JP2690650B2 - 冷凍機用圧縮機 - Google Patents

冷凍機用圧縮機

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JP2690650B2
JP2690650B2 JP4014826A JP1482692A JP2690650B2 JP 2690650 B2 JP2690650 B2 JP 2690650B2 JP 4014826 A JP4014826 A JP 4014826A JP 1482692 A JP1482692 A JP 1482692A JP 2690650 B2 JP2690650 B2 JP 2690650B2
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refrigerant
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和彦 佐藤
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敦夫 岸
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2210/00Fluid
    • F04C2210/26Refrigerants with particular properties, e.g. HFC-134a
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/12Coating

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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ化炭化水素系冷媒
とポリアルキレングリコール(以下、PAGと云う)系
あるいはエステル系の合成冷凍機油を主成分とする作動
媒体を用いた冷凍サイクルに使用される圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、カーエアコン等の冷凍サイクルに
おいては、冷媒に極性基を有しないジクロロジフルオロ
メタン(以下CFC12と云う)を使用していたゝめ、
冷凍機油としては主に鉱油が用いられていた。しかし、
昨今の地球環境問題により塩素原子を含むCFC12は
使用できなくなり、これに代わって1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン(以下HFC134aと云う)で代表
される塩素原子を含まない冷媒でなければ使用できなく
なった。
【0003】しかし、HFC134aは極性基を有して
いるため鉱油を全く溶解せず、圧縮機の潤滑剤として鉱
油を使用することができない。特に、カーエアコンにお
いては、−40〜+80℃の範囲で冷媒と潤滑剤とが完
全に相溶した作動媒体であることが要求されている。従
って、これを解決するものとして潤滑剤を構成する分子
中に極性基(例えば酸素原子)を有するPAGまたはエ
ステル系の合成油が提案されている。
【0004】前記エステル油は特殊なものを除き前記の
温度範囲で相溶するが、PAGには高温側の相溶温度の
目標値を満足できないものが多い。本発明者らの検討に
よれば、PAGで油粘度の目標値を満足させつゝ(潤滑
性の点で所定の粘度が必要)高温側の二層分離温度を向
上させるには分子中の酸素含有率を増加させるのがよい
いことが分かった。具体的にはPAG分子の少なくとも
一方の末端をエステル(例えばCH3COO−)で変性
するのが最も簡単で、こうすることによって相溶温度の
目標値を満足することができる。このような構造のPA
Gを以下エステル変性PAGと称することにする。
【0005】現在CFC12/鉱油系の冷凍サイクルに
用いている圧縮機をそのままHFC134a/エステル
変性PAG系冷凍サイクルに転用して運転したところ、
CFC12/鉱油系サイクルでは起こらない次のような
問題が生じた。
【0006】(1)潤滑油がサイクル系外に漏れた場合
を想定した過少油量試験において、シャフトの回転運動
をピストンの往復運動に変換するための手段の一つであ
るピストンサポート回り止め手段部のアルミニウム合金
摺動面に焼き付きが発生した。
【0007】(2)前記ピストンサポートに凹設された
球面とコネクティングロッドボールとで構成されるボー
ル継ぎ手に固着が生じ、また、ボール面が著しく摩耗し
た。
【0008】(3)圧縮機内外の気密を保持するための
NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)製のO−リ
ングが著しく膨潤した。
【0009】(4)圧延鋼板にゴムシートを接着したシ
ートパッキンのゴムが鋼板から剥がれる現象が生じた。
【0010】(5)製品ライフ10年を想定した長期連
続試験において、吐出弁が破損し、吸入弁にも破損の兆
候(亀裂)が見られた。
【0011】(6)スラスト針状ころ軸受に剥離が生じ
た。
【0012】これらの原因は次のように推考される。即
ち、(1)(2)については、冷媒CFC12は分子中
に塩素原子を有するため冷媒自体も潤滑性を有するの
で、潤滑油の供給量が大幅に減少しても冷媒によって潤
滑することが可能である。これに対して、HFC134
aは分子中に塩素原子を有していないため、冷媒自体に
よる潤滑性能はない。耐摩耗剤が添加されていても潤滑
