JP2690950B2 - 膜状物 - Google Patents

膜状物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子電導性を有する高分子と電子電導性を
有しない高分子とよりなる膜状物に係わり、電気透折、
拡散透折、限界濾過、逆浸透、浸透気化などの溶質と溶
媒、あるいは溶質相互、溶媒相互を分離する分離膜とし
て有用でる特異な特性を示し、また一次電池および二次
電池における活性物として有用であり軽量で高性能の電
池を提供し得るものである。
〔従来技術のおよびその問題点〕
一般にイオン伝導性、イオン透過性などを有する分離
膜は知られているが、多様化する分離技術に対応するた
めに、従来の単なる膜の孔径の違いによる分離、電荷に
よる分離だけでなく、新たな機能を有する分離膜の開発
が求められる。
また近年、数多く開発されている一次あるいは二次電
池は、その使用目的に応じてその要求される機能も異な
っているが、電源を必要とする電子機器、電気製品の多
様化とともに、電池に対する要求も多様化し、各種の電
池が開発されている。例えば、よりエネルギー密度の高
い電池、種々の形状の電池、液もれの可能性のない電池
などが開発されている。そのため、これらの電池に対応
できるエネルギー密度のより高い活物質が要求されてい
る。このため、電子伝導性高分子の密度を大きくすると
成形性が悪く、得られる電極の強度が低くなる。強度や
成形性を改善するために電子伝導性高分子粉末とフッ素
樹脂などの熱可塑性樹脂粉末とを混合し、加圧成形する
方法も提案されているが、この場合は、エネルギー密度
が低くなる。即ち、電極の強度や加工性と、エネルギー
密度の向上とは、相反するものであった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記した問題点などに鑑み鋭意研究の
結果、電子電導性を有する高分子よりなる新たに開発し
た膜状物が特異な機能を発現する知見に基づき本発明を
完成するに至ったものである。即ち、本発明によれば、
電子電導性を有する高分子と電子電導性を有しない高分
子とよりなる膜状物が提供される。具体的には、本発明
は、電子電導性を有する高分子の分子鎖が伸長した状態
で、イオン交換基を有する高分子との分子鎖間に均一に
分散してなる膜状物である。
本発明の膜状物に用いられる電子電導性を有する高分
子は、従来公知の電子電導性を示す高分子化合物が少な
くともその一成分として用いられる。このような電子電
導性を有する高分子化合物として、具体的にはピロール
およびその誘導体、例えばN−メチルピロール、2−エ
チルピロールなどのN−アルキルピロール類、チオフェ
ンおよび3−アルキルチオフェンなどのチオフェン誘導
体、イソチアナフテンおよびその誘導体、インドール、
アズレン、フラン、アニリン、フェノール、ベンゼン、
ナフタリン、フェニレンジアミン類などのそれぞれの誘
導体、アセチレンおよびその誘導体の重合体が挙げられ
る。特にピロール、インドール、チオフェン、アニリ
ン、フラン、アセチレンおよびそれらの誘導体などの重
合体が好ましく、さらに好ましくは電解重合法により合
成したポリアニリンである。
他方、電子電導性を有しない高分子としては、従来公
知の電子電導性を有しない高分子が何ら制限なく好適に
用いられる。例えばポリスチレン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニルなどのほか、エンジニヤリングプラスチック
と称されている結晶性の高い高分子が好適にあり、例え
ばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
イミドなどの芳香族縮合系高分子であり主鎖に芳香族を
有するものが特に好ましい。好適に使用される芳香族縮
合系高分子としては、一般にフェニレン基同志が直接結
合するか、またはオキシ基、チオ基、カニボニル基、エ
ーテル基、イミド基、アミド基、エステル基、スルホニ
ル基、スルホン基、アルキリデン基、もしくはアルキレ
ン基を介して結合した芳香族縮合系高分子が好適であ
る。このような芳香族縮合系高分子を一般式で示すと次
のとおりである。
さらに、本発明において好適に使用し得る芳香族縮合
系高分子を具体的に例示すると、ポリフェニレン、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミド類、ポ
リイミド類など、の各樹脂およびこれら相互の共重合体
ならびにブレンド物などが挙げられる。本発明において
特に好ましく用いられる芳香族縮合系高分子は、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドで
あり、分子量は特に制限されず5000〜10万の広い範囲か
ら採用することができる。
また、上記した如き芳香族縮合系高分子には従来公知
の陽イオン交換基、陰イオン交換基あるいはその前駆体
が導入する。例えば、陰イオン交換基を導入したいとき
には、一例を挙げると芳香族縮合系高分子にハロアルキ
ル基が導入されるが、ハロアルキル基の導入は特に限定
