JPH0710319B2 - 洗濯機等の洗剤供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は洗濯機等の洗剤受部に洗剤特に粉末洗剤を供給
するための洗濯機等の洗剤供給装置に関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 従来より、この種粉末洗剤の供給に用いる洗濯機等の洗
剤供給装置としては、例えば特公昭54-43827号公報に示
すようにホッパ内に収容され貯留された粉末洗剤を弁に
より定量ずつ出して洗濯槽内等へ供給するものが存す
る。然しながらこのものでは、粉末洗剤がそのまま洗濯
槽内等へ供給されることから、洗濯物等に直接付着して
該洗濯物等の黄変やいたみを起こし易いという問題点を
有していた。

これに対して、例えば特公昭42-18769号公報に示すよう
にホッパ内に収容され貯留された粉末洗剤を洗濯槽内等
に供給される水と共に供給するようにしたものが存す
る。このものによれば、粉末洗剤が洗濯物等に直接付着
することがなく、よってその洗濯物の黄変やいたみは防
止できる。然しこのものの場合、ホッパからの粉末洗剤
の送出と給水とが同時に行なわれ、又、その停止も同時
に行なわるようになっているため、供給に当たっては粉
末洗剤を流し出しにくいし、更に供給後には粉末洗剤の
こびりつきが生じ易いという問題点を有していた。

［発明の目的］ 本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従っ
てその目的は、粉末洗剤を給水と併せて殊に円滑に流し
出し且つ後にこびりつきを生じるようなことのないよう
に供給できる優れた洗濯機等の洗剤供給装置を提供する
にある。

［発明の概要］ 本発明は、洗剤貯留部から出された粉末洗剤を給水装置
が給水路上で受けるようにすると共に、その給水装置を
上記給水路上に粉末洗剤の供給開始所定時間前から供給
終了所定時間後まで流水させるように制御する構成と
し、以て粉末洗剤を流水面上に落とし、そしてその供給
後給水路上が流水により掃拭されるようにしたことを特
徴とするものである。

［発明の実施例］ 以下本発明を洗濯機の洗剤供給装置に適用した一実施例
につき図面を参照して説明する。先ず第２図に全容を示
す洗濯機本体１は、外殻を外箱２に上カバー３を被着す
ることによって構成しており、上カバー３には蓋４を開
閉可能に枢設する他に、この蓋４前方の前縁部に位置し
て操作パネル５を設け、後縁部に台状部６を設けてい
る。台状部６には図中右側の端部に水位設定用の操作摘
み７を設けており、その左隣部に洗剤量設定用の操作摘
み８を設けている。そして台状部６にあって操作摘み８
の左隣部から左端部にかけては、ホッパセット口９を形
成すると共に、このホッパセット口９に連ねてその下方
に第３図に示す如く断面Ｖ字状を成し両側端が第４図に
示す如く開放するホッパ受部10を形成している。ホッパ
受部10には、下部をホッパ受部10に合わせて断面Ｖ字状
に形成すると共に両側面をも斜状に形成したホッパ11
を、ホッパセット口９を通して収容しており、同時にホ
ッパ11の第４図中左側部に形成した爪部12をホッパセッ
ト口９の左側縁部に係合させ、右側部に形成した操作突
片13を有する弾性爪部14をホッパセット口９の右側縁部
に弾性係合させて、ホッパ11の脱落防止を図っている。
一方、ホッパ11の上面開放口には蓋15を後端の軸16（第
３図参照）によって開閉可能に枢設しており、又、ホッ
パ11の内部には前後方向補に突出する突起部17を複数有
すると共に周囲外方に突出する突起部18を多数有し更に
孔19をも複数有する撹拌部材20を、軸21をホッパ11の前
後間にわたして回転可能に支承配設しており、更にホッ
パ11の下端部にはホッパ11内から専ら第４図中右側外方
へ突出した筒状部にかけて洗剤送出部22を形成し、その
先端の出口23は前記台状部６の内方に配設した受板24の
上面に臨んでいる。ここで、受板24は給水装置25を構成
するところのもので、その上面が給水路26となってお
り、又、全体に前記外箱２内の洗剤受部である図示しな
い洗濯槽内に向け第５図に示す如く漸次下降傾斜するよ
うに設けられていて、その最下部である前端部に供給口
27を有し、最上部である後端部上に給水弁28を配設して
いる。又、上記洗剤送出部22内には、洗剤出し部材であ
るコイル29を第４図に示す如くその全長にわたって回転
可能に収容配設しており、前記撹拌部材20はその突起部
18の一つを該コイル29に係合させている。一方、洗剤送
出部22の出口23とは反対側の端部にはコイル29の基端部
を係着した伝動軸30を挿設し、この伝動軸30のコイル29
とは反対側の端部にはコネクタ31を取着している。そし
てこのコネクタ31に対応して前記台状部６の第４図中左
側部内面には駆動装置であるモータ32を取着し、その回
転軸33の先端部に直角交差状に設けた伝動ピン34を上記
コネクタ31に取外し可能に係合させている。尚、第１図
には前述の給水弁28とモータ32及び図示しない洗濯・脱
水用のモータ並びに排水弁についての制御の様子を行程
順に表わし、その各斜線部分が当該部品の作動を、それ
以外の空白部分が当該部品の作動停止状態を夫々表わし
ている。

