JP2693572B2 - 洗濯機等の洗剤供給装置 - Google Patents

洗濯機等の洗剤供給装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、洗濯機等の機器内部に洗剤特に粉末洗剤を
供給するところの洗濯機等の洗剤供給装置に関する。
(従来の技術) 従来より、例えば洗濯機においては、その内部の洗濯
槽に粉末洗剤を自動的に供給するものが考えられてい
る。
このものは、粉末洗剤を所定の洗剤貯留ケース内に貯
留して該洗剤貯留ケース下部の洗剤出口から出し供給す
るもので、その洗剤出口は、通常、開放したままとなっ
ている。
このため、その洗剤出口からは洗剤貯留ケース内の貯
留粉末洗剤が、洗濯機運転時の振動等により、洗剤供給
時以外(通常時)にも出て落ちるという問題点があり、
特にそれが洗濯後のすすぎ時や或いは脱水時に出て落ち
ることにより、洗濯物に付着し、その仕上り具合を損ね
るという問題点を有していた。
そこで従来、上記洗剤貯留ケースの洗剤出口を、洗剤
供給時に開放し、常時は閉塞する蓋を設けることも考え
られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、洗剤貯留ケースの洗剤出口では、洗濯
機など、この種洗剤を使用する機器特有の水気や湿気の
ために、粉末洗剤が固まってこびりつきやすく、その固
まりが洗剤出口と蓋との間に挟まって、蓋の閉塞が不完
全になり、その隙間から粉末洗剤が出て落ちることによ
り、洗濯後の洗濯物に付着するという問題点を未だに有
していた。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従
ってその目的は、通常時に洗剤貯留ケースの洗剤出口か
ら不可避的に出て落ちる粉末洗剤の洗濯物への付着を、
より確実に防止することができ、しかも、それを、合理
的な構造で達成できて、更に粉末洗剤の供給自体、より
スムーズに行なうことができ、付着残りも又生じにくく
できる優れた洗濯機等の洗剤供給装置を提供するにあ
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の洗濯機等の洗剤供給装置は、粉末洗剤を洗剤
貯留ケース内に貯留して該洗剤貯留ケース下部の洗剤出
口から出し供給するようにしたものにあって、その洗剤
貯留ケースに対し、洗剤供給時に上記洗剤出口から出さ
れる粉末洗剤の落下を許容し常時は洗剤出口の下方を遮
るように位置してその落下を阻止する洗剤落下阻止部材
を設けると共に、洗剤供給時にその洗剤落下阻止部材上
に水を流す給水装置を設けたところに特徴を有する。
この場合、洗剤落下阻止部材としては、洗剤供給時に
洗剤貯留ケースの洗剤出口から出る粉末洗剤を受けて供
給先へ導き落とす洗剤供給シュートとなっていると良
い。
又、洗剤供給シュートとなっている洗剤落下阻止部材
の洗剤受面は、撥水面であることが好ましい。
(作用) 上記手段によれば、常時に洗剤貯留ケースの洗剤出口
から粉末洗剤が出て落ちても、それの更に下方への落下
を、洗剤落下阻止部材により阻止することができる。
又、洗剤供給時には、給水装置により洗剤落下阻止部材
上に水を流すので、粉末洗剤の供給がその流水により洗
剤落下阻止部材上に粉末洗剤を残すことなくでき、従っ
て、より確実に粉末洗剤の供給ができると共に、洗剤落
下阻止部材上をきれいに保つこともでき、掃除の手間を
減じることができる。
しかして、この場合、洗剤落下阻止部材が、洗剤供給
時に洗剤貯留ケースの洗剤出口から出る粉末洗剤を受け
て供給先へ導き落とす洗剤供給シュートとなっていれ
ば、それらを一つの部品で済ませることができ、二つの
部品を要しない。
又、洗剤供給シュートである洗剤落下阻止部材の洗剤
受面が、撥水面であれば、供給時の粉末洗剤のすべりを
良くすることができる。
(実施例) 以下、本発明を全自動洗濯機の洗剤供給装置に適用し
た一実施例につき、図面を参照して説明する。
まず第1図において、1は全自動洗濯機全体の外箱を
示しており、内部に洗濯槽兼脱水槽である内槽2並びに
水受槽である外槽3を配設している。外箱1上には上カ
バー4を装着しており、この上カバー4に後パネル5を
装着し、後パネル5に洗剤供給装置6を設けている。
洗剤供給装置6は、詳細には第2図にも示すように、
