JP2694386B2 - キラル・オキサゾリンによる高光学純度の2−アリール−プロピオン酸の立体選択的合成 - Google Patents

キラル・オキサゾリンによる高光学純度の2−アリール−プロピオン酸の立体選択的合成

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、2−アリール−アルカン酸(2−aryl−al
kanoic acid)の光学的に純粋な鏡像異性体の立体特異
的化学合成に関するものであり、特に化学的高収量で、
大量生産に適しており、分子ふるい(4.0Å)の存在下
で光学的に高純度である生物学的活性を有する(S)−
アリール−プロピオン酸に関するものである。スタート
物質は、対応するトリアルキルオルソアルコナート(tr
ialkyl orthoalkonate)および(1S,2S)−(+)−2
−アミノ−1−フェニル−1,3−ジオールから得た、適
度に置換した(4s,5s)−2−アルキル−4−アルコキ
シメチル−5−フェニル−2−オキサゾリンである。次
の化学工程は、リチウム・ジイソプロピルアミドのよう
なリチウム含有強塩基との反応と、高光学純度(>95
%)の対応するS鏡像異性体の大量生産を可能とするプ
ロトン化を次に伴うアリールのハロゲン化物を含む。キ
ラル・アミノアルコールは、分離が容易で高光学純度を
有するか安価で触媒活性を有する分子ふるいと同様に、
再利用も可能である。
本発明は、立体特異的合成に関するものであり、大量
生産に適する工程である。光学活性2−アリール−アル
カン酸(2−aryl−alkanoic acid),特に高化学収量
で旋光とNMR技術による測定で95%光学純度の2−アリ
ール−プロピオン酸の生産を目的とする。立体特異的合
成では、適切に置換した(4S,5S)−2−アルキル−4
−アルコキシメチル−5−フェニル−2−オキサゾリン
を利用している。これは対応するトリアルキルオルトア
ルコネート(trialkyl orthoalkonates)と(1S,2S)−
(+)−2−アミノ−1−フェニルプロパン−1,3−ジ
オールとの反応により容易に得られる。この場合次にリ
チウム・ジイソプロピルアミド(LDA)のようなリチウ
ム含有塩基とのリチエイション、およびその後の適切な
ハロゲン化アリールを通じてのアリール化、および次に
プロトン化が必要である。S−鏡像異性体の鏡像異性体
的過剰率は、−20℃と−35℃間の低温で極性溶媒と分子
ふるい(4.0Å)の使用により容易に得られる。
本化学工程により、分子ふるいと同様にキラルアミノ
−アルコールの再利用の利点もあり、高化学収量で高光
学純度の2−アリール−プロピオン酸の生産が可能であ
る。R鏡像異性体は、(1S,2S)−(+)−対掌体(ant
ipode)の代わりに(1R,2R)−(−)−2−アミノ−1
−フェニルプロパン−1,3−ジオールを使用して、同様
のルートを通して得られる。
アリール酢酸とその2−メチル同族体、特に2−(R,
S)−アリール−プロピオン酸の医薬的側面について
は、Shenの検討しているところである(Shen T.Y.,in:W
olff,M.F.(ed),Burger′s Medical Chemistry,4版、
3部、Wiley,Interscience,New York,pp 1205−127
1)。多くの臨床的研究が、疼痛と炎症に対するこの特
殊な種類の化合物の効果を実証するために続けられてい
る。この種類の化合物の中のいくつかのカルボン酸は、
シクロオキシゲナーゼ経路に対して典型的ではない作用
と同様に、シクロオキシゲナーゼ経路(cyclo−oxygena
se pathway)に対して抑制的メカニズムを経ることが示
されている(例、Carty,Th.,J.,ら。in:Annual Report
in Medical Chemistry(医療化学年報)、23巻、pp181
−189,1988年;Academic Press)。2−アリール−プロ
ピオン酸に対する、立体選択的素因速度論は確立されて
おり、またより活性的S異性体への低活性R鏡像異性体
の一方向性代謝キラル反転(Adams,s.,ら,1976年J.Phar
m.Pharmacol.28,256;Hutt A.J.,とCaldwell,J.Clin.Pha
rmac.,9,371,1984年;Hutt,A.J.,とCaldwell,J.,J.Phar
m.Pharmacol.,35,693,1983年)も確立されている。さら
に新しい研究が明らかにするところでは、ラセミ・イブ
プロフェンの静脈注射はPGE2に加えてC5aala−argに対
するウサギの皮膚についての好中球依存性浮腫反応を抑
制する。一方所見は、この2−アリール−プロピオン酸
類誘導体の非シクロオキシゲナーゼ活性を示している
(M.RamportとT.J.Williams,Biochem.,Pharmakol,35,58
1,1986年)。
多くの研究が、疼痛と炎症に対する2−アリールプロ
ピオン酸のこの種の効果を実証するために続けられてい
る。しかし、非ステロイド性抗炎症剤のいくつかのカル
ボン酸が、典型的なシクロオキシゲナーゼ経路抑制を越
える作用のメカニズムを有するということを明らかにす
る研究もある。さらに、アスピリンの主要代謝産物であ
るサルチル酸塩は、血小板活性化因子(PAF)により誘
発されたラットの脚の浮腫を阻害する点で、有効である
ことが観察されている。またこれは、他の非ステロイド
性抗炎症剤により共有されない活性であると考えられて
いる(R.S.Cordeiro,P.M.Silva,M.A.MartinsとB.B.Vorg
aflig,Prostaglandin,32,719,1985年)。
従って、純粋S鏡像異性体は多くの理由で、その使用
が治療に適すると考えられる。例えば、i)ラセミ体に
ついての生物学的活性S鏡像異性体投与量の減少、ii)
物質投与は、(R,S)−ラセミ混合物と比較して、かな
り少ない。従って副作用は殆ど考えられない。iii)薬
物作用はさらに速い、何故なら受容器がこの特異的鏡像
異性体化合物に対する高い固有の親和性を有する鏡像特
異的であるからである。
従って、このS−(+)−鏡像異性体を経済的に魅力
のある量で生産するためには、立体特異的化学合成によ
って高光学純度(98%)を有するS鏡像異性体を工業的
規模で生産できることが望ましい。光学的活性塩基であ
る2−アリールアルカン酸の純粋鏡像異性体、特に2−
アリール−プロピオン酸の獲得と離れて、(Blaschke,
G.,Angew Chem.92,14−25,1980年)あるいは生化学的ラ
セミ分離を通して(P.LestiとP.Piccardi,Eur.特許出願
EP 195,717,1986年;J.S.NicholsonとJ.G.Tantum,米国特
許4,209,638,1980年)、僅かの化学立体選択的工程のみ
が発表されている。また酵素、特に豚肝臓由来のものが
ラセミ分離のために使用されている(Marshek,W.J.とMi
yano.M.,1973年、Biochim.Biophys.Acta 316,363)。
さらに、光学的活性酸のリパーゼ−触媒生産がエステ
ルの不斉加水分解を通して準備可能であることがCambon
とKlibanov(B.CambonとA.M.Klibanov,Appl.Biochem.お
よびBiotechnology,9,255−258,1984年)により報告さ
れている。特異的に、Candida cylindracea由来のリパ
ーゼがオクチルR(+)を加水分解するが、S−(−)
−2−クロロプロピオネートを加水分解しないことが見
いだされている。公表された下記の同様の方法も参照。
Marshek,W.J.とMiyano,M.(1973年),Biochim.Biophys.
Acta 316,363. Oritani,T.とYamasita,K.(1974年)、Agric.Biol.Che
m.38,1965年 Yamaguchi,Y.,Oritani,T.,Tajima,N.,Komatsu,A.とMoro
e,T.(1976年),J.Agric.Chem.Soc.Japan 50,475. McGahren,We.J.,Sax,K.J.,Kunstmann,M.P.とEllestad,
G.A.(1977年),J.Org.Chem.42,1659. Mori,K.とAkao,H.(1980),Tetrahedron 36,91. Iriuchijima,S.とKeiyu,A.(1981年),Agric.Biol.Che
m.45,1389. Kawai,K.,Imuta,M.とZiffer,H.(1981年),Tetrahedron
Lett.,22,2527. Iriuchijima,S.とKojima,T.(1982年),Agric.Biol.Che
m.46,1153. Lavayre,J.,Verrier,J.とBaratti,J.(1982年),Biotec
hnol.Bioeng.24,2175. Iriuchijima,S.,Keiyu,A.とKojima,N.(1982年),Agri
c.Biol.Chem.46,1593. これらの方法の有用性と工業的適応性は障害があり制
限されている。その制限とは、エステルの加水分解にお
いて、多くのリパーゼのうちほんの僅かのものしか立体
特異性を示さないことである。
これらの技術と生化学上の工程は、現在同様の障害を
受けている。これらの工程は、化学ラセミ体分離のため
の望ましい光学的立体異性体の回収率とラセミ化のため
に、大量の原料を必要としており、また使用溶媒の再蒸
留を必要としている。そのために、これらの工程は非能
率的である。最終的に、この工程が終了した後に濾過液
から得られる高光学純度の結晶性化合物は少量のもので
しかない。そこで、本発明は、これらの不要な諸段階を
排除することにより、結果的に原料費、製造、労力およ
び設備を実質的に節約することとなる。
ラセミ体2−アリールアルカン酸,特に2−アリール
−プロピオン酸また特に(R,S)−イブプロフェンの合
成方法は、周知であり、いくつかの特許および次の科学
文献において開示されている。例、Tanonaka,T.,ら、DE
3523082 a1,(1986年)、微生物を使用;JP−PSEN 40−
7491(1965年)、47−18105、(1972年);JP−OS 50−4
040,(1975年);DE 2404159(1974年);DE 1443429(19
68年)J.S.NicholsonとS.S.Adamsによる;DE 2614306 Br
uzzese,Tらによる、(1976年);DE 2605650 Gay,A.,に
よる(1976年);DE 2545154 Heusser,J.による(1976
年)、およびDE 2404160 Kogure,K.ら、による(1974
年)。
意外にも、知られているところでは、2−アリールア
ルカン酸,特に2−アリール−プロピオン酸の立体特異
的化学合成法は僅かしか知られていない。Piccoloら
(J.Org.Chem.50,3945−3946,1985年)は、塩化アルミ
ニウムの存在下でのベンゼンあるいはイソブチルベンゼ
ンの、(S)−メチル−2−(クロロスルフォニル)−
オキシあるいは2−(mesyloxy)propionateを使用した
アルキル化による立体特異的合成につき記述している。
この場合、(S)−メチル−2−フェニル−プロピオネ
ートを、高い化学的収量(50−80%)と攻撃炭素原子で
の立体配置反転による旋光により測定した97%を越える
優れた光学的収量で得た。反応条件は、特許のいくつか
で記載されているものでは酷似している(Jpn.Kokai To
kkyo Koho 5808045;Chem.Abstracts,1983年,98;143138
k;Jpn.Kokai Tokkyo Koho 7979246;Chem.Abstracts,198
0年,92,6253 f)。これらの特許では、ラセミ体の試薬
を使用している。例えば、トルエン、イソブチルベンゼ
ン、テトラリン(tetraline)、アニソール、ナフタレ
ン、2−メトキシ−ナフタレン等の他の芳香族基質に対
する反応のこのタイプの拡張については次の文献に記載
されている。つまり、Jpn.Kokai Tokkyo Koho 7971932;
Chem.Abstracts 1979年、91、20125 b;Jpn.Kokai Tokky
o Koho 78128327;Chem.Abstracts 1978年,89,23975 y;J
pn.Kokai Tokkyo Koho 81145241;Chem.Abstracts 1982
年,96,68650 z;Jpn.Kokai Tokkyo Koho 78149945;Chem.
