JPH078316B2 - 洗濯機等の洗剤供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は洗濯機等の洗剤受部に洗剤特に粉末洗剤を供給
するための洗濯機等の洗剤供給装置に関する。

（従来の技術） 従来より、この種粉末洗剤の供給に用いる洗濯機等の洗
剤供給装置としては、例えば特公昭54−43827号公報に
示すようにホッパ内に収容され貯留された粉末洗剤を定
量ずつ出して一旦溜めてから出し供給するものと、特公
昭42−18769号公報に示すようにホッパ内に収容され貯
留された粉末洗剤をスクリュー状の洗剤送出部材の回転
により送出して供給するものとが代表的に存する。

（発明が解決しようとする問題点） 然しながら上述のうち、前者の特公昭54−43827号公報
に示すものでは、粉末洗剤が供給される前の段階で洗濯
機など水を扱う機器に特有の水気や湿気で固まり易いと
いう事情を有しているのに対し、それを解消する有効な
作用を奏するようにはなっておらず、ために洗剤の詰ま
りをたびたび生じ、円滑且つ確実な供給が行なわれない
という問題点を有していた、又、洗剤が大きな固まり状
のまま供給されて溶解に長い時間を要し洗浄に充分有効
に寄与し得ないということも間々あった。

これに対して、後者の特公昭42−18769号公報に示すも
のでは、上述のように固まり易い粉末洗剤を洗剤送出部
材によりほぐしながら供給し得、よって上述のものより
円滑且つ確実で更に具合良く供給できるようになってい
る。然しながらこのものの場合、供給動作の終了時、洗
剤送出部材は粉末洗剤を洗剤送出部の出口一杯のところ
まで送ってその動作を停止するものであり、そのため、
その後の運転による振動等で上記洗剤送出部の出口から
粉末洗剤が落ち、落ちた部分での該粉末洗剤のこびり付
きを生じるという問題点を有していた。又、洗濯槽内に
落ちるものでは、それがすすぎ時に落ちることによりす
すぎ効果を低下させてしまうというような問題点まで有
していた。この他、落ちなかったとしても、それが上記
洗剤送出部の出口を通じて湿気を帯び、該出口近傍部分
で固まってしまうという問題点を有していた。

本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従っ
てその目的とするところは、粉末洗剤を円滑且つ確実に
そして具合良く供給できる上に、供給動作終了後の洗剤
送出部出口からの粉末洗剤の落下や固まりの問題も起こ
さず、快適に使用できる洗濯機等の洗剤供給装置を提供
することにある。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明は、粉末洗剤を収容し貯留するホッパの下端部に
出口が洗剤受部に臨む向きで洗剤送出部を設け、この洗
剤送出部に出口部分まで及ぼさせて螺旋状の洗剤送出部
材を回転可能に収容配設して、正逆回転可能な駆動装置
により該洗剤送出部材を回転駆動するようにし、そして
その駆動装置を粉末洗剤の供給動作の終了後前記洗剤送
出部材を供給時とは反対の方向に所定時間回転させるよ
うに作動させる制御をすることを特徴とするものであ
る。

（作用） 上記手段の本発明によれば、回転する洗剤送出部材がそ
の回転によりホッパ内の粉末洗剤を洗剤送出部を通して
送出し、そしてその送出による供給動作終了後には逆転
する洗剤送出部材が粉末洗剤を洗剤送出部の出口部分か
ら内部へ戻すものである。

