JP2695648B2 - 開閉式屋根 - Google Patents

開閉式屋根

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JP2695648B2 JP63222050A JP22205088A JP2695648B2 JP 2695648 B2 JP2695648 B2 JP 2695648B2 JP 63222050 A JP63222050 A JP 63222050A JP 22205088 A JP22205088 A JP 22205088A JP 2695648 B2 JP2695648 B2 JP 2695648B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は競技場、野球場、展示場などの広い無柱空間
に採用する開閉式屋根に関し、詳しくは建物の天面開口
を開放したときに移動屋根を支承する梁等の支持材が該
開口に残らないようにした開閉式屋根に関する。
《従来の技術》 最近、運動場や競技場での試合が天候に左右されて延
期になる点の解決ならびに良好な晴天時には屋根が邪魔
になることや日射しの強い日には屋根を必要とするなど
の要望に応じ、開閉可能な屋根を具備した建物を提供す
る必要性があった。
そのため、建物の天面に開口部を形成し、この開口部
に臨んで移動自在な移動屋根を構成し、移動屋根を自由
に走行移動あるいは摺動させることにより、開口部を閉
塞または開放する開閉式屋根を使用している。
この移動屋根は屋根を支える支持梁上の案内軌条を走
る走行車輪を具え、ワイヤーで牽引するか、あるいは走
行車輪自体に自走式の台車を組み込んだものである。
従って、移動屋根を支える支持梁が建物や競技場の天
面開口部内まで延出しており、この様な支持梁により開
口部を閉塞したときの移動屋根を支えるものであった。
しかし、支持梁の存在は天面開口部を開放したときに
も残存するので視界を遮り、または視界を狭くするので
開放感の妨げになっていた。
そこで、支持梁を伸縮できる構造とし、移動屋根を引
下げるとき(屋根が開くとき)には支持梁も退縮するよ
うにしたものもある。
ところが、支持梁を伸縮自在に構成することは費用や
構造装置の面でも工期的にも不利であった。
このため、天面開口部内には移動屋根を支持するため
の支持梁を設ける必要がない開閉式屋根として、実開昭
63−19614号公報の提案がなされている。
当該提案の開閉式屋根は、固定屋根の中央部に円形の
天面開口部を形成し、この固定屋根上に半径方向に移動
してその円形の天面開口部を開閉自在に覆う複数の可動
式扇形ブロック(移動屋根)を設けた開閉式屋根におい
て、当該可動式扇ブロックを半径方向外方の開放位置か
ら半径方向内方の閉鎖位置まで移動させて閉塞させると
きは、固定屋根部に設けた支持金具を同各可動式扇形ブ
ロックの円弧状部に設けた支持金具に着脱自在に係合さ
せて、同各可動式扇形ブロックを閉鎖位置に固定支持す
ることにより、円形の天面開口部内には各可動式扇形ブ
ロックを閉鎖位置に支持するための梁や柱等の鉄骨骨組
みを不要にしたものである。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、上記提案の開閉式屋根では、扇状ブロ
ック(移動屋根)の円弧状部に当該扇状ブロックを移動
可能に支持する支持点、並びに閉鎖位置において固定屋
根側に固定支持させるための支持金具を設けているの
で、閉塞状態におけるこれら円弧状部と固定屋根とのラ
ップ量をある程度大きくとる必要があり、このため資材
の節約の面で、また開口面積の拡大の面で改善の余地が
あった。さらに、扇状ブロック(移動屋根)は片持ち支
持状態となるので、安定性の面でも改善の余地があっ
た。
本発明は叙述事情に鑑みてなされたものであって、そ
の目的は移動屋根が開いたとき、天面開口部内には一切
の梁や桁が存在せず、もって開放感に優れ、かつ構造が
簡単で安定性に優れ、しかも開口面積の可及的な拡大が
図れる開閉式屋根を提供することにある。
《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために、本発明に係わる開閉式屋
根では、 建物の固定屋根の中央に開口する天面開口内を無梁と
し、移動屋根を該固定屋根上から該天面開口に臨ませて