Abstracts 1979年、90、168303 h;Jpn.Kokai Tokkyo Ko
ho 7844537;Chem.Abstracts 1978年,89,108693 h;Jpn.K
okai Tokkyo 77131551;Chem.Abstracts 1978年,88,1049
20h。最近の論文で、Piccoloら(J.Org.Chem.52,10,198
7年)はR−(−)イブプロフェンに導く合成につき記
述している、一方Tsuchihashiら(Eur.Pat.Appl.EP 67,
698,(1982年);Chem.Abstracts 98,178945 y,(1983
年))は、約75%の優れた終了と高光学純度(>95%)
を有するR−(−)イブプロフェン−メチルエステルの
立体特異的合成につき報告している。これに対してPicc
oloら(J.Org.Chem.32,10,1987年)の場合はR−(−)
イブプロフェンについてのみ光学純度は15%である。し
かしながら、同著者等は、75−78%の光学純度を有する
S−(+)イブプロフェンの68%の化学的収量につき報
告しているのみである。Hayashiら(J.Org.Chem.48,219
5,1983年;in:Asymmetric Reactions and Processes In
Chemisry;eds E.L.ElielとS.Otsuka,ACS−Symposium Se
r,1985年、1982年、177)は、キラル・ホスフィン・ニ
ッケルとホスフィン−パラジウム複合体を触媒とした不
斉グリニャール交差結合を通じてS−(+)イブプロフ
ェンの立体特異的合成につき述べている。アミノ酸を含
む、上記金属ホスフィン複合体の影響下で多種のハロゲ
ン化アルケニルとの結合性産物を鏡像異性体過剰率は、
配位子に強く依存し、60−70%の範囲で、上限が94%と
なる。大変有用な配位子がキラル2−アミノアルキルホ
スフィンにおいて発見されている。またこれにより、合
理的化学的収量および高光学純度が得られる。さらに、
光学的活性な2−アリールアルコナート(2−aryl−al
konates)は、SatoとMurai(Jpn.Kokai Tokkyo Koho JP
61,210,049 t 86,210,049,1986年)によりフリーデル・
クラフツ合成を通してS−(+)イブプロフェン46%の
収量で合成されている。Giordanoら(EP出願0158913、1
985年)は、光学的活性2−アリールアルカン酸およ
び、ケタール基に対する脂肪族炭素原子のハロゲン化と
薬理活性を有する2−アリールアルカン酸を生産するハ
ロケタール(haloketals)の転移によるその中間体の調
製工程を報告している。2−アリール−プロピオン酸の
立体化学的合成は、Robertsonら(EP出願0 205 215 A2,
1986年)により記述されている。彼らは2−(R1)−ア
ルカンを真菌類Cordyceps特にCordiceps militarisのた
めの炭素源として使用して、高光学純度の鏡像異性体S
−(+)産生物を得ている。
抗炎症性2−アリール−プロピオン酸の合成方法もま
た、Rieuら(J.P.Rieu,A.Boucherle,H.CousseeとG.Mouz
in,Tetrahedron Report No.205,4095−4131,1986年)に
より報告中に列挙されている。しかしながら、この報告
は、2−アリール−プロピオン酸の立体特異的化学合成
の評価よりも主にラセミ体に関与している。
さらに、精製S−あるいはR−鏡像異性体用2−アリ
ール−プロピオン酸の立体化学合成についての新規の報
告が、Lassenら(R.D.Lassen,E.G.Corley,P.Davis,P.J.
ReiderとE.J.J.Grabowski,J.Amer.Chem.Soc.111,7650,1
989年)によるごく最近の論文において同様にKontakte
(Darmstadt,3,13−15,1989年)において開示されてい
る。
例えば、トリフェニルホスフィン(Ph3D)の存在下で
のテトラカルボキシル鉄酸ナトリウム(−II)(Na2Fe
(CO))によるRあるいはS立体配座の1アリール−
エタン−ハロゲン化物の直接変換のような、遷移金属複
合体に適用する触媒不斉反応が進歩し、これにより高鏡
像体過剰率と経済的に充分な収量を有するキラル化合物
を合成することが可能となった(再調査の際の参照、つ
まりOjima,I.,Lios.,N.,Barton,C.,Tetrahedron 1989
年、45、6091)。ごく最近、プロキラル非対称ケトンか
ら望ましいキラル化合物を得るために、一定のキラル物
質の化学量論理量が非常に効果的に分子ふるいの存在下
でキラル物質として適用可能であることが実証されるよ
うになった。
本発明は、立体特異的型である次の構造式を有する化
合物あるいは薬学的に許容可能なその塩の下記(a)お
よび(b)の工程を含む製造方法に関するものである。
そこにおいては、Arは単環、多環、あるいはオルト縮
合多環式芳香族グループで芳香環において上限で12ケの
炭素を有している。またこの芳香環は次の(a)、
(b)の工程において置換されている場合と置換されて
いない場合とがある。
(4S,5S)−2−アルキル−4−アルコキシメチル−
5−フェニルオキサゾリンと、第I族金属含有塩基とを
反応させる工程。ここにおいてフェニルオキサゾリンは
構造式(下記)を有し、R′は低級アルキル;Rは1−
10ケの炭素原子を含むアルキル;Phはフェニルあるいは
低級アルキルで置換したフェニル。
(b)(a)の産生物とAr−Halとを反応させる工程。
ここでArは上記にて定義されまたHalはハロゲン化物と
して定義。
キラル・オキサゾリンの使用のいくつかは、Meyersと
Mihelichが要約している(A.I.MeyersとE.D.Mihelich,A
ngew.Chem.88 321,1976年;A.I.Meyers,D.L.Temple,R.L.
NolenとE.D.Mihelich,J.Org.Chem.39,2778,1974年;A.I.
Meyers,G.Knauss,K.Kamata,とM.E.Ford,J.Amer.Chem.So
c.98,567,1976年)。さらに、シントンとしてのα−ヒ
ドロキシ酸の鏡像異性体と同様にオキサゾリン類のホウ
素エノラートを通じての2,3−二置換カルボン酸、すな
わちアルドール産生物の不斉炭素−炭素結合形成反応に
おける補助としてのキラル・オキサゾリン類の使用は、
ごく最近A.I.Meyersにより、また再調査されている(A.
I.Meyears:化学における不斉反応と工程における“キラ
ル・オキサゾリン類を通しての不斉炭素−炭素結合形成
反応",edsE.L.Eliel,S.Otsuka,ACS−Symposium Series
185,1982年)。2−alkyl−alkanoic acidsに関する立
体特異的化学合成についての報告が、A.J.Meyers,g.Kna
ussとK.Kannata,J.Amer.Chem.Soc.,96,268,1974年;A.J.
MeyersとG.Knauss,J.Amer.Chem.Soc.96,6508,(1974
年)によってなされた。
現在まで、最低95%の鏡像異性体過剰率(誤りは別に
して)の高光学純度のSあるいはR−鏡像異性体2−ア
リール・プロピオン酸の大量生産のためのシントンとし
てのキラル・オキサゾリン類の潜在能力については、開
示されていない。本発明において開示されている鏡像異
性体精製2−アリール−プロピオン酸生産のためにキラ
ル・オキサゾリン類を適用するこの特異的工程は、工業
的大量生産工程について次のような魅力がある。原料が
低コストである。つまり、(1S,2S)−(+)−2−ア
ミノ−1−フェニル−プロパン−1、3−ジオールが経
済的に安価であり、反応完了後の再利用が可能である。
酸加水分解後のキラル・アミノ−アルコールの精製を必
要としない(例画I参照)。鏡像異性体純粋第2アルコ
ール生産用のアリール−メチル−ケトン の存在下で、オキサゾリン類に複合されるヒドロキシル
化合物R′OHの存在下で、例えば、2,2′−ジヒドロキ
シ−1,1′−ビナフチルのような個々のキラル還元剤を
適用できる。反応器における開始反応時間が分子ふるい
の存在に依存し、分子ふるいは工程中で回収され、再利
用可能である。また、溶媒が少量である。さらに、最も
重要なことは、一度工程が確立されると、一つの反応器
でその全生産が管理可能である。そこで多目的装備は不
要である。さらに、公知方法に比較して、不斉合成のた
めにオキサゾリン類を適用することにより、高鏡像異性
体選択性(95−98%誤りは別として)の産生物を得る通
常の化学量論的システムよりも反応を速く進行させるこ
とが可能となる。
2−aryl−alkanoic−acids特に(S)−(+)−鏡
像異性体に関する2−アリール−プロピオン酸のこの提
案中の不斉合成には、補助剤の再利用のための面倒な回
復段階は不要である。これはキラル還元化合物あるいは
錯化合物である安価な(1S,2S)−(+)−2−アミノ
−1−フェニル−1、3−ジオールが光学的純度を損な
うことなく遊離2−アリールアルカン酸とともに副産物
として得られるためである。従って、この工程の一つの
重要な単純化は、それに応じて光学純度を損なうことな
く他の反応産物からの分離精製を回避することである。
ここで使用した低級アルキルは、単独あるいは組み合
わせて使用する場合1−6の炭素原子を含むアルキルを
意味する。アルキル基は直鎖あるいは分鎖状の場合があ
り、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、第2級(sec)ブチル、第3級(ter
t)ブチル、ペンチル、アミル、ネオペンチル、ヘキシ
ルおよび同類の基を含む。当該アルキル基は炭素原子1
−4を有するものが望ましい。
Ar基は単環、多環式あるいはオルト縮合多環式芳香族
で14ヶまでの環炭素原子と総じて18までの炭素原子を有
する。Ar基は単環、2環あるいは多環式の場合があり、
置換されていない場合と低級アルキル、アリール、低級
アリールアルキル、水酸基、低級アルコキシルあるいは
ハロゲンのような基で置換されている場合がある。Ar基
は6−10の環炭素原子を含んでいることが望ましい。Ar
の例としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル
およびanthrylのような基がある。Ar基としては、フェ
ニル、4−イソブチルフェニル、6−メトキシ、2−ナ
フチル、3−フェノキシフェニル、2′フルオロ−4−
ジフェニル、4′−フルオロ−4−ジフェニル、5−ク
ロロ−6−メトキシ−2−ナフチル、5−ブロモ−6−
メトキシ−2−ナフチル、4−クロロフェニル、4−ジ
フロロメトキシフェニル、6−ヒドロキシ−2−ナフチ