的でなく、従来公知の手段が用いられ、具体的にはクロ
ルメチルエーテルなどのハロアルキルエーテルとSnC
l4、TiCl4、AlCl3、ZnO2、ZnCl2などのルイス酸と接触
させることによって導入される。即ち、芳香族縮合系高
分子をハロゲン系の有機溶媒に溶解し、これにハロアル
キルエーテルおよび触媒であるルイス酸を添加する。こ
の際、該高分子溶液があまりに濃厚であり、ハロアルキ
ルエーテル及び触媒の添加が急激に行われると該高分子
のゲル化が生じる惧れがある。同様に芳香族縮合系高分
子にハロスルホン基、酸無水物基、酸ハロゲン基、酸エ
ステル基、ニトリル基などの容易にイオン交換基の導入
可能なあるいはイオン交換基への変換可能な基を導入し
て用いることも出来る。このようなイオン交換基への変
換可能な官能基のある高分子を用いて、後記する膜状物
の製造における原料としてもよい。また、次に記載する
ようにイオン交換基を導入して膜状物の製造における原
料としてもいい。さらにまた、膜状物として後、イオン
交換基の導入をしてもよい。例えば陽イオン交換基を導
入するときの一例を挙げると、出来るだけハロアルキル
基を芳香環に一ヶの割合に近く導入したのち、一級、二
級または三級のアミノ基を有するアミン化合物と反応さ
せるが、二級の硫黄化合物、三級のリン化合物と反応さ
せて陰イオン交換基を導入する。
一方、芳香族縮合系高分子に陽イオン交換基を導入す
る場合には、スルホン化試薬などと反応させてスルホン
酸基を導入する方法、あるいは一旦ハロアルキル基を該
高分子に導入したのちスルホン化試薬と反応させる方法
などのほか従来公知の陽イオン交換基である例えばカル
ボン酸基、リン酸基、パーフルオロ三級アルコールなど
の導入する方法が何ら制限なく採用される。勿論、高分
子には陽イオン交換基および陰イオン交換基の両者が同
時に存在する場合も有効である。
本発明において、特徴の一つは、電子伝導性を有する
高分子の分子鎖が伸張された状態で、電子伝導性を有し
ない高分子の分子鎖と相互に均一に分散していることに
ある。このように電子電導性を有する高分子と電子電導
性を有しない高分子とを均一に分散させる方法は、特に
限定的ではない。従来から不均一に分散させた膜状物は
知られており、例えば、塩化第二鉄を分散したポリビニ
ルアルコールの薄膜の表層部にのみピロールの蒸気を接
触させる方法、電極上に不活性な高分子を皮膜状に形成
し、これを陽極として、支持電解質の存在下にピロール
を電解重合させる方法などにより得られる。しかしなが
ら、本発明における均一とは、分子オーダーで二種の高
分子が均一に分散している場合をいう。このため、本発
明においては二種の高分子を均一に混合分散させる従来
公知の方法が制限なく使用出来るが、最も好ましい態様
は電子電導性を有する高分子と電子電導性を有しない高
分子とを共通溶媒に溶解して流延法、あるいは相転換し
て装膜する方法である。ここで用いられる溶媒は望まし
くは電子電導性を有する高分子と電子電導性を有しない
高分子との両者を溶解するものが好ましく、具体的には
N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ジオキサンなどの極性溶媒がよい。た
だし、電子電導性を有する高分子は必ずしも溶媒に可溶
とは限らないため、出来るだけ微粉状にして電子電導性
を有しない高分子中に分散、懸濁させた状態で使用する
方法も有効である。また、電子電導性を有しない高分子
の溶液中に電解重合する単量体を支持電解質とともに溶
解し、この中に電極を挿入して激しく攪拌して重合を進
行させ、残余の単量体を減圧留去する方法も均一に両高
分子が分散した本発明の膜状物を作る場合に好適な手段
である。
上記した流延法で製膜する場合、その目的によって各
種の膜構造とすることが出来る。例えば、完全に緻密な
構造の膜とする方法、表層部のみ緻密であり且つ膜内部
および裏面が多孔性である構造、膜状物の両表面が緻密
構造であり且つ膜状物の内部が多孔質である構造、表層
部の緻密層に規制された孔径の孔を有する構造、膜全体
が多孔質となっている構造などである。これらの膜構造
を作る手段は、公知の方法が何ら制限なく採用される。
例えば、電子電導性を有する高分子と電子電導性を有し
ないし高分子とを極性有機溶媒に溶解したのち、水また
はメタノールなどの該高分子類の貧溶媒に浸漬して極性
有機溶媒を除き、該高分子類を析出させて多孔質とする
方法、製膜後に抽出除去できる有機・無機の高分子化合
物を添加しておく方法、無機化合物を添加しておいて延
伸する方法など適宜目的に応じて実施することが出来
る。
本発明の膜状物を形成する場合、一般に電子電導性を
有する高分子と電子電導性を有しない高分子との割合は
目的によって異なる。分離膜としては、電子電導性を有
する高分子の量があまりに多いと溶質の透過量は多いが
機械的強度が劣る場合が多く、該高分子があまりに少な
いと溶質の透過量が著しく少ない。また、電池の活物質
としては、機械的強度をさほど必要としないため電子電
導性を有する高分子を大量に添加して内部抵抗を減らす
