JP2694285B2 - 液晶組成物 - Google Patents

液晶組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、感温性コレステリック液晶の呈色温度域低
下改質剤、これを配合して呈色温度域を低温側に移動さ
せた新しい感温性コレステリック液晶組成物及び該組成
物を含有する化粧品及び被覆剤に関する。
従来の技術 コレステリック液晶組成物とは、ステロール分子末端
の水酸基をハロゲン化又はエステル化して得られる誘導
体からなる異方性液体であって、これを構成する分子は
一方向に揃って配列した多数の層を形成し、之等各層の
配列方向が少しずつずれて全体としてらせん構造(コレ
ステリック相)をなしており、温度や圧力、ガス、放射
線等の刺激によって上記らせんのピッチが変化し、この
変化が散乱光の波長変化として、即ちその波長が可視領
域であれば色彩の変化として見える物質である。しかし
て、従来より上記コレステリック液晶組成物は、例えば
表示材料、体温等の測定材料、非破壊検査材料、印刷材
料、ガス検知材料、装飾品等として、エレクトロニクス
分野、医薬分野、各種材料分野、日用品分野において種
々その用途開発が行なわれてきている。特に、上記温度
に対して色変化を起こす感温性液晶は、一つの誘導体で
全可視領域の呈色を示すものは少なく、該誘導体毎にそ
の呈色温度域は決っているが、之等を組合せることによ
って、低温度から高温度に至るに従い、その色彩を赤色
から順次黄色、緑色、青色、紫色と変化させることがで
き、かかる色彩変化による装飾効果の面より、食品、日
用品、文具、印刷、化粧品分野等において幅広い応用が
期待でき、また低温域で呈色変化するものは冷蔵、冷凍
分野、清涼飲料水分野等での応用が期待できる。
しかるに、従来より知られている感温性コレステリッ
ク液晶組成物は、総じてその呈色温度域が高温部にあり
且つその領域巾は狭く、色調も良好でなく、その構成成
分自体の安全性に問題点がある等、上記各種分野への応
用には不利がある。また最近、之等液晶組成物の有する
弊害を解消するための各種の改質剤等が種々研究され、
これを添加配合した液晶組成物が提案されている。例え
ばコレステロールオレイン酸エステルとコレステロール
ノナン酸エステルの1:1混合物に、コレステロールオレ
イルカーボネートを添加した組成物によれば、その呈色
温度域が低下し、コレステロールの塩化物にも同様の呈
色温度域低下作用のあることが報告されている〔色材、
48巻、90頁(1975年):特開昭57−32211号公報等参
照〕。しかしながら、上記呈色温度域低下作用を奏する
化合物は、それら自体安全性に問題があり、この点を解
決しない限り、特に医薬品や化粧品分野では実用が難し
いという大きな欠点があるに加え、上記コレステロール
オレイルカーボネートは化学的に不安定で、可視劣化の
原因になり、これを含む液晶組成物はその呈色が不鮮明
となる欠点も知られている〔特開昭47−17680号公報参
照〕。
また、コレステロール脂肪酸エステルは、血液中を初
めとして植物体中にも存在するものであって、その安全
性に問題はない。ステロール脂肪酸エステルの内で特に
オクタン酸、ノナン酸及びデカン酸のエステルは、従来
よりその呈色は全可視領域に及ぶことが知られている
が、この呈色変化は、90℃付近の高温における僅か数度
の非常に狭い温度範囲において生じるものであり、特に
この呈色温度域の狭さよりその実用性は乏しい。コレス
テロールオレイン酸エステルは、上記3種のステロール
脂肪酸エステルよりも若干広い40〜46℃の呈色温度域を
有しているが、なお不充分であり、しかもその色調変化
は青色より短波長のものに限られている不利がある。
上記ステロール脂肪酸エステルを適当に組合せ混合す
れば、呈色温度域、色調等を適用条件にある程度合せる
ことは可能であるが、一般に融点の高いエステル等を利
用して得られる液晶組成物では、その放置中に結晶が析
出、分離することが知られており、この分離により液晶
としての性質を失ってしまい実用できない不利があり、
上記組合せにも自ずと限度があり、現在充分に満足でき
る性質を具備したこの種液晶組成物は、なお開発される
に至っていない。
また、上記の如き感温性コレステリック液晶組成物の
化粧品分野への利用も種々研究さつつあるが、未だ安全
性等の面で満足できるものは開発されておらず、しかも
該組成物の呈色状態に変化を与える要因である螺旋状分
子配列は、温度、剪断力、他の化学物質等の種々の外的
要因により変化し、わずかの組成変化が全体としての物
性に大きな変化を与えることが予想されるため、これを
通常の油性素材と同様にそのまま化粧品等に添加配合す
ることは困難である。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは上記現状に鑑み、安全性に問題のある従
来のステロールハロゲン化物及びカーボネートエステル
を用いずとも、その呈色温度域を実用上有利な常温付近
に低下させ得る技術、そのための改質剤及びこれを配合
してなる液晶組成物の開発を目的として、鋭意研究を重
ねてきた。その過程で、近年液晶としての性質を示すこ
とが、例えば米国特許第4285697号明細書、同第3529156
号明細書等に指摘されたが、未だ他の液晶成分と組合せ
た場合の液晶としての性質に与える影響は全く知られて
おらず、詳細の明らかでない、コレスタノールのオレイ
ン酸エステル及び分岐脂肪酸エステル、並びに植物コレ
ステロールのオレイン酸エステル及び分岐脂肪酸エステ
ルに着目し、之等を公知の各種液晶成分と組合せた所、
その所定量での利用が上記目的に合致する有用且つ欠点
のない新しい液晶組成物を与えることを見いだすと共