ルあるいは5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−ナフチル
が望ましい。
望ましいPh基としては、トリル、フェネチルおよび特
にフェニルがある。
ここで定義されたように、R′は低級アルキルを意味
し、1−4の炭素原子を含有することが望まれる。特
に、メチル、エチル、n−ブチルおよびイソブチルが望
ましい。
Rはここでは1−10の炭素原子を含むアルキル基を
意味する。このアルキル基は直鎖の場合と分鎖状の場合
があり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、第2級(sec)ブチル、第3級
(tert)ブチル、ペンチル、ヘキシル、アミル、ネオペ
ンチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルおよび同
類の基を含む。アルキル基には1−8の炭素原子が含ま
れることが望ましい。特にRにはメチル、エチル、n
−ブチル、イソブチルあるいはn−オクチルが適する
が、大型の低級アルキル基であり、イソブチルあるいは
オクチルのような4以上の炭素原子を含む基が特に望ま
しい。さらに、Rが直鎖であることが望まれる。
ハロゲン化物はフッ化物、臭化物、塩化物、あるいは
ヨウ化物を意味し、塩化物と臭化物が望ましい。
第I族金属はアルカリ金属である。第I族金属の望ま
しい例としては、ナトリウム、カリウムおよび特にリチ
ウムがある。
Bronsted−Lowry理論で定義されたように、塩基を含
有する第I族金属は塩基の第I族金属塩である。前述の
塩基の共役酸のpKaが15以上であることが望ましい。塩
基を含む第I族の例としては、リチウム低級アルキルア
ミド(例、リチウムイソプロピルアミド)、リチウム低
級アルコキシド(例、リチウムメトキシド)、リチウム
アセチリド、リチウム水素化物、リチウム水酸化物、li
thium triarylmethide(例、lithium triphenylmethid
e)およびその同類がある。この塩基共役酸のpKaが17以
上であることが望まれる。またリチウム2低級アルキル
アミド(例、リチウムジイソプロピルアミド)がリチウ
ム塩基として望ましい。
本工程の代表例は、計画Iに述べられている。そこで
Ph、R′、R、Arは上記のように定義される。
本発明の工程では、ここで定義したように2−アルキ
ル−4−アルコキシメチル−5−フェニルオキサゾリン
を利用している。特に、最終産物が独特の立体特異的型
(キラル中心でRあるいはSのどちらか)になるため、
このオキサゾリンがキラルであることが望まれる。
2−アルキル−4−アルコキシメチル−5−フェニル
オキサゾリンは溶媒中でリチウム含有塩基のような第I
族金属含有塩基と反応させる。この溶媒は本文下記で述
べるように非極性、弱極性、極性あるいはプロトン極性
であり得る。溶媒は弱極性であることが望ましく、最適
な溶媒はTHFである。また溶媒は無水であり、反応が窒
素あるいはアルゴン下のような空気の存在しない無水状
態で進行することが望まれる。効果的な温度での反応進
行が可能であり、室温から−90℃の温度での反応進行が
望ましい。最適な反応温度は−75℃から−10℃である。
分子ふるいのような乾燥剤存在下での反応が望まれる。
分子ふるいについては2Å−8Åが望ましいが3−5Å
はさらに適しており、4−5Å特に4Åが最適である。
この段階により形成された産生物は計画1のIIとして述
べる。
IIは次に、本発明の2−アリール−プロピオン酸を産
生するために、ここで定義したハロゲン化アリールと反
応させる。溶媒中での反応の進行が可能であり、溶媒は
本文下記で定義されるように非極性、弱極性、極性ある
いはプロトン極性であり得る。溶媒は非極性あるいは弱
極性が望ましく、最適な溶媒はCH2Cl2あるいはTHFであ
る。反応は効果的な温度で実施され、40℃から−40℃の
温度での反応が望ましく、−25℃から+25℃が適する。
反応は硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムあるいは2Å
−8Åの分子ふるいのような乾燥剤存在下で行う。最適
な分子ふるいは3−5Å、特に4Åである。さらに、反
応は塩酸、硫酸、硝酸およびその同類のような強酸の存
在下で進行させることが望ましい。
本発明の副産物は構造式(下記構造式)の2−アミノ
−1−フェニルプロパン−1、3−ジオールの立体異性
体である。ここではPhは上記で定義されたとおりであ
る。
しかしながら、構造式IIIの化合物は構造式Iのオキ
サゾリンを生産するために使用可能である。さらに具体
的には、計画Iに示すように構造式Iのオキサゾリン
は、構造式IIIのジオールを構造式IVの低級下リアルキ
ルオルトアルカン酸エステル(trialkylorthoalkanoat
e)と反応させることによりRXの存在下で生産され
る。ここでRは本文上記で定義されており、Xはハロ
ゲン化物のような脱離基を表す。R″は低級アルキルを
表し、Rは上記で定義された。本反応は上記で示したよ
うに微極性あるいは極性溶媒中で進行しうる。塩化メチ
レン、1、2ジクロロエタンおよび同類のものが溶媒と
して適する。反応は室温から溶媒沸点までの温度で影響
を受ける可能性がある。
本発明で使用可能な溶媒は、次の4タイプに分類でき
る。
(1)非極性溶媒 陽イオンまたは陰イオンの溶媒とはなり得ない。例と
して、アルカン、ベンゼン、CH2Cl2、CHCl3が挙げられ
る。
(2)弱極性溶媒 陽イオンの溶媒となり得る。例として、エーテル、TH
F、DME、di−tri、−tetra−glymes、ピリジン、脂肪族
3級アミンが挙げられる。
(3)極性非プロトン性溶媒 陽イオンに対しては良い溶媒であるが、直接陰イオン
の溶媒とはなり得ない。例にして、ヘキサメチル・リン
酸トリアミド、HMPT、DMSO、DMF、Me2CO、CH3CNが挙げ
られる。
(4)極性プロトン性溶媒 陰イオン(水素結合)および陽イオンの両者の溶媒と
なり得る。例として、H2O、NH3、CH3OH、C2H2OHが挙げ
られる。
(i)使用した溶媒,(ii)分子ふるい、(iii)温
度および(iv)分子ふるいの存在下での攪拌により化学
収量(>75%)が改善され、高光学純度(>95%)の最
終産物を得ること、以上が明らかにされている。結合を
受けるという希望は持たずに、分子ふるいを使用した場
合、特にCH2Cl2,n−ヘキサン、トルエンおよびベンゼン
で立体選択的反応の光学生産性を改善させるようだ。例
えば、S−(+)−2−[4−イソブチルフェニル]−
プロピオン酸あるいはS−(+)−2−[6−メトキシ
ナフチル]プロピオン酸誘導体の場合、Ar−Halとの結
合についての計画(I)に従う触媒反応は、分子ふるい
を使用しない場合、使用した場合の90%(誤りを認め
て)と比較して、僅かに55−60%の鏡像異性体過剰率の
生産を見たのみであった(表I参照)。
分子ふるいにより、明らかにAr−Halによる配位子置
換が容易になる。この場合特に、Hal=Br,ClからS型、
またCH2Cl2,トルエンあるいはベンゼン、のような無極
性溶媒、lithio変換複合体の立体分化能もまた支援す
る。
オキサゾリンのアルコキシ基は重要と考えられる。好
ましいアルコキシ基はn−ブチルオキシ基である。上述
したように、誘導体AとBの間には平衡があるように見
える。ごく最近のNMR結果が示唆するところでは、Aで
認められている好ましくないcisoid干渉を防ぐ4.0Å分
子ふるいの存在下で平衡がトランス配置方向(B)に移
動している。また、特に4.0Åの分子ふるいの存在下で
Bはさらに安定したものと考えられている。さらに、ZS
M(6−8.0Å)型の分子ふるいを適用することで、化学
的収量は4.0Å分子ふるいの存在下での85%から、6.0−
8.0Åのゼオライトを使用した場合の50%に、かなりの
減少の可能性がある。さらに、この反応はNaBH4あるい
はNaAlH4により実施可能であり、また鏡像異性体過剰率
の喪失および化学的収量の減少を伴わない。
キラル・オキサゾリンによる不斉の誘導のための詳細
な機序的論理はM.A.Hoobler,D.E.BergbreiterとM.J.New
comb,J.Amer.Chem.Soc.100,8182,1978年により公表され
ている。
表IIには、本発明に従って生成されたいくつかの化合
物に関してのS−アリール−プロピオン酸の鏡像異性体
過剰率と化学的収量につき列挙している。酢酸エチル由
来の物質の再結晶により光学純度の改善が可能である。
あるいはS−(+)−2−[4−イソブチルフェニル]
プロピオン酸のような低融点を有して生成された化合物
の場合には、高い負圧度(−0.05mmHg)での蒸留により
光学純度の改善が可能である。この場合の不純物は鏡像
異性体R型によるものではなく、反応生成物由来の汚染
によるものである。表IIの生成物の再結晶後、S−鏡像
異性体の光学純度は、NMR法および旋光度により測定し
て98−99%である。
さらに、Rはイソブチル−あるいはn−オクチル基
のような大型の基が望ましい。このような場合、この反
応は鏡像異性体過剰を形成しやすく、リチウム含有塩基
との反応を0−20℃で進行させることが可能である。こ
のように、例えば,R=n−オクチル、および、Ar=4
−イソブチルフェニルあるいはAr=6−メトキシ−2−
ナフチルとの反応は、THF中でLDAを伴い0℃もしくは20
℃で、1g/molを越えるオキサゾリンに対してMS 4.0Åの
比率を有する分子ふるいの存在下で、それぞれ実施可能
である。またこの場合誤りを認める場合での減少は全く
認められなかった。両方の例で、反応は5分で完了して
いる。さらに、CH2Cl2中の、Arが4−イソブチルフェニ
ルあるいは6−メトキシ−2−ナフチルでのAr−Halの
付加は、計画Iに従い−20℃から−30℃で行う代わり
に、それぞれ0あるいは20℃で実施可能である。対応す
る2−(S)−アリール−プロピオン酸の化学的収量
(約85−90%)と光学純度の点で何ら損失はない。
分子ふるいの存在によりまた、本工程が容易になりア
リール・プロピオン酸の収量が改善されるようである。
分子ふるいを使用しない場合、触媒反応においては表I
によると、僅かに約50%の生成量であり、これに対して
分子ふるいを使用した場合誤りを認めて90%以上であ
る。従って、分子ふるいによって例えばLDAのような塩
基を含むリチウムでのオキサゾリン転換のS−形成のた
めの配位子変換を容易にするばかりでなく、S−アリー
ル−プロピオン酸を生成するAr−Halとの適切な置換を
も容易にする。
2−オキサゾリンの助けによりS−2−アリール−プ
ロピオン酸を生産する他の方法は、下記一般構造式 の非対称性ケトンを還元するためのキラル還元剤として
LiAlH4あるいはNaAlH4の錯化合物および下記の構造式の
2−アルキル(4S,5S)−4−アルコキシメチル−5−