（実施例） 以下本発明を洗濯機の洗剤供給装置に適用した一実施例
につき図面を参照して説明する。先ず第２図に全容を示
す洗濯機本体１は、外殻を外箱２に上カバー３を被着す
ることによって構成しており、上カバー３には蓋４を開
閉可能に枢設する他に、この蓋４前方の前縁部に位置し
て操作パネル５を設け、後縁部に台状部６を設けてい
る。台状部６には図中右側の端部に水位設定用の操作摘
み７を設けており、その左隣部に洗剤量設定用の操作摘
み８を設けている。そして台状部６にあって操作摘み８
の左隣部から左端部にかけては、ホッパセット口９を形
成すると共に、このホッパセット口９に連ねてその下方
に第３図に示す如く断面Ｖ字状を成し両側端が第４図及
び第５図に示す如く開放するホッパ受部10を形成してい
る。ホッパ受部10には、下部をホッパ受部10に合わせて
断面Ｖ字状に形成すると共に両側面をも斜状に形成した
ホッパ11を、ホッパセット口９を通して収容しており、
同時にホッパ11の第５図中左側部に形成した爪部12をホ
ッパセット口９の左側縁部に係合させ、右側部に形成し
た操作突片13を有する弾性爪部14をホッパセット口９の
右側縁部に弾性係合させて、ホッパ11の着脱可能な固定
をしている。一方、ホッパ11の上面開放口には蓋15を後
端の軸16によって開閉可能に枢設しており、又、ホッパ
11の内部には前後方向に突出する突起部17を複数有する
と共に周囲外方に突出する突起部18を多数有し更に孔19
をも複数有する攪拌部材20を、軸21をホッパ11の前後間
にわたして回転可能に支承配設しており、更にホッパ11
の下端部にはホッパ11内から専ら第５図中右側外方へ突
出した筒状部にかけて洗剤送出部22を形成し、その先端
の出口23は前記台状部６の内方に配設した受板24の上面
なかでもその略中央部の洗剤受部25に臨んでいる。受板
24は上面が給水路を兼ねるものであり、前記外箱２内の
図示しない洗濯槽に臨む先端の供給口26に向かい漸次下
降傾斜するように設けられていて、その最上部である後
端部上には給水弁27を配設している。又、上記洗剤送出
部22内には、螺旋状、中でもコイル状を成す洗剤送出部
材28をその全長にわたり特に出口23部分に及ぼさせて回
転可能に収容配設しており、前記攪拌部材20はその突起
部18の一つを該洗剤送出部材28に係合させている。一
方、洗剤送出部22の出口23とは反対側の端部には洗剤送
出部材28の基端部を係着した伝動軸29を挿設し、この伝
動軸29の洗剤送出部材28とは反対側の端部にはコネクタ
30を取着している。そしてそのコネクタ30に対応して前
記台状部６の第５図中左側部内面には正逆回転可能な駆
動装置であるモータ31を取着し、その回転軸32の先端部
に直角交差状に設けた伝動ピン33を上記コネクタ30に取
外し可能に係合させている。而して第１図には前述の給
水弁27と図示しない排水弁及び同じく図示しない洗濯・
脱水用のモータ並びに上記モータ31についての制御の様
子を行程順に表わし、その各斜線部分が当該部品の作動
を、それ以外の空白部分が当該部品の作動停止状態を夫
々表わしている。従って特にモータ31については、「洗
い」行程の給水時の最後付近にその通電方向を変えて時
間ｔで示す所定時間その方向の回転をさせるようにして
いる。

さて、上述の如く構成したものの場合、その使用に当た
っては、先ずホッパ11の蓋15を第３図に二点鎖線で示す
ように開け、この状態でホッパ11内に粉末洗剤34を容
れ、その後に蓋15を閉じて、上記粉末洗剤34がホッパ11
内に貯留された状態として置く。そして洗濯をすべく操
作パネル５の必要なスイッチを操作すると、最初の「洗
い」行程の給水時に於いて給水弁27が通電され給水が開
始されるもので、この状況で次にモータ31が通電され、
よって該モータ31が起動し、その回転力が回転軸32から
伝動ピン33とコネクタ30との係合構造を介して伝動軸29
に伝達され、更にこの伝動軸29から洗剤送出部材28に伝
達される。斯くして洗剤送出部材28が回転特にいわゆる
螺進方向に回転駆動されるもので、斯様に回転駆動され
た洗剤送出部材28はホッパ11内の粉末洗剤34と接触しつ
つ動いて該粉末洗剤34をほぐしながら洗剤送出部22内を
出口23に向かって進め、そしてその出口23から第５図中
矢印Ａで示すように出す。而して出された粉末洗剤34は
受け板24上の洗剤受部25に落ちるもので、この洗剤受部
25に於いて先の給水弁27を通じて第４図中矢印Ｂで示す
ように供給される水により流され、その水と共に供給口
26から図示しない洗濯槽内へと供給される。尚、特に本
実施例の場合、洗剤送出部材28が上述の如く回転駆動さ
れるとき、該洗剤送出部材28に突起部18の一つを係合さ
せた攪拌部材20はその突起部18を順次洗剤送出部材28に
係合させるようにして回転し、これによってホッパ11内
の粉末洗剤34を攪拌し、粉末洗剤34の固まりがあればそ
れをほぐすと共に洗剤送出部22への導入が円滑に行なわ
れるようにしている。

次いで、上述のような粉末洗剤34の供給のために設定さ
れた時間が過ぎると、モータ31は通電を断たれ、従って
洗剤送出部材28の回転が停止され、粉末洗剤34の供給が
終了される。そしてその後に僅かな時間を置いてモータ
31がこれまでとは逆の方向に通電されるもので、これに
より洗剤送出部材28は上述の洗剤供給時とは反対の方向
に回転され、この反対方向の回転によって洗剤送出部22
内特に出口23部分の粉末洗剤34を前述とは逆に内部へ戻
す。尚、この洗剤送出部材28の反対方向への回転は第１
図に時間ｔで示す所定時間に限って行なわれるもので、
その時間を過ぎれば、モータ31は再び通電を断たれ、よ
って該モータ31が回転を停止し、洗剤送出部材28の回転
を停止させる。