に、之等成分の添加配合によって、安全性、安定性は勿
論のこと、液晶組成物本来の色調変化による装飾的効果
を充分に発揮できる新しい化粧品及び被覆剤を研究開発
するに成功し、ここに本発明を完成するに至った。
問題点を解決するための手段 本発明によれば、コレスタノールのオレイン酸エステ
ル及び分岐脂肪酸エステル並びに植物ステロールのオレ
イン酸エステル及び分岐脂肪酸エステルから選ばれる少
なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする感温性
コレステリック液晶の呈色温度域低下改質剤、下記条件
を満たすA群、B群及びC群からなる感温性コレステリ
ック液晶組成物と上記改質剤20〜85重量%とを含有する
ことを特徴とする液晶組成物、並びに該液晶組成物を配
合した化粧品及び被覆剤が提供される。
A群…感温性液晶としての呈色下限温度が46℃以下であ
るステロール脂肪酸エステル(但し上記改質剤有効成分
及びコレスタノールノナン酸エステルを除く) 0〜54
重量% B群…感温性液晶としての呈色下限温度が70℃以上であ
るステロール脂肪酸エステル及びコレスタノールノナン
酸エステルから選ばれる少なくとも1種(但し下記C群
に属するものを除く) 0〜52重量% C群…コレステロール及びコレスタノールの酢酸エステ
ル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル及び吉草酸エ
ステルから選ばれる少なくとも1種 7〜48重量%。
本発明の感温性コレステリック液晶の呈色温度域低下
改質剤は、上記の通りコレスタノールオレイン酸エステ
ル、コレスタノール分岐脂肪酸エステル、植物ステロー
ルオレイン酸エステル及び植物ステロール分岐脂肪酸エ
ステルから選ばれる少なくとも1種を有効成分として、
感温性コレステリック液晶組成物にその適当量、通常約
5〜85重量%、好ましくは20〜85重量%の範囲で添加配
合することによって、その液晶としての他の性質には悪
影響を及ぼすことなく、殊に該液晶組成物の呈色温度域
を低温側に移動させるという本発明所期の優れた効果を
発揮し得る。
上記本発明改質剤の有効成分として利用される植物ス
テロールオレイン酸エステル及び植物ステロール分岐脂
肪酸エステルを構成する植物ステロールは、フィトステ
ロールともいわれる公知のものであって、これは通常カ
ンペステロール、スチグマステロール、β−シトステロ
ール等の混合物であり、ブラシカステロース等の少量の
不純物を含む場合もある。本発明において上記植物ステ
ロールは、公知の各種のものでよく、これを構成する各
成分の含有率にも特に制限はないが、通常の植物ステロ
ールはカンペステロールを約12〜45重量%、スチグマス
テロールを約2〜45重量%、β−シトステロールを約25
〜75重量%の範囲で含有しており、かかる植物ステロー
ルが本発明に有利に利用できる。
また本発明改質剤の有効成分として利用されるコレス
タノール分岐脂肪酸エステル及び上記植物ステロール分
岐脂肪酸エステルを構成する分岐脂肪酸成分は、一般に
炭素数8〜18のものであるのが好ましい。該分岐脂肪酸
成分としては、代表的には2−エチルヘキサン酸、ジメ
チルオクタン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン
酸、イソステアリン酸、イソノナン酸等を例示できる。
之等の内でイソステアリン酸としては市販のガーベット
ステアリン酸(三菱化成社製)、エマゾール871、同875
(いずれもエメリーインダストリー社製)、ファインオ
キソコールNA(日産化学社製)等を有利に使用できる
が、之等に限定される訳ではなく、上記分岐鎖の位置も
特に限定はなく任意であり、該分岐鎖の数も1つである
必要はなく2つ以上であってもよく、勿論之等分岐脂肪
酸はその2種以上の混合物であってもよい。
本発明改質剤有効成分化合物とする上記コレスタノー
ルオレイン酸エステル、コレスタノール分岐脂肪酸エス
テル、植物ステロールオレイン酸エステル及び植物ステ
ロール分岐脂肪酸エステルはいずれも、結晶化防止作用
を有し且つ低融点であり、室温及びそれ以下の温度でそ
れら自体で液晶構造をとることができる。上記の内、コ
レスタノールオレイン酸エステルはそれ自体可視領域で
呈色する性質を兼ね供えているが、他の化合物、即ちコ
レスタノール分岐脂肪酸エステル、植物ステロールオレ
イン酸エステル及び植物ステロール分岐脂肪酸エステル
は可視領域での呈色は示さない。
本発明の上記改質剤によって呈色温度域が低下改質さ
れる感温性コレステリック液晶組成物としては、従来よ
り感温性液晶として利用されている各種のコレステリッ
ク液晶物質のいずれであってもよく、本発明改質剤の添
加配合によれば、之等のいずれもその呈色温度、特に呈
色上限温度が良好に低下され得る。上記液晶物質の具体
例としては、例えば以下の各種のものを例示できる。
I.コレステロールハロゲン化物 例えばコレステロールクロライド、コレステロールブ
ロマイド等。
II.コレスタノールハロゲン化物 例えばコレスタノールクロライド、コレスタノールブ
ロマイド等。
III.植物ステロールハロゲン化物 例えばシトステロールクロライド、シトステロールブ
ロマイド、カンペステロールクロライド、カンペステロ
ールブロマイド等。
IV.ステロール脂肪酸エステル類 コレステロール、コレスタノール及び植物ステロール
の脂肪酸エステル。
V.ステロール炭酸エステル類 例えばコレステロールオレイルカーボネート、コレス
テロールイソステアリルカーボネート等の、コレステロ
ール、コレスタノール及び植物ステロールの炭酸エステ
ル。
VI.その他 例えばコレステロールベンゾエート等。
上記各液晶物質は、その1種を単独で又は2種以上を