フェニル−2−オキサゾリンを使用することである: ここで、ArとPhは上記のように定義する。上記に示唆
するように、Arは単環、多環、あるいはオルト縮合多環
芳香族で14までの環炭素原子および合計18までの炭素原
子を有する。Ar基は、単環、二環あるいは多環であり、
未置換あるいは低級アルキル、アリール、低級アリール
アルキル、水酸基、低級アルコキシあるいはハロゲン等
の基で置換されている場合もある。Arは6−10の環炭素
原子を含有することが望ましい。非置換Ar基の例として
は、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルおよびanth
rylである。特に望ましいAr基の例、 4−イソブチルフェニル 6−メトキシ−2−ナフチル 3−フェノキシ−フェニル 2′−フルオロ−4−ジフェニル 4′−フルオロ−4−ジフェニル 5−クロロ−6−メトキシ−2−ナフチル 5−ブロモ−6−メトキシ−2−ナフチル 4−クロロ−フェニル 2′、4′−ジフルオロ−4−ジフェニル 6−ヒドロキシ−2−ナフチル 5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−ナフチル 5−フルオロ−6−ヒドロキシ−2−ナフチル 5−フルオロ−6−メトキシ−2−ナフチル 2,2′−ジフルオロ−4−ジフェニル Phはフェニル基あるいは低級アルキル基で置換したフ
ェニル。例にはフェニル、トリル、キシリル、フェネチ
ル等が含まれる。望ましいPh基はフェニルである。
ここに定義したRは1−6炭素原子を含む低級アルキ
ル基かPhである。望ましいR基はエチル、n−プロピ
ル、n−ブチルおよびフェニルである。
例となる方法を計画IIに示す。
非対称ケトンの還元を極性あるいは弱極性の溶媒中で
実施する。望ましい溶媒はTHFである。有効に還元が起
こる温度で反応を実施する。望ましくは−75℃から0℃
であるが−20℃から−60℃がさらに望ましい。反応は、
無水状態で窒素あるいはアルゴン下のような不活性雰囲
気で実施されるのが望ましい。さらに、分子ふるいのよ
うな乾燥剤の存在下での実施が望ましい。3.0Åから8
Åの分子ふるいの使用が可能であるが、4−5Å、特に
4Åが望ましい。分子ふるいは効果的な量で使用しなけ
ればならない。つまり、ある種の分子ふるいでは、100u
mol−200umolのオキサゾリン複合体に対して約0.5−10g
の分子ふるいの割合とする。40umol−300umolのオキサ
ゾリン複合体に対して0.5〜10gの4Å分子ふるいが望ま
しく、最終的に、この比率は100−200umolのキラル還元
剤に対して約1−3gの4.0Å分子ふるいであることが特
に望ましい。最終的に最適な比率は、150umolのキラル
還元剤に対して約1.5gの4.0Å分子ふるいである。
上述の段階より生成された2−アリール メチル1−
2−ヒドロキシ エタンから、2−アリール プロピオ
ン酸を多岐にわたる方法で生成可能である。計画IIにそ
のような経路の一つを実例としてあげる。
キラル炭素の立体配置の保持による、鏡像異性体カル
ビノール、RあるいはSの立体特異的ハロゲン化は、塩
化チオニルあるいは臭化チオニルのいずれか、あるいは
塩化シアヌールにより高化学収量(殆ど計量的)および
高光学純度で実施可能である。多量のカルビノールを使
用する場合、ハロゲン化は1,4ジオキサン中で、無水で
行うのが望ましい。また、無水ピリジンも使用可能であ
る。鏡像異性体カルビノールは、塩化チオニルの化学量
論的な量を1時間かけて攪拌を続けながら滴下して、1,
4−ジオキサン中で20℃で通常溶解させる。塩化チオニ
ルあるいは臭化チオニルの場合には、反応をさらに30分
継続しなければならない。R−あるいはS−鏡像異性体
塩素が高度の負圧での蒸留を通して回収されない場合、
過剰のSOCl2あるいはSOBr2は、約5時間20℃で反応溶液
を通じて窒素の乾燥流を通すことにより取り除かれる。
典型的な鏡像異性体塩素の生成方法には、鏡像異性体
カルビノールを塩化シアヌール粉末(1mol)と共にカル
ビノールの沸点よりも10−20℃高い温度までの、あるい
は塩基(0.5mol NaOCH3あるいはNaOBu)の存在下での加
熱がある。添加後(ca.1−1.5h)反応混合物を冷却、濾
過、高度の負圧で蒸留する。本方法による結果が示すと
ころでは、異性化もラセミ化も起こらなかった。
リチウム−オキサロイン(Li−oxaloine)錯化合物の
“R"は、n−ブチル、n−プロピル、エチル、フェニル
等のようなアルキル、アラルキルである。
Arは上記に定義した通りである。Arは、6−メトキシ
−2−ナフチル、−4−イソブチル−フェニル、−3−
フェノキシ−フェニル、6−ヒドロキシ−2−ナフチ
ル、5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−ナフチルである
ことが望ましい。
2−アリールアルカン酸特に2−アリール−プロピオ
ン酸の、本発明により容易に生産されている1−アリー
ル−ハロエタン由来である、光学的高純度の鏡像異性
体、RあるいはSを使用するもう一つの方法がある。そ
れはトリフェニルホスフィン(Ph3P)の存在下でのテト
ラカルボニル鉄酸ナトリウム(−II)(Na2Fe(C
O))による1−アリール−ハロゲン化物の直接変
換、およびそれに引き続き、対応する酸へのイオジン
(iodine)−H2Oでの酸化、あるいは光学的に純正なア
ミドの生産のための第2級アミンの存在下での酸化であ
る。本製法の実例については計画IIに記載する。計画II
Iで、Arが のように記述されているが、ここに定義しているどのAr
基でも使用可能である。試薬Na2Fe(CO)は、THFにお
けるナトリウム・アマルガム(NaHg)によるFe(CO)
の処理により調製可能である。
鏡像異性体純正1−アリール−ハロエタンのこの酸誘
導体への変換についてのもう一つの方法には、COの存在
下でのNa2Fe(CO)の使用がある。1−アリール−1
−ヒドロキンをCOの存在下でNa2Fe(CO)と反応さ
せ、その後ここから調製された生成物を酸素あるいは次
亜塩素酸ナトリウムと処理をした後加水分解する。この
一連の中間体(IV)と酸素あるいは次亜鉛素酸ナトリウ
ムとの反応およびその後の加水分解により、光学的高純
度で75−80%の化学的収量の対応する鏡像異性体酸が生
成される。本反応計画の一実施例を計画IIに記載する。
テトラシアノ鉄酸ナトリウム(II)とホスフィン(Ph
3P)あるいは一酸化炭素との錯化合物の適用は、それぞ
れ2−アルキルアルカン酸の合成において特に有用であ
る。これはこの高い求核性度と、本システムの反転反応
の完成が容易であるためである。そこで本発明により得
られたハロゲン化物およびトシル酸塩(tosylate)は、
典型的なSN2運動論、つまり配位飽和陰イオンd8アルキ
ル鉄(0)錯化合物を生成するための立体化学(反転)
により、Na2Fe(CO)と反応する。本方法により、ア
ルキルと酸ハロゲン化物からその誘導体を含むアルカ
ン、アルデヒド、ケトンおよび立体−特異的カルボン酸
が得られる。
上記ケトンを高光学純度(>97%),非常に高い化学
的収量(>90%)で、対応する鏡像異性体アルコールに
還元する立体選択的方法が一度確立されると、直接R−
アルコールからS−カルボン酸を、あるいはR型ハロゲ
ン(計画IV、V)を通してNaCNおよびDMSOの存在下で効
果的な温度での、対応するニトリルの生成が可能とな
る。温度は40℃−50℃の範囲が望ましい。
続いて鏡像異性体S−ニトリルはそのアミドもしくは
対応する酸を供給するために加水分解が可能である。S
−酸が必要な場合、酸−触媒加水分解もまた良好に実施
可能であるが、最適の試薬は約6−8%のH2O2を含むNa
OH溶液である。化学的収量は2−アリール−プロピオン
酸の合成用のHMPTのような強非プロトン性極錯化溶媒の
使用により、あるいは第4アンモニウム塩としてのシア
ニド・イオンの錯化により改善可能である。この工程に
は次のような優越性がある。それは縮合が連続工程中で
容易にモニター可能であるということで、例えば、Et4N
+CN,あるいはC6H5・CH2(Me)3N+CNとして、相間移動触
媒作用を適用するか、ジシクロ−ヘキサ−18−クラウン
−6(dicyccro−hexano−18−crown−6)のような結
晶の使用による。
Et4N+CNあるいはNa(K)CNによるS−鏡像異性体ニ
トリルの生成は、次の例による公知技術により実施可能
である。つまり、J.M.Teulonら、J.Med.Chem.21(9)9
01,(1978年),N.Tokutake,Chem.Abstracts 88,50512F;
S.Kothickiら,Chem.Abstracts 90,1036526;H.Koblerら,
Liebig′s Ann.Chem.1946年,(1978年);T.Amanoら,Ch
em.Abstracts、13,2611 p;Nissan Chemical Industrie
s,Ltd,Chem.Abstracts,101 90603e,(1984年),Nissan
Chemical Industries,Ltd,Chem.Abstracts、101 6855
h;J.A.FoulkesとJ.Hutton,Synth.Commun.9(7),625
(1979年)。しかしながら、これら陳述した方法はラセ
ミ化に誘導するのみである。
通常、2−アリールアルカン酸特にその2−アリール
−プロピオン酸は殆ど水に解けない。したがって、反応
の最終時点で、光学的活性の2−アリール−プロピオン
酸は容易に濾過等により分離可能である。しかしなが
ら、濾過、有機溶媒等からの結晶化を避けた場合、さら
に精製するための適切な方法は、低融点である2−アリ
ール−プロピオン酸、つまりS−(+)−イブプロフェ
ンの高度の負圧での(−0.06mmHg)蒸留である。さら
に、米国薬局方で要求される純度の医薬品は、濾過、気
化あるいは高度の負圧での蒸留で分離された生成物の酸
−塩基処理により生産可能である。
さらに、下記の構造式の非対称ケトンの不斉還元を起
こすもう一つの方法は、効果的な作用温度で、計画VIに
より、2−アルキル−4−アルコキシ−S−フェニル−
2−オキサゾリンの存在下で硼化水素(BH3)とテトラ
ヒドロフラン(THF)の錯化合物を使用することであ
る。温度は10−20℃の範囲であることが望ましい。収量
は99.7%であり、この時の鏡像異性体過剰率は97%であ
る。
さらに、次のことが認められている。つまりdiisopin
ocamphenylborane,これはTHF中のボラン−メチル スル
フィド錯化合物とα−ピネンから容易に生成される物質
であるが、これはまた、BH3・THFを還元剤として使用す
るプロキラル炭素原子(計画VII)を有する非対称的ケ
トンの還元のための、オキサゾリンとの適切なキラル錯
化合物である。(+)あるいは(−)ピネンは、計画VI