外ケース7と内ケース8とにより二重に形成した洗剤貯
留ケース9を主体に構成したもので、その外ケース7に
形成した固定爪10と、出没可能な押釦11に形成した可動
爪12とによって、洗剤貯留ケース9の全体を後パネル5
に着脱可能に装着している。又、洗剤貯留ケース9の全
体に対しては、蓋13を設けている。
一方、14は内ケース8の下端部に形成した洗剤送出部
を示しており、ここにコイル状の洗剤送出部材15を内設
し、この洗剤送出部材15と係合して回転する洗剤撹拌部
材16を、内ケース8内に配設している。洗剤送出部材15
には、その図中左端部の軸17に関連して設けた例えば減
速比の異なる2種類のギヤ組等による選択的伝動機構18
を介し、洗剤貯留ケース9外のモータ19から回転力が伝
達されるようにしている。これに対して、洗剤送出部14
の図中右端部は洗剤出口20となっており、これを開閉す
るように小蓋21が上部を枢支して設けられ、更にこの小
蓋21にはスプリング22により閉塞力が付与されている。
そして又、第1図において、23は図示しない給水弁か
ら水の供給を受けてそれを前記内槽2内に注入するとこ
ろの注水器を示しており、この注水器23は、内部に多数
のくし歯状突起24を有し、下部に注水口25を有すると共
に、通水口26を有している。しかして、通水口26の直下
位置から後方へは、下面にストッパリブ27を有する通水
ガイド28をその前端部で枢支して設けており、この通水
ガイド28と上記注水器23及び給水弁によって給水装置を
構成し、しかして通水ガイド28の更に後下方部に、洗剤
落下阻止部材29を設けている。洗剤落下阻止部材29は、
この場合、洗剤供給シュートを兼ねるものであり、第3
図に示すように概ねシャベル状を成していて、その両側
部と中間部とにそれぞれガイドリブ30,31,32を有してい
る。又、洗剤落下阻止部材29の背部中間部から外方へ
は、軸部33を突設しており、この軸部33により、洗剤落
下阻止部材29の全体を上下回動可能に枢支して設けてい
る。そして更に軸部33からは、後方へレバー部34を延設
しており、その先端部をリンク35の下端部に遊嵌してい
る。リンク35は、図示しないモータ,減速機構及びソレ
ノイド等を内蔵した駆動ユニット36の出力軸に取着した
クランク37に取着されている。
更に、洗剤落下阻止部材29の後端部には係合凹部38を
形成しており、これが前記小蓋21の後部に突設した係合
凸部39に下方から係合されるようになっている。又、洗
剤落下阻止部材29には、スプリング40により上方への回
動力を付与しており、加えて、この洗剤落下阻止部材29
の洗剤受面である上面には、その全部に第4図に示すよ
うな例えばふっ素コーティングを施すことにより、撥水
面41を形成している。
次に上記構成のものの作用を述べる。
まず、洗剤供給装置6の洗剤貯留ケース9(内ケース
8)内に、第1図及び第2図に示すように、粉末洗剤42
が所定量貯留された状態にあるとして、洗剤供給時に至
ると、まず給水弁と駆動ユニット36のモータ及びソレノ
イドが通電される。従って、給水弁が開放され、該給水
弁を通じて供給される水が、注水器23を経て注水口25か
ら内槽2内に供給されると同時に、通水口26から通水ガ
イド28上に至り、更にこの通水ガイド28から内槽2内に
供給される。又、それと共に、駆動ユニット36のモータ
によりクランク37が回転され、リンク35を引き上げる。
従って、洗剤落下阻止部材29も、これまでスプリング40
のばね力により第1図に示すように後部が後倒し状態に
あり前部が略水平状態にあったものが、レバー部34をリ
ンク35により引き上げられて、軸部33を中心に、後部を
起こし、前部を下げるように回動すなわち傾動する。こ
こで、このように傾動した洗剤落下阻止部材29が第5図
に示す傾動最終位置に至ると、前記駆動ユニット36のモ
ータは断電されるものであり、これによって洗剤落下阻
止部材29はそれ以上の回動が停止され、引続き通電され
る駆動ユニット36のソレノイドにより、その停止位置に
保持される。又、洗剤落下阻止部材29の起こされた後部
によっては、係合凹部38が小蓋21の係合凸部39に下方か
ら係合してこれを押し上げるから、小蓋21が開放され
る。尚、このとき係合凸部39の係合凹部38が接する部分
は図示しないが斜状となっていて、洗剤落下阻止部材29
後部の上方への変位を小蓋21の開放方向への変位に変