混合して、本発明改質剤を添加配合すべき感温性コレス
テリック液晶組成物として利用することができる。
本発明改質剤の適用に特に適した感温性コレステリッ
ク液晶組成物としては、前記A群、B群及びC群に属す
る各成分の所定割合混合物を挙げることができ、本発明
はかかる組成物と上記改質剤の所定量とを含有する新し
い感温性コレステリック液晶組成物をも提供するもので
ある。
この本発明液晶組成物において、A群〜C群に属する
液晶物質は主として組成物自体の呈色に関与する成分で
あって、之等液晶物質にはより具体的には以下のものが
包含される。
A群に属するステロール脂肪酸エステルとしては、そ
の呈色下限温度が46℃以下である、例えばコレステロー
ルオレイン酸エステル、コレステロールイソステアリン
酸エステル、コレステロールリノール酸エステル等のコ
レステロールの長鎖脂肪酸エステルと共に、コレスタノ
ールリノール酸エステル等のコレスタノールの長鎖脂肪
酸エステル(但しコレスタノールのオレイン酸エステ
ル、分岐脂肪酸エステル及びノナン酸エステルを除く)
を例示できる。
B群に属するステロール脂肪酸エステルとしては、そ
の呈色の下限温度が70℃以上である、例えばコレステロ
ール及びコレスタノールのそれぞれのヘキサン酸エステ
ル、オクタン酸エステル、ラルリル酸エステル、デカン
酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エス
テル、ステアリン酸エステル等及びコレステロールノナ
ン酸エステルを例示できる。またこのB群にはコレスタ
ノールノナン酸エステルが包含される。
C群は、コレステロール及びコレスタノールの酢酸エ
ステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル及び吉草
酸エステルから選択される。
上記A群、B群及びC群と共に本発明改質剤の所定量
を含有する本発明のコレステリック液晶組成物における
上記各群に属する成分の配合割合は、本発明改質剤を含
む全組成物重量を基準としてA群0〜54%(重量%、以
下同じ)、B群0〜52%及びC群7〜48%から選択さ
れ、特にA群0〜54%、B群0〜50%及びC群10〜45%
から選択されるのが適当である。上記各群に属する液晶
物質の配合割合が上記範囲を外れる場合、例えばB群が
多すぎると、結晶が分離する場合があり、呈色の上限温
度が比較的高くなり(同じ温度であれば、色調は長い波
長側にシフトする)、本発明改質剤の効果が顕著でなく
なる傾向がある。またC群が少なすぎると同様に呈色上
限温度低下効果が顕著でなくなったり、鮮明な呈色領域
が狭くなり、逆にC群が多すぎると結晶が分離する場合
がある。
上記特定のA群、B群及びC群に属する液晶物質を含
有するコレステリック液晶組成物を利用した本発明の液
晶組成物は、特に従来のこの種コレステリック液晶組成
物に見られる各種の欠点が悉く解消されており、且つ従
来の液晶には見られない各種の利点を有している。即
ち、該組成物は適当な呈色温度範囲と色調とを具備し、
特に室温付近での温度変化によりさまざまな色調の変化
を示し、その装飾効果が非常に優れている。また室温乃
至低温での放置により結晶が析出し液晶の性質を失なう
欠点や、一度析出した結晶を液晶領域を通り越して融点
以上に加熱して等方性液体としなければ元の液晶状態に
戻らない欠点も解消される。
本発明改質剤及びこれを配合した液晶組成物に見られ
る上記呈色温度域低下改質効果を初めとする各種の非常
に優れた効果は、現在これがいかなる理由によるものか
尚明らかではないが、本発明改質剤の有効成分は、いず
れもコレステロールオレイン酸エステル等とよく似た分
子構造を有しており、その配合により液晶組成物を多成
分系としたことに基づいて、得られる組成物の融点が低
下し、また上記有効成分化合物は比較的低融点であり、
これらが他の高融点エステルの溶媒としても機能するた
めではないかと考えられる。
いずれにせよ、従来本発明改質剤の有効成分とする化
合物を配合した液晶組成物は皆無であり、かかる組成物
が上記各種の利点を有する事実は、本発明者らが初めて
発見した新しい知見である。
本発明液晶組成物は、上記特定の有効成分化合物を改
質増とし、その所定量を含有させることを除いて、従来
公知のこの種液晶組成物と同様に調製され、同様に実用
できる。
感温性コレステリック液晶組成物における本発明改質
剤の配合量は、前記した通り一般に全組成物中に5〜85
重量%、好ましくは20〜85重量%含有される量から選択
され、この量範囲において本発明所期の呈色温度域低下
改質効果を奏し得る。また上記A群、B群及びC群から
なる本発明の感温性コレステリック液晶組成物における
上記改質剤の配合量は、上記好ましい範囲から選択さ
れ、これにより上述した格別顕著な効果が奏される。し
かるに上記量範囲を外れる場合、例えば上記範囲を下回
る量の配合ではその配合効果、特に呈色温度域の低下効
果を奏し難くなり、また上記範囲を上回る配合では、呈
色の鮮明な領域が狭くなったり呈色下限温度が高くなる
場合がある。
尚、上記感温性コレステリック液晶組成物には、本発
明改質剤及び前記A〜C群に属する化合物の他に、更に
粘度調整、呈色温度域調整等の目的で例えば流動パラフ
ィン、スクアラン、ワセリン、液状脂肪酸、ステロー
ル、他のステロール脂肪酸エステル等を必要に応じて配
合してもよく、之等を含有する組成物もまた本発明に包
含される。
本発明のコレステリック液晶組成物は、油性物質であ
り、そのままでは水と混合できず何らの相互作用も受け
ないため、これを利用して該組成物を親水性物質の中に
封入させて分散させ、安定な状態を保持することがで
き、該親水性物質がゲルの場合は分散した液晶組成物が