さて、上述の如く構成したものの場合、その使用に当た
っては、先ずホッパ11の蓋15を第３図に二点鎖線で示す
ように開け、この状態でホッパ11内に粉末洗剤35を容
れ、その後に蓋15を閉じて、上記粉末洗剤35がホッパ11
内に貯留された状態として置く。そして洗濯をすべく操
作パネル５の必要なスイッチを操作すると、第１図に示
すように最初に給水弁28が通電されて作動即ち開放し、
図示しない洗濯槽内への給水を開始して受板24上の給水
路26に第５図中矢印Ａで示すように水を流す。このよう
な状況で所定時間後モータ32が通電され、通電されたモ
ータ32は起動するから、その回転力が回転軸33から伝動
ピン34とコネクタ31との係合構造を介して伝動軸30に伝
達され、更にこの伝動軸30からコイル29に伝達される。
斯くしてコイル29が回転特にいわゆる螺進方向に回転駆
動されるもので、斯様に回転駆動されたコイル29はホッ
パ11内に粉末洗剤35と接触しつつ動いて該粉末洗剤35を
細かくしながら洗剤送出部22内を出口23に向かって進
め、そしてその出口23から第５図及び第４図中矢印Ｂで
示すように出す。而して出された粉末洗剤は先の給水路
26上を流れる水の上に落ち、その水により流されて該水
と共に供給口27から図示しない洗濯槽内へと供給され
る。ここで、上記モータ32の回転ひいてはコイル29によ
る粉末洗剤35の送出については、その時間的長さに従っ
て送出量を操作摘み８の操作により粉末洗剤35の種類に
合わせて調節できるようにしており、加えてこの場合、
上記操作摘み８により送出量の調節は所定の基本送出量
に対する補足を指し、その基本送出量は操作摘み７の操
作によって設定される水位に応じて決定されるようにな
っている。そして何れにしても設定時間に達すればモー
タ32が断電されて停止するもので、コイル29も又停止す
る。然しながら給水弁28の開放即ち給水路26上を流水さ
せての洗濯槽内への給水はその後も続けられ、所定時間
を経たところで給水弁28が断電され閉塞することにより
その給水も停止される。

