JP2695831B2 - 溶鋼レベルの制御方法 - Google Patents

溶鋼レベルの制御方法

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JP2695831B2 JP63082332A JP8233288A JP2695831B2 JP 2695831 B2 JP2695831 B2 JP 2695831B2 JP 63082332 A JP63082332 A JP 63082332A JP 8233288 A JP8233288 A JP 8233288A JP 2695831 B2 JP2695831 B2 JP 2695831B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、連続鋳造装置の鋳型内に注ぎ込まれる溶鋼
の湯面レベルを制御する溶鋼レベルの制御方法に関し、
特に連続鋳造装置のオートスタート・システムに用いて
好適の溶鋼レベルの制御方法に関する。
[従来の技術] 一般に、連続鋳造装置では、第4,6図に示すように、
タンディッシュ1に貯えられた溶鋼が、スライドバルブ
2の開度調整により適当量だけサブマージドノズル3の
溶鋼流出孔3aを通じて鋳型4内へ供給される。連続鋳造
中には、鋳型4内の溶鋼5の湯面5aのレベル(以下、湯
面レベルという)が常に一定レベルとなるようにスライ
ドバルブ2の開度が制御される。また、鋳型4により鋳
造された鋳片5bに当接するピンチロール6によって、鋳
造速度が制御される。
ところで、上述のような連続鋳造に際して、定常時の
鋳造作業は従来より自動化されていたが、鋳造開始およ
び鋳造終了の作業は、通常、オペレータの経験に頼って
手動により行なわれていた。
そこで、鋳造開始および鋳造終了作業を含めてすべて
の連続鋳造作業の自動化をはかるべく、従来、第4,5図
もしくは第6,7図に示すような溶鋼レベルの制御手段が
用いられている。なお、以下には、連続鋳造鋳込み開始
つまりオートスタート制御を行なう場合について説明す
る。
前者の手段では、第4図に示すように、定常操業時の
湯面レベル制御用に溶鋼レベル計7がそなえられ、この
レベル計7が、鋳型4内の所定レベル(連続鋳造中に保
持すべき湯面レベルの一定レベル)を含む適当な位置に
設置されている。一般に、このレベル計7の測定スパン
は、制御制度向上のために短い。
また、レベル計7では測定できない範囲(鋳型4の下
部からレベル計7の位置までの間)の湯面レベルを検知
して、オートスタート制御に用いるべく、鋳型4の銅板
の2点(1点でもよい;通常少数に限られる)に熱電対
8a,8bが、適当な間隔をあけて埋設されている。この熱
電対8a,8bの起電力が一定値に達したことを検知するこ
とによって、溶鋼5の湯面5aが各熱電対8a,8bの位置ま
で上昇・到達したことが、間接的に検知される。
そして、レベル計7および熱電対8a,8bからの信号は
制御部9に入力され、この制御部9により、スライドバ
ルブ2の開度を調整してオートスタート制御が行なわれ
るとともに、定常操業時の制御も行なわれる。
上述の装置を用いた前者の手段によるオートスタート
制御は、第5図に示すように行なわれる。つまり、ま
ず、制御部9によりスライドバルブ2を開放して、タン
ディッシュ1内の溶鋼を鋳型4内へ注入し始める(時間
1)。そして、熱電対8a,8bにより、鋳型4内における
湯面レベルの上昇を間接的に検知(推定)し(時間t2,
t3)、その度に制御部9によりスライドバルブ2の開度
を修正して、湯面5aの上昇速度を補正する。
この後、湯面5aが、レベル計7の測定スパン内に入っ
たことが検知されると(時間t4)、レベル計7の測定
信号に基づいてスライドバルブ2の開度を調整して湯面
5aの上昇速度を制御し、目標レベルに到達した後には
(時間t5)、湯面5aを目標レベルに保持するように、
制御部9によりレベル計7の測定信号に基づいてフィー