油の供給量の大幅減少により、潤滑不良を生じて摺動面
に固着や焼き付きを起こす。
【0013】(3)については、PAGが溶媒となりN
BRが悪影響を受けたものと考えられる。単にゴム材が
伸びるだけであればシール機能はそれほど低下しない。
しかし、ゴム材に添加されている可塑剤や老化防止剤等
がPAGによって溶出し体積減少が生じていることが判
明した。これは、O−リングの潰し代や軸シールとフロ
ントカバーの間の緊縛力が減少してシール性を損なう原
因となる。
【0014】また、(4)については、上記と同様にゴ
ム材が膨潤したことゝゴムと鋼板の間の接着剤が劣化し
て接着力が低下したゝめである。
【0015】さらにまた、(5)については、PAGお
よびエステル油は鉱油に比べて吸湿量が大きいために、
冷凍サイクル内の水分含有量が多い。カーエアコンでは
圧縮機の駆動力をエンジンから得るため開放型の圧縮機
を用いている。更に、圧縮機はエンジンに、熱交換器は
車体に搭載されるので両者を連結する配管には可撓性が
要求され、該配管はフレキシブルゴムホースを用いるの
が一般的である。そのため、大気中の水分がこれを透過
して冷凍サイクル内に侵入し易い。
【0016】上記侵入水分を捕捉するため、冷凍サイク
ル内にはモレキュラシーブスに代表される吸着剤の装着
が考えられるが、吸着剤の吸水量は有限である。簡単な
計算によれば、3〜4年で吸着能力はなくなり、その後
はゴム材を透過した水分はそのまゝ作動媒体中の水分量
を増加させる。従って、最悪の場合には、油中水分量は
作動媒体の飽和水分量まで達するものと考えなければい
けない。こうした環境下で工具鋼(例えば、PK、S
K、UHB20など)を使用すると「冷凍圧縮機用弁材
料の腐食疲労強度:空気調和・冷凍連合講演会20周年
記念大会(名古屋)講演論文集(’86−4−7,
8)」に詳述されているように耐疲労強度が著しく低下
する。
【0017】さらに前記(6)については、前記(5)
の原因によりころ軸受のレース(SK)およびころ(S
UJ2)の耐疲労強度が低下し、鉄系材からなるころ保
持器ところとの摺動面にミクロクラックが発生し、これ
がまた強度を低下させる。また、エステル変性PAGが
加水分解して脂肪酸を生成し、これが同様に前記部材の
耐疲労強度の低下を促進する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、CFC
12/鉱油系冷凍サイクルに使用していた圧縮機を、単
にHFC134a/エステル変性PAG系冷凍サイクル
に転用しようとすると前記(1)〜(6)の問題があ
る。
【0019】本発明の目的は、冷媒にHFC134a、
冷凍機油にエステル変性PAGあるいはエステル油を用
いた冷凍機用圧縮機の寿命向上にある。
【0020】本発明の他の目的は、摺動面の摩耗量の減
少と耐焼き付き寿命の向上、圧縮機内外のシール性を向
上させた冷凍機用圧縮機を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0022】フッ化炭化水素系冷媒と、該冷媒と相溶す
る冷凍機油とからなる作動媒体を用い、シャフトの回転
運動によりシリンダ内の前記冷媒を圧縮する圧縮手段、
前記シリンダの容量を制御する容量制御手段、各部の気
密を保持するシール手段を備えた冷凍機用圧縮機であっ
て、前記冷凍機油がエステル変性ポリアルキレングルコ
ールまたはエステル油から選ばれた合成潤滑油であり、
前記シール手段が水素添加アクリロニトリルブタジエン
ゴムまたはエチレンプロピレンジエンポリマからなるゴ
ム弾性体もしくは該ゴム弾性体と金属部材で構成されて
いる冷凍機用圧縮機。
【0023】前記冷媒を圧縮する圧縮手段はシリンダと
シャフトの回転運動を往復運動に換える往復変換手段に
より駆動されるピストンとシリンダとで構成されてい
る。
【0024】前記往復変換手段はシャフト軸に対して所
定の傾斜角で取付けられ、かつ、シャフトと一体に回転
する斜板によって往復動するように構成されている。
【0025】前記シール用の水素添加アクリロニトリル
ブタジエンゴムまたはエチレンプロピレンジエンポリマ
からなるゴム弾性体は、150℃,20時間の作動媒体
浸漬試験による体積変化率が−3%以上あることが望ま
しい。
【0026】前記において、回り止め手段および往復変
換手段などのように荷重と滑り速度が大きく給油条件の
悪い摺動面に固体潤滑剤をコーティングすることによっ
て耐摩耗性の向上と焼き付きを防止し、O−リングや軸
シールなどに使用されるゴム部材とのマッチングを図る
ことによって圧縮機の気密を図るシールの寿命を改善す
ると共に、吸入弁,吐出弁をクロム合金鋼とすることで
該弁のフレッティングを防止する。また、転がり軸受の
転導体保持器を熱硬化性のプラスチック製とすることに
よって耐疲労寿命を向上させることができる。
【0027】
【作用】本発明の圧縮機は前記の各部品に対してそれぞ
れの手段を講じたことによりこれらが相互に作用して、
HFC134a/PAG系冷凍サイクルの圧縮機の寿命
が向上できたものと考える。
【0028】
【実施例】図1は本発明の一実施例で、カーエアコン用
の可変容量型圧縮機の概略を示す断面図である。
【0029】本圧縮機のドライブプレート2は、シャフ
ト1にピン等で固定されており、カム溝3内に配置した
支点ピン4がカム曲線に沿って移動可能に設けられ、同
時に支点ピン4は斜板5から突き出した耳(図示省略)
に嵌合されている。
【0030】また、ドライブプレート2のカム溝3が設
