JP2694450B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料（以下、感光材
料という）の処理装置に関し、更に詳しくは、現像処理
の迅速化に適した処理装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に感光材料の処理工程は、現像と脱銀の基本工程
および安定化、水洗等の補助的工程からなり、その処理
装置は、帯状の感光材料を、現像，漂白，定着，安定化
等の各処理液を入れた処理槽に順次搬送し浸漬して処理
が行われるように構成されている。

近年、当業界においては、処理に要する時間の短縮化
が強く求められており、その手段として、処理液中にお
ける感光材料面上の処理液の流れの速度を高める種々の
手段が知られており、具体的手段として、スリット、ノ
ズル等から感光材料面へ処理液を噴出させる方法が実開
昭52-148934号、実開昭53-16354号、特開昭52-163333
号、同55-52059号等に開示されている。

しかし、このような方法において、処理を更に迅速化
するために処理液の噴出速度を増大させると、感光材料
の裏面が搬送ガイドに接触してすり傷が発生しやすくな
る。この問題は、搬送ガイドと感光材料の裏面との距離
を大にすることによって解決できるが、装置が大型化
し、渡り時間（クロスオーバータイム）も長くなる難点
がある。

〔発明の目的〕

従って、本発明の目的は、処理の迅速化のため、感光
材料面への処理液の噴出速度を大にしても感光材料の裏
面にすり傷が発生せず、しかも装置の大型化や渡り時間
の増大のない感光材料の処理装置を提供することであ
る。

〔発明の構成〕

本発明の処理装置は、ハロゲン化銀写真感光材料を処
理するショートリーダー搬送型処理装置において、処理
液中で該感光材料の両面方向から、かつ搬送幅方向に垂
直な平面と平行な方向から該感光材料の面へ向けて処理
液を吹き付ける手段を有することを特徴とする。

前記処理装置は、好ましくは両面方向から吹き付け圧
力のバランズを取り得る調整手段を有する。

なお、上記「ショートリーダー搬送型処理装置」と
は、当業者が周知のように、ネガ自身をリーダーに貼り
付け、このリーダーを処理装置本体側のスプロケット、
ベルト等で搬送する形式の処理装置である。（処理装置
本体にはリーダー部のガイドは有るが、ネガ部のガイド
がない。従って、ネガ部は処理液中をふらつきながらリ
ーダーに引っ張られて搬送される。） 〔実施例〕 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

第１図は本発明による処理装置の説明用断面図であ
る。本図において、１は処理槽、2a,2b,2cは搬送用ロー
ラ、３は処理液吹き付け部材、４は感光材料の案内部
材、3a,4aはノズル、５は感光材料の搬送経路、６は処
理液である。

処理液吹き付け部材３及び案内部材４はそれぞれ感光
材料の搬送経路５に面して感光材料の搬送幅に亙って設
けられたノズル3a及び4aを有し、ノズル3aから感光材料
の表面（感光層のある面）へ、ノズル4aから感光材料の
裏面へそれぞれ処理液が吹き付けられるようになってい
る。これらのノズルから感光材料面への吹き付け角度
は、（ａ）第１図のように感光材料の搬送方向（一点鎖
線の矢印で示す）と逆の方向へ斜め、即ち吹き付け方向
と搬送経路５とのなす角度が鋭角になるように吹き付け
ることが好ましいが、（ｂ）第２図のように感光材料の
搬送経路に垂直方向に吹き付けてもよく、また（ｃ）第
３図のように斜め上方へ吹き付けてもよい。（ａ）〜
（ｃ）３者の比較では、（ｃ）より（ｂ）が好ましく、
（ａ）がより好ましい。ノズルの方向，角度は処理槽中
の全体の液循環を考慮して適宜実験により最適値を求め
ればよい。

搬送部材３のノズル3aの配置を第４図に示す。本図は
搬送部材を搬送経路５の側からみた正面図である。処理
液吹き付けノズル4aもこれに対応した配置をとる。

本発明の処理装置において、感光材料の搬送経路に
は、第１図に示すように感光材料の案内部材を設けるこ
とが好ましい。第１図の例は案内部材がノズルを兼ねた
例である。