移動させることにより、該天面開口を閉塞または開放す
る開閉式屋根において、前記天面開口は、平面視で正三
角形の各頂角部分をそれぞれ合同な正三角形状に切除し
た6角形状に形成するとともに、該天面開口は、これを
その中心から120゜間隔で3等分して放射状に三方に開
閉移動する分割された3枚の前記移動屋根で覆い、該各
移動屋根は、該天面開口の中心から該天面開口を画成す
る固定屋根内周縁の6辺のうち、1つおきに隔てられた
3つの辺の各中点に垂直に下ろし3つの分割線のうちの
2つに挟まれて形成される角部を頂角にして左右が対称
な5角形状を呈して、該分割線による2辺以外の3辺が
固定屋根内周縁の3辺に沿ってラップし、かつ該移動屋
根は、その移動方向にほぼ直交する最長な軸線上にあっ
てしかも該天面開口外の2点と、前記頂角に対向する底
辺の1点とで固定屋根上に移動可能に支持され、該軸線
を境に前記頂角側よりも前記底辺側の重量を重くしたこ
とを特徴とする。
《作 用》 前記構成の本発明に係わる開閉式屋根では、平面視で
正三角形の各頂角部分をそれぞれ合同な正三角形状に切
除した6角形状をなして建物の固定屋根の中央に開口さ
れた天面開口は、5角形状を呈して当該天面開口をその
中心から3等分する合同な3枚の移動屋根が放射状に3
方に移動することによって開閉される。ここで、各移動
屋根は、天面開口の中心から当該天面開口を画成する固
定屋根内周縁の6辺のうち、1つおきに隔てられた3つ
の辺の各中点に垂直に下ろした3つの分割線のうちの2
つに挟まれて形成される角部を頂角とした左右対称な5
角形状をなして、頂角とこの頂角に対向する底辺とを直
角に結ぶ方向に開閉移動する。そして、各移動屋根は、
その移動方向にほぼ直交する最長な軸線上にあって、そ
の閉塞状態時あっても天面開口外の固定屋根上に位置す
る2点と、前記頂角に対向する底辺の固定屋根上に位置
する1点とで当該固定屋根に移動可能に支持され、しか
も当該軸線を境に前記頂角側よりも前記底辺側の重量が
重くなっているから、天面開口内を無梁にして当該頂角
側の重量を支持していなくても不安定になることはな
く、固定屋根上に安定的に保持される。また、各移動屋
根は頂角を形成する2辺以外の3辺が固定屋根内周縁の
3辺に沿ってラップする5角形状になっており、この5
角形状の3枚の移動屋根で6角形状の天面開口を開閉自
在に覆うから、資材の節約と開口面積の拡大とを可及的
に図ることができる。
《実施例》 以下に本発明の好適な実施例について添付図面を参照
にして詳細に説明する。
第2図は開閉式屋根1の平面である。この開閉式屋根
1は固定屋根3と移動屋根4とを備える。固定屋根3は
正三角形の各隅角部(頂角部分)をそれぞれ合同な正三
角形状に切り落として6角形状にしたような平面形状を
なし、さらにその中央部には上記6角形の外縁の輪郭形
状に相似する6角形状に開いた天面開口2を有する。上
記移動屋根4は固定屋根3の内縁部30の6つの辺31,32,
33,34,35,36で画成される6角形状の天面開口2を臨ん
で固定屋根3上から移動して、この天面開口2を開放、
閉塞するものである。
移動屋根4は天面開口2の中心Oからこの天面開口2
を120゜の角度で放射状に3等分して固定屋根3の内縁
部30の3つの辺32,34,36の中点32m,34m,36mに下ろした
分割線(垂線)イ,ロ,ハと、この天面開口2を画成す
る固定屋根3の内縁部30の各辺31〜36とで画成される5
角形にほぼ一致する形状に形成されている。
即ち、移動屋根4は、固定屋根3の内縁部30によって
画成される6角形状の天面開口2を閉塞した状態におい
て、この天面開口2をその中心Oから120゜の等角度で
放射状に三等分して覆うように三分割形成されていて、
分割線イ,ロ,ハのうちの2つに挟まれて形成される角
部を頂角にして左右に対称な5角形状に形成されてお
り、これら3枚の移動屋根4(4a,4b,4c)は合同になっ
ている。つまり、上記各分割線イ,ロ,ハは6角形状の
天面開口2の中心部Oからこの開口2を画成する固定屋
根3の内縁部30のひとつおきの3辺32,34,36に、それぞ
れの中点32m,34m,36mに向けて直角に垂下され、各移動
屋根4(4a,4b,4c)は、その開放された状態が図中に2
点鎖線によっても示されているように、その閉塞状態で
上記分割線イ,ロ,ハに沿う2つの辺41(41a−41a,41b