けられた耳部と斜板耳部とは接触するよう構成されてい
る。これによりシャフト1によってドライブプレート2
が回転し、該ドライブプレートの耳から斜板5の耳に回
転力が与えられる。斜板5はシャフト軸に対して所定の
角度で回転する。
【0031】シャフト1にはスリーブ6がシャフトの軸
方向に滑動可能に組込まれており、スリーブ6に対して
斜板5がピン7の周りに回転できるよう締結され、シャ
フト1の軸回りに回転する。
【0032】斜板5にはスラスト針状ころ軸受8および
ラジアル玉軸受9を介してピストンサポート10が設け
られており、軸受9の内輪は斜板5に対して回転したり
軸方向に移動したりしないよう止め輪11で固定されて
いる。一方、ピストンサポート10は突起12により軸
受9に対して図面の右方向への移動が阻止され、かつ、
斜板5との間に設けられたスラスト針状軸受8により図
面の左方向への移動が阻止されている。
【0033】図2は本圧縮機の回り止め手段の要部を示
す斜視図である。ピストンサポート10の外周部には回
り止めピン13が径方向に突出して設けられており、該
ピン13の端部にはスライドボール14が回動可能に設
けてある。ピストンサポート10がシャフト1の周りに
回動しないように、スライドボール14は、フロントカ
バー15の内側にシャフト1と平行に設けたスリーブ溝
16内に回り止めシュー17とシューガイドスリーブ4
0でもって保持されている。
【0034】本圧縮機では圧縮機駆動力の反力は全てシ
ュー17とシューガイドスリーブ40で受ける。また、
シュー17はシューガイドスリーブ40内をシャフト1
が1回転することにより1往復動し、そのストロークは
ほゞピストンストロークの2倍である。シュー17とシ
ューガイドスリーブ40との間の荷重と滑り速度は圧縮
機の運転条件によって大きく変化する。例えば、吸入圧
力が0.2MPa、吐出圧力が3MPa、回転速度が4
000rpmで運転した場合、最大面圧は3.7MP
a、すべり速度は9.5m/sに達する。従って、給油
が不十分であると、潤滑条件は非常に厳しくなる。そこ
で、本圧縮機では前記スライドボール14の全表面には
二硫化モリブデンを焼き付け、前記シューガイドスリー
ブ40として圧延鋼板の表面にまず真鍮の粉末を焼結
し、更にその表面にテフロン(duPont社製フッ素
系樹脂)を含浸したDUメタル(大同メタル製のフッ素
樹脂被覆材)を使用した。
【0035】次に、本圧縮機の往復変換手段はアルミニ
ウム−シリコン合金製ピストンサポート10、両端に焼
き入れした鋼製のボール18、19を有するコネクティ
ングロッド20、アルミニウム−シリコン合金製ピスト
ン21とから構成されたユニットが複数設置されてい
る。
【0036】ピストンサポート10には斜板5の反対側
に球面が凹設されている。コネクティングロッド20の
端部のボール18はかしめ等によって、回転自在に取り
付けられ、もう一方の端部のボール19はピストン21
の中心部に凹設された球面にかしめ等によって回転自在
に取り付けられている。これは一般にボール継ぎ手と云
われるもので、その摺動部にはピストン前後の差圧によ
る荷重、ピストンとシリンダとの摩擦力、ピストンの往
復運動による慣性力が作用する。前記ボール18,19
は径が小さいので滑り速度も小さいが、前記の運転条件
では荷重は31MPa、滑り速度は2.6m/sであ
る。しかし、これは荷重としては大きく、給油が不十分
であると潤滑条件が厳しくなる。そこで、前記ボールの
摺動面に二硫化モリブデンの固体潤滑剤を1〜5μmの
厚さで焼き付けたものを用いた。
【0037】次に、図3は吸入圧縮部の断面図を示した
ものであるが、前記ピストン21、シリンダブロック2
2に設けられたシリンダ23、該シリンダに一組ずつ対
応する様に設けられた吸入弁41、吐出弁42および吐
出弁リテーナ43、吸入ポート26および吐出ポート2
7が設けられたシリンダヘッド24、前記吸入ポート2
6のみが開口し、圧縮機の冷媒吸入口28と流路29で
連通する低圧室30と、前記吐出ポート27のみが開口
し、圧縮機の吐出口(図示省略)と連通する高圧室31
とが設けられたリアカバー25とで構成される。
【0038】圧縮機の冷媒吸入口28、流路29、低圧
室30、吸入ポート26、吸入弁41を通ってシリンダ
23内に流入した冷媒ガスはピストン21の往復運動に
よってシリンダ23内で圧縮され吐出ポート27、吐出
弁42、高圧室31を通って、圧縮機の冷媒吐出口から
圧縮機外の凝縮器および蒸発器へ循環移送される。
【0039】本圧縮機の容量制御手段を説明する。リア
カバー25の冷媒流路29の途中には圧縮機容量制御弁
35が設けられ、該容量制御弁35は圧縮機外部への飛
び出しを防止する目的で、止め輪36でリアカバー25
に固定されている。カーエアコンでは車室内温度が低下
すると、蒸発器内の圧力も低下する。例えば、冷媒の蒸
発温度が0℃となるような蒸発圧力まで低下すると、絶
対圧力で作動するパイロット弁38が動作しメイン弁3
7の弁開度が小さくなり、流路面積が減少するためシリ
ンダ23内の圧力が低下する。一方、フロントカバー1
5の内部はシャフト1の中心部に設けた流路39によっ
てパイロット弁38と連通しているため、フロントカバ
ー内部は常にほゞ蒸発圧力と等しい(但し、蒸発器から
圧縮機に至る低圧ガス配管での圧力損失分だけ圧力が低
下する)。従って、ピストン頭頂部の圧力が低下するこ
とによってピストン前後の圧力バランスが崩れ、ピスト
ンはこの圧力差に起因する力によって図の右方向、即
