JP2692542B2 - 製管溶接方法 - Google Patents

製管溶接方法

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JP2692542B2 JP5220119A JP22011993A JP2692542B2 JP 2692542 B2 JP2692542 B2 JP 2692542B2 JP 5220119 A JP5220119 A JP 5220119A JP 22011993 A JP22011993 A JP 22011993A JP 2692542 B2 JP2692542 B2 JP 2692542B2
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祐一 池上
善雄 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、UOEプロセス等の溶
接鋼管の製造プロセスで用いられる製管溶接方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】C−U−Oプロセス、ロールベンド、プ
レスベンド、チューブミルおよびスパイラルミル等の工
程で鋼板を管状に成形し、その端面突合せ部を内面側お
よび外面側から溶接して溶接鋼管を製造することは従来
から行われている。このような方法で溶接鋼管を製造す
る場合、鋼種、溶接法によっては溶接金属に高温割れを
生じることが知られている。この高温割れの発生メカニ
ズムを図1(a) 〜(c) により説明する。
【0003】管状に成形された鋼板5の端面突合せ部に
は図1(a) に示されるように内面側および外面側に開先
6が形成され、ここに溶接を行うことにより図1(b) に
示されるように溶接金属7が形成される。溶接方法とし
てはサブマージアーク溶接法が一般的である。
【0004】溶接金属7は周知のとおり凝固結晶71が成
長したものである。この溶接金属7が凝固するとき、ス
プリングバック等の外部応力に凝固にともなう収縮が加
わって図1(c) に白抜き矢印で示されるように溶接金属
7が母材8の側から強い引張力を受け、この引張力に凝
固粒界が耐えきれないときは凝固結晶の成長方向に沿っ
て割れ72を生じる。この割れが高温割れである。この高
温割れに対しては、従来から多くの対策が提案されてい
る。従来の対策は、次の2種類に大別され、これらを単
独もしくは複合で採用している。
【0005】第1は、溶接金属の成分、組織を改善して
割れに対する抵抗力を高める方法である。具体的には母
材、溶接材料の割れ感受性を高める元素の低減 (例えば
S(硫黄)、P(燐)の低減) 、割れ感受性を低下させ
る元素の添加 (例えばオーステナイトステンレス鋼溶接
材料へのフェライト形成元素の添加) 、溶接過程での精
錬作用の利用 (例えばフラックス塩基度の適正化) 等が
ある。
【0006】第2は、溶接法、溶接条件を適正化して、
溶接金属に作用する応力の向き、大きさを割れ防止可能
な範囲に抑える方法である。具体的には、開先設計、溶
接条件の適正化による溶接ビード断面形状の改善、高温
割れが問題にならない溶接法の導入 (例えば固相接合の
導入) 等がある。
【0007】特開昭61−9979号公報には、溶接材料の成
分の制限(第1の対策)および溶接入熱量の制限(第2
の対策)を実施して、溶接金属の有害成分の含有量を抑
えることにより高温割れ防止を図る技術が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来対策のうち、溶接金属の成分、組織の改善からの
割れ対策(第1の対策)は、多くの場合コスト上昇が避
けられず、特に母材の側に成分、組織の改善を講じると
きにはコスト増大が著しい。一方、溶接法、開先設計、
溶接条件からの割れ対策(第2の対策)は、多くの場
合、溶接作業性を悪化させるとともに溶接能率も低下さ
せる欠点がある。このような欠点は、溶接材料に割れ対
策を講じる場合も生じることが多い。
【0009】特開平2 −11269 号公報には、これらの欠
点を解消するための製管溶接方法が本発明者等により提
案されている。この製管溶接方法は、端面突合わせ部を
溶接する際に、溶接位置より溶接進行方向後方におい
