JP2697735B2 - Ag−酸化物系条材およびその製造方法 - Google Patents
Ag−酸化物系条材およびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、主に中負荷用電気接点に用いられるAg−酸
化物系条材およびその製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来より、中負荷用電気接点としてAgまたはAg−Niあ
るいはAgにCd、Sn、ZnまたはInなどの酸化物を添加した
いわゆるAg−酸化物系材料があり、耐溶着性や耐消耗性
等の接点特性が優れているためにひろく用いられてい
る。 このようなAg−酸化物系材料は、Agの中に5〜30Wt%
程度の酸化物を分散させることによって接点特性を向上
させているが、その反面、塑性変形能が著しく低下し、
酸化物量の増加に伴って条材に加工することが困難にな
る。 つまり、Agの中に5〜30Wt%分散させたAg−酸化物系
の粉、片、粒もしくは短線を焼結後に加工する場合、
粉、片、粒もしくは短線間の強度が小さいために引抜加
工等で割れが発生し易く、特に酸化物量が8Wt%を超え
るとその傾向が著しくあらわれて線や条等への加工が極
めて困難となる。 そこで、これら粉や粒等間の強度を増すために、例え
ば特開昭54−33207号に示されるようにAg−酸化物系薄
片の周囲にAgに富んだ層を形成させたり、特開昭54−33
206号や特開昭54−34057号のように内部酸化能を有する
Ag合金の外周にAg層を形成し、所定の寸法まで加工した
後に内部酸化を行って溶質金属を酸化させる方法があ
る。 以上述べた従来技術によると、前者は、粉や粒等の周
囲にAgに富んだ層を形成する処理が単純ではなく技術お
よびコストの面で問題があり、後者は、内部酸化処理後
の条材の中心部の酸化物の希薄な層が生じるために接点
特性が低下するという問題がある。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明は、Ag中に5〜30Wt%の酸化物を分散
させたAg−酸化物系の素材の外周面に、厚さ0.02〜0.3m
mのAgの外被を形成したことを特徴とし、さらにそれ
を、Ag中に5〜30Wt%の酸化物を分散させたAg−酸化物
系の素材の外周面に、Agの外被を600℃以上の温度で熱
間圧着し、その後所定の寸法の径に加工してAgの厚さを
0.02〜0.3mmとして製造することを特徴とする。 Ag層の厚さを0.02〜0.3mmとした理由は、0.02mm未満
では被覆層の強度が小さくて被抜加工時の張力に耐える
ことができずに破断するおそれがある。また、層の厚さ
が0.3mmを超えると一般的に使用される条材寸法におい
てAg量が多くなりすぎて耐溶着性等の接点が劣化するた
めである。 また、酸化物量を5〜30Wt%としたのは、5Wt%未満
では本発明による必要がなく、30Wt%を超えると接点特
性のうち、特に接触安定性が低下するためである。 〔作用〕 以上詳細した如く、Ag−酸化物系の素材の外周面にAg
の層を形成することによって、Ag−酸化物系の粉や粒等
間の強度不足を補い、条材への塑性可能能を向上させる
ことになって引抜加工時に表面割れが発生したり断線し
たりすることがなくなり、Ag−酸化物系材料の接点特性
と相まって優れた接点材料とすることができる。 〔実施例〕 以下に本発明の実施例を図面を用いて説明する。 Ag8900g、Cd1000g、Sb100gを高周波溶解炉で溶解し、
溶湯を水アトマイズにより粉体とした。この粉体を700
℃で内部酸化後、成形、焼結した素材1をAg製の筒2に
充填した後、同Ag製の蓋3を溶接した。 上記筒の厚さは、直径3mmの線に加工したときに0.02m
m前後となるように設定した。 この複合ピレットを600℃に加熱し、熱間押出により
直径10mmの棒とした後、焼鈍と引抜加工を繰り返して直
径3mmの複合線材を得た。 同様にして第2の実施例から第6の実施例を得た。 〔発明の効果〕 以上詳細に説明した本発明によると、Ag−酸化物系材
料の外周にAg層を形成したことにより、表に示した如く
表面割れもなく加工性が良好であり、従来法ではNo.3、
4、5は直径6mmの引抜加工時に断線し、No.1、2、6
は加工可能であるが表面割れが発生している。 このように、引抜加工能が向上して接点用条材の製造
を容易に行うことができることになる。
化物系条材およびその製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来より、中負荷用電気接点としてAgまたはAg−Niあ
るいはAgにCd、Sn、ZnまたはInなどの酸化物を添加した
いわゆるAg−酸化物系材料があり、耐溶着性や耐消耗性
等の接点特性が優れているためにひろく用いられてい
る。 このようなAg−酸化物系材料は、Agの中に5〜30Wt%
程度の酸化物を分散させることによって接点特性を向上
させているが、その反面、塑性変形能が著しく低下し、
酸化物量の増加に伴って条材に加工することが困難にな
る。 つまり、Agの中に5〜30Wt%分散させたAg−酸化物系
の粉、片、粒もしくは短線を焼結後に加工する場合、
粉、片、粒もしくは短線間の強度が小さいために引抜加
工等で割れが発生し易く、特に酸化物量が8Wt%を超え
るとその傾向が著しくあらわれて線や条等への加工が極
めて困難となる。 そこで、これら粉や粒等間の強度を増すために、例え
ば特開昭54−33207号に示されるようにAg−酸化物系薄
片の周囲にAgに富んだ層を形成させたり、特開昭54−33
206号や特開昭54−34057号のように内部酸化能を有する
Ag合金の外周にAg層を形成し、所定の寸法まで加工した
後に内部酸化を行って溶質金属を酸化させる方法があ
る。 以上述べた従来技術によると、前者は、粉や粒等の周
囲にAgに富んだ層を形成する処理が単純ではなく技術お
よびコストの面で問題があり、後者は、内部酸化処理後
の条材の中心部の酸化物の希薄な層が生じるために接点
特性が低下するという問題がある。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明は、Ag中に5〜30Wt%の酸化物を分散