ち、圧縮機の容量を減少させるように移動する。換言す
れば、ピストン前後の圧力バランスが常に一定値に保た
れるように、即ち、蒸発圧力が一定値になるように圧縮
機容量を制御できるように構成されている。
【0040】次に、軸受装置について述べる。冷媒の圧
縮によって生ずる圧縮力はコネクティングロッド20を
介してピストンサポート10に伝わり、同ピストンサポ
ート10とシャフト1との角度によって決まる分力のう
ち、スラスト力はスラスト針状ころ軸受8、斜板5、支
点ピン4を介してドライブプレート2に伝達される。一
方、ラジアル力はラジアル玉軸受12、ピン7およびス
リーブ6を介してシャフト1に伝達される。
【0041】ドライブプレート2に作用するスラスト力
は前記ドライブプレート2とフロントカバー15間に設
置されたスラスト針状ころ軸受32で、また、シャフト
に作用するラジアル力はフロントカバー15およびシリ
ンダブロック22に設置されたラジアル針状ころ軸受3
3、34で受ける。
【0042】前記の運転条件での前記各軸受に作用する
平均荷重は、スラスト針状ころ軸受8では39.8N、
スラスト針状ころ軸受32では26.5N、ラジアル玉
軸受12では15.3N、ラジアル針状軸受33、34
では各々16.3Nと9.2Nである。各軸受の仕様
は、使用条件を想定した軸受荷重および回転速度と、軸
受型式によって決まる定格荷重とから算出される軸受寿
命がカーエアコンのライフサイクル10年を十分満足す
る様に設定されている。
【0043】次に、本圧縮機のシール手段について述べ
る。図3に示すようにリアカバー25とシリンダヘッド
24との間には圧延された薄板鋼板の両面にゴムシート
を貼りあわせたシートパッキン43が設置されており、
リアカバー25とシリンダブロック22の間にはO−リ
ング44が設置されている。圧縮機内外のシールにはO
−リング44、低圧室30と高圧室31のシールにはシ
ートパッキン43が、容量制御弁のパイロット弁38と
フロントカバー15とを連通する流路39と高圧室との
シールにはO−リング45がそれぞれ用いられている。
【0044】シリンダブロック22とフロントカバー1
5の間には図1に示すようにO−リング46がO−リン
グ溝内に設置されており、前記リアカバー25、シート
パッキン43、シリンダヘッド24、O−リング44、
45、46、シリンダブロック22をボルト(図示省
略)で締め付けてこれら部品間をシールしている。
【0045】フロントカバー15とシャフト1の間はリ
ップシール47が設けられており、フロントカバー15
と軸シールの間は同軸シール外周面に接着されたゴム
で、また軸シールとシャフト1の間はフッ素樹脂で成形
されたリップで圧縮機内外の気密を保つている。
【0046】本圧縮機ではHFC134aとPAGによ
る劣化を抑制するために、O−リング、シートパッキ
ン、軸シールに用いられるゴム材には水素添加アクリロ
ニトリルブタジエンゴム(H−NBR)あるいはエチレ
ンプロピレンジエンポリマ(EPDM)を使用した。
【0047】本圧縮機の動作について説明する。マグネ
ットクラッチに通電すると、シャフト1、ドライブプレ
ート2、斜板5およびスリーブ6が連結されて回転す
る。ピストンサポート10は回り止め手段によってその
回転が規制されているので、シャフトの軸に対して揺動
運動する。この揺動運動がコネクティングロッド20に
よりピストン21に伝えられ、ピストンがシリンダ23
内で往復して冷媒を吸入圧縮する。
【0048】冷媒は冷凍サイクルの熱交換器を経て圧縮
機に戻ると、圧縮機冷媒吸入口28、冷媒流路29、容
量制御弁35、低圧室30および吸入ポート26を経て
シリンダ23に流入し、ここで再び圧縮される。前記容
量制御弁のパイロット弁周りの圧力が所定の値まで低下
すると、同パイロット弁38の働きによってメイン弁3
7が冷媒流路面積を減少させ、ピストン頭頂部の圧力を
減じてピストンストロークを小さくし、圧縮機容量を低
減させる。
【0049】次に、従来のCFC12/鉱油系圧縮機と
本圧縮機の構造上、材質上の相違点について説明する。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示すように、従来方式ではアルミニ
ウム−シリコン合金ADC12製のフロントカバー15
にシュー溝を設け、これに工具鋼SKD製のシュー17
を直接接触させる構造としていた。
【0052】これに対して、本方式では従来のシュー溝
にシューガイドスリーブ40を挿入した。シュー17の
材料としてDUメタルを用いたがその材質は「軸受と潤
滑:トライボロジスト:Vol.35−1990、P6
73〜」に詳述されているように、軟鋼の表面に青銅粉
末を焼結し、この表面に鉛と四ふっ化エチレンを約50
μmの厚さに含浸焼き付けしたものである。
【0053】また、他のシュー材としてメタル−IIも検
討したがこれはDUメタル表面の樹脂層のみを30〜4
0μm研削加工したものである。その結果、HFC13
4a/PAG系で、圧縮機に封入する潤滑油量をゼロに
して運転すると、従来方式では30秒でシュー17とシ
ュー溝が焼き付き運転不能となったが、本方式ではDU
メタル、メタルーII共に2時間以上の耐焼付き性を示し
た。なお、同じく従来のCFC12/鉱油系における焼
き付きまでの時間は僅かに5分であった。
【0054】一方、潤滑油を規定量封入し、高熱負荷、
高速で100時間運転後の摩耗量を比較すると、シュー
