JP2697636B2 - 蒸気発生装置 - Google Patents

蒸気発生装置

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JP2697636B2 JP6258140A JP25814094A JP2697636B2 JP 2697636 B2 JP2697636 B2 JP 2697636B2 JP 6258140 A JP6258140 A JP 6258140A JP 25814094 A JP25814094 A JP 25814094A JP 2697636 B2 JP2697636 B2 JP 2697636B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品の解凍、蒸し物調
理、解凍加温された食品、又は調理後の食品を適温、適
湿状態に保持する食品保温庫等食品関係や、空調された
居住空間の加湿等の空調機器関係等の加湿用の蒸気発生
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の蒸気発生装置は図6に示す特開平
4−51487号公報の如く、蒸気発生装置1は鉄心2
の周囲に導電性線材を巻回して誘導コイル3を形成し、
前記鉄心2の上に、底面が磁束路となり得る鉄板4を備
えた蒸気発生槽5を設け、前記蒸気発生槽5内に水噴射
パイプ6と前記水噴射パイプ6に蒸発水を送るポンプ7
で構成された流体供給手段と、ニードル弁8を挿入した
蒸気排出管9とで構成された加熱気体を取り出す手段を
設けている。前記誘導コイル3には商用周波数の交流電
源が接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、底面の発熱体となる金属材料の水と接する
部分が平面であるため放熱面積が限られ、蒸発量を多く
するため、電気入力を大きくすると金属材料の表面温度
が上昇し、水との温度差が大きくなって、水の中に含ま
れるカルシウム、マグネシウム等の無機質分が金属材料
表面に吸着堆積する。これが伝熱性の低下要因となり、
金属材料の温度が上昇し、機器の損傷を引き起したりす
る。
【0004】また、金属材料は厚みを有し、熱容量的に
も大きくなる、そのため蒸発量の正確なコントロールが
出来ないという課題があった。
【0005】本発明は上記課題を解決するもので、水蒸
気などの加熱ガスを小型の装置で効率よく安定して得る
ことが出来る蒸気発生装置の提供を目的としたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、液体を導入する流入口と蒸気を外部へ取り出
す蒸気流出口とを有する蒸発室、前記蒸発室の外周に設
けた励磁コイルと、蒸発室内に装着され前記励磁コイル
により発生する磁界変化により発熱する連続する空隙を
有する金属体と、前記蒸発室に水を供給する水供給手段
と、前記水供給手段と励磁コイルへの電力供給を制御す
る制御手段とを有する構成とした。
【0007】また、連続する空隙を有する金属体は発泡
金属体で構成した。また、前記連続する空隙を有する
属体の材質としてNi、Ni−Cr合金、ステンレス合
金、等磁性を有した耐水性金属体で構成した。
【0008】また、水供給手段は水位検知手段、水流制
御手段、及び前記水位検知手段からの信号に基づき水流
制御手段を駆動させる制御手段とで構成した。
【0009】また、蒸発室は円筒形状に構成し、この蒸
発室の内壁に沿って中空円筒状の発泡金属体を配設する
と共に、前記中空部に加熱水の流れ込みを防止する中子
を挿入した構成とした。
【0010】また、蒸発室は外筒と内筒とで構成し、前
記外筒、内筒間に発泡金属体を配設した構成したもので
ある。
【0011】さらに、外筒と内筒とからなる蒸発室、前
記外筒又は内筒に接し巻かれた励磁コイル、前記励磁コ
イルにより発生する磁界変化により発熱する金属体、及
び前記励磁コイルに接し加熱蒸発される液体が冷却用液
体として流れる冷却水路とを有する構成とした。
【0012】
【作用】本発明は上記構成によって、制御手段からの信
号に基づき、水供給手段が作動し、水が蒸発室に送られ
る。蒸発室に水が供給された後、制御手段から励磁コイ
ルへ交流が供給されると、励磁コイルによって発生した
磁力線が連続する空隙を有する金属体中を貫通する。供
給された交流のサイクルにしたがって磁力線の方向が変
化すると、連続する空隙を有する金属体中には、その磁
力線変化を阻止しようとする電気的な力が作用し、連続
する空隙を有する金属体中にはコイル電流と逆方向の電