このように本実施例によれば、ホッパ11内から出した粉
末洗剤35を洗濯槽内に供給される水と共に供給し得るこ
とから、洗濯物の黄変やいたみを生じないようにできる
のは勿論のこと、特にその供給に当たって水を粉末洗剤
35の供給開始所定時間前から流すようにしたことによ
り、粉末洗剤35はすべてその流水面上に落ちるようにな
って至って円滑に流し出すことができ、又、その流し出
しを終えてからもなお所定時間給水を続けるようにした
ことにより、給水路26上をその流水にて掃拭することが
でき、こびりつきの問題を生じさせないようにできる。

尚、特に本実施例の場合、コイル29が前述の如く回転駆
動されるとき、該コイル29に突起部18の一つを係合させ
た撹拌部材20はその突起部18を順次コイル29に係合させ
るようにして回転し、これによってホッパ11内の粉末洗
剤35を撹拌し、それをほぐすと共に洗剤送出部22への導
入が円滑に行なわれるようにしている。又、弾性爪部14
の操作突片13を操作して該弾性爪部14をホッパセット口
９の縁部から外せば、後は第６図に示すようにその弾性
爪部14部分をホッパセット口９から抜き出し、更に爪部
12をホッパセット口９の縁部から外して抜き出すことに
より、伝動ピン34からのコネクタ31の解離を伴ってコイ
ル29を含むホッパ11全体を取り外すことができ、よって
そのコイル29及びホッパ11の掃除もそれらを単独に扱っ
て水洗い等により容易且つ所望に行なうことができる。

但し、上述のようにホッパ11全体を取外し得ることは本
発明に於いて必ずしも必要な事柄ではなく、従ってその
ホッパ11全体は固定状態で設けられていても良いもの
で、その他に前述の粉末洗剤35の種類に応じた送出量の
調節、そして撹拌部材20の有無等の点についても適宜選
定して実施するようにしても良い。更に洗剤出し部材と
しても前述のコイル29には限られず従来の弁やスクリュ
ー等であっても良いもので、これら洗剤出し部材を回転
駆動する駆動装置としてもモータ32には限られず、例え
ば給水路中で作動する水車等であっても良い。そして全
体としても洗濯機には限られず、食器洗浄機など粉末洗
剤を使用して機能する機器のすべてに同様に適用して実
施することができる。

この他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ
限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適
宜変更して実施し得る。

［発明の効果］ 以上の記述にて明らかなように本発明によれば、洗剤貯
留部から適宜の駆動装置により駆動される洗剤出し部材
により出された粉末洗剤を給水装置が給水路上で受ける
ようにすると共に、その給水装置を上記給水路上に粉末
洗剤の期開始所定時間前から供給終了所定時間後まで流
水させるように制御する構成とし、以て粉末洗剤を流水
面上に落とし、そしてその供給後給水路上が流水により
掃拭されるのであるから、粉末洗剤を給水と併せて殊に
円滑に流し出し得、又、後にこびりつきを生じるような
こともないように供給できるという優れた効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はタイムチャー
ト、第２図は洗濯機に於ける全体の外観斜視図、第３図
は主要部分の縦断側面図、第４図は同部分の縦断正面
図、第５図は同部分の第３図とは異なる断面位置での縦
断側面図、第６図はホッパを取外しつつある状態の主要
部分の破断正面図である。 図中、11はホッパ（洗剤貯留部）、25は給水装置、26は
給水路、28は給水弁、29はコイル（洗剤出し部材）、32
はモータ（駆動装置）、35は粉末洗剤を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯機等の洗剤受部に粉末洗剤を供給する
   ためのものであって、その粉末洗剤を収容し貯留する洗
   剤貯留部と、適宜の駆動装置により駆動され前記洗剤貯
   留部から粉末洗剤を出す洗剤出し部材と、この洗剤出し
   部材により出された粉末洗剤を前記洗剤受部に臨む給水
   路上に受け該給水路上を粉末洗剤の供給開始所定時間前
   から供給終了所定時間後まで流水させるように制御され
   る給水装置とを具備して成ることを特徴とする洗濯機等
   の洗剤供給装置。