/D変換器41とメモリ42
が2系統(A,B)用意されている。そしてA/D変換器41B
とメモリ42Bには、A/D変換器41Aとメモリ42Aに供給され
ている48kHzのクロック(第8図(b))が、遅延回路4
3により180度遅延されて供給されている(第8図
(c))。従って例えば所定のアナログ信号(第8図
(a))が相互に位相が180度異なる48kHzのサンプリン
グパルスによりサンプリングされ、各々が領域AとBに
記録されるようになる。その結果原信号は実質的に96kH
zの周波数でサンプリングされている場合と等価にな
る。 第9図は斯かる信号をデコードするPCMデコーダ12の
実施例を表している。この実施例においては領域AとB
からの再生信号(相互に180度位相がずれた48kHzのクロ
ックによりサンプリングされた信号)が加算回路51によ
り加算され、実質的に96kHzのサンプリング信号とされ
た後、D/A変換器52に入力される。D/A変換器52には96kH
zのクロックが入力されており、このクロックに従って
読み出されたディジタル信号がローパスフィルタ53によ
り平滑され、アナログ信号として出力される。 第10図はPCMデコーダ12の他の実施例を表している。
この実施例においては48kHzのクロックで動作するD/A変
換器52が2系統(A,B)用意されている。D/A変換器52A,
52Bの出力はサンプルホールド回路54に供給され、さら
にその出力がローパスフィルタ53に出力されている。D/
A変換器52Aには48kHzのクロックが入力されており、D/A
変換器52Bにはそのクロックが遅延回路55により180度遅
延されて入力されている。さらにこのクロックと180度
遅延されたクロックがサンプルホールド回路54に供給さ
れている。例えば領域Aからの再生信号がD/A変換器52A
によりディジタル信号からアナログ信号に変換されると
ともに(第11図において実線で示す)、領域Bからの再
生信号がD/A変換器52Bによりディジタル信号からアナロ
グ信号に変換され(第11図において破線で示す)、サン
プルホールド回路54に入力される。サンプルホールド回
路54は遅延されないクロックでD/A変換器52Aの出力の例
えばレベルa1,a2,a3等を順次サンプルホールドし、ま
た遅延したクロックに対応してD/A変換器52Bの出力のレ
ベルb1,b2等を順次サンプルホールドする。そしてその
合成出力がローパスフィルタ53により平滑され、原信号
(第11図において一点鎖線で示す)が再生される。 このように48kHzのエンコーダ又はデコーダを2系統
用意すれば、96kHzのクロックとそのエンコーダ又はデ
コーダを用意しなくとも実質的に96kHzのサンプリング
信号を記録再生することができる。 また以上の如きエンコーダによりエンコードされ、各
領域A又はBに記録された信号を各領域毎に再生し、48
kHzのデコーダでデコードすれば、48kHzのサンプリング
信号を再生することができるのはもとよりである。 〔効果〕 以上の如く本発明は磁気記録再生装置において、回転
磁気ヘッドにより磁気テープの長手方向に対して傾斜し
て形成されるトラックを複数の領域に区分し、アナログ
信号を実質的に周波数Nfのクロックでサンプリングし、
N番目毎のクロックでサンプリングしたデータを1つの
群として対応する領域に記録するようにしたので、より
高い周波数のクロックで動作する装置においてより高品
位のオーディオ信号等を楽しむことができるばかりでな
く、より低い周波数のクロックで動作する装置において
もその記録信号を再生することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の磁気記録再生装置のブロック図、第2
図はそのトラックの模式的平面図、第3図はその領域の
模式的平面図、第4図は従来の磁気記録再生装置におけ
るトラックの模式的平面図、第5図及び第8図は本発明
のサンプリング状態を表す模式的波形図、第6図及び第
7図はそのPCMエンコーダのブロック図、第9図及び第1
0図はそのPCMデコーダのブロック図、第11図はその出力
信号の模式的波形図である。 1……回転磁気ヘッド 2,3,6,7,21,34……スイッチ 4……記録増幅器、5……再生増幅器 8……ビデオ変調器 9、13……PCMエンコーダ 10……ビデオ復調器 11、12……PCMデコーダ 14、23……発振器 15、25……モータ 16、26……周波数発電器 17……パルス発生器 18、31……駆動回路 19、27……周波数制御回路 20、29……位相制御回路 22……同期分離回路 24、30……加算回路 28……分周回路 32……トラッキング制御回路 33……中央処理装置 35……パイロット信号発生器 41……A/D変換器、42……メモリ 43、55……遅延回路 51……加算回路、52……D/A変換器 53……ローパスフィルタ 54……サンプルホールド回路

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.磁気テープの長手方向に対して傾斜して形成される
    トラックにディジタル信号を記録する回転磁気ヘッド
    と、 アナログ信号をチャンネル毎に所定の基準周波数fのN
    倍の周波数でサンプリングしてディジタル信号に変換
    し、各チャンネル毎のサンプリングデータを、1番目か
    らN番目までの各順序数ごとに分割し、各順序数ごとの
    サンプリングデータを、順序数の順序に従ってチャンネ
    ルの並びで前記回転磁気ヘッドに対してディジタル信号
    として出力するエンコーダと、 を備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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JPS60175262A (ja) * 1984-02-21 1985-09-09 Mitsubishi Electric Corp 回転ヘッド形磁気記録再生装置およびその記録再生方式

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