流が誘起される。この誘起された誘導電流により金属体
は加熱されると同時に蒸発室中の水が加熱される。加熱
が進行すると水は気化し蒸気流出口から流出し、利用場
所へ送られる。
【0013】さらに、連続する空隙を有する金属体の骨
格が金属多孔体である発泡金属体で構成することによ
り、誘導電流は骨格部を流れ周囲の水を気化する。水中
に浸漬され発熱する金属体は、Ni、Ni−Cr合金、
ステンレス合金、等の磁性を有した耐水性発泡金属体
で、高温で蒸発残渣の濃度が高くなり腐食が生じやすい
気体境界層のような腐食環境でも腐食は生ぜず水を気化
する。
【0014】また、気化用の水は、蒸発室の水位を水位
検知手段で検知し、そこで発せられる検知信号が制御手
段に送られる。信号を受けた制御手段からは蒸発室の水
位が設定値以下の時は水流制御手段をオンし、設定値に
達すると水流制御手段をオフし蒸発室内を一定に保ち、
一定の蒸発状態を維持する。
【0015】また、空間部に中子を入れた発泡金属体が
円筒状蒸発室のに中に挿入されると、水流制御手段から
蒸発室に流入した水は、蒸発室の内壁と中子間に挿入さ
れた発泡金属体部分のみに満たされる。発泡金属体部分
に流入した水は全て発熱体と接した状態となって気化す
る。
【0016】さらに、励磁コイルに接し気化される液体
が通る冷却水路を設けた構成においては、水流制御手段
が開き、水供給手段から冷却水路に送られた水は、励磁
コイルに流れる電流によって発生する熱を吸収し蒸発室
に流れ込む。この熱移動により励磁コイルは冷却され、
逆に水は予熱される。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例を図1から図5を参照し
て説明する。
【0018】図1および図2において、10は蒸気発生
装置、11は保湿庫本体、12は保存室で蒸気発生装置
を保湿庫として応用したときの実施例を示している。蒸
気発生装置10の蒸気発生部は各々流入口13、流出口
14に連通する流入管15と流出管16を有した蒸発室
17とよりなる水路構成となっている。前記蒸発室17
の外周には励磁コイル18が巻かれ、蒸発室17内には
前記励磁コイルにより誘起される磁界の磁気回路構成体
となる金属体19が挿入されている。流入管15は水流
制御手段20を介し、水供給手段21である市水供給管
に接続されている。流出管16は保存室12内の空気を
循環させる循環流路22に接続されている。23はセン
サ室で水位検知手段を構成する水位センサ24が内設さ
れている。前記センサ室23は底部からインプットパイ
プ25が流入管15へ、上端部からアウトプットパイプ
26が蒸発室17の上部へ接続され、蒸発室17から熱
的に隔離されている。循環流路22には送風機27と、
空気加熱ヒータ28と、温度センサ29と、湿度センサ
30とが取り付けられている。31は励磁コイル18に
交流電力を送る電源装置、32は水位センサ24、温度
センサ29、湿度センサ30及び、操作部(図示せず)
から送られる信号に基づき、水流制御手段20、送風機
27、空気加熱ヒータ28、、電源装置31へ駆動信号
を発する制御手段である。33は保存室12に置かれた
食品収納ボックスである。
【0019】上記構成において、調理、又は解凍された
食材が入った食品収納ボックス33を保存室12に入
れ、操作部から制御手段32に始動信号を送る。始動信
号を受け、制御手段32からは駆動信号が発せられ、電
源装置31、水流制御手段20、送風機27が始動す
る。水流制御手段20が開き水が水供給手段21から蒸
発室17に送られる。水は水位センサ24の位置まで満
たされると水位センサ24から制御手段32に送られ給
水は停止する。一方電源側では電源装置31が始動し、
交流電力が励磁コイル18に交流電力が送られると励磁
コイル18の周囲に交流磁力線が発生する(図2F)。
この交流磁力線は金属体19中を貫通する。供給された
交流のサイクルにしたがって磁力線の方向が変化する
と、金属体19中には、その磁力線変化を阻止しようと
する電気的力が作用し、金属体19中にはコイル電流と
逆方向の電流が誘起される。この誘起された誘導電流に
より金属体19は加熱されると同時に蒸発室17中の水
が加熱される。加熱が進行すると水は気化し蒸気となっ
て流出管16から流出する。流出管16から流出した蒸
気は循環流路22に流れ込み、循環流と共に保存室12
に送られる。
【0020】上記蒸気発生装置10による加湿が進み、
保存室11内の湿度が上昇し、湿度センサ30から制御
手段32へ送られる信号が設定値に達すると、電源装置