再合一することはない。従って、本発明はかかる親水性
ゲル中に本発明液晶組成物を分散懸濁させた形態での該
組成物の利用、殊に化粧品分野におけるクリーム等とし
ての利用や、塗料、着色剤等の分野における被覆剤とし
ての利用等を包含する。
本発明化粧品は、液晶組成物自体安全性に優れてお
り、該液晶組成物による優れた装飾効果が発現されるの
みならず、これを皮膚、髪等に適用すれば、上記液晶組
成物を構成するステロール脂肪酸エステルによる生理活
性作用も期待できる。
上記親水性物質としては、本発明液晶組成物と相互に
溶解しない各種のものを使用できる。その具体例として
は通常化粧品分野で慣用されている例えばグリセリン、
プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリ
コール等の保湿剤、クインスシードゴム、トラガントゴ
ム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、
天然高分子多糖類等の増粘剤等を例示できる。
更に、本発明液晶組成物に有機溶媒を加えると該組成
物の分子配列の自由度が増加して液晶としての性質は失
われるが、これから溶媒を揮発させると、該液晶組成物
と相溶する物質がなければ、再び結晶としての性質を示
す。この性質を利用して溶媒のない状態で液晶組成物と
相溶しないか又は分子配列を大きく変化させない物質で
あれば、該液晶組成物と混合して用いることができる。
この場合、液晶組成物以外の物質と該組成物が溶媒によ
り可溶化される必要は必ずしもない。可溶化された場合
は使用時に混合する必要がなく有利であるが、可溶化さ
れない場合は2相分離した混合物を使用時によく分散さ
せればよい。従って、本発明はかかる有機溶媒を用いて
調製される溶剤、殊に溶剤形態の化粧品や被覆剤、例え
ばエアゾール、マニキュア製品等をも提供する。
エアゾール製品の場合、本発明液晶組成物はこの種製
品に多用されるエタノールには殆んど溶けないが、噴射
剤として用いられるフッ化炭化水素類にはよく溶解す
る。液晶組成物を該フッ化炭化水素類に溶かして粘度を
低下させ、他の有効成分を主としてエタノールに溶かし
て用いることにより、本発明液晶組成物本来の装飾効果
を最大限に発揮できる製品を得ることができる。即ち、
本発明液晶組成物はフッ化炭化水素類に溶けた状態では
液晶性を示さないが、エアゾール製品を噴霧実用すれ
ば、フッ化炭化水素及びエタノールが気化し、液晶組成
物が本来の液晶性を示すこととなる。尚、上記エアゾー
ルにおける噴射剤としては、フッ化炭化水素類を限定さ
れず、炭酸ガス、イソパラフィン、ブタン、プロパン等
の液化石油ガス、窒素ガス等も利用できる。之等の場
合、液晶組成物の粘度を低下させるための適当な溶解剤
を配合することもできる。かくして調製されるエアゾー
ル製品はこれを髪に対して用いて、黒地を背景として最
も美しい装飾効果を発現できる。
同様にして、本発明液晶組成物は色材と噴射剤、樹脂
の処方中にこれを配合することによって、吹き付け塗料
等の形態とすることもでき、かかる液晶組成物と色材と
の混合によれば、液晶の呈色は通常の色の混合の場合と
同様に変化する。即ち、黒地を背景として青色に呈色し
ている液晶に赤色色素を混合すれば紫色が観察される。
温度変化により液晶の呈色が黄色に変化すれば混合色は
それに対応して黄赤色に変化する。
また、前記マニキュア製品につき詳述すれば、該製品
にはネイルラッカー、ベースコート、トップコート等が
包含される。ネイルラッカーの構成材料は皮膜成分とし
ての例えばニトロセルロース、アルキッド樹脂、アクリ
ル樹脂等の皮膜形成剤、カンファー、フタル酸エステ
ル、クエン酸エステル等の可塑剤、無機顔料、有機顔
料、魚鱗箔、合成箔、染料等の色材及び蒸発成分として
の真溶剤、助溶剤、希釈剤等である。本発明液晶組成物
やそのマイクロカプセルは上記皮膜成分とは相溶しない
ので、色材の一部に処方するか又は色材の代りに利用
し、ニトロセルロースを多くしてトップコートとし、そ
れを通常のマニキュアの上に重ね塗りすることにより、
装飾効果の優れたマニキュア製品とできる。
上記色材の代りに利用する場合、本発明液晶組成物は
これをマイクロカプセル化して利用でき、本発明はかか
るマイクロカプセル化された液晶組成物を含有する化粧
品、被覆剤等をも提供する。
上記液晶組成物のマイクロカプセル化は、通常の方法
〔例えば特公昭50−11344号公報、同60−385号公報、特
開昭56−49312号公報等参照〕に従い実施でき、これに
よれば液晶組成物の安定性、配合性が向上され、また得
られるマイクロカプセルは親油性媒体中に添加されても
その分子構造に変化が起きず、液晶性を良好に保持でき
る。
上記マイクロカプセルを油性素材と混合する場合、分
散状態を改善するために例えばソルビタンモノラウレー
ト等の活性剤の適当量を更に添加配合することもでき
る。またマイクロカプセルはこれをローション、クリー
ム、パック剤等の形態の化粧品中にも任意に配合でき、
保湿剤と共に上記マイクロカプセルを配合することによ
り、簡単に液晶の装飾効果を発現可能な化粧品を調製で
きる。
またマイクロカプセル化した該組成物を、例えばアク
リルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、ブタジエン
等の適当な水溶性接着剤成分と、ワックスエマルジョ
ン、カゼイン、浸透剤等の浸透密着性、耐水性、耐溶剤
性等の物性の改良、強化剤成分と合わせて使用すること
により、装飾効果の優れた感温性被覆剤を調製すること
ができる。
更に、上記被覆剤にトップコートとしてウレタン、硝
化綿ラッカー等を重ねて塗布することもでき、かかる使