ことが出来る。このようなことから膜状物の使用目的に
よって両高分子の混合割合は異なるが、一般に電子電導
性を有する高分子と電子電導性を有しない高分子の割合
は、90:10乃至2:98の間、好ましくは80:20乃至5:95の間
が好ましい。なお、流延法で製膜するとき、溶液におけ
る高分子類の濃度があまりに濃厚であると薄膜化、多孔
質化が困難となり、逆にあまりに濃度が低いとポリマー
の種類によって異なるが製膜が困難となるため、一般に
1乃至70wt%の濃度が好適である。
本発明の膜状物には、強度を維持するため、あるいは
電子電導性を賦与するために、例えば織布、不織布、
網、編物、金鋼、金属の不織布などの補強材を入れても
よい。特に電池の活物質として用いる膜状物には、例え
ばカーボンファイバー、ステンレススチール等の金鋼、
不織布などを入れることが好ましく、また分離膜として
利用する電位をかけて透析、浸透、濾過をする膜状物な
どには耐食性のある金鋼を入れておくことが好ましい。
これら補強材としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレ
ンなどの高分子の織布、不織布、編などを用いてもよ
く、これらは膜状物の機械的強度を保持するためであ
り、金網と併用してもよい。
本発明の膜状物における電子電導性を有する高分子に
は、ドーパントが電導度を高めるために必要であり、有
機溶媒への溶解性、分散性を向上させるためには脱ドー
プして用いるか、あるいは有機系のドーパントを用いる
ことが好ましい。なお、製膜後に有機系のドーパントは
脱ドープして所望のドーパントに変換することが出来
る。本発明で用いられるドーパントは、一般に従来公知
のものが広く使用され、例えばClO4 -、PF4 -、AsF4 -、Cl
-、F-、Br-、I-、FeCl3、NO3 -、SO4 2-、スチレンスルホ
ン酸、ポリスチレンスルホン酸、パーフルオロカーボン
スルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、ローズベンガル、アントラキノン二硫酸、テトラ
(スルホニル)ポリフィリン、テトラスルホフタルシア
ニン、パソフィナントロリン二硫酸、パソフェナントロ
リン、ポリビニル硫酸、PtCl4 2-、AuCl4 2-、PdCl4 2-、F
e(CN)6 3-、RuO4 -、MnO4などの公知のものが何ら制限
なく用いられる。また、Na+、Li+、K+、Ca、Mg2+など
の陽イオンも電子電導性を有する高分子化合物の種類に
よって使用される。このようなドーパントの存在量は、
電子電導性を示す高分子化合物に対して一般に0.001以
上の重量割合であればよい。さらに、導電性を有する高
分子の溶解性を高めるための脱ドープは、従来公知の方
法でp−型の導電性高分子であれば弱アルカリに浸漬処
理する化学的な脱ドープ、あるいは電気化学的に例えば
ポリアニリンを陽極酸化で合成したものは陰極に配して
脱ドープすることが出来る。同様に、有機イオンのドー
パントを導入する方法も化学的あるいは電気化学的にド
ーパントの交換をすることが出来る。具体的にはテトラ
メチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウム
イオンなどのテトラアルキルアンモニウムイオン類、N
−ドテシルベンジルジメチルアンモニウムイオンなど有
機陽イオンが、p−型の導電性を有する高分子の有機溶
媒への溶解性を向上させるには好適である。
以下、本発明の電子電導性を有する高分子と電子電導
性を有しない高分子からなる膜状物の製法について、若
干の具体例を示すが、本発明はこれらの例示によって何
ら制限されるものではない。
1) ピロールを水に分散し、これに過塩素酸を加えて
溶解させてのち、過塩素酸鉄を加えて酸化重合した。こ
れを濾過、水洗したのち、減圧乾燥し、ミルで粉砕して
微粉状のポリピロールを得る。次にポリ塩化ビニル微粉
末100部と、上記のポリピロール100部を小量のジメチル
ホルムアミドによって膨潤させ、これにジオリチルフタ
レート100部を加えたものとを均一に混合したのち、こ
れを二枚のポリエチレンテレフタレートのシートの間に
はさんで加熱プレスしてフィルムとした。これをメタノ
ール中に浸漬してジオクチルフタレートを抽出して、多
孔質の膜状物を得る。この膜状物は電子電導性を示す。
2) アニリンを水に分散して後、これに塩酸を加えて
溶解し、さらに過硫酸アンモニウムを加えてアニリンを
重合させてポリアニリンを得る。これを濾過、水洗後、
アンモニヤ水で洗い、次いでHBF4の水溶液で洗滌した。
これを減圧乾燥したのち、微粉状にミルでくだいて後、
N−メチルピロリドン中に一部を溶解、分散させた。こ
れにポリエーテルスルホンをさらに溶解した粘稠な液を
ガラス板上に流延したのち、これを加熱乾燥することに
より、均一で丈夫な黒色のフィルム膜状物が得られた。
この膜状物は電子電導性が認められ、また濃度の違った
塩酸の間に配すると陰イオン交換膜としての膜電位を発
生した。
3) アニリンの水溶液にHBF4を支持電解質として加え