−41b,41c−41c)と、固定屋根3の内縁部30の各辺31〜
36に沿う3つの辺42及び43(42a−43a−42a,42b−43b−
42b,42c−43c−42c)とで5角形状に形成されている。
そして、固定屋根3上には、移動屋根4(4a,4b,4c)
が閉塞された状態において当該各移動屋根4(4a,4b,4
c)の頂角に対峙する底辺43(43a,43b,43c)に沿う上記
固定屋根3の内縁部30の3辺31,33,35の中点31m,32m,35
mから上記各分割線(垂線)イ,ロ,ハの延長線上に沿
って当該移動屋根4(4a,4b,4c)の開閉移動を案内する
案内レール51(51a,51b,51c)が敷設されている。ま
た、この案内レール51(51a,51b,51c)と平行にその両
側にも案内レール52(52a,52b,52c),53(53a,53b,53
c)が敷設されている。ここで、この案内レール52(52
a,52b,52c),53(53a,53b,53c)は、各移動屋根4(4a,
4b,4c)の頂角から分割線イ,ロ,ハに沿って下りきっ
た端部を始点Aとする。つまり、開口2の中心Oから固
定屋根3の内縁部30の3辺31,33,35に垂直に下ろされた
各分割線イ,ロ,ハの下端部分に位置する上記3辺32,3
4,36の中点32m,34m,36mが、案内レール52(52a,52b,52
c),53(53a,53b,53c)の始点Aとされている。各移動
屋根4は、固定屋根3上に敷設された案内レール51,52,
52に案内される車輪で3点支持されており、その車輪が
設けられる支持点6a〜6c,7a〜7c,8a〜8cは各移動屋根4
(4a,4b,4c)の底辺43(43a,43b,43c)の中点及びこの
底辺43(43a,43b,43c)に対峙する頂角を形成する陵
(辺41a,41b,41c)の両下端、すなわち閉塞状態で始点
Aの上方に位置する角部部分に設定されている。
開閉式屋根1の傾斜勾配は開口2の中央を頂点にして
固定屋根3の方向へ下る傾斜になっている。屋根を開く
ときには、移動屋根4(4a,4b,4c)が固定屋根3の方へ
向かって三方に開き、開口2は開放される。逆に、屋根
を閉じるときには、移動屋根4(4a,4b,4c)が固定屋根
3の方から開口2の中央へ向かって三方から開口2を閉
塞する。
すなわち、開閉式屋根1の各移動屋根4(4a,4b,4c)
4は閉塞状態で天面開口2外の固定屋根3上に位置する
当該移動屋根4(4a,4b,4c)の周縁部における3点に設
けられた支持点6a〜6c,7a〜7c,8a〜8cが移動支持点にな
っており、主に支持点7aと8a,7bと8b,7cと8cとの各2点
で荷重が支えられて、支持点6a〜6cは移動屋根4(4a,4
b,4c)の傾斜を安定的に保持するための補助的なものと
なっている。
そして、各移動屋根4(4a,4b,4c)における支持点7a
と8a,7bと8b,7cと8cをそれぞれ結んだ支持点間スンパβ
の軸線は移動屋根4(4a,4b,4c)の移動方向にほぼ直交
し、この支持点間を結ぶ軸線を境に上下の重量配分,つ
まり開放移動方向側と閉塞移動方向側との重量配分を考
えたとき、両方の平面積がやや等しく、その重量配分は
ほぼ均衡している。
これは、開閉式屋根1の勾配がきついときにはあまり
問題にならないが、緩いときは支持点間スパンβを軸に
して移動屋根4の開放移動方向側が落ち込む虞があり、
これを防ぐには開口2の領域に支持梁を配する必要が生
じてしまう。
そこで、支持点間スパンの軸を境にして移動屋根4
(4a,4b,4c)の閉塞移動方向側の重量が開放移動方向側
よりも確実に重くなるように、移動屋根4の分割のしか
たを変えたのが第1図に示す実施例である。なお、この
第1図においても第2図と同一の部材及び同一の部位に
は同一の符号を付してある。即ち、この第1図の実施例
では、分割線イ,ロ,ハの設定を第2図のものに対し60
゜相対回転させており、各移動屋根4(4a,4b,4c)の支
持点間スパンγの軸線を固定屋根3の6角形状の外輪郭
(外周縁)の短辺側に平行にしてより短くしている。こ
の実施例は開閉式屋根1で野球場を覆うものである。第
2図の場合と比較して、移動屋根4(4a,4b,4c)の構成
部分は正五角形に近い形状になり、支持点間スパンγが
短くなっている点だけが第2図の実施例と異なるのであ