え、その開放がスムーズに行なわれるようにしている。
そして更に、このような洗剤落下阻止部材29の傾動によ
り、通水ガイド28も、これまで第1図に示すようにスト
ッパリブ27を介して洗剤落下阻止部材29により押し上げ
られ後上がりの傾斜状態となっていたものが、その洗剤
落下阻止部材29による押し上げから解放されて降下し、
第5図に示す後下がりの傾斜状態に変化する。従って、
前記注水器23の通水口26から通水ガイド28上に至った水
は、この後、第6図に矢印で示すように、通水ガイド28
上を後方に流れて、洗剤落下阻止部材29上に落ち、更に
この洗剤落下阻止部材29上、特にはガイドリブ30,32間
を前方に流れて、内槽2内に供給されるようになる。
しかしてこの後、例えば約5秒遅れて、洗剤送出部材
15駆動用のモータ19が通電され、その回転力を伝動機構
18を介し洗剤送出部材15に伝えてこれを回転、特にコイ
ルにつき螺進方向に回転駆動する。従ってそれに基づ
き、ケース9内の前記粉末洗剤42が、洗剤送出部14内を
進められ、先端の前記小蓋21が開放した洗剤出口20から
出されて前記洗剤落下阻止部材29上、これも特にはガイ
ドリブ30,32間に落とされる。従って、洗剤落下阻止部
材29は前述の傾動最終位置にあって、落とされた粉末洗
剤42を受け、それを該洗剤落下阻止部材29上(ガイドリ
ブ30,32間)を流れる水と共に供給先である内槽2内に
向け導き落とす。
そして、上記粉末洗剤42の供給が開始されてから設定
時間が過ぎれば、洗剤送出部材15駆動用のモータ19と、
駆動ユニット36のソレノイド、及び給水弁はそれぞれ断
電されるもので、それにより粉末洗剤42の供給が停止さ
れ、又、洗剤落下阻止部材29はスプリング40のばね力に
より元状態に復帰され、従ってそれに伴い小蓋21もスプ
リング22のばね力により閉塞状態に復帰されて、更に給
水が停止される。
ここで、元状態に復帰された洗剤落下阻止部材29は、
前述のように後部が後倒し状態を呈し、前部が略水平状
態を呈するもので、そのうち特に略水平状態を呈した前
部により洗剤出口20の下方を遮り、この状態で、小蓋21
と洗剤出口20との間の固まった粉末洗剤42の挟まり等を
因とした隙間から出て落ちる粉末洗剤42を受け、それの
更に下方への落下を阻止するもので、それによりその粉
末洗剤42の洗濯後の洗濯物への付着を防止でき、洗濯の
仕上り具合を良好に得ることができる。又、この場合、
洗剤落下阻止部材29は、内槽2内からの水はね等に対し
ても、それが洗剤出口20にかからないようにする上で有
効に機能する。一方、洗剤供給時には、洗剤落下阻止部
材29上に給水弁と注水器23及び通水ガイド28から成る給
水装置によって水を流すので、粉末洗剤42の供給がその
流水により洗剤落下阻止部材29上に粉末洗剤42を残すこ
となくでき、従って、より確実に粉末洗剤42の供給がで
きると共に、洗剤落下阻止部材29上をきれいに保つこと
もできて、掃除の手間を減じることができる。
そして上記実施例の場合、上記洗剤落下阻止部材29
が、前述のように洗剤供給時に洗剤出口20から出る粉末
洗剤42を受けて供給先へ導き落とす洗剤供給シュートと
なっていることにより、それらを一つの部品で済ませ
得、二つの部品を要しないから、構造を合理的に済ませ
ることができて、価格も安く提供することができる。
更に、上述のように洗剤供給シュートである洗剤落下
阻止部材29の洗剤受面は、撥水面41としているもので、
それにより、供給時の粉末洗剤42のすべりを良くするこ
とができるから、該粉末洗剤42の供給自体、よりスムー
ズに行なうことができ、付着残りも又生じにくくでき
る。従って低水圧地域での使用にも充分に堪え得るもの
であり、特に洗剤落下阻止部材29の洗剤受面には洗剤供
給時にたとえ水を流さなくても、供給後に少量の水を流
すだけで、その充分な清掃効果を得ることすらできる。
尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限
定されるものではなく、その一つとして、洗剤落下阻止
部材29は洗剤供給シュートを兼ねず、特に洗剤出口20が
直接内槽2内等に臨んで粉末洗剤42の供給をするような
構成であれば、該洗剤落下阻止部材29は単に洗剤供給時
の粉末洗剤42の落下を許容し通常時での粉末洗剤42の落