て、白金板を電極として電解重合してポリアニリンを合
成した。これを白金板からとり除いて集め、充分に水洗
後、乾燥して微粉状にくだいた。これをN−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミドなどに溶解して、さらに
電子電導性を有しない高分子としてポリスルホンを溶解
して粘稠として後、これをガラス板上に流延して後、直
ちに水中に投入したところ、表層部は緻密で内部は多孔
質の膜状物が得られた。これは電子電導性を示し、かつ
限外濾過膜として有用であった。
4) ニトロベンゼンを溶媒として支持電解質を加えて
チオフェンを電解酸化重合した。得られたポリマーを電
極から取除き、メタノール洗滌、減圧乾燥して後、微粉
状をくだいた。これをビニルピリジンとジビニルベンゼ
ンに大量のキシレンを加えたものの中に分散させ、さら
にポリ塩化ビニルの微粉末を加えて粘稠な電子電導性を
有する高分子の溶液とした。これにベンゾイルパーオキ
サイドを加えて、平板上に流延して紫外線を照射して重
合させた。これをメタノール中に浸漬してキシレンを抽
出して、多孔性の膜状物とした。この膜状物は電子電導
性を有し同時に陰イオン選択透過性であった。
5) 電解重合によって合成したポリアニリンを集めて
減圧乾燥したのち、N−メチルピロリドンに溶解した。
一方、クロルメチル化反応によって活性ハロゲンを導入
したポリエーテルスルホンを同様にN−メチルピロリド
ンに溶解し、両者を混合して後、粘稠な液をガラス板上
に流延して後、水中に投入して、膜を多孔質とした。こ
れをピリジンのメタノール溶液中に浸漬して活性ハロゲ
ンにピリジンを結合させた。この膜は表面に緻密層が存
在し、内部は多孔質で電子電導性とイオン電導性が認め
られた。
その他、電子電導性を有する高分子と電子電導性を有
しない高分子とを出来るだけ分子オーダーでミクロに分
散する方法は、如何なる方法にあっても従来公知の方法
が採用される。このような両高分子は極性が異なるため
容易に均一に分散しないが、溶媒の選定、添加剤、両高
分子の極性を検討することによってより、均一に分散さ
せることが可能である。ここで得られた膜状物は目的に
よって多孔度、厚みは異なる。分離膜として用いる場合
も分離の目的によって異なるが、一般に多孔質の膜を用
いる方が効率的であるが、表層部に緻密層が必要であ
る。また、電気透析のように拡散境膜層の存在が使用上
好ましくない系にあっては、全体が緻密である膜状物が
必要であるが、多孔質膜として使用するときは一般に多
孔度は10〜95%であることが望ましい。また、電池の活
物質として用いる場合は、膜全体に多孔質があることが
望ましく、多孔度は10〜98%であることが望ましい。こ
こでいう多孔度とは、その膜と同じ組成のポリマー溶液
を使って緻密構造の多孔膜と同じ厚みの膜を作ったとき
の単位面積あたりの重さで、多孔質とした膜の単位面積
あたりの重さを除して、%表示したものである。
また、本発明の膜状物の厚みは、高分子溶液の粘度、
製法を検討することによって各種の厚みのものを作るこ
とが可能であるが、目的によって異なり、分離膜として
使用する場合は一般に0.001〜0.3cmの厚みが適宜目的に
よって選択されるが、電池の活物質として用いる場合は
電池の目的とする容量によっても異なるが一般に0.0001
〜0.5cmの厚みが適宜選択される。また、複数枚を積層
して用いることも出来る。なお、本発明でいう膜状物と
は、二次元的に拡がった平板状の形態を意味するのでは
なく、管状物、円筒状物、中空糸、わん曲状物、ひだ状
物など含むものである。
〔効果〕
従来、微粉状イオン交換体を不活性な高分子中に均一
に分散さしてイオン交換膜とすることは数多く試みられ
てきた。これは不活性な高分子中に均一にイオン交換基
が分散していないために好ましい膜状物となっていな
い。また、電解重合によって電子電導性を有する高分子
を作るとき溶媒、支持電解質の選定によって多孔質化
し、比表面積を高めることも出来るが限界があり、また
分離膜として使用出来る緻密層を形成することは難し
い。
本発明においては電子電導性を有する高分子を溶媒に
溶解あるいは膨潤させて高分子鎖を伸長した状態にし
て、他の電子電導性を有しない高分子鎖の間に分散させ
ることによって、従来の単なるブレンドによる製膜とは
全く違った特性が得られている。しかして、本発明の膜
状物は、電子電導性を有する高分子がより有効に機能を
発揮している。例えば、電池の活物質として使用したと
き、同一の電子電導性を有する高分子を用いたときに比
較して著しくドーピング、脱ドーピングの率が高い、即
ち高い電池容量を示す。また、分離膜として用いたとき
も、より均一に電子電導性を有する高分子が膜内に分散
しているために、少ない電子電導性を有する高分子の存
在量によって、機械的にも丈夫であり且つより大きい溶
質の透過量が得られる。
実施例 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本発明に膜状物について、分離膜としての特性
を検討するために、従来公知の分離膜の評価方法、即ち