ドバック制御を行なう。即ち、前者の手段では、レベル
計7の測定スパン外では、熱電対8a,8bの信号に基づき
湯面レベルをパターン制御(開ループ制御)し、レベル
計7の測定スパン内では、レベル計7の測定信号に基づ
き湯面レベルをフィードバック制御(閉ループ制御)し
ている。
なお、第5図の湯面レベルのグラフ中、二点鎖線は湯
面レベルの推定値、実線はレベル計7による湯面レベル
の実測値である。
一方、後者の手段では、第6図に示すように、鋳型4
の鉛直方向温度分布を検出しうる複数の熱電対8が、適
当な間隔(第4図に示すものよりも密な状態)で鋳型4
の銅板(壁部)に埋設されている。
そして、複数の熱電対8からの信号は制御部9に入力
され、この制御部9において、熱電対8により検出され
た鋳型4の鉛直方向温度分布に基づいて湯面レベルが演
算され、そのレベル演算値に基づいてスライドバルブ2
の開度を調整しオートスタート制御が行なわれるととも
に、定常操業時の制御も行なわれる。
上述の装置を用いた後者の手段によるオートスタート
制御は、第7図に示すように行なわれる。つまり、ま
ず、制御部9によりスライドバルブ2を開放して、タン
ディッシュ1内の溶鋼を鋳型4内へ注入し始める(時間
6)。そして、湯面レベル上昇速度検知用熱電対(図
示せず;熱電対8よりも下方に配置される)により、溶
鋼5の湯面5aがパターン制御開始レベルに到達したこと
が間接的に検知されると(時間t7)、制御部9によ
り、スライドバルブ2の開度をプリセット値からパター
ン開度値に変更する。
この後、熱電対8により、溶鋼5の湯面5aがフィード
バック制御開始レベルに到達したことが間接的に検知さ
れると(時間t8)、湯面5aが複数の熱電対8による測
定スパン内に入ったと判断する。そして、制御部9にお
いて、熱電対8により検出された鋳型4の鉛直方向温度
分布に基づき湯面レベルを2次式近似法(実施例中にて
後述する)等により演算し、そのレベル演算値(第7図
の実線参照)とレベル設定値(第7図の一点鎖線参照)
との差に応じて、スライドバルブ2の開度を調整して湯
面5aの上昇速度を制御する。溶鋼5の湯面5aが目標レベ
ルに到達してからは(時間t9)、湯面5aを目標レベル
に保持するように、制御部9により、前記レベル演算値
に基づいてフィードバック制御を行なう。
なお、上述した後者の手段では、パターン制御とフィ
ードバック制御とを併用し、湯面レベルが低い部分では
パターン制御を行ない、湯面レベルがあるレベル以上に
なってからフィードバック制御を行なうようにしている
が、これは、鋳込み開始初期には、湯面レベルの変動が
激しく、閉ループ制御では、発散(ハンチング)を生じ
るおそれがあるためで、初期の一定期間は開ループ制御
を行なっている。従って、理論的には、溶鋼5の湯面レ
ベルの全域に亘って閉ループ制御を行なうことは可能で
ある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前者の従来の溶鋼レベルの制御手段で
は、溶鋼レベル計7の測定スパン内に溶鋼5の湯面5aが
ある場合には、閉ループ制御を行なえるため、連続鋳造
操業,鋳造製品の品質ともに安定しているが、溶鋼レベ
ル計7の測定スパン外に溶鋼5の湯面5aがある場合に
は、少数の熱電対8a,8bからのバッチ的な信号による開
ループ制御を行なっている。つまり、測定スパン外で
は、熱電対8a,8bによりスライドバルブ2の開度をパタ
ーン制御し、制御部9から開度指令は出力するが、制御
対象の湯面レベルのフィードバック信号がないので、連
続鋳造操業、鋳造製品の品質ともに極めて不安定であ
り、歩留りの低下を招いている。
また、後者の従来の溶鋼レベルの制御手段では、溶鋼
5の湯面レベルの全域に亘って閉ループ制御を行なうこ
とが可能ではあるが、複数の熱電対8の応答遅れによる
定常操業時の制御性の低下が発生し、湯面レベルの変動
が大きくなって鋳片5bの表面変質が低下して、高グレー