以上のように本実施例によれば、ホッパ11内に収容し貯
留した粉末洗剤34を洗剤送出部材28の回転により送出で
きるもので、この回転する洗剤送出部材28との接触によ
り上記粉末洗剤34をほぐしながら送出できるため、従来
のホッパ内から定量ずつ出して一旦溜めてから出し供給
するものに比し、粉末洗剤34を詰まらせることなく円滑
且つ確実に、又、固まらせることなく粉末状のままで実
に具合良く供給できる。そして供給を終えた後には、上
記洗剤送出部材28を供給時と反対の方向に回転させるこ
とにより、洗剤送出部22特にその出口23部分の粉末洗剤
34を内部に戻すようにしていることから、その後の運転
による振動等でも粉末洗剤34を上記洗剤送出部22の出口
23から落とすことはなく、斯しくして該粉末洗剤34のこ
びり付き特に本実施例の場合洗剤受部25でのこびり付き
を防止することができる。又、その洗剤受部25を有する
受板24を通じてその洗濯槽内への落下も防止できるもの
で、中でも供給後の行程，特に「すすぎ」行程中に於い
ての洗濯槽内への落下を防止し得ることから、すすぎ効
果の低下を防止することができる、更にこの場合、落ち
なかったとしても、その落ちなかった粉末洗剤34を洗剤
送出部22の出口23部分に残すことはないので、それがそ
の出口23部分で湿気に触れて固まるというようなことも
防止することができ、総じてそれらの問題に悩まされる
ことなく快適に使用することができる。

尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定
されるものではなく、殊に前述の給水と併せた粉末洗剤
34の供給並びに攪拌部材20の有無等の点については適宜
選定して実施するようにしても良い。更に洗剤受部は受
板24上の洗剤受部25に限られず洗濯槽内であっても良い
もので、即ち、粉末洗剤34は洗濯槽内に直接供給される
ものであっても良い。又、洗剤送出部材28を回転駆動す
る駆動装置としてもモータ31には限られず、例えば給水
路中で作動する水車等であっても良い。そして全体とし
ても洗濯機には限られず、食器洗浄機など粉末洗剤を使
用して機能する機器のすべてに同様に適用して実施する
ことができる。

［発明の効果］ 以上の記述にて明らかなように本発明によれば、粉末洗
剤を収容し貯留するホッパの下端部に出口が洗剤受部に
臨む向きで洗剤送出部を設け、この洗剤送出部に出口部
分まで及ぼさせて螺旋状の洗剤送出部材を回転可能に収
容配設して、正逆回転可能な駆動装置により該洗剤送出
部材を回転駆動するようにし、そしてその駆動装置を粉
末洗剤の供給動作の終了後前記洗剤送出部材を供給時と
は反対の方向に所定時間回転させるように作動させる制
御をするのであるから、洗濯機など水を扱う機器に特有
の水気や湿気で固まり易い粉末洗剤を充分円滑且つ確実
にそして具合良く供給できるという効果を奏し、その上
に、供給動作終了後の洗剤送出部出口からの粉末洗剤の
落下や固まりの問題も起こさず快適に使用できるという
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は主要部分の制
御の様子を中心に表わしたタイムチャート、第２図は洗
濯機に於ける全体の外観斜視図、第３図は主要部分の縦
断側面図、第４図は同部分の異なる断面位置での縦断側
面図、第５図は同部分の縦断正面図である。 図中、11はホッパ、22は洗剤送出部、23は出口、25は洗
剤受部、28は洗剤送出部材、31はモータ（駆動装置）、
34は粉末洗剤、ｔは所定時間を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯機等の洗剤受部に粉末洗剤を供給する
   ためのものであって、その粉末洗剤を収容し貯留するホ
   ッパと、このホッパの下端部に出口が前記洗剤受部に臨
   む向きで設けられた洗剤送出部と、この洗剤送出部に出
   口部分まで及ぼさせて回転可能に収容配設されその回転
   により前記ホッパ内の粉末洗剤を前記洗剤送出部を通し
   て洗剤受部に送出する螺旋状の洗剤送出部材と、この洗
   剤送出部材を回転駆動するように設けられた正逆回転可
   能な駆動装置とを具備し、その駆動装置を前記粉末洗剤
   の供給動作の終了後前記洗剤送出部材を供給時とは反対
   の方向に所定時間回転させるように作動させる制御をす
   ることを特徴とする洗濯機等の洗剤供給装置。