用によれば溌水性、耐摩耗性、耐候性等を強化すること
ができる。
上記本発明被覆剤は、特に皮革製品の塗装仕上げ剤、
紙製品、金属、プラスチックス、ゴム等の各種製品に一
般的な塗料等と同様にして適用でき、その使用の簡便さ
にもかかわらず、極めて斬新で優れた装飾効果、意匠、
ファッション性等を製品に付与することができる。
上述した本発明液晶組成物の各種形態での化粧品及び
被覆剤への適用については、後記実施例にその具体例を
詳述するが、本発明組成物の各種製品中への配合割合
は、化粧品や被覆剤製品の形態、之等製品への本発明組
成物の配合方法等に応じて適宜決定され、特に限定され
ない。通常該組成物本来の優れた装飾効果を奏し得る配
合量は、化粧品ではその製品重量の少なくとも0.1重量
%とされるのが好適である。
実施例 以下、本発明を更に詳しく説明するため本発明組成物
に利用する各成分化合物の製造例を挙げ、次いで本発明
液晶組成物の実施例及びこれを利用した化粧品の実施例
を挙げる。尚、各例中%とあるは重量%を示す。
製造例 1 コレスタノール400g、オレイン酸(エクストラオレイ
ン、日本油脂社製)305g及びパラトルエンスルホン酸2g
をガラス製の4つ口フラスコに入れ、減圧下に150℃で
8時間反応させた。反応終了後、得られるエステルを精
製して、コレスタノールオレイン酸エステル350gを得
た。以下これを「DO」と略記する。このものの液晶とし
ての呈色温度域は16.5〜25.0℃である。
上記において用いたコレスタノール及びオレイン酸を
他のステロール及び脂肪酸にかえて、同様にして、各種
のエステルを合成、精製して、下記に略号で示す各エス
テルを得た。
尚、イソステアリン酸としてはエメリーインダストリ
ー社製「エマゾール875」を使用した。また植物ステロ
ールとしてはタマ生化学社製フィトステロール[カンペ
ステロール32%、スティグマステロール9%、β−シト
ステロール53%を含有する]を使用した。
下表に示すエステルには市販品も含まれている。また
各エステルの呈色温度域は、後記実施例1に示す方法に
より測定したものであり、この項における−印は呈色温
度域がないことを示す。
上記表に示したエステル類の分析値の一例は次の通り
である。
製造例 2 コレステロール400g及び無水酪酸163gにn−ヘプタン
2000mlを加え、80℃で撹拌下に窒素ガスを吹込みながら
14時間還流して反応させた。反応終了後、水を加えて30
分間撹拌して過剰の無水酪酸を酪酸に分解後、洗浄除去
した。次いで上記と同様にして精製して、コレステロー
ル酪酸エステル320gを得た。以下これを「CB」と略記す
る。
その呈色温度域(℃)を次に示す。
上記と同様にして、以下に略号にて示すC群に属する
各エステルを得た。
実施例 1 上記各製造例に示したエステルをそれぞれ用いて、下
記第1表に示す配合組成(重量%)の本発明液晶組成物
を調製した。
上記第1表に示す各液晶組成物の呈色域、色調及び安
定性を下記方法に従い調べた。
得られた結果を第2表に示す。
〈呈色域の測定〉 液晶サンプル約1gを直径16.5×13cmの試験管に入れ、
温度調節装置の付いたガラス製水槽の中に漬け、該試験
管の後ろに黒色の板を置き、水温を1℃/分の速度で低
下させながら、呈色温度域を計る。色調は主として膜厚
が薄く鮮明な発色を示す試験管壁の色で判定する。尚、
温度低下に伴い、途中色調が不鮮明になる領域が現れる
ことがある。
上記に伴い判定される発色が0〜35℃より広い範囲で
液晶状態を示すものを合格とした。
〈色 調〉 色調は目視判別し、各組成物の20℃及び25℃の色が青
色より長波長(赤〜緑色〜青色)のものを合格とした。
〈安定性〉 各組成物試料を4℃にて72時間放置した後、25℃に戻
して検査を行ない、25℃での液晶状態が放置前と同じも
のを合格とした。
上記第2表より、本発明組成物は呈色温度域も0〜35
℃と広く、色調も室温付近で赤〜青色と装飾性に富んで
おり、放置により分離・析出した結晶が融点以上に加熱
して等方性液体までにしなくても液晶としての性質を回
復していることが明らかである。
実施例 2 実施例1と同様にして、下記第3表に示す組成(%)
の液晶組成物を調製した。
上記第3表に示す各組成物の呈色上限温度(℃)及び
呈色下限温度(℃)を実施例1と同様にして求めた結果
を下記第4表に示す。また第4表には呈色が不鮮明とな
る温度領域巾(℃)を調べた結果を併記する。
尚、組成物No.356の場合、40〜46℃の領域で呈色が不
鮮明であり、60℃以上での呈色も弱かった。
上記第4表より、CN/C8=1/1の液晶組成物にDOを5%
添加することにより、呈色温度域はその上限及び下限共
に低温側に移動(組成物No.347及び354)し、その移動
の巾はDO添加量に応じて増加(組成物No.347と354、34
8、350及び352)することが判る。
また比較例として上記組成物No.347と同じCN/C8=1/1
組成の組成物に更にCO及びCOCをそれぞれ20%添加した
ものを組成物No.351及び356として示したが、DOを20%
添加した本発明の場合(組成物No.350)の呈色温度域低
下効果の方が上記CO添加による組成物(No.351)よりも
大きいことが判る。
COC添加の場合(組成物No.356)は、呈色温度上限の
低下は、上記組成物No.350よりも5℃大きいが、これは
途中の色調が不鮮明な領域巾が20℃とかなり大きく、こ
の点DO添加の場合(6℃と狭い)の方が優れている。ま
たこのCOC添加の場合は、呈色が弱くなりやすい傾向が
見られる。
実施例 3 実施例1と同様にして、下記第5表に示す各液晶成分
にDOをそれぞれ所定量添加配合して液晶組成物を調製し
た。
各組成物の呈色上限温度及び呈色下限温度を実施例2