下を阻止するように機能するだけのものであっても良
い。又、この洗剤落下阻止部材29の洗剤受面を撥水面41
とすることも、必要に応じて行なえば良いもので、更に
それを行なうときの製法としても、前述のふっ素コーテ
ィングには限られず、ふっ素樹脂フィルムの貼着による
ものであっても良く、更に洗剤落下阻止部材29の全体を
ふっ素樹脂で形成することによるものであっても良い。
そしてそのほか、洗剤落下阻止部材29を変位させる具体
的構造並びに洗剤貯留ケース9から粉末洗剤42を出す具
体的構造等もそれぞれ決して前述のようには限られず、
又、全体としても、洗濯機以外例え食器洗浄機等にも適
用できるもので、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更し
て実施し得る。
[発明の効果] 本発明は以上説明したとおりもので、下記の効果を奏
する。
請求項1の洗濯機等の洗剤供給装置においては、粉末
洗剤を貯留して洗剤出口から出し供給する洗剤貯留ケー
スに対し、洗剤供給時にその出される粉末洗剤の落下を
許容し常時は洗剤出口の下方を遮るように位置してその
落下を阻止する洗剤落下阻止部材を設けると共に、洗剤
供給時にその洗剤落下阻止部材上に水を流す給水装置を
設けたことにより、通常時に上記洗剤貯留ケースの洗剤
出口から不可避的に出て落ちる粉末洗剤の洗濯物への付
着を、より確実に防止することができ、洗濯の仕上り具
合を良好に得ることができると共に、粉末洗剤の供給が
流水により洗剤落下阻止部材上に粉末洗剤を残すことな
くできて、より確実に粉末洗剤の供給ができ、且つ、洗
剤落下阻止部材上をきれいに保つこともできて、掃除の
手間を減じることができる。
請求項2の洗濯機等の洗剤供給装置においては、上記
構成にあって、洗剤落下阻止部材を、洗剤供給時には洗
剤貯留ケースの洗剤出口から出る粉末洗剤を受けて供給
先へ導き落とす洗剤供給シュートとしたことにより、そ
れらを一つの部品で済ませ得、構造を合理的に済ませ得
るから、価格を安く提供することができる。
請求項3の洗濯機等の洗剤供給装置においては、更に
上記構成にあって、洗剤供給シュートとした洗剤落下阻
止部材の洗剤受面を撥水面にしたことにより、供給時の
粉末洗剤のすべりを良くすることができて、該粉末洗剤
の供給自体、よりスムーズに行なうことができ、付着残
りも又生じにくくできる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示したもので、第1図は全自
動洗濯機における洗剤供給装置部分の縦断側面図、第2
図は同部分の縦断正面図、第3図は同部分の中の洗剤落
下阻止部材を中心とした部分の斜視図、第4図は第3図
のIV-IV線に沿う洗剤落下阻止部材の縦断正面図、第5
図は上記洗剤供給装置部分の第1図とは異なる状態での
縦断側面図、第6図は洗剤の流し供給をする部分の平面
図である。 図面中、6は洗剤供給装置、9は洗剤貯留ケース、20は
洗剤出口、23は注水器(給水装置)、28は通水ガイド
(給水装置)、29は洗剤落下阻止部材、36は駆動ユニッ
ト、41は撥水面、42は粉末洗剤を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末洗剤を洗剤貯留ケース内に貯留して該
    洗剤貯留ケース下部の洗剤出口から出し供給するように
    したものであって、その洗剤貯留ケースに対し、洗剤供
    給時に前記洗剤出口から出される粉末洗剤の落下を許容
    し常時は洗剤出口の下方を遮るように位置してその落下
    を阻止する洗剤落下阻止部材を設けると共に、洗剤供給
    時にその洗剤落下阻止部材上に水を流す給水装置を設け
    たことを特徴とする洗濯機等の洗剤供給装置。
  2. 【請求項2】洗剤落下阻止部材が、洗剤供給時には洗剤
    貯留ケースの洗剤出口から出る粉末洗剤を受けて供給先
    へ導き落とす洗剤供給シュートとなっていることを特徴
    とする請求項1記載の洗濯機等の洗剤供給装置。
  3. 【請求項3】洗剤供給シュートとなっている洗剤落下阻
    止部材の洗剤受面を撥水面にしたことを特徴とする請求
    項2記載の洗濯機等の洗剤供給装置。
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