て、内周側および外周側のうち溶接開始側に応じて鋼管
素材を楕円化して凝固に伴う収縮力にほぼ見合う管周方
向の圧縮力を脆化温度範囲にある溶接金属に与えること
により高温割れ防止を図る技術である。
【0010】しかし、前記公報に開示された楕円化技術
では、楕円化のための別の設備が必要になり、設備コス
トが高くなる。本発明はこのような事情を考慮してなさ
れたものであり、溶接材料、溶接法、開先設計、溶接条
件に実用上不利な制限を設けることなく、かつ別の設備
を設けることなく溶接金属の高温割れが防止できる製管
溶接方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る製管溶接方
法は、鋼板を管状に成形した後、その端面突合わせ部を
内面側および外面側から溶接して鋼管を製造する際の方
法であって、端面突き合わせ部の内周側および外周側の
うち最初に溶接する側を少なくとも6電極以上の多電極
サブマージアーク溶接法により、溶接時の凝固結晶の会
合部の位置を高温割れの起点にならない位置にして、
接する第1溶接工程と、次に溶接する側を電極数を限定
せず溶接する第2溶接工程とを含み、溶接金属の高温割
れを抑制することを特徴とする。
【0012】本発明の好適態様によれば、第1溶接工程
において、溶接金属と端面突合わせ部との境界線と、端
面突合わせ部の中心線とのなす角度が15度以上になる
ように6電極以上の多電極サブマージアーク溶接法によ
り溶接してもよい。
【0013】
【作用】鋼板を管状に成形した後、その端面突合せ部を
内面側および外面側から溶接する場合、図1(c) に示す
ように、最初に溶接した溶接金属7は母材8の側から強
い引張力を集中して受けるため、高温割れ72を生じやす
い。しかし、図1(d) に示すように、溶接金属7に続い
て反対側から溶接した溶接金属9は、母材8の側から引
張力をすでに溶接した溶接金属7と分担して受けるた
め、高温割れを生じない。したがって最初に溶接する側
の溶接金属の割れを防止すればよい。
【0014】一方、図2に示すように、サブマージアー
ク溶接の電極数を増加することによって、溶接金属の溶
け込み形状はアンブレラが小さくなり、溶け込み部分の
溶融線 (溶融金属と母材との境界線) の鉛直線からの傾
きθが大きくなる傾向にある。傾きθが小さい場合、凝
固結晶71の会合部73が溶接ビードの中央部に位置し、高
温割れの起点となる。そのため、電極数を増やすことに
よって傾きθを大きくし、凝固結晶の会合部73を溶接ビ
ードの表面に近づけることが、高温割れの防止に有効で
ある。
【0015】図3に板厚25.4mm、C(炭素)含有量0.35
%の鋼板を管状に成形し、外面側からサブマージアーク
溶接を行った後、溶接金属の高温割れを断面ミクロ観察
によって確認した結果を示す。電極数を増加させること
によって、傾きθは15°以上大きくなり、6電極以上の
電極数では高温割れは発生しない。
【0016】 以上の知見から、最初に片面側から少な
くとも6電極以上のサブマージアーク溶接を、溶接時の
凝固結晶の会合部の位置を高温割れの起点にならない位
置にして、実施した後、反対側から通常の電極数を限定
せずに溶接を実施すれば溶接金属の高温割れを抑制ない
しは解消できることがわかる。
【0017】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面を参照
して説明する。図4及び図5は、本発明方法の実施に用
いる溶接装置の側面模式図である。図4は、鋼管素材1
の下端の端面突合わせ部1aを内面側から溶接する場合
を示し、図5は、鋼管素材1の上端の端面突合わせ部1
bを外面側から溶接する場合を示している。溶接装置
は、上下左右に対向配置された4本の鼓型ローラを有す
るハウジング3と、ハウジング3の搬送方向上流側に、
端面突合わせ部1a(または1b)に対向配置されたサ
ブマージアーク溶接用の溶接電極2とを備えている。溶
接電極2は、少なくとも6本の電極から構成されてい
る。
【0018】この溶接装置では、鋼管素材1がハウジン
グ3内に上下左右に対向配置された4本の鼓型ローラ4
により図4,5の右方向に搬送される。そしてハウジン
グ3の搬送方向上流側に配置された溶接電極2により端
面突合わせ部1a(または1b)が内側(または外側)