と同様にして求めた結果を第5表に併記する 第5表より、各種液晶成分にDOを添加すれば、いずれ
も呈色域の低下することが明らかである。
実施例4 実施例1と同様にして、下記第6表に示す組成の液晶
組成物(DN/CB=1/1にDOを所定量添加配合したもの)を
調製した。
各組成物の呈色上限温度(℃)及び呈色下限温度
(℃)を実施例2と同様にして求めた結果並びに0℃に
おける各組成物の色調を調べた結果を第6表に併記す
る。
第6表より、DN/CB=1/1の液晶組成物にDOを添加して
いくと呈色温度上限は添加量に伴い低下していくことが
明らかである。尚、呈色温度下限については0℃以下は
測定していないが、0℃の色調は短波長に変化してお
り、呈色温度域は全体として低温側に移動していると推
定できる。
実施例5 実施例1と同様にして、下記第7表に示す組成の液晶
組成物を調製した。
各組成物の呈色温度域、色調及び安定性を実施例1と
同様にして求めた結果を第8表に示す。
実施例6 実施例1と同様にして、下記第9表に示す組成の液晶
組成物を調製した。
各組成物の呈色温度域、色調及び安定性を実施例1と
同様にして求めた結果を第10表に示す。
実施例 7 実施例1と同様にして下記第11表に示す組成の液晶組
成物を調製した。
得られた液晶組成物の呈色温度上限、呈色温度下限、
呈色の不鮮明領域巾を調べた結果を第11表に併記する。
第11表より、組成物No.377は組成物No.380に比べて呈
色温度上限が22℃も低下し、呈色温度下限は同じ(2℃
以下は測定せず)であり、また不鮮明領域は全くなく
(0℃)、優れたものであることが判る。
実施例 8 実施例1と同様にして下記第12表に示す組成の液晶組
成物を調製した。
得られた液晶組成物の呈色温度上限、呈色温度下限、
不鮮明領域巾を調べた結果を第12表に併記する。
尚、呈色温度下限は2℃以下は測定していない。
第12表からも組成物No.395は組成物No.394に比べて、
その性能の改善された優れたものであることが判る。
実施例 9 実施例1と同様にして下記第13表に示す組成の液晶組
成物を調製し、得られた組成物の呈色温度上限、呈色温
度下限、不鮮明領域巾を調べた。その結果を第13表に併
記する。
尚、呈色温度下限は2℃以下は測定していない。
第13表からも組成物No.397は組成物No.396に比べて、
その性能の改善された優れたものであることが判る。
実施例10 実施例1と同様にして下記第14表に示す組成の液晶組
成物を調製し、得られた組成物の呈色温度上限、呈色温
度下限、不鮮明領域巾を調べた。その結果を第14表に併
記する。
尚、呈色温度下限は2℃以下は測定していない。
第14表からも組成物No.399は組成物No.397に比し性能
が改善されていることが判る。
実施例11 実施例1と同様にして下記第15表に示す組成の液晶組
成物を調製し、得られた組成物の呈色温度上限、呈色温
度下限、不鮮明領域巾を調べた。その結果を第15表に併
記する。
第15表から明らかなように組成物No.430は組成物No.4
02に比し性能が改善されたものであることが判る。
実施例12 実施例6(第9表)に示す組成物No.270を注射器に入
れ、下記組成の親水性ゲル中に幾何学的模様を描きなが
ら注入した。
〈親水性ゲル組成〉 ヒドロキシエチルセルロース 3.0 % カルボキシビニルポリマー 1.0 % ポリオキシエチレンオレイル エーテル 1.0 % KOH 0.5 % エタノール 5.0 % 精製水 89.5 % 上記により、透明なゲル中に青緑色の綺麗な幾何学的
模様が得られた。このゲルを皮膚に塗布すると塗布中に
黄赤色から青紫色までの色調変化が生じ、その後皮膚に
吸収されるまでの間、上記青紫色が観察された。
実施例13 実施例12に示した液晶組成物20%を70℃の精製水69.5
%に徐々に添加した。添加後、70℃で撹拌しながらこれ
にエタノール5%で膨潤させたヒドロキシエチルセルロ
ース3%及びカルボキシビニルポリマー1%を添加して
溶解させた。これに更にKOH 0.5%及びポリオキシエチ
レンオレイルエーテル1%を加えて混合後、冷却した。
かくして透明ゲル中に青緑色の綺麗な小滴が分散した
ゲルを得た。
このゲルはこれを皮膚に塗布すると塗布中に黄赤色か
ら青紫色までの変化が生じ、その後皮膚に吸収されるま
での間、青紫色を維持した。
実施例14 エアゾール用耐圧性容器に下記処方に基づき各成分を
充填して整髪剤を調製した。
アクリル樹脂アルカノール 30 % アミン液(30%) ポリオキシエチレンオレイル 0.01% エーテル 変性アルコール 26.99% 液晶組成物(No.270) 5.0 % 噴射剤(F12/11=70/30) 65.0 % この整髪剤は、これを髪に噴射した結果、観察する方
向によって黄赤色から青紫色まで変化する綺麗な装飾効
果が得られた。
実施例15 アラビアゴム−ゼラチンを用いた公知の方法〔特公昭
50−11344号公報参照〕に準じて液晶組成物(No.270)
のマイクロカプセル(粒径10〜30μm)を調製した。
得られたマイクロカプセル1%を精製水に懸濁させ、
これにプロピレングリコール9%を添加して70℃に保
ち、更に70℃で混合溶解させて調製したステアリン酸2
%、ワセリン2%、自己乳化型モノステアリン酸グリセ
リン2.5%及びポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アリン酸エステル(20E.O.)1.5%からなる油相成分を
添加して乳化させ、30℃まで冷却して、エモリエントク
リームを得た。
このエモリエントクリームは皮膚に塗布すると添加さ
れた液晶組成物により塗布中に黄赤色から青紫色まで変
化が招じ、その後皮膚に吸収されるまでの間青紫色を示
していた。