31からの交流電力の供給が停止すると共に、水流制御
手段20がオフし、蒸気の発生が停止する。このように
湿度センサ30と制御手段32との制御により保存室1
2内は設定された湿度に保たれる。
【0021】また、保存室12内の温度は温度センサ2
9から制御手段32へ送られる信号が設定値に達する
と、空気加熱ヒータ28がオフし、保存室12内は設定
され温度に保たれる。
【0022】また、水位センサ24の設定値を金属体1
9の上端より低くすることができ、この場合は金属体1
9の上端は蒸気中に曝される。曝された金属体19は高
温度になって発生した蒸気を更に加熱する。この結果、
過熱状の蒸気が生成される。
【0023】この実施例の構成によれば、金属体全体が
水中に埋没しているため、金属体に発生する熱量が全て
蒸発に使用され、蒸発効率が格段に向上する。蒸発室が
コンパクトになる。更に、水位センサの調整により、過
熱状の蒸気を生成させることができ蒸気応用展開を拡大
することができる。
【0024】図3、4は他の実施例を示し、発泡金属体
34は円筒形で中空部35を有している。又、発泡金属
体34は連続する空隙36と細い線体37で構成されて
いる。38は発泡金属体34の中空部35に挿入された
中子である。
【0025】上記構成に於て、上記実施例と同様に、水
流制御手段20が開くと、水は水供給手段21から蒸発
室17に送られる。蒸発室17では中子38が挿入され
ているため、水は発泡金属体34部分のみを満たす。電
源側では、電源装置31から交流電力が励磁コイル18
に送られ、励磁コイル18の周囲に交流磁力線が発生
し、交流磁力線は発泡金属体34中を貫通する。発泡金
属体34中の磁力線は、発泡金属体34中に誘導電流を
誘起する。この誘導電流は細い無数の線体37中を流れ
発泡金属体34を加熱し、蒸発室17中の水を加熱蒸発
させる。
【0026】この実施例の構成によれば、発熱体部が無
数の線体で構成されているため発熱面積が格段に大きく
なり、発熱体部の表面温度を低く抑えることができる。
【0027】又、蒸発室内の水は全て発熱体と接した状
態となっているため、蒸発の立ち上がりや制御の応答性
が速くなる。
【0028】図5は他の実施例を示し、蒸発室17は外
筒39、内筒40で構成され、前記内筒40の内側に励
磁コイル18が巻かれている。励磁コイル18の内壁面
に沿って冷却水路41が設けられている。前記冷却水路
41の流入側は水流制御手段20を介し水供給手段21
である市水供給管に接続され、流出側は連通路42を介
し蒸発室17の流入口13へ連通している。
【0029】上記構成に於て、上記実施例と同様に、水
流制御手段20が開くと、水は水供給手段21から冷却
水路41を経て蒸発室17に送られる。電源側では、電
源装置31から交流電力が励磁コイル18に送られ、励
磁コイル18の周囲に交流磁力線が発生し、交流磁力線
は発泡金属体34中を貫通する。発泡金属体34中の磁
力線は、発泡金属体34中に誘導電流を誘起する。この
誘導電流は細い無数の線体37中を流れ発泡金属体34
を加熱し、蒸発室17中の水を加熱蒸発させる。この加
熱、蒸発時に冷却水路41では、励磁コイル18の励磁
電流によって熱や蒸発室17より伝達される熱を吸収
し、励磁コイル18を冷却する。
【0030】上記構成では、励磁コイル18の内壁面に
沿って冷却水路41を設けた構成になっている。逆に、
励磁コイル18の外壁面に沿って冷却水路を設け、内壁
面に沿って蒸発室を設ける構成にしても、同じ作用効果
を得ることができる。
【0031】この実施例の構成によれば、励磁コイル1
8が冷却されるため、励磁コイルへ入力される電力を大
きくすることができる。このことは機器の小型化や大容
量化を可能にするものである。
【0032】なお、上記実施例では発泡金属体は連続す
る空隙と、細かい線体で3次元の網目状に構成された場
合につき説明したが、この他連続気泡を有する金属体や
微細な貫通孔を有する金属体も含む。すなわち、発泡金
属は金属の骨格に多数の貫通孔を有する多孔体であれば
よい。
【0033】
【発明の効果】以上説明から本発明の蒸気発生装置は以
下の効果を有する。 (1)発熱体は磁気誘導電流により加熱される連続する
空隙を有する金属体であるため、金属の骨格が多数連続
しているので断線破断による特性劣化はほとんどな
、また、励磁コイルと連続する空隙を有する金属体は
水路壁で隔離され、水漏れや漏電事故の発生が皆無とな
り、機器の構成が簡素になると共に信頼性が格段に向上
する。さらに、蒸発室は水路の一部で構成することがで
き、蒸発器をコンパクトにすることができる。