外径の摩耗量はいずれも0であったが、シュー溝内径の
摩耗量は、従来のCFC12/鉱油からHFC134a
/PAGに換えると摩耗量5μmのものが10μmに増
加した。これに対して、本方式のDUメタルを用いたも
のでは樹脂層の変形分も含めて30μm、メタル−IIの
摩耗量は3μmであった。DUメタルは荷重による樹脂
の変形量と摩耗量とを分離測定できないためこれらの合
計値で示した。
【0055】シュー17とシューガイドスリーブ40の
隙間が10μmを超えると圧縮機の騒音が増加するの
で、この部分の摩耗量は10μm以下に抑える必要があ
る。DUメタルでは樹脂層の厚さは50μm程度あるの
で、予めこの樹脂層を除去したメタルーIIの状態で使用
するか、あるいはシューガイドスリーブシューとの隙間
が30μmだけマイナスになる様にして使用すればよ
い。即ち、変形分を考慮することが必要である。
【0056】以上のようにDUメタルまたはメタルーII
を用いることによって、回り止め機構部の摩耗量を減少
することができ、かつ、潤滑条件が悪い場合でも焼き付
きを防止することができる。
【0057】
【表2】
【0058】次に、往復変換手段について説明する。表
2に示すように、従来方式では軟鋼線材SWRMを浸炭
焼き入れしたボール18と、共晶組成のアルミニウム−
シリコン合金(例えば、Si:11.7%,Cu:2.
5%,Mg:0.2%)製ピストンサポート10を直接
接触させ、封入油量ゼロで1時間運転した。その結果、
CFC12/鉱油系ではボール継ぎ手部のゆるみは発生
しなかったが、HFC134a/PAG系では100μ
mのゆるみが生じ、圧縮機の騒音が増加した。即ち、従
来方式のボールはHFC134a/PAG系には適用で
きないことが明かとなった。
【0059】これに対し本方式では、ピストンサポート
10のボール18受け面に二硫化モリブデンとバインダ
樹脂との混合物をコーティング後、焼き付け処理したも
のを用いた。その結果、ボール継ぎ手部の焼き付き、ゆ
るみを完全に防ぐことができた。
【0060】上記はピストンサポート10側のボール継
ぎ手について説明したが、その摺動速度はピストン21
側に比べると2倍程度大きい。但し、上記油封入量ゼロ
の試験終了後のピストン21側ボール継ぎ手部に、約1
0μmのゆるみが発生していたことから、本方式ではピ
ストンサポート10側と同様に表面処理を施すのがよい
ことが分かった。
【0061】前記のようにボール継ぎ手部に二硫化モリ
ブデンをコーティングすることによって、該摺動部の摩
耗並びに焼き付きを抑制することができる。
【0062】
【表3】
【0063】次に、シール手段について述べる。O−リ
ングに用いるゴム材は表3に示すように、従来方式では
NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)が用いられ
ていた。NBRはCFC12/鉱油系で使用すると、試
験前後で硬さが僅かに増加する程度であるが、体積は
2.9%減少し、一定荷重を加えたときの伸びが57%
も減少した。
【0064】一般にO−リングはリング溝に挿入され、
リングサイズと使用方法によって決められた一定の潰し
代が得られる状態で用いられる。従って、使用中にその
材料の初期特性を著しく失うようなものは使用できな
い。こうした点からは硬さの変化は比較的問題はない
が、伸び率が大幅に減少するものは好ましくない。伸び
率が減少すると云うことは、材料であるゴム中の軟化剤
等が溶出されたかゴム自体の脆化によるものと考えられ
る。また、体積の減少もO−リングの場合、潰し代が減
少することになり、所定の設計値を保てなくなる。
【0065】従来のNBRをHFC134a/PAG系
に用いると伸びが僅かに増加し、体積が増加する。NB
RがCFC12/鉱油系で使用実績があることゝ、上記
試験の結果から見て、NBRはHFC134a/PAG
系でも使用可能と思われるが、カーエアコンのライフサ
イクル10年を勘案すると、長期の信頼性を確保できる
か疑わしい。
【0066】そこで、本発明においては、CFC12/
鉱油系でのNBRの体積変化率と同等の−3%以上のゴ
ム材を目標に、水素添加NBRまたはEPDM(エチレ
ンプロピレンジエンポリマ)について検討した。その結
果、体積減少も殆どなく。伸び率も従来のNBRの約2
倍以上得られることが分かった。特に、EPDMの劣化
は極めて少なく、HFC134a/PAG系に有効であ
った。なお、軸シールとフロントカバーとの間をシール
するために、軸シール外周に用いているゴム材も前記水
素添加NBRまたはEPDMを用いることによって、同
様の効果が得られることは述べるまでもない。
【0067】前記のように、各シール手段のゴム材に水
素添加NBRまたはEPDMを用いることにより本圧縮
機の気密性を長期間保証することができる。
【0068】次に、リアカバー25とシリンダヘッド2
4との間に設けられるシートパッキングの母材(冷間圧
延鋼板SPCC)とゴムの剥離防止について説明する。
【0069】シートパッキンは面圧を受けるシート面の
大きさより僅かに大きくして用いるのが一般的である。
従って、パッキンはその切り口ばかりでなくパッキン面
の一部も冷媒や潤滑油に曝されることになる。こうした
状態で圧縮機が運転されると、パッキンの表面あるいは
鋼板との接着界面から冷媒や潤滑油が浸透して接着層を
劣化させたり、膨潤し易い材質の場合にはパッキンの膨
潤力が接着面に作用して、パッキンが母材の鋼板から剥
離し、最悪の場合にはちぎれることもある。ちぎれた破