電気透析、拡散透析、圧透析、逆浸透、限外濾過、浸透
気化などにおける特性を従来公知の評価手段および評価
装置によって検討した。また、本発明の膜状物を電池の
活物質として用いた特性は、第1図に示す装置を構成し
て行った。第1図の評価装置において、1は断面積1cm2
で鋼製の負極、2はポリエチレン製で直径4cmの遮断
壁、3は直径6cmで銅製の正極である。電池の評価にあ
たっては、4の位置に所定の負極活物質、5の電解質
層、6に正極活物質を配し、7および8はそれぞれ端子
である。電池を組立てるときは、各物質を積層して、9
のハンドルで適当な圧力押圧して電池を形成した。この
ような電池の起電力はエレクトロメーター(北斗電工製
HE−104)入力抵抗1011Ωを用いて測定し、充放電実験
は日厚計測製NCD−1を用いて実施した。
実施例1 アニリン10部を水1000部に分散し、これに塩酸を滴下
していきアニリンを溶解させた。次いで、この均一な溶
液に10%の過硫酸アンモニウム水溶液を加えて放置した
ところ、黒色の重合体が得られた。一夜放置して濾過、
減圧乾燥して後、乳鉢によって微粉状にした。この微粉
状の高分子をN−メチルピロリドン100部に20部となる
ように溶解、分散させ、充分に攪拌し均一な状態にし
た。他方、ポリエーテルスルホンをN−メチルピロリド
ンに20%となるように溶解して粘稠な溶液とした。この
両方の液を容量で1:1に混合し、攪拌して黒色粘稠な液
としたのち、これを水平にしたガラス板上に流延し、30
秒間放置し、直ちに水中に投入した。充分に溶媒と水を
置換し、得られるフィルム状の膜状物を洗滌して後、1
規定のHBF4水溶液に浸漬してドーピング処理をした。
この膜状物、を減圧乾燥したのち、電池の正極活物質
として評価に供した。なお、得られた膜状物の多孔度は
89%、厚みは0.8mmであった。また、リチウム箔を負極
活物質として、1規定のLiBF4のプロピレンカーボネー
ト溶液を含浸したプロピレン不織布を電解質層として用
いてリチウム電池を組み立てた。その電池の起電力は3.
2vであり、100μAで3.3vと2.5vの間で充放電をくり返
しの充放電効率98%であり、50回くり返して殆んど性能
の低下は見られなかった。
さらに、この膜状物について、その断面および表面を
走査電子顕微鏡で観察したところ、ガラス板に接触して
いた面は多孔質であり、外気に接していた面は緻密な皮
膜を形成しており、断面はスポンジ状を呈していた。次
いで、この膜状物を用いて、その緻密層に液を接触させ
て加圧濾過した。即ち、卵白アルブミン(分子量約45,0
00)とビタミンB12(分子量1,355)との溶液を濾過した
ところ、卵白アルブミンの濾過を全く認められず、ビタ
ミンB12のみ膜を透過した。しかし、経時的に透過液量
が減少してきたので、原料液中に銀板を挿入し、これに
正の電位をかけ膜状物に負の電位をかけて同様の膜透過
を測定したところ透過液量の減少はゆるやかとなった。
比較例1 実施例1と同様にして得たアニリンの重合体20部を、
乳鉢で十分に微粉砕したもの20部とポリエーテルスルホ
ンの粉末100部とを50部のジオクチルフタレートと共に
乳鉢中で十分に混合した後、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの間に挾みホットプレスで成膜した。得られ
た膜は黒色で膜厚は0.8mmであった。この膜をメタノー
ルによりジオクチルフタレートを抽出除去して断面及び
表面を走査電子顕微鏡で観察したところ、多孔質である
ことが認められた。
この膜について実施例1と同一条件で同様のテストを
行ったところ、充施電効率は48%であった。また卵白と
ビタミンB12とを含む溶液を濾過したところ、濾液中の
割合は濾過前とほとんど変わらなかった。
実施例2 アニリンの1.0規定にpH1.2となるようにHBF4を添加し
て2mA/cm2で5℃に冷却して白金板を電極としてアニリ
ンの電解重合をした。陽極上に生成したポリアニリンを
白金板より取除き、微粉状にして、これをN−メチルピ
ロリドンに溶解した。不溶分は300メッシュのステンレ
ススチールのフィルターで濾過して除いた。他方、ポリ
エーテルイミドをN−メチルピロリドンに溶解して20%
の溶液とした。ポリアニリンのN−メチルピロリドンの
溶液は、エバポレーターによって濃縮して20%とした。
これらを1:1の割合に混合し、均一に攪拌してガラス板
の上に流延させたのち、直ちに水中に投入し、高分子の
相転位を生じさせた。さらに充分に水洗し、メタノール
で洗い、減圧乾燥した。得られた膜状物の多孔度は86%
であり、膜厚は1.8mmであった。このフィルム状の膜状
物を用いてイソプロピルアルコールと水の1:1の混合液
を70℃で浸透気化分離した。即ち、膜の一方には上記の
混合液を配し、他方にステンレススチールの多孔膜を配
して減圧とし、これに濾過している水とアルコールの割
合を求めたところ、水がイソプロピルアルコールに比較
して400倍も選択的に透過した。
また、膜状物を電池の活物質として、リチウム箔と組
み合わせて実施例1と同様に評価したところ、3.3vと2.