【0034】(2)誘導磁界によって発熱する連続する
空隙を有する金属体が金属多孔体である発泡金属体で構
成されているため、発熱面積が格段に大きくなり、発熱
体部の表面温度を低く抑えることができる。この結果、
発熱体の熱による劣化を防止と蒸発時に生ずる液体中の
析出物の発熱体表面への付着を抑えること等機器の信頼
性が格段に向上する。
【0035】(3)水中に浸析され、発熱する金属体は
Ni、Ni−Cr合金、ステンレス合金、等磁性を有し
た耐水性発泡金属体であるため、高温で、気体境界層が
発生する腐食環境でも腐食は発生せず、安定した蒸発性
能を保つことができる。
【0036】(4)気化用の水は、蒸発室の水位が水位
検知手段からの検知信号により常に設定された最適水位
に保持され、加熱および蒸発負荷が一定の値となるた
め、常に安定した蒸発状態を維持することができる。
【0037】(5)空間部に中子を入れた発砲金属体が
円筒状蒸発室に中に挿入されるため、水流制御手段から
蒸発室に流入した水は、蒸発室の内壁と中子間に挿入さ
れた発泡金属体部分のみに満たされる。そのため、骨格
が3次元の網目状になっている金属多孔体である発泡金
属体部分に流入した水は全て発熱体と接した状態とな
り、発泡金属体に発生する熱量が全て蒸発に使用され、
蒸発効率が格段に向上する。
【0038】また、発泡金属体は熱容量が小さいため、
応答性に優れた蒸気発生の制御ができる。
【0039】(6)水供給手段から供給された気化用の
水が冷却水路部で、励磁コイルに流れる電流によって発
生する熱を吸収し蒸発室に流れ込む。この熱移動により
励磁コイルは冷却され、逆に水は予熱される。この結
果、熱回収による省エネルギー効果と、励磁コイルへ入
力される電力を大きくすることができる。このことは機
器の小型化や大容量化を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における蒸気発生装置の原理
を示す断面図
【図2】同蒸気発生装置の磁気回路の要部拡大断面図
【図3】同蒸気発生装置の発泡金属発熱体の破断斜視図
【図4】本発明の他の実施例における蒸気発生装置の蒸
発室の断面図
【図5】本発明の他の実施例におけるの蒸気発生装置の
要部断面図
【図6】従来の蒸気発生装置の正面断面図
【符号の説明】
13 流入口 14 流出口 17 蒸発室 18 励磁コイル 19 金属体 20 水流制御手段 24 水位検知手段 32 制御手段 34 発泡金属体 38 中子 39 外筒 40 内筒 41 冷却水路

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を導入する流入口と蒸気を外部へ取り
    出す蒸気流出口とを有する蒸発室、前記蒸発室の外周に
    設けた励磁コイルと、蒸発室内に装着され前記励磁コイ
    ルにより発生する磁界変化により発熱する連続する空隙
    を有する金属体と、前記蒸発室に水を供給する水供給手
    段と、前記水供給手段と励磁コイルへの電力供給を制御
    する制御手段とを備えた蒸気発生装置。
  2. 【請求項2】連続する空隙を有する金属体は発泡金属体
    で構成した請求項1記載の蒸気発生装置。
  3. 【請求項3】連続する空隙を有する金属体はNi、Ni
    −Cr合金、ステンレス合金等耐水性発泡金属体で構成
    した請求項2記載の蒸気発生装置。
  4. 【請求項4】水供給手段は水位検知手段、水流制御手
    段、及び前記水位検知手段からの信号に基づき水流制御
    手段を駆動させる制御手段とで構成した請求項1記載の
    蒸気発生装置。
  5. 【請求項5】蒸発室は円筒形状に構成し、この蒸発室の
    内壁に沿って中空円筒状の発泡金属体を配設すると共
    に、前記中空部に加熱水の流れ込みを防止する中子を挿
    入した請求項1記載の蒸気発生装置。
  6. 【請求項6】蒸発室は外筒と内筒とで構成し、前記外
    筒、内筒間に発泡金属体を配設した請求項1記載の蒸気
    発生装置。
  7. 【請求項7】外筒と内筒とからなる蒸発室、前記外筒又
    は内筒に接し巻かれた励磁コイル、前記励磁コイルによ
    り発生する磁界変化により発熱する連続する空隙を有す
    金属体、及び前記励磁コイルに接し加熱蒸発される液
    体が冷却用液体として流れる冷却水路とで構成した請求
    項1記載の蒸気発生装置。
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