ド鋼の製造が困難である。
本発明は、上述の課題を解決しようとするもので、定
常操業時の制御性の低下を招くことなく、オートスター
ト制御を容易に且つ安定して行なえるようにして、定常
操業時および鋳込み開始時の製品品質を改善し歩留りの
向上をはかった、溶鋼レベルの制御方法を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の溶鋼レベルの制
御方法(請求項1)は、鋳型内の所定の定常操業レベル
近傍に同所定の定常操業レベル近傍の上記溶鋼の湯面レ
ベルを連続的に検出しうるレベル計を設けるとともに、
上記鋳型の下部から上記レベル計の位置までの間の上記
鋳型の鉛直方向温度分布を検出しうる複数の熱電対を適
当な間隔で上記鋳型の壁部に埋設しておいてから、上記
溶鋼の湯面が上記レベル計の位置に到達していない場合
には、上記複数の熱電対により検出された上記鋳型の鉛
直方向温度分布に基づいて上記溶鋼の湯面レベルを演算
して求め、求められたレベル演算値を湯面レベル値とし
て上記溶鋼の湯面レベルを閉ループ制御する一方、上記
溶鋼の湯面が上記レベル計の位置に到達している場合に
は、上記レベル計により連続的に検出されるレベル測定
値を湯面レベル値として上記溶鋼の湯面レベルを閉ルー
プ制御することを特徴としている。
また、本発明の溶鋼レベルの制御方法(請求項2)
は、上記溶鋼の湯面の上昇に伴い上記湯面レベル値を上
記レベル演算値から上記レベル測定値に切り替えるに際
して、上記レベル演算値が所定レベルになった時点で、
予め設定された所定の切替時間内で上記レベル演算値か
ら上記レベル測定値へ滑らかに変化する湯面レベル関数
を設定し、この湯面レベル関数による値が上記レベル測
定値に到達するまで上記湯面レベル関数による値を湯面
レベル設定値とし、この湯面レベル設定値とレベル計に
よるレベル測定値との差に基づいて上記溶鋼の湯面レベ
ルを閉ループ制御することを特徴としている。
[作用] 上述の本発明の溶鋼レベルの制御方法(請求項1)で
は、鋳型内における溶鋼の湯面レベル全域に対して閉ル
ープ制御を行なうことが可能で、レベル計によるレベル
測定値と、複数の熱電対からの信号に基づくレベル演算
値とを併用することにより、連続鋳造装置の定常操業時
における湯面レベルの制御性低下が防止される。つま
り、溶鋼の湯面が鋳型の下部から上記レベル計の位置ま
での間のレベルにある時には、複数の熱電対により検出
された鋳型の鉛直方向温度分布に基づき、溶鋼の湯面レ
ベルが演算され、このレベル演算値を湯面レベル値とし
て溶鋼の湯面レベルが閉ループ制御(レベル設定値との
偏差に応じたフィードバック制御)される。一方、溶鋼
の湯面がレベル計の測定スパン内のレベルにある時に
は、上記レベル計により連続的に検出されるレベル測定
値を湯面レベル値として溶鋼の湯面レベルが閉ループ制
御される。
また、上述の本発明の溶鋼レベルの制御方法(請求項
2)では、請求項1の方法における溶鋼の湯面の上昇に
伴うレベル演算値からレベル測定値への切替(キャリブ
レーション)が、予め設定された所定の切替時間内でレ
ベル演算値からレベル測定値へ滑らかに変化する湯面レ
ベル関数を用いて、2つの値をスムージングしながら行
なわれる。従って、レベル計によるレベル制御と、熱電
対によるレベル制御とが、相互に、バンプレスつまりレ
ベル測定値に偏差なくスムーズに切り替えられる。
[発明の実施例] 以下、図面により本発明の一実施例としての溶鋼レベ
ルの制御方法について説明すると、第1図(a)は本方
法によるオートスタート制御動作の一例を示すタイミン
グチャート、第1図(b)は第1図(a)のIb部を拡大
しオートスタート制御時のキャリブレーション動作を説
明するためのグラフ、第2図は本発明の方法を適用され
る装置を示すブロック図、第3図は本実施例における鋳
型の鉛直方向温度分布から湯面レベルを演算する方法を
説明するためのグラフである。
まず、本実施例の方法を説明するに先だち、本方法を