Iに従い対応する2−アリール−メチル−2ヒドロキシ
エタンのR−あるいはS−鏡像異性体の生産用のこれに
対応する光学活性IPC2BH誘導体の生成に使用可能であ
る。重複するが、Arはここに既に定義している通りであ
る。分子ふるいは、BH3・THFの適用による非対称ケトン
の還元には不要である。それは、化学的収量において何
ら改善が認められなかったからである。1−アリール−
1−ヒドロキシエタンが一度形成されると、上記で概略
を述べた経路によりアリールプロピオン酸の生成が可能
である。あるいはまた、化学的合成での1−アリール
ヒドロキシ エタンからの次の化学的段階には次のもの
がある。つまり、キラルの立体配座の保持によるハロゲ
ン化、キラルの配置の変化により対応するニトリルを生
産するシアン化ナトリウムの反応、および次に望ましい
R−あるいはS−配置の対応するカルボン酸への加水分
解。代表的な例を計画VIIに記載する。
本研究のさらに詳細については、次の特異的例と共に
記載する。
実施例 1 トランス−(4S,5S)−2−エチル−4−ヒドロキシメ
チル−5−フェニル−2−オキサゾリン(I)の製造 750mlの1,2ジクロロエタン中での、130g(0.785mol)
の(1S,2S)−(+)2−アミノ−1−フェニルプロパ
ン−1,3−ジオールおよび180g(0.102mol)のトリエチ
ルあるいはチオプロパノエート(thiopropanoate)の混
合物に対して、継続的に攪拌しながら加えられ、次に5
時間の還流の下に加熱する。室温にまで冷却し、0℃で
5分間放置して、175gの結晶状析出物を得る。生成物を
THFあるいはTHF/エーテル(70/30v/v)からの再結晶に
より精製し、再結晶物質を活性炭処理後、濾過、濃縮
し、−20℃に冷却することが可能である。ここで結晶物
質が析出する。収量は170gで融点68.7℃、[α]22−13
5.5゜(C 10.0 CHCl3中)。
実施例2 (4S,5S)−2−エチル−4−メトキシメチル−5−フ
ェニル−2−オキサゾリン(II)の製造 180gのIを20℃の無水THF21に溶解させる。この溶液
に水素化ナトリウム(110mol)ベンゼン溶液の懸濁液
を、室温で窒素下、4.0Å分子ふるい存在下、攪拌しな
がら滴下する。水素の発生を容積測定により管理する。
ベンゼン中NaHの添加完了後、混合物を1時間50℃に加
熱しその後20℃に冷却する。この溶液に臭化メチルある
いはヨウ化メチル(170g、1.3mol)を加えたTHF150ml
を、攪拌しながら2時間かけて漏斗を通じて滴下する。
この溶液をゆっくり31の冷水に注ぎ、その後エーテル抽
出を行う。混合エーテル抽出物を無水Na2SO4および分子
ふるい(4.0Å)で脱水し、オイルに濃縮する。このオ
イルを減圧で蒸留し、90%の収量で沸点91℃/0.20mmHg
の生成物を得る。
実施例3 S−(+)−2−[4−イソブチルフェニル]プロピオ
ン酸の製造 化合物II(155b、0.71mol)のTHF(1.6L)溶液を窒素
下、ドライアイス・アセトン浴中で−75℃に冷却する。
750mlの無水THFに加えたジイソプロピルアミン98mlと2,
3Mブチルリチウム(メチルリチウム)300mlに由来する
0.8molのリチウム・ジイソプロピルアミド溶液を調製
し、これを4.0Å分子ふるい存在下で連続攪拌しなが
ら、IIの無水THF溶液中に加える。−75℃で30分間攪拌
を続け、300mlのTHF(無水)に加えた237.6g(1.95mo
l)の4−イソブチルフェニルヨード(4−isobutylphe
nyliode)(臭化物)を10分かけて添加する。その結果
生じた無色の溶液をこの温度で1時間攪拌し、続いて温
度を20℃に上げる。反応混合物を飽和塩化ナトリウム水
溶液3lに注ぎ、数部の石油エーテルあるいはエーテルで
抽出し、Na2SO4あるいは分子ふるい(4.0Å)により脱
水にする。さらに0.1mmHgの負圧で蒸留し、90%の収率
で2−(1−メチル−4−イソブチルフェニル)−4メ
トキシ−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリンを得
る。[α]24−40.5゜(CHC]中c 10.1)IR(フィル
ム)1671cm-1、NMR(CDCl3中、TMS)δ7.33(s、5
H)、5.33(d、J=7HZ、1H)、4.33−3.93(9、1
H)、3.80−3.33(m、2H)、3.43(3H)、2.87−2.33
(m、1H)および2.00−0.68(m、12H)。
オキサゾリン(170g)を1.5M硫酸2.0lに溶解させ、3
時間あるいは溶液が均一になるまで加熱して還流する。
加熱後溶液を20℃まで冷却し、Et2Oか石油エーテルで抽
出するかあるいは、溶液を0℃に保ちながらNaHCO3添加
のもと水で希釈する。これはオイルの形成を避けるため
である。生じた沈殿物は中和されるまで冷水で洗う。同
様に濾液がpH1.0を示すまでである。収集した沈殿物は
高度の負圧での蒸留に付する。液体S−(+)−イブプ
ロフェンを120゜−90℃で2mmHg(0.06−2mmHg)で蒸留
し、S−(+)−イブプロフェン91.2g(90%)を得
る。NMR(CDCl3)、s0.91、(d、J=7H、6H)1.50
(d、J=8Hz、3H)、1.84(nonet、1H)、2.96;(br
d、27H7、2H)、3.72(g、1H)、7.01−7.32(AA′B
B′、4H)、9.78(br.s1H)。[α]25+58゜(95%、E
tOH);融点(m.p.)51−52℃;(1S,2S)−(+)−2
−アミノ−1−フェニルプロパン−1、3−ジオールを
3部の酢酸エチルを添加することによりメタノール(1.
5部)からの再結晶が可能であり、その後0℃に冷却す
る。この精製物質のm.p.は112℃、[α]2226.6゜(MeO
H中C 10.0)である。
実施例 4 (4S,5S)−2−エチル−4−ブトキシメチル−5−フ
ェニル−2−オキサゾリンの製造 トランス−(4S、5S)−2−エチル−4−ヒドロキシ
メチル−5−フェニル−2−オキサゾリン(100g)を20
℃(15℃)で無水THF(CH2Cl2)750mlに溶解させる。5g
の分子ふるい(4.0Å)を無水窒素下で攪拌しながら加
える。溶液の攪拌を継続しながら、滴下漏斗によりベン
ゼン(CH2Cl2)中あるいはシクロヘキサン中水素化ナト
リウム(61.5mol)の懸濁液を滴下する。NaHの添加終了
を監視するために、水素の発生を容量測定により管理す
ることが可能である。この混合物(攪拌下)を1時間ま
で(20−30分)50℃に加熱し、その後20℃に冷却する。
最終的に、100mlのTHFにn−臭化ブチル(160g、1.3mo
l)を加えた溶液を、1時間かけて滴下漏斗により滴下
する。この溶液をゆっくり11の氷/水に注ぎ、エーテル
あるいは石油エーテルで抽出する。さらに混合抽出物を
無水Na2SO4により脱水し、無色のオイルに濃縮した。こ
のオイルを減圧で蒸留し80%の収量で生成物を得ること
が可能である。融点(m.p.)115−120℃(0.3mmHg)。
実施例 5 S−(+)−2−[4−イソブチルフェニル]プロピオ
ン酸の製造 化合物(4S,5S)−2−エチル−4−ブトキシメチル
−5−フェニル−2−オキサゾリン溶液(実施例4)
を、窒素下無水THF(100g、0.45mol)1.0lに溶解させ
る。その後、冷アセトン浴槽中で−20℃に冷却する。0.
55molリチウム・ジイソプロピルアミド溶液を無水THF50
0mlに加えて作成した溶液を分子ふるい(4.0Å)5gの存
在下、攪拌しながら滴下漏斗を通して滴下する。−20℃
で30分間攪拌を続けた後、無水THF150mlに加えた4−イ
ソブチルフェニルブロミド153.3g(1.26mol)を10分間
かけて加える。得られた無色の溶液を−20℃で20分間攪
拌した後、20分以内に温度を約20℃まで上昇させる。こ
の反応混合物を飽和NaCl水溶液21に注ぎ石油エーテルで
抽出し、Na2SO4により脱水する。続いて、0.5mmHgで蒸
留し90%の収率でオキサゾリンを得る。▲[α]24 589
▼−38.5℃(CHCl3中5.5)。
オキサゾリン(100g)を1.5M硫酸1.0lに溶解させ、還
流下2時間あるいは溶液が均一になるまで加熱する。溶
液の加熱後室温まで冷却すると、飛散性沈殿物が得られ
る。この沈殿物はEt2Oか石油エーテルで抽出するかある
いは、生成物であるS−(+)−イブプロフェンのオイ
ル化を避けるために、溶液全体を0℃に保ちながらNaHC
O3添加の下さらに冷水(0℃)で希釈する。pHを1.0に
保ちながらの希釈する場合もある。収集した析出物はEt
2O、石油エーテル、アセトンなど種々の溶媒からの再結
晶が可能である。平均90g(90%)の収量でS−(+)
−イブプロフェンを得る。
(1S,2S)−(+)−2−アミノ−1−フェニルプロ
ペート−1,3−ジオン((1S,2S)−(+)−2−amino
−1−phenylpropate−1,3−dione)は、実施例3で述
べたように上澄みからの回収が可能である。
実施例 6 S−(+)−(6−メトキシ−2−ナフチル)−プロピ
オン酸の製造 トランス−(4S,5S)−2−エチル−4−メトキシ−
メチル−5−フェニル−2−オキサゾリン溶液(100g、
0.45mol)を窒素下無水THF750mlに加えて調製し、アイ
ス・アセトン浴槽中で−10℃に冷却する。リチウムジイ
ソプロピルアミド0.60molを無水THF250mlに加えて作成
した溶液を分子ふるい(4.0Å)3g存在下、攪拌しなが
ら滴下漏斗を通して滴下する。−10℃で30分間攪拌を継
続し、無水THF300mlに溶解した6−メトキシ−2−ブロ
モ−ナフタレン(315g、1.25mol)を10分間かけて滴下
する。得られた溶液はハロゲン化ナフチル添加後、−10
℃で30分間放置し、その後20分以内に20℃に上昇させ
る。反応混合物を飽和NaCL水溶液1lに注ぎ、石油エーテ
ルで抽出後Na2SO4により脱水する(全操作を20−25℃で
行う)。
さらに複合混合物を0℃に冷却し、オキサゾリンの微
細結晶を得る。
▲[α]24 589▼−41.5℃(4.0 CHCl3中)。収量85
%、融点(m.p.)51℃(補正済)。このナフチルオキサ
ゾリン(100g)を1.5Mの硫酸500mlに溶解させ、還流下
1時間溶液が均一になるまで加熱する。加熱段階後、こ
の溶液を室温まで冷却する。通常この段階で微細結晶状
沈殿物が析出するが、これは容易に濾過による分離が可
能であり、冷水(0−5℃)次にNaHCO3飽和溶液(0−
5℃)さらに冷水を作用させる。化学的収量は85%、光
学純度は97%である。
融点152−153℃の原料の再結晶により、融点154℃の
S−(+)−ナプロキセンの結晶状試料を得る(lit
融点 152−154℃、[α]25+65.0℃(1.08 CHCl3)、
NMR(CHCl3);1.6(D,3H,CH−CH3);3.92(S,3H,OC