上記の通りマイクロカプセル化により液晶成分が保護
され、他の油相成分と共に処方できる。また2種以上の
結晶組成物をマイクロカプセル化し、混合して用いれ
ば、種々の温度で種々呈色する処方を得ることもでき、
装飾効果を一層高め得る。
実施例16 白色ワセリン13.0%、アセチル化ラノリン5.0%、イ
ソプロピルラノレート2.0%、マイクロクリスタリンワ
ックス15.0%及び流動パラフィン30%を混合加熱して均
一に融解させ、これに予め混合した酸化チタン8%、タ
ルク8%及びグンジョウ14%を加え、ロールミルで練っ
た。次に再融解して実施例15と同様にして調製した液晶
組成物のマイクロカプセル5%を添加混合し、脱泡後、
容器に流しこみ放冷し、軟膏型アイシャドーを得た。
これは塗布適用後青色の地に対して方向、温度により
綺麗な緑色から紫色に変化する色調が観察された。
実施例17 ニトロセルロース22.0%、アルキッド樹脂3.0%、カ
ンファー3.0%、酢酸ブチル23.0%、酢酸エチル9.0%、
エタノール7.0%及びトルエン27.0%からなる樹脂溶液
に、液晶組成物(No.270)6%を分散させ、トップコー
トを得た。
このトップコートを市販の黒色マニキュアに重ね練り
した所、青緑色の美しい色が観察された。
実施例18 ニトロセルロース15.0g、アルキッド樹脂12.0%、カ
ンファー6.0%、酢酸ブチル20.0%、酢酸エチル8.0%、
エタノール7.0%及びトルエン27.4%からなる樹脂溶液
に、D&C Red#19 0.30%、オイルピンク0.15%及び実
施例15と同様にして調製した液晶組成物のマイクロカプ
セル4.0%を分散させ、ネイルカラーを得た。
これは塗布後赤色の背景に対して方向により青緑色か
ら青紫色に変化する色調が観察された。
実施例19 ヒマシ油43.3%、ヘキサデシルアルコール22.0%、ラ
ノリン4.0%、ミツロウ5.0%、オゾケライト4.0%、キ
ャンデリラロウ7.0%及びカルナバロウ2.0%を加熱溶融
して均一にまぜた。これに酸化チタン2.0%、赤色202号
0.5%、赤色204号2.5%、赤色227号アルミレーキ2.5%
及びダイダイ201号0.2%を加え、ロールミルで練り均一
に分散させた後再融解し、更に実施例15と同様にして調
製した液晶組成物のマイクロカプセル5%を加えて混合
し、脱泡後、型に流し急冷して固化させフレーミング
後、口紅を得た。
実施例20 精製水58%にプロピレングリコール3.0%を加えて溶
解させた。これに1部のアルコールで湿潤させたポリビ
ニルアルコール15.0%及びカルボキシメチルセルロース
ナトリウム5.0%を加え、70℃に加熱してかきまぜなが
ら溶解させた。得られた液に更にアルコールを加えて全
アルコール量を10%とすると共に、香料0.5%、適量の
酸化防止剤と可溶化剤との溶液及び固形分濃度25%の本
発明液晶組成物No.270のマイクロカプセル(実施例15で
得たもの)8.5%(固形分換算)を加えて混合した後、
冷却した。
上記によりゼリー状のパック剤を得た。
このものは皮膚に塗布すると始めは透明であったが、
乾燥に伴って徐々に赤紫色を呈した。
上記のように本発明液晶組成物のマイクロカプセルの
スラリーは、湿潤状態では白色の懸濁液であるが、乾燥
に伴い感温性液晶として呈色を示し、パック剤として用
いると水分含用量の指標ともなり、パック剤をはがすべ
き時間をその呈色により容易に判別できる効果がある。
上記パック剤はゼリー状拭きとり型、ペースト状洗い
流し型、粉末パック型としても同様の効果を示す。
実施例21 なめし、乾燥の終了した皮革に、下地処理とし黒顔料
を水中に分散させた水性顔料であるYSカラーブラックAK
(吉川製油社製)20%、ポリアクリル酸エステル、ウレ
タンエラストマー、ワックス、カゼイン等からなるバイ
ンターであるYSバインダーCP−1000(吉川製油社製)40
%及び水40%からなるベースコート剤をスプレーにより
2回コートした。
次いで実施例15で調製した本発明液晶組成物のマイク
ロカプセル(No.270、固形分濃度25%の懸濁液)20%、
YSバインダーCP−2000(吉川製油社製)40%及び水40%
からなる液晶コート剤を同様に2回スプレーコートし
た。
更に、ウレタンエラストマー、ポリアクリル酸エステ
ル、カゼイン、ワックス、紫外線吸収剤からなる水性ト
ップコート剤YSトップ−CPW(吉川製油社製)50%及び
水50%からなる水性トップコート剤を1回スプレーコー
トした。
最後に、硝化綿を主成分とし、紫外線吸収剤を含有す
るトップラッカーYSトップクリヤー(吉川製油社製)50
%及びYSシンナーS(同上社製)50%からなる溶剤トッ
プコートを1回スプレーコートした。
上記により、0℃から40℃の間でオレンジ色から青紫
色まで変化する美しい皮革を得た。この皮革は耐水性も
よく、摩擦試験(湿式及び乾式)、−15℃で5000回の耐
寒屈曲試験、染色堅牢度試験(紫外線照射50時間)の全
てに合格した。
上記と同様にして適当な下地処理、表面処理と組合せ
ることによって、本発明被覆剤は皮革以外の紙、ゴム、
プラスチックス、金属、繊維等の各種素材に適用して、
同様の効果を奏し得る。
実施例22 10%ポリビニルアルコール水溶液50%と、実施例15で
調製した液晶組成物のマイクロカプセル懸濁液(固形分
濃度25%)50%とを混合して本発明被覆剤を得た。
このものを黒色の紙にスプレーして乾燥させた。得ら
れた本発明被覆剤処理紙は、0℃から40℃の温度変化に
伴って、オレンジ色から青紫色まで色調の変化が認めら
れる感温性紙であった。
実施例23 実施例1と同様にして、CN/DB=1/1の液晶組成物に更
に下記第16表に示すようにDO、PO及びDISの所定量を添