片が吸入弁あるいは吐出弁とシリンダヘッドの間等に挟
まると、圧縮機の効率低下や弁折れの原因となる。ま
た、膨張弁を詰めると冷却不良や圧縮機への油戻り不良
を起こし圧縮機焼き付きの原因となる。
【0070】上記を防止するには、膨潤しにくいパッキ
ング材の選択と鋼板との接着力を向上させることが重要
である。本発明においては水素添加NBRまたはEPD
Mを採用すると共に、これの接着力の向上に鋼板表面を
苛性処理を施すことによって粗化した。カーエアコンの
ライフサイクル10年を想定した150℃,1000時
間の冷媒/冷凍機油浸漬試験において、従来方式のもの
では鋼板からパッキンの剥離が見受けられたが、苛性処
理鋼板を用いることによってパッキンの剥離やちぎれを
防止することができた。
【0071】次に、吸入弁および吐出弁の破損防止につ
いて述べる。これらの弁の破損の原因は既述の様に、本
方式が潤滑油として使用しているPAGによる冷凍サイ
クル内の水分増加に基づくものである。
【0072】前記文献「冷凍圧縮機用弁材料の腐食疲労
強度:空気調和・冷凍連合講演会20周年記念大会(名
古屋)講演論文集(’86−4−7,8)」によれば、
大気中およびイオン交換水中における1%C(炭素)鋼
(炭素工具鋼PKに相当する)と13%Cr−1%Mo
鋼の耐疲労強度は図4に示すとおりである。両鋼とも水
中での耐疲労強度が大気中に比べて大幅に低下してい
る。
【0073】従来方式のCFC12/鉱油系サイクルで
使用していたPKと同等の耐疲労強度をHFC134a
/PAG系で得るには13%Cr−1%Mo鋼を用いる
必要があることが分かる。水中で13%Cr−1%Mo
鋼の耐疲労強度が向上する理由はクロムの酸化被膜が鋼
中への酸素の拡散を抑制する障壁となるためと考えられ
る。
【0074】前記のように、吸入および吐出弁の材質を
少なくともクロムを13%以上含有するマルテンサイト
系ステンレス鋼(オーステナイト系ステンレス鋼では十
分な硬度が得られない)とすることによって前記弁の疲
労破壊あるいは微小滑りによるフレッティングの防止効
果がある。
【0075】次に、転がり軸受の表面剥離防止について
述べる。本圧縮機では使用条件と軸受の定格荷重とによ
り、十分な寿命が得られる転がり軸受を用いている。従
って、CFC12/鉱油系サイクルでは軸受が表面剥離
するような現象は発生しなかった。ところが、HFC1
34a/PAG系サイクルでは潤滑油が規定量封入され
ているにもかゝわらず、スラスト針状ころ軸受32に表
面剥離現象が生じた。
【0076】この理由は、(1)PAGを使用すること
による冷凍サイクル中の含有水分増加に基づく軸受材質
の耐疲労強度の低下、(2)PAGの加水分解によって
生成する酸による耐疲労強度低下の加速、が考えられ
る。
【0077】前記(1)については弁材質に関する部分
で説明したとおりで、軸受転動体の材質を一般に用いら
れている軸受鋼SUJ2を少なくともクロムを13%以
上含むステンレス鋼(例えばSUS440系ステンレス
鋼)に代える必要がある。しかし、ステンレス鋼は塩素
や酸が存在する雰囲気中では応力腐食割れが生ずると云
われるとおり、実際に下記に述べるような脂肪酸が存在
するサイクルでは殆ど延命効果は認められなかった。
【0078】前記(2)については潤滑油に使用したエ
ステル変性PAGが加水分解して末端のエステルが外れ
て脂肪酸を生成し、これが鋼の耐疲労強度低下を加速さ
せるためと考える。これには潤滑油に脂肪酸の捕捉剤を
添加する方法がある。しかし、該捕捉剤は摺動によって
活性化した金属表面と脂肪酸との反応速度より酸の捕捉
の方が早いものでなければ効果は期待できない。しか
し、軸受以外の金属部材およびゴム、ナイロン等の有機
部材に悪影響を及ぼさずに前記効果を発揮するような酸
捕捉剤は現在のところ見当らない。
【0079】水分はゴム材を透過して10年間連続的に
サイクル内に侵入し、その総量は計算によると13.6
gに達する。このうち、モレキュラシーブスなどの吸着
剤に吸着可能な水分は約4.9gであるから、残りの水
に起因して生成する脂肪酸を確実に捕捉するためには、
酸捕捉剤に例えば下記分子構造のエチレングリコールジ
グリシジルエーテルを使用すれば、総添加量は758g
となり、冷凍サイクルへの潤滑油封入量150〜200
gより多量の添加剤を加えなければならず、潤滑特性に
影響することが考えられる。
【0080】
【化1】
【0081】サイクル内の冷媒を抜き取らずに、例え
ば、カートリッジ型ワンタッチ交換方式の水分除去装置
が提案(特公昭61−168762号、実開昭56−8
6472号公報)されている。しかし、この方式は冷凍
サイクルの構造を大幅に変更しなければならない。ま
た、脂肪酸を生成しない通常のPAGの使用も考えられ
るが、通常のPAGはHFC134aとの相溶性が劣
り、高温側の相溶温度を10〜15℃低下するため好ま
しくない。
【0082】
【表4】
【0083】本発明のHFC134a/エステル変性P
AGあるいはエステル油を用いた圧縮機に好適な軸受に
ついて説明する。表4に示すようにスラスト針状ころ軸
受のころ保持器を熱硬化性プラスチック製とすることに
ある。
【0084】保持器材質がSPCC製のものを用いて、
CFC12/鉱油系(油中水分量は70ppm)で運転
した場合の軸受寿命を1とすると、HFC134a/エ
ステル変性PAG系での軸受寿命は油中水分が70pp
mの場合には1であるが、油中水分が2重量%では0.