適用される連続鋳造装置およびその制御装置の構成を第
2図により説明する。
連続鋳造装置は従来と同様に構成されており、タンデ
ィッシュ1に貯えられた溶鋼が、スライドバルブ2の開
度調整により適当量だけサブマージドノズル3の溶鋼流
出孔3aを通じて鋳型4内へ供給され、鋳型4内の溶鋼5
の湯面5aのレベル(以下、湯面レベルという)が制御さ
れるようになっている。また、鋳造速度を制御するため
のピンチローラ6が、鋳型4により鋳造された鋳片5bに
当接するように配置され、誘導電動機(IM)10によって
回転工藤されるようになっている。
そして、湯面レベルを制御すべく、制御装置が次のよ
うに構成されている。
即ち、鋳型4内における所定の定常操業レベル(目標
レベル;連続鋳造中に保持すべき湯面レベルの一定レベ
ル)を含む適当な位置には、この定常操業レベル近傍の
湯面レベルを連続的に検出する渦流式の溶鋼レベル計7
が設けられている。また、レベル計7の測定スパン外の
範囲(鋳型4の下部からレベル計7の位置までの間)の
鋳型4の鉛直方向温度分布を検出しうる複数の熱電対8
が、適当な間隔で鋳型4の銅板(壁部)に埋設されるほ
か、鋳型4の最下部付近には、溶鋼がタンディッシュ1
から鋳型4内へ注入され始めたことを検知する熱電対8c
が埋設されている。
熱電対8,8cの検出信号S1は、オートスタート用マイ
クロコンピュータ(以下、オートスタートマイコンとい
う)11へ入力され、レベル計7の検出信号S2は、レベ
ル計アンプ12にて増幅された後、レベル測定値L2とし
てオートスタートマイコン11およびダイレクトディジタ
ルコントローラ(以下、DDCという)13へ入力されるよ
うになっている。
オートスタートマイコン11は、連続鋳造鋳込み開始時
に用いられる専用のワンループコントローラで、溶鋼5
の湯面5aがレベル計7の測定スパン外の場合、複数の熱
電対8により検出された鋳型4の鉛直方向温度分布に基
づいて鋳型4内の湯面レベルを演算し〔その演算方法は
後述する〕、そのレベル演算値L1とレベル設定値との
差に応じてスライドバルブ2の開度指令値信号S3を設
定してDDC13へ出力するものである。
また、オートスタートマイコン11は、湯面5aがレベル
計7の測定スパン内に入り所定の定常操業レベルまで到
達したことをレベル演算値L1にて検知した場合には、
キャリブレーション指令信号S4をレベル計アンプ12へ
出力するとともに、予め設定された所定の切替時間T内
でレベル演算値L1からレベル計7によるレベル測定値
2へ滑らかに変化する湯面レベル関数L(t)〔後述
する〕を設定し、この湯面レベル関数L(t)による値
がレベル測定値L2に到達するまで湯面レベル関数L
(t)による値を湯面レベル設定値とし、この湯面レベ
ル設定値とレベル計7によるレベル測定値L2との差に
応じてスライドバルブ2の開度指令値信号S3を設定し
てDDC13へ出力する。
さらに、湯面レベル関数L(t)による値がレベル測
定値L2に到達した時点で、レベル計アンプ12は、キャ
リブレーション完了信号S5をオートスタートマイコン1
1へ送り、この信号S5を受けたオートスタートマイコン
11は、信号S5を受けてから所定時間経過後にオートス
タート制御終了・切替信号S6をDDC13へ出力して、DDC1
3による定常操業制御に切り替えるとともに、オートス
タート制御の終了をペンダント14にて表示するようにな
っている。
DDC13は、タンディッシュ1の重量検出信号S7を受け
てその重量に応じて動作するもので、オートスタートマ
イコン11によるオートスタート制御中には、オートスタ
ートマイコン11からのスライドバルブ2の開度指令値信
号S3に応じてスライドバルブ2へ指令信号S8を出力
し、スライドバルブ2からのフィードバック信号S9
受けながらスライドバルブ2の開度をフィードバック制
御して、湯面5aの上昇速度を制御するものである。ま
た、DDC13は、オートスタートマイコン11からオートス