5vの間で充放電をくり返し、膜内に存在するポリアニリ
ンのユニットの約70%が充放電に寄与していた。二次電
池として充放電のくり返しは、100回および殆んど変化
はなかった。
実施例3 ピロールの5%水溶液に3%のFe(ClO4水溶液を
ピロールの2倍当量の割合に加えて、ピロールを重合さ
せて、ポリピロールとした。これを一夜放置後、濾過し
て水洗、減圧乾燥後、ミルによって微粉状にした。この
微粉状物10部、ジメチルホルムアミド50部に分散し、分
散性を向上させるためにポリエチレンオキサイドを親水
基として、ラウリル基を疎水基とする界面活性剤を少量
加えて攪拌した。他方、ポリエーテルイミド20部をジメ
チルホルムアミド100部に溶解して粘稠な液とした。
上で調製した二つの液を混合して粘稠を黒色の液とし
たのち、これをガラス板上に流延して後、直ちに水中に
入れて溶媒を水中に移行させて多孔体のフィルムとし
た。この得られたフィルム状の膜状物の厚みは2mmで、
多孔度は85%であった。また、この膜状物は、走査型電
子顕微鏡の観察によれば表面に緻密層があり、内部がス
ポンジ状であり、1km/cm以下の圧力では透水量が殆んど
認められなかった。さらに、膜状物を0.5規定の塩酸と
3.0規定の間に置くと膜電位が観察され、これから陰イ
オン交換膜としての輸率は0.93であり、0.5規定の塩酸
中で測定した電気抵抗が0.3Ωcm2であった。
次に、上記の膜状物を実施例1と同様にしてリチウム
箔と組み合わせて評価したところ、電圧は3.2vであり、
200μAで充放電を3.2vと2.5の間でくり返し、膜高分子
中のポリピロールのピロール単位に換算して約60%のド
ーパントが充放電に利用されていた。
実施例4 チオフェン10部をニトロベンゼン100部に溶解し、こ
れにテトラエチルアンモニウムの過塩素酸塩を加えて溶
解し、白金板を電極として電解重合を2.0mA/cm2の電流
密度で実施した。電極上に析出したポリチオフェンをと
り出して、メタノールで洗い、減圧乾燥してのち、微粉
状に砕いた。これをジメチルスルホキシド中に溶解、一
部を分散させた。他方、ポリスルホンをジメチルスルホ
キシド中に容易して粘稠な溶液とした。この両者を混合
して黒色の粘稠な液としたのち、これをポリテトラフル
オロエチレン製の平板の上に流延し、これをそのまま水
中に投入した。ポリテトラフルオロエチレン製の平板か
らフィルムをはぎとり減圧乾燥したところ、多孔度は78
%であり、膜の厚みは1.5mmであった。走査型電子顕微
鏡で調べたところ、膜表層部に皮膜があり、内部は多孔
質であった。1規定の塩酸に浸漬して電気抵抗を測定し
たところ、0.8Ω−cm2であった。また、0.5規定塩酸と
2.5規定塩酸との間における膜電位から、陰イオン交換
膜としての輸率が0.86であった。
次に、上記で得た膜状物を実施例と同様にリチウム電
池の正極活性物質として評価したところ、起電力は3.0v
で、3.0vと2.5vとの間において100μAの電流密度で充
放電をくり返したところ、膜状物のポリチオフェンのチ
オフェンユニットの約62%が充放電に写っていた。
実施例5 ピロールを1規定となるように、テトラエチルアンモ
ニウムのBF4塩を0.5規定となるように、それぞれアセト
ニトリル中に溶解した液に陽極として白金板を入れて2.