H3)、3.88(g、TH,CH)および7−7.9(m,6H,芳香
族)。
(1S,2S)−(+)−2−アミノ−1−フェニルプロ
パン−1,3−ジオールは実施例3で述べたように上澄み
からの回収が可能である。
実施例7 S−(+)−2−(5−ブロモ−6−メトキシ)−2−
ナフチル−プロピオン酸の製造 トランス−(4S,5S)−2−エチル−4−メトキシメ
チル−5−フェニル−2−オキサゾリン溶液(50g、0.2
5mol)を窒素下無水THF350ml(あるいは1、4ジオキサ
ン)に加えて溶液を調製し、ドライアイス/アセトン浴
槽で20℃に冷却する。0.55molリチウム・ジイソプロピ
ルアミドを無水THF100mlに加えて調製した溶液を、分子
ふるい(4.0Å)3.0g存在下攪拌しながら、滴下漏斗を
通して滴下する。0℃で30分間攪拌を継続し、無水THF2
00mlに溶解した5−ブロモ−6−メトキシ−2−クロロ
−ナフタレン(168g、0.67mol)を10分間かけて滴下漏
斗を通して滴下する。得られた溶液はハロゲン化ナフチ
ル添加後30分間0℃に保つ。その後、温度を30分以内に
+20℃に上昇させる。この反応混合物を飽和NaCl水溶液
1lに注ぎ、石油エーテルにより抽出しNa2SO4により脱水
する(全操作を20−25℃で行う)。さらに複合混合物を
0−5℃に冷却するとオキサゾリンの飛散性析出物を得
る。▲[α]24 589▼−35.9℃(CHCl3中 3.0)、収量81
%、融点mp71℃。このナフチル−オキサゾリン(50g)
を1.5M硫酸水溶液250mlに溶解させ、溶液が均一化され
るまで1時間、還流下で加熱する。加熱段階後、この溶
液を室温まで冷却すると、微細結晶状沈殿物が析出す
る。この沈殿物は濾過による分離が可能であり、冷水
(0−5℃)で洗浄後、NaHCO3飽和溶液さらに最終的に
冷水で洗浄する。化学的収量80%、光学純度97−98%、
融点m.p.167.5℃、▲[α]24 D▼−45.5(c 0.6% CHC1
3)である。
実施例 8 S−(+)−フェニルプロピオン酸の製造 (4S,5S)−2−エチル−4−ブトキシメチル−5−
フェニル−2−オキサゾリン溶液(実施例4を参照)10
0gを無水THF1.5Lに加えて溶液を調製し、ドライアイス
/アセトン浴槽中で精製窒素存在下−30℃に冷却する。
ジイソプロピルアミン95mlと、2.4Mブチルリチウムある
いはメチルリチウム205mlを無水THF600mlに加えた溶液
を反応させて調製した0.75molのリチウムジイソプロピ
ルアミド溶液を、4.0Åの分子ふるい2.5g存在下、攪拌
しながらオキサゾリン溶液に滴下して加える。−50℃で
約30分間攪拌を継続し、フェニルブロミドあるいはフェ
ニルイオジン(1.80mol)340gをTHF(無水)200mlに加
えた溶液を10分間かけて加える。得られた無色の溶液を
攪拌しながら45分以内に20℃に下げる。この混合物をNa
Cl飽和溶液1lに注ぎ、数部の石油エーテルで抽出し、Na
2SO4により脱水する。その後、減圧下で蒸留し20%の収
量でオキサゾリンを得る。
▲[α]24 589▼−29.5゜(1.0CHCl3中)。
このように調製されたオキサゾリン(50g)を1.0Mの
硫酸1.0lに溶解し、溶液が均一になるまで還流下1.5時
間加熱する。加熱段階終了後、この透明溶液を室温まで
冷却すると、通常、飛散性沈殿物が析出する。収集した
沈殿物はEt2Oあるいはアセトンに溶解可能であり、さら
に、溶液全体を0℃に保ちながら冷水(0℃)での洗浄
が可能である。メタノール溶液からの再結晶が可能であ
り、S−(+)−フェニルプロピオン酸を得る(化学的
収量85%)。▲[α]24 589▼+74゜(c=1.7 CHCl
3中)、NMR技術により測定した光学純度は98.5%。
実施例 9 S−(+)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プ
ロピオン酸の製造 トランス−(4S,5S)−2−エチル−メトキシ−メチ
ル−5−フェニル−2−オキサゾリン溶液(50g、0.25m
ol)を無水N2下で、無水THF200mlに加えて溶液を調製
し、ドライアイス/アセトン浴槽中で−20℃に冷却す
る。0.55molのリチウム・ジイソプロピルアミドを無水T
HF100mlに加えた溶液を、分子ふるい(4.0Å)3gの存在
下、攪拌しながら滴下漏斗を通して滴下する。0℃で30
分間攪拌を続け、無水THF100mlに溶解した2−フロロ−
1−クロロ−4−ビフェニル(372g、1.8mol)を10分か
けて滴下漏斗を通して滴下する。結果として得た溶液を
ハロゲン化ビフェニル添加後30分間0℃に維持する。そ
の後30分以内に温度を20℃に上昇させる。反応混合物を
NaCl飽和溶液1lに注ぎ、petroletherで抽出しNa2SO4
より脱水する(全操作を20−25℃で行う)。継続して得
た抽出物を0−5℃に冷却し、オキサゾリンの沈殿物を
得る。▲[α]24 589▼−31.5゜(c 1.5 CHCl3中)、収
量85%、融点m.p.87℃。
ビフェニル−オキサゾリン(20g)を1.5M硫酸水溶液1
50mlに溶解させ、還流下溶液が均一になるまで60分間加
熱する。加熱段階終了後、この溶液を20℃に冷却する
と、微細結晶状沈殿物が析出する。この沈殿物を濾過に
より分離し、数回冷水(0−5℃)で洗浄後、酢酸エチ
ルより再結晶する。化学的収量75%、光学純度98%、融
点112.5℃、▲[α]24 D▼−47.5℃(c 2.5 CHCl
3中)。
実施例10 S−(+)−2−(5H−[1]−benzopyrano[2,3 b]
pyridin−7−Y)Propionic Acidの製造 (4S,5S)−2エチル−4ブトキシメチル−5−フェ
ニル−2−オキサゾリン−溶液を窒素下、無水THF500ml
(100g、0.45mol)に溶解し、氷−アセトン浴槽中で−2
0℃に冷却する。0.55molのリチウム ジイソプロピルア
ミドを無水THF500mlに加え、これを分子ふるい(4.0
Å)存在下、攪拌しながら適切な漏斗を通して滴下す
る。−10℃で30分間攪拌を継続し、無水THF100mlに加え
た1.05molの[2,3−b]−7−ブロモ−ピリジンを15分
かけて加える。生じた黄色の溶液を20分間継続攪拌した
後、温度を20分以内に約20℃までに上昇させる。反応混
合物を飽和食塩水1lに注ぎ、1,4ジオキサンで抽出後Na2
SO4により脱水する。その後、減圧の下蒸留し、82%の
収率でオキサゾリンを得る。▲[α]24 589▼−31.5゜
(1.5 CHCl3中)オキサゾリン(50g)を1.0lの1.0M硫酸
に溶解し、この溶液が均質になるまで1 1/2時間還流下
で加熱する。加熱段階終了後、溶液を室温まで冷却する
と通常飛散性の沈殿物が析出する。この沈殿物をEt2Oあ
るいは1,4−ジオキサンで抽出するかあるいは、油性の
微小エマルジョンの形成を避けるため溶液全体を0℃に
保ちながら、NaHCO315g(1lにつき)を添加のもと、さ
らに冷水(0℃)で洗う。収集した沈殿物は1,4−ジオ
キサンからの再結晶が可能であり、平均85g(82%)の
S−(+)−プロパノフェが得られる。融点184℃、▲
[α]24 589▼+44.1゜(C=1.0メタノール)。NMR測
定による光学純度は98%であった。
実施例11 S−(+)−2−[2−フルオロ−4−ビフェニル−]
プロピオン酸の製造 (4S,5S)−S−(+)−2−エチル−4−ブトキシ
メチル−5−フェニル−2−オキサゾリン(100g)ある
いは(4S,5S)−2−エチル−4−メトキシ−5−フェ
ニル−2−オキサゾリン(100g)を窒素下、無水THF700
mlに溶解し、氷−アセトン浴槽中で−20℃に冷却する。
無水THF 250mlに0.55molのリチウム ジイソプロピルア
ミドを加えた溶液を5gの4.0Å分子ふるい存在下、攪拌
を継続しながら、滴下漏斗を通して滴下する。−20℃で
30分間攪拌を続け、無水THF100mlに溶解した2−ブロモ
−2−フルオロ−4−ビフェニル(206g、1.0mol)を20
分間かけて加える。得られた溶液は反応が完了するまで
約20分、−20℃で攪拌を続ける。その後、温度を20分以
内に室温にまで上昇させる。この反応混合物をNaCl飽和
水溶液1lに注ぎ、petroletherで抽出後、Na2SO4により
脱水する。続く減圧下での蒸留により、収率90%でオキ
サゾリンを得る。
▲[α]24 589▼−42.5゜(5.0 CHCl3中)であった。
このオキサゾリン(50g)を1.0M硫酸1.0lに溶解し、
還流下で2時間、溶液が透明になるまで加熱する。その
後、溶液を室温にまで冷却すると、沈殿物が析出する。
この沈殿物はEt2O、アセトンあるいはpetroletherで抽
出可能である。抽出物から冷水(0℃)による沈殿析出
を継続した後、濾過により分離し、冷水で数回洗う。沈
殿物はメタノールから再結晶が可能であり、光学純度97
%、化学的収量78%の生成物を得る。
▲[α]24 589▼+47.5゜(2.5 CHCl3中)であった。
実施例12 R−(+)−1−(4−イソブチルフェニル)ヒドロキ
シエタンの製造 (4S,5S)−2−エチル−4−ヒドロキシメチル−5
−フェニル−2−オキサゾリン10gを−20℃で無水THF
(0.05mol)100mlに溶解する。分子ふるい(4.0Å)1g
存在下で攪拌を続けながら、0.57当量のLiAlH450mlを温
度を−20℃に保ち、10分かけて滴下する。重要な点は、
溶液を充分に攪拌すること、および10分後、攪拌した溶
液を−60℃に冷却することである。滴下漏斗を通して窒
素下−60℃で、無水THF10mlに溶解した10.0g(5mmol)
の1−(4−[n−メチルプロピル]−フェニル)エタ
ノンを、温度を−60℃に保ち攪拌しながら30分かけて滴
下する。このケトン添加後、懸濁液から透明な無色の溶
液が得られる。これは分子ふるい(4.0Å)存在下で攪
拌しながら、反応を完了するためにさらに30分放置させ
ているものである。この混合物は温度を20℃に上昇させ
た後、水5.0mlにより加水分解し、さらに塩酸で希釈す
る。この塩酸は後の再利用用のキラルオキサゾリンを確
保するために加える。
透明溶液をEt2Oで抽出する。オキサゾリンは水相に残
り、R−(+)−2−(4−イソブチルフェニル)−ヒ
ドロキシ−エタンは有機相に移行する。エタノール抽出
物を結合させ、濃縮し、減圧で蒸留(0.1mmHg、沸点80
℃)することにより、透明無色でかなり粘性の強い液体
(11.5g、収量94%)を得る。この粘液には、HPLC法に
よる測定および、赤外線周波数範囲でカルボニルの不存
在が確認されることにより、未還元のケトンは含まれて
いない。光学純度は、MTPA誘導体への変換およびNMRス
ペクトルにより測定され、その値は98%(ee)である。
オキサゾリン抽出物の中和により、収量80%で沸点90.5