タート制御終了・切替信号S6を受けると、定常操業状
態になったと判断して、以後はレベル計7からの検出信
号S2に基づいてスライドバルブ2の開度をフィードバ
ック制御し、湯面5aを所定の定常操業レベルに保持制御
するとともに、鋳造速度指令信号S10をプログラマブル
ロジックコントローラ(以下、PLC:Programmable Logic
Controller)15へ出力して、定常操業制御を行なう。
なお、PLC15は、鋳造速度指令信号S10に応じて速度
指令を設定して可変電圧可変周波数制御装置(以下、VV
VFという)16へ出力し、このVVVF16からの信号を受けた
誘導電動機10が、鋳造速度が指令値となるようにピンチ
ローラ6を所定の回転速度で回転駆動する。
次に、上述のごとく構成された装置にて実施される溶
鋼レベルの制御方法について、第1図(a),(b)お
よび第3図により詳細に説明する。なお、本実施例にお
いても、従来と同様に、連続鋳造鋳込み開始つまりオー
トスタート制御を行なう場合について説明する。また、
第1図(a)に示すように、鋳型4内の溶鋼5の湯面レ
ベルは、鋳型4の最上部を0mm、最低部を−500mmとし、
所定の定常操業レベル(目標レベル)を−100mmとす
る。さらに、本実施例では、複数の熱電対8は、第1図
(a)に示すように、サブマージドノズル3の最下端レ
ベル(−320mm)から定常操業レベル(−100mm)までの
間に配置されている。
まず、連続鋳造開始前の準備作業として、タンディッ
シュ1等を保持するタンディッシュカー(図示せず)を
所定の鋳造位置へ移動し、鋳型4にレベル計7をセッテ
ィングしてから、第1図(a)に示すように、親鍋(図
示せず)を開孔して溶鋼をタンディッシュ1へ注入し始
める(時間T1)。このとき、DDC13は、スライドバルブ
2へ矩形波の指令信号S8を出力して、タンディッシュ
1の重量が所定値(20t)になるまでスライドバルブ2
に開度10〜40%のオシレーションを行なわせる。これに
より、スライドバルブ2での溶鋼凝固が防止される。な
お、スライドバルブ2は、開度0〜50%では閉鎖状態と
変わりなくタンディッシュ1内の溶鋼がスライドバルブ
2を通じて鋳型4へ流入することはない。
スライドバルブ2にオシレーションを行なわせた状態
で、タンディシュ1の重量が所定値(20t)になったこ
とが検知されると(時間T2)、オートスタートマイコ
ン11によるオートスタート制御が開始され、まず、スラ
イドバルブ2の開度のパターン制御(スライドバルブ2
の開度を段階的に調整する開ループ制御)が実施され
て、タンディッシュ1内の溶鋼が、スライドバルブ2お
よびサブマージドノズル3の溶鋼流出孔3aを通じて鋳型
4内へ注入され始める。
ここで、本発明の方法によれば、熱電対8を鋳型4の
最低部から上部にかけて配置することで、理論的には、
溶鋼5の湯面レベルの全域に亘って閉ループ制御を行な
うことは可能であるが、実際には、スライドバルブ2の
開孔直後の鋳込み開始初期においてはサブマージドノズ
ル3からの溶鋼吐出は脈流となっており、湯面レベルの
変動が激しく、閉ループ制御では発散(ハンチング)を
生じるおそれがあるため、初期の一定期間は開ループ制
御のパターン制御を行なっている。
パターン制御開始後、熱電対8cにより溶鋼5が鋳型4
内に注入されたことを検知して確認した上で(時間
3)、パターン制御を続行する。この後、湯面5aが上
昇しそのレベルがレベル計算開始レベル−320mm(複数
の熱電対8のうち最下部のものが配置されるレベル)ま
で到達したことが、最下部の熱電対8により検知される
と(時間T4)、オートスタートマイコン11において、
複数の熱電対8により検出された鋳型4の鉛直方向温度
分布に基づいて鋳型4内の湯面レベルの演算を開始す
る。
ここで、例えば、2次式近似法を用いてレベル演算値
1を求める場合について、第3図により簡単に説明す