0mA/cm2で電気分解して、白金板上にピロールを電解酸
化析出させた。これを電極からはぎとり、水洗後、充分
に微粉状としたのちに減圧乾燥した。得られた黒色の微
粉状高分子のジメチルホルムアミドに分散、一部を溶解
させた。他方、ポリ塩化ビニルをジメチルホルムアミド
中に15%となるように溶解した。両方の溶液を均一に混
合して後、ガラス板の上に流延して、直ちに水中に入れ
て、黒色の多孔質フィルムとした。この得られたフィル
ム状の膜状物は多孔度が58%であり、膜厚が、0.5mmで
あった。また、前実施例と同様にして膜電位かち測定し
た輸率は0.82であり、陰イオン交換膜が形成されてい
た。これを同様にリチウム電池の活物質として評価した
ところ、超電力は2.9vであり、100μAで充放電をくり
返して50回殆んど溶量の減少はなかった。
実施例6 N−メチルピロリドン100部にポリエーテルスルホン2
0部を溶解して、これにアニリン15部と(C2H5)4NBF4 1
0部とを溶解した粘稠な溶液に、白金電極を浸漬して激
しく攪拌しながら電流密度1mA/cm2で電気分解を実施し
た。粘稠な液は黒色となった。添加したアニリンの90%
が重合するに相当する量の電流を流したのち、この黒色
粘稠な溶液をガラス平板上に流延して、次いで水中に投
入した。得られたフィルム状の多孔膜は前実施例と同様
に処理して、多孔度が92%であり、膜厚が0.8mmとなっ
ていた。
この膜状物の電気抵抗を1規定の塩酸中で測定したと
ころ0.3Ω−cm2であり、次いでアンモニヤ水中に浸漬し
て0.5規定の食塩中で電気抵抗を測定したところ180Ω−
cm2であり、弱塩基性の陰イオン交換基を有する膜であ
ることが分った。また、この膜を用いて前実施例と同様
にリチウム箔と組み合わせて充放電をくり返したとこ
ろ、起電力は3.3vであり、3.5と2.5vとの間で充放電を
くり返した結果、膜状物に含まれているポリアニリンの
アニリンユニットの82%が充放電に寄与してることが分
り、140回の充放電をくり返したが容量の減少はなかっ
た。
実施例7 アニリン150部を水800部に溶解し、これに過塩素酸を
加えてpHを1.0にした溶液にSUS304の板を浸漬して電流
密度2.0mA/cm2で液温5℃にして窒素雰囲気で電解酸化
重合して、陽極上に析出したポリアニリンを集め、水洗
し減圧乾燥して後、微粉状にした。これをN−メチルピ
ロリドンに溶解し、不溶分は300メッシュの金鋼で濾過
して、ポリアニリンの20%N−メチルピロリドン溶液を
得た。他方、ポリスルホンのN−メチルピロリドンの20
%溶液を作り、上記のポリアニリン溶液を種々混合して
ポリアニリンの含量の異なる液を作り、流延法によって
ガラス板上に流して、次いで溶媒を完全に乾燥器の中で
乾燥して除去して緻密構造のフィルムとした。
得られたフィルム状の膜状物について、その断面を走
査型電子顕微鏡による観察によれば、気泡の存在は認め
られなかった。これら表−1に示す各種のフィルムにつ
いて、一方に1規定の硫酸を配し、他方に純粋を配した
二重セルにおいて、硫酸の純水中への拡散定数を求め
た。その結果を表−1に示した。
実施例8 実施例7で調合した粘稠な二種のポリマーの混合液
を、中空糸製造用のノズルから水中に押出して中空糸を
製造した。この中空糸の断面を走査型電顕によって観察
したところ、中空糸の外表面は緻密構造となり中空糸の
断面はスポンジ状となっていた。これを束ねてモジュー
ルとし、実施例1と同様にして、中空糸の外側に卵白ア
ルブミンとビタミンB12の限外濾過をしたところ、中空
糸内にビタミンB12が透過したきた。束ねた中空糸のそ
れぞれに負の電位をかけ、外筒にステンレススチールを
用いて、これに正の電位をかけたところ、電位をかけな
い場合に比較して著しく膜透過量の経時的な減少が少な
かった。
実施例9 で示される繰返し単位よりなるポリエーテルスルホンを
10%となるようにエチレンジクロライドに溶解した。こ
の溶液1000重量部に対して50重量部のClCH2OCH3を加え
て均一としたのちに、これに18重量部の無水のSnCl4
加えて30℃に8時間保った。次いで、これを大量のメチ
ルアルコール中に注ぎ、ゴム状のポリマーをとり出し
た。充分にメタノール、次いで水で洗浄したのち減圧乾
燥して元素分析及び赤外スペクトルを測定したところ、
上記の繰返し単位1.2単位あたり1ヶのクロルメチル基
が導入されていることが分かった。これを20%となるよ
うにN−メチルピロリドンに溶解した。他方、実施例7
で合成した電解重合ポリアニリンをN−メチルピロリド
ンに20%となるように溶解した溶液を用い、上記のクロ
ルメチル基含有ポリエーテルスルホン溶液100部に対し
てポリアニリン含有溶液を110部を混合し、ガラス板上
に流延して後、水中に入れて溶媒を置換して多孔質の膜
状物とした。これをアセトン1部、水2部の溶媒にトリ
メチルアミンを1.5規定となるように溶解したアミノ化
浴に25℃で16時間浸漬した。この多孔質膜状物を1規定
塩酸で洗浄し、次いでメタノール洗滌後に常法によって
陰イオン交換容量を測定したところ、強塩基性の陰イオ
ン交換基が0.48ミリ当量/グラム乾燥膜、弱塩基性陰イ
オン交換基が1.45ミリ当量存在していた。得られた膜状
物を0.5規定と2.5規定の塩酸の間で測定した膜電位から
求めた輸率は0.92であった。