℃/0.2mmHgの再生キラル(4S,5S)−2−エチル−4−
メトキシメチル−5−フェニル−2−オキサゾリンを得
る。融点68.2℃、▲[α]22 590▼−135゜(c 11.0 CHC
l3中)である対応するトランス−(4S,5S)−2−エチ
ル−4−ヒドロキシ−メチル−5−フェニル−2−オキ
サゾリンはメトキシメチル化合物より、70%の回収率で
得られた。
実施例13 対応するR−(+)−ヒドロキシ−エタンからのS−
(+)−2−[4−イソブチルフェニル] プロピオン酸の製造 R−(−)−1−[4−イソブチルフェニル]−ヒド
ロキシエタン(56mmol)10gを、分子ふるい4.0Å存在
下、20℃で攪拌しながら1,4ジオキサン20mlに溶解させ
る。5.0ml SOCl2(=60mmol)を、1.4−ジオキサン5ml
を含むH2O 10mlに溶解し、温度を20℃に保ち攪拌しなが
ら10分間かけて滴下する。1時間後反応は完了し、塩化
チオニルを、溶液にN2気泡を通過させ気化により回収す
る。溶液は、MgあるいはHg(OOC・CH3とのメタル化
のために直ちに使用されるため、S−(−)−1−[4
−イソブチルフェニル]−クロロエタンを分離する必要
はない。S−(−)−1−(−)−[4−イソブチフェ
ニル]−クロロエタン11gを含むこの溶液に、Mg1.40g
(0.055M)をイオジンiodine存在下0℃で加える。10−
30分経過後激しい反応が開始される。そのため、Wurtz
合成およびビラジカル産生を避けるために時折冷却を必
要とする場合がある。攪拌継続下で、二酸化炭素が0−
5℃で反応の中を通過する反応の終了時点で、溶液は淡
黄色から淡褐色に変化する。攪拌継続下で、無水CO2
溶液中に通過させる場合、高化学的収率で光学的に純粋
なS−(+)−イブプロフェンを得るために不可欠な方
法であるが、S−(+)−1−[4−イソブチルフェ
ル]クロロエタン(あるいはSOBr2使用の場合ブロモエ
タン)に由来するグリニャール化合物をEt2OあるいはTH
F(あるいはベンゼン、トルエン)で希釈する。S−グ
リニャール化合物およびS−カルボン酸生成物へ連続的
にCO2を添加することにより継続的な無水1,4ジオキサン
の添加が必要となる。これは、S−カルボン酸が発現
し、溶媒を飽和するためである。20分後反応は完了し、
反応物は固形残留物より分離し高度の減圧での蒸留に移
行させる。溶液を濃縮した後120゜−98℃、2mmHg(0.06
−2mmHg)での蒸留により、S−(+)−イブプロフェ
ン9.30g(80%)を得る。NMR(CDC12)S 0.91(d,J=7
H,6H)、1.50(d,J=8Hz,3H)、1.84(nonet,1H)、2.9
6(brd,27H7,2H)、3.72(g,1H)7.01−7.32(AA′B
B′,4H)、9.78(br,s1H)。▲[α]25 D▼+58゜(95
%,EtOH) 実施例14 S−(+)−イブプロフェンは次の方法で調製され
る。すなわち、EtOH 25mlに加えた10gのR−(+)−1
−[4−イソブチルフェニル]−クロロエタン(50.5mo
l)と2.95g(60mmol)シアン化ナトリウムを含む水5ml
をこのシアン化物の滴下により反応させる。
この混合物を1時間還流し20℃に冷却する。析出した
水酸化ナトリウムを濾過により分離し、水とEtOHを含み
上澄みから脱水した後、S−(+)−1−[4−イソブ
チルフェニル]−エチルシアニドを含有する残りの液体
よりEtOHを蒸留する。(化学的収率88%)。このS−
(+)−シアニドを15ml EtOHと、9g(0.45mol)の塩化
ナトリウムおよび10%(W/W)H2O2を含む水30mlに溶解
する。その後、還流下で1時間加熱する。室温に冷却
後、反応混合物を溶液が透明になるまで水100mlで希釈
する。この溶液を0℃に冷却し、引き付き希塩酸100ml
を加えると、小結晶のS−(+)−イブプロフェンが析
出する。このS−(+)−イブプロフェン結晶を集め、
希塩酸で洗浄後CaCL2により脱水する。化学的収量94
%、融点51−54℃、▲[α]20 D▼+60゜(95%,EtO
H)。
実施例15 S−(+)−2−(5−ブロモ−6−メトキシ−2−ナ
フチル−)プロピオン酸の製造 実施例13に記述したように4.0Å分子ふるい存在下で
の、対応するケトンの(4S,5S)−2−エチル−4−メ
トキシメチル−5−フェニル−2−オキサゾリン−LiAl
H4錯化合物による還元の結果、ほとんど定量的化学的収
率で光学的に純粋なR−2(5−ブロモ−6−メトキシ
−2−ナフチル)−ヒドロキシエタン(97%)を得る。
相当するカルボン酸への酸化に続き、ニトリルを経る工
程により光学的に純粋なS−(+)−2−(5−ブロモ
−6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸生成物が
化学的収量75%で得られる。融点mp 167℃、▲[α]20
D▼+42.5゜(c 0.6% CHCl3中) 実施例16 Borohydride存在下でのR−(+)−1−(4−イソブ
チルフェニル)−ヒドロキシエタンの製造 (4S,5S)−2−エチル−4−ヒドロキシメチル−5
−フェニル−2−オキサゾリン10gを無水THF(0.05mmo
l)100mlに0℃で溶解させる。ボランのTHF溶液(100m
l、200mmol)を窒素下で、分子ふるい(4.0Å、1g)の
存在下で効果的に攪拌しながら、30分かけて加える。添
加終了後、反応混合物を20−25℃でさらに30分攪拌す
る。窒素環境のもと20℃で、すでに無水THF20mlに溶解
させた1−(4−[2−メチルプロピル]フェニル)−
エタノンを、分子ふるい(4.0Å)存在下で温度を20℃
に保ち、攪拌を継続しながら30分間かけて滴下漏斗を通
して滴下する。非対称ケトンとの反応後、このオキサゾ
リン−有機ボラン錯化合物を10mlのメタノールで処理
し、その後反応混合物を30℃に保ちながら、3Mの水酸化
ナトリウム20.0mlで処理する。さらに1時間この反応混
合物を攪拌し、冷却後エーテル抽出(3×100ml)を行
う。抽出物を冷水(2×50ml)と食塩水(3ml)により
連続して洗った後、硫酸マグネシウムで脱水する。有機
層を注意深く分別し、キラル・アルコールを得る。沸点
20.5℃/0.2min Hg、収量30%。▲[α]23 D▼(nea
t)、鏡像異性体過剰率98.1%。
融点68.5℃、▲[α]22 580▼−135.7゜(c 11.0 CHC
l3中)の相当するトランス−(4S,5S)−2−エチル−
4−ヒドロキシメチル−5−フェニル−2−オキサゾリ
ンの回収率は75%であった。
実施例17 対応するR−(+)−1−(4−イソブチルフェニル)
−ヒドロキシ−エタンからのS−(+)−2−(4−イ
ソブチルフェニル)プロピオン酸の製造 無水ピリジン中でSOCl2を反応させることにより、R
−(+)−2−(4−イソブチルフェニル)−ヒドロキ
シ−エタンから生成したR−(+)−1−(4−イソブ
チルフェニル)−クロロエタン(50.5mmol)10gを25ml
EtOHと15mlの水に溶解させ、2.95g(60mol)シアン化ナ
トリウムと反応させる。そして、攪拌の継続下、塩化物
溶液を滴下しながらH2O 10mlに溶解させる。この混合物
を1時間還流した後20℃に温度を下げる。析出した塩化
ナトリウムを濾過により分離し、水とEtOHを含む上澄み
から脱水した後、残液からEtOHを蒸留する。残液はS−
(+)−1−[4−イソブチルフェニル]−エチルシア
ニドを含む。(化学的収量88%)。このS−(+)−シ
アニドを15ml EtOHと、9g(0.45mol)水酸化ナトリウム
および10%(W/W)H2O2を含有する30mlの水に溶解さ
せ、1時間還流下で加熱する。室温に冷却後、この反応
混合物を溶液が透明になるまで水100mlで希釈する。溶
液を0℃まで冷却し、引き続き希塩酸100mlを加える。
その際、小結晶としてS−(+)−イブプロフェンが析
出する。S−(+)−イブプロフェン結晶を集め、希塩
酸で洗いCaCl2により脱水する。化学的収率94%、融点5
1゜−54℃、▲[α]20 D▼+60゜(95%,EtOH) 無水ピリジン中でSOCl2を10gのR−(+)−1−[4
−イソブチルフェニル]−ヒドロキシ−エタン(20℃で
56mol)と反応させることにより、R−(+)−1−
[4−イソブチルフェニル]−クロロエタンを得る。混
合を続けながら6.7g SOCl2(4.1mlの液体SOCl2に相当)
を加え20分間還流する。
過剰のSOCl2およびピリジン(沸点116℃、760mmHg)
を残渣した後、この塩化物を6mmHg(沸点23.3℃)で蒸
留した結果R−(+)−1−[4−イソブチルフェニ
ル]−クロルエタン9.57gを得る(36.6%)。
実施例18 10mlのR−(+)−2−3イソブチルフェニル−クロ
ルエタン(50.5mol)を150mlのジメチルホルムアミド
(DMF)(0.033M)に、高速で攪拌しながらN2流のもと
で溶解させる。20℃でナトリウムアマルガムおよびTHF
との鉄五カルボニルFe(CO)の処置により生成したば
かりの10.8gテトラカルボニル鉄II酸ナトリウムを、混
合を続けながら加える。この溶液を10℃まで冷却し、一
酸化炭素流を溶液中に通過させる。温度と溶媒(THF、D
MF、DMSO)によるが、通常反応は1−2時間後に終了す
る。しかしながら、N2存在下で過剰の一酸化炭素が溶液
中から放出されるとき容易にモニター可能である。対応
するS−(+)−2−[イソブチルフェニル]プロピオ
ン酸に対する酸化性離層は、塩酸ナトリウム(sodium h
ydrochloride)水溶液の添加とその後の反応温度10℃で
の0.1M塩酸の添加により達成される。プロトンの殆どが
水溶液中でS−(+)−イブプロフェンの沈殿析出のた
めにすなわち遊離酸の回収のために使用されることによ
り、充分な塩酸の添加を考慮しなければならない。
S−(+)−イブプロフェン由来の対応するアミド
は、テトラカルボニル鉄II酸ナトリウム(Na2Fe(C
O4))存在下で、一酸化炭素のかわりにトリフェニルホ
スフィン(Ph2P)を使用して調製可能である。10gのR
−(+)−2−[4−イソブチルフェニル]−クロルエ
タンを20℃で10.8gのテトラカルボニル鉄II酸ナトリウ
ム存在下、30mlベンゼン中に拡散させる。13.4gトリフ
ェニルホスフィン(0.051mol)を無水ベンゼンに溶解
し、N2環境下20分かけて滴下する。この混合物を攪拌を
続けながら3時間還流する、反応混合物を1時間20℃で
放置した後、メチル−ベンジルアミドにより反応を停止
させる。S−(+)−イブプロフェン−メチル−ベンジ
ルアミドの小結晶を濾過により分離し、THM/DMFから再
結晶させる。さらに、光学純度をHPLC法により分析す
る。HPLC分析により、保持時間2.79分でS−2−(4−