る。熱電対8を10個そなえた場合に、各熱電対8の検出
温度を鋳型4の上端から順番にT(1),T(2),…
…,T(10)で示し、その配置位置をx(1),x(2),
……,x(10)とする。そのときの鋳型内温度分布および
温度勾配分布の例を第3図に示す。このとき、隣り合う
熱電対の温度差をD(N)=T(N+1)−T(N)
(1≦N≦9;なお、Nの値としては物理的には19程度ま
で可能、即ち、熱電対8は20個程度設置することが可
能)とし、このD(N)の座標点L(N)は鋳型上端を
0として次の(1)式で与える。
y(N)=x(N)+L/2 ……(1) ただし、Lは熱電対8の相互間隔である。
溶鋼5の湯面レベルで温度勾配分布がピークになると
いう仮定のもとで、下記(2)式を用いてピーク位置を
レベル演算値L1として演算するのが、2次式近似法で
ある。即ち、熱電対8にて検出された鋳型4の鉛直方向
温度分布T(1),T(2),……,T(10)から、各熱電
対8相互間の熱起電力差TD(N)を求める。ついで、温
度勾配分布D(N)の極大値およびその位置を捜し出す
とともに、その前後の値を求める。このようにして、連
続する3点(N−1,N,N+1)での温度勾配値およびそ
の座標位置を求めた後、ピーク近傍の形を2次式で近似
しその関数形を求める。その計算式は次の(2)式で表
わされる。
ここで、a,b,cは関数形を決めるための定数であり、上
式(2)を連立方程式として解くことで、a,b,cを求
め、そのピーク位置y(max)つまりレベル演算値L1
求めると、 L1=y(max)=−b/(2a) ……(3) となる。y(N+1)−y(N)=y(N)−y(N−
1)=L,y(N)+y(N+1)=2y(N)+Lである
ことを考慮して、(2)式からa,bを求め(3)式に代
入すると、 となり、この(4)式から容易にレベル演算値L1が演
算される。
さて、上述のようにして、オートスタートマイコン11
において、複数の熱電対8からの鉛直方向温度分布に基
づいて鋳型4内の湯面レベルの演算を開始してから、湯
面5aがフィードバック制御開始レベル−260mm(サブマ
ージドノズル3の溶鋼流出孔3aの付近)まで上昇したこ
とが、レベル演算値L1にて検知されると(時間T5)、
パターン制御からレベル演算値L1を用いたフィードバ
ック制御に移行する。つまり、オートスタートマイコン
11は、測定レベル値として求められたレベル演算値L1
と、予め設定されている湯面レベル上昇用のレベル設定
値との差に応じてスライドバルブ2の開度指令値信号S
3を設定し、DDC13へ出力して、DDC13によりスライドバ
ルブ2の開度を調整し、湯面5aの上昇速度を制御する。
このような湯面レベルのレベル演算値L1によるフィー
ドバック制御は、−260mm〜−100mmの範囲でレベル計7
に切り替わるまで行なわれる。
このように、レベル演算値L1によるフィードバック
制御の実施中、レベル演算値L1により湯面5aが鋳型振
動開始(鋳造開始)レベル−150mmまで上昇したことが
検知されると(時間T6)、鋳型振動開始指令信号がオ
ートスタートマイコン11からPLC経由で鋳型振動装置
(図示せず)へ出力されて、鋳型4が振動し始める。鋳
型振動開始後、10秒経過すると(時間T7)、ピンチロ
ーラ6が回動し始め鋳型4で鋳造された鋳片5bを所定の
鋳造速度で引き抜く。このときの引抜速度(鋳造速度)
は、DDC13から5秒周期でシーケンサ(図示せず)に指
令され、第1図(a)の最上段に示すように自動増速す
る。
一方、オートスタートマイコン11は、鋳型振動開始
後、10秒間で湯面5aが定常操業レベル−100mmまで上昇
するようにフィードバック制御を実行し、レベル演算値
1が−100mmに到達し且つ鋳片5bの引抜が開始されると
(時間T8)、レベル計アンプ12へキャリブレーション
信号S4を出力する。
そして、オートスタートマイコン11においては、湯面
5aが定常操業レベル−100mmに到達した時点で、次のよ