この膜状物を1規定のHClO4水溶液に浸漬して後、減
圧乾燥してプロピレンカーボネートで膨潤した。次い
で、プロピレン製の不織布に1規定となるようにLiCiO4
を溶解した電解液を含浸したものを電解質層として、リ
チウム箔と積層してリチウム電池を構成した。これの超
電力は3.1vであり、3.3vと2.5vの間で250μAで充放電
し、膜内に含まれている強塩基性、弱塩基性陰イオン交
換基の85%が充放電に寄与しており、250回くり返して
も変化はなかった。
実施例10 の繰返し単位よりなるポリスルホン100重量部を、エチ
レンジクロライド1000重量部に溶解した。次いで、これ
に約20重量部のClCH2OCH3を加え、更にZnOを約7.4重量
部加えて均一にして30℃で6時間攪拌下に反応させた。
反応中に次第に粘度が上昇した。これを大量のメタノー
ル中に投入し得られたゴム状のポリマーを分け、更に充
分にメタノール及び水で洗浄した。このポリマーを減圧
乾燥後元素分析し、さらに赤外吸収スペクトルを測定し
たところ、上記式の繰返し単位3.5個に1個の割合でク
ロルメチル基が導入されていた。
このクロルメチル基が導入されたポリスルホンをN−
メチルピロリドンに10%となるように溶解して粘稠な液
とし、これを実施例3で調合したポリピロールのN−メ
チルピロリドンの液を2:1の割合で混合して均一にし
た。これを平板上に流延後、直ちに水中に入れてフィル
ムを多孔質化した。このフィルムを減圧乾燥したのち、
エチレンジクロライドに溶解した。他方、(C2H53P=
0をエチレンジクロライドに溶解した中にSO3を吹き込
んで(C2H53P=0とSO3の錯体を形成した液中に10℃
に冷却して8時間浸漬した。これを取り出して充分に水
洗、メタノール洗浄、水洗を繰返し過剰のSO3を除いた
あと、1規定のHBF4水溶液に浸漬して後、減圧乾燥し
た。
この得られた多高質膜状物のイオン交換容量を常法に
よって測定したところ、陽イオン交換容量0.62ミリ当量
/グラム(乾燥膜)、陰イオン交換容量1.45ミリ当量/
グラム(乾燥膜)であった。1kg/cm2以下の水圧では透
水量は認められず、多孔質の両性イオン交換膜が形成さ
れていた。
次に上記の膜状物を用いてLiBF4の炭酸プロピレン溶
液を電解液として、ポリプロピレン製の織布に担持させ
てリチウム箔と組み合わせて電池を形成したところ、3.
2vの超電力が得られ、これを3.4vと2.5vの間で150μA
で充放電をくり返したところ、陽イオン交換容量と陰イ
オン交換容量との和のうち90%が充放電に寄与し、二次
電池が形成されていた。
実施例11 で示される繰返し単位よりなるポリエーテルスルホンを
10%となるようにエチレンジクロライドに溶解した。こ
の溶液100重量部に対して50重量部のClCH2OCH3を加えて
均一としたのちに、これに18重量部の無水のSnCl4を加
えて30℃に5時間保った。次いで、これを大量のメチル
アルコール中に注ぎ、ゴム状のポリマーをとり出した。
充分にメタノール、次いで水で洗浄したのち減圧乾燥し
て元素分析及び赤外吸収スペクトルを測定したところ、
上記の繰返し単位3単位あたり1ヶのクロルメチル基が
導入されていることが分かった。
これをピリジンの10%メタノール溶液に浸漬して、ク
ロルメチル基にピリジンを結合させた。このポリマーを
20部をN−メチルピロリドン80部に溶解した後、実施例
7で合成、調合したポリアニリンのN−メチルピロリド
ンの20%溶液を均一に混合して粘稠な溶液とした。これ
をスリットの間から水中に入れて連続的にフィルムを作
った。
このフィルム状膜状物は表面が多孔層であり、内部が
スポンジ状となっていることが走査型電顕によって確認
できた。これをHBF4の1規定水溶液に浸漬乾燥後、これ
を実施例8と同様にしてリチウム電池の活物質として評
価したところ、起電力は3.2vであり、300μAで二次電
池として充放電を3.4と2.5vの間で行い、膜状物の中のB
F4 -の95%が充放電に寄与していた。
実施例12 実施例1で合成したポリアニリンを20%となるよう
に、N−メチルピロリドンに溶解した液と実施例3で合
成したポリピロールを20%となるようにN−メチルピロ
リドンに分散溶解した液とポリスルホンの20%N−メチ
ルピロリドンの溶液とを、それぞれが1:1:2の割合で混
合して後、流延法によって膜状物として減圧乾燥して緻
密構造の膜とした。1規定の塩酸中で測定した電気抵抗
は25℃で0.5Ω−cm2であり、0.5規定の塩酸と2.5規定塩
酸の間での膜電位から計算した輸率は0.92であり、陰イ
オン交換膜としての特性を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例において電池を構成して、そ
の評価を行った装置の概要を示す断面図である。第1図
において、1は負極、2は遮断壁、3は正極、4は負極
活物質、5は電解質層、6は正極活物質、7および8は
端子、9は押圧ハンドルを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子電導性を有する高分子の分子鎖が伸張
    した状態で、イオン交換基を有する高分子との分子鎖間
    に均一に分散してなる膜状物。
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