イソブチルフェニル)プロピオン酸に対応する98%ジア
テレオマーの存在、および保持時間2.38分でR−7−
(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸に対応する2
%ジアステレオマーの存在が示される。対応するR−
(+)−[4−イソブチルフェニル]−クロロエタンか
らのS−2−カルボン酸生成における化学的収率は一酸
化炭素存在下で95%に近く、光学純度は95−98%であ
る。トリフェニルホスフィンが存在する場合、収量は90
%である。
実施例19 非対称ケトンの還元を、LiAlH4−オキサゾリン錯化合
物あるいはBH3−オキサゾリン錯化合物による還元を対
応するキラルヒドロキシ化合物に適用して数回実施す
る。表IIIとIVに、ボランあるいはリチウム−アルミニ
ウム、アルミニウム−水素化物存在下での(4S,5S)−
2−エチル−4−ヒドロキシメチル−4−フェニル−2
−オキサゾリンによる還元を列挙する。
実施例20 トランス(4S,5S)−2−エチル−4−ヒドロキシメチ
ル−5−フェニル−2−オキサゾリンと錯化した(+)
diisopinocampheylboraneによる還元を通してのR−
(+)−2−(4−イソブチルフェニル)ヒドロキシエ
タンの製造 THF(無水、20ml)にdiisopinocampheylborane(50mm
ol)を加えた攪拌溶液(懸濁液)に、THF(無水、30m
l)に溶解した55g(50mmol)(4S,5S)−2−エチル−
4−ヒドロキシメチル−5−フェニル−2−オキサゾリ
ンを加える。反応混合物を20℃で5時間攪拌する。diis
opinocampheylboraneの固形部分は消失し、錯化合物の
形成が完了する。この錯化合物溶液に、無水THF(ある
いはCH2Cl2)50mlに溶解した30.0g(40mmol)の1−
(4−[2−メチルプロピル]−フェニル)エタノン
を、温度を20℃に保ち、攪拌しながら30分間かけて滴下
する。溶液を分子ふるい(4.0Å)2.0g存在下で攪拌し
ている場合、対応するキラルアルコールの鏡像異性体過
剰率を約99%までに高めることが可能である。ケトンの
添加後、懸濁液により無色の溶液が得られる。このケト
ンは、反応の完了のために分子ふるい(4.0Å)存在下
でさらに30分間残留させていたものである。
混合物を50.0molの水で加水分解し、温度を25℃とし
た後塩酸で希釈する。この塩酸は、後に使用するキラル
・オキサゾリンを確保するために添加されている。透明
溶液をEt2Oで抽出する。
実施例21 S−(+)−イブプロフェンの製造 10mlの[R−(+)−1−[4−イソブチルフェニ
ル]−クロロエタン(50.5mmol)を150mlのジメチルホ
ルムアミド(DMF)(0.033M)に急速な攪拌およびN2流
下で溶解する。ナトリウムアマルガムとTHFによる20℃
での鉄五カルボニルFe(CO)の処理により新たに生成
したテトラカルボニール鉄II酸ナトリウム10.8gを、攪
拌し続けながら加える。この溶液を10℃まで冷却し一酸
化炭素流をこの溶液に通した。通常、温度および溶媒
(THF,DMF,DMSO)に依存するが、1−2時間後反応は終
了する。これは過剰な一酸化炭素がN2の存在下に溶液か
ら放出する際に容易にモニター可能である。対応するS
−(+)−2−[イソブチルフェニル]プロピオン酸の
酸化性離層は、10℃の反応温度を保ち、次亜塩素酸ナト
リウム水溶液を添加し引き続き0.1M塩酸を添加すること
により達成される。充分な塩酸を添加するために注意が
必要である。というのは殆どのプロトンが遊離酸回収の
ために水溶液中のS−(+)−イブプロフェン析出のた
めに使用されるからである。
S−(+)−イブプロフェン由来の対応するアミドは
テトラカルボニル鉄II酸ナトリウム(Na2Fe(CO4))の
存在下で一酸化炭素の代わりにトリフェニル・ホスフィ
ン(Ph3P)を使用することにより生成可能である。10g
のR−(+)−1−[4−イソブチルフェニル]−クロ
ルエタンを20℃で10.8gのテトラカルボニル鉄II鉄ナト
リウムの存在下で30mlのベンゼンに拡散させる。無水ベ
ンゼンに溶かした13.4gのトリフェニルホスフィン(0.0
51mol)を窒素環境下で20分間滴下し、混合物を3時間
攪拌しながら潅流する。反応混合物は20℃で1時間その
まま放置し、その後メチル−ベンジルアミドにより反応
を停止させる。S−(+)−イブプロフェンメチルベン
ジルアミドの小結晶を濾過し、THF/DMFより再結晶し、H
PLC法により光学純度を分析する。HPLC分析法は、2.79
分の保持時間で(S−2−(4−イソブチルフェニル)
プロピオン酸に対応する98%のジアステレオ異性体の存
在と、2.38分の保持時間でR−2−(4−イソブチフェ
ニル)プロピオン酸に対応する2%のジアステレオ異性
体を示している。対応するR−(+)−[4−イソブチ
ルフェニル]−クロルエタンからのS−2−カルボン酸
生成の化学的収量は、一酸化炭素の存在下で、光学純度
95−98でほぼ95%であり、トリフェニルホスフィンの存
在下で90%である。
表IIIの記号説明は次の通り。
“ee"は鏡像異性体過剰率、およびconf.は立体配座、
RあるいはS鏡像異性体はCahn−Prelogルールによる。
ここで使用している「鏡像異性体過剰率、ee」は他法
と比較して一方の胸像異性体の量の増加を意味する。鏡
像異性体過剰率(ee)表示の便利な方法として次の方程
式が得られる。
ここでE1は第二級アルコールの第一キラル型の量であ
る。またE2は同一のアルコールの第二キラル型の量であ
る。立体選択性(ee)は、Daleら(J.A.Dale,D.C.Dull
とH.S.Mosher,J.Org.Chem.34,2543,1969年)によるピリ
ジン中のR−(+)−2−メトキシ−2−トリフルオロ
−メチル−フェニル酢酸由来の過剰な酸塩化物により得
られたキカル・カルビノールの処置によるNMR法により
判定する。メチル−フェニルカルビノール由来のR,R−
ジアステレオマーの0−メチルおよび2−メチル基の両
者のシグナルは、R,S−ジアステレオマーよりも高い磁
界で現れる。T60装置によりピークは容易に分離され
る。また相対的なピークの高さは異性体の構成の概略を
良く表している。さらに、2−CF3基および94.1MHzに対
する11F共鳴の適用が可能であり、また容易に記録され
る。
上記実施態様および実施例は現在の発明の範囲と精神
を説明している。これらの実施態様および実施例は、当
業者に対し、他の実施態様および実施例を明らかにする
ものである。これらの他の実施態様は、本発明の予測の
範囲内である。従って、本発明の範囲は添付の請求範囲
により限定されるべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 53/00 7419−4H C07B 53/00 C C07M 7:00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 (式中、Arは単環、多環またはオルト縮合多環式芳香族
    基であり、該芳香族基は14個までの炭素原子を有し、該
    芳香族基は未置換であるか置換されているかのいずれか
    である。R′は炭素数1〜6のアルキルである。) で表される薬学的に活性な化合物または薬学的に許容可
    能なその塩の製造方法であって、次の工程(a)および
    (b)からなる製造方法。 (a) 2−アルキル−4−アルコキシメチル−5−フ
    ェニル−2−オキサゾリンと第I族金属含有塩基とを、
    有効量の分子ふるいの存在下で反応させる工程。ここ
    で、該オキサゾリンは次の一般式を有する。 (式中、R′は炭素数1〜6のアルキルであり、Rは
    炭素数1〜10のアルキルであり、Phはフェニルまたは低
    級アルキルで置換したフェニルである。) (b) (a)の工程で得られる生成物とAr−Halとを
    反応させる工程。ここで、Arは上記と同様に定義され、
    Halはハロゲン化物を表す。
  2. 【請求項2】Arが未置換、または炭素数1〜6のアルキ
    ル、低級アルコキシ、アリールオキシ(aryloxy)、低
    級アリールオキシ、アリール、ヒドロキシもしくはハロ
    ゲンで置換されている請求の範囲第1項に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】上記工程(b)において、有効量の分子ふ
    るいが付加的に存在する請求の範囲第1項に記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】生成する上記化合物がイブプロフェンまた
    はナプロキセンである請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】上記化合物が立体特異型として製造される
    請求の範囲第1項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】上記化合物がS型として製造される請求の
    範囲第5項記載の製造方法。
  7. 【請求項7】下記一般式 の低級アルキルオルト低級アルカン酸エステル(alkano
    ate)(R″は低級アルキルである。)と、2−アミノ
    −1−フェニル−1,3−ジオールとを、構造式Xのハ
    ロゲン化アルキルの存在下で反応させることによって、
    2−アルキル−4−アルコキシメチル−5−フェニルオ
    キサゾリンを製造する請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】下記の構造式 (式中、Arは単環、多環またはオルト縮合多環式芳香族
    基であり、該芳香族基は14個までの炭素原子を有し、該
    芳香族基は未置換であるか置換されているかのいずれか
    である。) で表される立体特異型の薬学的に活性な化合物、または
    薬学的に許容可能なその塩の製造方法であって、次の工
    程(a)および(b)からなる製造方法。 (a) リチウム含有塩基と(4S,5S)−2−アルキル
    −4−アルコキシメチル−5−フェニル−2−オキサゾ
    リンとを、有効量の分子ふるいの存在下で反応させる工
    程。ここで、該オキサゾリンは次の一般式 (式中、R′は炭素数1〜6のアルキルであり、Rは
    炭素数1〜10のアルキルであり、Phはフェニルまたは第
    I族金属含有塩基を有する低級アルキルで置換したフェ
    ニルである。) を有する。 (b) (a)によって得られる反応生成物とAr−Hal
    とを反応させる工程。ここで、Arは上記と同様に定義さ
    れ、Halはハロゲン化物を表す。
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