うなキャリブレーション動作が行なわれる。つまり、ま
ず、予め設定された所定の切替時間T内でレベル演算値
1からレベル計7によるレベル測定値L2へ滑らかに変
化する湯面レベル関数L(t)が次の(5)式の通り設
定される。
L(t)=L1+(t/T)・(L2−L1) ……(5) ここで、tは時間T8後の経過時間である。また、切替
時間Tは、レベル制御の制御周期の10倍程度で、一般的
な制御周期が0.2〜0.5秒であるので2〜5秒程度とされ
る。
オートスタートマイコン11は、この湯面レベル関数L
(t)による値がレベル測定値L2に到達するまで湯面
レベル関数L(t)による値を湯面レベル設定値とし、
この湯面レベル設定値とレベル計7によるレベル測定値
2との差に応じてスライドバルブ2の開度指令値信号
3を設定し、DDC13へ出力して、DDC13によりスライド
バルブ2の開度を調整し湯面レベルをフィードバック制
御する。
これにより、湯面レベルは、第1図(b)に示すよう
に制御され、湯面レベル関数L(t)による値がレベル
測定値L2に到達した時点(時間差9)で、レベル計アン
プ12はキャリブレーション完了信号S5をアンサーバッ
クする。この信号S5を受けると、オートスタートマイ
コン11は、キャリブレーション指令信号S4をオフし
て、熱電対8からの検出信号S1に基づくレベル演算値
1によるフィードバック制御から、レベル計7からの
検出信号S2に基づくレベル測定値L2によるフィードバ
ック制御に切り替わる。
レベル演算値L1からレベル測定値L2への切替完了後
(信号S5出力後)、所定時間が経過すると、プロコン
からオートスタートマイコン11経由でオートスタート制
御終了・切替信号S6がDDC13へ出力され(時間T10)、
オートスタートマイコン11によるレベル制御からDDC13
による定常操業制御(湯面5aを定常操業レベルに保持す
る制御)に切り替えられて、これによりオートスタート
制御が終了する。
このように、本実施例の方法によれば、レベル計7に
よるレベル測定値L2と、複数の熱電対8からの信号に
基づくレベル演算値L1とを併用して、溶鋼5の湯面5a
が低くレベル計7の測定スパン外にある時には、レベル
演算値L1に基づいて湯面レベルがフィードバック制御
される一方、溶鋼5の湯面5aがレベル計7の測定スパン
内にある時には、レベル測定値L2に基づいて湯面レベ
ルがフィードバック制御され、早期からフィードバック
制御が行なわれるので、連続鋳造装置の定常操業時にお
ける湯面レベルの制御性低下を確実に防止しながら、オ
ートスタート制御を容易に且つ安定して行なえ、また、
定常操業時および鋳込み開始時の製品品質が改善され歩
留りが大幅に向上する。
また、溶鋼5の湯面5aの上昇に伴うレベル演算値L1
からレベル測定値L2への切替(キャリブレーション)
が、前述した湯面レベル関数L(t)を用いて2つの値
1,L2をスムージングしながら滑らかに行なわれるの
で、オートスタート制御時に、レベル演算値L1に基づ
くフィードバック制御と、レベル測定値L2に基づくフ
ィードバック制御とがバンプレスでスムーズに切り替え
られ、品質劣化の防止に寄与することになる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の請求項1の溶鋼レベル
の制御方法によれば、レベル計によるレベル測定値と、
複数の熱電対からの信号に基づくレベル演算値とを併用
することによって、鋳型内における溶鋼の湯面レベル全
域に対して湯面レベルの閉ループ制御を行なうことが可
能となり、早期から閉ループ制御が行なわれるので、連
続鋳造装置の定常操業時における湯面レベルの制御性低
下を確実に防止しながら、特にオートスタート制御が容
易にかつ安定して行なわれ、また、定常操業時および鋳
込み開始時の製品品質が改善され歩留りが大幅に向上す
る効果が得られる。
また、本発明の請求項2の溶鋼レベルの制御方法によ