加した液晶組成物を調製した。
尚、上記表において色調の表示は以下の略号によっ
た。以降の表においても同様とする。
O…橙、G…緑 Y…黄、B…青 P…紫、YG…黄が強い緑 GB…緑が強い青、BG…青が強い緑 OY……橙が強い黄、YO…黄が強い橙 BP…青が強い紫、PB…紫が強い青 GO…緑が強い橙、OG…橙が強い青 f…鮮明、w…呈色が弱い 上記表より、本発明組成物はDO、DIS又はPOの添加に
より、呈色の上限温度が低下し、また25℃での色調もそ
れらの添加量の増大に伴って短波長側にシフトしている
ことが判る。
尚、下限温度については2℃以下は測定していない
が、2℃の色調は短波長側に変化しており、上限温度の
低下と合わせて呈色温度域は低温側に移動している。
実施例24 下記第17表に示す組成の液晶組成物を調製した。
上記各液晶組成物の25℃における色調及び低温安定性
を調べた結果を下記第18表に示す。
尚、上記表において、低温安定性の評価は各液晶組成
物を25℃で放置した際、結晶が析出しても1時間以内に
速やかに回復するものを合格とした。
液晶の用途によっては呈色域はそれほど問題になら
ず、色調と低温安定性が非常に重要となる場合もある。
本実施例はかかる低温安定性を重視した場合の例であ
り、上記表より得られた本発明組成物は、いずれも優れ
た低温安定性を有していることが判る。
実施例25 実施例24と同様にして、下記第19表に記載の組成を有
する液晶組成物を調製した。
上記各液晶組成物の25℃における色調及び低温安定性
を同様にして調べた結果を第19表に併記する。
本例においても、前記第18表に示した結果と同様に、
本発明液晶組成物は優れた低温安定性を有することが明
らかである。
実施例26 実施例24と同様にして、下記第20表に記載の組成を有
する液晶組成物を調製した。
上記各液晶組成物の25℃における色調及び低温安定性
を同様にして調べた結果を第20表に併記する。
本例においても、前記第18表に示した結果と同様に、
本発明液晶組成物は優れた低温安定性を有することが明
らかである。
実施例27 実施例24と同様にして、下記第21表に記載の組成を有
する液晶組成物を調製した。
上記各液晶組成物の25℃における色調及び低温安定性
を同様にして調べた結果を第21表に併記する。
本例においても、前記第18表に示した結果と同様に、
本発明液晶組成物は優れた低温安定性を有することが明
らかである。
実施例28 実施例24と同様にして、下記第22表に記載の組成を有
する液晶組成物を調製した。
上記各液晶組成物の25℃における色調及び低温安定性
を同様にして調べた結果を第22表に併記する。
本例においても、前記第18表に示した結果と同様に、
本発明液晶組成物は優れた低温安定性を有することが明
らかである。
発明の効果 本発明によれば、以下の効果が奏される。
従来の液晶組成物に比べて、より低温域で呈色する
液晶組成物を提供できる。
COCはDOと同様に呈色温度域を低下させることがで
きるが、往々にして色調が不鮮明となり、また呈色が弱
くなることがあるのに対し、DOはかかる色調を不鮮明と
したり、呈色を弱くする弊害はない。
液晶組成物の呈色温度域を低下させることにより、
混合調製された液晶組成物の保存安定性が増加するの
で、体温付近やそれ以下での使用用途の拡大が可能であ
る。
安全性に問題があるような用途の場合、該安全性に
問題のある液晶物質を利用することなく、安全に呈色温
度域を低下させ得る。
ステロール脂肪酸エステルを液晶成分として装飾効
果が高く、また保存中に液晶状態が変化しないか又は変
化しても加熱なしで室温に戻すことにより容易に回復可
能なる液晶組成物を提供できる。
安全性、安定性に優れた化粧品、被覆剤を提供で
き、之等は装飾効果に優れるのみならず、特に化粧品で
は皮膚等に対する生理活性機能をも発揮することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 水越 忠己 兵庫県姫路市梅ケ谷町27―32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コレスタノールのオレイン酸エステル及び
    分岐脂肪酸エステル並びに植物ステロールのオレイン酸
    エステル及び分岐脂肪酸エステルから選ばれる少なくと
    も1種を有効成分とすることを特徴とする感温性コレス
    テリック液晶の呈色温度域低下改質剤。
  2. 【請求項2】下記条件を満たすA群、B群及びC群から
    なる感温性コレステリック液晶組成物と請求項記載の
    改質剤20〜85重量%とを含有することを特徴とする液晶
    組成物。 A群…感温性液晶としての呈色下限温度が46℃以下であ
    るステロール脂肪酸エステル(但し請求項記載の改質
    剤有効成分及びコレスタノールノナン酸エステルを除
    く) 0〜54重量% B群…感温性液晶としての呈色下限温度が70℃以上であ
    るステロール脂肪酸エステル及びコレスタノールノナン
    酸エステルから選ばれる少なくとも1種(但し下記C群
    に属するものを除く) 0〜52重量% C群…コレステロール及びコレスタノールの酢酸エステ
    ル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル及び吉草酸エ
    ステルから選ばれる少なくとも1種 7〜48重量%。
  3. 【請求項3】請求項に記載の液晶組成物を含有するこ
    とを特徴とする化粧品。
  4. 【請求項4】請求項に記載の液晶組成物を含有するこ
    とを特徴とする被覆剤。
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