って、その固定屋根3の形状や大きさ及び開口2の形状
や大きさも全く同じものである。しかし、支持点間スパ
ンγの軸線を境に上下の重量配分においては開放移動方
向側である下の方がはるかに重くなっている。それ故
に、開閉式屋根1の勾配が緩い場合にも移動屋根4(4
a,4b,4c)の安定性を損なわない。
移動屋根4(4a,4b,4c)の開閉方向や分割形状は実施
例に限られものではないが、三方に三分割し、なおかつ
正五角形にすると、開放面積が広く確保しながら簡素な
構成とすることができる。
《効 果》 以上詳しく述べたように、本発明の開閉式屋根によれ
ば、平面視で正三角形の各頂角部分をそれぞれ合同な正
三角形状に切除した6角形状をなして建物の固定屋根の
中央に開口された天面開口を、5角形状を呈して当該天
面開口をその中心から3等分する合同な3枚の移動屋根
でこれらをが放射状に3方に移動することによって開閉
し、かつ、これら各移動屋根は、天面開口の中心から当
該天面開口を画成する固定屋根内周縁の6辺のうち、1
つおきに隔てられた3つの辺の各中点に垂直に下ろした
3つの分割線のうちの2つに挟まれて形成される角部を
頂角とした左右対称な5角形状にして、頂角とこの頂角
に対向する底辺とを直角に結ぶ方向に開閉移動させ、し
かも各移動屋根は、その移動方向にほぼ直交する最長な
軸線上にあって、その閉塞状態時あっても天面開口外の
固定屋根に位置する2点と、前記頂角に対向する底辺の
固定屋根上に位置する1点とで当該固定屋根に移動可能
に支持して、更に当該軸線を境に前記頂角側よりも前記
底辺側の重量を重くしているので、天面開口内を無梁に
して当該頂角側の重量を支持しなくても移動屋根が不安
定になることはなく、固定屋根上に安定的に保持するこ
とができる。また、各移動屋根は頂角を形成する2辺以
外の3辺が固定屋根内周縁の3辺に沿ってラップする5
角形状になっており、この5角形状の3枚の移動屋根で
6角形状の天面開口を開閉自在に覆うから、資材の節約
と開口面積の拡大とを可及的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一つの実施例を示す平面図、第2図は
別の実施例を示す平面図である。 1……開閉式屋根、2……(天面)開口 3……固定屋根、4,4a,4b,4c……移動屋根 6a,6b,6c……支持点、7a,7b,7c……支持点 8a,8b,8c……支持点 30……(固定屋根の)内縁部 31,32,33,34,35,36……(固定屋根内縁部の)辺 31m,32m,33m,34m,35m,36m……(辺の)中点 41,42,43……移動屋根の周縁部(辺) 51(51a,51b,51c)……案内レール 52(52a,52b,52c)……案内レール 53(53a,53b,53c)……案内レール 60……(2つの支持点を結んだ)軸線 イ,ロ,ハ……垂線(分割線)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建物の固定屋根の中央に開口する天面開口
    内を無梁とし、移動屋根を該固定屋根上から該天面開口
    に臨ませて移動させることにより、該天面開口を閉塞ま
    たは開放する開閉式屋根において、 前記天面開口は、平面視で正三角形の各頂角部分をそれ
    ぞれ合同な正三角形状に切除した6角形状に形成すると
    ともに、 該天面開口は、これをその中心から120゜間隔で3等分
    して放射状に3方に開閉移動する分割された3枚の前記
    移動屋根で覆い、 該各移動屋根は、該天面開口の中心から該天面開口を画
    成する固定屋根周縁の6辺のうち、1つおきに隔てられ
    た3つの辺の各中点に垂直に下ろした3つの分割線のう
    ち2つに挟まれて形成される角部を頂角にして左右が対
    称な5角形状を呈して、該分割線による2辺以外の3辺
    が固定屋根内周縁の3辺に沿ってラップし、 かつ該移動屋根は、その移動方向にほぼ直交する最長な
    軸線上にあってしかも該天面開口外の2点と、前記頂角
    に対向する底辺の1点とで固定屋根上に移動可能に支持
    され、該軸線を境に前記頂角側よりも前記底辺側の重量
    を重くした ことを特徴とする開閉式屋根。
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