から溶接される。続いて、端面突合わせ部1a(または
1b)が外側(または内側)から例えば1本の電極から
なる溶接電極(図示せず)により溶接されて溶接鋼管が
製造される。
【0019】ここでは、図3に示すように、サブマージ
アーク溶接の電極数を6本以上にすることによって、溶
接金属の溶け込み形状はアンブレラが小さくなり、溶け
込み部分の溶融線 (溶融金属と母材との境界線) の鉛直
線からの傾きθが15°以上になる。傾きθが小さい場
合、凝固結晶の会合部が溶接ビードの中央部に位置し、
高温割れの起点となる。そのため、電極数を6本以上に
することによって傾きθを15°以上とし、凝固結晶の
会合部を溶接ビードの表面に近づけることで、高温割れ
を防止できる。
【0020】図4または図5に示す溶接装置で表1に示
す成分の厚さ25.4mmの鋼板を管状に成形し、端面突合せ
部を仮付溶接後種々の電極数のサブマージアーク溶接を
外面および内面から実施し、肉厚25.4mm、外径762 mm、
長さ12mの鋼管を製造した。開先形状を図6に、ワイヤ
およびフラックスの仕様を表2に、溶接条件を表3に示
す。また、第1パスおよび第2パス目の溶接位置並びに
電極数の組合わせと、溶接金属の高温割れとの関係の実
験結果を表4に示す。
【0021】表4から判るように、6本以上の電極を用
いた本発明による実施例No.1〜No.3では高温割れが防止
できている。しかし、電極数が少ない比較例No.4〜No.6
ではでは高温割れが防止できない。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】本発明の製管溶接方法では、鋼板を管状
に成形した後、最初に6電極以上の多電極サブマージア
ーク溶接を、溶接時の凝固結晶の会合部の位置を高温割
れの起点にならない位置にして、実施するという方法で
溶接金属における高温割れの抑制ないしは解消を図るも
のであり、したがって例えばC:0.20%以上の高温
割れが発生しやすい高炭素鋼管の製管溶接においても溶
接材料、溶接法、開先設計、溶接条件等に実用上不利な
制限を加えることなく、通常用いられる条件のサブマー
ジアーク溶接法で別の設備を設けることなく溶接金属の
高温割れ防止が可能であるまたステンレス鋼、Ni基
合金等への適用も可能で、これらの鋼管の製造コスト低
減、製管能率向上に多大の効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) ないし図1(d) は、それぞれ高温割れ
の発生メカニズムを説明する図である。
【図2】溶融金属の溶け込み形状を示す図面である。
【図3】溶接金属の高温割れを断面ミクロ観察によって
確認した結果を示すグラフである。
【図4】本発明方法の実施の態様を示す溶接装置の側面
模式図である。
【図5】本発明方法の実施の他の態様を示す溶接装置の
側面模式図である。
【図6】サブマージアーク溶接を施し、製造する際の鋼
管素材の開先形状を示す図である。
【符号の説明】
1:鋼管素材 1a,1b:端面突合わせ部
2:溶接電極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を管状に成形した後、その端面突合
    わせ部を内面側および外面側から溶接して鋼管を製造す
    る際の製管溶接方法において、 前記端面突き合わせ部の内周側および外周側のうち最初
    に溶接する側を少なくとも6電極以上の多電極サブマー
    ジアーク溶接法により、溶接時の凝固結晶の会合部の位
    置を高温割れの起点にならない位置にして、溶接する第
    1溶接工程と、次に溶接する側を電極数を限定せず溶接
    する第2溶接工程とを含み、溶接金属の高温割れを抑制
    することを特徴とする製管溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記第1溶接工程において、溶接金属と
    前記端面突合わせ部との境界線と、前記端面突合わせ部
    の中心線とのなす角度が15度以上になるように6電極
    以上の多電極サブマージアーク溶接法により溶接する請
    求項1に記載の製管溶接方法。
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