案内部材の別の例を第５図に示す。本図において、８
は処理液吹き付け部材、９は案内部材で、それぞれほぼ
中空の直方体からなり、搬送経路５に面する壁面に多数
の細孔が適当な間隔で設けられており、図示してないポ
ンプにより、処理槽１内の処理液６が循環してこれらの
孔から搬送経路５に向かって噴出するようになってい
る。これらの細孔は第１図のノズル3a,4aのように斜め
方向の孔であってもよい。この例の細孔もノズルの一種
であり、案内部材がノズルを兼ねている。

別の変形例を第６図（イ）に示す。本図において、９
は案内部材、10,11は処理液吹き付け部材である。この
例は案内部材と処理液吹き付け部材とが分離されている
例である。処理液吹き付け部材11は、その処理液吐き出
し口は第６図（ロ）及び（ハ）に示すように、処理液の
吐き出し量が幅手方向に等しくなるように、スリット11
aの間隙及び穴11bの径が液送方向へ逐次広くなってい
る。

本発明の処理装置の別の変形例を第７図に示す。本図
において、12は処理液吹き付け部材、13は案内部材で、
それぞれ中空のほぼ直方体をなし、搬送経路５に面する
壁面に第５図の場合と同様に細孔を有し、これらの孔か
ら処理液が噴出するようになっている。

本発明において、感光材料の両面方向からの処理液の
吹き付け圧力のバランスを取る調整手段を有することが
案内部材への感光材料の接触を防止し円滑な搬送を行う
上で好ましい。前記調整手段として、感光材料の表裏両
面へのそれぞれの吹き付け部材に処理液を圧送するポン
プとして定量ポンプを使用し、定量ポンプを感光材料表
面と裏面との２つの系統に分けて設け、それぞれの定量
ポンプの吐き出し流量を制御することによって吹き付け
圧力をバランスさせる方法、ノズル毎に弁を設け、弁開
度により調節する等の手段、及びこれらの併用を用いる
ことができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、感光材料の処理工程において、感光
材料の感光層面へ処理液を噴出させると共に感光材料の
裏面へも処理液を噴出させるので、処理の迅速化のため
に感光層面への処理液の噴出速度を大にした場合にも感
光材料の裏面が案内部材に接触することがなくなり、従
って、感光材料の裏面にすり傷を生ずることなく処理の
迅速化を達成することができる。また、裏面の傷は、感
光材料裏面と搬送ガイドとの距離を大にすることによっ
ても解決できるが、このような手段では処理装置が大型
化し、渡り時間も長くなる。本発明によれば、このよう
な欠点を伴うことなく感光材料裏面の傷の発生問題が解
消される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の処理装置の実施例を示す断面図、第２
図及び第３図は処理液の吹き付け方向を示す図、第４図
は第１図の案内部材のノズルの配置を示す正面図、第５
図、第６図（イ）及び第７図は本発明の処理装置の変形
例を示す断面図、第６図（ロ）及び（ハ）は第６図
（イ）のノズル11の例を示す斜視図である。 １……処理槽、2a〜2e……搬送用ローラ ３、８、10、11、12……処理液吹き付け部材 3a、4a……ノズル、４、７、９、13……案内部材 ５……搬送経路、６……処理液

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−183462（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−159645（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−65339（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−130835（ＪＰ，Ｕ)

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ハロゲン化銀写真感光材料を処理するショ
   ートリーダー搬送型処理装置において、処理液中で該感
   光材料の両面方向から、かつ搬送幅方向に垂直な平面と
   平行な方向から該感光材料の面へ向けて処理液を吹き付
   ける手段を有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
   光材料の処理装置。
2. 【請求項２】前記処理液を吹き付ける手段が、感光材料
   の表裏両面へのそれぞれの吹き付部材へ処理液を圧送す
   る２つの系統の定量ポンプと、それぞれの定量ポンプの
   吐き出し量を制御する手段を有することを特徴とする請
   求項（１）記載の処理装置。
3. 【請求項３】前記処理液を吹き付ける手段が、該処理液
   を吹き付けるノズルと、該ノズルの開閉度を調節する手
   段とを有することを特徴とする請求項（１）記載の処理
   装置。
4. 【請求項４】ハロゲン化銀写真感光材料の搬送経路にハ
   ロゲン化銀写真感光材料の案内部材を有する請求項
   （１）記載の処理装置。
5. 【請求項５】処理液の吹き付け手段がノズルである請求
   項（１）記載の処理装置。
6. 【請求項６】ノズルがハロゲン化銀写真感光材料の案内
   部材を兼ねる請求項（１）記載の処理装置。