35に低下する。これに対して、ころ保持器にポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)製のものを用いると、軸
受寿命は油中水分が70ppmで1.11に、また、2
重量%の場合でも1.04と極めて優れていることが分
かった。
【0085】この理由は、プラスチック製のころ保持器
は、 (1)ころと保持器との硬度差が大きいため、ころと保
持器との摺動によるころ表面のミクロクラックの発生が
防止される。
【0086】(2)保持器の剛性が小さいので、回転変
動や荷重変動に起因するころの揺動に対してある程度変
形し追随する。従って、ころの動きを無理に規制するこ
とがないので、ころと保持器あるいはころとレースとの
滑り転がりが円滑になり、ころ表面のミクロクラックの
発生が防止される。
【0087】即ち、ミクロクラックの発生が抑制される
ので、耐疲労強度を向上できるのである。なお、ここで
はスラスト針状ころ軸受についてのみ説明したが、転が
り軸受全般、例えばラジアル玉軸受、ラジアル針状ころ
軸受等でも同様な効果があり軸受寿命が向上する。
【0088】従来方式のカーエアコン用圧縮機に用いら
れる吸着剤としてはモレキュラシーブが用いられてい
る。CFC12用の該吸着剤をHFC134a系に用い
て運転したところ、鉄系部材に錆が著しく発生した。こ
れは該モレキュラシーブの分子ふるいの孔径が4.0Å
であったゝめ、平均分子サイズが4.4ÅのCFC12
分子は、該モレキュラシーブの孔に侵入することができ
ない。これに対して、HFC134aの平均分子サイズ
は4.2Åと小さいために、モレキュラシーブの孔に捕
捉され、モレキュラシーブの触媒作用で冷凍サイクル内
の水分と反応し、ふっ化水素を生成したゝめと推定され
る。従って、HFC134aを用いる場合は、分子ふる
いのサイズが4Åよりもっと小さいモレキュラシーブを
使用すればよい。
【0089】カーエアコンでは圧縮機はエンジンに、蒸
発器と凝縮器は車体にそれぞれ搭載されるため、これら
を連結する配管にはゴムを主材としたフレキシブルホー
スが使用される。前記の様に、HFC134aの分子サ
イズはCFC12に比べて小さく、CFC12用のフレ
キシブルホースをHFC134aにそのまま使用すると
ホースを介して漏れる冷媒が多いことが考えられる。こ
れを防止するため、ゴムホース内面にHFC134aを
透過しにくゝ可撓性に優れた遮蔽層を設ける必要があ
る。こうしたものとしては例えばナイロンがある。本発
明の圧縮機を使用するに当たっては、その内面にナイロ
ンフィルム層を設けたフレキシブルホースを使用するこ
とが望ましい。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、ふっ化炭化水素系冷媒
とエステル変性PAGあるいはエステル油との作動媒体
を用いた冷凍機用圧縮機の寿命を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷凍機用可変容量型圧縮機の断面図で
ある。
【図2】本発明の圧縮機の回り止め手段の要部の構成を
示す分解斜視図である。
【図3】本発明の圧縮機の吸入圧縮機構部の部分断面図
である。
【図4】吸入吐出弁材の耐疲労強度に対する水の影響を
示すグラフである。
【符号の説明】
1…シャフト、4…支点ピン、5…斜板、10…ピスト
ンサポート、13…回り止めピン、14…スライドボー
ル、15…フロントカバー、16…スリーブ溝、17…
シュー、18、19…ボール、20…コネクティングロ
ッド、21…ピストン、22…シリンダブロック、23
…シリンダ、24…シリンダヘッド、25…リアカバ
ー、26…吸入ポート、27…吐出ポート、29…冷媒
流路、30…低圧室、31…高圧室、35…圧力制御
弁、39…流路、40…シューガイドスリーブ、41…
吸入弁、42…吐出弁、43…パッキン、44、45、
46…O−リング、47…軸シール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 敦夫 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所 自動車機器事業部内 (72)発明者 町村 英紀 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所 自動車機器事業部内 (56)参考文献 特開 平4−8876(JP,A) 特開 平5−187355(JP,A) 特開 平4−122792(JP,A)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ化炭化水素系冷媒と、該冷媒と相溶す
    る冷凍機油とからなる作動媒体を用い、シャフトの回転
    運動によりシリンダ内の前記冷媒を圧縮する圧縮手段、
    前記シリンダの容量を制御する容量制御手段、各部の気
    密を保持するシール手段を備えた冷凍機用圧縮機であっ
    て、 前記冷凍機油がエステル変性ポリアルキレングルコール
    またはエステル油から選ばれた合成潤滑油であり、前記
    シール手段が水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム
    またはエチレンプロピレンジエンポリマからなるゴム弾
    性体もしくは該ゴム弾性体と金属部材とで構成されてい
    ることを特徴とする冷凍機用圧縮機。
  2. 【請求項2】前記冷媒を圧縮する圧縮手段がシャフトの
    回転運動を往復運動に換える往復変換手段により駆動さ
    れるピストンとシリンダとで構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の冷凍機用圧縮機。
  3. 【請求項3】前記往復変換手段がシャフト軸に対して所
    定の傾斜角で取付けられ、かつ、シャフトと一体に回動
    する斜板によって往復動するように構成されていること
    を特徴とする請求項2に記載の冷凍機用圧縮機。
  4. 【請求項4】前記冷媒を圧縮するピストンは、前記斜板
    に対して滑動可能に組込まれたピストンサポートとボー
    ル継ぎ手を介して斜板の回動により駆動され、前記ボー
    ル継ぎ手はコネクティングロッドとその両端に滑動自在
    に取付けたボールとで構成されており、該ボールは前記
    ピストンおよびピストンサポートに凹設された球面によ
    って摺動可能に保持され、少なくともピストンサポート
    側ボールは前記凹球面との摺動面に固体潤滑剤の薄膜が
    形成されていることを特徴とする請求項2または3に記
    載の冷凍機用圧縮機。
  5. 【請求項5】前記シリンダ容量を制御する容量制御手段
    は、圧縮機の冷媒入口の冷媒圧力によって前記斜板のシ
    ャフト軸に対する傾斜角度を変えることにより制御され
    るよう構成されていることを特徴とする請求項2〜4の
    いずれかに記載の冷凍機用圧縮機。
  6. 【請求項6】前記シール手段に用いた水素添加アクリロ
    ニトリルブタジエンゴムまたはエチレンプロピレンジエ
    ンポリマからなるゴム弾性体は、150℃,20時間作
    動媒体浸漬試験による体積変化率が−3%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の冷凍機
    用圧縮機。
  7. 【請求項7】前記ピストンサポートが回り止め手段を備
    え、該回り止め手段はピストンサポートの外周に突出し
    て設けたピンと、該ピンと回動可能に設けたスライドボ
    ールと、該スライドボールを受けるシューガイドスリー
    ブと、該シューガイドスリーブを収納しシャフトと平行
    にフロントカバー内に設けたスリーブ溝を有し、前記シ
    ューガイドスリーブの摺動面はフッ素系樹脂がコーティ
    ングされ、前記スライドボールの表面は固体潤滑剤が被
    覆されていることを特徴とする請求項4に記載の冷凍機
    用圧縮機。
  8. 【請求項8】前記冷媒を圧縮する圧縮手段の吐出弁,ま
    たは吸入弁と吐出弁がクロムを13%以上含む鋼材で形
    成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の冷凍機用圧縮機。
  9. 【請求項9】軸受装置に設けられている転動体軸受の転
    動体保持器が熱硬化性プラスチック製であることを特徴
    とする請求項1〜8に記載の冷凍機用圧縮機。
  10. 【請求項10】水素添加アクリロニトリルブタジエンゴ
    ムまたはエチレンプロピレンジエンポリマからなるゴム
    弾性体と金属部材とで構成された前記シール手段は、前
    記金属部材の表面が苛性処理されていることを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれかに記載の冷凍機用圧縮機。
  11. 【請求項11】前記フッ化炭化水素系冷媒が1,1,1,
    2−テトラフルオロエタンであることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれかに記載の冷凍機用圧縮機。
  12. 【請求項12】圧縮機、蒸発器、凝縮器を備えた冷凍サ
    イクルにおいて、前記圧縮機が炭化水素系冷媒と、該冷
    媒と相溶する冷凍機油とからなる作動媒体を用い、シャ
    フトの回転運動によりシリンダ内の前記冷媒を圧縮する
    圧縮手段、前記シリンダの容量を制御する容量制御手
    段、各部の気密を保持するシール手段を備えた圧縮機で
    あって、前記冷凍機油がエステル変性ポリアルキレング
    ルコールまたはエステル油から選ばれた合成潤滑油であ
    り、前記シール手段が水素添加アクリロニトリルブタジ
    エンゴムまたはエチレンプロピレンジエンポリマからな
    るゴム弾性体もしくは該ゴム弾性体と金属部材とで構成
    されていることを特徴とする冷凍サイクル。
  13. 【請求項13】軸受装置に設けられている転動体軸受の
    転動体保持器が熱硬化性プラスチック製であることを特
    徴とする請求項12に記載の冷凍サイクル。
  14. 【請求項14】前記フッ化炭化水素系冷媒が1,1,1,
    2−テトラフルオロエタンであることを特徴とする請求
    項12または13に記載の冷凍サイクル。
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