れば、溶鋼の湯面の上昇に伴うレベル演算値からレベル
測定値への切替が湯面レベル関数を用いて滑らかに行な
われるので、特にオートスタート制御時にレベル演算値
に基づく閉ループ制御とレベル測定値に基づく閉ループ
制御とをバンプレスでスムーズに切り替えることがで
き、品質劣化の防止に寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の一実施例としての溶鋼レベルの制
御方法を示すもので、第1図(a)は本方法によるオー
トスタート制御動作の一例を示すタイミングチャート、
第1図(b)は第1図(a)のIb部を拡大しオートスタ
ート制御時のキャリブレーション動作を説明するための
グラフ、第2図は本発明の方法を適用される装置を示す
ブロック図、第3図は本実施例における鋳型の鉛直方向
温度分布から湯面レベルを演算する方法を説明するため
のグラフであり、第4,5図は従来の溶鋼レベルの制御方
法を示すもので、第4図はその方法を適用される装置を
示すブロック図、第5図はその方法によるオートスター
ト制御動作の一例を示すタイミングチャートであり、第
6,7図は他の従来の溶鋼レベルの制御方法を示すもの
で、第6図はその方法を適用される装置を示すブロック
図、第7図はその方法によるオートスタート制御動作の
一例を示すタイミングチャートである。 図において、1……タンディッシュ、2……スライドバ
ルブ、3……サブマージドノズル、3a……溶鋼流出孔、
4……鋳型、5……溶鋼、5a……湯面、5b……鋳片、6
……ピンチローラ、7……溶鋼レベル計、8,8c……熱電
対、10……誘導電動機、11……オートスタート用マイク
ロコンピュータ、12……レベル計アンプ、13……ダイレ
クトディジタルコントローラ、14……ペンダント、15…
…プログラマブルロジックコントローラ、16……可変電
圧可変周波数制御装置。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造装置の鋳型内に注ぎ込まれる溶鋼
    の湯面レベルを制御する溶鋼レベルの制御方法におい
    て、上記鋳型内の所定の定常操業レベル近傍に同所定の
    定常操業レベル近傍の上記溶鋼の湯面レベルを連続的に
    検出しうるレベル計を設けるとともに、上記鋳型の下部
    から上記レベル計の位置までの間の上記鋳型の鉛直方向
    温度分布を検出しうる複数の熱電対を適当な間隔で上記
    鋳型の壁部に埋設しておいてから、上記溶鋼の湯面が上
    記レベル計の位置に到達していない場合には、上記複数
    の熱電対により検出された上記鋳型の鉛直方向温度分布
    に基づいて上記溶鋼の湯面レベルを演算して求め、求め
    られたレベル演算値を湯面レベル値として上記溶鋼の湯
    面レベルを閉ループ制御する一方、上記溶鋼の湯面が上
    記レベル計の位置に到達している場合には、上記レベル
    計により連続的に検出されるレベル測定値を湯面レベル
    値として上記溶鋼の湯面レベルを閉ループ制御すること
    を特徴とする溶鋼レベルの制御方法。
  2. 【請求項2】上記溶鋼の湯面の上昇に伴い上記湯面レベ
    ル値を上記レベル演算値から上記レベル測定値に切り替
    えるに際して、上記レベル演算値が所定レベルになった
    時点で、予め設定された所定の切替時間内で上記レベル
    演算値から上記レベル測定値へ滑らかに変化する湯面レ
    ベル関数を設定し、この湯面レベル関数による値が上記
    レベル測定値に到達するまで上記湯面レベル関数による
    値を湯面レベル設定値とし、この湯面レベル設定値とレ
    ベル計によるレベル測定値との差に基づいて上記溶鋼の
    湯面レベルを閉ループ制御することを特徴とする請求項
    1記載の溶鋼レベルの制御方法。
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