させたAg−酸化物系の素材の外周面に、厚さ0.02〜0.3m
mのAgの外被を形成したことを特徴とし、さらにそれ
を、Ag中に5〜30Wt%の酸化物を分散させたAg−酸化物
系の素材の外周面に、Agの外被を600℃以上の温度で熱
間圧着し、その後所定の寸法の径に加工してAgの厚さを
0.02〜0.3mmとして製造することを特徴とする。 Ag層の厚さを0.02〜0.3mmとした理由は、0.02mm未満
では被覆層の強度が小さくて被抜加工時の張力に耐える
ことができずに破断するおそれがある。また、層の厚さ
が0.3mmを超えると一般的に使用される条材寸法におい
てAg量が多くなりすぎて耐溶着性等の接点が劣化するた
めである。 また、酸化物量を5〜30Wt%としたのは、5Wt%未満
では本発明による必要がなく、30Wt%を超えると接点特
性のうち、特に接触安定性が低下するためである。 〔作用〕 以上詳細した如く、Ag−酸化物系の素材の外周面にAg
の層を形成することによって、Ag−酸化物系の粉や粒等
間の強度不足を補い、条材への塑性可能能を向上させる
ことになって引抜加工時に表面割れが発生したり断線し
たりすることがなくなり、Ag−酸化物系材料の接点特性
と相まって優れた接点材料とすることができる。 〔実施例〕 以下に本発明の実施例を図面を用いて説明する。 Ag8900g、Cd1000g、Sb100gを高周波溶解炉で溶解し、
溶湯を水アトマイズにより粉体とした。この粉体を700
℃で内部酸化後、成形、焼結した素材1をAg製の筒2に
充填した後、同Ag製の蓋3を溶接した。 上記筒の厚さは、直径3mmの線に加工したときに0.02m
m前後となるように設定した。 この複合ピレットを600℃に加熱し、熱間押出により
直径10mmの棒とした後、焼鈍と引抜加工を繰り返して直
径3mmの複合線材を得た。 同様にして第2の実施例から第6の実施例を得た。 〔発明の効果〕 以上詳細に説明した本発明によると、Ag−酸化物系材
料の外周にAg層を形成したことにより、表に示した如く
表面割れもなく加工性が良好であり、従来法ではNo.3、
4、5は直径6mmの引抜加工時に断線し、No.1、2、6
は加工可能であるが表面割れが発生している。 このように、引抜加工能が向上して接点用条材の製造
を容易に行うことができることになる。
【図面の簡単な説明】
Ag−酸化物系素材を筒に充填した状態の斜視図
1……Ag−酸化物系素材
2……筒
3……蓋
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.Ag中に5〜30Wt%の酸化物を分散させたAg−酸化物
系の素材の外周面に、厚さ0.02〜0.3mmのAgの外被を形
成したことを特徴とするAg−酸化物系条材。 2.Ag中に5〜30Wt%の酸化物を分散させたAg−酸化物
系の素材の外周面に、Agの外被を600℃以上の温度で熱
間圧着し、その後所定の寸法の径に加工してAgの厚さを
0.02〜3mmとしたことを特徴とするAg−酸化物系条材の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22041887A JP2697735B2 (ja) | 1987-09-04 | 1987-09-04 | Ag−酸化物系条材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22041887A JP2697735B2 (ja) | 1987-09-04 | 1987-09-04 | Ag−酸化物系条材およびその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11400697A Division JP2777120B2 (ja) | 1997-05-01 | 1997-05-01 | Ag−酸化物系条材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6465203A JPS6465203A (en) | 1989-03-10 |
JP2697735B2 true JP2697735B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=16750796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22041887A Expired - Lifetime JP2697735B2 (ja) | 1987-09-04 | 1987-09-04 | Ag−酸化物系条材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2697735B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4407774C1 (de) * | 1994-03-09 | 1995-04-20 | Leybold Materials Gmbh | Target für die Kathodenzerstäubung zur Herstellung transparenter, leitfähiger Schichten und Verfahren zu seiner Herstellung |
US6383248B1 (en) | 1997-09-12 | 2002-05-07 | Engelhard-Clal Uk Ltd. | Process for manufacturing precious metal artifacts |
JP4908076B2 (ja) * | 2006-06-19 | 2012-04-04 | 株式会社 エニイワイヤ | ターミナルシステム |
-
1987
- 1987-09-04 JP JP22041887A patent/JP2697735B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6465203A (en) | 1989-03-10 |
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Legal Events
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