JP2690903B2 - 蛍光ランプ装置 - Google Patents

蛍光ランプ装置

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JP2690903B2 JP19004587A JP19004587A JP2690903B2 JP 2690903 B2 JP2690903 B2 JP 2690903B2 JP 19004587 A JP19004587 A JP 19004587A JP 19004587 A JP19004587 A JP 19004587A JP 2690903 B2 JP2690903 B2 JP 2690903B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高周波インバータで点灯する熱陰極蛍光ラン
プに係り、特に点灯時にフイラメント予熱なしで始動さ
せ、かつランプ電流100mA以下の低電流で点灯させるの
に好適な熱陰極蛍光ランプに関する。 〔従来の技術〕 近年ポケツト形カラー液晶テレビが発売されるように
なり、このバツクライトとして小形の蛍光ランプが使用
されているが、このランプは消費電力を小さくするため
に、ランプ電流100mA以下で点灯する必要があり、また
ランプ始動時電子衝撃による電極損傷を小さくして短寿
命に備えるために、インバータには予熱させてから始動
させるのが普通であつた。これを改良するために、従来
の装置として実開昭62−10355号に示されるように管内
に封入するArガス圧を通常の2〜3Torrから50〜80Torr
の高圧にすることで電子衝撃を小さくして、始動時のフ
イラメント損傷を小さくすることが提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、上記従来技術はランプ寿命を長くするという
点では効果はあるものの、封入Ar圧を高くすることによ
り生じるランプ効率の低下は避けがたく、通常蛍光ラン
プが使用する2〜3Torr付近でのランプ効率の半分以下
にもなつてしまうため、液晶バツクライトとして使用す
るには乾電池で使用されることが多いため、乾電池の寿
命が短かくなりすぎて使用できない。 また、極間距離が大きくなる程、ガス圧を50〜80Torr
にも封入するとバツシエンの法則に従つて始動電圧が高
くなり、従つて、インバータに使用するトランスの2次
電圧を高くする必要があり、このためトランス2次側の
巻数を極端に大きくする必要があり、トランスコストが
高くなる。 本発明の目的は上記欠点であるランプ効率を低下させ
ずに予熱なしスタートでも短寿命とならない蛍光ランプ
を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、管内に封入するArガス圧も有効な手段で
あるため、5〜20Torr程度としてある程度始動時の電子
衝撃を小さしておき、更にフイラメントに含有させる電
子放射物質の露出表面積を従来より大きくすることによ
り、電極の仕事関数(電子放射性)を改良することで達
成可能となる。 本発明の要旨は、両端に電子放射性物質を含有してな
るフィラメント形状の電極を有し、管内にアルゴンガス
と水銀を封入した熱陰極蛍光ランプを前記電極の予熱な
しで高周波インバータにて点灯する蛍光ランプ装置にお
いて、 前記蛍光ランプをランプ電流100mA以下で点灯させ、 前記アルゴンガスの封入圧を5Torr〜20Torrの範囲と
し、前記フィラメント形状の電極に含有させる電子放射
物質の露出表面積を50mm2〜200mm2としたことを特徴と
する蛍光ランプ装置にある。 〔作用〕 Ar封入圧を5〜20Torrの範囲にすることはランプ効率
をそれ程大きく低下させることなく、電子衝撃を小さく
することが可能となり、更にフイラメントに含有させる
電子放射物の表面積を50〜200mm2の範囲に大きくするこ
とで、電極の電子放射性を良くするという二段の対策
で、ランプが予熱なしで点灯する場合、ランプが必ず通
過する冷陰極モードの放電状態の経過時間が従来の数秒
から1秒以下となり、大巾な電子衝撃の軽減を可能とで
きる。 更に、電子放射物質の表面積を大きくするためには、
3重コイルが最適であるが、このコイルを採用して表面
積を大きくすることは量も多くすることになり、絶対寿
命を長くするのにつながつているのは言うまでもない。 〔実施例〕 管内径が9.6mmでランプ電流50mA、ランプ電力2Wの状
態で使用する蛍光ランプにおいて、第1図に管内Ar封入
圧とランプ効率との関係を示す。この時、3Torrの時を1
00として相対値で示す。この第1図から、ランプ効率を
それ程低下させずに20Torrにて約90%を確保できるため
使用できる範囲は5〜20Torrであることが分る。 本実施例では封入圧を15Torrとし、電子放射物質とし
て、酸化バリウム,酸化カルシウム,酸化ジルコニウム
の3元系からなるオキサイドを使用して、3重コイルに
その量を規制することで表面積と10秒−10秒の点滅寿命
回数の関係を実験した所、第2図の如くとなり50mm2
寿命3000回を確保でき、逆に200mm2を越えるとあまり効
果が変わらないこと及び9.4mmの内径で200mm2を越えて
電子放射物質を含有させるフイラメント設計は実用的で
ないことから50〜200mm2の範囲が最適であることが分つ
た。 尚、本実施例では3重コイルを使用したが、追加確認
では2重コイルにても同様の結果であつたことから、フ
イラメント形状には影響されず、電子放射物質の表面積
によることが確認されている。 また、ランプ電流を大きくしていくと、ランプ始動時
に電極にかかる衝撃が大きくなるが、少なくともランプ
100mAまでの範囲では同一フイラメント形状にても対応
できることが確認されている。 〔発明の効果〕 本実施例によれば、熱陰極蛍光ランプの管内Ar封入圧
と電極に含有させる電子放射物質の表面積を最適にする
ことで、これで熱陰極形蛍光ランプでは困難とされてい
た高周波インバータでの予熱なしの点灯方式を採用する
ことが可能となり、これによりインバータの大巾なコス
トダウン,ランプの点滅寿命の長寿命化を達成できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は管内封入Ar圧とランプ効率との関係を示す図、
第2図は電子放射物質の表面積の変化に伴なう10秒−10
秒サイクルの点滅寿命回数の変化を示す図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.両端に電子放射性物質を含有してなるフィラメント
    形状の電極を有し、管内にアルゴンガスと水銀を封入し
    た熱陰極蛍光ランプを前記電極の予熱なしで高周波イン
    バータにて点灯する蛍光ランプ装置において、 前記蛍光ランプをランプ電流100mA以下で点灯させ、 前記アルゴンガスの封入圧を5Torr〜20Torrの範囲と
    し、前記フィラメント形状の電極に含有させる電子放射
    物質の露出表面積を50mm2〜200mm2としたことを特徴と
    する蛍光ランプ装置。
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